JP2018138451A - シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 - Google Patents
シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018138451A JP2018138451A JP2017034055A JP2017034055A JP2018138451A JP 2018138451 A JP2018138451 A JP 2018138451A JP 2017034055 A JP2017034055 A JP 2017034055A JP 2017034055 A JP2017034055 A JP 2017034055A JP 2018138451 A JP2018138451 A JP 2018138451A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- webbing
- seat belt
- strength
- yarn
- fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】経糸の方向に設けられた袋織部の内部に高強度糸が収容されており、経糸の本数が少なくても十分な強度を有し、薄肉化することもできるシートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置を提供する。
【解決手段】経糸と緯糸とが製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビング100であって、経糸の方向に設けられ、且つ帯状の袋織部2を備え、袋織部2の内部に経糸と比べて引張強さが大きい高強度糸3が収容されているシートベルト用ウェビング100である。また、袋織部2に収容されている高強度糸3は、通常、1本であり、高強度糸3としては、炭素繊維、ポリパラフェニレンフタルアミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1種を用いることができる。更に、シートベルト装置は、上述のシートベルト用ウェビングを備える。
【選択図】図1
【解決手段】経糸と緯糸とが製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビング100であって、経糸の方向に設けられ、且つ帯状の袋織部2を備え、袋織部2の内部に経糸と比べて引張強さが大きい高強度糸3が収容されているシートベルト用ウェビング100である。また、袋織部2に収容されている高強度糸3は、通常、1本であり、高強度糸3としては、炭素繊維、ポリパラフェニレンフタルアミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1種を用いることができる。更に、シートベルト装置は、上述のシートベルト用ウェビングを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置に関する。更に詳しくは、本発明は、経糸の方向に設けられた帯状の袋織部を備え、袋織部の内部に経糸より引張強さが大きい高強度糸が収容されており、経糸の本数を減らしても十分な強度を有するシートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置に関する。
従来、衝突時等の衝撃を緩和し、自動車及び航空機等の乗物の乗員を保護する装置としてシートベルトが知られている。例えば、従来のシートベルトでは一般的ではない細い単糸繊維に高撚度の撚り加工を加えたポリエステルマルチフィラメント糸を経糸として織成し、経糸単位本数当たりの強力が非常に高く、薄くて軽く、且つ、耐摩耗性を維持したウェビングを得る技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
乗物用シートベルトでは、上述の特許文献1に記載されたシートベルトのように、シートベルトの長さ方向、即ち、経糸の方向における強度が大きいことは極めて重要である。また、装着時の感触、及び取り扱い易さ等を考慮すると、厚過ぎないことが好ましく、種々の観点で更なる改良、開発が望まれている。
本発明は上述の従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、経糸の方向に設けられた帯状の袋織部を備え、袋織部の内部に経糸より引張強さが大きい高強度糸が収容されており、経糸の本数を減らしても十分な強度を有するシートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.経糸と緯糸とが製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビングであって、
前記経糸の方向に設けられ、且つ帯状の袋織部を備え、
前記袋織部の内部に前記経糸と比べて引張強さが大きい高強度糸が収容されていることを特徴とするシートベルト用ウェビング。
2.前記袋織部に収容されている前記高強度糸が1本である前記1.に記載のシートベルト用ウェビング。
3.前記高強度糸が、炭素繊維、ポリパラフェニレンフタルアミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1種である前記1.又は2.に記載のシートベルト用ウェビング。
4.前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載のシートベルト用ウェビングを備えることを特徴とするシートベルト装置。
1.経糸と緯糸とが製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビングであって、
