図1は、マルチプロジェクションシステム1(画像投写システム)の構成を示す図である。マルチプロジェクションシステム1は、複数のプロジェクターを並べて配置し、これら複数のプロジェクターによる投写画像を組み合わせて、タイリング表示により1つの画像を投写するシステムである。
図1に示すように、マルチプロジェクションシステム1は、複数のプロジェクターを備える。本実施形態では、マルチプロジェクションシステム1は、プロジェクター101〜108の8台のプロジェクターを備える。図1に示すように、プロジェクター101〜108は、縦2列、横4列に配置される。以下、プロジェクター101〜108を区別せず総称する場合、プロジェクター100と表記する。
なお、図1は、マルチプロジェクションシステム1の構成の一例を示すものであり、プロジェクター100の台数は、8台に限定されず、複数台あればよい。また、プロジェクター100の配置は、縦2列、横4列に限定されず、例えば、縦4列、横2列でもよい。
プロジェクター100は、投写対象に画像光を投写して、投写対象の面に画像データに基づく画像を形成する。プロジェクター100が画像を投写する投写対象は、平面であっても曲面や凹凸面であってもよいが、本実施形態では、平面で構成されるスクリーンSC(投写面)に投写する場合を例示する。スクリーンSCは、壁面等の固定された平面を利用してもよいし、吊り下げ式や立ち下げ式の幕状のスクリーンであってもよい。
プロジェクター100は、マスタープロジェクター(第1のプロジェクター)、又は、サブプロジェクターのいずれかとして動作する。マスタープロジェクターは、サブプロジェクターを制御し、サブプロジェクターは、マスタープロジェクターに制御される。本実施形態では、一例として、プロジェクター102がマスタープロジェクターとして動作し、プロジェクター101、103〜108がサブプロジェクターとして動作する場合を説明する。以下、プロジェクター102をマスタープロジェクター102とも表記する。また、サブプロジェクターとして動作するプロジェクター101、103〜108を区別せず総称する場合、サブプロジェクター110と表記する。
なお、マスタープロジェクターとして動作するプロジェクター100、及び、サブプロジェクターとして動作するプロジェクター100は任意である。
図1に示すように、プロジェクター101〜108のそれぞれは、ネットワークLNに接続し、互いに通信する。
図1に示すように、スクリーンSCは、プロジェクター101〜108が投写画像を投写する投写面を構成する。スクリーンSCは、投写領域A1〜A8を配置可能なサイズを有する。図1に示すように、本実施形態では、スクリーンSCに、投写領域A1〜A8の8つの投写領域が、縦2列、横4列に配置される。プロジェクター101は、投写画像をスクリーンSCの投写領域A1に投写する。プロジェクター102は、投写画像をスクリーンSCの投写領域A2に投写する。プロジェクター103は、投写画像をスクリーンSCの投写領域A3に投写する。プロジェクター104は、投写画像をスクリーンSCの投写領域A4に投写する。プロジェクター105は、投写画像をスクリーンSCの投写領域A5に投写する。プロジェクター106は、投写画像をスクリーンSCの投写領域A6に投写する。プロジェクター107は、投写画像をスクリーンSCの投写領域A7に投写する。プロジェクター108は、投写画像をスクリーンSCの投写領域A8に投写する。
例えば、外部の装置に画像データを出力する画像供給装置(不図示)が、ネットワークLNに接続しており、画像供給装置がプロジェクター101〜108に画像データを出力する場合、プロジェクター101〜108は、それぞれ対応する投写領域に入力される画像データに基づく画像を投写する。この場合、画像供給装置は、画像データの1フレームを8つに分割し、分割した画像データのそれぞれを、プロジェクター101〜108のそれぞれに出力する。例えば、画像供給装置は、8つに分割した画像データのうち1の画像データを、プロジェクター101が投写する投写画像の画像データとして、プロジェクター101に出力する。
次に、プロジェクター100の構成について説明する。
図2は、プロジェクター100の構成を示すブロック図である。
プロジェクター100は、インターフェイス部(以下、I/F部と略記する)124を備える。I/F部124には、例えば、デジタル映像信号が入力されるDVIインターフェイス、USBインターフェイス、LANインターフェイス等を用いることができる。また、I/F部124には、例えば、NTSCや、PAL、SECAM等のコンポジット映像信号が入力されるS映像端子や、コンポジット映像が入力されるRCA端子、コンポーネント映像信号が入力されるD端子等を用いることができる。さらに、I/F部124には、HDMI(登録商標)規格に従ったHDMIコネクター等の汎用インターフェイスを用いることができる。
プロジェクター100は、大きく分けて光学的な画像の形成を行う投写部114と、この投写部114に入力される画像信号を電気的に処理する画像処理系と、を備える。
投写部114は、光源部111と、液晶パネル112Aを備える光変調装置112と、投写光学系113とを備える。
光源部111は、キセノンランプや、超高圧水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)、レーザー等からなる光源を備える。
光変調装置112は、例えば、透過型の液晶パネル112Aを備え、この液晶パネル112Aに後述する画像処理系からの信号を受けて画像を形成する。この場合、光変調装置112は、カラーの投影を行うための、RGBの三原色に対応した3枚の液晶パネル112Aを備え、光源部111からの光はRGBの三色の色光に分離され、各色光は対応する各液晶パネル112Aに入射する。各液晶パネル112Aを通過して変調された色光は、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投写光学系113に射出される。
