JP2017090785A - 画像形成装置 - Google Patents

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剛 新藤
宏一郎 増井
Koichiro Masui
宏一郎 増井
恒 山内
Hisashi Yamauchi
恒 山内
剛輔 後藤
Gosuke Goto
剛輔 後藤
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Abstract

【課題】色ずれの検知に必要となるトナーの消費量を低減することができる技術を提供する。
【解決手段】現像剤像が中間転写ベルトに転写される転写位置の基準位置からのずれ量を検出するための制御部であって、露光により感光ドラムに形成された検知用静電像が帯電ローラとの対向位置を通過する際の、帯電ローラに流れる電流を検知する電流検知部が検知する電流値の変化に基づくずれ量と、基準値とに基づいて、転写位置の基準位置からのずれ量を検出する制御部を備え、制御部でが転写位置のずれ量を検出する際に、感光ドラム表面のうち露光された露光部の電位の絶対値が、現像ローラに印加される電圧の値の絶対値よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、電子写真記録方式を利用する画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体などの像坦持体上(以下「感光ドラム」という)に形成した静電潜像を、粉体である現像剤(以下「トナー」という)を用いて可視化することが行われている。この画像形成装置において、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応する複数の画像形成装置を独立して有するタンデム方式が知られている。タンデム方式の画像形成装置は、各色の画像形成装置の感光ドラム上に形成された現像剤像(以下「トナー像」という)を中間転写体に重畳転写し、さらに中間転写体から記録材に一括してトナー像を転写する構成がとられている。
この画像形成装置は、画像形成装置の機械的要因によって、各色の感光ドラム上のトナー像を中間転写体に重畳転写したときに位置ずれ(以下「色ずれ」という)を生じることがあった。この色ずれを改善するために、例えば、各色の感光ドラムから中間転写体に検出用のトナー像を転写し、その検出用のトナー像の走査方向及び搬送方向の相対位置を光学センサによって検出し、色ずれの補正を行う手法が知られている(特許文献1)。
特開平7−234612号公報
色ずれ補正制御は、色ずれの発生が想定される状況が発生した都度実施するのが好ましい。色ずれの発生が想定される状況としては、例えば、連続印刷などで装置内温度が変化した場合が挙げられ、温度センサを用いて所定の温度変化を検知したときに色ずれ補正制御を実施するように構成されることがある。従来の色ずれ補正制御は、その実施の度にトナー像を形成する必要がある。すなわち、従来例では、色ずれ補正のために各色に対応した検出用のトナー像(100%濃度)を常に中間転写体に転写する必要が有る。このため、色ずれ補正制御後に画像形成動作を行うには、中間転写体上に残った検出用のトナー像をクリーニングする必要が有り、そのクリーニングに所定の時間を要するため、プリントスピードが低下することがある。また、色ずれ補正制御の実施の度に、検出用のトナー像(100%濃度)を消費してしまうため、効率的にトナーを使用できないことがある。
本発明の目的は、色ずれの検知に必要となるトナーの消費量を低減することができる技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電部材と、
前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光部材と、
前記静電像を現像剤で現像して現像剤像を前記像担持体に形成する現像剤担持体と、
前記現像剤像を前記像担持体から前記記録材または中間転写体に転写する転写部材と、
を備える画像形成装置において、
前記現像剤像が前記記録材または前記中間転写体に転写される転写位置の基準位置からのずれ量を検出するための制御部であって、露光により前記像担持体に形成された検知用静電像が前記帯電部材または前記転写部材との対向位置を通過する際の、前記帯電部材または前記転写部材に流れる電流を検知する電流検知部が検知する電流値の変化に基づくずれ量と、基準値とに基づいて、転写位置の前記基準位置からのずれ量を検出する制御部と、を備え、
前記制御部で転写位置のずれ量を検出する際に、前記像担持体の表面のうち露光された露光部の電位の絶対値が、前記現像剤担持体に印加される電圧の値の絶対値よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、色ずれの検知に必要となるトナーの消費量を低減することができる。
本発明の実施例に係る画像形成装置の構成図 高圧電源装置の構成図 高圧電源装置における帯電高圧電源回路の回路図 エンジン制御部の機能ブロック図 基準値取得処理のフローチャート 基準値取得処理のフローチャート 基準値取得処理のフローチャート 色ずれ検出用マーク、色ずれ検出用静電潜像の説明図 感光ドラムの表面電位情報検出結果の一例を示す図 色ずれ補正制御のフローチャート 色ずれ補正制御のフローチャート 色ずれ補正制御のフローチャート 別の基準値取得処理のフローチャート、色ずれ補正制御のフローチャート 共通の電流計を備えた帯電高圧電源回路図 感光ドラムの表面電位の一例を示す図 一次転写高圧電源回路の構成図 Vbackと感光ドラム暗部電位の関係図 Vbackと感光ドラム上のトナー量の関係図 現像ローラ上のトナーの帯電量分布を示す図 感光ドラムと現像ローラの周速比と感光ドラム上のトナー量の関係図 感光ドラムと現像ローラの周速比と感光ドラム上のトナー量の関係図 感光ドラムの表面電位情報検出結果の一例を示す図 感光ドラムの表面電位の一例を示す図 実施例4の比較例における感光ドラムの表面電位を示す図 実施例5における感光ドラムの表面電位と現像電位の一例を示す図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
従来の色ずれ補正制御においては制御毎に検出用のトナー像を形成していたため、プリ
ントプリントスピードが低下し、効率的にトナーを使用できていなかった。本発明は、常に検出用のトナー像を形成するのではなく、一部の補正制御においては、現像ローラ24と感光ドラム22を当接した状態において帯電電流を測定することによって行う。これにより、その測定時に、検知用トナー像をクリーニングする必要がないためクリーニング時間に相当するダウンタイムを低減できる。また、検知用トナー像を形成しないためトナー消費量も低減できる。
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す模式的断面図である。この画像形成装置は、電子写真プロセスを用いたタンデム方式(4ドラム系)の4色フルカラー画像形成装置(多色画像形成装置)である。ここで、画像形成装置(電子写真画像形成装置)とは、電子写真画像形成プロセスを用いて現像剤(トナー)により記録材(記録媒体)に画像を形成するものである。例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタなど)、電子写真ファクシミリ装置、及び、電子写真ワードプロセッサ、及び、それら複合機(マルチファンクションプリンタ)などが含まれる。
また、本実施例の画像形成装置は、画像形成プロセスを担う主要構成のいくつかをカートリッジとして一体化し、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成されている。カートリッジとしては、電子写真感光ドラム(像担持体)と、この電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段としての帯電装置、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つを一体的にカートリッジ化したプロセスカートリッジがある。また、このプロセスカートリッジの構成のいくつかを1つの枠体に一体化した複数のユニットに分ける構成もある。例えば、現像手段を備える現像ユニット(現像装置)や、感光ドラムとクリーニング部材を有するクリーニング装置とを備えるドラムユニットが、それぞれ独立して画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な構成である。ここで、画像形成装置の装置本体とは、画像形成装置の構成からプロセスカートリッジやユニットを除いた装置構成部分のことを指す。
