JP2017074304A - 乗物用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的シンプルな構成にて、シートフレームに対する支持部材の取付け強度をより向上させることにある。
【解決手段】面状体22の端部側が、シートフレームに直接又は間接的に設けられた取付け部24に巻き回された状態で内折されており、内折箇所22aから先の面状体22の端部E1が、面状体22の構成糸に沿って延びる縫合糸SEWを介して面状体22に取付けられており、乗員の着座時において、面状体22の端部E1側が面状体22の中央に向けて張引されることで、縫合糸SEWが、構成糸を押しつつ面状体22の端部に沿って内折箇所から離れる向きに相対移動しようとする乗物用シートにおいて、面状体22の端部E1に、縫合糸SEWに押された構成糸が面状体22の末端Tに移動することを規制する規制部(22b)を設けた。
【選択図】図4
【解決手段】面状体22の端部側が、シートフレームに直接又は間接的に設けられた取付け部24に巻き回された状態で内折されており、内折箇所22aから先の面状体22の端部E1が、面状体22の構成糸に沿って延びる縫合糸SEWを介して面状体22に取付けられており、乗員の着座時において、面状体22の端部E1側が面状体22の中央に向けて張引されることで、縫合糸SEWが、構成糸を押しつつ面状体22の端部に沿って内折箇所から離れる向きに相対移動しようとする乗物用シートにおいて、面状体22の端部E1に、縫合糸SEWに押された構成糸が面状体22の末端Tに移動することを規制する規制部(22b)を設けた。
【選択図】図4
Description
本発明は、シートフレームと、シートフレームに取付けられてシートパッドや乗員等の他部材を支持する支持部材とを備えた乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートとして、シート骨格をなすシートフレームと、乗員を弾性的に支持する面状弾性体とを備えた乗物用シートが公知である(特許文献1を参照)。ここで本発明の面状体に相当する面状弾性体は、天然繊維又は合成繊維の糸材を織製してなる織物製の面材であり、シート幅方向に延びる糸材(例えばタテ糸)と、それに直交する方向に延びる糸材(例えばヨコ糸)を有する。そして面状弾性体の端部には力布が縫着されており、これらを縫着する縫合糸がシート前後方向に延びながらヨコ糸に沿って配置される。また力布は、面状弾性体の端部に沿って配置する袋状の布材であり、その内部に挿設された金属ワイヤが例えばシート前後方向に延びる。またシートフレームは、略矩形の枠体であり、その側部で且つ面状弾性体の端部が配置する位置に複数のリテーナが配設される。複数のリテーナは、それぞれ金属ワイヤを嵌装可能な略横U字状の部材であり、例えばシート前後方向に適宜の間隔で配置する。公知技術では、面状弾性体を、シート幅方向に緊張させた状態でシートフレーム内に配設する。このとき面状弾性体の端部を、シートフレームの側部に配置しつつ、力布内の金属ワイヤを各リテーナに嵌装する。こうして面状弾性体をシートフレームに張設することにより、乗員を弾性的に支持可能に配置できる。そして乗員着座時において、面状弾性体が弾性的に撓みながら凹み変形しつつ乗員を支持することとなる。
ところで上述のシート構成では、部品点数の抑制などの観点から、支持部材の取付け構造のシンプル化が望まれる。例えば特許文献2の技術では、本発明の面状体に相当する布状支持部材を、シートフレーム内に張設しつつ、シートパッドを支持可能に配置する。このときシートフレームに間接的に設けられた棒状部材に、布状支持部材の端部側を巻き回しながら内折する。つぎに内折箇所から先の布状支持部材の端部を、シート前後方向に延びながらヨコ糸に沿って配置する縫合糸を介して布状支持部材の裏面側に縫着する。特許文献2の技術によれば、布状支持部材を、縫合糸を介した比較的シンプルな構成で、シートフレーム内に張設することができる。