なお、光変調装置112は、透過型の液晶パネル112Aを三枚用いた構成に限定されず、例えば三枚の反射型の液晶パネルを用いることも可能である。また、光変調装置112は、1枚の液晶パネルとカラーホイールを組み合わせた方式や、1枚のDMD(Digital Mirror Device)とカラーホイールを組み合わせた方式等により構成してもよい。ここで、光変調装置112として一枚のみの液晶パネル112A又はDMDを用いる場合には、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系に相当する部材は不要である。また、液晶パネル112A及びDMD以外にも、光源が発した光を変調可能な構成であれば採用できる。
投写光学系113は、光変調装置112で変調された入射光を、投写レンズを用いて投写開口部(不図示)から外に向けて放射し、スクリーンSC上に投写画像を結像させる。
投写部114には、投写光学系駆動部121及び光源駆動部122が接続される。投写光学系駆動部121は、後述する制御部130の制御に従って、投写光学系113が備える各モーターを駆動する。光源駆動部122は、制御部130の制御に従って光源部111が備える光源を駆動する。投写光学系駆動部121及び光源駆動部122は、バス170に接続される。
プロジェクター100は、通信部156を備える。通信部156は、各種データを通信するインターフェイスであり、制御部130の制御の下で、他のプロジェクター100と通信する。
プロジェクター100の備える画像処理系は、プロジェクター100全体を統合的に制御する制御部130を中心に構成され、その他、記憶部151、画像処理部125、光変調装置駆動部123、入力処理部153を備える。制御部130、記憶部151、入力処理部153、画像処理部125、及び、光変調装置駆動部123は、それぞれバス170に接続される。
制御部130は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、ROMに記憶された制御プログラムをCPUにより実行して、プロジェクター100を制御する。また、制御部130は、記憶部151に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、後述する投写制御部131、通信制御部132、入力操作部133、及び、取得部134として機能する。
記憶部151は、フラッシュメモリーや、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性のメモリーで構成され、各種データを書き換え可能に不揮発的に記憶する。記憶部151は、プロジェクター100の制御に使用される制御プログラムや、画像データ等を記憶する。
また、記憶部151は、プロジェクター100に関する情報を示すプロジェクター情報161を記憶する。プロジェクター情報161は、プロジェクター100の名称を示す名称情報、IPアドレスを示すIPアドレス情報等を含む。
記憶部151は、名称情報を予め記憶する。なお、記憶部151は、プロジェクター100がネットワークLNに接続した際、ユーザーが名称情報を入力することにより、名称情報を記憶する構成でもよい。また、記憶部151は、プロジェクター100がネットワークLNに接続した際、ユーザーがIPアドレスを入力することにより、IPアドレス情報を記憶する。なお、記憶部151は、ネットワークLNにDHCPサーバー(不図示)が接続する場合、DHCPサーバーからIPアドレスが付与され、付与されたIPアドレスを示すIPアドレス情報を記憶する構成でもよい。
また、記憶部151は、マスタープロジェクターとして動作するプロジェクター100が生成した識別番号(識別情報)を記憶する。識別番号は、プロジェクター100を識別するための番号である。
また、記憶部151は、識別テーブルTを記憶する。識別テーブルTについては後述する。識別テーブルTは、マスタープロジェクターとして動作するプロジェクター100の記憶部151に記憶される。
画像処理部125は、I/F部124から入力される画像データを、光変調装置112の液晶パネル112Aの仕様に適合した解像度のデータに変換する解像度変換処理等を実行する。画像処理部125は、光変調装置112により表示する表示用画像をフレームメモリー126に描画して、描画した表示用画像を光変調装置駆動部123に出力する。光変調装置駆動部123は、画像処理部125から入力した表示用画像に基づいて、光変調装置112を駆動する。これにより、光変調装置112の液晶パネル112Aに画像が描画され、描画された画像が、投写光学系113を介してスクリーンSCに投写画像として投写される。
プロジェクター100は、ユーザーが操作を行うための各種スイッチ、及び、インジケーターランプを備える操作パネル155を備える。操作パネル155は、入力処理部153に接続される。入力処理部153は、制御部130の制御に従って、プロジェクター100の動作状態や設定状態に応じて操作パネル155のインジケーターランプを適宜点灯或いは点滅させる。操作パネル155のスイッチが操作されると、操作されたスイッチに対応する操作信号が入力処理部153から制御部130に出力される。
また、プロジェクター101は、ユーザーが使用するリモコン(不図示)を有する。リモコンは、各種のボタンを備えており、これらのボタンの操作に対応して赤外線信号を送信する。プロジェクター101は、リモコンが発する赤外線信号を受光するリモコン受光部154を備える。リモコン受光部154は、リモコンから受光した赤外線信号をデコードして、リモコンにおける操作内容を示す操作信号を生成し、入力処理部153に出力する。リモコン受光部154で生成された操作信号は、入力処理部153を介して制御部130に入力される。
