JP2017121778A - 被覆鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性に優れ、従来の化成・電着処理を施さなくても長期の耐食性にも優れ、かつ、環境にやさしい安価な被覆鋼板を提供すること。【解決手段】本発明に係る被覆鋼板は、鋼板の少なくとも片面上に、バインダー樹脂、亜鉛系金属粉と、Mgを含有する縮合リン酸アルミと、を含有する被膜を有し、前記亜鉛系金属粉の含有量が、前記被膜の全固形分に対して30体積%〜60体積%であり、前記Mgを含有する縮合リン酸アルミの含有量が、前記被膜の全固形分に対して2体積%〜15体積%である。【選択図】なし

Description

本発明は、被覆鋼板に関する。
自動車車体用部材の多くは、鋼板等の金属板を素材とし、例えば、(1)金属板を所定のサイズに切断するブランク工程、(2)ブランクした金属板を油で洗浄する油洗工程、(3)ブランクした金属板をプレス成形する工程、(4)成形材をスポット溶接又は接着等で所望形状の部材に組み立てる接合工程、(5)接合した部材表面のプレス油を脱脂及び洗浄する工程、(6)化成処理工程、及び、(7)電着塗装工程、という多くの工程を経て製造される。また、外板として使われる自動車車体用部材は、更に、例えば、(8)中塗り工程、及び、(9)上塗り工程、等の塗装工程を経るのが一般的である。従って、自動車業界では、製造工程、特に化成処理工程及び塗装工程の省略及び簡略化によるコスト削減のニーズが高い。
また、自動車車体用部材の耐食性は、化成処理工程による化成処理皮膜、及び、その後の電着塗装工程による電着塗膜により確保されていることが多い。しかし、成形材の接合部(板合わせ部)、特に、袋状部材の内面の板合わせ部及び折り曲げヘム部等では、化成処理皮膜及び電着塗装膜の回り込みがない部分が生じることがある。その場合、成形材の接合部分は、裸状態で腐食環境に晒される可能性が高くなる。そのため、ボデーシーラー、アンダーコート、アドヒーシブ、袋部ワックス等の防錆副資材を用いて、成形材の接合部の耐食性を補っている。これらの防錆副資材は、自動車製造コストの増加要因になっているだけでなく、生産性低下、車体重量増加の要因にもなっている。このため、これら防錆副資材を削減しても耐食性が確保できる自動車車体用部材へのニーズが高かった。
これらのニーズに応え、自動車製造時の化成処理工程の省略、電着塗装工程の省略及び簡略化、並びに、副資材の省略及び削減を同時に達成できる表面処理鋼板の研究開発が、盛んに行われてきた。このような表面処理鋼板は、例えば、プレス成形後、スポット溶接等で所望の形状に組み立てられ、その後に電着塗装され、電着塗装が省略される場合は、中塗り塗装される。そのため、プレス成形性を高め、抵抗溶接又は電着塗装ができるように塗膜を導電化し、かつ、耐食性を付与する必要がある。
例えば、以下の特許文献1には、亜鉛粉末を含む樹脂系導電性塗膜を有する合金化亜鉛めっき鋼板であって、高耐食性を有し、溶接可能な合金化亜鉛めっき鋼板が記載されている。この特許文献1には、亜鉛粉末が塗膜中に30〜90質量%含まれるのが好ましく、塗膜厚は2〜30μmが好ましいと記載されている。
また、以下の特許文献2には、クロム化合物を主体とする防錆処理層の上に、3〜59体積%の導電性粉末と防錆顔料とを含む有機樹脂塗膜を、0.5〜20μm厚で被覆した有機複合めっき鋼板であって、耐食性に優れ抵抗溶接可能な有機複合めっき鋼板が記載されている。この特許文献2の実施例には、導電性粉末としてリン化鉄、Fe−Si合金、Fe−Co合金等が用いることが記載されており、耐食性及びスポット溶接性に優れることも記載されている。
また、以下の特許文献3には、耐食性と塗膜密着性とを向上させるクロメート下地処理の上に、リン化鉄を主成分とする25〜45質量%の導電顔料と防錆顔料とを含む有機樹脂層を2〜8μm厚で被覆したNi含有電気亜鉛めっき鋼板であって、耐食性、抵抗溶接性等に優れた自動車補修部品用のNi含有電気亜鉛めっき鋼板が記載されている。この特許文献3の実施例には、水系及び溶剤系の両方の塗料用樹脂が例示され、樹脂被覆層形成用の塗料組成物が水系及び溶剤系のいずれでもよいことが記載されている。
また、以下の特許文献4には、導電性を有し、溶接可能な耐食性皮膜を形成できる金属表面塗装剤として、特定の有機バインダー10〜30質量%と導電性粉末30〜60質量%とを含む水系塗装剤が記載されている。この特許文献4には、水系塗装剤の調製に好適な導電性粉末の例として、亜鉛、アルミニウム、グラファイト、カーボンブラック、硫化モリブデン、及び、リン化鉄が記載されている。
また、以下の特許文献5及び特許文献6には、亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、めっき層との密着性を強化する第一層皮膜を介して、導電性顔料と防錆添加剤とを含む樹脂系第二層皮膜を被覆することによって、優れた耐食性と溶接性を両立させる自動車用有機被覆鋼板が記載されている。これら特許文献5及び特許文献6には、第一層皮膜形成用の塗料組成物として水系が例示されており、第二層皮膜形成用の塗料組成物として水系及び溶剤系の両方が例示されている。また、これら特許文献5及び特許文献6には、膜厚1〜30μmの第二層皮膜中に導電性顔料が5〜70体積%含まれることが記載され、好適な導電性顔料として、金属、合金、導電性炭素、リン化鉄、炭化物、半導体酸化物が例示されている。
また、以下の特許文献7には、導電性粒子として金属及び半金属元素の合金粒子又は化合物粒子と、特定のウレタン系樹脂と、を含む導電性塗膜を有する塗装金属材であって、高耐食性で溶接可能な塗装金属材が記載されている。この特許文献7には、導電性粒子は50質量%以上のSiを含有する合金又は化合物が好ましく、70質量%以上のSiを含有するフェロシリコンがより好ましいと記載されている。
ここで、金属粒子以外の導電性粒子のうち、導電性セラミクス粒子を用いる技術としては、例えば、以下の特許文献8に、コア金属を耐食性金属からなるクラッド層で被覆し、更にその上を、導電材とこれらを結着する任意の樹脂からなる表面処理層で被覆した導電材被覆耐食性金属材料であって、耐食性と導電性に優れた導電材被覆耐食性金属材料が記載されている。この特許文献8には、耐食性金属として、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブ、又は、これらの合金から選ばれる耐食性金属が記載され、導電材として、カーボン材料、導電性セラミクス、金属粉末から選ばれる少なくとも1つ以上の導電材が記載されている。
また、以下の特許文献9には、金属表面に塗布するための導電性で溶接可能な防食組成物であって、該組成物全体に基づいて、(a)(aa)少なくとも1つのエポキシ樹脂、(ab)シアノグアニジン、ベンゾグアナミン及び可塑化尿素樹脂から選ばれる少なくとも1つの硬化剤、(ac)ポリオキシアルキレントリアミン及びエポキシ樹脂/アミンアダクトから選ばれる少なくとも1つのアミンアダクト、を含有する有機バインダー5〜40質量%と、(b)防食顔料0〜15質量%と、(c)粉末化した亜鉛、アルミニウム、黒鉛、硫化モリブデン、カーボンブラック及びリン化鉄から選ばれる導電性顔料40〜70質量%と、(d)溶媒0〜45質量%、及び、必要に応じて、50質量%までの他の活性もしくは補助物質と、を含有し、これらの成分の割合は合計で100質量%になる防食組成物が記載されている。
また、以下の特許文献10には、グリシジル基を有するシランカップリング剤(a1)、テトラアルコキシシラン(a2)、及び、キレート剤(a3)から得られ、加水分解性基を有するシラン化合物(A)と、炭酸ジルコニウム化合物(B)と、バナジン酸化合物(C)と、硝酸化合物(D)と、水と、を含有し、pHが8〜10である表面処理液で表面処理された亜鉛系めっき鋼板が記載されている。
また、以下の特許文献11は、表面粗さ0.2〜3μmRaの鋼帯の少なくとも片面に、本質的にC、H又はC、H、O又はC、H、O、Nからなる有機樹脂の厚み0.1〜6μmの被膜を有し、この有機樹脂被膜が、(a)合計2〜50質量%の少なくとも1種のカップリング剤、(b)合計2〜80質量%のSiO,Fe,Fe,Ni−O,Zr−O,Cr及びAlから選んだ少なくとも1種の金属酸化物、の一方又は両方を含有することを特徴とする、インナー磁気シールド素材が記載されている。
