JP6607129B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、強度部材としてのシートフレームと、シートフレームに取り付けられて着座者の身体を裏側から支える面状支持部材と、を有する乗物用シートに関する。
従来、車両用シートにおいて、着座者の身体を支える支持構造が、シートフレーム間に張られた網目状のネット材により構成されたものが知られている(特許文献1)。上記シートには、更に、上述したネット材に対して着座者の身体から強い体圧が掛けられる部位に、支持圧を部分的に高められるようにするためのプレート材が設定されている。上記プレート材は、上述したネット材の裏側において四方がバネによりシートフレーム間に吊られた状態となって設けられている。上記プレート材により、ネット材に掛けられる着座者の体圧が広く面内方向に分散された形となって受け止められるようになっている。
特開2000−79840号公報
上記従来技術では、プレート材がバネを介してシートフレームに引掛けられて吊られた構成であることから、シートフレームとバネ、及びバネとプレート材との間に支持圧の段差ができやすく、体圧分散を適切に行えない。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、面状支持部材とシートフレームとの間に生じる支持圧の段差を緩和することにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、強度部材としてのシートフレームと、シートフレームに取り付けられて着座者の身体を裏側から支える面状支持部材と、を有する乗物用シートである。面状支持部材は、可撓性の面状体と、面状体に取り付けられてシートフレームに取り付けられる取付体と、を有する。取付体が、面状体よりも剛性の高い構成とされて、シートフレームに対して裏側への回転変位が規制された状態として取り付けられる固定端部と、固定端部から片持ち状に張り出して裏側への撓みが可能な状態として面状体と取り付けられる自由端部と、を有する構成とされている。
この第1の発明によれば、面状体に取り付けられた取付体が、シートフレームに対して、裏側への回転変位が規制された片持ち支持状態で設けられることとなる。これにより、取付体が、面状体に掛けられる体圧の作用により、シートフレームに対して片持ち支持梁の撓みのように緩やかに撓み量を増大させていく態様で撓むようになる。したがって、面状支持部材とシートフレームとの間に生じる支持圧の段差を適切に緩和することができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。取付体が、シートフレームに対して、回転可能にピン連結されると共に裏側から当てられて回転規制された状態とされている。
この第2の発明によれば、取付体を、シートフレームに対して、簡便に裏側への回転変位を規制した状態に取り付けることができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、次の構成とされているものである。取付体が、面状体と横並び状に面を連ねるプレートにより形成されている。
この第3の発明によれば、取付体によっても着座者の身体を裏側から広く面支持できるようになると共に、面状支持部材とシートフレームとの間に生じる支持圧の段差をより適切に緩和することができる。
第4の発明は、上述した第3の発明において、次の構成とされているものである。取付体が、自由端部に向かって先細り状となる形に形成されている。
この第4の発明によれば、取付体と面状体との間に生じる支持面の形状的な段差や硬さ的な段差を適切に緩和することができる。
第5の発明は、上述した第1から第4のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。取付体の固定端部が取り付けられるシートフレームがパネル材となっている。
この第5の発明によれば、パネル材から成るシートフレームによって、取付体の固定端部を取り付けるための構造を、切り起こしやブラケット設置等の簡素な手段によって行うことができる。
第6の発明は、上述した第1から第5のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。更に、シートフレームに対して面状支持部材の裏側への最大撓み量を規制する規制部材が設けられている。
