JP2017121939A - ブローボトル包装体およびブローボトル包装体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
詳しくは、キャップ付きブローボトルの包装体に関する。
食品の中でも比較的粘度が低い食油やドレッシング等の包装に用いられる多層の押出ブローボトルでは、前述したポリオレフィン層として主に高密度ポリエチレンやポリプロピレンが用いられている。またマヨネーズ、ケチャップ、各種ソース等の比較的粘度が高い、粘稠性の食品(以下、粘稠食品と略称する)を包装する多層押出ブローボトルには、前述したポリオレフィン層として主に低密度ポリエチレンが用いられている。低密度ポリエチレンを用いた多層押出ブローボトルは柔らかくスクイズ性に優れるため、粘稠食品をボトルから絞り出しやすいのである。
従来、スクイズボトルは、図6に示すように、プラスチックフィルムからなる外袋5等に入れて販売されている。商品名、原材料名、内容量、保存方法、販売者、栄養成分表といった各種情報は該外袋5に印刷されているが、通常、該外袋5はスクイズボトル3を取り出す際に廃棄される為、消費者は粘稠食品を消費している間、これらの情報を目にすることができない。
しかしながら、シュリンク袋をブローボトルに被せる工程は自動化することが難しく、通常、手作業で行われている為、生産効率が悪い。またシュリンク袋を加熱して収縮させる際、初めにボトルの底部周縁においてシュリンク袋とボトルが接触し、該部分においてシュリンク袋の収縮が抑制されるため、熱収縮性フィルムに施された印刷が歪みやすいという問題があった。
このような問題を背景とし、粘稠食品を消費する間も該食品に関する情報を見ることができるスクイズボトルの出現が望まれているが、未だ満足できるものは提供されていない。
また特許文献1の包装体の密着部は、粘稠食品を消費する初期においてはスクイズボトルから脱落し難いが、消費末期においては脱落する恐れがある。これは密着部上端の径とスクイズボトル胴部の径が大きく相違しない為で、粘稠食品を絞り出す際にスクイズボトルを強く絞る消費末期においては、密着部がボトルから脱落し易い。また該包装体における熱収縮性フィルムは底部が閉じられていない為、密着部が該底部側から脱落する恐れもある。
印刷の施されたフィルムによってキャップ付きブローボトルがオーバーラップ包装された包装体であって、前記フィルムが前記ブローボトルの全面を覆っており、前記ブローボトルのボトル本体とキャップの境界に位置する前記フィルムが、開封手段を備えることを特徴とするブローボトル包装体が提供される。
また前記ブローボトルの外周長が短い部分に位置するフィルムが、二つの線状融着部を有し、該線状融着部がブローボトルの長さ方向中心線に対して線対称な位置にあることを特徴とする前記ブローボトル包装体が提供される。
また前記線状融着部に、開封時に持ち手となる挟持部が形成されていることを特徴とする前記ブローボトル包装体が提供される。
また前記ブローボトルが、粘稠物が収納されたスクイズボトルであることを特徴とする前記ブローボトル包装体が提供される。
印刷が施された熱収縮性フィルムに開封手段を設ける開封加工工程、熱収縮性フィルムを円筒状に成形する第1成形工程、熱収縮性フィルムによってキャップ付きブローボトル全体を包むオーバーラップ工程、熱収縮性フィルムを熱収縮させる熱収縮工程、を備えることを特徴とする前記ブローボトル包装体の製造方法が提供される。
また前記開封加工工程を、熱収縮工程の後に備えることを特徴とする前記ブローボトル包装体の製造方法が提供される。
また前記熱収縮工程に先立ち、円筒状に成形された熱収縮性フィルムの一部をブローボトルの形状に合わせて取り除く第2成形工程を備えることを特徴とする前記ブローボトル包装体の製造方法が提供される。
また前記第2成形工程において、円筒状に成形された熱収縮性フィルムの一部をブローボトルの形状に合わせて取り除く際に、熱収縮性フィルムを開封する際に持ち手となる挟持部を成形することを特徴とする前記ブローボトル包装体の製造方法が提供される。
更に前記ブローボトルが、粘稠物が収納されたスクイズボトルであることを特徴とする前記ブローボトル包装体の製造方法が提供される。