次に、制御部130の備える投写制御部131と、通信制御部132と、入力操作部133と、取得部134とについて説明する。
投写制御部131は、画像処理部125を制御して、I/F部124を介して供給される画像データに基づいてフレームメモリー126に画像を描画させる。また、投写制御部131は、画像処理部125を制御して、記憶部151が記憶する画像データに基づいてフレームメモリー126に画像を描画させる。投写制御部131は、光変調装置駆動部123を制御して、フレームメモリー126に描画された画像を光変調装置112の液晶パネル112Aに描画させる。光変調装置112の液晶パネル112Aに描画された画像は、投写光学系113を介してスクリーンSC上に投写画像として投写される。
本実施形態では、投写制御部131は、画像処理部125を制御して、識別番号を含む画像データを生成し、生成した画像データに基づいてフレームメモリー126に識別番号を示す識別番号画像(識別画像)を含む画像を描画させ、光変調装置駆動部123を制御して、フレームメモリー126に描画された画像を投写画像としてスクリーンSC上に投写させる。マスタープロジェクターとして動作するプロジェクター100の場合、投写制御部131は、識別番号画像とともに配置図(後述)を示す配置画像を含む画像をスクリーンSC上に投写させる。
通信制御部132は、通信部156を制御して、ネットワークLNに接続する他のプロジェクター100と各種情報を送受信する。
入力操作部133は、入力処理部153を制御して、操作パネル155に対する入力操作や、リモコンによる入力操作を受け付ける。本実施形態では、入力操作部133は、プロジェクター101〜108の識別番号の入力操作を受け付ける。入力操作部133は、受け付けた識別番号を取得部134に出力する。
取得部134は、入力操作部133から入力された識別番号に基づいて、プロジェクター100と投写対象おける投写画像の位置との対応関係を示す対応情報を生成して取得する。また、取得部134は、プロジェクター100の配置関係を示す配置情報を生成して取得する。本実施形態では、取得部134は、プロジェクター101〜108と、投写領域A1〜A8に投写される投写画像の位置との対応関係を示す対応情報を生成して取得する。また、取得部134は、プロジェクター101〜108の配置関係を示す配置情報を生成して取得する。
前述した通り、プロジェクター100は、識別番号画像をスクリーンSC上に投写する。識別番号画像が示す識別番号は、マスタープロジェクターとして動作するプロジェクター100により設定される。ここで、識別番号の設定におけるマスタープロジェクターの動作を説明する。
図3は、マスタープロジェクターの動作を示すフローチャートである。
プロジェクター100は、対応するリモコンへの操作、又は、操作パネル155への操作により識別番号の設定が指示された場合に、当該指示を受け取ったプロジェクター100がマスタープロジェクターとして動作する。本実施形態の場合、ユーザーが、プロジェクター102に対応するリモコンへの操作、又は、操作パネル155への操作により、プロジェクター102に識別番号の設定が指示され、プロジェクター102がマスタープロジェクターとして動作する。
マスタープロジェクターの通信制御部132は、通信部156により、ネットワークLNに接続したサブプロジェクターに、プロジェクター情報161の送信を要求する情報を送信し、サブプロジェクターのプロジェクター情報161を取得する(ステップSA1)。本実施形態の場合、マスタープロジェクター102の通信制御部132は、サブプロジェクター101、103〜108のプロジェクター情報161を取得する。
次いで、マスタープロジェクターの制御部130は、ネットワークLNに接続する他のプロジェクター100のそれぞれに付与する識別番号を生成する(ステップSA2)。本実施形態の場合、マスタープロジェクター102の制御部130は、ネットワークLNに接続するプロジェクター101、103〜108のそれぞれに付与する識別番号を生成する。
マスタープロジェクターの制御部130は、識別番号を生成するに際し、自身を含むプロジェクター100から取得したプロジェクター情報161に基づき、後述するレコードを生成し、記憶部151等が記憶する識別テーブルTに格納する。
図4は、識別テーブルTの一例を示す図である。
識別テーブルTが格納する1件のレコードには、識別番号フィールドF1と、機体名称フィールドF2と、IPアドレスフィールドF3とが対応付く。識別番号フィールドF1は、ネットワークLNに接続するプロジェクター100に付与する識別番号を格納する。機体名称フィールドF2は、プロジェクター100の名称を示す情報を格納する。IPアドレスフィールドF3は、ネットワークLNに接続するプロジェクター100のIPアドレスを示すIPアドレス情報を格納する。
マスタープロジェクターの制御部130は、ネットワークLNに接続するサブプロジェクターからプロジェクター情報161を取得し、取得したプロジェクター情報161ごとに1件のレコードを生成し、識別テーブルTに格納する。また、マスタープロジェクターの制御部130は、自身のプロジェクター情報161に基づき、1件のレコードを生成し、識別テーブルTに格納する。マスタープロジェクターの制御部130は、識別テーブルtに自身のレコードを格納しており、サブプロジェクターからプロジェクター情報161を取得した順に、順次、レコードを生成し、識別テーブルTに格納する。図4では、制御部130が、プロジェクター104、プロジェクター101、プロジェクター108、プロジェクター106、プロジェクター103、プロジェクター107、プロジェクター105の順にプロジェクター情報161を取得した場合の識別テーブルtを例示する。
