JP2018134891A - シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 - Google Patents

シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置 Download PDF

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Abstract

【課題】経糸の長さ方向に張力が作用したときに、緯糸の経糸の長さ方向への滑りによる移動が抑制され、経糸の本来の強度が損なわれることのないシートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置を提供する。【解決手段】経糸1と緯糸2とを用いて製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビング100であって、緯糸2は滑り抑制手段を備える。緯糸2は表面に凹凸形状を有し、滑りが抑制されていてもよい。この表面に凹凸形状を有する緯糸2としては、カバリング糸、組紐、及び酸、アルカリ等によって表面が部分的に溶解され、凹部が形成された糸等が挙げられる。また、滑り抑制手段を備える緯糸2は、表面がゴム又はエラストマーにより被覆されている糸であってもよく、芯鞘繊維であり、鞘糸の摩擦係数が芯糸の摩擦係数より大きい糸であってもよい。【選択図】図3

Description

本発明は、シートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置に関する。更に詳しくは、本発明は、シートベルト用ウェビングを構成する経糸の長さ方向に張力が作用したときに、緯糸の経糸の長さ方向への滑りによる移動が抑制され、織組織の乱れが抑えられ、経糸の本来の強度が損なわれることのないシートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置に関する。
従来、衝突時等の衝撃を緩和し、自動車及び航空機等の乗物の乗員を保護する装置としてシートベルトが知られている。例えば、従来のシートベルトでは一般的ではない細い単糸繊維に高撚度の撚り加工を加えたポリエステルマルチフィラメント糸を経糸として織成し、経糸単位本数当たりの強力が非常に高く、薄くて軽く、且つ、耐摩耗性を維持したウェビングを得る技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−52519号公報
乗物用シートベルトでは、上述の特許文献1に記載されたシートベルトのように、シートベルトの長さ方向、即ち、経糸の方向における強度が大きいことは極めて重要である。また、着用時の感触、及び取り扱い易さ等を考慮すると、厚過ぎないことが好ましく、種々の観点で更なる改良、開発が望まれている。
本発明は上述の従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、シートベルト用ウェビングを構成する経糸の長さ方向に張力が作用したときに、緯糸の経糸の長さ方向への滑りによる移動が抑制され、織組織の乱れが抑えられ、経糸の本来の強度が損なわれることのないシートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.経糸と緯糸とを用いて製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビングであって、
前記緯糸は滑り抑制手段を備えることを特徴とするシートベルト用ウェビング。
2.前記緯糸は表面に凹凸形状を有する前記1.に記載のシートベルト用ウェビング。
3.前記緯糸の表面がゴム又はエラストマーにより被覆されている前記1.に記載のシートベルト用ウェビング。
4.前記緯糸は芯鞘繊維であり、鞘糸の摩擦係数が芯糸の摩擦係数より大きい前記1.に記載のシートベルト用ウェビング。
5.前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載のシートベルト用ウェビングを備えることを特徴とするシートベルト装置。