ボトル本体上に残されたフィルムは、底部が閉じられており、上部がボトルの外周長が短い境界部まで至るため、ブローボトルが大きく変形される軟質のスクイズボトルであっても、該フィルムが脱落する恐れはない。
更に本発明による包装体は、ブローボトルとほぼ同程度の容積である為、従来の外袋に入れられたスクイズボトルよりも、運搬や陳列に多くの空間を必要としない。
また、熱収縮性フィルムを円筒状に成形した後、該円筒状のフィルムの一部をブローボトルの形状に合わせて取り除けば、熱収縮性フィルムがブローボトル全面に良好に密着する為、得られる包装体は意匠性に優れたものとなる。更に、熱収縮性フィルムの一部を取り除く際に、熱収縮性フィルムを開封する際に持ち手となる挟持部を成形すると、フィルムの開封が容易になる。
図1は、本発明によるスクイズボトル包装体の一実施例を表す概略正面図である。該包装体1は、フィルム2とスクイズボトル3とから成る。
本発明のフィルム2は、粘稠物に関する情報(商品名、原材料名、内容量、保存方法、販売者、栄養成分表)や、粘稠物をイメージさせる図柄、キャッチコピー等が印刷されている。
また該フィルムはスクイズボトル3全面を覆っている。尚、本発明における「フィルムがボトルの全面を覆う」という状態は、図6に示すような、フィルムがボトルから離れた位置にあるものは含まない。図1乃至3に示すように、フィルムがボトル全面において略密着した状態(フィルムとボトルの距離が数ミリ以内)であることを意味する。
フィルムがスクイズボトル全面を覆うためには、該フィルムとして熱収縮性フィルムを採用すればよい。熱収縮性フィルムは、従来公知のものを適宜使用することができる。例えばポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系等の熱可塑性樹脂から選択される1種または2種以上の樹脂を混合物して製膜したものを用いることができる。また熱収縮性フィルムは単層構造のフィルムでも、多層構造のフィルムでもよい。
スクイズボトル3は、ブローボトルの一種で、ボトルを凹ませることにより内容物を取り出す容器である。はちみつ等が収納されたスクイズボトルは、比較的硬質のスクイズボトルで、ボトルを凹ますことはできても折り畳むことはできない。マヨネーズやケチャップ、各種ソース等が収納されたスクイズボトルは、比較的軟質のスクイズボトルで、内容物を取り出す際に、しばしば折り畳まれたり、丸められたりする。
本発明のスクイズボトル3は、キャップ31とボトル本体32とからなる。キャップ31は、例えば硬質のポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチック材料を用いて、従来公知の成形方法にて製造することができる。ボトル本体32は、低密度ポリエチレンやエチレン−ビニルアルコール共重合体等のプラスチック材料を、例えば押出ブロー成形することにより製造することができる。
また本発明は、図1に記すような、ボトル本体32がキャップ31に向けて先細りの形状のスクイズボトルの特に好適に適用できる。先細りであると、ボトル本体32の胴部の外周長に対する、フィルム2の開封手段21の外周長が極めて小さくなるため、開封後にフィルム2がボトル3から脱落する恐れがない。
本発明によるスクイズボトル包装体1は、前述したフィルム2によってスクイズボトル3がオーバーラップ包装されている。オーバーラップ包装とは、スクイズボトル全面がフィルム2によって包まれる包装形態であり、スリーブ包装やシュリンクラベルを用いた包装、シュリンク袋を用いた包装等とは異なり、キャップ31の天面31Tやボトル本体底部32Bにおいても、フィルム2は閉じられている。
開封手段を設ける方法は特に限定されず、例えば、ミシン目加工や、フィルムを厚さ方向に略半分カットする(いわゆるハーフカット)加工等により行うことができる。ミシン目加工によると、後述する熱収縮工程にて熱収縮性フィルム内のエアーを効率よく排出することができる。
図1における包装体1は、スクイズボトルの外周長が短い部分Xにおいて、フィルムがボトルに略密着しているが、完全に密着してはいない。一般的な熱収縮性フィルムの最大収縮率は50〜60%程度である為、外周長の最大値が最小値の二倍以上であるスクイズボトルでは、外周長が最小である部分において、熱収縮性フィルムが完全に収縮しても、ボトル表面に完全に密着することはできないのである。