ところで特許文献2の技術においても、乗員の着座時などにおいて、本発明の面状体に相当する布状支持部材の中央が、シートパッドを支持しつつ凹み変形する。このとき布状支持部材の端部側が中央に向けて張引されるなどして、ヨコ糸に沿って延びる縫合糸が、布状支持部材の端部に沿ってその末端に(内折箇所から離れる方向に)次第に相対移動する。このため布状支持部材の構成糸であるヨコ糸が、縫合糸に押しやられるなどして末端側から滑脱して糸抜けすることがあった。このため特許文献2の構成では、布状支持部材(面状体)の端部側が、構成糸の滑脱により次第に脆弱化するなどして、棒状部材から外れることが懸念され、取付け強度にやや欠ける構成になりがちであった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、比較的シンプルな構成にて、シートフレームに対する支持部材の取付け強度をより向上させることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シートクッションやシートバック等のシート構成部材を備える。そしてシート構成部材が、シート骨格をなす枠状のシートフレームと、シートフレーム内に配置してシートパッドや乗員などの他部材を支持可能な支持部材とを有する。本発明では、支持部材が、他部材を支持可能で且つシートフレーム内に張設されている織物又は編物製の面状体を有する。そして面状体の端部側が、シートフレームに直接又は間接的に設けられた取付け部に巻き回された状態で内折されており、内折箇所から先の面状体の端部が、面状体の構成糸に沿って延びる縫合糸を介して面状体に取付けられている。
そして本発明では、面状体が押圧されて凹み変形しつつ、面状体の端部側が面状体の中央に向けて張引されることにより、縫合糸が、構成糸を押しつつ面状体の端部に沿って内折箇所から離れる向きに相対移動しようとする。この種の構成では、面状体の構成糸の脱落を防止又は低減するなどして、シートフレームに対する支持部材の取付け強度を向上できることが望ましい。そこで本発明では、面状体の端部に、縫合糸に押された構成糸が面状体の末端に移動することを規制する規制部を設けることとした。本発明では、規制部にて、面状体の構成糸の末端への移動を規制する(末端からの滑脱を防止又は低減する)ことで、支持部材の取付け強度を向上させることができる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、規制部が、面状体の端部の途中で内折方向とは逆向きに折り返された折返し部位を有するとともに、折返し部位が、面状体の端部とともに面状体に縫合糸を介して取付けられている。そして縫合糸に押された構成糸が、規制部の折返し部位でせき止められて、面状体の末端への移動が規制される構成とした。本発明では、折返し部位(シンプルな構成の規制部)により、面状体の構成糸の末端への移動を規制することができる。
第3発明の乗物用シートは、第2発明の乗物用シートにおいて、規制部が、折返し部位から先でさらに内折方向に内折された状態で配置する他の折返し部位を有するとともに、他の折返し部位が、その内折り状態を維持しつつ面状体に固定されている。本発明では、他の折返し部位にて、折返し部位の折返し状態を好適に維持することにより、面状体の構成糸の末端への移動を好適に規制することができる。
本発明に係る第1発明によれば、比較的シンプルな構成にて、シートフレームに対する支持部材の取付け強度をより向上させることができる。また第2発明によれば、さらにシンプルな構成にて、シートフレームに対する支持部材の取付け強度を向上させることができる。そして第3発明によれば、シートフレームに対する支持部材の取付け強度をさらに向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図6を参照して説明する。また各図には、適宜、乗物用シート前方に符号F、乗物用シート後方に符号B、乗物用シート上方に符号UP、乗物用シート下方に符号DWを付す。図1の乗物用シート2は、シート構成部材としてのシートクッション4及びシートバック6及びヘッドレスト8と、レール部材9を有する。シート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。またレール部材9は、シート構成部材を乗物前後にスライド移動させる部材であり、アッパレール9aと、ロアレール9bを有する。そしてアッパレール9aにシートクッション4(シートフレーム4F)を取付けるとともに、ロアレール9bを床面に取付ける。そして両レールを摺動可能に組付けることで、シート構成部材を、床面に対して車両前後にスライド移動させることができる。
[シートクッション]