また、以下の特許文献12には、鋼板の表面に、Mg:1〜10質量%、Al:2〜19質量%、Si:0.01〜2質量%含有し、かつ、MgとAlが下式Mg(質量%)+Al(質量%)≦20質量%を満たし、残部がZn及び不可避的不純物よりなるZn合金めっき層を有し、更にその表層に、ジルコニウム化合物をジルコニウムとして10〜30質量%、バナジル化合物をバナジウムとして5〜20質量%含有している皮膜を付着量として少なくとも片面に200〜1200mg/m有することを特徴とする、溶接性及び耐食性に優れるクロメートフリー処理溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板が記載されている。
また、以下の特許文献13には、亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、第1層皮膜として、(α)シリカと、(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる1種以上の金属(但し、化合物及び/又は複合化合物として含まれる場合を含む。)と、(σ)4価のバナジウム化合物と、を含有する表面処理鋼板が記載されている。
また、以下の特許文献14には、鋼板側から順に、金属錫層、還元に要する電気量として0.3〜2.5mC/cmの酸化錫層、Sn、Fe、Al、Mg、Ca、Ti、Ni、Co、Znの1種又は2種以上のリン酸塩又はポリメタリン酸塩をP量として0.1〜5mg/m有する化成処理層を少なくとも有することを特徴とする、缶用めっき鋼板が記載されている。
また、以下の特許文献15には、主樹脂と、硬化剤と、Ni、Co、Mn、Fe、Ti、Cu、Al、Zn、Sn及びFePよりなる群から選択される1種以上の単一金属粉末又はこれらの合金粉末と、を含むコーティング用樹脂金属組成物をコーティングしたプレコート鋼板が記載されている。
また、以下の特許文献16には、金属板、及び、金属板の少なくとも一方の表面上にある塗膜(α)を含む自動車用塗装金属板であって、塗膜(α)が、有機樹脂(A)と、ホウ化物、炭化物、窒化物、ケイ化物の少なくとも1種から選ばれる、25℃の電気抵抗率が0.1×10−6〜185×10−6Ωcmの非酸化物セラミックス粒子(B)と、防錆顔料(C)と、を含む自動車用塗装金属板が記載されている。
また、以下の特許文献17には、冷延鋼板の片面もしくは両面に下塗塗装膜、中塗塗装膜、上塗塗装膜を順次積層した少なくとも3層の塗装膜を有するプレコート鋼板であって、下塗り塗膜中に亜鉛系金属粉を含有し、かつ、中塗塗膜層中にSi、P、V、及びMgの中から選択された少なくとも一つ以上を含む化合物からなる防錆顔料を1種又は複数種含有し、かつ、上塗塗膜層が着色されているプレコート冷延鋼板が記載されている。
特開昭55−17508号公報 特開平9−276788号公報 特開2000−70842号公報 特表2003−513141号公報 特開2005−288730号公報 特開2005−325427号公報 特開2004−42622号公報 特開2003−268567号公報 特表2003−532778号公報 特開2013−60647号公報 特開2004−83922号公報 特開2003−55777号公報 特開2005−154812号公報 特開2007−239004号公報 特表2013−515854号公報 特開2015−91657号公報 特開2010−247347号公報
以上説明したように、自動車部材、機械部材、家電部材、建材等の用途に広く利用される表面処理鋼板は、優れた耐食性が要求されており、めっき及びその上層に形成される表面処理層の耐食性を高める必要がある。更に、上記特許文献1〜特許文献17に記載された技術では、冷延鋼板の端面やカット部から発生する赤錆を長期間抑制する効果は十分ではなく、更なる耐食性の向上が必要であるという課題がある。
上記理由により、これまでの自動車用塗装鋼板の適用については、耐食性がほとんど要求されない部位に限られており、耐食性が要求される部位には、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に脱脂、表面調整、化成処理を施し、電着塗膜を形成する方法が一般的であった。しかしながら、近年の世界的な鉄鋼材料など金属素材の高騰により、より安価な材料が望まれており、更に、鋼板に加え、アルミ合金、炭素繊維強化プラスチック(Carbon−Fiber−Reinforced Plastic:CFRP)などの高強度樹脂を用いた素材との併用を考慮した場合、あらかじめ加工を施し、必要に応じ耐食性を高めるための塗装を施した後、種々の材料を組み立てる従来の電着塗装を省略したプロセスも検討されている。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、加工性に優れ、従来の化成・電着処理を施さなくても長期の耐食性にも優れ、かつ、環境にやさしい安価な被覆鋼板を提供することにある。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)鋼板の少なくとも片面上に、バインダー樹脂、亜鉛系金属粉と、Mgを含有する縮合リン酸アルミと、を含有する被膜を有し、前記亜鉛系金属粉の含有量が、前記被膜の全固形分に対して30体積%〜60体積%であり、前記Mgを含有する縮合リン酸アルミの含有量が、前記被膜の全固形分に対して2体積%〜15体積%である、被覆鋼板。
(2)前記亜鉛系金属粉が、Al、Mg及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種の金属粉を含む亜鉛系金属粉である、(1)に記載の被覆鋼板。
(3)前記被膜が、非酸化物セラミクス粒子を更に含み、前記非酸化物セラミクス粒子の含有量が、前記被膜の全固形分に対して、2.5体積%〜20体積%である、(1)又は(2)に記載の被覆鋼板。
(4)前記非酸化物セラミクス粒子が、Vを含有する非酸化物セラミクス粒子である、(3)に記載の被覆鋼板。
(5)前記Vを含有する非酸化物セラミクス粒子が、一ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)、二ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)、及び、窒化バナジウム粒子(VN粒子)よりなる群から選択される少なくとも1種の非酸化物セラミクス粒子である、(4)に記載の被覆鋼板。
(6)前記Vを含有する非酸化物セラミクス粒子が、二ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)である、請求項(4)又は(5)に記載の被覆鋼板。
(7)前記被膜の膜厚が、1μm〜40μmである、(1)〜(6)の何れか1つに記載の被覆鋼板。
(8)前記鋼板が、冷延鋼板である、(1)〜(7)の何れか1つに記載の被覆鋼板。
(9)前記鋼板が、亜鉛系めっき鋼板、又は、アルミニウム系めっき鋼板である、(1)〜(7)の何れか1つに記載の被覆鋼板。
以上説明したように本発明によれば、加工性に優れ、従来の化成・電着処理を施さなくても長期の耐食性にも優れ、かつ、環境にやさしい安価な被覆鋼板を提供することができる。
以下に、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(被覆鋼板について)
本実施形態に係る被覆鋼板は、鋼板の少なくとも片面上に、バインダー樹脂と、亜鉛系金属粉と、Mgを含有する縮合リン酸アルミと、を含有する被膜を有する。そして、亜鉛系金属粉の含有量は、被膜の全固形分に対して50体積%〜70体積%であり、Mgを含有する縮合リン酸アルミの含有量は、被膜の全固形分に対して5体積%〜10体積%である。
本実施形態に係る被覆鋼板は、上記構成により、加工性に優れ、従来の化成・電着処理を施さなくても長期の耐食性にも優れ、かつ、環境にやさしいものとなり、更には、安価に製造することが可能である。その理由は、次の通り推測される。