この第6の発明によれば、取付体を片持ち梁のように撓ませられるようにしても、面状支持部材が乗物の衝突発生時等の大荷重入力時に過大に撓み過ぎることを適切に抑制することができる。
実施例1の乗物用シートの概略構成を表した斜視図である。 シートクッションの内部構造を表した斜視図である。 面状支持部材の拡大斜視図である。 図1のIV-IV線断面図である。 図4から面状支持部材に着座者からの体圧が掛けられた状態を表した断面図である。 図5のVI部拡大図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1のシート1(乗物用シート)の構成について、図1〜図6を用いて説明する。本実施例のシート1は、図1に示すように、自動車の右側座席として構成されており、着座者の背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を備えた構成となっている。上述したシートバック2は、その下端側の左右両側部が、シートクッション3の後端側の左右両側部に連結されて支持されている。シートクッション3は、車両のフロア上に、左右一対のスライドレール4を間に介して連結された状態とされている。これらスライドレール4を介した連結により、シート1は、フロア上における前後方向の位置を調整することができるようになっている。
また、図2に示すように、上記シートクッション3は、上述した各スライドレール4との間に、左右一対のフロントリンク5Aとリヤリンク5Bとによって左右一対の4節リンク機構を構成するシートリフタ5を間に介して連結された状態とされている。上記シートリフタ5を介した連結により、シート1は、フロア上における高さ方向の位置も調整することができるようになっている。上記左右一対のフロントリンク5Aとリヤリンク5Bとは、それぞれ、後述するシートクッション3の各サイドフレーム3Faと各スライドレール4との間に連結されている。
上述したシートクッション3は、その内部骨格を構成する平面視略四角枠状の形に組まれた金属製のクッションフレーム3Fと、図1及び図4に示すように、クッションフレーム3Fの上部に組み付けられた発泡ウレタン製のクッションパッド3Pと、クッションパッド3Pに上方側から被せ付けられてシートクッション3の外観意匠面を形成する布製のクッションカバー3Cと、によって概略構成されている。また、上記クッションフレーム3Fの四角枠内には、その上部に組み付けられたクッションパッド3Pの中央領域を下方側から広く弾性的に面で支持するように機能する面状支持部材10が架橋されている。ここで、上述したクッションフレーム3Fが本発明の「シートフレーム」に相当する。
上述したクッションフレーム3Fは、図2に示すように、左右一対の前後方向に長尺状に延びる鋼板製のサイドフレーム3Faと、これらサイドフレーム3Faの前端部間に一体的に架橋された鋼板製のフロントパネル3Fbと、各サイドフレーム3Faの後部間に架け渡し状に設けられたリヤパイプ3Fcと、によって平面視略四角枠状の形に組まれた構成とされている。
上述した各サイドフレーム3Faは、それぞれ、シート幅方向に面を向ける形に立てられた状態として設けられている。また、フロントパネル3Fbは、上述した各サイドフレーム3Faの前端部の上面部位間に架橋されて、上方側に面を向けた形となって設けられている。詳しくは、上記フロントパネル3Fbは、その略前側半分が上方側に真っ直ぐに面を向けた形状とされているが、略後側半分が後下がりに斜めに傾く形に折り曲げられた形状とされている。そして、上記後下がり状に傾斜した後側領域のシート幅方向の4箇所の位置には、上述した面状支持部材10の前側の縁部に沿って設けられた前側ワイヤ13を引掛けるための掛片3Fb1がそれぞれ前側から斜め上がり状に切り起こされた形となって横並び状に一列に形成されている。ここで、上述したフロントパネル3Fbが本発明の「パネル材」に相当する。
リヤパイプ3Fcは、上述した各サイドフレーム3Faの後部における高さ方向の中間部間に架け渡された状態として設けられている。上記リヤパイプ3Fcは、上述したシートリフタ5を構成する左右一対のリヤリンク5Bを各サイドフレーム3Faにそれぞれ軸回転可能な状態に連結している各連結軸同士を互いに一体的な状態に繋ぐコネクティングロッドとして構成されている。