シートクッション4は、図2及び図3を参照して、基本構成(4F,4P,4S)と、支持部材20(面状体22,枠状体24)を有する(各部材の詳細は後述)。本実施形態では、シートパッド4Pを、支持部材20を介してシートフレーム4Fに取付けつつシートカバー4Sで被覆する。このとき後述するように織物又は編物製の面状体22を、枠状体24(取付け部)を介してシートフレーム4F内に配置しつつ、シートパッド4Pを支持可能に配置する。そして面状体22の端部E1側を、図3を参照して、後述の縫合糸SEWを介して枠状体24に固定することとなる。そして本実施形態では、乗員着座時などに、面状体22が押圧されて凹み変形することで、縫合糸SEWが、面状体22の端部E1側に沿って相対移動しようとする(図4の矢線D2を参照)。このとき縫合糸SEWの相対移動による面状体22の構成糸の滑落を極力阻止するなどして、シートフレーム4Fに対する支持部材20の取付け強度を向上できることが望ましい。そこで本実施形態では、後述のシンプルな構成にて、シートフレーム4Fに対する支持部材20の取付け強度を向上させることとした。以下、各構成について詳述する。
シートクッション4は、図2及び図3を参照して、基本構成(4F,4P,4S)と、支持部材20(面状体22,枠状体24)を有する(各部材の詳細は後述)。本実施形態では、シートパッド4Pを、支持部材20を介してシートフレーム4Fに取付けつつシートカバー4Sで被覆する。このとき後述するように織物又は編物製の面状体22を、枠状体24(取付け部)を介してシートフレーム4F内に配置しつつ、シートパッド4Pを支持可能に配置する。そして面状体22の端部E1側を、図3を参照して、後述の縫合糸SEWを介して枠状体24に固定することとなる。そして本実施形態では、乗員着座時などに、面状体22が押圧されて凹み変形することで、縫合糸SEWが、面状体22の端部E1側に沿って相対移動しようとする(図4の矢線D2を参照)。このとき縫合糸SEWの相対移動による面状体22の構成糸の滑落を極力阻止するなどして、シートフレーム4Fに対する支持部材20の取付け強度を向上できることが望ましい。そこで本実施形態では、後述のシンプルな構成にて、シートフレーム4Fに対する支持部材20の取付け強度を向上させることとした。以下、各構成について詳述する。
[基本構成]
ここでシートカバー4Sは、図2を参照して、シートパッド4Pを被覆可能な袋状部材であり、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)で構成できる。またシートパッド4Pは、シートクッション外形に倣った上方視で略矩形の部材であり、例えばポリウレタンフォームなどの発泡樹脂で形成できる。そしてシートフレーム4Fは、上方視で略長方形状の枠体であり、フロントフレーム12と、一対のサイドフレーム14と、リアフレーム16を有する。フロントフレーム12は、シートクッション4の前部骨格を構成する平板部材であって断面視で略横L字状をなしており、複数の爪部13を有する。各爪部13は、側面視で略逆L字状をなす部材であり、後述の枠状体24を係止可能である。本実施形態では、複数の爪部13を、フロントフレーム12の傾斜した上面に適宜の間隔で形成できる。また一対のサイドフレーム14は、それぞれシートクッション4の側部骨格を構成する平板部材であり、シート側方において互いに対面状に配置する。そしてリアフレーム16は、シートフレーム4F後部を補強する円筒状の棒材であり、一対のサイドフレーム14の間に橋渡し状に配設できる。
ここでシートカバー4Sは、図2を参照して、シートパッド4Pを被覆可能な袋状部材であり、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)で構成できる。またシートパッド4Pは、シートクッション外形に倣った上方視で略矩形の部材であり、例えばポリウレタンフォームなどの発泡樹脂で形成できる。そしてシートフレーム4Fは、上方視で略長方形状の枠体であり、フロントフレーム12と、一対のサイドフレーム14と、リアフレーム16を有する。フロントフレーム12は、シートクッション4の前部骨格を構成する平板部材であって断面視で略横L字状をなしており、複数の爪部13を有する。各爪部13は、側面視で略逆L字状をなす部材であり、後述の枠状体24を係止可能である。本実施形態では、複数の爪部13を、フロントフレーム12の傾斜した上面に適宜の間隔で形成できる。また一対のサイドフレーム14は、それぞれシートクッション4の側部骨格を構成する平板部材であり、シート側方において互いに対面状に配置する。そしてリアフレーム16は、シートフレーム4F後部を補強する円筒状の棒材であり、一対のサイドフレーム14の間に橋渡し状に配設できる。