一般に、冷延鋼板を基材とする被覆鋼板は、基材である冷延鋼板の錆である赤錆の発生を抑制するために、ジンクリッチペイントのようなものを冷延鋼板に塗布する。なお、ジンクリッチペイントは、JIS K 5553に規定されているように、被膜の大部分が亜鉛末からなり、ごくわずかなバインダーで結合して鉄面に付着させるように構成された塗料であり、亜鉛末の電気防食作用を基本とする塗料である。ジンクリッチペイントの膜厚は50〜75μm程度であって、主として重防食塗装系の下塗りとして使用されており、バインダーの種類によって無機質と有機質とに分けられる。無機質ジンクリッチペイントは、アルキルシリケートをバインダーとしたものであり、有機質ジンクリッチペイントのバインダーは、エポキシ樹脂がほとんどであるが、ゴム系、ポリスチレン樹脂を用いることもある。主たる性能を比較すると、無機質は耐熱性及び防食性に優れており、有機質は施工性に優れている。本発明者らは、このようなジンクリッチペイントを冷延鋼板上に塗布し、耐食性を向上させるために鋭意検討したところ、通常塗装鋼板で求められる加工性を十分に満足しないことを確認した。
また、本発明者らは、加工性の改善のため膜厚の低減及び加工性に優れるポリエステル樹脂並びにウレタン樹脂を用いた場合、長期間の耐食性に劣ることを確認した。前者については、十分な被膜中に十分な亜鉛量が無いために、長期間での耐食性試験で供給可能な亜鉛が不足したためだと推察され、後者については、樹脂種が変わることで亜鉛の供給が抑制されたためだと推察される。
本発明者らは、これらを解決する方法として、Mgを含有する縮合リン酸アルミを亜鉛系金属粉含有のバインダー樹脂に添加することで、従来のジンクリッチペイントや従来のジンクリッチペイントにMgを含有する縮合リン酸アルミを除く防錆顔料を添加した系と比較して、薄膜でも耐食性に優れ、同時に加工性にも優れることを確認した。
つまり、Mgを含有する縮合リン酸アルミは、他の一般的な防錆顔料と比較し、水、塩水等に接触すると顔料の一部が溶出し、リン酸系イオン、Alイオン、Mgイオンを放出することで、赤錆発生を抑制しつつ、同時に溶出した亜鉛イオンと反応し緻密な腐食生成物を形成し、Znの溶出(腐食)を抑制することで、薄膜でも優れた耐食性を有する。
以上から、本実施形態に係る被覆鋼板は、耐食性、及び加工性が共に優れると推察される。つまり、被覆鋼板は、耐食性と加工性の両立が実現されると推定される。
また、本実施形態に係る被覆鋼板は、亜鉛系金属粉を含有するバインダー樹脂に対してMgを含有する縮合リン酸アルミを添加することで、従来のジンクリッチペイントと比較して耐食性が向上することから、樹脂被膜の薄膜化が実現できる。このため、従来のジンクリッチペイントでは膜厚は50〜75μm程度となって、冷延ライン、めっきライン、塗装ラインでの塗装が困難であったが、かかる薄膜化により、各ラインでの塗装が実現できる。また、被膜の薄膜化が可能であることから、従来に比べ、より安価に被覆鋼板を製造することが可能となる。
更に、加工後に塗装が行われるジンクリッチペイントに対し、本実施形態に係る被覆鋼板は、鋼板の状態で塗装を実施することが可能であるため、塗着効率に優れるとともに、塗料を無駄にすることがなく、環境にやさしいものとなる。
なお、本実施形態に係る被覆鋼板において、基材は、冷延鋼板のみに限定されるものではなく、各種のめっき鋼板を基材としてもよい。また、樹脂被膜についても、用途に応じ、基材の両面に形成されていてもよいし、基材の片面のみに形成されていてもよい。また、樹脂被膜は、基材表面の一部に形成されていてもよいし、基材の全面が被覆されていてもよい。樹脂被膜が形成された基材の部位は、耐食性及び加工性が優れる。
以下、本実施形態に係る被覆鋼板について、詳細に説明する。
<鋼板>
本実施形態に係る被覆鋼板の基材となる鋼板としては、冷延鋼板に加え、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板等の周知のめっき鋼板が挙げられる。鋼板は、普通鋼板であっても、クロム等といった各種の添加元素を含有する添加元素含有鋼板であってもよい。ただし、プレス成形する場合、鋼板は、所望の成形加工追従性を備えるように、添加元素の種類及び添加量、並びに、金属組織を適正に制御した鋼板であることが好ましい。
亜鉛系めっき鋼板の亜鉛系めっき層としては、例えば、亜鉛からなるめっき層、亜鉛と、アルミニウム、コバルト、スズ、ニッケル、鉄、クロム、チタン、マグネシウム、及びマンガンの少なくとも1種と、の合金めっき層、更に他の金属元素又は非金属元素を含む種々の亜鉛系合金めっき層(例えば、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム及びシリコンとの4元合金めっき層)が挙げられる。ただし、亜鉛系めっき層は、亜鉛以外の合金成分は、特に限定されない。
なお、これらの亜鉛系めっき層には、更に、少量の異種金属元素又は不純物として、コバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、ビスマス、アンチモン、スズ、銅、カドミウム、ヒ素等を含んでいてもよいし、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を含んでいてもよい。
アルミニウム系めっき鋼板のアルミニウム系めっき層としては、例えば、アルミニウムからなるめっき層、アルミニウムと、シリコン、亜鉛、マグネシウムの少なくとも1種と、の合金めっき層(例えば、アルミニウムとシリコンの合金めっき層、アルミニウムと亜鉛の合金めっき層、アルミニウム、シリコン及びマグネシウムの3元合金めっき層)等が挙げられる。
上記の亜鉛系めっき鋼板やアルミニウム系めっき鋼板は、亜鉛系めっき層又はアルミニウム系めっき層を他の種類のめっき層(例えば鉄めっき層、鉄とリンの合金めっき層、ニッケルめっき層、コバルトめっき層等)と組み合わせた、複層めっき鋼板であってもよい。
上記のようなめっき鋼板におけるめっき層の形成方法は、特に限定されない。例えば、めっき層の形成には、電気めっき、無電解めっき、溶融めっき、蒸着めっき、分散めっき等を利用することが可能である。めっき層の形成は、連続式、バッチ式のいずれであってもよい。また、めっき層形成後に、外観均一処理であるゼロスパングル処理、めっき層の改質処理である焼鈍処理、表面状態又は材質調整のための調質圧延等といった、各種の処理を施してもよい。
<樹脂被膜>
上記のような鋼板上に設けられる樹脂被膜は、バインダー樹脂と、亜鉛系金属粉と、Mgを含有する縮合リン酸アルミと、を含む。また、樹脂被膜は、必要に応じて、上記以外の他の成分を含んでもよい。
[バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、樹脂、及び、架橋構造を有する架橋樹脂の場合には架橋剤を含んでもよい。バインダー樹脂は、亜鉛系金属粉の安定性を考慮して、非水である溶剤系の樹脂(溶剤系樹脂)であることが好ましい。水に溶解又は分散する水溶性又は水分散性の水系樹脂を用いる際は、亜鉛系金属粉を塗装する直前に水系樹脂にブレンドするか、又は、亜鉛系金属粉の表面を有機物又は無機物でコーティングした粉末を用いることで液安定性を向上できるが、製造コストの点から、溶剤系樹脂を用いることが好ましい。
溶剤系樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及び、これら2種以上の樹脂の混合樹脂等といった樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂を用いる場合には、分子量は、10000〜30000であることが好ましい。分子量が10000未満であると、十分な加工性を確保するのが困難になることがある。一方、分子量が30000を超えると、樹脂自体の結合サイトが低下し、基材との間で優れた密着性を確保するのが困難になることがある。また、メラミン等の硬化剤を使用して架橋させる場合、架橋反応が十分に行われず樹脂被膜としての性能が低下することがある。ウレタン樹脂を用いる場合には、ウレタン樹脂のタイプとしては、エーテル系、ポリカーボネイト系、エステル系、アクリルグラファイトタイプ等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、併用してもよい。
