JP2017124776A - 乗物用シート - Google Patents

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拓哉 小笠原
Takuya Ogasawara
拓哉 小笠原
英之 泉川
Hideyuki Izumikawa
英之 泉川
田中 俊介
Shunsuke Tanaka
俊介 田中
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Toyota Motor Corp
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Toyota Boshoku Corp
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Abstract

【課題】可動体の最大移動量を規制するストッパを、最大移動量が大きくても嵩張らない構成にすること。【解決手段】支持プレート14に対する移動が可能な可動体としてのアッパパン21と、アッパパン21の支持プレート14に対する最大移動位置を規制可能なストッパ60と、を有するシート1であって、ストッパ60は、アッパパン21と支持プレート14との間に架橋された力布63を有し、力布63がアッパパン21の最大移動位置を支持プレート14との間で突っ張ることで規制する一方、アッパパン21の初期状態への移動を撓みによって逃がす構成となっている。【選択図】図8

Description

本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、ベースに対する移動が可能な可動体と、可動体のベースに対する最大移動位置を規制可能なストッパと、を有する乗物用シートに関する。
従来、乗物用シートにおいて、シートバックの中央付近に角度調整機構を設定し、背中への当たり姿勢を調整できるようにした、いわゆる「中折れシート」が知られている(特許文献1)。上記シートバックの中折れ角度の規制は、ピンを長孔の端部に当接させるストッパにより行われている。
実開平3−3240号公報
上記従来技術では、シートバックの中折れ動作する移動量が大きいと、その分、長孔を長くする必要があるため、設置スペースが嵩張るという問題がある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、可動体の最大移動位置を規制するストッパを、最大移動量が大きくても嵩張らない構成にすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、ベースに対する移動が可能な可動体と、可動体のベースに対する最大移動位置を規制可能なストッパと、を有する乗物用シートである。ストッパは、可動体とベースとの間に架橋された架橋体を有する。架橋体は、可動体の移動に合わせて可動体の移動方向の幅を変えることのできる構成とされている。可動体の初期状態では、架橋体が上記幅を狭めた状態とされ、可動体の最大移動位置への移動により架橋体が可動体とベースとの間で突っ張って可動体の移動を規制する構成とされている。
この第1の発明によれば、ストッパを構成する架橋体は、可動体の最大移動位置に応じて大型化されても、可動体の初期状態への移動により同移動方向の幅を狭めたコンパクトな形をとる。したがって、ストッパを、可動体の最大移動量が大きくても嵩張らない構成とすることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。架橋体が、可動体もしくはベースのうちの少なくともどちらかに対して回転可能に取り付けられている。
この第2の発明によれば、架橋体が可動体の移動する向きに合わせて回転することで、可動体とベースとの間で作用する引張り力を、架橋体に対して真っ直ぐに作用させられるようになる。したがって、架橋体によって可動体の移動規制を適切に行うことができる。なお、架橋体が可動体とベースの双方に対して回転できるようになっている場合には、上記の効果を更に高く得ることができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、次の構成とされているものである。架橋体が、可動体もしくはベースのうちの少なくともどちらかに対してブラケットを介して取り付けられている。
この第3の発明によれば、可動体もしくはベースに架橋体の取り付けスペースを広く確保することができなくても、ブラケットを介することで、架橋体の支持と可動体もしくはベースに対する取り付けとをそれぞれ適切に行えるようにすることができる。
第4の発明は、上述した第3の発明において、次の構成とされているものである。可動体もしくはベースのうちの一方に取り付けられるブラケットは、上記一方に当接した状態に取り付けられる第1取付面部と架橋体が取り付けられる第2取付面部とを有し、第1取付面部と第2取付面部とがそれぞれの取り付けられる対象物の向きに合わせて折り曲げられた形状とされている。
この第4の発明によれば、架橋体を可動体もしくはベースのうちの一方に取り付けるブラケットを、架橋体の取り付けと上記一方への取り付けとに適した形に設けることができる。
第5の発明は、上述した第4の発明において、次の構成とされているものである。ブラケットは、第1取付面部が上記一方に対して差込み式の締結構造により第1取付面部の面内方向における幅方向の2箇所の位置で締結されると共に、第2取付面部が第1取付面部の面内方向における上記幅方向とは垂直な方向に張り出す外周縁部から上記締結される2箇所を結ぶ線分に向かって入り込んだ中間位置から折り曲げられた形状とされている。
この第5の発明によれば、架橋体からブラケットの第2取付面部に掛けられる引張り力は、第1取付面部の締結箇所に近い位置に掛けられるようになる。したがって、上記の力が第1取付面部を一方(取り付けられる対象物)から浮き上がらせるような曲げ力として作用しにくくなるため、ブラケットを上記一方に対して強固に取り付けた状態に保持することができる。