[支持部材(面状体)]
支持部材20は、図2〜図4を参照して、シートフレーム4Fに取付けられてシートパッド4Pを支持する部材であり、面状体22と、枠状体24を有する。面状体22は、シートパッド4Pを支持可能な伸縮性を有する面材であり、後述の枠状体24内に張設可能な寸法を有する。本実施形態の面状体22は、シート幅方向の寸法が比較的長く且つ枠状体24からはみ出すように設定されており、シート前後方向の寸法が比較的短く設定されている。ここで面状体22は、天然繊維又は合成繊維からなる織物又は編物にて形成できる。本実施形態の織物製の面状体22は、その構成糸として、例えばシート幅方向(張引方向)にタテ糸を配置させる。また構成糸として、シート前後方向に(タテ糸に対して直交状に)ヨコ糸を配置させて、後述の天然繊維又は合成繊維からなる縫合糸SEWに平行に配置する。そして本実施形態では、面状体22の端部E1に、後述の規制部(折返し部位22b)を設けることにより、その構成糸であるヨコ糸の滑脱を極力阻止することとした。
支持部材20は、図2〜図4を参照して、シートフレーム4Fに取付けられてシートパッド4Pを支持する部材であり、面状体22と、枠状体24を有する。面状体22は、シートパッド4Pを支持可能な伸縮性を有する面材であり、後述の枠状体24内に張設可能な寸法を有する。本実施形態の面状体22は、シート幅方向の寸法が比較的長く且つ枠状体24からはみ出すように設定されており、シート前後方向の寸法が比較的短く設定されている。ここで面状体22は、天然繊維又は合成繊維からなる織物又は編物にて形成できる。本実施形態の織物製の面状体22は、その構成糸として、例えばシート幅方向(張引方向)にタテ糸を配置させる。また構成糸として、シート前後方向に(タテ糸に対して直交状に)ヨコ糸を配置させて、後述の天然繊維又は合成繊維からなる縫合糸SEWに平行に配置する。そして本実施形態では、面状体22の端部E1に、後述の規制部(折返し部位22b)を設けることにより、その構成糸であるヨコ糸の滑脱を極力阻止することとした。
ここで面状体22の伸び特性(撓み度合い)は、シートパッド4Pの荷重にて伸長して凹み変形可能であるかぎり特に限定しない。そして面状体22の伸び特性は、例えば「JIS L1096 8.14.1」のA法(ストリップ法)に準拠して設定可能である。このとき同法において、試験片の幅を25mm、つかみ間隔を200mm、引張速度を200mm/minに設定したのち、各試験片の伸び率が5%の時の荷重を測定値とする。本実施形態では、面状体22の伸び特性(測定値)を、好ましくは800N以上、更に好ましくは1000N以上に設定できる。このように面状体22の伸び特性を上記範囲に設定して適度に伸びやすくすることにより、シートパッド4Pを好適に支持可能として着座性に優れる構成とすることができる。そして面状体22の伸び特性は構成糸の本数や繊度で調整できる。例えば本実施形態では、張引方向に延びるタテ糸(全部又は一部)に各種の弾性糸を使用する。弾性糸の材質は、例えばポリトリメチレンテレフタレート、ポリエーテルエステル系エラストマー繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維が挙げられる。弾性糸の形態は特に限定されずストレート系であってもよいし、捲縮等が与えられた加工糸でもよい。弾性糸の繊度は特に限定されず、例えば30〜5000dtex、より好ましくは50〜2000dtexである。弾性糸の伸張弾性率(10%伸張時)は80〜100%であることが好ましく、より好ましくは90〜100%である。この伸張弾性率は、「JIS L1013 8.9 1)」のB法により10%伸張時まで引き伸ばして評価できる。
[枠状体(取付け部)]
また枠状体24(取付け部の一例)は、図2を参照して、シートフレーム4Fに係止可能な枠体である。本実施形態の枠状体24は、シートフレーム4F内に配置可能な上方視で略矩形状の枠体であり、前枠部24aと、一対の側枠部24bと、後枠部24cを有する。前枠部24aは、枠状体24前部の一辺をなす部位であり、シート前方に配置してシート幅方向に延設される。また後枠部24cは、枠状体24後部の一辺をなす部位であり、シート後方に配置してシート幅方向に延設される。そして一対の側枠部24bは、図3を参照して、それぞれ枠状体24側部の一辺をなす部位であり、シート前後方向に延設される。各側枠部24bの後部(24d)は、略逆U字状に湾曲変形しており、リアフレーム16に掛止め状に係止できる。