前記経糸の方向に設けられ、且つ帯状の袋織部を備え、
前記袋織部の内部に前記経糸と比べて引張強さが大きい高強度糸が収容されていることを特徴とするシートベルト用ウェビング。
2.前記袋織部に収容されている前記高強度糸が1本である前記1.に記載のシートベルト用ウェビング。
3.前記高強度糸が、炭素繊維、ポリパラフェニレンフタルアミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1種である前記1.又は2.に記載のシートベルト用ウェビング。
4.前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載のシートベルト用ウェビングを備えることを特徴とするシートベルト装置。
本発明のシートベルト用ウェビング(以下、ウェビングということもある)は、経糸の方向に設けられた帯状の袋織部を備え、袋織部の内部には経糸と比べて引張強さが大きい高強度糸が収容されている。また、高強度糸は袋織部内において全く係止されておらず、摺動可能とされている。ウェビングは、通常、ポリエステル繊維等の合成繊維を用いて製織されるが、製織時には原糸に張力が加わるため、製織後、張力が開放されることで経糸方向に少し収縮する。この際、炭素繊維等の高強力糸は一般に収縮し難いため、袋織部の内表面と高強度糸の外表面とが接合等により固定されていると、収縮率の差によってウェビングの表面に皺等の変形を生ずることがあるが、本発明のウェビングでは皺等の変形の発生が防止される。更に、経糸方向に高強力糸が配されることで、ポリエステル繊維等の合成樹脂繊維の本数を減らしても十分な強度を有するウェビングとすることができる。これにより、ウェビングを薄肉化することができるとともに、リトラクタを小型化することも期待でき、取り扱い易く、装着感に優れたウェビングとすることができる。
また、袋織部に収容されている高強度糸が1本である場合は、袋織部においてウェビングが厚くなり、ウェビングの幅方向に厚薄を生じたとしても、目視では視認することができない程度に抑えることができる。
更に、高強度糸が、炭素繊維、ポリパラフェニレンフタルアミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1種である場合は、それぞれの高強力糸の引張強さに応じて幅方向における袋織部の個数と、配される高強力糸の本数とを設定し、併せて経糸として用いる合成繊維の本数を減らし、所定の強度を有するとともに、薄肉化されたウェビングとすることができる。
本発明のシートベルト装置は、所定の強度を有するとともに、薄肉化することもでき、外観及び装着感ともに優れる本発明のシートベルト用ウェビングを備えるため、装置として優れた外観を有するものとすることができ、且つ衝突時等には乗員の安全が十分に確保される。
また、袋織部に収容されている高強度糸が1本である場合は、袋織部においてウェビングが厚くなり、ウェビングの幅方向に厚薄を生じたとしても、目視では視認することができない程度に抑えることができる。
更に、高強度糸が、炭素繊維、ポリパラフェニレンフタルアミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1種である場合は、それぞれの高強力糸の引張強さに応じて幅方向における袋織部の個数と、配される高強力糸の本数とを設定し、併せて経糸として用いる合成繊維の本数を減らし、所定の強度を有するとともに、薄肉化されたウェビングとすることができる。
本発明のシートベルト装置は、所定の強度を有するとともに、薄肉化することもでき、外観及び装着感ともに優れる本発明のシートベルト用ウェビングを備えるため、装置として優れた外観を有するものとすることができ、且つ衝突時等には乗員の安全が十分に確保される。
以下、本発明を図も参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]シートベルト用ウェビング
本発明のシートベルト用ウェビングは、経糸と緯糸とが製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビング100であり(図1、2参照)、経糸の方向Lに設けられ、且つ帯状の袋織部2を備える。ウェビング100は一重織部1を基体とし、袋織部2は、複数個所設けられているときは、ウェビング100の幅方向Wに、所定の間隔をおいて並設される。また、袋織部2の内部には、経糸と比べて引張強さが大きい高強度糸3が収容されている。
尚、収容されているとは、高強度糸3は袋織部2の内部において全く係止されておらず、摺動可能であり、袋織部2の内表面と高強度糸3の外表面とが接合等により固定されていないことを意味する。
本発明のシートベルト用ウェビングは、経糸と緯糸とが製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビング100であり(図1、2参照)、経糸の方向Lに設けられ、且つ帯状の袋織部2を備える。ウェビング100は一重織部1を基体とし、袋織部2は、複数個所設けられているときは、ウェビング100の幅方向Wに、所定の間隔をおいて並設される。また、袋織部2の内部には、経糸と比べて引張強さが大きい高強度糸3が収容されている。
尚、収容されているとは、高強度糸3は袋織部2の内部において全く係止されておらず、摺動可能であり、袋織部2の内表面と高強度糸3の外表面とが接合等により固定されていないことを意味する。
ウェビング100は、一重織部1を基体とし、袋織部2が設けられていない幅方向の両端部側は一重織部1により形成される。帯状の袋織部2は、ウェビング100の経糸の方向Lに設けられ、且つ複数個所設けられているときは、ウェビング100の幅方向Wに所定の間隔をおいて並設され、各々の袋織部2の間は一重織部1により構成されている。