10は、画像形成装置本体である。Y・M・C・Kは、画像形成装置10本体内に右から左に順に並列配置(横型タンデム構成)され、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色のトナー像(現像剤像)を形成する第1〜第4の4つの画像形成部である。上記の各画像形成部Y・M・C・Kは、互いに形成するトナー像の色が上記のように異なる(収容する現像剤の色が異なる)以外は、それぞれ同じ構成を有する電子写真プロセス機構である。各画像形成部Y・M・C・Kの現像装置25a、25b、25c、25dには、それぞれ現像剤としてイエロートナー・マゼンタトナー・シアントナー・ブラックトナーが収容されている。これらのトナーは、現像装置25a〜25d内において負極性に摩擦帯電され、現像剤担持体である現像ローラ24a、24b、24c、24d表面に保持される。
さらに、各画像形成部Y・M・C・Kは、それぞれ回転体である像担持体としてのドラム型の感光体22a、22b、22c、22d(以下、感光ドラムと記す)を備える。さらに、感光ドラム22a〜22d表面に接触して、感光ドラム22a〜22dの表面を一様に帯電する帯電装置(帯電部材)としての帯電ローラ23a、23b、23c、23dを備える。スキャナユニット20a、20b、20c、20d(露光部材)は、反射ミラーやレーザダイオード(発光素子)を含み、回転駆動される感光ドラム22a〜22dに対し、レーザ光21a、21b、21c、21dを照射する。このとき、感光ドラム22a〜22dは、帯電ローラ23a〜23dによって予め負極性に帯電されている。この感光ドラム22a〜22dに対して、レーザ光21a〜21dの照射によって静電潜像(静電像)が形成される。これら像担持体上への静電像の形成にかかわる構成が、本発明における静電像形成部に対応する。
現像部としての現像器25a〜25dは、現像剤担持体であり回転体である現像ローラ24a〜24dによって、感光ドラム22a〜22dの静電潜像にトナーを供給し、感光ドラム上にトナー像を形成する。その後、転写部材である1次転写ローラ26a、26b、26c、26dは、正電圧を出力し、感光ドラム22a〜22dのトナー像を、中間転写体としての中間転写ベルト30(無端状ベルト)に転写する。中間転写ベルト30は、ローラ31、32、33によって周回駆動され、トナー像を転写部材である2次転写ローラ27の位置へ搬送する。このとき、記録材12は、ピックアップローラ13によって繰り出され、レジストセンサ111によって先端位置が検出された後、搬送ローラ対14、15に先端が少し通過した位置で搬送を一旦停止される。そして、2次転写ローラ27の2次転写位置において、中間転写ベルト30により搬送されたトナー像とタイミングが合うよう搬送が再開される。そして、2次転写ローラ27によって中間転写ベルト30から記録材12上にトナー像が転写される。その後、定着ローラ対16、17によって記録材12のトナー像を記録材12に対して加熱定着した後、記録材12を機外へ出力する。ここで、2次転写ローラ27によって、中間転写ベルト30から記録材12へ転写されなかったトナーは、クリーニングブレード35によって中間転写ベルト30から除去され廃トナー容器36に回収される。なお、トナー像検出を行う色ずれ検出センサ40の動作については後述する。ここで、各符号の英文字aはイエロー、bはマゼンタ、cはシアン、dはブラックの構成およびユニットを示す。
なお、スキャナユニット、感光ドラム、帯電ローラ、現像器などのトナー像を形成するのに直接的に係る部材群のことを画像形成部と称する。また、場合によっては、1次転写ローラを含めて画像形成部と称してもよいし、スキャナユニット20を含めずに画像形成部と称しても良い。また、感光ドラムの周囲に近接して配置され、感光ドラムに作用する各部材(帯電ローラ、現像器及び1次転写ローラ)のことを、プロセス手段と称する。このようにプロセス手段には、複数種類の部材を相当させることができる。
また、図1においては、スキャナユニットにより光照射を行う系を説明した。しかし、それに限定されることはなく、色ずれ(位置ずれ)が生じてしまうという意味では、例えば、光照射手段としてLEDアレイを備えた画像形成装置を以下の各実施例に適用することもできる。以下の説明においては、一例として、光照射手段としてスキャナユニットを備えた場合を説明していくこととする。また、上の説明においては、中間転写ベルト30を有する画像形成装置について述べたが、その他の方式の画像形成装置にも転用できる。例えば、記録材搬送ベルトを備え、複数備える画像形成部における各感光ドラム22に現像されたトナー像を記録材搬送ベルト(無端状ベルト)により搬送されてくる転写材(記録材)に直接転写する方式を採用した画像形成装置にも転用できる。
[高圧電源装置の構成図]
図2(a)を用いて、図1の画像形成装置における高圧電源装置の構成を説明する。図2(a)に示す高圧電源回路装置は、帯電高圧電源回路43a、43b、43c、43d、現像高圧電源回路44a、44b、44c、44d、1次転写高圧電源回路46a、46b、46c、46d、2次転写高圧電源回路48を備えている。
帯電高圧電源回路43a〜43dは、帯電ローラ23a〜23dに電圧を印加することで、感光ドラム22a〜22dの表面にバックグラウンド電位を形成し、レーザ光の照射によって静電潜像を形成可能な状態にする。ここで、帯電高圧電源回路43a〜43dの夫々は、電流検知部としての電流検出回路50a、50b、50c、50dを備えている。現像高圧電源回路44a〜44dは、電圧印加部として、現像ローラ24a〜24dに電圧を印加することで、感光ドラム22a〜22dの静電潜像にトナーを載せ、トナー像を形成する。1次転写高圧電源回路46a〜46dは、1次転写ローラ26a〜26dに
電圧を印加することで、感光ドラム22a〜22dのトナー像を中間転写ベルト30に転写する。ここで、1次転写高圧電源回路46a〜46dの夫々は、電流検知部としての電流検出回路47a、47b、47c、47dを備えている。2次転写高圧電源回路48は、2次転写ローラ27に電圧を印加することで、中間転写ベルト30のトナー像を記録材12へ転写する。
[高圧電源の回路図]
図2(b)を用いて、図2(a)の高圧電源装置における帯電高圧電源回路43a〜43dの回路構成を説明する。帯電高圧電源回路43a〜43dはそれぞれ同じ回路構成を有しており、ここでは、帯電高圧電源回路43aの回路構成についてのみ説明し、帯電高圧電源回路43b〜43dについては説明を省略する。
図2(b)に示すように、帯電高圧電源回路43aは、比較器60a、駆動回路61a、変圧器62a、整流回路51a、検出抵抗67a、68aを備える。変圧器62aは、駆動回路61aによって生成される交流信号の電圧を数十倍の振幅に昇圧する。ダイオード65a、64a及びコンデンサ63a、66aによって構成される整流回路51aは、昇圧された交流信号を整流・平滑する。そして整流・平滑化された電圧信号は、出力端子53aに直流電圧として出力される。比較器60aは、検出抵抗67a、68aによって分圧された出力端子53aの電圧と、制御部54によって設定された電圧設定値55aとが等しくなるよう、駆動回路61aの出力電圧を制御する。そして、出力端子53aの電圧に従い、感光ドラム22a、帯電ローラ23a、グランドなどを経由して電流が流れる。
電流検出回路50aは、変圧器62aの2次側回路500aと接地点57との間に挿入されている。さらにオペアンプ70aの入力端子はインピーダンスが高く、電流が殆ど流れないので、接地点57から変圧器62aの2次側回路500aを経て出力端子53aへ流れる直流電流は、ほぼ全て抵抗71aに流れるよう構成されている。また、オペアンプ70aの反転入力端子は、抵抗71aを介して出力端子と接続されている(負帰還されている)ので、非反転入力端子に接続されている基準電圧73aに仮想接地される。従って、オペアンプ70aの出力端子には、出力端子53aに流れる電流量に比例した検出電圧56aが現れる。言い換えれば、出力端子53aに流れる電流が変化すると、オペアンプ70aの反転入力端子ではなく、オペアンプ70aの出力端子の検出電圧56aが変化する形で、抵抗71aを介して流れる電流が変化することとなる。尚、コンデンサ72aは、オペアンプ70aの反転入力端子を安定させるためのものである。