第6の発明は、上述した第3から第5のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。ブラケットが可動体もしくはベースのうちの少なくともどちらかに対して架橋体から引張られる方向に当接した状態として取り付けられている。
この第6の発明によれば、架橋体からブラケットの第2取付面部に掛けられる引張り力を、可動体もしくはベースによって支えられた第1取付面部によって強く受け止めることができる。
第7の発明は、上述した第3から第6のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。可動体もしくはベースのうちの他方に取り付けられるブラケットは、同他方に対して架橋体から引張られる方向とは垂直な方向に面を向ける部位に取り付けられる構成とされる傍ら、上記他方に対して架橋体から引張られる方向に引掛けられる引掛部を有する構成とされている。
この第7の発明によれば、ブラケットが他方(取り付けられる対象物)に対して架橋体から掛けられる引張り力がせん断力として作用する強度的に不利な取り付けとされる構成であっても、引掛部により、架橋体から掛けられる引張り力を強く受け止めることができる。
第8の発明は、上述した第1から第7のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。架橋体が可撓性の面状材により構成され、可動体の初期状態への移動により撓んで折り畳まれる構成とされている。
この第8の発明によれば、架橋体にヒンジを設定することなく、架橋体をその可撓性によって簡便に折り畳んで移動方向の幅を狭めることができる。
実施例1の乗物用シートの概略構成を表す斜視図である。 シートバックの分解斜視図である。 図2の要部拡大図である。 ストッパをアッパパンに取り付けた状態を表した要部拡大斜視図である。 ストッパを支持プレートに取り付けた状態を表した要部拡大斜視図である。 シートバックの正面図である。 ブラダの配置箇所の構成を表す図6のVII-VII線断面図である。 ストッパの配置箇所の構成を表す図6のVIII-VIII線断面図である。 ストッパ単体の斜視図である。 ストッパ単体の平面図である。 ストッパ単体の側面図である。 前部ブラケット単体の正面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
<シート1(乗物用シート)の概略構成について>
始めに、実施例1のシート1(乗物用シート)の構成について、図1〜図12を用いて説明する。本実施例のシート1は、図1に示すように、いわゆるセダンタイプの自動車の右側のリヤ席として構成されている。上記シート1は、着座者の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭凭れとなるヘッドレスト4と、を備えた構成となっている。
上述したシートバック2は、その背面側の中央部が、図示しない車両後部側の荷室空間とを仕切るパーテーションパネルに連結されて支持されていると共に、下端部が、シートクッション3の後端部に連結されて支持されている。シートクッション3は、図示しない車両のフロアパネル上に連結されて支持されている。ヘッドレスト4は、シートバック2の上部に装着されて設けられている。
<シートバック2の中折れ機能について>
上述したシートバック2は、その着座者の肩甲骨や肩部等の背中の上部領域を支える上部領域2Aが、着座者の腰部等の背中の下部領域を支える下部領域2Bに対して、前側に折れ曲がる形に傾動(以下、「中折れ」という。)することができるようになっている。上記構成により、シートバック2は、全体を起立姿勢から後傾させた角度姿勢となっている状態から、上部領域2Aのみを前側に起こし上げる形に姿勢を変えることができるようになっている。上記の中折れ動作により、着座者が、背中を後傾させた安楽姿勢の状態をとりながらも、背中の上部領域のみを前側に起こして視界を前方側に向けた姿勢へと変えられるようになっている。
上述したシートバック2の中折れ動作は、図2及び図7に示すように、シートバック2の主骨格を構成する金属製のバックフレーム10と、同バックフレーム10の前部に組み付けられた樹脂製のバックパン20と、の間に組み付けられたブラダ50の膨張動作によって行われるようになっている。そして、上記シートバック2の中折れ動作の最大移動量の規制は、図2〜図5及び図8に示すように、上述したバックフレーム10とバックパン20との間に架橋されたストッパ60の突っ張りによって行われるようになっている。
<シートバック2の各部の具体的な構成について>
以下、上述したシートバック2の各部の具体的な構成について説明していく。図2に示すように、シートバック2は、略枠状に組まれた金属製のバックフレーム10と、同バックフレーム10の前部に組み付けられた樹脂製のバックパン20と、バックパン20の前部に組み付けられた発泡ウレタン製のバックパッド30と、バックパッド30の表面に被せ付けられた皮革製のバックカバー40(図1参照)と、バックフレーム10の上部の左右2箇所の位置に設けられたブラダ50と、バックフレーム10とバックパン20との上部間に架橋されたストッパ60と、を有する。
<バックフレーム10について>
バックフレーム10は、図2に示すように、1本のアルミニウム合金製の押し出し材が縦長な四角枠形状に折り曲げられて形成された構成となっている。上記バックフレーム10の四角枠の上枠部10Aには、その幅方向の中央箇所に、図1で前述したヘッドレスト4の支えとなるサポートブラケット11が前方側から溶接されている。上記サポートブラケット11は、アルミニウム合金製の押し出し材により形成されており、左右にヘッドレスト4の支えとなる角筒部を有し、中央部にこれら角筒部同士を一体的に繋ぐ形に延びる平板部を備えた形状とされている。また、図2に示すように、上記バックフレーム10の左右の各サイド枠部10Bには、それらの高さ方向の中間部に、後方側に張り出して上述した不図示のパーテーションパネルと連結される中間ブラケット12が溶接されている。また、上記バックフレーム10の下枠部10Cには、前下方向に折れ曲がる形に延び出して図1で前述したシートクッション3の後端部と連結される脚ブラケット13が溶接されている。