そこで、図2のスクイズボトル包装体1では、外周長が短い部分Xに位置するフィルム2をスクイズボトルの形状に合わせて溶断シールしている。該溶断シール部には線状融着部22が形成されている。該線状融着部22は、スクイズボトルの長さ方向中心線N(長さ方向に垂直な断面の中心を貫く直線)に対し線対称な位置に、出現することが望ましい。線状融着部22が線対称な位置にあると、フィルム2の印刷が歪みにくい。
挟持部23は、フィルム2を開封する際に持ち手となる部分で、その大きさ、形状等は特に限定されないが、大きすぎると包装体1の外観を損ねる恐れがあり、小さすぎると開封し難くなる恐れがある。該挟持部は、例えは一辺が0.5〜5cmの矩形であればよい。
挟持部23を設ける位置は、線状融着部22上であれば特に限定されないが、開封性を考えると開封手段21に隣接する位置が望ましく、また粘稠物消費時には不要である為、開封手段21よりもキャップ天面31T側にあることが望ましい。開封手段21よりもキャップ天面31T側にあれば、フィルム2を開封する際に、キャップ31を覆うフィルムと共に廃棄することができる。
開封加工工程は、熱収縮性フィルム2に開封する契機となる開封手段21を設ける工程である。包装体から粘稠物を取り出す際、まず熱収縮性フィルムを開封し、次いでスクイズボトルのキャップを取り外すこととなる。この際、消費者が熱収縮性フィルムを適切な場所から開封しないと、その後、粘稠物を消費している間に熱収縮性フィルムがはがれる恐れがある。消費者に所定の位置から開封してもらうためには、開封手段を設けることが効果的である。開封手段を形成する位置は、熱収縮工程後の包装体(図1(d))において境界部33に位置する部分が好ましい。開封手段21は、前述したように、ミシン目、ハーフカット等によるとよい。
尚、従来のオーバーラップ包装に用いられている熱収縮性フィルムは、包装体が開封されると同時に廃棄されるため、本発明の熱収縮性フィルムのように、特定の位置に開封手段を備える必要はない。
第1成形工程は、熱収縮性フィルムを円筒状に成形する工程である。図1(b)では、熱収縮性フィルム2の一端側の内面と他端側の内面とを重ね合わせ、該重ね合わせ部分を外周面にローレットが形成された一対のシールローラー4によって挟み込んでヒートシールし、即ち、合掌貼りして、熱収縮性フィルムを円筒状に成形している。熱収縮性フィルムの印刷部分はヒートシール性に劣る為、第一成形工程は、印刷が施されていない面同士を合掌貼りによりヒートシールすることが望ましい。また合掌貼りされたヒートシール部24は、包装体の美観を損ねないよう、包装体の背面とすることが望ましい。
オーバーラップ工程は、熱収縮性フィルム1によってスクイズボトル3全体を包む工程である。図1(c)に示すオーバーラップ工程では、第1成形工程にて円筒状に成形された熱収縮性フィルム2内に、粘稠物が収納されたスクイズボトル3を挿入し、該スクイズボトル3の前後で熱収縮性フィルムを溶断シール25している。
本発明の包装体を連続生産する場合は、図1(b)に示すように、第1成形工程にて熱収縮性フィルムを円筒状に成形しながら、該熱収縮性フィルム2内にスクイズボトル3を挿入することが望ましい。
熱収縮工程は、熱収縮性フィルム2に熱をかけ、フィルムを収縮させる工程である。本発明の包装体の製造方法を用いると、図1(d)に示すように、スクイズボトル3の全面が熱収縮性フィルム2によって覆われる。熱収縮性フィルムに熱をかける方法は特に限定されないが、シュリンクトンネルと呼ばれる包装機を用いる方法が一般的である。
前述したように、熱収縮工程後の開封手段が直線状となるように、熱収縮前の熱収縮性フィルムに開封手段を設けることは、正確なフィルムの収縮挙動を把握する必要があり困難である。よって開封手段は熱収縮工程後のスクイズボトル包装体に設けることが望ましい。
熱収縮工程後のスクイズボトル包装体に開封手段を設けるには、例えば円状の冶具であって、円内面に数ミリのカッター刃が出る冶具を、スクイズボトル包装体に被せ、カッターを出してミシン目加工すればよい。またミシン目形成用冶具と抑え具の間を、スクイズボトル包装体を回転させながら通しても良い。