また枠状体24(取付け部の一例)は、図2を参照して、シートフレーム4Fに係止可能な枠体である。本実施形態の枠状体24は、シートフレーム4F内に配置可能な上方視で略矩形状の枠体であり、前枠部24aと、一対の側枠部24bと、後枠部24cを有する。前枠部24aは、枠状体24前部の一辺をなす部位であり、シート前方に配置してシート幅方向に延設される。また後枠部24cは、枠状体24後部の一辺をなす部位であり、シート後方に配置してシート幅方向に延設される。そして一対の側枠部24bは、図3を参照して、それぞれ枠状体24側部の一辺をなす部位であり、シート前後方向に延設される。各側枠部24bの後部(24d)は、略逆U字状に湾曲変形しており、リアフレーム16に掛止め状に係止できる。
[支持部材の組付け作業(規制部の形成作業)]
図2〜図4を参照して、面状体22を、面方向に緊張させてテンションをかけながら、シート幅方向に枠状体24を横断させて取付ける。このとき面状体22の端部E1側を、図3及び図4を参照して、側枠部24b(シートフレーム4Fに間接的に取付けられた取付け部)の周りに巻き回しながら下方に内折する。そして内折箇所22aよりも先の面状体22の端部E1を、面状体22の裏面側に対面状に配置する。この状態で縫合糸SEWを、ヨコ糸に沿ってシート前後方向に形成しつつ、面状体22途中の裏面側に端部E1を縫着する。この種の構成では、後述するように面状体22の構成糸であるヨコ糸が、縫合糸SEWに押しやられるなどして末端T側から滑脱するおそれがある。そこで本実施形態では、面状体22の端部E1を、その途中で内折方向とは逆向きに折り返して規制部としての折返し部位22bを設ける。そして折返し部位22bを、縫合糸SEWにて、面状体22の端部E1とともに面状体22の途中に縫着することとした。
図2〜図4を参照して、面状体22を、面方向に緊張させてテンションをかけながら、シート幅方向に枠状体24を横断させて取付ける。このとき面状体22の端部E1側を、図3及び図4を参照して、側枠部24b(シートフレーム4Fに間接的に取付けられた取付け部)の周りに巻き回しながら下方に内折する。そして内折箇所22aよりも先の面状体22の端部E1を、面状体22の裏面側に対面状に配置する。この状態で縫合糸SEWを、ヨコ糸に沿ってシート前後方向に形成しつつ、面状体22途中の裏面側に端部E1を縫着する。この種の構成では、後述するように面状体22の構成糸であるヨコ糸が、縫合糸SEWに押しやられるなどして末端T側から滑脱するおそれがある。そこで本実施形態では、面状体22の端部E1を、その途中で内折方向とは逆向きに折り返して規制部としての折返し部位22bを設ける。そして折返し部位22bを、縫合糸SEWにて、面状体22の端部E1とともに面状体22の途中に縫着することとした。
つぎに図2を参照して、シートフレーム4Fに支持部材20を取付けて、シートパッド4Pを支持しつつシートカバー4Sで被覆する。本実施形態では、枠状体24の前部側と後部側が面状体22から露出する。そこで枠状体24の前部側に配置する前枠部24aを、フロントフレーム12上に配置しつつ各爪部13に係止するとともに、枠状体24の後部側に配置する各側枠部24bの後部24dをリアフレーム16に掛止する。こうして枠状体24をシートフレーム4F上に配設することで、面状体22を、シートフレーム4F内に配設しつつシートパッド4Pを支持可能に配置することができる。
[支持部材の支持態様]
図2及び図4を参照して、乗員の着座時などに、シートパッド4Pを、面状体22が弾性的に凹み変形しつつ支持する。このとき面状体22が、図3及び図4を参照して、シート幅方向で見た中央部分で大きく凹み変形することで、面状体22の端部E1側が中央に向けて張引される。この面状体22の凹み変形(張引)により、面状体22中央の構成糸(ヨコ糸)同士の間隔が広がるなどして、着座側に露出する縫合糸SEW部分が、面状体22の内折箇所22aに向けて相対移動する(図4の矢線D1を参照)。こうして着座側に露出する縫合糸SEW部分の相対移動により、内折箇所22aの構成糸(ヨコ糸)が順次押されて、面状体22の端部E1側に移動する。この内折箇所22aの構成糸(ヨコ糸)の圧力により、裏面側の縫合糸SEW部分が、面状体22の端部E1に沿って内折箇所22aから離れる向きに移動しようとする(図4の矢線D2を参照)。このため縫合糸SEWから先の面状体22の構成糸(ヨコ糸)が、裏面側の縫合糸SEW部分に押しやられるなどして端部E1側から脱落する(糸抜けする)ことが懸念される。