また、図2に示すように、上述したバックフレーム10の上枠部10Aと左右の各サイド枠部10Bとの間には、アルミニウム合金製の板材から成る支持プレート14が、これらの間に前方側から跨る形に溶接されている。上記支持プレート14は、上述したバックフレーム10の上枠部10Aと左右の各サイド枠部10Bとの間の内角部に、それぞれ、上述した各ブラダ50を後方側から支持した状態に取り付けることのできる支持板部14Aが前方側に面を向けた形となって形成された構成となっている。上記各支持板部14Aは、互いの上部領域において幅方向の内側の縁部同士が繋がった形となっており、それぞれの下部領域の幅方向の外側の縁部が各サイド枠部10Bに前方側から当てられて溶接された構成となっている。
また、図3に示すように、上記支持プレート14の上述した各支持板部14A間に跨る上縁部には、後方側に折り曲げられた形となって延び出す天板部14Bが形成されている。上記天板部14Bは、上述した各支持板部14Aの形成領域上となる幅方向の端側の領域では、バックフレーム10の上枠部10Aと当接する位置までは後方側に延出しない短い形状とされている。しかし、上記天板部14Bは、その幅方向の中央領域では、上述したサポートブラケット11の中央前面部(上述した平板部)に向かって後方側に長く延出した形状とされて、その延出した先の面部が上方側に折り曲げられてサポートブラケット11の中央前面部(平板部)に前方側から面当接した状態に当てられて溶接された状態とされている。
<バックパン20について>
バックパン20は、図2及び図6に示すように、熱硬化性樹脂のホットプレス成形或いはスタンピング成形により、前面部に器状に凹んだ曲面を持つアッパパン21とロアパン22の2枚の樹脂板に分かれて構成されている。上記アッパパン21とロアパン22とは、互いに高さ方向に並んで配置されており、互いの高さ方向に隣り合う側の縁部同士が互いの左右2箇所においてそれぞれヒンジピン23により同軸線上の位置で連結されて、同ヒンジピン23を中心に前後方向に相対回転することができる形に繋ぎ合わされた構成となっている。上述したアッパパン21は、上述したシートバック2の上部領域2Aの内部骨格を成す構成とされている。また、ロアパン22は、上述したシートバック2の下部領域2Bの内部骨格を成す構成とされている。
上述したバックパン20は、図2に示すように、上述したロアパン22の背面部上の所々の箇所が、上述したバックフレーム10の各サイド枠部10Bと下枠部10Cとに形成された各締結板15上に前方側から当てられてボルト締結されることにより、バックフレーム10に一体的に取り付けられた状態とされている。そして、上記バックフレーム10に取り付けられたロアパン22に対して、アッパパン21は、上記ロアパン22との間に掛着された不図示のバネの附勢力により、その自由状態では、バックフレーム10に前方側から当てられる位置まで起こし上げられてロアパン22と面一状の支持面を成す形に保持されるようになっている。
上記取り付けにより、バックパン20は、上述したバックフレーム10と一体を成すロアパン22に対して、アッパパン21のみが、上述した不図示のバネの附勢力に抗してヒンジピン23を中心に前側に折れ曲がる形に傾動(「中折れ」)したり、傾動した位置から上記不図示のバネの附勢力によってバックフレーム10に前方側から当てられる起立位置まで後側に起こし上げられたりする構成となっている。
上記のようにバックフレーム10の前部にバックパン20が取り付けられていることにより、四角枠状の形に組まれたバックフレーム10の前部に、バックパッド30を後方側から広く面であてがえて支持することのできる骨格面が形成されている。上記バックパン20によるバックパッド30の面支持により、バックパッド30に掛けられる着座者の背凭れ荷重が後方側から広く面であてられて広く体圧分散される状態として支えられるようになっている。また、上記バックパン20の中折れ動作に伴って、バックパッド30をバックパン20の形に沿った折れ曲がり形状に適切に変形させることができるようになっている。
<バックパッド30とバックカバー40について>
バックパッド30は、ウレタン樹脂の発泡成形により、シートバック2の基本的な外形形状を成す形に形成されている。上記バックパッド30は、上述したバックパン20の前部に組み付けられて、バックパン20を前方側と外周側とから広く覆い被せた状態としてセットされるようになっている。上記バックパッド30は、上述したバックパン20に前方側から当てられた状態にセットされた後に、その表面全体を覆うように被せ付けられたバックカバー40の各周縁部がそれぞれバックフレーム10の後部側に引き込まれて止着されることにより、同バックカバー40を介してバックパン20に一体的に押し当てられた形に保持された状態とされている。
上記バックカバー40は、図示での詳細な説明は省略されているが、上述したバックパッド30の前面部に被せ付けられた所々の箇所が、バックパッド30の前面部内に吊り込まれて止着されていることにより、バックパッド30の表面全体に広く密着して浮きや皺を生じない形に張設された状態とされている。また、上記バックカバー40は、その上述したバックパッド30の上部領域に被せ付けられる領域の後方側へ引き込まれる側の縁部に、バックパン20の中折れ動作を弾性的な伸張変形によって逃がすことのできる不図示の弾性面材が介在して設けられた構成とされている。上記構成により、バックカバー40は、バックパン20の中折れ動作によりバックパッド30が中折れ状に変形しても、その変形を逃がすように柔軟に伸張して、バックパッド30の表面に浮きや皺を生じさせたりバックパン20の中折れ動作を阻害したりしないようになっている。
<ブラダ50について>
各ブラダ50は、ナイロン等の機械的強度の高い原糸から成る基布材を袋織して形成した、可撓性に富む袋体として構成されている。上記各ブラダ50は、上述したバックフレーム10の上部箇所に取り付けられた支持プレート14の左右の各支持板部14A上に1つずつ取り付けられて設けられている(図3、図5及び図7参照)。上記各ブラダ50は、これらに接続された不図示の給排気装置からの圧縮空気の供給を受けることにより、各支持板部14Aを支えに前方側に膨張して、それらの前側に位置するアッパパン21の対応する各箇所に形成された後方側に平坦状に凹む支承凹部21Aをそれぞれ後側から押圧してアッパパン21を前側に中折れ動作させるようになっている。