面状支持部材10は、図2〜図3に示すように、ファブリック材から成る平面視略矩形状の面状体11と、面状体11の前側の縁部に略面一状に張り出す形に設けられた略平板状の樹脂プレート12と、同樹脂プレート12の前側の縁部に組み付けられた前側ワイヤ13と、面状体11の後側の縁部に組み付けられた後側ワイヤ14と、上記樹脂プレート12と後側ワイヤ14との間に架橋されて面状体11の裏側への最大撓み量を規制する左右一対のナイロン製の帯体15と、によって構成されている。ここで、上述した樹脂プレート12が本発明の「取付体」に相当し、各帯体15が本発明の「規制部材」に相当する。
上述した面状支持部材10は、図2及び図4に示すように、上述した前側ワイヤ13が上述したフロントパネル3Fbに切り起こされて形成された各掛片3Fb1に引掛けられて固定され、後側ワイヤ14が上述したリヤパイプ3Fcに引掛けられて固定された状態として設けられている。上記組み付けにより、面状支持部材10は、上述したフロントパネル3Fbとリヤパイプ3Fcとの間に、シート上方側に面を向ける支持面をシート前後方向とシート幅方向とに広く張り出させた状態となって前後方向に架橋された状態とされている。
クッションパッド3Pは、上述したクッションフレーム3Fの四角枠上に跨る形に組み付けられている。上記組み付けにより、クッションパッド3Pは、その周縁部がクッションフレーム3Fの各枠部によって下方側から強く支持されると共に、中央部がクッションフレーム3Fの枠内に架橋された面状支持部材10によって下方側から広く弾性的に面で支持された状態として、着座者の尻部や大腿部から受ける荷重を安定的に軟らかく支持することができるようになっている。
クッションカバー3Cは、上述したクッションフレーム3F上にセットされたクッションパッド3Pに上方側から被せ付けられると共に、その前後左右の各周縁部がクッションフレーム3Fの下部に引き込まれて止着された状態として設けられている。上記組み付けにより、クッションカバー3Cは、その張設に伴うテンションによって、クッションパッド3Pをクッションフレーム3F上に位置固定した状態として保持するようになっている。
以上のように構成されたシートクッション3は、その着座者の尻部や大腿部を支える中央領域に、着座者からの体圧が主として掛けられる構成とされる。しかし、上記シートクッション3の中央領域に掛けられる体圧は、図5に示すように、同中央領域のクッションパッド3Pを下方側から支持する上述した面状支持部材10の撓みを伴う弾性的な面支持により、底付き感を感じにくい適度な軟らかさをもって受け止められるようになっている。
具体的には、上記面状支持部材10は、その面状体11の伸張に伴う下方側への撓みに加えて、面状体11の前側の縁部から略平板状に張り出す樹脂プレート12が、そのフロントパネル3Fb上から後方側に張り出す自由端部12Cを片持ち支持梁の撓みのように緩やかに下方側に撓み量を増大させていく形に撓むことで、フロントパネル3Fbとの間で生じる支持硬さの段差を和らげる態様でクッションパッド3Pを下方側から軟らかく支持するようになっている。
以下、上述した面状支持部材10の各部の具体的な構成について説明していく。図3に示すように、面状体11は、着座者の荷重を受け止めることのできる高い引張り性能を備えた1枚のファブリック材により形成されている。具体的には、上記面状体11は、緯糸が伸張性の低いPET製樹脂から成り、経糸が緯糸よりは伸張性のあるPTT樹脂製から成る均一組織を持つ織物(編み物であってもよい)によって形成されている。
上述した面状体11の前側の縁部には、同面状体11と面一状に前方側に張り出す略平板状の樹脂プレート12が、面状体11と一体成形されて設けられた状態とされている。上記樹脂プレート12には、その前側の縁部に、シート幅方向に一直線状に貫通する丸孔の空けられた通し部12Aが形成されている。そして、上記通し部12Aには、シート幅方向に一直線状に延びる形とされた鋼線製の前側ワイヤ13が通された状態として設けられている。上記樹脂プレート12の通し部12Aには、そのシート幅方向の4箇所の位置に、同通し部12A内に通された前側ワイヤ13の所々の箇所を外部に露出させる開口部12Aaが形成されている。