本発明のシートベルト用ウェビング(以下、ウェビングということもある)は、経糸と緯糸とを用いて製織されてなり、緯糸は滑り抑制手段を備える。これにより、ウェビングに長さ方向の張力が加わったときに、緯糸の経糸の長さ方向への滑りによる移動が抑制され、織構造の乱れもなく、経糸の収束性の低下も抑えられる。そのため、経糸が本来有する強度が阻害されることがなく、十分な強度を有するシートベルト用ウェビングとすることができる。また、緯糸が滑り抑制手段を備えることによる作用効果は、緯糸の糸密度が小さい場合に、より顕著に奏される。即ち、緯糸の糸密度が小さいと、ウェビングに水平方向(ウェビングの長さ方向)の張力が加わったときに、垂直方向(ウェビングの厚さ方向)に加わる力が小さくなり、経糸が本来有する強度が十分に発現されるという作用効果が奏される。しかし、緯糸の糸密度が小さくなると、製織による経糸と緯糸との互いの拘束力が小さくなるため、緯糸が経糸の長さ方向に滑り易くなり、移動し易くなる。このように緯糸が経糸の長さ方向に滑って移動してしまうと、隣り合う緯糸間の寸法が大きい個所と小さい個所とが生じ、織構造が乱れ、経糸の収束性が低下する部位もあり、経糸が本来有する強度が阻害されることになり、緯糸の糸密度を小さくすることによる作用効果が低減されることになってしまう。一方、本発明のウェビングでは、緯糸が滑り抑制手段を備えるため、緯糸の糸密度が小さくても、経糸が本来有する強度が阻害されず、十分な強度を有するウェビングとすることができるという作用効果が損なわれることがない。
更に、緯糸が表面に凹凸形状を有する場合は、緯糸の経糸の長さ方向への滑りによる移動が十分に抑えられる。特に緯糸の糸密度が小さいときは、緯糸の表面が凹凸形状であっても、ウェビングが厚くなるようなこともない。
また、緯糸の表面がゴム又はエラストマーにより被覆されている場合は、緯糸として用いられることが多いポリエステル糸等と比べて、緯糸の表面の摩擦係数が大きくなり、緯糸の経糸の長さ方向への滑りによる移動が十分に抑えられるとともに、緯糸の糸密度によらず、ウェビングが厚くなるようなこともない。
更に、緯糸が芯鞘繊維であり、鞘糸の摩擦係数が芯糸の摩擦係数より大きい場合も、緯糸の経糸の長さ方向への滑りによる移動が十分に抑えられ、且つ緯糸の糸密度によらず、ウェビングが厚くなるようなこともない。
本発明のシートベルト装置は、本発明のシートベルト用ウェビングを備えるため、衝突時等に、経糸の長さ方向に張力が加わったときに、緯糸の経糸の長さ方向への移動が抑えられ、織構造が乱れることがなく、経糸が本来有する強度が損なわれることがないため、乗員を衝撃などから十分に保護することができる。特に緯糸の糸密度が小さいときであっても、緯糸の経糸の長さ方向への移動が抑えられるため、十分な強度を有するウェビングとすることができ、乗員を十分に保護することができるシートベルト装置とすることができる。
緯糸の糸密度が図2のウェビングと比べて大きいシートベルト用ウェビングを側方からみた模式図である。 緯糸の糸密度が図1のウェビングと比べて小さいシートベルト用ウェビングを側方からみた模式図である。 (a)は緯糸として用いるシングルカバリング糸の模式図であり、(b)は緯糸として用いるダブルカバリング糸の模式図である。 緯糸として用いる組紐の模式図である。 (a)は添加剤を加えた原料を用いて紡糸した糸の模式図であり、(b)は添加剤が溶出し、表面に凹凸が形成された緯糸の模式図である。 シート及びシートベルト装置の模式的な斜視図である。
以下、本発明を図も参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]シートベルト用ウェビング
本発明のシートベルト用ウェビングは、経糸1と緯糸2とが製織されてなる乗り物用のシートベルト用ウェビング100であり(図1、2参照)、緯糸2は滑り抑制手段を備える。この滑り抑制手段によって、緯糸2の経糸1の長さ方向への滑りによる移動が抑制され、経糸1及び緯糸2の大きな変形も抑えられ、織構造が大きく乱れることもない。これにより、ウェビングに経糸1の長さ方向への張力が加わったとしても、経糸1が本来有する強度が損なわれることがない。
