JP6244900B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
支持部材は、フレーム部材の前後に係止可能な枠状体と、枠状体内に張設される面状体を有する。そして枠状体は、上方視で略矩形の枠体であり、枠状体の側部(シート前後に延びる一対の棒状部位)の周りに樹脂部が形成される。また面状体は、一枚物の面材であり、例えば天然繊維又は合成繊維の糸材(構成糸)を織編してなる。
公知技術では、面状体(緊張状態)を枠状体内に配置しつつ、面状体の端部を、樹脂部を介して枠状体の側部に一体化する。こうして枠状体に面状体を張設したのち、フレーム部材に枠状体を係止しつつ、面状体にてクッション材を支持する。
もっとも面状体の強度を上げる(引張強さに優れる構成糸を用いる)などして対処することもできるが、そうすると面状体が伸びにくくなる(撓みにくくなる)などして着座性が悪化しがちである。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、好適な着座性を維持しつつ、シートパッドに対する支持部材の支持性能を向上させることにある。
そして第一状態時(通常走行時における一般的な乗員の着座時等)においては、第一部位が、シートパッドの荷重にて撓みつつそれを支持する。このとき第二部位が、シートパッドの荷重を受ける部分において隙間部によって第一部位から離間配置するとともに、シートパッドの荷重による第一部位の撓みに直接追従しない構成とされる。
また第一状態時よりもシートパッドの荷重が大きい第二状態時(例えば車両衝突時)において、シートパッドに押されて第一部位が第二部位に当接する(隙間部の全部又は一部が消失する)ことにより、第二部位が、シートパッドの荷重を受けて撓みつつそれを支持する構成である。
本発明では、第一状態においては、第一部位のみにて、着座性を極力悪化させることなくシートパッドを支持できる。また第二状態(シートパッドからの荷重が増加した場合)においては、第一部位と第二部位の双方でシートパッドの荷重を受け止めることができる(支持性能に優れる構成である)。
また第1発明の乗物用シートは、支持部材が、シートフレーム上に配置されている枠状の枠状体と、枠状体内に配置されている第一部位及び第二部位とを有し、第一部位の端部と第二部位の端部の双方が枠状体の同位置に取付けられて支持されている。
本発明では、第二部位が、第一部位とは別体とされてそれよりも撓みにくいことから、支持性能に特に優れる構成となる。
図1の乗物用シート2は、シート構成部材(シートクッション4,シートバック6,ヘッドレスト8)と、レール部材9を有する。シート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。
またレール部材9は、シート構成部材を乗物前後にスライド移動させる部材であり、アッパレール9aと、ロアレール9bを有する。そしてアッパレール9aにシートクッション4(シートフレーム4F)を取付けるとともに、ロアレール9bを床面に取付ける。そして両レールを摺動可能に組付けることで、シート構成部材を、床面に対して車両前後にスライド移動させることができる。
そしてシートフレーム4Fに支持部材20を取付けて、シートパッド4Pを支持しつつシートカバー4Sで被覆する。こうしてシートパッド4Pを支持部材20で支持するのであるが、このとき好適な着座性を維持しつつ、シートパッド4Pに対する支持部材20の支持性能を向上させることが好ましい。
そこで本実施形態では、後述の構成によって、好適な着座性を維持しつつ、シートパッド4Pに対する支持部材20の支持性能を向上させることとした。以下、各構成について詳述する。
シートカバー4Sは、シートパッド4Pを被覆可能な袋状部材であり、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)で構成できる(図2を参照)。またシートパッド4Pは、例えばポリウレタンフォームなどの発泡樹脂で形成できる。
そしてシートフレーム4Fは、略長方形状(上方視)の枠体であり、前方フレーム12と、一対の側方フレーム14と、後方フレーム16を有する。
前方フレーム12は、シートクッション4の前部骨格を構成する部材(平板状)であり、複数の爪部13を有する。各爪部13は、略逆L字状(側面視)をなす部材であり、後述の枠状体22を係止可能である。本実施形態では、複数の爪部13を、前方フレーム12上面(傾斜面)に適宜の間隔で形成できる。また一対の側方フレーム14は、それぞれシートクッション4の側部骨格を構成する平板状の部材であり、シート側方において互いに対面状に配置する。そして後方フレーム16は、シートフレーム4F後部を補強する棒材(円筒状)であり、一対の側方フレーム14の間に橋渡し状に配設できる。