本実施形態の場合、マスタープロジェクター102の制御部130は、記憶部151が記憶するプロジェクター情報161に基づき、プロジェクター102に関するレコードR1を生成し、識別テーブルTに格納する。レコードR1の機体名称フィールドF2は、プロジェクター102の名称を示す情報(図4で「EB1000103」を示す情報)を格納する。また、レコードR1のIPアドレスフィールドF3は、プロジェクター102のIPアドレスを示すIPアドレス情報(図4で「192.168.100.161」を示す情報)を格納する。
また、マスタープロジェクター102の制御部130は、プロジェクター101、103〜108のそれぞれから取得したプロジェクター情報161に基づき、プロジェクター101、103〜108に関するレコードR2〜R8を生成し、識別テーブルTに格納する。
図4において、レコードR2は、プロジェクター104に関するレコードである。レコードR2の機体名称フィールドF2は、プロジェクター104の名称を示す情報(図4で「EB1000101」を示す情報)を格納する。また、レコードR2のIPアドレスフィールドF3は、プロジェクター104のIPアドレスを示すIPアドレス情報(図4で「192.168.100.101」を示す情報)を格納する。
また、レコードR3は、プロジェクター101に関するレコードである。レコードR3の機体名称フィールドF2は、プロジェクター101の名称を示す情報(図4で「EB1000201」を示す情報)を格納する。また、レコードR3のIPアドレスフィールドF3は、プロジェクター101のIPアドレスを示すIPアドレス情報(図4で「192.168.100.102」を示す情報)を格納する。
また、レコードR4は、プロジェクター108に関するレコードである。レコードR4の機体名称フィールドF2は、プロジェクター108の名称を示す情報(図4で「EB1000105」を示す情報)を格納する。また、レコードR4のIPアドレスフィールドF3は、プロジェクター108のIPアドレスを示すIPアドレス情報(図4で「192.168.100.132」を示す情報)を格納する。
また、レコードR5は、プロジェクター106に関するレコードである。レコードR5の機体名称フィールドF2は、プロジェクター106の名称を示す情報(図4で「EB1000121」を示す情報)を格納する。また、レコードR5のIPアドレスフィールドF3は、プロジェクター106のIPアドレスを示すIPアドレス情報(図4で「192.168.100.154」を示す情報)を格納する。
また、レコードR6は、プロジェクター103に関するレコードである。レコードR6の機体名称フィールドF2は、プロジェクター103の名称を示す情報(図4で「EB1000221」を示す情報)を格納する。また、レコードR6のIPアドレスフィールドF3は、プロジェクター103のIPアドレスを示すIPアドレス情報(図4で「192.168.100.003」を示す情報)を格納する。
また、レコードR7は、プロジェクター107に関するレコードである。レコードR7の機体名称フィールドF2は、プロジェクター107の名称を示す情報(図4で「EB1000109」を示す情報)を格納する。また、レコードR7のIPアドレスフィールドF3は、プロジェクター107のIPアドレスを示すIPアドレス情報(図4で「192.168.100.109」を示す情報)を格納する。
また、レコードR8は、プロジェクター105に関するレコードである。レコードR8の機体名称フィールドF2は、プロジェクター105の名称を示す情報(図4で「EB1000143」を示す情報)を格納する。また、レコードR8のIPアドレスフィールドF3は、プロジェクター105のIPアドレスを示すIPアドレス情報(図4で「192.168.100.111」を示す情報)を格納する。
図3に示すフローチャートの説明に戻り、マスタープロジェクターの制御部130は、プロジェクター情報161を取得すると、自身を含むプロジェクター100に付与する識別番号を生成する(ステップSA2)。
具体的には、マスタープロジェクター102の制御部130は、識別テーブルTに格納したレコードR1〜R8の識別番号フィールドF1に格納する識別番号を生成する。図4では、マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR1の識別番号フィールドF1に、「1」を示す識別番号を格納する。また、マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR2の識別番号フィールドF1に、「2」を示す識別番号を格納する。また、マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR3の識別番号フィールドF1に、「3」を示す識別番号を格納する。また、マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR4の識別番号フィールドF1に、「4」を示す識別番号を格納する。マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR5の識別番号フィールドF1に、「5」を示す識別番号を格納する。また、マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR6の識別番号フィールドF1に、「6」を示す識別番号を格納する。マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR7の識別番号フィールドF1に、「7」を示す識別番号を格納する。マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR8の識別番号フィールドF1に、「8」を示す識別番号を格納する。