また、各ブラダ50は、上述した不図示の給排気装置によって内部の空気が排出されることにより、支持プレート14の各支持板部14A上に向かって収縮して、上述したアッパパン21が不図示のバネの附勢力によって後方側に起こされる動きを許容するようになっている。上述した各ブラダ50の膨張収縮は、不図示の給排気装置の作動制御によって、適宜の膨らみ形状に調節されたり調節された各形状に保持されたりするようになっている。上記各ブラダ50の膨張収縮の作動制御によって、シートバック2を適宜の中折れ角度に調節したり中折れさせた各位置に保持したりすることができるようになっている。
<ストッパ60について>
ストッパ60は、図3〜図5に示すように、上述したアッパパン21に取り付けられる金属製の前部ブラケット61と、バックフレーム10の支持プレート14上に取り付けられる後部ブラケット62と、これら前部ブラケット61と後部ブラケット62との間に架橋される形に取り付けられた伸張性の低いエステル帆布製の力布63と、によって構成されている。ここで、上述したアッパパン21が本発明の「可動体」に相当し、支持プレート14が本発明の「ベース」に相当し、前部ブラケット61が本発明の「一方に取り付けられるブラケット」に相当し、後部ブラケット62が本発明の「他方に取り付けられるブラケット」に相当し、力布63が本発明の「架橋体」に相当する。
上述した前部ブラケット61は、図9〜図12に示すように、幅方向に長尺な1枚の金属板が側面視略L字板状の形に折り曲げられて形成されている。上記折り曲げにより、前部ブラケット61は、前後方向に面を向ける形に立ち上がる第1取付面部61Aと、第1取付面部61Aの下縁部から後側へ延びて上下方向に面を向ける第2取付面部61Bと、を有する略L字板状の形に形成された構成とされている。
上記前部ブラケット61は、図3〜図4及び図8に示すように、上述した第1取付面部61Aがアッパパン21の中央上部箇所に形成された取付面部21Bに後方側から通されて一体的に取り付けられている。具体的には、図3〜図4に示すように、上述した取付面部21Bは、上述した前部ブラケット61の第1取付面部61Aを後方側から通すことのできる幅方向に長尺な通し孔21B1と、通し孔21B1に通された第1取付面部61Aを前方側から面当接させた状態に当てることのできる平坦状の当接面21B2と、を有する構成となっている。上記通し孔21B1は、下側に孔幅の広い領域が形成され、上側に孔幅の狭い領域が形成された、上下で孔幅が段差状に異なる形に形成されている。
上記通し孔21B1の下側に形成された孔幅の広い領域は、前部ブラケット61の第1取付面部61Aを後方側から僅かに余裕をもって通すことのできる広い孔幅を備えた形状とされている。また、通し孔21B1の上側に形成された孔幅の狭い領域は、上記前部ブラケット61の第1取付面部61Aよりも横幅の狭い第2取付面部61Bを後方側に僅かに余裕をもって通し出せる程度に孔幅の狭められた構成とされている。当接面21B2は、上述した通し孔21B1の上方位置に前方側に平坦な面を向けた形となって形成されている。
上記前部ブラケット61は、上述したアッパパン21の取付面部21Bに対して次のように取り付けられている。先ず、上述した前部ブラケット61の第1取付面部61Aを、上述した通し孔21B1の下側の孔幅の広い領域内に後方側から向きを前向きに倒した形にして通す。次に、第1取付面部61Aを上向きに起こし上げてアッパパン21の当接面21B2に前方側から面当接させると共に、第2取付面部61Bを通し孔21B1の上側の孔幅の狭い領域内に持ち上げた状態にセットする。そしてその状態で、第1取付面部61Aの左右両端側の各締結部61A1に前方側から樹脂製のクリップCL1を差し込んでアッパパン21に締結する。これにより、前部ブラケット61がアッパパン21の取付面部21Bに一体的に取り付けられた状態とされる。ここで、上述した各クリップCL1が本発明の「差込み式の締結構造」に相当する。
ところで、図12に示すように、上述した前部ブラケット61の第2取付面部61Bは、次のように第1取付面部61Aの幅方向の両端箇所を残す中央箇所から後方側に切り起こされた形状とされている。すなわち、第2取付面部61Bは、第1取付面部61Aの左右両端側の各締結部61A1の配置間領域において、同領域の下縁部から下方側に形状を延出させる、第1取付面部61Aよりも幅狭な形状を持つ構成とされている。そして、上記第2取付面部61Bは、上記第1取付面部61Aの左右の締結部61A1間の下縁部に形成された各スリット61A2により、第1取付面部61Aの左右の締結部61A1の下側の外周縁部61A3よりも、各締結部61A1のクリップCL1が差し込まれて締結される2箇所を結ぶ線分Lに向かって入り込んだ中間位置61A4において折り曲げられた形状とされている。
上記第2取付面部61Bは、このような形状とされていることにより、図8に示すように、第2取付面部61Bに取り付けられた力布63によって後方側に引張られる力を受けた際に、図4に示すように、第1取付面部61Aに対して第1取付面部61Aを当接面21B2との当接点を支点に前方側に浮き上がらせるような曲げ力を作用させにくい構成となっている。すなわち、図12で前述したように第2取付面部61Bが第1取付面部61AのクリップCL1によって締結される2箇所を結ぶ線分Lに近づけられた位置から折り曲げられていることで、第2取付面部61Bと第1取付面部61AのクリップCL1による締結点との間の高さ方向の離間幅T(図11参照)が狭められており、上述した曲げ力を作用させるような偏心量が狭められているからである。