第2成形工程は、円筒状の熱収縮性フィルム2の一部を、スクイズボトルの形状に合わせて取り除く工程である。第2成形工程を設けることにより、熱収縮性フィルム2がスクイズボトル3全面において、ボトルに良好に密着することとなる。
第2成形工程後の熱収縮性フィルム2で形成される包装体の容積をVw、スクイズボトルの容積をVsとしたとき、1.05Vw≦Vs≦2.00Vwであることが望ましい。熱収縮性フィルムの容積Vwが前記範囲よりも小さいと、熱収縮性フィルムでスクイズボトルを包装する際に、熱収縮性フィルムがボトルに融着する等した不良品が発生し易くなり、また搬送不良の恐れも高まる。前記範囲よりも大きいと、熱収縮性フィルムがスクイズボトルにフィットしない恐れが生ずる。
図5(b)は溶断シール26が、スクイズボトルの平面視における注出部から胴部まで曲線Mと略相似形をしている。溶断シール26から曲線Mまでの距離γは特に限定されないが、スクイズボトルの平面視における胴部幅δの1/10以上、1/3以下であることが望ましい。γが前記範囲よりも小さいと、熱収縮性フィルムでスクイズボトルを包装する際に、熱収縮性フィルムがボトルに融着する等した不良品が発生し易くなり、また搬送不良の恐れも高まる。前記範囲よりも大きいと、熱収縮性フィルムがスクイズボトルにフィットしない恐れが生ずる。
図5(d)に示す熱収縮性フィルム2は、外周長が極めて短い注出部付近Yのみを略L字状に溶断シール26している。外周長が極めて短い部分の熱収縮性フィルム2を取り除けば、包装体1において熱収縮性フィルム2が良好に密着しないという問題は、はある程度改善される。
2 (熱収縮性)フィルム
21 開封手段
22 線状融着部
23 挟持部
24 ヒートシール部
25 (オーバーラップ工程における)溶断シール
26 (第2成形工程における)溶断シール
3 スクイズボトル
31 キャップ
31T キャップの天面
32 スクイズボトル本体
32B スクイズボトル本体の底部
33 境界部
4 ヒートシールローラー
5 外袋
Claims (9)
- 印刷の施されたフィルムによってキャップ付きブローボトルがオーバーラップ包装された包装体であって、
前記フィルムが前記ブローボトルの全面を覆っており、
前記ブローボトルのボトル本体とキャップの境界に位置する前記フィルムが、開封手段を備えることを特徴とするブローボトル包装体。 - 前記ブローボトルの外周長が短い部分に位置するフィルムが、二つの線状融着部を有し、該線状融着部がブローボトルの長さ方向中心線に対して線対称な位置にあることを特徴とする請求項1記載のブローボトル包装体。
- 前記線状融着部に、開封時に持ち手となる挟持部が形成されていることを特徴とする請求項2記載のブローボトル包装体。
- 前記ブローボトルが、粘稠物が収納されたスクイズボトルであることを特徴とする請求項1乃至3記載のブローボトル包装体。
- 印刷が施された熱収縮性フィルムに開封手段を設ける開封加工工程、
熱収縮性フィルムを円筒状に成形する第1成形工程、
熱収縮性フィルムによってキャップ付きブローボトル全体を包むオーバーラップ工程、
熱収縮性フィルムを熱収縮させる熱収縮工程、を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のブローボトル包装体の製造方法。 - 前記開封加工工程を、熱収縮工程の後に備えることを特徴とする請求項5記載のブローボトル包装体の製造方法。
- 前記熱収縮工程に先立ち、円筒状に成形された熱収縮性フィルムの一部をブローボトルの形状に合わせて取り除く第2成形工程を備えることを特徴とする請求項5または6記載のブローボトル包装体の製造方法。
- 前記第2成形工程において、円筒状に成形された熱収縮性フィルムの一部をブローボトルの形状に合わせて取り除く際に、熱収縮性フィルムを開封する際に持ち手となる挟持部を成形することを特徴とする請求項7記載のブローボトル包装体の製造方法。
- 前記ブローボトルが、粘稠物が収納されたスクイズボトルであることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のブローボトル包装体の製造方法。
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