なお、マスタープロジェクター102の制御部130は、識別番号について、予め定められた識別番号を、IPアドレスの数値や、機体名称に含まれる数列等の順に従って、各レコードの識別番号フィールドF1に格納してもよい。また、マスタープロジェクター102の制御部130は、各レコードのIPアドレスフィールドF3が格納するIPアドレスから所定の演算により生成してもよい。
図3のフローチャートの説明に戻り、マスタープロジェクターの制御部130は、識別番号を生成すると、各サブプロジェクターに、付与する識別番号を送信する(ステップSA3)。
本実施形態では、マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR2が格納するIPアドレスに基づき、プロジェクター104に、設定コマンド、及び、「2」の識別番号を示す情報を送信する。ここで、設定コマンドは、識別番号の記憶を指示するコマンドである。プロジェクター104は、受信すると、設定コマンドに基づき、「2」の識別番号を示す情報を記憶部151等に記憶する。
また、マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR3が格納するIPアドレスに基づき、プロジェクター101に、設定コマンド、及び、「3」の識別番号を示す情報を送信する。プロジェクター101は、設定コマンドに基づき、「3」の識別番号を示す情報を記憶部151等に記憶する。
マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR4が格納するIPアドレスに基づき、プロジェクター108に、設定コマンド、及び、「4」の識別番号を示す情報を送信する。プロジェクター108は、設定コマンドに基づき、「4」の識別番号を示す情報を記憶部151等に記憶する。
マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR5が格納するIPアドレスに基づき、プロジェクター106に、設定コマンド、及び、「5」の識別番号を示す情報を送信する。プロジェクター106は、設定コマンドに基づき、「5」の識別番号を示す情報を記憶部151等に記憶する。
マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR6が格納するIPアドレスに基づき、プロジェクター103に、設定コマンド、及び、「6」の識別番号を示す情報を送信する。プロジェクター103は、設定コマンドに基づき、「6」の識別番号を示す情報を記憶部151等に記憶する。
マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR7が格納するIPアドレスに基づき、プロジェクター107に、設定コマンド、及び、「7」の識別番号を示す情報を送信する。プロジェクター107は、設定コマンドに基づき、「7」の識別番号を示す情報を記憶部151等に記憶する。
マスタープロジェクター102の制御部130は、レコードR8が格納するIPアドレスに基づき、プロジェクター105に、設定コマンド、及び、「8」の識別番号を示す情報を送信する。プロジェクター105は、設定コマンドに基づき、「8」の識別番号を示す情報を記憶部151等に記憶する。
このように、マスタープロジェクターの制御部130は、識別番号を生成して、ネットワークLNに接続する他のプロジェクター100に識別番号を付与する。
なお、ネットワークLNに、タイリング表示に関与しないプロジェクターも接続されている場合には、これらのプロジェクターについても、プロジェクター情報161の取得、レコードの生成、識別番号の付与等が行われる。
なお、マスタープロジェクターの制御部130は、投写中のプロジェクター100に対して識別番号を付与する構成でもよい。この場合、マスタープロジェクターは、以下の動作を実行する。
図5は、マスタープロジェクターの動作を示すフローチャートである。
ここで、図5の説明において、プロジェクター102がマスタープロジェクターとして動作し、プロジェクター101、103〜108がサブプロジェクターとして動作する場合を例示する。
マスタープロジェクター102の制御部130は、ネットワークLNに接続するサブプロジェクター110について、投写中のサブプロジェクター110を検索する(ステップSB1)。マスタープロジェクター102の制御部130は、ネットワークLNに接続するサブプロジェクター110に、サブプロジェクター110の状態を要求するコマンドを送信し、サブプロジェクター110の状態が投写中である否かに基づいて、検索を行う。
次いで、マスタープロジェクター102の制御部130は、投写中のサブプロジェクター110を検索すると、検索したサブプロジェクター110に、プロジェクター情報161を要求するコマンドを送信し、サブプロジェクター110のプロジェクター情報161を取得する(ステップSB2)。
次いで、マスタープロジェクター102の制御部130は、取得した情報に基づき、投写中のプロジェクター100に関するレコードを生成して識別テーブルTに格納し、識別番号を生成する(ステップSB3)。
次いで、マスタープロジェクター102の制御部130は、識別番号を生成すると、レコードのIPアドレスに基づき、投写中のプロジェクター100に付与する識別番号を送信する(ステップSB4)。