また、図3〜図4及び図6に示すように、上述した前部ブラケット61は、上記のように第2取付面部61Bが通し孔21B1の上側の孔幅の狭い領域内にセットされていることで、第2取付面部61Bよりも横幅の広い第1取付面部61Aが通し孔21B1の幅方向の両外側に形状を張り出させた状態として取り付けられるようになっている。このような構成となっていることにより、図4及び図8に示すように、力布63から第2取付面部61Bに後方側に強く引張られる力が掛けられたとしても、第1取付面部61Aが通し孔21B1から後方側に引き抜かれることがなく、アッパパン21の当接面21B2に面当接した状態に締結されている第1取付面部61Aによって、力布63から掛けられる後方側への引き込み力を強く受け止めることができるようになっている。上述した力布63は、図8〜図11に示すように、第2取付面部61Bに形成された幅方向に長尺な取付孔61B1内にその前端側の縁部が上側から通されて後側に返されて袋状に縫い付けられていることにより、第2取付面部61Bの取付孔61B1の後側の縁部に対して高さ方向に回転可能に取り付けられた状態とされている。
一方、後部ブラケット62は、図9〜図11に示すように、幅方向に長尺な1枚の金属板により高さ方向に面を向ける略平板状の形に形成されている。上記後部ブラケット62には、その幅方向に長尺な形に形成された取付孔62A内に、上述した力布63の後端側の縁部が上側から通されて前側へ返されて袋状に縫い付けられている。これにより、上記後部ブラケット62の取付孔62Aの前側の縁部に対して力布63が高さ方向に回転可能に取り付けられた状態とされている。また、上記後部ブラケット62の左右両端側の後縁部には、それぞれ、前下方向に曲げ返される形となって延び出すフック62Bが形成されている。また、図3及び図5に示すように、上記後部ブラケット62の各フック62Bの配置間領域となる幅方向の中央領域の左右2箇所の後縁部には、それぞれ、バックフレーム10に取り付けられた支持プレート14の天板部14B上に上方側から面当接した状態にセットされて上方側から樹脂製のクリップCL2が差し込まれて天板部14B上に締結される締結部62Cが後方側に部分的に張り出した形となって形成されている。
上述した各フック62Bは、図5及び図9〜図11に示すように、上述した各締結部62Cと前後方向において略同じ位置となる、幅方向に並ぶ位置に形成されている。上記構成の後部ブラケット62は、図3及び図5に示すように、上述した支持プレート14に対して次のように取り付けられている。先ず、後部ブラケット62の各フック62Bを、支持プレート14の天板部14Bの後側の縁部14B1にそれぞれ後側から引掛けつつ、後部ブラケット62を天板部14B上に面当接させた状態にセットする。次に、各締結部62Cに上方側からクリップCL2を差し込んで天板部14Bに締結する。これにより、後部ブラケット62が支持プレート14の天板部14Bに一体的に取り付けられた状態となる。上述した各締結部62Cは、図4及び図9〜図10に示すように、後部ブラケット62に形成された取付孔62Aと前後方向に並ぶ、取付孔62Aの両端側の後部側位置に形成されている。
上述した後部ブラケット62は、図5に示したように支持プレート14の天板部14B上に取り付けられていることにより、力布63から前方側に強く引張られる力が掛けられても、各締結部62Cにおける天板部14Bへの締結に加えて各フック62Bが天板部14Bに後側から引掛けられた構成により、前方側に引き込まれることがなく、力布63から掛けられる前方側への引き込み力を強く受け止めることができるようになっている。詳しくは、上記後部ブラケット62は、上述した各フック62Bの引掛けにより、力布63から各クリップCL2に掛けられるせん断力の負荷が軽減されており、これにより、力布63から掛けられる前方側への引き込み力を強く受け止めることができるようになっている。ここで、各フック62Bが本発明の「引掛部」に相当し、天板部14Bが本発明の「架橋体から引張られる方向とは垂直な方向に面を向ける部位」に相当する。
上述した力布63は、図9〜図11に示すように、略矩形状の形にカットされた1枚のエステル帆布により形成されている。上記力布63は、その前端側の縁部が上述した前部ブラケット61の第2取付面部61Bに形成された取付孔61B1内に上側から通された後、その通された先の縁部が力布63の裏側に重ね合わされて、同縁部に沿って幅方向に真っ直ぐに縫われる縫糸63B1により表側の力布63と縫合されることにより、袋状に縫い付けられた状態とされている。その際、上記力布63の裏側に重ね合わされる縁部の位置合わせは、力布63の左右の縁部の前端箇所と中央寄りの箇所とに形成された幅方向の外側に三角形状に張り出す各ノッチ63A1同士を上下に重ね合わせることによって行われている。
上述した力布63の折り返した縁部を袋状に縫い付ける縫糸63B1は、上述した互いに位置合わせされた左右のノッチ63A1の先端同士を結ぶ線分に沿って縫い込まれている。上記縫糸63B1の両端部には、縫糸63B1の各端部のほつれを防止するための縫い返し63B1aが施されている。これら縫い返し63B1aは、縫糸63B1の両端部から前方側ではなく後方側に斜めに返される形で行われている。このように縫い返し63B1aが施されていることにより、力布63の同じ箇所で縫い返しが行われるものと比べて、力布63の構造強度が損なわれにくくなっている。また、縫い返し63B1aが力布63の袋状を成す領域に入り込まないことから、袋形状を広く確保することができて、力布63を前部ブラケット61の後側の縁部に対してスムーズに回転させられる状態に取り付けることができるようになっている。
また、上記力布63は、その後端側の縁部が上述した後部ブラケット62に形成された取付孔62A内に上側から通された後、その通された先の縁部が上記前端側の縁部と同様に、力布63の裏側に重ね合わされて、同縁部に沿って幅方向に真っ直ぐに縫われる縫糸63B2により表側の力布63と縫合されることにより、袋状に縫い付けられた状態とされている。その際、上記力布63の裏側に重ね合わされる縁部の位置合わせは、力布63の左右の縁部の後端箇所と中央寄りの箇所とに形成された幅方向の外側に三角形状に張り出す各ノッチ63A2同士を上下に重ね合わせることによって行われている。