一方、水系樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及び、これら2種以上の樹脂の混合樹脂等の水溶性又は水分散性の樹脂が挙げられる。
ここで、樹脂は、架橋構造を有する架橋樹脂であってもよいし、架橋構造を有さない非架橋樹脂であってもよいが、耐食性と加工性の両立の点から、架橋樹脂であることが好ましい。樹脂が溶剤系樹脂である場合、架橋構造を付与する架橋剤(硬化剤)として、具体的には、メラミン、イソシアネート等を用いることが好ましい。また、水系樹脂を用いる場合は、メラミン、イソシアネートに加え、シラン化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物等を用いることが好ましい。
架橋剤の添加量は、樹脂固形分100体積部に対して、5体積部〜50体積部であることが好ましい。架橋剤の添加量が5体積部未満である場合、樹脂との架橋反応が低下し、被膜としての性能が不十分となることがある。一方、架橋剤の添加量が50体積部より多くなる場合、架橋反応が進みすぎて樹脂被膜が過度に硬くなり、加工性が低下することに加え、シラン化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物を用いる場合では、更に塗料安定性が低下することがある。
バインダー樹脂の含有量は、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して、25体積%〜68体積%であることが好ましい。バインダー樹脂の含有量が25体積%未満の場合、バインダーとしての機能が発現せず、樹脂被膜の凝集力が低下し、密着性試験や成形加工を行った際に被膜の内部での破壊(被膜の凝集破壊)が起こりやすくなることがある。一方、バインダー樹脂の含有量が68体積%を超えると、樹脂被膜中に含まれる亜鉛系金属粉やMgを含有する縮合リン酸アルミ成分との比率が小さくなり、耐食性と加工性を両立することが困難となることがある。
バインダー樹脂の含有量は、バインダー機能を発現し、耐食性と加工性とを両立させるという観点から、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して30体積%〜60体積%であることが更に好まく、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して35体積%〜55体積%であることが特に好ましい。
[亜鉛系金属粉]
亜鉛系金属粉としては、一般に公知の金属亜鉛、金属亜鉛とその他の金属とからなる合金、又は、金属間化合物の粉末を用いることができる。純亜鉛粉末は、鋼板に対する犠牲防食効果がより発揮されて、好適である。また、マグネシウム、アルミニウムやシリコンを含む亜鉛−マグネシウム合金粉末、亜鉛−アルミニウム合金粉末であると、耐食性が向上し、より好ましい。更に、亜鉛−アルミニウム−シリコン合金粉末、亜鉛−マグネシウム−アルミニウム合金粉末、亜鉛−マグネシウム−アルミニウム−シリコン合金粉末であると、より耐食性が向上し、より好ましい。
被膜中に含まれる亜鉛系金属粉の含有量は、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して30体積%〜60体積%である。亜鉛系金属粉の含有量が30体積%未満である場合、鋼板に対して犠牲防食効果を十分に発揮せず、耐食性が低下することがある。一方、亜鉛系金属粉の含有量が60体積%超である場合、被膜中のバインダー比率が低下し、バインダーとしての機能が発現せず、樹脂被膜の凝集力が低下し、密着性試験や成形加工を行った際に被膜の内部での破壊(被膜の凝集破壊)が起こりやすくなることがある。亜鉛金属粉の含有量は、バインダー機能を発現し、耐食性と加工性を両立させるという観点から、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して35体積%〜57.5体積%であることがより好ましいく、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して40体積%〜55体積%であることが更に好ましい。
[Mgを含有する縮合リン酸アルミ]
Mgを含有する縮合リン酸アルミとしては、トリポリリン酸二水素アルミのマグネシウム処理物、トリポリリン酸アルミの酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム混合物等が挙げられる。樹脂被膜中に、Mgを含有する縮合リン酸アルミを含むことで、亜鉛金属粉の亜鉛とMg、縮合リン酸アルミと、が反応し、Zn−Mg、Zn−リン酸化合物の複合酸化物や複合化合物を形成することにより、優れた耐食性を有すると推測される。
なお、一般に使用される防錆顔料として、トリポリリン酸二水素アルミ、リン酸及び亜リン酸のZn、Mg、Al、Ti、Zr、Ce塩、Caイオン交換シリカ、並びに、吸油量100〜1000ml/100g、比表面積200〜1000m/g、平均粒径2〜30μmの非晶質シリカ等やこれらをブレンドした系が挙げられるが、これらの防錆顔料では、上記の効果が十分に得られず、良好な耐食性を得られないことがある。
被膜中に含まれるMgを含有する縮合リン酸アルミの含有量は、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して2体積%〜15体積%である。Mgを含有する縮合リン酸アルミの含有量が2体積%未満である場合、亜鉛金属粉に対する絶対量が不足するため、難溶性の複合化合物を形成することが困難となり、耐食性が低下することがある。一方、Mgを含有する縮合リン酸アルミの含有量が15体積%超である場合、被膜中のバインダー比率が低下し、バインダーとしての機能が発現せず、樹脂被膜の凝集力が低下し、密着性試験や成形加工を行った際に被膜の内部での破壊(被膜の凝集破壊)が起こりやすくなることがある。亜鉛金属粉の含有量は、バインダー機能を発現し、耐食性と加工性を両立させるという観点から、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して5体積%〜10体積%であることがより好ましい。
[非酸化物セラミクス粒子]
本実施形態に係る樹脂被膜は、上記の各成分に加えて、更に非酸化物セラミクス粒子を含有することがより好ましい。以下、かかる非酸化物セラミクス粒子について説明する。
非酸化物セラミクス粒子は、25℃の電気抵抗率(体積抵抗率、比抵抗)が0.1×10−6Ωcm〜185×10−6Ωcmの範囲にある非酸化物セラミクス(ホウ化物セラミクス、炭化物セラミクス、窒化物セラミクス、ケイ化物セラミクス等)がよい。
ここで、非酸化物セラミクスとは、酸素を含まない元素又は化合物からなるセラミクスである。また、ホウ化物セラミクス、炭化物セラミクス、窒化物セラミクス、及び、ケイ化物セラミクスとは、それぞれ、ホウ素B、炭素C、窒素N、ケイ素Siを主要な非金属構成元素とする非酸化物セラミクスのことである。これらのセラミクスは、いずれも25℃の電気抵抗率が185×10−6Ωcm以下である非酸化物セラミクスである。
非酸化物セラミクス粒子は、高い導電性を有するため、樹脂被膜に十分な導電性を付与するための含有量が、より少量でよい。その結果、被覆鋼板の耐食性及び成形性への悪影響がより少なくなる。なお、参考までに、純金属の電気抵抗率は、1.6×10−6Ωcm(Ag単体)〜185×10−6Ωcm(Mn単体)の範囲にあり、電気抵抗率が0.1×10−6〜185×10−6Ωcmの範囲にある非酸化物セラミクスは、純金属と同程度の優れた導電性を持つことがわかる。
ここで、非酸化物セラミクス粒子としては、以下が例示される。
ホウ化物セラミクス粒子としては、周期律表の第IV族(Ti、Zr、Hf)、第V族(V、Nb、Ta)、第VI族(Cr、Mo、W)の各遷移金属、Mn、Fe、Co、Ni、希土類元素、又は、Be及びMg以外の第II族(Ca、Sr、Ba)のホウ化物セラミクス粒子が例示される。
ただし、Beのホウ化物セラミクス粒子のうち、25℃に於ける電気抵抗率が185×10−6Ωcmを超えるセラミクス(例えば、BeB、BeB等)粒子は、導電性能が低く、溶接性が低下することがある。また、Mgのホウ化物セラミクス(Mg、MgB等)粒子は、水又は酸に対し安定性が低く、溶接性が低下することがある。