支持部材20は、シートパッド4Pを支持する部材であり、枠状体22と、第一部位24aと、第二部位24bと、後述の隙間部26を有する(図2〜図4を参照)。
ここで枠状体22は、シートフレーム4F上に配置可能な枠体である(図2及び図3を参照)。本実施形態の枠状体22は、略長方形状(上方視)とされており、その側部が、シート前後方向に延びる棒状とされる。そして枠状体22の側部には、一対の掛止部22aが形成される。一対の掛止部22aは、各々、枠状体22の側部(後部)を、略逆U字状に湾曲変形してなる部位であり、後方フレーム16に掛止できる。
第一部位24aと第二部位24bは、ともに可撓性を有してシートパッド4Pを支持可能な部位である(図2〜図4を参照)。
そして第一部位24aと第二部位24bとして、可撓性(伸縮性)を有する面材又は可撓性を有する棒材を使用できる。この種の面材として、布帛、皮革、ネット体(繊維を網目状に織製した部材)を例示できる。またこの種の棒材として、連続的又は断続的にジグザグに屈曲した棒材(Sバネ等)を例示できる。
また第二部位24bは、略矩形(上方視)の織物で形成されており、第一部位24aとは別体である。そして第二部位24bの幅寸法が第一部位24aの幅寸法よりも大きく設定されており、緩んだ状態で枠状体22に配設可能(後述の隙間部26を形成可能)とされる。
なお第一部位24aと第二部位24bの長さ寸法(シート前後方向の寸法)は、枠状体22に収まりつつ、シートパッド4Pを支持可能な寸法であればよい。本実施形態では、各部位24a,24bの長さ寸法が、枠状体22よりも短く設定されており、各部位24a,24bの取付け時に枠状体22の前部側と各掛止部22aが露出する構成とされる。
そして各部位24a,24bの伸び特性は、例えば「JIS L1096 8.14.1」のA法(ストリップ法)に準拠して設定可能である。このとき同法において、試験片の幅を25mm、つかみ間隔を200mm、引張速度を200mm/minに設定したのち、各試験片の伸び率が5%の時の荷重を測定値とする。
そして本実施形態では、第一部位24aの伸び特性(測定値)を、同法に基づいて典型的に50〜1000Nに設定でき、好ましくは200〜500Nに設定できる。このように第一部位24aの伸び特性を上記範囲に設定することで、第一部位24aが、適度に伸びやすくなる(撓みやすくなる)などして着座性に優れる構成となる。
また第二部位24bの伸び特性(測定値)は、典型的に100〜1000Nに設定でき、好ましくは200〜600Nに設定できる。
ここで本実施形態では、第一部位24aの織り密度(単位長さ当たりの糸打ち込み本数)と、第二部位24bの織り密度を異ならせることで、両部位24a,24bの伸び特性に差を設けることができる。また各部位24a,24bの構成糸の繊度を異ならせることにより、各部位24a,24bの伸び特性を異ならせることもできる。
例えば複数の弾性糸を、それぞれ第一部位24aと第二部位24bのシート幅方向に向けつつ適宜の間隔で配置する。このとき第二部位24b中の弾性糸の配置本数を、第一部位24aよりも多くすることで、第二部位24bを、第一部位24aに比して伸びにくくすることができる。特に上述の織り密度等と弾性糸の配置本数をともに調節することで、各部位24a,24bの伸び特性を好適に異ならせることができる。
また専ら第一部位24a(一部又は全部)を弾性糸で形成することができる。この場合には第二部位24bの構成糸は特に限定しないが、強度の高い糸材(ポリエステル繊維やポリアミド繊維など)で形成することが好ましい。
なお弾性糸の材質は特に限定されないが、例えばポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリエーテルエステル系エラストマー繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維を用いて得られるものが挙げられる。また弾性糸の形態は特に限定されず、ストレート系の糸材であってもよいし、捲縮等が与えられた加工糸でもよい。
また弾性糸の繊度は特に限定されず、例えば30〜5000dtexであることが好ましく50〜2000dtexであることがより好ましい。そして弾性糸の伸長弾性率(100%伸長時)は、80〜100%であることが好ましく、90〜100%であることがより好ましい。尚この伸長弾性率は、JIS L 1013 8.9 b)B法により、100%伸長時まで引きのばして測定することができる。
ここで本実施形態では、シートクッション4を一例に説明するが、本実施例の構成は、シートバック6等の各種シート構成部材に適用可能である。