上述した力布63の折り返した縁部を袋状に縫い付ける縫糸63B2は、上述した互いに位置合わせされた左右のノッチ63A2の先端同士を結ぶ線分に沿って縫い込まれている。上記縫糸63B2の両端部には、縫糸63B2の各端部のほつれを防止するための縫い返し63B2aが施されている。これら縫い返し63B2aは、縫糸63B2の両端部から後方側ではなく前方側に斜めに返される形で行われている。このように縫い返し63B2aが施されていることにより、力布63の同じ箇所で縫い返しが行われるものと比べて、力布63の構造強度が損なわれにくくなっている。また、縫い返し63B2aが力布63の袋状を成す領域に入り込まないことから、袋形状を広く確保することができて、力布63を後部ブラケット62の前側の縁部に対してスムーズに回転させられる状態に取り付けることができるようになっている。
上記構成のストッパ60は、図8に示すように、上述したバックパン20が中折れ動作する前の状態では、上述した前部ブラケット61と後部ブラケット62とが互いに近づけられて、これらの間に架橋された力布63がこれらの間で垂下する形に撓んでコンパクトに折り畳まれた状態とされるようになっている。その際、力布63は、前部ブラケット61と後部ブラケット62とに対して、それぞれ、袋状に縫い付けられて回転可能に取り付けられた状態とされた各端部が、力布63の垂れ下がる方向となる下方側に首振りする形に回転して、両端部が前後方向において互いに形状の干渉を生じないコンパクトな形に向きを変えた状態に撓まされるようになっている。
上記ストッパ60は、上述したバックパン20が中折れ動作することにより、上述した前部ブラケット61と後部ブラケット62との間の距離が前後方向に漸次引き離されていくのに伴って、力布63が徐々にアッパパン21の移動方向となる前後方向の幅を広げる形で張られる形に引張られていく。そして、上記ストッパ60は、図8の仮想線に示すバックパン20が最大中折れ位置まで動かされることで、力布63が前部ブラケット61と後部ブラケット62との間で最大に緊張した状態に張られた状態となる。これにより、バックパン20が力布63のテンションによってそれ以上中折れすることのできない状態に移動規制された状態となる。
上記ストッパ60は、図8の仮想線に示す状態のように、上述したバックパン20の中折れにより力布63が最大に緊張した状態となる段階で、上述した前部ブラケット61の第2取付面部61Bと、力布63と、後部ブラケット62とが、互いに前後方向に略面一状に連なる状態を成す形に形成された構成となっている。このような構成となっていることにより、ストッパ60がバックパン20の中折れの最大移動量を規制する際に、力布63に作用する前後方向に引張られる力が、前部ブラケット61の第2取付面部61Bと後部ブラケット62とに面内方向に真っ直ぐ引張る力として作用して、これらに曲げの作用力を及ぼしにくくなっており、力布63を強く張った状態に支えることができるようになっている。上記ストッパ60は、伸張性の低いエステル帆布製の力布63が張られることによってシートバック2の中折れ動作を規制する構成となっていることから、金属部品同士の当接によって移動規制を行うものと比べて、異音を生じさせることなく静かに移動規制を行うことができるようになっている。また、ストッパ60が幅方向に広い形状を有する面状体たる力布63によってシートバック2の中折れ動作の移動規制を行う構成となっていることから、左右で釣り合いの取れた偏りのない規制を、少ない部品点数で成し得ることができる。
<まとめ>
以上をまとめると、本実施例のシート1は、次のような構成となっている。すなわち、ベース(支持プレート14)に対する移動が可能な可動体(アッパパン21)と、可動体(アッパパン21)のベース(支持プレート14)に対する最大移動位置を規制可能なストッパ(ストッパ60)と、を有する乗物用シート(シート1)である。ストッパ(ストッパ60)は、可動体(アッパパン21)とベース(支持プレート14)との間に架橋された架橋体(力布63)を有する。架橋体(力布63)は、可動体(アッパパン21)の移動に合わせて可動体(アッパパン21)の移動方向の幅(前後方向の幅)を変えることのできる構成とされている。可動体(アッパパン21)の初期状態では、架橋体(力布63)が上記幅(前後方向の幅)を狭めた状態とされ、可動体(アッパパン21)の最大移動位置への移動により架橋体(力布63)が可動体(アッパパン21)とベース(支持プレート14)との間で突っ張って可動体(アッパパン21)の移動を規制する構成とされている。
このような構成となっていることにより、ストッパ(ストッパ60)を構成する架橋体(力布63)は、可動体(アッパパン21)の最大移動位置に応じて大型化されても、可動体(アッパパン21)の初期状態への移動により同移動方向の幅(前後方向の幅)を狭めたコンパクトな形をとる。したがって、ストッパ(ストッパ60)を、可動体(アッパパン21)の最大移動量が大きくても嵩張らない構成とすることができる。
また、架橋体(力布63)が、可動体(アッパパン21)もしくはベース(支持プレート14)のうちの少なくともどちらか(本実施例では両方)に対して回転可能に取り付けられている。このように、架橋体(力布63)が可動体(アッパパン21)の移動する向きに合わせて回転することで、可動体(アッパパン21)とベース(支持プレート14)との間で作用する引張り力を、架橋体(力布63)に対して真っ直ぐに作用させられるようになる。したがって、架橋体(力布63)によって可動体(アッパパン21)の移動規制を適切に行うことができる。
また、架橋体(力布63)が、可動体(アッパパン21)もしくはベース(支持プレート14)のうちの少なくともどちらか(本実施例では両方)に対してブラケット(前部ブラケット61又は後部ブラケット62)を介して取り付けられている。このような構成となっていることにより、可動体(アッパパン21)もしくはベース(支持プレート14)に架橋体(力布63)の取り付けスペースを広く確保することができなくても、ブラケット(前部ブラケット61又は後部ブラケット62)を介することで、架橋体(力布63)の支持と可動体(アッパパン21)もしくはベース(支持プレート14)に対する取り付けとをそれぞれ適切に行えるようにすることができる。