炭化物セラミクス粒子としては、周期律表の第IV族(Ti、Zr、Hf)、第V族(V、Nb、Ta)、VI族(Cr、Mo、W)の各遷移金属、又は、Mn、Fe、Co、Niの炭化物セラミクス粒子が例示される。なお、希土類元素及び第II族の炭化物セラミクス(例えば、YC、LaC、CeC、PrC、BeC、Mg、SrC等)粒子は、湿潤雰囲気下で加水分解し易く、溶接性が低下することがある。
窒化物セラミクス粒子としては、周期律表の第IV族(Ti、Zr、Hf)、第V族(V、Nb、Ta)、第VI族(Cr、Mo、W)の各遷移金属、又は、Mn、Fe、Co、Niの窒化物セラミクス粒子が例示される。なお、希土類元素及び第II族の窒化物(例えば、LaN、Mg、Ca等)粒子は、湿潤雰囲気下で加水分解し易く、溶接性が低下することがある。
ケイ化物セラミクス粒子としては、周期律表のIV族(Ti、Zr、Hf)、V族(V、Nb、Ta)、VI族(Cr、Mo、W)の各遷移金属、又は、Mn、Fe、Co、Niのケイ化物粒子が例示される。なお、希土類元素及び第II族のケイ化物(例えば、LaSi、MgSi、SrSi、BaSi等)粒子は、湿潤雰囲気下で水と反応し水素を発生し易く、溶接性が低下することがある。
その他、非酸化物セラミクス粒子としては、これらホウ化物セラミクス、炭化物セラミクス、窒化物セラミクス、及び、ケイ化物セラミクスよりなる群から選択される2種以上の混合物の粒子、これらのセラミクスを金属の結合材と混合して焼結したサーメット粒子等が例示される。
更に、非酸化物セラミクス粒子は、工業製品の有無、並びに、国内外市場での安定流通性、価格、及び電気抵抗率等の観点から、次に例示する非酸化物セラミクスがより好ましい。即ち、非酸化物セラミクス粒子は、以下に例示する粒子、及び、以下に例示する粒子から選ばれる2種以上の混合物の粒子であることがより好ましい。なお、以下に例示する粒子の記載において、括弧内に記載した数値は、各非酸化物セラミクス粒子の電気抵抗率である。
BaB(77×10−6Ωcm)、CeB(30×10−6Ωcm)、CoB(33×10−6Ωcm)、CoB(76×10−6Ωcm)、FeB(80×10−6Ωcm)、GdB(31×10−6Ωcm)、GdB(45×10−6Ωcm)、LaB(12×10−6Ωcm)、LaB(15×10−6Ωcm)、MoB(40×10−6Ωcm)、MoB(35×10−6Ωcm)、MoB(45×10−6Ωcm)、Mo(26×10−6Ωcm)、Nb(45×10−6Ωcm)、NbB(6.5×10−6Ωcm)、Nb(34×10−6Ωcm)、NbB(10×10−6Ωcm)、NdB(39×10−6Ωcm)、NdB(20×10−6Ωcm)、PrB(40×10−6Ωcm)、PrB(20×10−6Ωcm)、SrB(77×10−6Ωcm)、TaB(100×10−6Ωcm)、TaB(100×10−6Ωcm)、TiB(40×10−6Ωcm)、TiB(28×10−6Ωcm)、VB(35×10−6Ωcm)、VB(150×10−6Ωcm)、W(80×10−6Ωcm)、YB(29×10−6Ωcm)、YB(40×10−6Ωcm)、YB12(95×10−6Ωcm)、ZrB(60×10−6Ωcm)、MoC(97×10−6Ωcm)、MoC(100×10−6Ωcm)、NbC(144×10−6Ωcm)、NbC(74×10−6Ωcm)、TaC(49×10−6Ωcm)、TaC(30×10−6Ωcm)、TiC(180×10−6Ωcm)、VC(140×10−6Ωcm)、VC(150×10−6Ωcm)、WC(80×10−6Ωcm)、WC(80×10−6Ωcm)、ZrC(70×10−6Ωcm)、MoN(20×10−6Ωcm)、NbN(142×10−6Ωcm)、NbN(54×10−6Ωcm)、ScN(25×10−6Ωcm)、TaN(135×10−6Ωcm)、TiN(22×10−6Ωcm)、VN(160×10−6Ωcm)、ZrN(14×10−6Ωcm)、CoSi(18×10−6Ωcm)、MoSi(22×10−6Ωcm)、MoSi(46×10−6Ωcm)、MoSi(22×10−6Ωcm)、NbSi(6.3×10−6Ωcm)、NiSi(20×10−6Ωcm)、TaSi(124×10−6Ωcm)、TaSi(8.5×10−6Ωcm)、TiSi(63×10−6Ωcm)、TiSi(123×10−6Ωcm)、VSi(115×10−6Ωcm)、VSi(9.5×10−6Ωcm)、WSi(93×10−6Ωcm)、WSi(33×10−6Ωcm)、ZrSi(49×10−6Ωcm)、ZrSi(76×10−6Ωcm)
なお、例示した非酸化物セラミクスの括弧内に付記した電気抵抗率は、工業用素材として販売され使用されているものの代表値(文献値)である。これらの電気抵抗率は、非酸化物セラミクスの結晶格子に入り込んだ不純物元素の種類及び量により増減する。このため、例えば、(株)三菱化学アナリテック製の抵抗率計ロレスタEP(MCP−T360型)とESPプローブ(端子の平頭部の直径2mm)とによる4端子4探針法を利用した定電流印加方式で、JIS K 7194に準拠して25℃の電気抵抗率を実測し、0.1×10−6〜185×10−6Ωcmの範囲にあることを確認してから使用することがよい。
これらの非酸化物セラミクスの中で、バナジウムVを含有する非酸化物粒子が、耐食性の観点でより好ましい。Vを含有する非酸化物セラミクス粒子は、導電性が高い一方で、水、塩水等に接触すると顔料の一部が溶出し、Vイオンを放出することで、クロムフリー表面処理鋼板及び被覆鋼板に用いられているV系化合物及びV系防錆顔料と同様に、優れた防錆効果を発現する。このため、Vを含有する非酸化物セラミクス粒子により、樹脂被膜の溶接性が高まると共に、樹脂被膜自体の耐食性が高まる。ここで、Vを含有する非酸化物セラミクスとは、酸素を含まない元素又は化合物からなるセラミクスである。また、ホウ化物セラミクス、炭化物セラミクス、窒化物セラミクス、及びケイ化物セラミクスとは、それぞれ、ホウ素B、炭素C、窒素N、ケイ素Siを主要な非金属構成元素とするVを含有する非酸化物セラミクスのことである。これらのセラミクスは、いずれも25℃の電気抵抗率が185×10−6Ωcm未満の非酸化物セラミクスである。
Vを含有する非酸化物セラミクス粒子としては、例えば、VB、VB、VC、VC、VN、VSi、VSiよりなる群から選択される粒子の少なくとも1種が挙げられる。
Vを含有する非酸化物セラミクス粒子の中でも、一ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)、二ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)、窒化バナジウム粒子(VN粒子)は、Vイオンの溶出が多く、防錆効果も非常に良好であると共に、導電顔料としても非常に低い抵抗値を示す点で、より好ましい。
そして、電着塗装前の耐食性向上という観点から、二ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)が特に好ましい。二ホウ化バナジウム粒子を導電顔料に適用することで、電着塗装前の耐食性と溶接性とを更に高めることが可能となる。この理由は、1)二ホウ化バナジウム粒子のVイオンの溶出量が多い、2)放出されるVイオンだけでなく、Bイオンも耐食性へ影響を与えている、3)溶出されるVイオンの価数が耐食性へ影響を与えている、と推測されるためである。
ここで、これらVを含有する非酸化物セラミクス粒子とは、樹脂被膜形成用の組成物中に溶解した状態(例えば、酸化チタンの場合チタンキレート等の状態)で存在するのではなく、一次粒子として数μm以上の固体で組成物中に分散した状態で存在するVを含有する、非酸化物を主体とする物質を意味する。
Vを含有する非酸化物セラミクス粒子の平均粒径は、0.5μm〜10μmであることが好ましい。Vを含有する非酸化物セラミクス粒子の平均粒径が0.5μm未満である場合、入手し難く、コスト面で不利であると共に、スポット溶接時に樹脂被膜の抵抗が高くなり、スポット溶接性が低下することがある。一方、Vを含有する非酸化物セラミクス粒子の平均粒径が10μmを超える場合、樹脂被膜中に占めるVを含有する非酸化物セラミクス粒子の表面積が小さくなって存在比率が減少するため、良好な電着塗装前の耐食性が得られ難くなることがある。