例えばシートバック6に上述の構成を適用する場合には、第一部位の伸び特性(測定値)を、典型的に30〜500Nに設定でき、好ましくは70〜200Nに設定できる。また第二部位の伸び特性(測定値)を、典型的に100〜1000Nに設定でき、好ましくは200〜600Nに設定できる。
図2〜図4を参照して、第一部位24aと第二部位24bを対面状に配置しつつ枠状体22に配設する。
本実施形態では、第一部位24aを面方向に緊張させた状態とし、第二部位24bを、第一部位24aに比してシート幅方向で見て緩ませた状態とする(各部位を中央部で離間させた状態とする)。このとき本実施形態では、第一部位24aと第二部位24bを別体としたことで、これらを適切に離間配置する(これらの間に適切な寸法の隙間部26を設定する)ことができる。
つぎに第一部位24aを上側に配置して(シートパッド4Pに当接可能に配置して)、各部位24a,24bの端部を重ねつつ、枠状体22の側部周りに巻付けながら内折する(袋状とする)。そして内折りされた各端部を、第一部位24aと第二部位24bの裏面側に縫合する(枠状体22の近傍で縫合線SEWを形成する)。こうして本実施形態では、各部位24a,24bの端部側(袋状)に枠状体22の側部を挿設することで、第一部位24aと第二部位24bを枠状体22に取付けることができる。
そして本実施形態では、第一部位24aと第二部位24bを別体で形成しつつ、これらの両端部(袋状)が枠状体22の側部で支持される。このためシートパッド4Pの荷重を受けた場合、第一部位24aが、その両端部から中央部分にかけて伸長する一方、同部位の伸長による引張力が、端部側で途切れて第二部位24bに直接伝わらない構成となる。このため本実施形態では、第二部位24bが、第一部位24aの伸長(撓み)に直接追従しない構成とされる。
ここで隙間部26の上下方向の寸法(各部位が最も離間した位置の寸法)は、後述する第一状態時における第一部位24aの撓み時に、第一部位24aが第二部位24bに当接しない寸法に設定できる。例えば一般的な乗員(SAE規格におけるAM95〜JF05に相当する乗員)が着座した場合を想定して、隙間部26の寸法を、第一部位24aと第二部位24bが当接しない寸法に設定できる。
このとき枠状体22の前部側を、前方フレーム12上に配置しつつ各爪部13に係止する。また枠状体22の後部側を、一対の掛止部22aを介して後方フレーム16に掛止する。こうして支持部材20をシートフレーム4F上に配設することで、第一部位24aと第二部位24bにて、シートパッド4Pを支持することができる。
図4(a)を参照して、通常運転時の一般的な乗員が着座する場合(第一状態の場合)、シートパッド4P(特に中央部)が押圧されて下方に向けて撓み変形する。
この第一状態時においては、第一部位24a(比較的伸長しやすく着座性に優れる部位)がシートパッド4Pの荷重にて伸長しつつそれを支持する。そして第二部位24bが、シートパッド4Pの荷重を受ける部分(中央部)において隙間部26にて第一部位24aから離間配置するとともに、シートパッド4Pの荷重による第一部位24aの伸長に直接追従しない構成とされる。
このため第一状態時においては、シートパッド4Pが第一部位24aのみで支持されることとなり着座性に優れる構成となる。
このとき本実施形態では、第一部位24aが、シートパッド4Pに押されて下方に大きく伸長しつつ第二部位24bに当接する(隙間部26が消失する)。そして第二部位24bが、シートパッド4Pの荷重を受けて伸長しつつそれを支持する(下支えする)こととなる。
こうして第二状態時には、シートパッド4Pの高荷重を、第一部位24aと第二部位24bの双方で受け止めることができる。このため本実施形態によれば、第二状態時の第一部位24aが、シートパッド4Pの高荷重を受け止められず破損することを第二部位24bの下支えで好適に阻止できる。また第二状態時において、シートパッド4Pが第一部位24aとともに車室床面に当接する(底付きする)ことを第二部位24bの下支えで防止又は低減できる。
また本実施形態では、第二部位24bが、第一部位24aとは別体とされてそれよりも撓みにくいことから、支持性能に特に優れる構成となる。
このため本実施形態によれば、シートパッド4Pに対する支持部材20の支持性能を向上させることができる。
ここで第一部位と第二部位の構成は、上述の構成のほか各種の構成を取り得る。
例えば本変形例の支持部材20Aでは、第一部位25aと第二部位25bを、袋織組織を有する織物にて一体的に形成できる(図6を参照)。
本変形例の織物は、シート幅方向で見た両末端部が二重組織部25d(袋状)で形成されるとともに、中央部が、二重組織部(第一部位25a,第二部位25b)で形成される。そして両末端部の二重組織部25dと中央の二重組織部(25a,25b)が、シート幅方向で見て端部側に形成された一重組織部25cで連結される。