また、可動体(アッパパン21)もしくはベース(支持プレート14)のうちの一方(アッパパン21)に取り付けられるブラケット(前部ブラケット61)は、上記一方(アッパパン21)に当接した状態に取り付けられる第1取付面部(第1取付面部61A)と架橋体(力布63)が取り付けられる第2取付面部(第2取付面部61B)とを有し、第1取付面部(第1取付面部61A)と第2取付面部(第2取付面部61B)とがそれぞれの取り付けられる対象物の向きに合わせて折り曲げられた形状とされている。このような構成となっていることにより、架橋体(力布63)を可動体(アッパパン21)もしくはベース(支持プレート14)のうちの一方(アッパパン21)に取り付けるブラケット(前部ブラケット61)を、架橋体(力布63)の取り付けと上記一方(アッパパン21)への取り付けとに適した形に設けることができる。
また、ブラケット(前部ブラケット61)は、第1取付面部(第1取付面部61A)が上記一方(アッパパン21)に対して差込み式の締結構造(クリップCL1)により第1取付面部(第1取付面部61A)の面内方向における幅方向の2箇所の位置で締結されると共に、第2取付面部(第2取付面部61B)が第1取付面部(第1取付面部61A)の面内方向における上記幅方向とは垂直な方向に張り出す外周縁部(外周縁部61A3)から上記締結される2箇所を結ぶ線分(線分L)に向かって入り込んだ中間位置(中間位置61A4)から折り曲げられた形状とされている。このような構成となっていることにより、架橋体(力布63)からブラケット(前部ブラケット61)の第2取付面部(第2取付面部61B)に掛けられる引張り力は、第1取付面部(第1取付面部61A)の締結箇所(クリップCL1による締結箇所)に近い位置に掛けられるようになる。したがって、上記の力が第1取付面部(第1取付面部61A)を一方(アッパパン21)から浮き上がらせるような曲げ力として作用しにくくなるため、ブラケット(前部ブラケット61)を上記一方(アッパパン21)に対して強固に取り付けた状態に保持することができる。
また、ブラケット(前部ブラケット61)が可動体(アッパパン21)もしくはベース(支持プレート14)のうちの少なくともどちらか(アッパパン21)に対して架橋体(力布63)から引張られる方向(後方向)に当接した状態として取り付けられている。このような構成となっていることにより、架橋体(力布63)からブラケット(前部ブラケット61)の第2取付面部(第2取付面部61B)に掛けられる引張り力を、可動体(アッパパン21)によって支えられた第1取付面部(第1取付面部61A)によって強く受け止めることができる。
また、可動体(アッパパン21)もしくはベース(支持プレート14)のうちの他方(支持プレート14)に取り付けられるブラケット(後部ブラケット62)は、同他方(支持プレート14)に対して架橋体(力布63)から引張られる方向(前方向)とは垂直な方向に面を向ける部位(天板部14B)に取り付けられる構成とされる傍ら、上記他方(支持プレート14)に対して架橋体(力布63)から引張られる方向(前方向)に引掛けられる引掛部(フック62B)を有する構成とされている。このような構成となっていることにより、ブラケット(後部ブラケット62)が他方(支持プレート14)に対して架橋体(力布63)から掛けられる引張り力がせん断力として作用する強度的に不利な取り付けとされる構成であっても、引掛部(フック62B)により、架橋体(力布63)から掛けられる引張り力を強く受け止めることができる。
また、架橋体(力布63)が可撓性の面状材により構成され、可動体(アッパパン21)の初期状態への移動により撓んで折り畳まれる構成とされている。このような構成となっていることにより、架橋体(力布63)にヒンジを設定することなく、架橋体(力布63)をその可撓性によって簡便に折り畳んで移動方向の幅を狭めることができる。
<その他の実施形態について>
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の「乗物用シート」は、自動車の右側のリヤ席以外のシートにも適用することができる他、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。
また、上記実施例では、ストッパがシートバックの中折れ動作の最大移動位置を規制するためのものとして構成されたものを例示した。しかし、ストッパは、ベースに対する可動体の最大移動位置を規制する用途に対して広く適用することができるものである。具体的には、ストッパは、シートの乗物本体に対する前後方向や幅方向の位置を調節可能なスライドレールの最大移動位置を規制するものであってもよい。また、シートバックやシートクッションに設けられる可動式のランバサポートやサイドサポートの最大張り出し位置を規制するものや、オットマンの最大展開位置を規制するもの、シート前縁部の座面角度調節の最大移動位置を規制するもの、シートバックのリクライニング角やシートリフタの最大移動位置を規制するもの、シートのフロアに対する各種方向への跳上げの最大移動位置を規制するもの等、シート内の部品間の相対移動を規制するものに限らずシートと乗物本体等のシート外部品との間の相対移動を規制するものとして広く適用することができるものである。すなわち、ベースは、シートフレーム等のシート構成部材に限らず、フロアや壁材等の乗物本体側の部材であってもよい。
また、ストッパは、可動体とベースとの間に架橋された架橋体が可動体の最大移動位置をベースとの間で突っ張ることで規制し、可動体の最大移動位置から初期状態に向けての移動を可動体の移動方向の幅を狭めることによって逃がすものであれば良く、架橋体の可撓性により折り畳まれるものの他、ゴム等の弾性材の真っ直ぐな圧縮変形によって可動体の移動方向の幅を狭めるものであってもよい。また、蛇腹状に伸縮するようにしたものや、複数のヒンジの設定により屈伸回転させるようにしたものや、スライドヒンジの設定によるスライドリンク運動により可動体の移動方向の幅を狭められるようにしたものであってもよい。上記ヒンジは、いわゆるインテグラルヒンジから成るものであってもよい。