ウェビング100の幅方向Wに袋織部2を何箇所設けるかは特に限定されないが、高強度糸3によるウェビング100の経糸の方向L(ウェビング100の長さ方向)の強度の向上、及び織り込む経糸の本数を減らすことによるウェビング100の薄肉化を考慮すると、1〜50箇所、特に5〜30箇所であることが好ましい。袋織部2を設ける箇所は1〜50箇所であればよいが、特に5〜30箇所であれば、所定の十分な強度を有するとともに、経糸の本数を減らすことにより薄肉化することもでき、取り扱い易く、装着感に優れるウェビング100とすることができる。
また、袋織部2が1個所であるとき、ウェビング100の幅方向Wにおける位置は特に限定されないが、略中央部に設けることが好ましい。一方、袋織部2が複数個所設けられているときは、隣り合う袋織部2の間隔は、ウェビング100の全幅に亘って同一であってもよく、異なっていてもよいが、ウェビング100全体の均質性を勘案すると、同一であることが好ましい。更に、ウェビング100の両端部側の一重織部1の幅も同一であれば、均質性がより高まるため特に好ましい。
袋織部2に収容される高強度糸3の本数も特に限定されず、高強度糸3の繊度及び引張強さによって設定することができる。また、ウェビング100の経糸の方向Lの強度、及び経糸を減らすことによる薄肉化なども勘案し、設定することが好ましい。更に、高強度糸3は、製織時に袋織部2を設けるときに、袋織部2内に収容されるため、複数本の高強度糸3を同時に収容するのは容易ではない。そのため、袋織部2の内部に収容される高強度糸3は、通常、1本である。
高強度糸3は、ウェビング100の経糸、緯糸として用いられることが多いポリエステル繊維等の合成樹脂繊維より引張強さが大きければよく、その材質等は特に限定されない。高強度糸3としては、例えば、炭素繊維、ポリパラフェニレンフタルアミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1種を用いることができる。
ウェビング100の経糸として多用されるポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)の引張強さは、高強度タイプであっても約8.0cN/dtexである。一方、炭素繊維の引張強さは約20cN/dtex、ポリパラフェニレンフタルアミド繊維の引張強さは約19cN/dtex、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維の引張強さは約37cN/dtexであり、高強度タイプのポリエチレンテレフタレート繊維の引張強さと比べて相当に大きい。
高強度糸3として、上述の各種の繊維のうちのいずれを用いるかは、用いる本数、及び経糸を減らすことによるウェビング100の経糸の方向Lの引張強さ及び薄肉化などを考慮し、適宜選択すればよい。また、上述の各種の繊維は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、ウェビング100の均質化を考慮すると、1種のみを用いることが好ましい。更に、1種の高強度糸3を用いる場合、袋織部2が複数個所であるときは、各々の袋織部2に収容する高強度糸3の繊度は略同じであってもよく、袋織部2によって異なっていてもよいが、ウェビング100の均質化の観点で略同じであることが好ましい。
尚、炭素繊維としては、径が5〜15μmの単糸を1000〜50000本束ねた繊維束などが挙げられるが、極細の単糸を多数本束ねた構成であるため、耐摩耗性が低く、製織時に、周囲の他の繊維及びヘルド、筬等の織機の部品と擦れ合うことで、毛羽が発生し、強度が低下するという問題がある。また、炭素繊維を経糸として織り込んだ場合は、製織後、ウェビング100として用いるときに、シートベルト装置のスリップジョイント、タングプレート等と擦れ合うことによって、毛羽が発生し、強度が大きく低下するという問題がある。一方、本発明のウェビング100では、経糸として織り込まれるのではなく、袋織部2に収容されているため、少なくとも製織後にウェビング100として用いられるときの、毛羽の発生、強度低下は全くなく、炭素繊維を高強度糸3として何ら問題なく用いることができる。
シートベルト用ウェビング100は、製織時、一重織部1の所要個所を袋織組織とすることにより形成されるが、その織組織は綾織、平織等であればよく、特に限定されない。また、高強度糸3は、袋織部2を製織するときに、袋織部2の内部に取り込まれるようにしてウェビング100全体を同じ工程内で形成することができる。更に、高強度糸3の袋織部2内への収容は、袋織部2が設けられたウェビング100を製織した後、高強度糸3を袋織部2の一方の開口部から他方の開口部へと挿通させて収容することもできる。いずれの方法であってもよいが、ウェビング100全体を同じ工程内で形成する方法が効率がよく好ましい。
シートベルト用ウェビング100の製造には、合成樹脂からなるフィラメントが用いられ、このフィラメントとしては、マルチフィラメントとモノフィラメントとがあるが、通常、マルチフィラメントが用いられる。フィラメントの材質は特に限定されず、各種の合成樹脂からなるフィラメントを用いることができる。
合成樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。合成樹脂としては、特にポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂が好ましく、優れた引張強さを有するPET等のポリエステル系樹脂がより好ましい。