本発明のシートベルト用ウェビング100では、上述のように、緯糸2が滑り抑制手段を備えることにより、緯糸2の経糸1の長さ方向への滑りによる移動が抑制され、ウェビングに経糸1の長さ方向への張力が加わったときに、経糸1が本来有する強度が損なわれることがない。即ち、経糸1が有する強度の利用率が高い。このような作用効果は、緯糸2の糸密度が小さいときに特に顕著に奏される。
ウェビングにおける緯糸2の糸密度は、15〜22本/インチ程度であることが多いが(図1参照)、この糸密度が小さい場合(図2参照)、例えば、8〜15本/インチ、特に10〜13本/インチであるときに、上述の作用効果がより顕著に奏される。このように緯糸2の糸密度が小さいと、紡糸したままの緯糸2では、経糸1とのクリンプによる拘束力が弱いため、ウェビングに経糸1の長さ方向への張力が加わったときに、緯糸2が経糸1の長さ方向に滑り易く、経糸1の収束性が低下し、織構造が乱れてしまうことになる。一方、本発明のシートベルト用ウェビング100では、緯糸2の糸密度が小さくても、滑りによる緯糸2の経糸1の長さ方向への移動が抑制され、経糸1が本来有する強度が損なわれることがない。
また、緯糸2の糸密度を8〜15本/インチ、特に10〜13本/インチと小さくしたときに、滑りによる緯糸2の経糸1の長さ方向への移動が抑制されれば、シートベルト用ウェビング100を薄肉化することができるとともに、ウェビングの長さ方向の全長さに亘って厚さを均一化することもできる。そのため、着用時の感触のよいウェビングとすることができる。更に、非着用時にウェビングを巻き取るためのリトラクタ(図6のリトラクタ11参照)を小型化することも可能となる。
緯糸2が備える滑り抑制手段は特に限定されない。例えば、滑り抑制手段として表面に凹凸形状を有する緯糸2とする形態が挙げられる。表面に凹凸形状を有する緯糸2としては、カバリング糸を例示することができる。このカバリンク糸は、芯糸4にS方向又はZ方向に鞘糸5を巻き付けたシングルカバリング糸3aでもよく[図3(a)参照]、芯糸4にS方向及びZ方向に鞘糸5を巻き付けたダブルカバリング糸3b[図4(b)参照]でもよい。芯糸及び鞘糸の各々の繊度は特に限定されないが、鞘糸の繊度は芯糸の繊度の1/10〜1/2であればよい。このような繊度比であれば、十分な強度を有する緯糸2とすることができるとともに、緯糸2の経糸1の長さ方向への滑りによる移動が効率よく抑制され、経糸1が本来有する強度が損なわれることがない。
表面に形成された凹凸形状を滑り抑制手段とする緯糸2として、組紐3cを用いることもできる(図4参照)。組紐3cは、絹糸等の細い糸6と綿糸等の太い糸とを編んで織り上げた紐であり、角打ち紐、平打紐及び丸打紐があるが、製織のし易さ等を考慮すると、丸打紐が好ましい。
表面に凹凸形状を有する緯糸2は、表面を酸、アルカリ等の溶剤と接触させ、部分的に溶解させて凹凸形状を形成した緯糸2であってもよい。具体的には、緯糸2を溶剤中に浸漬させる、又はスプレーにより緯糸2の周面に溶剤を吹き付ける等の方法により、表面を部分的に溶解させて凹凸形状を形成することができる。この場合、緯糸2の表面の多くが溶解し、緯糸2が細径化し、強度が低下してしまうことを防止するため、緯糸2の表面を予め溶剤に溶解しない材料によって部分的にマスキングしておいてもよい。
また、表面を酸、アルカリ等の溶剤と接触させ、部分的に溶解させて凹凸形状を形成した緯糸2は、ポリエステル、ポリアミド等の、溶融紡糸に用いる合成樹脂に予め酸、アルカリ等に溶解する材質の添加剤8を配合しておき、紡糸後[図5(a)の凹凸加工前の糸A参照]、緯糸2を溶剤中に浸漬させる、又はスプレーにより緯糸2の周面に溶剤を吹き付ける等の方法により添加剤8を溶出させて凹凸形状を有する緯糸2とすることもできる[凹部8aが形成された図5(b)の緯糸3d参照]。この場合、添加剤の材質と溶剤の種類とを勘案し、添加剤は溶出するが緯糸2は溶解しないようにすることが好ましい。