上記樹脂プレート12は、図3〜図4に示すように、その通し部12Aの形成された前側の縁部(後述する固定端部12B)から面状体11と接続される後側の縁部(後述する自由端部12C)に向かって、高さ方向の板厚が漸次先細り状に減少していく形に形成されている。そして、上記樹脂プレート12は、その先細り状とされた後側の縁部(自由端部12C)に、面状体11の前側の縁部が、同縁部を表裏両側から挟み込む形に一体成形されて接合された形状とされている。上記構成により、樹脂プレート12は、その前縁側の通し部12A内に通された前側ワイヤ13をその板厚の厚い形状によって高い構造強度で支えることができる一方、後側の縁部に接続された面状体11との間の表面の段差が小さく抑えられた構成とされている。
また、上述した面状体11の後側の縁部には、同縁部を表側(図示上側)に折り返して筒状に袋織した通し部11Aが形成されている。そして、上記通し部11Aには、そのシート幅方向の中央箇所に、同通し部11A内に通される後側ワイヤ14の途中箇所を外部に通し出せるようにする開口部11Aaが形成されている。上記通し部11Aには、その中央の開口部11Aaによって仕切られた左右の各箇所に、シート幅方向に一直線状に延びる挿通部14Aと挿通部14Aの各端から後側にアーチ状に湾曲する形で延びるフック部14Bとを有した左右一対のループ状に形作られた鋼線材から成る後側ワイヤ14がそれぞれ通された状態として設けられている。
上記各後側ワイヤ14は、それらの挿通部14Aが上述した通し部11Aの開口部11Aaによって仕切られた左右の各箇所に通された状態とされ、同挿通部14Aの各端から後側にアーチ状に湾曲する形で延びるフック部14Bが上述した通し部11Aの両外側の開口や中央の開口部11Aaからそれぞれ後側に通し出された状態として設けられた構成とされている。上記各後側ワイヤ14のフック部14Bの延び出した先の端部同士は、互いに繋げられた形状とされている。上記構成により、各後側ワイヤ14が、それぞれ無端状のループ形状に繋げられた構成とされている。
上記構成の面状支持部材10は、図2に示すように、上述した樹脂プレート12の前側の通し部12Aに通された前側ワイヤ13の各開口部12Aaから露出する4箇所の部位が、それぞれ、フロントパネル3Fbに形成された対応する各掛片3Fb1に上側から引掛けられて固定されている。また、面状体11の後側の通し部11Aに通された各後側ワイヤ14のフック部14Bが、それぞれ、リヤパイプ3Fcに上側から引掛けられて固定されている。上記組み付けにより、面状支持部材10は、フロントパネル3Fbとリヤパイプ3Fcとの間に前後方向に架橋された状態に設けられた状態とされている。上記架橋により、面状支持部材10は、その上面部に設置されたクッションパッド3P(図4参照)を、上記フロントパネル3Fbとリヤパイプ3Fcとの間で下側から広く面で受け止めることができるようになっている。
詳しくは、上述した面状支持部材10は、上記組み付けにより、図4に示すように、上述したフロントパネル3Fbの各掛片3Fb1に引掛けられた箇所から後側へ延びる樹脂プレート12が、フロントパネル3Fbにより後側へ片持ち状に張り出す形に支持された状態として設けられるようになっている。具体的には、上記樹脂プレート12は、そのフロントパネル3Fbの各掛片3Fb1に引掛けられた箇所から後側へ張り出す前側の一部が、固定端部12Bとして、フロントパネル3Fbの各掛片3Fb1より後側の面領域である支持面部3Fb2上に乗り上がって、同支持面部3Fb2により下側から支持された状態として設けられるようになっている。上記支持面部3Fb2による下側からの支持により、樹脂プレート12の固定端部12Bは、その前側ワイヤ13を回転中心とした下方側への回転移動が規制された状態として保持されるようになっている。
そして、上記樹脂プレート12は、そのフロントパネル3Fbの支持面部3Fb2上から後側に張り出して延びる後側の部分が、自由端部12Cとして、フロントパネル3Fbによる下側からの支持を受けることなく下側に撓むことができる状態として設けられるようになっている。上記構成により、樹脂プレート12は、図5〜図6に示すように、シートクッション3に着座者の尻部や大腿部からの荷重が掛けられて、そのフロントパネル3Fbの支持面部3Fb2上から後側に張り出す自由端部12Cに、上側から直接押圧される力や面状体11により後下側に引き込まれる力が掛けられたりすることにより、自由端部12Cが固定端部12Bを支点に下方側に片持ち支持梁の撓みのように緩やかに湾曲する態様で曲げ撓まされるようになっている。上記構成により、面状支持部材10は、そのフロントパネル3Fb上から後側に外れる境界領域の支持硬さが、段差的に変化するのではなく、樹脂プレート12の片持ち支持梁の撓みを介して緩やかに変化するようになっており、着座者に異物感を感じさせにくいようになっている。