マルチフィラメント等の合成樹脂フィラメントの繊度は特に限定されず、適宜の繊度のマルチフィラメント等を用いることができる。繊度は、経糸が500〜3000デシテックス、緯糸が250〜1500デシテックスであることが好ましく、特に経糸は1500〜1800デシテックスであることが好ましい。このような繊度であれば、特に経糸の繊度が1500〜1800デシテックスであれば、シートベルト用ウェビング100としての十分な強度を有するため好ましい。また、マルチフィラメントの場合、このマルチフィラメントを構成するフィラメント数は特に限定されず、その繊度等によって設定することができるが、経糸の場合、50〜300本、特に100〜200本であることが好ましい。
[2]シートベルト装置
本発明のシートベルト装置200は、本発明のシートベルト用ウェビング100を備えることを特徴とする。
具体的には、図3のように、シートベルト用ウェビング100と、その他の各種の部材とを備え、シートクッション10aとシートバック10bとを有するシートの周縁に配置される。その他の部材としては、ボディパネルのピラーの下部に取り付けられ、ウェビングの一方の端部が固定されるリトラクタ11、フロアパネル又はシートパネルに取り付けられ、ウェビングの他方の端部が固定されるアンカ13等が挙げられる。
本発明のシートベルト装置200は、本発明のシートベルト用ウェビング100を備えることを特徴とする。
具体的には、図3のように、シートベルト用ウェビング100と、その他の各種の部材とを備え、シートクッション10aとシートバック10bとを有するシートの周縁に配置される。その他の部材としては、ボディパネルのピラーの下部に取り付けられ、ウェビングの一方の端部が固定されるリトラクタ11、フロアパネル又はシートパネルに取り付けられ、ウェビングの他方の端部が固定されるアンカ13等が挙げられる。
また、リトラクタ11から立ち上げられたウェビングは、乗員の側方上部に固定されたスリップジョイント12から下方に向かって導出され、他方の端部がアンカ13に固定される。更に、スリップジョイント12とアンカ13との間には、タングプレート14が挿通されており、ウェビング装着時には、タングプレート14が、フロアパネル又はシートパネルに取り付けられたバックル15に係止され、固定される。この場合、ウェビングの、スリップジョイント12からタングプレート14までの間により乗員の肩及び胸部が拘束され、タングプレート14からアンカ13までの間により腰部が拘束される。このような構成であるため、乗員は、幼児等を除き、その体格、体形等によらず、十分に保護される。
更に、タングプレート14からアンカ13までの間により腰部が拘束されるが、衝突時等の衝撃が加わったとき、タングプレート14に挿通され、挟持されているウェビングが滑り、ウェビングが乗員の腹部上において多少なりとも移動し、腰部の拘束力が低減されることが有り得る。そのため、タングプレート14においてウェビングを固定する機能を有するロッキングタングを備えるシートベルト装置200もあり、この場合、ウェビングの滑りよる移動が抑制され、腰部の拘束力の低減が抑えられる。
更に、シートベルト用ウェビング100は、ボディパネルのピラーの下部に取り付けられたリトラクタ11に固定された一方の端部から、フロアパネル又はシートパネルに取り付けられたアンカ13に固定された他方の端部までの全長が、例えば、3500mm程度である。ウェビングは、前述のように、その全長のうち、乗員の側方上部に固定されたスリップジョイント12からバックル15に係止されたタングプレート14までにより、肩及び胸部を拘束し、バックル15に係止されたタングプレート14からアンカ13までにより、腰部を拘束することができる。
また、シートは、通常、前後方向の位置を調節可能にされているので、シートの位置によっても、ウェビングのうちの肩及び胸部を拘束するベルト部、並びに腰部を拘束するベルト部の各々の長さは異なることになるが、肩及び胸部を拘束するベルト部の長さ、並びに腰部を拘束するベルト部の長さ、はそれぞれシートの位置による所定の長さに調整されるため特に問題はない。一方、シートパネルにアンカ13、リトラクタ11が組み込まれたタイプもあり、この場合、肩及び胸部を拘束するベルト部、並びに腰部を拘束するベルト部のそれぞれの長さは、乗員の体格、体形等の影響は受けるが、シートの前後方向の位置による影響は殆ど受けない。
尚、前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は、自動車等の乗物の衝突時等の衝撃を緩和し、乗員を保護する装置に関し、特に、経糸の方向に配された高強度糸により、長さ方向に十分な強度を有するとともに、薄肉可することもできるシートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置の技術分野において利用することができる。
100;シートベルト用ウェビング、1;一重織部、2;袋織部、3;高強度糸、200;シートベルト装置、10a;シートクッション、10b;シートバック10b、11;リトラクタ、12;スリップジョイント、13;アンカ、14;タングプレート、15;バックル。
Claims (4)
- 経糸と緯糸とが製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビングであって、
前記経糸の方向に設けられ、且つ帯状の袋織部を備え、
前記袋織部の内部に前記経糸と比べて引張強さが大きい高強度糸が収容されていることを特徴とするシートベルト用ウェビング。 - 前記袋織部に収容されている前記高強度糸が1本である請求項1に記載のシートベルト用ウェビング。
- 前記高強度糸が、炭素繊維、ポリパラフェニレンフタルアミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1種である請求項1又は2に記載のシートベルト用ウェビング。