滑り抑制手段を有する緯糸2としては、表面がゴム又はエラストマーにより被覆されている緯糸2を例示することもできる。ゴム又はエラストマーは、通常、ポリエステル糸、ポリアミド糸等の緯糸2として多用される材質の糸と比べて摩擦係数が大きいため、被覆に用いるゴム又はエラストマーは特に限定されない。エラストマーとしては、ウレタン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられ、ゴムとしては、ウレタン系ゴム、スチレン系ゴム、アクリル系ゴム、オレフィン系ゴム等が挙げられる。
緯糸2の表面をゴム又はエラストマーにより被覆する方法も特に限定されない。例えば、媒体にゴム又はエラストマーを溶解させた溶液、若しくは媒体にゴム又はエラストマーを分散させた分散液に緯糸2を浸漬し、液から取り出した後、乾燥させ被膜を形成する方法が挙げられる。また、溶液若しくは分散液を緯糸2の周面に吹き付け、その後、乾燥させ、被膜を形成することもできる。被膜の厚さも特に限定されないが、数十μm、例えば、20〜50μmの厚さの被膜であれば、緯糸2の経糸1の長さ方向への滑りを十分に抑制することができるとともに、製織時に被膜が薄膜化し、緯糸2の周面が表出してしまうようなこともない。
滑り抑制手段を有する緯糸2としては、芯鞘繊維を用いることもできる。この芯鞘繊維としては、例えば、ポリエステル糸、ポリアミド糸等の緯糸2として多用される合成樹脂糸を芯糸とし、前述の各種の熱可塑性エラストマーを鞘糸として用いた芯鞘繊維などが挙げられる。
シートベルト用ウェビング100は、袋織により形成されていてもよく、2枚の一重織物を重ね合わせ、その側端部等の所要個所を縫着することにより形成されていてもよいが、袋織により形成されていることが好ましい。また、一重織物は一般の織物であり、その織組織は綾織、平織等であればよく、特に限定されない。
シートベルト用ウェビング100の製造には、合成樹脂からなるフィラメントが用いられ、このフィラメントとしては、マルチフィラメントとモノフィラメントとがあるが、通常、マルチフィラメントが用いられる。フィラメントの材質は特に限定されず、各種の合成樹脂からなるフィラメントを用いることができる。
合成樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。合成樹脂としては、特にポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂が好ましく、優れた引張強さを有するPET等のポリエステル系樹脂がより好ましい。
マルチフィラメント等の合成樹脂フィラメントの繊度は特に限定されず、適宜の繊度のマルチフィラメント等を用いることができる。繊度は、経糸が500〜3000デシテックス、緯糸が250〜1500デシテックスであることが好ましく、特に経糸は1500〜1800デシテックスであることが好ましい。このような繊度であれば、特に経糸の繊度が1500〜1800デシテックスであれば、シートベルト用ウェビング100としての十分な強度を有するため好ましい。また、マルチフィラメントの場合、このマルチフィラメントを構成するフィラメント数は特に限定されず、その繊度等によって設定することができるが、経糸の場合、50〜300本、特に100〜200本であることが好ましい。
[2]シートベルト装置
本発明のシートベルト装置200は、本発明のシートベルト用ウェビング100を備えることを特徴とする。
具体的には、図6のように、シートベルト用ウェビング100と、その他の各種の部材とを備え、シートクッション10aとシートバック10bとを有するシートの周縁に配置される。その他の部材としては、ボディパネルのピラーの下部に取り付けられ、ウェビングの一方の端部が固定されるリトラクタ11、フロアパネル又はシートパネルに取り付けられ、ウェビングの他方の端部が固定されるアンカ13等が挙げられる。また、リトラクタ11から立ち上げられたウェビングは、乗員の側方上部に固定されたスリップジョイント12から下方に向かって導出され、バックル15に係止されたタングプレート14を経て、他方の端部がアンカ13に固定される。