検出電流量を示す検出電圧56aは、コンパレータ74aの負極の入力端子(反転入力端子)に入力されている。コンパレータ74aの正極入力端子には閾値であるVref75aが入力されており、反転入力端子の入力電圧が閾値を下回った場合に出力がHi(正)になり、二値化電圧値561a(Hiになった電圧)が制御部54に入力される。閾値Vref75aは、色ずれ補正用の静電潜像がプロセス手段に対向する位置を通過するときの検出電圧561aの極小値と、通過する前の検出電圧561aの値との間の値に設定される。一度の静電潜像の検出で検出電圧561aの立上がりと立下がりとが検出される。制御部54は例えば検出電圧561aの立上がりと立下がりの中点を検出位置とする。また制御部54が検出電圧561aの立上がり及び立下がりの何れか一方のみを検出しても良い。
[エンジン制御部54のハードウェアブロック図]
制御部54の説明を行う。制御部54は、図1で説明した画像形成装置の動作を統括的に制御する。本実施例の制御部は、図2(b)に示すように、CPU321、ASIC3
22,RAM323、EEPROM324を有する。CPU321は、RAM323を主
メモリ、ワークエリアとして利用し、EEPROM324に格納される各種制御プログラムに従い、上に説明したエンジン機構部を制御する。また、ASIC322は、CPU321の指示のもと、各種プリントシーケンスにおいて、例えば各モータの制御、現像バイアスの高圧電源制御等を行う。尚、CPU321の機能の一部或いは全てをASIC322に行わせても良く、また、逆にASIC322の機能の一部或いは全てをCPU321に代わりに行わせても良い。また制御部54の機能の一部を他の制御部54相当のハードウェアに担わせて実行させても良い。
[機能ブロック図]
図2(c)に示す、エンジン制御部54に係る機能ブロック図について説明する。アクチュエータ326、センサ325はハードウェアを示している。またパッチ形成部327、プロセス手段制御部328及び色ずれ補正制御部329の夫々は機能ブロックを示す。以下、夫々について具体的に説明する。
アクチュエータ326は、感光ドラムの駆動モータや、感光ドラムと現像器の離間モータ、感光ドラムと中間転写ベルトの離間モータなどのアクチュエータ類を総称して表すものである。センサ325は、レジストセンサ111や電流検知回路50などのセンサ類を総称して表すものである。制御部54は各種センサ325から取得した情報に基づいて、各種処理を行う。アクチュエータ326は、例えば、後述する現像ローラ24a〜24dを離隔させる為のカムを駆動する駆動源として機能する。パッチ形成部327は、スキャナユニット20a〜20dを制御することで、後述する潜像マークを各感光ドラム22a〜22dに形成する。プロセス手段制御部328は、後述の図3等のタイミングチャートで説明するように、静電潜像検出時における各プロセス手段の動作・設定を制御する。色ずれ補正制御部329は、検出電圧561で検知されるタイミングから、後述される計算方法で色ずれ補正量の算出および色ずれ補正量の反映を行う。なお、ここで説明した機能を実現するうえで、ハードウェアがどのような形態かは限定されるものではなく、CPU321やASIC322やその他のハードウェアなど、どれを動作させても良く、また任意の分配で各ハードウェアに処理を分担させても良い。
[色ずれ補正制御の説明]
以下、本実施例における色ずれ補正制御について詳述する。まず、上述した画像形成装置により、中間転写ベルト30上にトナー像による色ずれ検出用のトナーマークを形成し、色ずれ量を小さくする。そして、色ずれ状態を小さくしたうえで、静電潜像が帯電ローラ23a〜23dの位置(対向位置)に到達する時間を、帯電電流の電流値の変化を検出することで測定し、該特定結果に基づき色ずれ補正制御の基準値を設定する。
そして、連続印刷などで装置内温度が変化した際に行う色ずれ補正制御においては、帯電電流の変化のみを検出し、検知用静電潜像80が帯電ローラ23a〜23dの位置(帯電ローラとの対向位置)に到達する時間を測定する。ここで測定された到達時間の変化は、そのまま色ずれ量を反映したものである。到達時間の変化は、検知用静電像の対向位置到達により電流値が変化したタイミングが、基準タイミングに対してずれることで生じる。基準タイミングとは、実際の画像形成時において各トナー像の転写位置が互いに一致する位置で静電像が形成されたときに、検知される電流値が変化する、目標とすべきタイミングである。また、色ずれ量とは、検知用静電像が形成された位置が、実際の画像形成時において各トナー像の転写位置が互いに一致する像形成位置である目標とすべき基準位置に対して、どの程度ずれているのかを示す量である。従って、印刷時にはこれを打ち消すようスキャナユニット20aがレーザ光21aを照射するタイミングを調整し、色ずれを補正する。尚、色ずれの補正に関する画像形成条件の制御については、光照射タイミングの制御に限定されるものではない。例えば感光ドラムの速度制御や、或いはスキャナユニット20a〜20dの各々に含まれる反射ミラーのメカ的な位置調整でも良い。以下、詳
細に説明を行う。
[基準値取得処理のフローチャート]
図3(a)乃至(c)を参照し、本実施例における色ずれ補正制御における基準値取得処理のフローチャートを説明する。図3(a)は、色ずれ補正のための基準値を取得するための第1の処理(すなわち、第1基準値取得処理)である潜像形成について説明するフローチャートである。図3(b)は、基準値取得のための第2の処理(すなわち、第2基準値取得処理)である潜像検出について説明するフローチャートである。図3(c)は、基準値取得のための第3の処理(すなわち、第3基準値取得処理)であるずれ量演算について説明するフローチャートである。なお、図3(a)は、イエローについての処理を示すものであるが、ステップS301を除いては、他の色についても同様の処理が行われているものとする。図3(c)では、イエローで処理されたデータの他に、他の色で処理されたデータとをあわせて用い、基準値を算出している。
まず、ステップS301にて、制御部54は、画像形成部により中間転写ベルト30上に色ずれ検出用のトナーマークを形成させる。この色ずれ検出用のトナーマークは、色ずれ補正に用いられるトナー像なので、色ずれ補正用トナー像と称する。ここで、色ずれ検出用のトナーマークの形成様子を図4に示す。
図4(a)において、400と401は、用紙搬送方向(副走査方向)の色ずれ量を検出する為のトナーマーク(パターンとも称する)を示す。また、402と403は、用紙搬送方向と直交する主走査方向の色ずれ量を検出する為のトナーマークを示し、この例では用紙搬送方向に対して45度傾いている。また、tsf1〜tsf4、tmf1〜tmf4、tsr1〜tsr4、tmr1〜tmr4は、各パターンの検出タイミングを、矢印は、中間転写ベルト30の移動方向(記録材搬送方向)を示す。なお、色ずれ補正用のトナー像の検出においては、既に周知である、トナー像に光を照射したときの反射光を受光し該受光光量に応じた電圧を検出する光学センサを適用することができる。
まず、副走査方向に関して、中間転写ベルト30の移動速度をvmm/s、Yを基準色とし、用紙搬送方向用パターン(400、401)の各色とYパターン間の理論距離をδesM、δesC、δesBkとする。例えば、Yを基準色としたときのMの色の色ずれ量δesMは、次の式1のようになる。また、δesC、δesBkも同様でありその詳しい説明を省略する。なお、ここでdsMは、YパターンとMパターンとの理想的な間隔距離を示すものである。
δesM=v×{(tsf2−tsf1)+(tsr2−tsr1)}/2−dsM…式1
また、主走査方向に関して、左右各々の各色の位置ずれ量をδemf、δemrとし、例えば、δemfに関しての、Yを基準色としたときのMの色の色ずれ量δemfMは、以下の式2で表される。また、δemfC、δemfBk、δemrM、δemrC、δemrBkも同様でありその詳しい説明を省略する。
δemfM=v×(tmf2−tsf2)−v×(tmf1−tsf1)…式2
そして、計算結果の正負からずれ方向が判断でき、δemfから書き出し位置を、δemr−δemfから主走査幅(主走査倍率)を補正する。なお、主走査幅(主走査倍率)に誤差がある場合は、書き出し位置はδemfのみでなく、主走査幅補正に伴い変化した画像周波数(画像クロック)の変化量を加味して算出する。