そして中央部の二重組織部では、第一部位25aと第二部位25bの間に、シート幅方向で見てこれらの端部から中央に向けて次第に大きくなる隙間部26が形成される。
また各一重組織部25cを図7(b)の平織にて構成することで、タテ糸とヨコ糸の交錯点を比較的多く形成する(交錯点を密に配置する)。こうして一重組織部25cにおいて、個々の構成糸の伸長を規制することにより、両末端部の二重組織部25dと、中央部の二重組織部(第一部位25a,第二部位25b)を比較的強固に連結することができる。さらにシートパッドの荷重を受けた場合、第一部位25aが、その両端部から中央部分にかけて伸長する一方、同部位の伸長による引張力が、端部側(各一重組織部25c等)で途切れて第二部位25bに直接伝わらない構成となる。このため本実施形態では、第二部位25bが、第一部位25aの伸長(撓み)に直接追従しない構成とされる。
本変形例の構成においても、第一状態においては、第一部位25aのみにて、着座性を悪化させることなくシートパッドを支持できる。また第二状態(シートパッドの荷重が増加した場合)においては、第一部位25aと第二部位25bの双方でシートパッドの荷重を受け止めることができる(支持性能に優れる構成である)。また第一部位25aよりも第二部位25bにくる糸の熱収縮率が低いことによって、第二部位25bの周長が長くなり図6の形態をつくることができる。
以下、本実施形態を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。
[実施例1]
実施例1では、第一部位として、図5(a)の組織図からなる織物を使用した。
タテ糸として、PET加工糸(167dtex/48f/2、Z250T/m、カワボウ繊維株式会社製)を使用した。ヨコ糸として、弾性糸であるPTTモノフィラメント糸(390dtex/1f、ユニプラス滋賀株式会社製)を使用した。そして第一部位のタテ糸密度を60本/inchに設定し、第一部位のヨコ糸密度を98本/inchに設定した。
そして実施例1では、ドビーレピア式の織機にて原反を織成したのち、ヒートセット(乾熱180℃×1min)した織物を第一部位とした。第一部位(長さ寸法:320mm、幅寸法:416mm)の伸び率が5%時の荷重は405Nであった(本願明細書の段落[0016]の測定方法を参照)。
タテ糸として、PET加工糸(167dtex/48f/2、Z250T/m、カワボウ繊維株式会社製)を使用した。ヨコ糸として、PET生糸(560dtex/96f/2、S250T/m、東レ株式会社製)を使用した。そして第一部位のタテ糸密度を84本/inchに設定し、第一部位のヨコ糸密度を32本/inchに設定した。
そして実施例1では、ドビーレピア式の織機にて原反を織成したのち、ヒートセット(乾熱180℃×1min)した織物を第二部位とした。第二部位(長さ寸法:320mm、幅寸法:425mm)の伸び率が5%時の荷重は587Nであった。
つぎに図4及び図5を参照して、第一部位24aを緊張状態(シート幅方向に1.5%伸ばした状態)とし、第二部位を緩ませた状態とした。この状態で両部位の両端部を袋状に縫合して、両端部内に枠状体の側部を挿設した。こうして第一部位と第二部位(取付け状態時)の間に、シート幅方向で見て端部から中央に向けて次第に大きくなる隙間部を形成した。隙間部の寸法(各部位が最も離間した位置の寸法)は20mmに設定した。
そして実施例1では、第一部位と床面の間に30mmの隙間を設けつつ、枠状体を、所定位置で固定した。
本実施例では、ジャカードレピア式織機にて、袋織組織を有する織物を作成した。
タテ糸として、PET加工糸(167dtex/48f/2、Z250T/m、カワボウ繊維株式会社製)を使用した。またヨコ糸として、PPTモノフィラメント糸(390dtex/1f、ユニプラス滋賀株式会社製)と、PET生糸(560dtex/96f/2、S250T/m、東レ株式会社製)を交互に使用した。
そして実施例2では、図6を参照して、中央の二重組織部(第一部位,第二部位)と、両末端部の二重組織部と、両二重組織部の間に形成された一重組織部とを設けた。このとき各二重組織は、図7(a)の組織図にて織成し、各一重組織部は、図7(b)の組織図にて織成した。そして各組織部のタテ糸密度を84本/inchに設定し、各組織部のヨコ糸密度を40本/inchに設定した。また各二重組織部の伸び率が5%時の荷重は366Nであり、各一重組織部の伸び率が5%時の荷重は83Nであった。
そして実施例2においても、第一部位と第二部位(取付け状態時)の間に、シート幅方向で見たこれらの端部から中央に向けて次第に大きくなる隙間部を形成した。隙間部の寸法(各部位が最も離間した位置の寸法)は20mmに設定した。そして実施例1と同様に、第一部位と床面の間に30mmの隙間を設けつつ、枠状体を、所定位置で固定した。