上記のように着座者の尻部や大腿部から受ける荷重を軟らかく受け止められるように構成された面状支持部材10は、車両の衝突発生等により着座者からシートクッション3に過大な荷重が掛けられた際には、上記樹脂プレート12と後側ワイヤ14との間に架橋された左右一対の帯体15が、面状体11を裏側から張った状態で支えることにより、面状体11の過大な沈み込みを防いで、上記面状体11に掛けられる過大な荷重を適切に受け止めることができるようになっている。上述した左右一対の帯体15は、図3〜図4に示すように、それらの前端部が、上述した樹脂プレート12の裏面部内にインサート成形されて一体的に接合された状態として設けられており、後端部が、上述した面状体11の後側の縁部に形成された通し部11A内に下側から通されて、上述した各後側ワイヤ14の挿通部14Aに一体的に掛け止められた状態として設けられている。
上記各帯体15は、図5に示すように、シートクッション3に着座者の通常の着座に伴う荷重が掛けられても、面状体11の裏面には強く押し付けられることなく、面状体11よりも下側に弛んだ状態、或いは面状体11に軽く接触する程度に当てられた状態をとり、面状体11の伸張性を阻害しないようになっている。しかし、車両の衝突発生等によりシートクッション3に着座者から過大な荷重が掛けられることにより、その力を受けて下方側に大きく沈み込もうとする面状体11の裏面に強く押し当てられて、上記樹脂プレート12と後側ワイヤ14との間で突張って、面状体11を下方側に過剰に沈み込ませないように裏側から強く支持した状態をとるようになっている。
上記各帯体15は、面状体11のシート幅方向における中間2箇所、詳しくは、着座者からの体圧が強く掛けられる左右の坐骨結節点の直下領域近傍となる各箇所を通るように、前後方向に架け渡されて設けられている。上記各帯体15は、上述した樹脂プレート12と後側ワイヤ14との間に架橋されていることで、着座者から受ける荷重をこれらを介してフロントパネル3Fbとリヤパイプ3Fcとに効率的に伝達して強く支えることができるようになっている。また、上記各帯体15が通常時、面状体11には強く押し当てられずに下方側に垂れ下がった状態となる構成を利用して、これら帯体15にシートクッション3内に沿って配索される不図示のワイヤハーネスをクランプさせるようにしてもよい。また、上記各帯体15にそのようなクランプ用の孔を設けたりクランプ材を取り付けておくようにしてもよい。
以上をまとめると、本実施例のシート1は、次のような構成となっている。すなわち、強度部材としてのシートフレーム(クッションフレーム3F)と、シートフレーム(クッションフレーム3F)に取り付けられて着座者の身体を裏側から支える面状支持部材(面状支持部材10)と、を有する乗物用シート(シート1)である。面状支持部材(面状支持部材10)は、可撓性の面状体(面状体11)と、面状体(面状体11)に取り付けられてシートフレーム(クッションフレーム3F)に取り付けられる取付体(樹脂プレート12)と、を有する。取付体(樹脂プレート12)が、面状体(面状体11)よりも剛性の高い構成とされて、シートフレーム(クッションフレーム3F)に対して裏側への回転変位が規制された状態として取り付けられる固定端部(固定端部12B)と、固定端部(固定端部12B)から片持ち状に張り出して裏側への撓みが可能な状態として面状体(面状体11)と取り付けられる自由端部(自由端部12C)と、を有する構成とされている。
このような構成とされていることにより、面状体(面状体11)に取り付けられた取付体(樹脂プレート12)が、シートフレーム(クッションフレーム3F)に対して、裏側への回転変位が規制された片持ち支持状態で設けられることとなる。これにより、取付体(樹脂プレート12)が、面状体(面状体11)に掛けられる体圧の作用により、シートフレーム(クッションフレーム3F)に対して片持ち支持梁の撓みのように緩やかに撓み量を増大させていく態様で撓むようになる。したがって、面状支持部材(面状支持部材10)とシートフレーム(クッションフレーム3F)との間に生じる支持圧の段差を適切に緩和することができる。