そして、演算された色ずれ量を解消するように、制御部54は、画像形成条件としてのスキャナユニット20aによるレーザ光の出射タイミングを変更する。例えば、副走査方向の色ずれ量が−4ライン分の量であれば、制御部54は、ビデオコントローラ200に
、レーザ光の出射タイミングを+4ライン分早めるよう指示する。
このように、ステップS301の処理により、後続の色ずれ補正用の静電潜像による制御において、色ずれ量を少なくとも小さくした状態を基本にできる。
図3のフローチャートの説明に戻る。ステップS302で、制御部54は、感光ドラム22a〜22dの回転速度(周面速度)に変動がある場合の影響を抑制すべく、感光ドラム22a〜22d間の回転位相関係(回転位置関係)を所定の状態に合わせる。具体的には、制御部54の制御のもと、基準色の感光ドラムの位相に対して、他の色の感光ドラムの位相を調整する。また、感光ドラムの回転軸に感光ドラム駆動ギアが設けられているような場合は、実質的には各感光ドラムの駆動ギアの位相関係を調整する。また、ステップS305の処理を開始するにあたり、感光ドラムの回転位相を所定の回転位相になるまで待機する。この所定の回転位相は、夫々の回転位相関係が所定の状態になっているため、各々の感光ドラムにおける所定の回転位相は、他の感光ドラムとは一定の位相差(零の場合も含む)をもった持つ関係になっている。
(第1基準値取得処理(潜像形成))
次に、ステップS303でタイマーをスタートさせる。次に、制御部54は、ステップS304乃至307で、i=1〜20のループ処理を行う。そして、ループ処理におけるステップS305において、制御部54は、レーザ信号を順次出力する。スキャナユニット20aは、出力された静電潜像の信号に応じた光照射を行う。ステップS306で、制御部54は、一定時間の待機処理を行う。これは、各色で形成する静電潜像の検出結果が重ならない様にするためであり、画像形成装置で想定される最大の色ずれが発生したとしても、静電潜像同士が重ならないように待機時間が設定されている。また、待機処理の時間は、感光ドラムが1回転する時間未満であることが望ましい。
[潜像マークの形成様子]
図4(b)は、イエローの感光ドラム22aを用いて、静電潜像80(位置ずれ補正用静電潜像とも称することができる)が感光ドラム上に形成された様子を示す図である。本来、静電潜像とは、明部電位VL(露光部電位)が形成される領域(被露光部)と、暗部電位VD(非露光部電位)が形成される領域(未露光部あるいは非露光部)と、によって形成されるものである。しかしながら、実施例1〜3では、明部電位VLが形成される領域(被露光部)のみで形成される潜像領域を指して、静電潜像80と定義する。静電潜像80は、走査方向の画像領域幅において最大限幅広く描かれ、搬送方向に30ライン(1
.2mm程度)の幅を持つものである。尚、主走査方向の幅については、良好な検出結果
を得る意味で、最大幅の半分以上の幅で形成するようにすることが望ましい。また、画像領域(紙への印刷画像領域)の外側の用紙領域を更に超えた幅の領域で、且つ静電潜像を形成可能な領域にまで静電潜像80の幅を広げるとなお好適である。
(第2基準値取得処理(潜像検出))
図3(b)のフローチャートの説明を行う。尚、図3(b)においてもイエローについての処理を示すものであるが、他の色についても同様の処理が行われているものとする。制御部54は、ステップS311〜S314で、i=1〜40のループ処理を行う。制御部54は、ステップS312において、図3(a)のフローチャートにて形成された20個の静電潜像について、基準タイミングからのエッジの検出タイミングty(i)(i=1〜40)を検出する。尚、制御部54は、二値化電圧値561の出力が変化したことをもってエッジ検出とする。ステップS313においては、検出されたタイマー値ty(i)をRAM323に一時記憶する。このステップS313の処理で、複数個の検出結果が記憶され、その複数の検出結果が感光ドラムの回転周期の成分を少なくとも軽減した実測結果(第1の実測結果)となる。
[ドラム表面電位変化(潜像検出)の説明]
図5は、感光ドラム22が回転し、静電潜像80が、プロセス手段としての帯電ローラ23aに到達した時の、電流検出回路50aからの、感光体(感光ドラム22a)の表面電位に係るオペアンプ70の出力値を示したものである。図5において縦軸は検出した電流変化を示す電圧を、横軸は時間を示したものである。図5の波形は、静電潜像80である明部電位部が帯電ローラ23aに到達したことで、時刻92において極小となり、その後復帰してゆく特性を示している。Vrefは単位時間当たりの平均値である。
ここで、検出される電圧値が静電潜像80が形成された領域で減少する理由について説明する。静電潜像80が形成された領域(明部電位部)は、帯電ローラ23aと感光ドラム22aとの電位差が、それ以外の領域、すなわち非露光領域(暗部電位部)における電位差より大きくなる。このため、静電潜像80が形成された領域が帯電ローラ23aに到達すると、帯電ローラ23aに流れる電流値は増加する。そして、この電流増加に伴い、オペアンプ70の出力端子の電圧値が下がる。以上が、検出される電圧値が減少する理由である。このように検出される電流値は感光ドラム22aの表面電位を反映したものとなっている。また、図5では、感光ドラム表面電位と帯電ローラ23aの出力電圧と、の差分を例に説明を行ったが、電流量変化については、同様のことが、感光ドラム表面電位と転写電圧との間でもいえる。さらに電流値の変化をオペアンプ70の電圧値の変化で代用したが、直接電流値を検出しても良いことは言うまでもない。
(第3基準値取得処理(ズレ量演算))
引き続き、図3(c)の説明を行う。その後、制御部54は、ステップS321において、以下の論理演算を行う。以下の演算は、2色間の静電潜像のエッジ中点の差分をとるというものである。なお、演算手法については、CPU321がプログラムコードに基づき演算を行っても良いし、ハードウェア回路やテーブルを用いて行っても良く、特に限定されない。
δesYM=Σ{k=1〜20}{(tm(2k−1)+tm(2k))/2}−Σ{k=1〜20}{(ty(2k−1)+ty(2k))/2}…式3
δesYC=Σ{k=1〜20}{(tc(2k−1)+tc(2k))/2}−Σ{k=1〜20}{(ty(2k−1)+ty(2k))/2}…式4
δesYBk=Σ{k=1〜20}{(tbk(2k−1)+tbk(2k))/2}−Σ{k=1〜20}{(ty(2k−1)+ty(2k))/2}…式5
更に具体的に説明すると、制御部54は、ステップS321において、上記式3〜式5に基づき、ty(1)〜ty(6)、及びtm(1)〜tm(6)の測定値からイエローを基準にしたときの各色の副走査色ずれ量δesYMを演算する。また、δesYC、δesYBkについても同様に演算する。
そして制御部54は、ステップS321で演算されたδesYM、δesYC、δesYBkを、感光ドラムの回転周期の成分をキャンセルした色ずれ量を示すデータとしてEEPROM324に記憶する(S322)。
ここでの記憶情報が、色ずれ補正制御を行う場合に目標となる基準状態を示すものとなる。制御部54は、色ずれ補正制御の際には、この基準状態からのずれを解消するように、言い換えれば基準状態に戻すように制御を行う。
[色ずれ補正制御のフローチャート]
図6を参照して、本実施例における連続印刷などで装置内温度が変化した際に行う色ずれ補正制御について説明する。図6(a)〜(c)に色ずれ補正制御のフローチャートを示す。なお、図6(a)の各ステップの処理は、図3のステップS302乃至S307と同様であり、また図6(b)のステップS611乃至S614は、図3(b)のステップ
S311乃至S314と同様なので詳しい説明を省略する。図6の色ずれ制御のフローチャートは、機内昇温等による機械的変化に伴った色ずれを、基準とした色ずれ状態(基準状態)に戻すための制御フローである。以下では、図3との差異を中心に説明を行う。
制御部54は、ステップS621で、図6(b)のステップS613で記憶された実測結果に基づき、(dδesYM)、(dδesYC)及び(dδesYBk)を演算する。頭文字の「d」は、実際に検出された値という意味で添えてある。具体的な演算の詳細については、実質的に上記の式3乃至5にて説明した通りである。そして、制御部54は、その演算結果(第2の実測結果)をステップS622でRAM323に一旦記憶しておく。