シートベルト用ウェビング100は、長さ方向に移動可能にタングプレート12に挿通されており、乗員がシートベルトを装着するとき、タングプレート12が、フロアパネル又はシートパネルに取り付けられたバックル15に係止され、固定される。この場合、ウェビングの、スリップジョイント12からタングプレート14までの間により乗員の肩及び胸部が拘束され、タングプレート14からアンカ13までの間により腰部が拘束される。このような構成であるため、乗員は、幼児等を除き、その体格、体形等によらず、十分に保護される。
また、アンカ13からタングプレート14までの間により腰部が拘束されるが、衝突時等の衝撃が加わったとき、タングプレート14に挟持されたウェビングが滑り、ウェビングが乗員の腹部の方向へ多少なりとも移動し、腰部の拘束力が低減されることが有り得る。そのため、タングプレート14においてウェビングを固定する機能を有するロッキングタングを備えるシートベルト装置200もあり、この場合、ウェビングの滑りよる移動が抑制され、腰部の拘束力の低減が抑えられる。
更に、シートベルト用ウェビング100は、ボディパネルのピラーの下部に取り付けられたリトラクタ11に固定された一方の端部から、フロアパネル又はシートパネルに取り付けられたアンカ13に固定された他方の端部までの全長が、例えば、3500mm程度である。ウェビングは、前述のように、その全長のうち、乗員の側方上部に固定されたスリップジョイント12からバックル15に係止されたタングプレート14までにより、肩及び胸部を拘束し、バックル15に係止されたタングプレート14からアンカ13までにより、腰部を拘束することができる。
また、シートは、通常、前後方向の位置を調節可能にされているので、シートの位置によっても、ウェビングのうちの肩及び胸部を拘束するベルト部、並びに腰部を拘束するベルト部の各々の長さは異なることになるが、肩及び胸部を拘束するベルト部の長さ、並びに腰部を拘束するベルト部の長さ、はそれぞれシートの位置による所定の長さに調整されるため特に問題はない。一方、シートパネルにアンカ13、リトラクタ11が組み込まれたタイプもあり、この場合、肩及び胸部を拘束するベルト部、並びに腰部を拘束するベルト部のそれぞれの長さは、乗員の体格、体形等の影響は受けるが、シートの前後方向の位置による影響は殆ど受けない。
尚、前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は、自動車等の乗物の衝突時等の衝撃を緩和し、乗員を保護する装置に関し、特に、経糸の長さ方向に張力が作用したときに、緯糸の経糸の長さ方向への滑りによる移動が抑制され、織組織の乱れが抑えられ、経糸の本来の強度が損なわれることのないシートベルト用ウェビング及びそれを備えるシートベルト装置の技術分野において利用することができる。
100;シートベルト用ウェビング、1;経糸、2;緯糸、3a;シングルカバリング糸、3b;ダブルカバリング糸、3c;組紐、A;溶剤による凹凸加工前の糸、3d;溶剤により凹凸加工された緯糸、4;カバリング糸の芯糸、5;カバリング糸の鞘糸、6;組紐の細糸、7;組紐の太糸、8;添加剤、8a;形成された凹部。

Claims (5)

  1. 経糸と緯糸とを用いて製織されてなる乗物のシートベルト用ウェビングであって、
    前記緯糸は滑り抑制手段を備えることを特徴とするシートベルト用ウェビング。
  2. 前記緯糸は表面に凹凸形状を有する請求項1に記載のシートベルト用ウェビング。
  3. 前記緯糸の表面がゴム又はエラストマーにより被覆されている請求項1に記載のシートベルト用ウェビング。
  4. 前記緯糸は芯鞘繊維であり、鞘糸の摩擦係数が芯糸の摩擦係数より大きい請求項1に記載のシートベルト用ウェビング。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のシートベルト用ウェビングを備えることを特徴とするシートベルト装置。
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