また、取付体(樹脂プレート12)が、シートフレーム(クッションフレーム3F)に対して、回転可能にピン連結される(前側ワイヤ13の引掛けにより回転可能にピン連結されている)と共に裏側から当てられて回転規制された状態とされている。このような構成とされていることにより、取付体(樹脂プレート12)を、シートフレーム(クッションフレーム3F)に対して、簡便に裏側への回転変位を規制した状態に取り付けることができる。
また、取付体(樹脂プレート12)が、面状体(面状体11)と横並び状(前後方向に横並び状)に面を連ねるプレートにより形成されている。このような構成とされていることにより、取付体(樹脂プレート12)によっても着座者の身体を裏側から広く面支持できるようになると共に、面状支持部材(面状支持部材10)とシートフレーム(クッションフレーム3F)との間に生じる支持圧の段差をより適切に緩和することができる。
また、取付体(樹脂プレート12)が、自由端部(自由端部12C)に向かって先細り状となる形に形成されている。このような構成とされていることにより、取付体(樹脂プレート12)と面状体(面状体11)との間に生じる支持面の形状的な段差や硬さ的な段差を適切に緩和することができる。
また、取付体(樹脂プレート12)の固定端部(固定端部12B)が取り付けられるシートフレームがパネル材(フロントパネル3Fb)となっている。このような構成とされていることにより、パネル材(フロントパネル3Fb)から成るシートフレームによって、取付体(樹脂プレート12)の固定端部(固定端部12B)を取り付けるための構造を、切り起こしやブラケット設置等の簡素な手段によって行うことができる。
また、更に、シートフレーム(クッションフレーム3F)に対して面状支持部材(面状支持部材10)の裏側への最大撓み量を規制する規制部材(帯体15)が設けられている。このような構成とされていることにより、取付体(樹脂プレート12)を片持ち梁のように撓ませられるようにしても、面状支持部材(面状支持部材10)が乗物の衝突発生時等の大荷重入力時に過大に撓み過ぎることを適切に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の「乗物用シート」は、自動車の右側座席以外のシートにも適用することができる他、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の他の乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。
また、本発明の構成は、シートクッションの他、シートバックやヘッドレストやオットマン等の他のシート構成部材に対しても適用することができるものである。また、シートフレームに取り付けられて着座者の身体を裏側から支える面状支持部材は、シートフレームに対してシート幅方向に架橋されて張設されるものであってもよい。また、上記面状支持部材は、着座者の身体を弾性的に支持するシートパッドを介することなく着座者の身体を受け止めるように設けられるものであってもよい。また、面状体は、皮革材等のファブリック材以外の可撓性の面状部材から成るものであってもよい。
また、取付体は、面状体よりも剛性の高い構成とされたものであればよく、ゴム材や金属材等の樹脂材以外の材料から成るものであってもよい。また、取付体は、面状体と同じ材料を複数枚積層状に設けて剛性を高めた構成としたものであってもよい。また、取付体のシートフレームに対して裏側への回転変位が規制された状態として取り付けられる固定端部は、上記実施例で示したようなピン連結と裏側からの支持とを組み合わせた固定に限らず、溶接や締結といった一体的な剛連結による固定によるものであってもよい。
また、取付体は、必ずしも面状体と横並び状に面を連ねるプレートにより形成されたものでなくてもよく、部分的に形状を繋げる帯状の部材や線状の部材から成るものであってもよい。また、取付体は、必ずしも自由端部に向かって先細り状となる形状から成るものでなくてもよく、寸胴な形状や先太りと成る形状、或いはそれ以外の異形状の形から成るものであってもよい。また、取付体は、その自由端部にスリットを入れることで自由端部を撓ませやすい構成としたものであってもよい。また、取付体は、その表面上或いは裏面上に面状体が取り付けられるものであってもよい。