そして、ステップS623で、制御部54は、ステップS621で演算したdδesYMと、図3のステップS322で記憶したδesYMとの差分をとる。そして、差分が0以上、即ちイエローを基準にしたときのマゼンタの検出タイミングが基準よりも遅れている場合に、制御部54は、マゼンタ色のレーザビーム発光タイミングを、差分値に応じた分だけ早める。他方、差分が0未満、即ちイエローを基準にしたときのマゼンタの検出タイミングが基準よりも早い場合に、制御部54は、マゼンタ色のレーザビーム発光タイミングを、差分値に応じた分だけ遅くする。これによりイエローとマゼンタとの色ずれ量を抑制することができる。
また、ステップS626乃至631においても、制御部54は、マゼンタの場合と同様に、シアン及びブラックについて、画像形成条件としてのレーザビーム発光タイミングを補正する。このようにして、図6のフローチャートにより、現在の色ずれ状態を、基準とした色ずれ状態(基準状態)に戻すことができる。
尚、本実施例の説明では、まず、複数の感光ドラム位相にて静電潜像80を形成し、その検出結果により予め感光ドラム回転周期の成分をキャンセルした基準値をステップS322で記憶していた。そして、その後に、図6において、複数の感光ドラム位相にて再度静電潜像80を形成し、その検出結果から取得される感光ドラム回転周期成分をキャンセルした実測結果を取得し、予め演算し記憶させた基準値と比較を行うよう説明した。しかし、例えば平均値として予め求められたような基準値との比較を行わない他の演算方法も想定される。例えば、図3(a)のステップS313と図6(a)のステップS613とで取得されたデータを夫々記憶しておき、制御部54が、記憶しておいた複数のデータを用いて最後に感光ドラムの回転周期成分をキャンセルした色ずれ量相当のデータを演算しても良い。
なお、図3、図6のフローチャートにおいては、2色間、すなわち基準色と測定色との相対的色ずれを補正する方法を説明したが、図7に示されるような色ずれ検出手法も考えられる。
図7(a)は、図3の変形例である。図3と同様の処理については同じ符号を付してあり、その説明を省略する。なお、図7(a)では、イエローに対する処理のみが示されているが、他の色についても同様の処理が実行されるものとする。後述の図7(b)も同様とする。制御部54は、ステップS701にてステップS313で記憶したty(1)〜ty(6)の総和tyを演算する。即ち、実質的に感光ドラムの回転周期成分をキャンセルした平均値を演算している。そして、引き続きステップS702にてその演算結果を基準値tyとして記憶する。
一方、図7(b)は、図6の変形例である。図6と同様の処理については同じ符号を付してあり、その説明を省略する。制御部54は、ステップS712では、ty(1)〜t
y(6)の総和dtyを演算する。そして、引き続きステップS713にて(dty−ty)を演算する。該演算により基準状態からの変化を検知できる。そして、(dty−ty)≧0であれば、制御部54は、(dty−ty)の値に応じてレーザ出射タイミングを早める(S714)。他方、(dty−ty)<0であれば、制御部54は、(dty−ty)の値に応じてレーザ出射タイミングを遅らせる(S715)。これにより、色ずれ量を基準状態に戻すようにすることができる。
また、上述の帯電高圧電源回路では、帯電ローラの夫々に対して、個々に電流検出回路50が設けられていた。しかし、この形態には限定されない。各色の帯電ローラ23a〜23dに対して共通した電流検出回路を用いて実施しても良い。以下、それについて詳しく説明する。
[共通の電流計を備えた帯電高圧電源の回路図]
図8に、帯電高圧電源回路143a〜143d及び電流検出回路150の回路構成を示す。尚、図2(b)と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。図8においては、比較器60a〜60dに対して設定する設定値55a〜55dに基づいて、制御部54が駆動回路61a〜61dを制御し、出力53a〜53dに所望の電圧を出力する。また、帯電高圧電源回路143a〜143dから出力される電流が、感光ドラム22a〜22d、帯電ローラ23a〜23d及び接地点57を経由し、電流検出回路150を流れる点も図2(b)と同様である。そして、検出電圧56には、出力端子53a〜53dの電流を重畳した値に応じた電圧が現れる。
また図8においても、図2(b)と同様に、オペアンプ70の反転入力端子は、基準電圧73に仮想接地され一定電圧となっている。従って、他の色の帯電高圧電源回路の動作によって70の反転入力端子の電圧が変動してしまい、それが別の色の帯電高圧電源回路の動作に影響することは略ない。言い換えれば、複数の帯電高圧電源回路143a〜143dは互いに影響されず、図2の帯電高圧電源回路43a〜43dと同様の動作をする。
[感光ドラム表面電位の説明]
図9は感光ドラム22aと帯電ローラ23a、現像ローラ24aの電位差を示した静電潜像80の模式図である。横軸は感光ドラム22aの搬送方向の表面位置を示している。縦軸は搬送方向の表面位置に対応した電位を示しており、現像ローラ24aの現像バイアス電位VDCは−300Vである。このとき、トナーは負極性に帯電しているため、静電潜像80の領域93において静電潜像80にトナーが載らないように、感光ドラム22aの明部電位VLの絶対値を現像バイアス電位VDC(−300V)の絶対値より大きくする必要がある。そのために、本実施例では帯電バイアス電位VCを−1500Vとした。これによって、感光ドラム22aの暗部電位VDは−1000Vとなり、さらに感光ドラム22aの明部電位VLは−400Vとなる。
本実施例の構成にすることにより、現像ローラ24aと感光ドラム22aの離間機構を設けることなく、つまり当接させた状態においても、検知用のトナー像を形成することなく色ずれ補正制御を実施することが可能である。その結果として、色ずれ検出後に感光ドラム22や中間転写ベルト30上のトナーをクリーニングする必要がなく、クリーニング時間の短縮が可能となり、プリントスピードを向上させることができる。また、静電潜像80にトナーを載せることがないため、不必要なトナーを消費せず、トナーを効率的に使うことが可能になる。
[変形例]
また、本実施例において感光ドラム22aの暗部電位VDは−1000Vとしたが、色ずれ検出後の感光ドラム22a上をLEDなどの露光装置によって光照射し、感光ドラム
22aの暗部電位VDを−700Vにすることができる。これによって、色ずれ検出直後に画像形成動作を実施することが可能である。本実施例では、現像ローラ24aの現像バイアス電位VDC−300Vに対して、新たな帯電バイアス電位VCを−1500Vとしているがこの限りではない。現像ローラ24aの現像バイアス電位VDCに対して、帯電バイアス電位VCを制御し、感光ドラム22aの明部電位VLを現像バイアス電位VDCより小さくすることができる構成であればよい。
上記各実施例においては、色ずれ状態の判断基準となる基準値取得処理をその都度行うよう説明した。しかしながら、機内昇温から通常機内温度に戻る場合に、概ね固定的な機械的状態に戻るのであれば、必ずしも基準値取得処理を行う必要はない。設計段階又は製造段階でわかっている予め定められた基準値(基準状態)をかわりに用いても良い。色ずれ状態を補正する際の目標となるこの予め定められた基準状態は、例えば図3のEEPROM324に記憶されており、制御部54により適宜参照される。そして、その参照により上に説明した各フローチャートが実行される。
[転写高圧電源回路]
図10は、電流検出を行う構成として、1次転写ローラを用いた場合の一次転写高圧電源回路の構成を示す図である。上記実施例の説明では、電流検出を行うプロセス手段として帯電ローラ23a〜23dを用いた場合を例に説明を行ったが、電流検出を行うプロセス手段として1次転写ローラを適用することもできる。ここで、図10に示される電流検出回路47は、図2(a)で説明したように、各色で独立して設けても良いし、或いは図8で説明したように、複数色で共通して設けるようにしても良い。
図10に示す回路構成における図2(b)に示す回路構成との差異は、ダイオード1601a、1602aのアノード、カソードの向きがダイオード65a、64aと逆であるが、その他は同様であり、共通する回路構成要素は同じ符号を付して説明を省略する。また出力端子53aからは、例えば+1000Vの転写バイアス(転写電圧)が出力されている。この図10に示される一次転写高圧電源回路を上述の帯電高圧電源回路に替えて、図3、図6及び図7の各フローチャートや、それらに関連した処理を実行すれば良い。当然のことであるが、このとき、1次転写ローラ26aは感光ドラム22aに当接させる必要がある。