Vを含有する非酸化物セラミクス粒子の平均粒径は、電着塗装前の耐食性と溶接性とを更に向上するという観点から、1μm以上5μm以下であることがより好ましい。その際、0.5μm〜10μmの範囲内で、粒径の異なるVを含有する非酸化物セラミクス粒子をブレンドして用いることで、更に良好な電着塗装前の耐食性及び溶接性を発現することができる。なお、Vを含有する非酸化物セラミクス粒子は、小粒径になるほど耐食性が向上し、大粒径になるほど導電性が向上する。
ここで、非酸化物セラミクス粒子の「平均粒径」とは、樹脂被膜中に存在するVを含有する非酸化物セラミクス粒子が単独で存在する場合は、平均1次粒径を指し、Vを含有する非酸化物セラミクス粒子同士が凝集して存在する場合は、凝集時の酸化物粒子の粒径を表す平均2次粒径を意味する。かかる非酸化物セラミクスの平均粒径は、次の計測方法で求めることが好ましい。
まず、樹脂被膜が形成された被覆鋼板を切断してその断面を露出させ、その断面をさらに研摩する。こうして得られた断面を電子顕微鏡で観察して、樹脂被膜中の断面の観察像を得る。その観察像の視野に存在する非酸化物セラミクス粒子から数個を選び出し、それぞれの非酸化物セラミクス粒子の長辺長さと短辺長さを測定し、これら長辺長さの平均値と短辺長さの平均値を算出し、更にこれらを平均して、平均粒径を算出する。
なお、平均粒径の数値は、計測方法によって若干変動する。平均粒径の数値は、例えば、粒度分布計を用いる場合には測定原理によって変動しうるものであり、画像解析の場合には画像処理方法によって変動しうるものである。しかしながら、本明細書において規定される酸化物粒子の粒径の範囲は、こうした変動を考慮したものであり、いずれの方法によって得られた粒径であっても、本明細書に規定される範囲であれば、所期の効果を得ることが安定的に実現される。
次に、非酸化物セラミクス粒子の含有量について説明する。
非酸化物セラミクス粒子の含有量は、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して2.5体積%〜20体積%であることが好ましい。非酸化物セラミクス粒子の含有量が2.5体積%未満である場合には、電着塗装前の耐食性及び溶接性が十分に得られないことがある。一方、Vを含有する非酸化物セラミクス粒子の含有量が20体積%を超える場合には、樹脂被膜中のバインダー樹脂の比率の低下に伴い樹脂被膜の凝集力が低下し、その結果、加工性及び塗装の密着性が低下することがある。非酸化物セラミクス粒子の含有量は、耐食性、加工性及び溶接性等の観点から、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して5体積%〜15体積%であることがより好ましい。
[その他の添加剤]
本実施形態に係る樹脂被膜は、上記他の成分以外に、その他の添加剤を更に含んでもよい。その他の添加剤としては、例えば、体質顔料、固体潤滑剤、レベリング剤等の周知の添加剤が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等が挙げられる。
固体潤滑剤は、樹脂被膜に優れた潤滑性を付与することができると共に、耐パウダリング性を改善することができる。固体潤滑剤としては、例えば、下記(1)〜(2)の固体潤滑剤が挙げられる。
(1)ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス:例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素等
(2)フッ素樹脂系ワックス:例えば、ポリフルオロエチレン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂等)、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等
固体潤滑剤としてポリエチレンワックスを用いる場合、平均粒径は、0.5μm〜10μmであることが好ましい。ポリエチレンワックスの平均粒径が0.5μm未満である場合、ポリエチレンワックスの表面濃化により、樹脂被膜の表層に占めるポリエチレンワックスの占有面積が多くなり易く、樹脂被膜と電着塗装膜との密着性が低下することがある。一方で、固体潤滑剤の平均粒径が10μmを超える場合、樹脂被膜からポリエチレンワックスの脱落が生じ易くなり、所定の潤滑性が得られ難く、電着塗装後の耐食性が低下することがある。固体潤滑剤の平均粒径は、優れた樹脂被膜と電着塗装膜との密着性、電着塗装後の耐食性、潤滑性及び耐パウダリング性を得るという観点から、1μm〜5μmであることがより好ましい。
固体潤滑剤の軟化点は、100℃〜135℃であることが好ましく、110℃〜130℃であることがより好ましい。固体潤滑剤の軟化点を100℃〜135℃にすることで、潤滑性及び耐パウダリング性が更に向上する。
固体潤滑剤の含有量は、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して0.02体積%〜2.0体積%であることが好ましい。固体潤滑剤の含有量が0.02体積%未満である場合、潤滑性が十分に得られないことがある。固体潤滑剤の含有量が2.0体積%を超える場合、樹脂被膜と上塗塗装膜との密着性及び耐食性が低下することがある。固体潤滑剤の含有量は、樹脂被膜と電着塗装膜との密着性、潤滑性及び耐食性の観点から、樹脂被膜(被膜の全固形分)に対して0.1体積%〜1.0体積%であることがより好ましい。
[被膜中の顔料の含有量の算出方法]
被膜中に含有されるZn系金属粉、Mg含有縮合リン酸アルミニウム、その他添加剤が顔料の際の含有量の測定方法としては、被膜のバインダー成分を特定の溶剤を用い溶解し、残渣として上記Zn金属粉、Mg含有縮合リン酸アルミニウム、その他添加剤を抽出し分析する方法や、被覆鋼板の断面分析より算出する方法が例示される。
被覆鋼板の断面分析より算出する方法としては、上記被覆鋼板を切断し、その被膜断面を露出させ、その断面をさらに研磨する。こうして得られた断面を電子顕微鏡で観察して、被膜中の断面観察像を得る。
その観察像の視野に存在するZn系金属粉、Mg含有縮合リン酸アルミニウム、その他添加剤をそれぞれ数点選び出し、長辺長さと短辺長さを測定し、これら長辺長さの平均値と短辺長さの平均値を算出し、更にこれらを平均して、それぞれの顔料の平均粒径を算出する。
次に、観察視野に存在するZn系金属粉、Mg含有縮合リン酸アルミニウム、その他添加剤のそれぞれの個数を測定し、測定断面におけるZn系金属粉、Mg含有縮合リン酸アルミニウム、その他添加剤ならびにバインダー成分の占有断面積を求める。
その後、更に断面を研磨し、上述した作業を繰り返し、占有断面積を求め、5断面におけるZn系金属粉、Mg含有縮合リン酸アルミニウム、その他添加剤ならびにバインダー成分の占有断面積より含有量を測定する。
なお、含有量の数値は、計測方法によって若干変動する。含有量の数値は、例えば、粒度分布計を用い、平均粒径を算出し上述した手法を用いる場合には測定原理によって変動し得るものであり、画像解析の場合には画像処理方法によって変動し得るものである。しかし、本明細書において規定される含有量の範囲は、こうした変動を考慮したものであり、いずれの方法によって得られた含有量であっても、本明細書に規定される範囲であれば、所期の効果を得ることが安定的に実現される。
<樹脂被膜の膜厚>
樹脂被膜の膜厚は、1μm〜40μmであることが好ましい。樹脂被膜の膜厚が1μm未満である場合、耐食性が十分に得られないことがある。一方、樹脂被膜の膜厚が40μmを超える場合、被膜の凝集力の低下によって、加工性及び被膜密着性が十分に得られないことがある。樹脂被膜の膜厚は、耐食性、加工性及び被膜密着性の観点から、2μm〜35μmであることがより好ましく、3μm〜30μmであることが更に好ましく、5μm〜25μmであることが特に好ましい。
<樹脂被膜の形成>