図2及び図4を参照して、乗員の着座時などに、シートパッド4Pを、面状体22が弾性的に凹み変形しつつ支持する。このとき面状体22が、図3及び図4を参照して、シート幅方向で見た中央部分で大きく凹み変形することで、面状体22の端部E1側が中央に向けて張引される。この面状体22の凹み変形(張引)により、面状体22中央の構成糸(ヨコ糸)同士の間隔が広がるなどして、着座側に露出する縫合糸SEW部分が、面状体22の内折箇所22aに向けて相対移動する(図4の矢線D1を参照)。こうして着座側に露出する縫合糸SEW部分の相対移動により、内折箇所22aの構成糸(ヨコ糸)が順次押されて、面状体22の端部E1側に移動する。この内折箇所22aの構成糸(ヨコ糸)の圧力により、裏面側の縫合糸SEW部分が、面状体22の端部E1に沿って内折箇所22aから離れる向きに移動しようとする(図4の矢線D2を参照)。このため縫合糸SEWから先の面状体22の構成糸(ヨコ糸)が、裏面側の縫合糸SEW部分に押しやられるなどして端部E1側から脱落する(糸抜けする)ことが懸念される。
そこで本実施形態では、図3及び図4を参照して、面状体22の端部E1に、規制部としての折返し部位22bを設けて、縫合糸SEWよりも末端T側に配置する。そして折返し部位22bにて、構成糸(ヨコ糸)が、縫合糸SEWに押されて面状体22の末端Tに移動することを規制することとした。すなわち本実施形態では、構成糸(ヨコ糸)が、裏面側の縫合糸SEW部分に押されて端部E1に沿って順次移動するのであるが、折返し部位22b(逆向きに折り返された部位)で停滞して先に進めなくなる。こうして構成糸(ヨコ糸)が、折返し部位22bでせき止められて面状体22の末端Tへの移動が規制されることにより、末端Tからの脱落が好適に阻止されることとなる。
以上説明したとおり本実施形態によれば、折返し部位22b(比較的シンプルな構成の規制部)により、面状体22の構成糸の末端Tへの移動を規制することができる。また本実施形態では、折返し部位22bを、面状体22の端部E1とともに縫合糸SEWにて面状体22に固定することができる(よりシンプルな構成となる)。このため本実施形態によれば、比較的シンプルな構成にて、シートフレーム4Fに対する支持部材20の取付け強度をより向上させることができる。
[変形例]
ここで面状体22の取付け構成は、上述の構成のほか各種の構成を取り得る。例えば本変形例では、図5を参照して、規制部が、面状体の端部E1を、折返し部位22bから先でさらに内折方向に内折された他の折返し部位22cを有する。そして他の折返し部位22cを、縫合糸SEWにて、その内折り状態を維持しつつ面状体22の途中に固定する構成とした。本変形例では、他の折返し部位22cにて、折返し部位22bの折返し状態を好適に維持することにより、面状体22の構成糸(ヨコ糸)の末端Tへの移動を好適に規制することができる。
ここで面状体22の取付け構成は、上述の構成のほか各種の構成を取り得る。例えば本変形例では、図5を参照して、規制部が、面状体の端部E1を、折返し部位22bから先でさらに内折方向に内折された他の折返し部位22cを有する。そして他の折返し部位22cを、縫合糸SEWにて、その内折り状態を維持しつつ面状体22の途中に固定する構成とした。本変形例では、他の折返し部位22cにて、折返し部位22bの折返し状態を好適に維持することにより、面状体22の構成糸(ヨコ糸)の末端Tへの移動を好適に規制することができる。
[試験例]
以下、本実施形態を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。実施例1では、面状体として、図6の組織図(ひろげ朱子織)からなる織物を使用した。このときタテ糸(シート幅方向に配置する糸)として、PET加工糸(167T/48f/2inch、Z250T/m、カワボウ繊維株式会社製)を使用した。またヨコ糸(シート前後方向に配置する糸)として、弾性糸であるPPTモノフィラメント糸(1000dtex/1f、ユニプラス滋賀株式会社製)を使用した。そして面状体のタテ糸密度を100本/inchに設定し、ヨコ糸密度を54本/inchに設定した。そして実施例1では、ヒートセット(乾熱180℃×1min)した織物を、短冊状(長さ寸法:250mm、幅寸法:50mm)にカットしたものを実施例1の面状体とした。