(実施例2)
本発明の実施例2に係る画像形成装置について説明する。ここでは、実施例2において、主として、上記実施例1と異なる点について説明し、上記実施例1と共通する点については、同じ符号を付して説明を省略する。実施例2においてここで説明しない事項は、上記実施例1と同様である。
本実施例では、現像ローラ24a〜24dをそれぞれ独立に駆動させることができ、各画像形成部ごとに、感光ドラム表面に対する現像ローラ表面の速度を変えることができる。以降、感光ドラム22aと現像ローラ24aの周方向の表面速度比を現像周速比と称する。
本実施例では、静電潜像80の領域93において静電潜像80にトナーが載らないように、感光ドラム22aの明部電位VLの絶対値を現像バイアス電位VDCの絶対値より大きくなるように設定する点は実施例1と共通している。加えて、本実施例では、現像バイアス電位VDCと感光ドラム22aの暗部電位VDの電位差が放電開始電圧よりも小さくなるように設定している。これは現像ローラ24aと感光ドラム22aの間で放電を起こすことで静電潜像80を乱す恐れがあるためである。本実施例では、現像ローラ24aの現像バイアス電位VDCを−200V、帯電バイアス電位VCを−1100Vとした。これによって、感光ドラム22aの暗部電位VDは−600V、明部電位VLは−300V
となる。
通常の印刷時においては、現像バイアス電位VDCは、明部電位VLと暗部電位VDの間に設定されている。この設定は、明部電位にトナーを現像し、暗部電位にはトナーを現像しないための設定である。その際の電位設定は、現像ローラ24aの現像バイアス電位VDCを−300V、帯電バイアス電位VCを−900V、感光ドラム22aの暗部電位VDは−400V、明部電位VLは−100Vとなっている。
本実施例における現像ローラ24aと感光ドラム22aの間の放電開始電圧は500V程度となっていた。放電開始電圧に関しては、感光ドラム22aの暗部電位VDを一定にした状態で、現像バイアス電位VDCを変化させて、現像ローラ24aと感光ドラム22aの当接部通過後の感光ドラム22aの暗部電位VDの表面電位を測定することで確認した。
図11は、感光ドラム22aの暗部電位VDを一定にした状態で現像バイアス電位VDCを変化させた際のVbackと現像ローラ24aと感光ドラム22aの当接部通過後の暗部電位VDのグラフである。なお、Vbackとは、現像バイアス電位VDC(現像ローラに印加する直流電圧の大きさ)と感光ドラムの表面電位との間の電位差のことである。現像ローラ24aと感光ドラム22aの当接部通過後の暗部電位VDがVback500V付近から上昇を開始していることから、放電が開始していることがわかる。
[感光体ドラムトナー付着の説明]
図12は、本実施例における現像バイアス電位VDCと感光ドラム22a上の電位差に対する感光ドラム22a上のトナー付着量のグラフである。横軸に現像バイアス電位VDCと感光ドラム22aの表面電位との電位差(Vback)、縦軸に感光ドラム22a上のトナー付着量(以降、ドラム上カブリと称する)を示している。測定は通常印刷時(画像形成時)の現像周速比である120%で行った。通常印刷時の現像周速比は、システムとして成り立つための現像ローラ24a上のトナー量に対して、画像濃度が適正になるように設定している。感光ドラム22a上のトナー付着量は、感光ドラム22a上を透明のテープでテーピングした後で、そのテープを反射濃度計(東京電色製 TC−6DS)で測定した。グラフを見るとわかるようにVbackが100V付近でドラム上カブリが最小値になっている。そこからVbackを小さくしても大きくしてもドラム上カブリは大きくなっていく。このメカニズムを説明する。
まず、現像ブレード(不図示)通過後の現像ローラ24a上のトナーは、平均的にみると負極性に帯電しているが、単位面積当たりの帯電量の分布は−50uc/g〜+10uc/g程度の範囲を持つ。
図13は、本実施例、変形例におけるトナーの帯電量分布の概略の一例を示している。測定はE−SPARTアナライザ(ホソカワミクロン製)を用いて行った。帯電量に分布の広がりが生まれる理由は、トナーの粒径分布があることや、トナーと現像ブレードの間での摩擦帯電のばらつき、トナーとトナーの間での摩擦帯電等がある。その中でも特にゼロ付近(ここでは−5uc/g〜+5uc/g)の帯電量分布は、トナーとトナーの間の摺擦による摩擦帯電によって生まれている。
摩擦帯電に関しては、摺擦する物質と物質の材料の帯電系列によって決まることが知られている。トナーとトナーの間の摩擦帯電では、同じ帯電系列による摺擦のため、帯電量分布はゼロを中心としてマイナス側とプラス側に広がる。帯電量ゼロのトナーは、電界による力を受けないため、Vbackに関わらず、感光ドラム22aに対する非静電的付着力によって感光ドラム22aに付着する。Vbackが100V付近におけるドラム上カブリはこの付着量が支配的である。これよりもVbackが小さい範囲においては、トナー自身が作る電界による正規かぶりによってドラム上かぶりが大きくなる。またこれより
もVbackが大きい範囲においては、正極性のトナーが電界による力が大きくなることで感光ドラム22aに付着していくためにドラム上カブリが大きくなる。
以上のメカニズムから、明部電位VLの絶対値を現像バイアス電位VDCの絶対値より大きくなるよう設定することで、Vbackが大きい値になる暗部電位VDにおいては、トナー消費量が大きくなってしまうことがわかる。図12に示したドラム上かぶりのグラフはあくまで本実施例の一例である。使用環境や条件によって変わりうるものであるが、トナーとトナー摩擦帯電によって正極性に帯電するトナーがあるために、Vbackが大きくなるとドラム上かぶりが大きくなっていく傾向は共通している。
[実施例2の特徴]
そこで本実施例においては、さらにこの暗部電位VDに対するドラム上かぶりによるトナー消費を低減するために、位置ずれ補正用静電潜像が当接部を通過する間の現像周速比を100%に設定する。すなわち、感光ドラム22と現像ローラ24の周方向における表面の移動速度の差がゼロとなるように、感光ドラム22と現像ローラ24を回転駆動する。本実施例では、記録材が200mm/secで搬送され、感光ドラム22の周速は200mm/secに設定されている。したがって、現像周速比を100%とするために、現像ローラ24の周速も200mm/secに設定される。
図14は、現像周速比を変化させた際の暗部電位VD(Vback400V)のドラム上かぶりのグラフである。現像周速比100%で最小値をとり、周速が100%よりも速くなっても遅くなってもドラム上かぶりの値は大きくなっている。これは、トナーが周速差のついたドラムに摩擦帯電されることで低帯電量化もしくは正極性に帯電することでドラム上かぶりが悪化したためである。周速差が小さいほど、摩擦帯電量が減るためにドラム上かぶりは小さくなる。
本実施例における帯電系列は、トナーに対してドラムの帯電系列が負の帯電系列(トナーの帯電極性と同極性側)なっている。つまり、感光ドラム22がトナーに対して正極性の帯電付与性である。本実施例における感光ドラム22の材料はアリレート樹脂、トナーはスチレンアクリル樹脂を用いている。帯電系列の順列の確認は、帯電系列と関係性の高い材料の仕事関数を測定することによって行った。測定には表面分析装置(AC−2型、理研計器(株)製)を用い、照射光量250nWにて測定した。もちろん、帯電系列の確認に直接二つの材料を擦り合わせ、材料の表面電位を確認しても構わない。
本実施例の構成によって、位置ずれ補正用静電潜像80を形成する際のトナー消費を現像周速120%と比べて40%程度低減することができた。トナーの消費した量の測定は、感光ドラム22a上を透明のテープでテーピングした後で、そのテープを反射濃度計(東京電色製 TC−6DS)で測定することで算出した。反射濃度と消費量の関係は、いくつかのトナー付着量の違う反射濃度サンプル(テープ)を用意し、テープ上のトナーの単位面積当たりの数を光学顕微鏡で計測することで求めた。また周速比が遅いことでプロセス手段の寿命への影響も小さくすることができている。
(実施例3)
実施例3は実施例2と違って、トナーに対してドラムの帯電系列が正の帯電系列(トナーの帯電極性と逆極性側)なっている。つまり、感光ドラム22がトナーに対して負極性の帯電付与性である。この違いを除いて、実施例3は実施例2と同様の構成であり、共通する構成の説明は省略する。