また、取付体の固定端部が取り付けられるシートフレームは、パネル材に限らず、角パイプや丸パイプといったパイプ材その他の異形状の部材から成るものであってもよい。また、面状支持部材の裏側への最大撓み量を規制する規制部材は、その受けた荷重をシートフレームに対して支えさせられるように設けられていれば良く、面状支持部材の構成部材を介してシートフレームに荷重伝達できるようになっていてもよい他、シートフレームに直接取り付けられてシートフレームに荷重伝達できるようになっているものであってもよい。上記規制部材は、帯状の部材に限らず、面状部材や線状部材、その他の異形状の部材から成るものであってもよい。また、規制部材は、いわゆる力布のような伸張性の低い素材からなるものであってもよいが、ファブリック材のように伸張性を有する素材からなるものであっても、面状体の最大撓み量を規制するように機能させることは可能である。また、両端支持状態で設けられるものに限らず、片持ち支持状態で設けられるものであってもよい。面状支持部材も同様に、シートフレームに両端が連結されて架橋された形に設けられるものの他、シートフレームに対して片持ち支持状に取り付けられて設けられるものであってもよい。
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
3 シートクッション
3F クッションフレーム(シートフレーム)
3Fa サイドフレーム
3Fb フロントパネル(パネル材)
3Fb1 掛片
3Fb2 支持面部
3Fc リヤパイプ
3P クッションパッド
3C クッションカバー
4 スライドレール
5 シートリフタ
5A フロントリンク
5B リヤリンク
10 面状支持部材
11 面状体
11A 通し部
11Aa 開口部
12 樹脂プレート(取付体)
12A 通し部
12Aa 開口部
12B 固定端部
12C 自由端部
13 前側ワイヤ
14 後側ワイヤ
14A 挿通部
14B フック部
15 帯体(規制部材)

Claims (6)

  1. 強度部材としてのシートフレームと、該シートフレームに取り付けられて着座者の身体をシート裏側から支える面状支持部材と、を有する乗物用シートであって、
    前記面状支持部材は、
    可撓性の面状体と、
    該面状体に取り付けられて前記シートフレームに取り付けられる取付体と、を有し、
    前記取付体が、前記面状体よりも剛性の高い構成とされて、前記シートフレームに対してシート裏側に向けた回転変位が規制された状態として取り付けられる固定端部と、該固定端部から前記シートフレームによるシート裏側からの支えのない位置まで片持ち状に張り出してシート裏側への撓みが可能な状態として前記面状体と取り付けられる自由端部と、を有する構成とされている乗物用シート。
  2. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記取付体が、前記シートフレームに対して、回転可能にピン連結されると共にシート裏側から当てられて回転規制された状態とされている乗物用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の乗物用シートであって、
    前記取付体が、前記面状体と横並び状に面を連ねるプレートにより形成されている乗物用シート。
  4. 請求項3に記載の乗物用シートであって、
    前記取付体が、前記自由端部に向かって先細り状となる形に形成されている乗物用シート。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記取付体の前記固定端部が取り付けられる前記シートフレームがパネル材となっている乗物用シート。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    更に、前記シートフレームに対して前記面状支持部材のシート裏側への最大撓み量を規制する規制部材が設けられている乗物用シート。
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