以下、本実施形態を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。実施例1では、面状体として、図6の組織図(ひろげ朱子織)からなる織物を使用した。このときタテ糸(シート幅方向に配置する糸)として、PET加工糸(167T/48f/2inch、Z250T/m、カワボウ繊維株式会社製)を使用した。またヨコ糸(シート前後方向に配置する糸)として、弾性糸であるPPTモノフィラメント糸(1000dtex/1f、ユニプラス滋賀株式会社製)を使用した。そして面状体のタテ糸密度を100本/inchに設定し、ヨコ糸密度を54本/inchに設定した。そして実施例1では、ヒートセット(乾熱180℃×1min)した織物を、短冊状(長さ寸法:250mm、幅寸法:50mm)にカットしたものを実施例1の面状体とした。
また取付け部として、一対のワイヤ材(φ6mmの鋼材)を用いた。そして面状体にテンションをかけつつシート幅方向に1.5%伸ばした状態として、一対のワイヤ材の間に張設した。本実施例では、面状体の一端部を、一方のワイヤ材の周りに巻き回しながら下方に内折した。このとき一端部の途中に折返し部位(規制部)を設けて、折返し部位を、縫合糸(商品名:ポリエステル#5、東洋紡社製)にて、面状体の端部とともに面状体の途中に縫着した。また面状体の他端部を、チャックを挟んで他方のワイヤ材に固定した。
そして面状体の中央に荷重をかけながら、一対のワイヤ材を互いに離れる方向に移動させた。本実施例では、円筒部材(φ125mm)を面状体の中央に押し当てて初荷重1.95Nをかけた。そして一対のワイヤ材を200mm/minで離間移動させて面状体を引っ張った。そして開始から5分後に張引を停止して、面状体の末端(シート幅方向の末端)を目視しつつ、構成糸の滑脱(糸抜け)の有無を確認した。
[試験結果及び考察]
実施例1の支持部材では、面状体に糸抜けが発生しなかった(目視で確認できなかった)。この結果として、実施例1の支持部材によれば、比較的シンプルな構成にて、シートフレームに対する支持部材の取付け強度をより向上できることがわかった。
実施例1の支持部材では、面状体に糸抜けが発生しなかった(目視で確認できなかった)。この結果として、実施例1の支持部材によれば、比較的シンプルな構成にて、シートフレームに対する支持部材の取付け強度をより向上できることがわかった。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、面状体22の構成糸の配置例を例示したが、ヨコ糸とタテ糸は、適宜シート幅方向又はシート前後方向に配置させることができる。また本実施形態では、面状体22を織物にて形成する例を説明したが、面状体を編物にて形成することもできる。この場合には面状体のウェール方向又はコース方向に沿って縫合糸を設けることができる。
また本実施形態では、折返し部位22bを、単一の縫合糸SEWにて端部E1とともに面状体22に取付ける例を説明した。折返し部位と面状体の端部は、互いに異なる縫合糸で面状体の裏面側に縫着することができる。また同様に他の折返し部位も、折返し部位又は面状体の端部の縫合糸とは異なる縫合糸で面状体の裏面側に縫着することができ、また面状体に固定しない状態で配置させることもできる。また他の折返し部位は、樹脂部によってその折り返し状態を維持することができ、この場合には、樹脂部を介して他の折返し部位を面状体に固定することができ又他の折返し部位を面状体に固定しない状態で配置させることもできる。この樹脂部は、各種の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂で形成されており、他の折返し部位に含浸した状態で硬化している。また折返し部位は、面状体の裏面のほか、面状体の端部に縫着することができる。また折返し部位は、面状体の端部をロール状に巻き回すことで形成することもできる。