[静電潜像通過時の現像周速比]
本実施例では、位置ずれ補正用静電潜像が感光ドラム22aと現像ローラ24aの当接
部を通過する際の現像周速比を140%に制御している。通常の印刷時の現像周速比は実施例2と同様に120%となっている。
図15は、トナーに対してドラムの帯電系列が正の帯電系列なっている際の現像周速比を変化させた際の暗部電位VD(Vback400V)のドラム上かぶりのグラフである。現像周速比100%で最大値をとり、周速が100%よりも速くなっても遅くなってもドラム上かぶりの値は小さくなる。トナーに対してドラムの帯電系列が正の帯電系列なっている場合は、トナーが周速差のついたドラムに摩擦帯電されることで、トナーが負極性に帯電し、ドラム上かぶりは低減される。
本実施例における帯電系列は、トナーに対してドラムの帯電系列が正の帯電系列なっている。帯電系列の順列の確認は、帯電系列と関係性の高い材料の仕事関数を測定することによって行った。測定方法は実施例2と同様である。本実施例における感光ドラム22の材料はアリレート樹脂に既知の負極性の材料を分散させた。トナーはスチレンアクリル樹脂を用いている。
本実施例の構成によって、位置ずれ補正用静電潜像80を形成する際のトナー消費を現像周速120%と比べて40%程度低減することができた。トナー消費量の測定は、実施例2と同様の方法を用いた。
変形例として、現像周速比を40%にする構成がある。この構成を取る場合には、周速比が遅いことでプロセス手段の寿命への影響も小さくすることができる。
(実施例4)
本発明の実施例4に係る画像形成装置について説明する。ここでは、実施例4において、主として、上記各実施例と異なる点について説明し、上記各実施例と共通する点については、同じ符号を付して説明を省略する。実施例4においてここで説明しない事項は、上記各実施例と同様である。
ここで、実施例4及び後述する実施例5では、実施例1〜3と静電潜像80の定義が異なる。すなわち、実施例4、5では、露光領域である明部電位VLが形成される領域(被露光部)と、非露光領域である暗部電位VDが形成される領域(未露光部あるいは非露光部)と、によって形成される潜像領域を指して、静電潜像80と定義する。
そして、本実施例は、色ずれ補正制御潜像形成時に、補正用のライン潜像部(静電潜像80)における暗部電位VDの領域面積を極力小さくすることでかぶりによるトナー消費を抑えることを特徴としている。
本実施例では、感光ドラム22aに対して走査方向の画像形成領域幅において最大限幅広く明部電位VL領域を形成し続け、その中でレーザ照射をしない時間を作ることで搬送方向に30ライン程度(1.2mm程度)の幅を持った暗部電位VD領域を形成する。明部電位VL領域は、暗部電位VD領域の搬送方向両側にそれぞれ60ライン程度形成する。したがって、1つの静電潜像80は、搬送方向において、明部60ライン+暗部30ライン+明部60ラインとなるように構成される。尚、主走査方向の幅については、良好な検出結果を得るためには後述するオペアンプ70の出力値が大きい必要があるため、最大幅の半分以上の幅で形成するようにすることが望ましい。また、画像領域(紙への印刷画像領域)の外側の用紙領域を更に超えた幅の領域で、且つ静電潜像を形成可能な領域にまで静電潜像80の幅を広げるとなお好適である。静電潜像80の形成方法について、暗部電位VD部を弱露光によって制御する方式に関しても同様に考えられる。上記の動作により、第1基準値取得処理の静電潜像が形成される。
[ドラム表面電位変化(潜像検出)の説明]
図16は、感光ドラム22が回転し、静電潜像80が、プロセス手段としての帯電ローラ23aに到達した時の、電流検出回路50aからの、感光体(感光ドラム22a)の表面電位に係るオペアンプ70の出力値を示したものである。図16において縦軸は検出した電流変化を示す電圧を、横軸は時間を示したものである。図16の波形は、静電潜像80の暗部電位部が帯電ローラ23aに到達したことで、時刻92において極大となり、その後減衰してゆく特性を示している。Vrefは単位時間当たりの平均値である。
ここで、検出される電圧値が暗部電位部で増加する理由について説明する。静電潜像80において、暗部電位部は、帯電ローラ23aと感光ドラム22aとの電位差が、それ以外の領域、すなわち明部電位部における電位差より小さくなる。このため、静電潜像80において非露光領域が帯電ローラ23aに到達すると、帯電ローラ23aに流れる電流値は減少する。そして、この電流減少に伴い、オペアンプ70の出力端子の電圧値が上がる。以上が、検出される電圧値が増加する理由である。このように検出される電流値は感光ドラム22aの表面電位を反映したものとなっている。また、図16では、感光ドラム表面電位と帯電ローラ23aの出力電圧と、の差分を例に説明を行ったが、電流量変化については、同様のことが、感光ドラム表面電位と転写電圧との間でもいえる。さらに電流値の変化をオペアンプ70の電圧値の変化で代用したが、直接電流値を検出しても良いことは言うまでもない。
[感光ドラム表面電位の説明]
次に本実施例における色ずれ補正制御時における感光ドラム上の表面電位について説明する。本実施例においては、色ずれ補正制御潜像形成時に、補正用のライン潜像部(静電潜像80)における暗部電位部の領域面積を極力小さくすることでかぶりによるトナー消費を抑えることを特徴としている。
図17は、感光ドラム22aと帯電ローラ23a、現像ローラ24aの電位差を示した静電潜像80の模式図である。横軸は感光ドラム22aの搬送方向の表面位置を示している。縦軸は搬送方向の表面位置に対応した電位を示している。本実施例はトナーが負極性に帯電しているため、静電潜像80における明部電位VL領域である領域93にトナーが載らないように、感光ドラム22aの明部電位VLの絶対値を現像バイアス電位VDCの絶対値より大きくなるよう設定している。加えて、現像バイアス電位VDCと感光ドラム22aの暗部電位VDの電位差が放電開始電圧よりも小さい必要がある。これは現像ローラ24aと感光ドラム22aの間で放電を起こすことで静電潜像80を乱す恐れがあるためである。本実施例では、現像ローラ24aの現像バイアス電位VDCを−200V、帯電バイアス電位VCを−1100Vとした。これによって、感光ドラム22aの暗電位VDは−600V、明電位VLは−300Vとなる。
通常の印刷時においては、現像バイアス電位VDCは明部電位VLと暗部電位VDの間に設定されている。この設定は明部電位にトナーを現像し、暗部電位にはトナーを現像しないための設定である。その際の電位設定は、現像ローラ24aの現像バイアス電位VDCを−300V、帯電バイアス電位VCを−900V、感光ドラム22aの暗電位VDは−400V、明電位VLは−100Vとなっている。
本実施例における現像ローラ24aと感光ドラム22aの間の放電開始電圧は450V程度となっていた。放電開始電圧に関しては、実施例2と同様、感光ドラム22aの暗電位VDを一定にした状態で、現像バイアス電位VDCを変化させて、現像ローラ24aと感光ドラム22aの当接部通過後の感光ドラム22aの暗電位VDの表面電位を測定することで確認した。
本実施例においても、感光ドラムにおけるトナー付着(カブリ)のメカニズムは、実施例2において図11〜図13を用いて説明した内容と同様である。そのメカニズムから、明部電位VLの絶対値を現像バイアス電位VDCの絶対値より大きくなるよう設定することで、Vbackが大きい値になる暗部電位VDにおいては、トナー消費量が大きくなってしまうことがわかる。図12に示したドラム上かぶりのグラフはあくまで本実施例の一例である。使用環境や条件によって変わりうるものであるが、トナーとトナー摩擦帯電によって正極性に帯電するトナーがあるために、Vbackが大きくなるとドラム上かぶりが大きくなっていく傾向は共通している。
つまり、色ずれ補正用の未露光部の領域面積を、色ずれ補正用の被露光部の領域面積よりも小さくすることで、ドラム上かぶりによるトナーの消費量をさらに低減することができる。さらに言えば、色ずれ補正用の未露光部の領域面積は、二値化電圧値561の出力の変化によってエッジ検出できる幅以上で、なるべく狭いことが望ましい。ここで、静電潜像80における明部電位VLの面積を、色ずれ補正用の静電潜像の被露光部の領域面積、暗部電位VDの面積を、色ずれ補正用の静電潜像の未露光部の領域面積とする。
(比較例)