樹脂被膜の形成方法は、特に制限はなく、周知の方法を利用できる。例えば、バインダー樹脂と、亜鉛系金属粉と、Mgを含有する縮合リン酸アルミと、必要に応じて、他の成分及びその他添加剤とを、溶剤に混合した樹脂被膜形成用の組成物を得るか、又は、無溶剤の樹脂に混合して、樹脂被膜形成用の組成物を得る。この際、溶剤は、有機溶剤であってもよいし、水であってもよいが、製造コスト、樹脂被膜形成用の組成物の点から、有機溶剤であることがよい。つまり、樹脂被膜形成用の組成物は、溶剤系組成物であることがよい。そして、得られた樹脂被膜形成用の組成物を、めっき鋼板の少なくも片面上に塗布し、乾燥、加熱することで、樹脂被膜を形成する。樹脂被膜を形成する際の乾燥・加熱条件についても、特に制限されるものではなく、用いた溶剤等に応じて、最高到達温度や加熱時間等の条件を、適宜決定すればよい。
<被覆鋼板のその他の態様>
本実施形態に係る被覆鋼板は、めっき鋼板と樹脂被膜との間に、樹脂被膜のめっき鋼板への密着性及び耐食性等を更に改善する、下地処理皮膜等の周知の機能膜が介在していてもよい。
下地処理皮膜としては、クロメート処理皮膜ではなく、クロムを実質的に含有しない下地処理皮膜(クロメートフリー処理皮膜)がある。クロメートフリー処理液の代表例は、液相シリカ、気相シリカ、ケイ酸塩等のケイ素化合物を主皮膜成分とするシリカ系処理液、及び、ジルコン系化合物を主皮膜成分とするジルコン系処理液が挙げられる。これら処理液は、主皮膜成分と共に有機樹脂を共存させた処理液であってもよい。なお、クロメートフリー処理液は、シリカ系処理液、及びジルコン系処理液に限られるものではない。クロメートフリー処理液は、シリカ系処理液及びジルコン系処理液以外にも、塗装下地処理に使用するための各種のクロムフリー処理液が提案されており、また、今後も提案されることが予想される。そのようなクロムフリー処理液を使用することも可能である。
下地処理皮膜の付着量は、使用する処理液に応じて、適当な付着量を選択すればよい。例えば、シリカ系処理液による下地処理皮膜の場合、付着量は、通常、Si換算で1mg/m〜20mg/mの範囲内であることが好ましい。
以上、本実施形態に係る被覆鋼板について、詳細に説明した。
以下では、実施例を挙げながら、本発明を更に具体的に説明する。ただし、以下に示すこれら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(被覆鋼板の製造)
<1.基材鋼板の準備>
以下に示す6種の冷延鋼板及びめっき鋼板を準備し、水系アルカリ脱脂剤(日本パーカライジング(株)製FC−301)の2.5質量%、40℃水溶液に対し、それぞれの鋼板を2分間浸漬して表面を脱脂した後、水洗、乾燥して塗装用の鋼板とした。
・CR:冷延鋼板(板厚0.8mmt)
・EG:電気亜鉛めっき鋼板(板厚0.8mm、めっき付着量40g/m
・ZL:電気Zn−10質量%Ni合金めっき鋼板(板厚0.8mm、めっき付着量40g/m
・GI:溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.8mm、めっき付着量60g/m
・GA:合金化溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.8mm、10質量%Fe、めっき付着量45g/m
・AL:溶融Alめっき鋼板(板厚0.8mm、めっき付着量40g/m
<2.下地処理皮膜の製膜>
次に、以下に示す2種の下地処理皮膜形成用の組成物を準備した。これらの組成物を、皮膜厚0.08μmになるように上記の鋼板にバーコートした後、熱風炉にて金属表面到達温度70℃で乾燥し、風乾することで、下地処理皮膜を上記の鋼板の表面に形成した。
・p1:Zr化合物、シランカップリング剤、シリカ微粒子からなる水系塗装用組成物
・p2:ポリエステル樹脂、シリカ微粒子、シランカップリング剤からなる水系塗装用組成物
<3.樹脂被膜の製膜>
次に、表1に示される組成となる樹脂被膜を形成するため、表1と同様の固形分濃度となるように各成分を混合し、樹脂被膜形成用の組成物を準備した。その後、表2に従って、得られた組成物を上記の鋼板上にバーコータで塗布し、最高到達温度が210℃となる条件でオーブンを用いて乾燥することにより、樹脂被膜を形成した。樹脂被膜の膜厚は、組成物中の固形分(不揮発分)の膜厚が表2に示される数値になるように、組成物の希釈及びバーコータの番手により調整した。
なお、表1において、各成分の固形分濃度は、組成物全体の固形分(不揮発分)に対する各成分の固形分(不揮発分)の比率(単位:体積%、片面当たりの値である。)として記載した。
表1中の各成分(記号)の詳細は、以下の通りである。
(A)バインダー樹脂
・P1:溶剤系ポリエステル樹脂(東洋紡社製 バイロン 290(分子量22000))+メラミン樹脂(サイメル社製 サイメル325)を体積比率70:30比率でブレンド
・P2:溶剤系ポリエステル樹脂(東洋紡社製 バイロン 290(分子量22000))+メラミン樹脂(サイメル社製 サイメル325)を体積比率70:30比率でブレンド
・P3:溶剤系ポリエステル樹脂(東洋紡社製 バイロン 290(分子量22000))+メラミン樹脂(サイメル社製 サイメル325)を体積比率70:30比率でブレンド
・P4:溶剤系ポリエステル樹脂(東洋紡社製 バイロン 296(分子量14000))+メラミン樹脂(サイメル社製 サイメル325)を体積比率70:30比率でブレンド
・P5:溶剤系ポリエステル−メラミンクリア塗料(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製)NK1250SC 耐汚染性クリア塗料)
・U1:溶剤系ウレタン樹脂(コベストロ社製アルキノール2013(末端水酸基型ポリエステル、主剤樹脂)と同社製ポリイソシアネート(HMDI、架橋剤)を体積比率60:40比率でブレンド)
・U2:水系ウレタン樹脂(第一工業製薬社製スーパーフレックス620)
・U3:水系ウレタン樹脂(第一工業製薬社製スーパーフレックス620)+炭酸ジルコニウムアンモニウムを体積比率90:10比率でブレンド
・U4:水系ウレタン樹脂(第一工業製薬社製スーパーフレックス620)+γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを体積比率90:10比率でブレンド
なお、上記バインダー樹脂の比重は、すべて1.4g/cmとした。
(B)亜鉛系金属粉
・Z1:試薬の金属亜鉛粉を粉砕機にて更に粉砕し、ふるい及び分級機にて得た平均粒径が3μmの亜鉛系金属粉
・Z2:試薬の金属亜鉛粉を粉砕機にて更に粉砕し、ふるい及び分級機にて得た平均粒径が3μmの亜鉛系金属粉を、十分な量のシランカップリング剤(日美商事社製サイラエースS510)中に入れ、常温で1時間撹拌後にろ過して採取した、表面処理を施した亜鉛系金属粉
・ZA1:試薬の金属亜鉛粉と金属アルミニウムを質量比率95:5でブレンドしたものを粉砕機にて更に粉砕し、ふるい及び分級機にて得た平均粒径が3μmの亜鉛系金属粉
・ZA2:試薬の金属亜鉛粉と金属アルミニウムを質量比率45:55でブレンドしたものを粉砕機にて更に粉砕し、ふるい及び分級機にて得た平均粒径が3μmの亜鉛系金属粉
・ZM:試薬の金属亜鉛粉と金属マグネシウムを質量比率95:5でブレンドしたものを粉砕機にて更に粉砕し、ふるい及び分級機にて得た平均粒径が3μmの亜鉛系金属粉
・ZS:試薬の金属亜鉛粉と金属シリコンを質量比率95:5でブレンドしたものを粉砕機にて更に粉砕し、ふるい及び分級機にて得た平均粒径が3μmの亜鉛系金属粉
・ZAM:試薬の金属亜鉛粉、金属アルミニウムと金属マグネシウムを質量比率86:11:3でブレンドしたものを粉砕機にて更に粉砕し、ふるい及び分級機にて得た平均粒径が3μmの亜鉛系金属粉
・ZAMS1:試薬の金属亜鉛粉、金属アルミニウム、金属マグネシウム、金属シリコンを質量比率85.8:11:3:0.2でブレンドしたものを粉砕機にて更に粉砕し、ふるい及び分級機にて得た平均粒径が3μmの亜鉛系金属粉
・ZAMS2:試薬の金属亜鉛粉、金属アルミニウム、金属マグネシウム、金属シリコンを質量比率50:40:9:1でブレンドしたものを粉砕機にて更に粉砕し、ふるい及び分級機にて得た平均粒径が3μmの亜鉛系金属粉
上記亜鉛系金属粉の比重は、金属亜鉛粉の比重=7.14g/cm、金属アルミニウムの比重2.7g/cm、金属マグネシウムの比重1.74g/cm、金属シリコンの比重2.33g/cmを基に、それぞれの混合比率により算出した。
(C)防錆顔料