このように、投写中のサブプロジェクター110を検索して、当該サブプロジェクター110に識別番号を付与するため、マスタープロジェクター102の制御部130は、投写中でないプロジェクターを除いたプロジェクターに識別番号を付与できる。すなわち、マスタープロジェクター102の制御部130は、タイリング表示に関与しないプロジェクターがネットワークLNに接続されている場合でも、タイリング表示に関与するプロジェクターのみを投写させておけば、タイリング表示に関与するプロジェクターにのみ識別番号を付与できる。
なお、図5のフローチャート開始時に、ネットワークLNに接続するプロジェクター100のそれぞれについて、識別テーブルTにレコードが格納される場合、マスタープロジェクター102の制御部130は、以下の動作を行う構成でもよい。すなわち、マスタープロジェクター102の制御部130は、取得したプロジェクター情報161に基づき、投写中のプロジェクターのレコードを特定し、特定したレコードについて識別番号を生成し、生成した識別番号をレコードに対応するプロジェクターに付与する。
ところで、マルチプロジェクションシステム1において、それぞれのプロジェクター100が投写する投写画像の歪みや画質等の調整を行う際、プロジェクター101〜108とスクリーンSCにおける投写画像との対応情報が必要となる。例えば、プロジェクター101〜108が投写する投写画像のそれぞれについて、歪みや画質等の調整を行う際、ユーザーは、調整の対象となる投写画像を投写するプロジェクター100を制御する必要があり、この際、対応情報が必要となる。しかしながら、マルチプロジェクションシステム1において、多数のプロジェクター(例えば、プロジェクター101〜108)がある場合、プロジェクターとスクリーンSC上における投写画像との対応付けが容易でない。特に、スクリーンSCへの投写に関与しないプロジェクターがマルチプロジェクションシステム1にある場合、スクリーンSC上への投写に関与するプロジェクター100と、当該プロジェクター100が投写する投写画像との対応関係が一層複雑になる。
そこで、本実施形態のマルチプロジェクションシステム1は、以下に示す動作を実行する。
図6は、マルチプロジェクションシステム1の動作を示すフローチャートである。図6において、(A)はマスタープロジェクターの動作を示し、(B)はサブプロジェクターの動作を示す。
ここで、図6の説明では、プロジェクター102がマスタープロジェクターとして動作し、プロジェクター101、103〜108がサブプロジェクターとして動作する場合を例示する。
マスタープロジェクター102の取得部134は、対応するリモコンや、操作パネル155等の操作により、配置情報の生成を開始する(ステップSC1)。
次いで、マスタープロジェクター102の入力操作部133は、配置図の投写に必要な情報の入力を受け付ける(ステップSC2)。ここで、配置図とは、複数の領域が配置され、当該配置が、複数のプロジェクター100のそれぞれが投写する投写画像の配置を示す図である。マスタープロジェクター102の入力操作部133は、例えば、縦横の列数等の情報の入力を受け付け、受け付けた情報を投写制御部131に出力する。
前述した通り、本実施形態の場合、マルチプロジェクションシステム1は、8つのプロジェクター100を備える。そして、プロジェクター100は、縦2列、横4列に配置される。以下、マスタープロジェクター102の入力操作部133は、配置図が、縦2列、横4列に8つの領域が配置された図となる情報の入力を受け付けた場合を例示する。
次いで、マスタープロジェクター102の投写制御部131は、入力操作部133から取得した情報に基づく配置図、及び、識別番号画像を投写部114に投写させる(ステップSC3)。また、マスタープロジェクター102の通信制御部132は、識別番号を付与したサブプロジェクター110のそれぞれに、識別番号画像の投写を指示する情報を送信する(ステップSC3)。すなわち、マスタープロジェクター102の通信制御部132は、当該情報をプロジェクター101、103〜108に送信する。
サブプロジェクター110は、識別番号画像の投写を指示する情報を受信すると(ステップSD1)、付与された識別番号を示す識別番号画像を投写する(ステップSD2)。
図7は、マルチプロジェクションシステム1が備えるプロジェクター100による投写画像の投写を模式的に示す図である。
図7の(A)に示すように、マスタープロジェクター102は、「1」の識別番号を示す識別番号画像と、縦2列、横4列の8つの領域を有する配置図HGを示す配置画像と、を含む投写画像G2を投写する。投写画像G2が含む配置図HGは、8つの領域が縦2列、横4列に配置された図である。また、プロジェクター101は、「3」の識別番号を示す識別番号画像を含む投写画像G1を投写する。また、プロジェクター103は、「6」の識別番号を示す識別番号画像を含む投写画像G3を投写する。プロジェクター104は、「2」の識別番号を示す識別番号画像を含む投写画像G4を投写する。プロジェクター105は、「8」の識別番号を示す識別番号画像を含む投写画像G5を投写する。プロジェクター106は、「5」の識別番号を示す識別番号画像を含む投写画像G6を投写する。プロジェクター107は、「7」の識別番号を示す識別番号画像を含む投写画像G7を投写する。プロジェクター108は、「4」の識別番号を示す識別番号画像を含む投写画像G8を投写する。
図6のフローチャートの説明に戻り、マスタープロジェクター102の入力操作部133は、配置図HGが有する領域に対して、識別番号の入力を受け付ける(ステップSC4)。
図8は、配置図HGが有する領域への識別番号の入力を説明する図である。