また本実施形態では、シートパッド4Pを支持する面状体22を例示したが、面状体の構成を限定する趣旨ではない。例えばシートの着座面を構成する(シートカバーとして使用される)面状体に本実施形態の構成を適用できる。また本実施形態では、長方形状の枠状体24(シートフレームの外形に倣った形状)を例示したが、枠状体の形状は、シートフレームの形状に合わせる必要がなく、正方形状等の各種多角形状を採用できる。また面状体の形状も、枠状体の形状にあわせて適宜変更可能である。そして本実施形態の構成は、枠状体の少なくとも一辺に面状体を取付ける際に適用できる。またシート構成に応じて、シートフレームと一体の取付け部に面状体を取付けることもできる。また本実施形態では、シートクッション4を一例に説明したが、本実施形態の構成は、シートバック等の各種シート構成部材に適用可能である。また本実施形態の構成は、車両用シートのほか、航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
9 レール部材
4F シートフレーム
4P シートパッド
4S シートカバー
20 支持部材
22 面状体
22a 内折箇所
22b 折返し部位(規制部)
24 枠状体
E1 面状体の端部
T 面状体の末端
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
9 レール部材
4F シートフレーム
4P シートパッド
4S シートカバー
20 支持部材
22 面状体
22a 内折箇所
22b 折返し部位(規制部)
24 枠状体
E1 面状体の端部
T 面状体の末端
Claims (3)
- シートクッションやシートバック等のシート構成部材を備えるとともに、前記シート構成部材が、シート骨格をなす枠状のシートフレームと、前記シートフレーム内に配置してシートパッドや乗員などの他部材を支持可能な支持部材とを有し、
前記支持部材が、前記他部材を支持可能で且つ前記シートフレーム内に張設されている織物又は編物製の面状体を有するとともに、前記面状体の端部側が、前記シートフレームに直接又は間接的に設けられた取付け部に巻き回された状態で内折されており、内折箇所から先の前記面状体の端部が、前記面状体の構成糸に沿って延びる縫合糸を介して前記面状体に取付けられており、
前記面状体が押圧されて凹み変形しつつ、前記面状体の端部側が前記面状体の中央に向けて張引されることにより、前記縫合糸が、前記構成糸を押しつつ前記面状体の端部に沿って前記内折箇所から離れる向きに相対移動しようとする乗物用シートにおいて、
前記面状体の端部に、前記縫合糸に押された前記構成糸が前記面状体の末端に移動することを規制する規制部を設けた乗物用シート。 - 前記規制部が、前記面状体の端部の途中で内折方向とは逆向きに折り返された折返し部位を有するとともに、前記折返し部位が、前記面状体の端部とともに前記面状体に前記縫合糸を介して取付けられており、
前記縫合糸に押された前記構成糸が、前記規制部の前記折返し部位でせき止められて、前記面状体の末端への移動が規制される構成とした請求項1に記載の乗物用シート。 - 前記規制部が、前記折返し部位から先でさらに内折方向に内折された状態で配置する他の折返し部位を有するとともに、前記他の折返し部位が、その内折り状態を維持しつつ前記面状体に固定されている請求項2に記載の乗物用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015204587A JP2017074304A (ja) | 2015-10-16 | 2015-10-16 | 乗物用シート |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=58550483
Family Applications (1)
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JP2015204587A Pending JP2017074304A (ja) | 2015-10-16 | 2015-10-16 | 乗物用シート |
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Country | Link |
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-
2015
- 2015-10-16 JP JP2015204587A patent/JP2017074304A/ja active Pending
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