本実施例では、暗部電位VDの搬送方向の幅が30ライン程度、明部電位VLの搬送方向の幅が60ライン程度となっている。比較例として、明部電位VLと暗部電位VDの関係が本実施例とは逆の場合を図18で示す。比較例では明部電位VL搬送方向の幅が30ライン程度、暗部電位VDの搬送方向の幅が60ライン程度となっている。
比較例に対して、本変形例を用いることで補正制御におけるトナーの消費量で50%程度の低減効果が得られた。トナーの消費した量(かぶり量)の測定は、感光ドラム22a上を透明のテープでテーピングした後で、そのテープを反射濃度計(東京電色製 TC−6DS)で測定することで反射濃度と面積を用いて算出した。反射濃度と消費量の関係は、いくつかのトナー付着量の違う反射濃度サンプル(テープ)を用意し、テープ上のトナーの単位面積当たりの数を光学顕微鏡で計測することで求めた。
(実施例5)
実施例5は実施例4の構成に加えて、現像バイアス電位VDCを静電潜像80に対応して変動させることにより、さらにかぶりによるトナー消費を低減するものである。その他の構成に関しては実施例4と同様のため説明は割愛する。
[感光ドラム表面電位の説明]
図19は実施例5における感光ドラム22aと帯電ローラ23a、現像ローラ24aの電位差を示した模式図である。横軸は感光ドラム22aの搬送方向の表面位置を示している。縦軸は搬送方向の表面位置に対応した電位を示している。本実施例はトナーが負極性に帯電しているため、静電潜像80の領域93(明部電位領域)においてトナーが載らないように、感光ドラム22aの明部電位VLの絶対値を現像バイアス電位VDCの絶対値より大きくなるよう設定している。そして、その現像バイアス電位VDCは、静電潜像80に対して明部電位VLと暗部電位VDに対して一定の電位差になるよう変動させている。本実施例では、帯電バイアス電位VCを−1100V、感光ドラム22aの暗部電位VDは−600V、明部電位VLは−300Vとした。現像バイアス電位VDCは、暗部電位VDは−600Vに対して−500V、明部電位VLは−300Vに対して−200Vとなるよう変動させている。
このように現像バイアス電位VDCと静電潜像80との電位差を一定変化させることで、静電潜像80に対してかぶりを最小化できる。実施例4に対して消費量で70%減らすことができる。
20a〜20d…スキャナユニット、22a〜22d…感光ドラム、24a〜24d…現像スリーブ、26a〜26d…1次転写ローラ、30…中間転写ベルト、46a〜46d…1次転写高圧電源回路、47a〜47d…電流検出回路、80…静電潜像

Claims (11)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
    像担持体と、
    前記像担持体を帯電する帯電部材と、
    前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光部材と、
    前記静電像を現像剤で現像して現像剤像を前記像担持体に形成する現像剤担持体と、
    前記現像剤像を前記像担持体から前記記録材または中間転写体に転写する転写部材と、を備える画像形成装置において、
    前記現像剤像が前記記録材または前記中間転写体に転写される転写位置の基準位置からのずれ量を検出するための制御部であって、露光により前記像担持体に形成された検知用静電像が前記帯電部材または前記転写部材との対向位置を通過する際の、前記帯電部材または前記転写部材に流れる電流を検知する電流検知部が検知する電流値の変化に基づくずれ量と、基準値とに基づいて、転写位置の前記基準位置からのずれ量を検出する制御部と、を備え、
    前記制御部で転写位置のずれ量を検出する際に、前記像担持体の表面のうち露光された露光部の電位の絶対値が、前記現像剤担持体に印加される電圧の値の絶対値よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記検知用静電像は、前記像担持体において前記露光部材により露光されて露光部電位が形成される領域であり、
    前記像担持体において前記検知用静電像が形成されない領域は、前記露光部材により露光されない非露光部電位が形成される領域であり、
    前記電流検知部が検知する電流値の変化に基づくずれ量は、前記像担持体において前記対向位置を通過する領域が、前記検知用静電像が形成された領域から前記検知用静電像が形成されない領域に変わる際に、前記電流検知部が検知する電流値の変化に基づくずれ量、または、前記検知用静電像が形成されない領域から前記検知用静電像が形成された領域に変わる際に、前記電流検知部が検知する電流値の変化に基づくずれ量であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記検知用静電像は、前記像担持体において前記露光部材により露光されて露光部電位が形成される露光領域と、前記露光部材により露光されない非露光部電位が形成される非露光領域と、を有し、
    前記電流検知部が検知する電流値の変化に基づくずれ量は、前記検知用静電像において前記対向位置を通過する領域が、前記露光領域から前記非露光領域に変わる際に、前記電流検知部が検知する電流値の変化に基づくずれ量、または、前記非露光領域から前記露光領域に変わる際に、前記電流検知部が検知する電流値の変化に基づくずれ量であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記検知用静電像は、前記非露光領域の前記記録材の搬送方向における幅が、前記露光領域の前記搬送方向における幅よりも狭いことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部が前記転写位置のずれ量を検出する際において、前記像担持体の非露光部電位と前記現像剤担持体に印加される電圧の値との間の電位差が、前記像担持体と前記現像剤担持体との間の放電開始電圧の値よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 回転体である前記像担持体及び前記現像剤担持体のそれぞれの表面の移動速度の差を制御する制御部をさらに備え、
    前記像担持体の帯電系列が、前記現像剤の帯電系列よりも前記現像剤の帯電極性と同極性側であり、
    前記制御部は、前記制御部が前記転写位置のずれ量を検出する際において、前記移動速度の差の絶対値を、画像形成時における前記移動速度の差の絶対値よりも小さくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、前記制御部が前記転写位置のずれ量を検出する際において、前記移動速度の差をゼロとすることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 回転体である前記像担持体及び前記現像剤担持体のそれぞれの表面の移動速度を制御する制御部をさらに備え、
    前記像担持体の帯電系列が、前記現像剤の帯電系列よりも前記現像剤の帯電極性と逆極性側であり、
    前記制御部は、前記制御部が前記転写位置のずれ量を検出する際において、前記移動速度の差の絶対値を、画像形成時における前記移動速度の差の絶対値よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記現像剤担持体に電圧を印加する電圧印加部をさらに備え、
    前記電圧印加部は、前記現像剤担持体に印加する電圧の値を、
    前記露光領域が前記現像剤担持体と対向する位置を通過する間は、前記露光部電位との差が小さくなるように、
    前記非露光領域が前記現像剤担持体と対向する位置を通過する間は、前記非露光部電位との差が小さくなるように、
    変化させることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
  10. 前記現像剤担持体は、前記制御部が前記転写位置のずれ量を検出する際において、前記像担持体と当接していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記像担持体と、前記帯電部材と、前記露光部材と、前記現像剤担持体と、前記転写部材と、を有する画像形成部を複数備え、
    前記基準位置は、複数の前記画像形成部において、それぞれの前記現像剤像の前記転写位置が互いに一致する位置であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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