図8の(A)に示すように、マスタープロジェクター102が投写する投写画像G2に含まれる配置図HGは、領域HA1〜HA8が縦2列、横4列に配置される図である。マスタープロジェクター102の入力操作部133は、領域HA1〜HA8のそれぞれに、識別番号の入力を受け付ける。また、マスタープロジェクター102の入力操作部133は、配置図HGが有する複数の領域のうち、1の領域を選択する操作を受け付ける。
マスタープロジェクター102の入力操作部133は、1の領域の選択を受け付けると、選択された領域に対して識別番号の入力を受け付ける。図8の(B)は、ユーザーが、リモコンや操作パネル155等の操作により、領域HA1を選択し、領域HA1に「3」の識別番号を入力した場合の配置図HGを示す。
図6のフローチャートの説明に戻り、マスタープロジェクター102の取得部134は、入力された識別番号を、配置図HGが有する領域に対応付ける(ステップSC5)。すなわち、マスタープロジェクターの取得部134は、入力された識別番号が付与されたプロジェクターと、識別番号が入力された領域に対応する投写画像の位置とを対応付ける。図8の(B)の場合、マスタープロジェクター102の取得部134は、「3」の識別番号と領域HA1とを対応付ける。前述の通り、識別番号は、プロジェクター100を識別する番号であり、配置図は、投写画像の配置に対応して、領域が配置された図である。したがって、この対応付けは、プロジェクター101と、スクリーンSC上における投写画像G1の位置との対応付けに相当する。マスタープロジェクター102の入力操作部133が、領域HA1に「3」の識別番号を対応付けると、マスタープロジェクター102の投写制御部131は、領域HA1に「3」の識別番号が入力された配置図HGを示す配置画像を含む投写画像G2を投写する。
次いで、マスタープロジェクター102の入力操作部133は、配置図HGが有する全ての領域HA1〜HA8に識別番号が入力されたか否かを判別する(ステップSC6)。入力されていないと判別した場合(ステップSC6:NO)、マスタープロジェクター102の入力操作部133は、処理をステップSC4に移行させ、配置図HGが有する領域に対して識別番号の入力を受け付ける。
図8の(C)は、ユーザーが領域HA1に「3」の識別番号を入力した後、領域HA2を選択し、領域HA2に「1」の識別番号を入力した場合の配置図HGを示す。マスタープロジェクター102の入力操作部133は、領域HA2に「1」の識別番号の入力を受け付けると、領域HA2に「1」の識別番号を対応付ける。つまり、マスタープロジェクター102の取得部134は、プロジェクター102と、スクリーンSC上における投写画像G2の位置とを対応付ける。そして、マスタープロジェクター102の投写制御部131は、領域HA1及び領域HA2に識別番号が入力された配置図HGを示す配置画像を含む投写画像G2を投写する。
図8の(D)は、ユーザーが、領域HA1〜HA8の全てに識別番号を入力した場合の配置図HGを示す。すなわち、マスタープロジェクター102の入力操作部133は、ステップSC4〜ステップSC6の処理を繰り返し、領域HA1〜HA8のそれぞれについて、識別番号の入力を受け付ける。そして、マスタープロジェクター102の取得部134は、領域と識別番号とを対応付ける。すなわち、マスタープロジェクター102の取得部134は、プロジェクター101〜108と、スクリーンSC上における各投写画像の位置との対応関係を取得する。
図7の(B)は、領域HA1〜HA8の全てに識別番号が入力された配置図を示す配置画像を含む投写画像G2の投写を模式的に示す図である。図7の(B)に示す配置図HGは、投写画像G1〜G8の位置に対応する領域に、識別番号が入力された図を示す。
マスタープロジェクター102の取得部134は、配置図HGが有する全ての領域に対して識別番号の入力を受け付けた判別すると(ステップSC6:YES)、配置情報を生成する(ステップSC7)。配置情報は、投写画像とプロジェクター100との対応関係を示し、複数のプロジェクター100の配置関係を示す情報である。
例えば、マスタープロジェクター102の取得部134は、領域HA1への「3」の識別番号の入力に基づき、投写画像G1とプロジェクター101とが対応し、プロジェクター101の右隣にプロジェクター102が配置され、下にプロジェクター105が配置されることを示す配置情報を生成する。
また、例えば、マスタープロジェクター102の取得部134は、領域HA2への「1」の識別番号の入力に基づき、投写画像G2とプロジェクター102とが対応し、プロジェクター102の右隣にプロジェクター103が配置され、左隣にプロジェクター101が配置され、下にプロジェクター106が配置されることを示す配置情報を生成する。
また、例えば、マスタープロジェクター102の取得部134は、領域HA3への「6」の識別番号の入力に基づき、投写画像G3とプロジェクター103とが対応し、プロジェクター103の右隣にプロジェクター104が配置され、左隣にプロジェクター102が配置され、下にプロジェクター107が配置されることを示す配置情報を生成する。
また、例えば、マスタープロジェクター102の取得部134は、領域HA4への「2」の識別番号の入力に基づき、投写画像G4とプロジェクター104とが対応し、プロジェクター104の左隣にプロジェクター103が配置され、下にプロジェクター108が配置されることを示す配置情報を生成する。
また、例えば、マスタープロジェクター102の取得部134は、領域HA5への「8」の識別番号の入力に基づき、投写画像G5とプロジェクター105とが対応し、プロジェクター105の右隣にプロジェクター106が配置され、上にプロジェクター101が配置されることを示す配置情報を生成する。