・PAM1:トリポリリン酸二水素アルミ(Mgコーティング)(テイカ製縮合リン酸アルミG105)(平均粒径1μm〜3μm、比重=2.6)
・PAM2:トリポリリン酸二水素アルミ(Mgコーティング)(テイカ製縮合リン酸アルミ#450H)(平均粒径1μm〜3μm、比重=2.2)
・PAM3:トリポリリン酸二水素アルミ(Mgコーティングなし)(テイカ製縮合リン酸アルミ#105)(平均粒径1μm〜3μm、比重=3.0)と水酸化マグネシウム(市販品、比重2.4)を質量比率95:5でブレンドしたMg含有トリポリリン酸二水素アルミ
・PAM4:トリポリリン酸二水素アルミ(Mgコーティングなし)(テイカ製縮合リン酸アルミ#105)(平均粒径1μm〜3μm、比重=3.0)と水酸化マグネシウム(市販品、比重2.4)を質量比率90:10でブレンドしたMg含有トリポリリン酸二水素アルミ
・PAM5:トリポリリン酸二水素アルミ(Mgコーティングなし)(テイカ製縮合リン酸アルミ#105)(平均粒径1μm〜3μm、比重=3.0)と水酸化マグネシウム(市販品、比重2.4)を質量比率85:15でブレンドしたMg含有トリポリリン酸二水素アルミ
・PAM6:トリポリリン酸二水素アルミ(Mgコーティングなし)(テイカ製縮合リン酸アルミ#105)(平均粒径1μm〜3μm、比重=3.0)と水酸化マグネシウム(市販品、比重2.4)を質量比率80:20でブレンドしたMg含有トリポリリン酸二水素アルミ
・PAM7:トリポリリン酸二水素アルミ(Mgコーティングなし)(テイカ製縮合リン酸アルミ#105)(平均粒径1μm〜3μm、比重=3.0)と酸化マグネシウム(市販品、比重3.7)を質量比率90:10でブレンドしたMg含有トリポリリン酸二水素アルミ
・PA:トリポリリン酸二水素アルミ(Mgコーティングなし)(テイカ製縮合リン酸アルミ#105)(平均粒径1μm〜3μm、比重=3.0)
・PM:リン酸マグネシウム(平均粒径1μm〜3μm、比重=2.1)
・SC:カルシウムイオン交換シリカ(平均粒径1μm〜3μm、比重=2.3)
・Si:シリカ(吸油量100〜1000ml/100g、比表面積200〜1000m/g、平均粒径1μm〜30μmの非晶質シリカ、比重=2.2)(富士シリシア製サイロマスク02)
(D)非酸化物セラミクス粒子
・VB2:二ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)(平均粒径1μm〜3μm、比重=5.1g/cm
・VC:炭化バナジウム粒子(平均粒径1μm〜3μm、比重=5.8g/cm
・VN:窒化バナジウム粒子(平均粒径1μm〜3μm、比重=6.1g/cm
・TN:窒化チタン粒子(平均粒径1μm〜3μm、比重=6g/cm
(E)その他の添加剤
・WAX1:ポリエチレンワックス(三井化学(株)ケミパールS650)(平均粒径=0.1μm未満、軟化点55℃)
・WAX2:ポリエチレンワックス(三井化学(株)ケミパールS120)(平均粒径=0.5μm、軟化点60℃)
・WAX3:ポリエチレンワックス(三井化学(株)ケミパールW700)(平均粒径=1.0μm、軟化点132℃)
・WAX4:ポリエチレンワックス(三井化学(株)ケミパールW400)(平均粒径=4.0μm、軟化点110℃)
・WAX5:ポリエチレンワックス(三井化学(株)ケミパールW310)(平均粒径=9.5μm、軟化点132℃)
<4.被覆鋼板の製造>
表1の記載、及び上記各操作方法に従って、鋼板上に、下地処理皮膜、樹脂被膜を形成し、各サンプルNo.の被覆鋼板を製造した。
<5.被覆鋼板の評価方法>
以上のようにして製造した各被覆鋼板を、以下に示した耐食性、加工性及び溶接性の各観点から評価した。得られた結果を、以下の表2にまとめて示した。
[耐食性試験]
上記にて作製した被覆鋼板を、所定サイズに切断し、中央部にクロスカットを施し、端面をテープシールしたサンプルをJIS H 8502に基づくめっきの耐食性試験法((1)塩水噴霧(35℃,2時間)、(2)乾燥(60℃,25%RH,4時間)、(3)湿潤(50℃,98%RH,2時間)を順次実施する耐食性試験法)を用い、クロスカット部及び平面部からの腐食発生を観察した。試験時間は、上記(1)〜(3)を1サイクルとし、60サイクル時点での平面部腐食面積率より、以下の評点を用いて耐食性の優劣を評価した。かかる耐食性試験において、評点3以上である場合に、耐食性試験に優れると判断した。
5:腐食面積率が5%以下
4:腐食面積率が5%超10%以下
3:腐食面積率が10%超20%以下
2:腐食面積率が20%超50以下
1:腐食面積率が50%超
[加工性試験]
上記にて作製した被覆鋼板を20℃の室内で180度の折り曲げを行い、折り曲げる際に、試験片と同板厚の鋼板を3枚内側に挟み、曲げ加工部を観察した。以下の評点を用いて、加工性の優劣を評価した。かかる加工性試験において、評点2以上である場合に、加工性に優れると判断した。
3:被膜ワレなし、又は、素地露出のない微小ワレのみ
2:ワレ部からの被膜の浮き、剥離なし
1:ワレ部からの被膜の浮き、剥離あり
[溶接性試験]
上記化成処理を実施する前の被覆鋼板を、先端径5mm、R40のCF型Cr−Cu電極を用い、加圧力1.96kN、溶接電流8kA、通電時間12サイクル/50Hzにてスポット溶接の連続打点性試験を行い、ナゲット径が3t0.5(tは板厚)を下回る直前の打点数を求めた。以下の評価点を用いて、スポット溶接性の優劣を評価した。かかるスポット溶接性において、評点3以上である場合に、スポット溶接性に優れると判断した。
4:1000打点以上
3:100打点以上1000打点未満
2:50打点以上、100打点未満
1:50打点未満
Figure 2017121778
Figure 2017121778
Figure 2017121778
上記表1及び表2から明らかなように、本発明の実施例に対応する被覆鋼板は、優れた耐食性及び加工性を兼ね備え、また、一部の実施例については、更に、優れた溶接性をも実現していることがわかる。一方、本発明の比較例に対応する被覆鋼板は、優れた耐食性及び加工性の両立が実現出来ていないことがわかる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (9)

  1. 鋼板の少なくとも片面上に、バインダー樹脂、亜鉛系金属粉と、Mgを含有する縮合リン酸アルミと、を含有する被膜を有し、
    前記亜鉛系金属粉の含有量が、前記被膜の全固形分に対して30体積%〜60体積%であり、
    前記Mgを含有する縮合リン酸アルミの含有量が、前記被膜の全固形分に対して2体積%〜15体積%である、被覆鋼板。
  2. 前記亜鉛系金属粉が、Al、Mg及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種の金属粉を含む亜鉛系金属粉である、請求項1に記載の被覆鋼板。
  3. 前記被膜が、非酸化物セラミクス粒子を更に含み、
    前記非酸化物セラミクス粒子の含有量が、前記被膜の全固形分に対して、2.5体積%〜20体積%である、請求項1又は2に記載の被覆鋼板。
  4. 前記非酸化物セラミクス粒子が、Vを含有する非酸化物セラミクス粒子である、請求項3に記載の被覆鋼板。
  5. 前記Vを含有する非酸化物セラミクス粒子が、一ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)、二ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)、及び、窒化バナジウム粒子(VN粒子)よりなる群から選択される少なくとも1種の非酸化物セラミクス粒子である、請求項4に記載の被覆鋼板。
  6. 前記Vを含有する非酸化物セラミクス粒子が、二ホウ化バナジウム粒子(VB粒子)である、請求項4又は5に記載の被覆鋼板。
  7. 前記被膜の膜厚が、1μm〜40μmである、請求項1〜6の何れか1項に記載の被覆鋼板。
  8. 前記鋼板が、冷延鋼板である、請求項1〜7の何れか1項に記載の被覆鋼板。
  9. 前記鋼板が、亜鉛系めっき鋼板、又は、アルミニウム系めっき鋼板である、請求項1〜7の何れか1項に記載の被覆鋼板。



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