- 請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のシートベルト用ウェビングを備えることを特徴とするシートベルト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017034055A JP2018138451A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017034055A JP2018138451A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018138451A true JP2018138451A (ja) | 2018-09-06 |
Family
ID=63451287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017034055A Pending JP2018138451A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018138451A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021148345A (ja) * | 2020-03-18 | 2021-09-27 | 帝人フロンティア株式会社 | 送風ダクト |
-
2017
- 2017-02-24 JP JP2017034055A patent/JP2018138451A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021148345A (ja) * | 2020-03-18 | 2021-09-27 | 帝人フロンティア株式会社 | 送風ダクト |
JP7096278B2 (ja) | 2020-03-18 | 2022-07-05 | 帝人フロンティア株式会社 | 送風ダクト |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107709641B (zh) | 安全气囊用基布、安全气囊及安全气囊用基布的制造方法 | |
CN107107861B (zh) | 用于安全带装置的安全带和安全带装置 | |
US7954847B2 (en) | Stretchable webbing, inflatable belt, and inflatable belt apparatus | |
EP1238867A1 (en) | Inflatable safety belt | |
US7845676B2 (en) | Stretchable webbing, inflatable belt, and inflatable belt apparatus | |
EP1932956B1 (en) | Woven belt and seatbelt device | |
US20020074783A1 (en) | Air belt for inflatable seat belt device | |
JP4666495B2 (ja) | 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置 | |
JP2014223841A (ja) | シートベルト装置 | |
US20210146878A1 (en) | Occupant restraint belt webbing, seat belt, and seat belt device | |
US4481981A (en) | Soft edge seat belt webbing | |
JP2018138451A (ja) | シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 | |
JP2017178195A (ja) | 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、及びシートベルト装置 | |
US6375218B2 (en) | Airbelt and airbelt apparatus | |
JP2007223409A (ja) | 製織ベルト及びシートベルト装置 | |
JP2015016736A (ja) | シートベルト用ウェビング | |
JP2013226878A (ja) | シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト | |
US7799709B2 (en) | Woven belt and seatbelt device | |
JP2007023411A (ja) | エアバッグ用織物およびエアバッグならびにエアバッグ用織物の製造方法 | |
JP6617568B2 (ja) | シートベルト用ウェビング | |
JP2018134891A (ja) | シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 | |
JP2014133468A (ja) | シートベルト用ウェビング | |
JP2008144311A (ja) | 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置 | |
EP3450260A1 (en) | Airbag base fabric and airbag | |
JP2018069863A (ja) | シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 |