比較例1では、実施例1の第一部位のみを枠状体に配設したのち、第一部位と床面の間に30mmの隙間を設けつつ、枠状体を、所定位置で固定した。
比較例1の支持部材は、第二状態時(例えば膝付き時)において第一部位が大きく伸長して床面に接触(干渉)した。
これとは異なり実施例1及び実施例2の支持部材では、第二状態時に比較例1と同一の荷重をかけても、第一部位と第二部位が床面に接触することはなかった。また第一部位に損傷のないことが目視で確認された。これは第一部位を、第二部位にて好適に下支えできたためと考えられる。
この結果として、実施例1及び実施例2の支持部材によれば、シートパッドに対する支持部材の支持性能を向上できることがわかった。
(1)本実施形態では、第一部位24aと第二部位24bと枠状体22を有する支持部材20を例示したが、同部材の構成を限定する趣旨ではない。例えば第一部位を枠状体に取付けるとともに、第二部位を、枠状体とは異なる部材に取付けつつ第一部位から離間して配置させることができる。
また第一部位と第二部位を袋状の面材(断面視で輪状)で一体的に形成することもできる。この場合には、第一部位と第二部位の中に枠状体を挿入したのち、各部位の端部側を縫合する(縫合線を形成する)ことで、第一部位の撓みに第二部位を追従させない構成とすることができる。
(2)また本実施形態では、第一部位24aと第二部位24bを織物にて形成する例を説明した。これとは異なり第一部位と第二部位を編物にて形成することもできる。この場合には各部位の編み方や編密度や構成糸の繊度を異ならせることで、両部位の伸縮性(撓み度合い)に差を設けることができる。
(3)また本実施形態では、第一部位24aと第二部位24bをともに面状とする例を説明したが、棒状の第一部位と棒状の第二部位からなる支持部材を使用することもできる。そして各部位のバネ定数を異ならせることで、両部位の撓み度合いに差を設けることができる。
(4)また本実施形態では、第一部位24aと第二部位24bの中央部分に隙間部26を形成してこれらを離間配置させる例を説明した。例えば第一部位と第二部位の中央にシート前後に延びる縫合線を形成して、隙間部を分割して形成することもできる。なお第二状態において、隙間部が、全部消失することもあるが、部分的に消失することもある。
(6)また本実施形態の構成は、車両用シートのほか、航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
9 レール部材
4S シートカバー
4P シートパッド
4F シートフレーム
20 支持部材
22 枠状体
24a 第一部位
24b 第二部位
26 隙間部
SEW 縫合線
Claims (2)
- シートクッションやシートバック等のシート構成部材を備えるとともに、前記シート構成部材が、シート骨格をなす枠状のシートフレームと、シート外形をなして乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、前記シートフレーム上に配置して前記シートパッドを支持可能な支持部材とを有する乗物用シートにおいて、
前記支持部材が、前記シートパッドに当接可能に配置する可撓性を有する面状又は線状の第一部位と、前記第一部位に対面状に配置する可撓性を有する面状又は線状の第二部位と、前記第一部位と前記第二部位の間に形成される隙間部とを有し、
第一状態時においては、前記第一部位が、前記シートパッドの荷重にて撓みつつそれを支持するとともに、前記第二部位が、前記シートパッドの荷重を受ける部分において前記隙間部によって前記第一部位から離間配置するとともに、前記シートパッドの荷重による前記第一部位の撓みに直接追従しない構成とされ、
第一状態時よりも前記シートパッドの荷重が大きい第二状態時において、前記シートパッドに押されて前記第一部位が前記第二部位に当接することにより、前記第二部位が、前記シートパッドの荷重を受けて撓みつつそれを支持する構成とされ、
前記支持部材が、前記シートフレーム上に配置されている枠状の枠状体と、前記枠状体内に配置されている前記第一部位及び前記第二部位とを有し、
前記第一部位の端部と前記第二部位の端部の双方が前記枠状体の同位置に取付けられて支持されている乗物用シート。 - 前記第一部位と前記第二部位が別体の部材で構成されるとともに、前記第二部位が、前記第一部位よりも撓みにくい構成である請求項1に記載の乗物用シート。
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JP2015123321A (ja) | 2015-07-06 |
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