また、架橋体は、可動体もしくはベースのうちの少なくともどちらかに対して、可動体の移動方向に向きを変えられるように回転可能に取り付けられていると良い。また、架橋体は、可動体もしくはベースのうちの少なくともどちらかに対してブラケットを介して取り付けられていると良い。
また、可動体もしくはベースのうちの一方に取り付けられるブラケットは、上記一方に当接した状態に取り付けられる第1取付面部と架橋体が取り付けられる第2取付面部とがそれぞれの取り付けられる対象物の向きに合わせて互いに折り曲げられた形状とされていると良い。また、上記ブラケットは、第1取付面部が上記一方に対して差込み式の締結構造により面内方向における幅方向の2箇所の位置で締結されると共に、第2取付面部が第1取付面部の面内方向における幅方向とは垂直な方向に張り出す外周縁部から上記締結される2箇所を結ぶ線分に向かって入り込んだ中間位置から折り曲げられた形状とされていると良い。上記差込み式の締結構造は、クリップの他、リベットやボルトを用いた差込み式の締結構造であってもよい。
また、ブラケットが可動体もしくはベースのうちの少なくともどちらかに対して架橋体から引張られる方向に当接した状態として取り付けられていると良い。また、可動体もしくはベースのうちの他方に取り付けられるブラケットは、上記他方に対して架橋体から引張られる方向とは垂直な方向に面を向ける部位に取り付けられる構成とされる傍ら、他方に対して架橋体から引張られる方向に引掛けられる引掛部を有する構成とされていると良い。
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
2A 上部領域
2B 下部領域
3 シートクッション
4 ヘッドレスト
10 バックフレーム
10A 上枠部
10B サイド枠部
10C 下枠部
11 サポートブラケット
12 中間ブラケット
13 脚ブラケット
14 支持プレート(ベース)
14A 支持板部
14B 天板部(架橋体から引張られる方向とは垂直な方向に面を向ける部位)
14B1 後側の縁部
15 締結板
20 バックパン
21 アッパパン(可動体)
21A 支承凹部
21B 取付面部
21B1 通し孔
21B2 当接面
22 ロアパン
23 ヒンジピン
30 バックパッド
40 バックカバー
50 ブラダ
60 ストッパ
61 前部ブラケット(一方に取り付けられるブラケット)
61A 第1取付面部
61A1 締結部
61A2 スリット
61A3 外周縁部
61A4 中間位置
61B 第2取付面部
61B1 取付孔
62 後部ブラケット(他方に取り付けられるブラケット)
62A 取付孔
62B フック(引掛部)
62C 締結部
63 力布(架橋体)
63A1,63A2 ノッチ
63B1,63B2 縫糸
63B1a,63B2a 縫い返し
T 離間幅
CL1,CL2 クリップ(差込み式の締結構造)
L 線分(締結される2箇所を結ぶ線分)

Claims (8)

  1. ベースに対する移動が可能な可動体と、該可動体の前記ベースに対する最大移動位置を規制可能なストッパと、を有する乗物用シートであって、
    前記ストッパは、前記可動体と前記ベースとの間に架橋された架橋体を有し、
    該架橋体は、前記可動体の移動に合わせて該可動体の移動方向の幅を変えることのできる構成とされ、前記可動体の初期状態では前記架橋体が前記幅を狭めた状態とされ、前記可動体の前記最大移動位置への移動により前記架橋体が前記可動体と前記ベースとの間で突っ張って前記可動体の移動を規制する構成とされている乗物用シート。
  2. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記架橋体が、前記可動体もしくは前記ベースのうちの少なくともどちらかに対して回転可能に取り付けられている乗物用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の乗物用シートであって、
    前記架橋体が、前記可動体もしくは前記ベースのうちの少なくともどちらかに対してブラケットを介して取り付けられている乗物用シート。
  4. 請求項3に記載の乗物用シートであって、
    前記可動体もしくは前記ベースのうちの一方に取り付けられる前記ブラケットは、前記一方に当接した状態に取り付けられる第1取付面部と前記架橋体が取り付けられる第2取付面部とを有し、当該第1取付面部と第2取付面部とがそれぞれの取り付けられる対象物の向きに合わせて折り曲げられた形状とされている乗物用シート。
  5. 請求項4に記載の乗物用シートであって、
    前記ブラケットは、前記第1取付面部が前記一方に対して差込み式の締結構造により該第1取付面部の面内方向における幅方向の2箇所の位置で締結されると共に、前記第2取付面部が前記第1取付面部の面内方向における前記幅方向とは垂直な方向に張り出す外周縁部から前記締結される2箇所を結ぶ線分に向かって入り込んだ中間位置から折り曲げられた形状とされている乗物用シート。
  6. 請求項3から請求項5のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記ブラケットが前記可動体もしくは前記ベースのうちの少なくともどちらかに対して前記架橋体から引張られる方向に当接した状態として取り付けられている乗物用シート。
  7. 請求項3から請求項6のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記可動体もしくは前記ベースのうちの他方に取り付けられる前記ブラケットは、前記他方に対して前記架橋体から引張られる方向とは垂直な方向に面を向ける部位に取り付けられる構成とされる傍ら、前記他方に対して前記架橋体から引張られる方向に引掛けられる引掛部を有する構成とされている乗物用シート。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記架橋体が可撓性の面状材により構成され、前記可動体の初期状態への移動により撓んで折り畳まれる構成とされている乗物用シート。
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