また、例えば、マスタープロジェクター102の取得部134は、領域HA6への「5」の識別番号の入力に基づき、投写画像G6とプロジェクター106とが対応し、プロジェクター106の右隣にプロジェクター107が配置され、右隣にプロジェクター105が配置され、上にプロジェクター102が配置されることを示す配置情報を生成する。
また、例えば、マスタープロジェクター102の取得部134は、領域HA7への「7」の識別番号の入力に基づき、投写画像G7とプロジェクター107とが対応し、プロジェクター107の右隣にプロジェクター108が配置され、左隣にプロジェクター106が配置され、上にプロジェクター103が配置されることを示す配置情報を生成する。
また、例えば、マスタープロジェクター102の取得部134は、領域HA8への「4」の識別番号の入力に基づき、投写画像G8とプロジェクター108とが対応し、プロジェクター108の左隣にプロジェクター107が配置され、上にプロジェクター104が配置されることを示す配置情報を生成する。
図6のフローチャートの説明に戻り、マスタープロジェクター102の取得部134は、配置情報を生成し取得すると、通信制御部132に配置情報を出力する。また、図7(B)に示すように、マスタープロジェクターの投写制御部131は、配置情報に基づき、領域HA1〜HA8に識別番号が入力された配置図HGを示す配置画像を含む投写画像G2を投写する。
マスタープロジェクター102の通信制御部132は、サブプロジェクター110に配置情報を送信する(ステップSC8)。これによって、マルチプロジェクションシステム1は、複数のプロジェクター100と投写画像との対応、及び、配置に基づく処理を行うことができる。
ここで、複数のプロジェクター100と投写画像との対応、及び、配置に基づく処理について、投写画像を調整する場合を例示して説明する。投写画像の調整としては、投写画像の位置を調整するレンズシフト調整や、台形の投写画像を適切な形に調整する台形歪み補正、湾曲する投写画像を適切な形に調整する湾曲補正、色むらを補正する色むら補正、色合いを補正する色合い補正等が挙げられる。また、マルチプロジェクションシステム1における投写画像の調整としては、エッジブレンディングや、格子状に配置されたポイントの調整により投写画像を補正するポイント補正、黒レベル補正が挙げられる。
図9は、投写画像を調整する場合における、マスタープロジェクターの動作を示すフローチャートである。
図9を説明するに際し、プロジェクター102がマスタープロジェクターとして動作し、プロジェクター101、及び、プロジェクター103〜108がサブプロジェクターとして動作する場合を例示する。
マスタープロジェクター102の投写制御部131は、「1」の識別番号画像と、配置画像とを含む投写画像を投写する(ステップSE1)。ここで投写画像に含まれる配置画像は、配置情報に基づき生成された画像であり、配置図HGが有する各領域に識別番号が付加された画像である。
このように、配置図HGにおける領域A1〜A8に、対応するプロジェクターの識別番号が付加された画像を投写する。そのため、プロジェクター100と投写画像との対応関係とともに、プロジェクターの配置関係を、ユーザーが直感的に把握できる態様で表示できる。
次いで、マスタープロジェクター102の通信制御部132は、識別番号の投写を指示する情報を、プロジェクター101、及び、プロジェクター103〜108のそれぞれに送信する(ステップSE2)。プロジェクター101、及び、プロジェクター103〜108は、当該情報を受信すると、記憶する識別番号を示す識別番号画像を含む投写画像を投写する。
次いで、マスタープロジェクター102の制御部130は、ユーザーの操作に基づき、当該操作に応じて投写画像を調整する(ステップSE2)。例えば、ユーザーが識別番号によりプロジェクター101を指定して、レンズシフト補正を指示した場合、マスタープロジェクター102の通信制御部132は、プロジェクター101にレンズシフト補正を指示する情報を送信する。プロジェクター101は、レンズシフト補正を指示する情報を受信すると、レンズシフト補正を実行する。また、例えば、ユーザーが、プロジェクター101の隣に配置されるプロジェクター100との通信による投写画像の調整を指示した場合、マスタープロジェクター102の制御部130は、プロジェクター101に、当該調整を指示する情報を送信する。プロジェクター101は、配置情報に基づき、隣に配置されるプロジェクター100(本実施形態では、プロジェクター102、及び、プロジェクター105)と通信し、投写画像の調整を実行する。
このように、マルチプロジェクションシステム1が備えるプロジェクター100は、マスタープロジェクター102が識別番号と配置画像とを含む投写画像を投写し、サブプロジェクター110が識別番号を含む投写画像を投写する。そのため、ユーザーは、投写画像とプロジェクター100との対応関係、及び、プロジェクター100の配置関係を確認でき、調整の対象となる投写画像について、当該投写画像を投写するプロジェクター100を制御して投写画像を調整できる。また、マルチプロジェクションシステム1は、プロジェクター100が配置情報を記憶するため、プロジェクター同士による投写画像の調整ができる。
ユーザーがリモコンや操作パネル等により、投写画像の調整を終了する指示を行った場合、マスタープロジェクター102の投写制御部131は、投写画像の調整を終了すると判別する(ステップSE4)。マスタープロジェクター102の投写制御部131は、投写画像の調整を終了すると判別すると、識別番号画像と配置画像とを含む投写画像の投写を終了する(ステップSE5)。この場合、マスタープロジェクター102は、サブプロジェクター110に識別番号画像を含む投写画像の投写の終了を指示する情報を送信する。
以上、説明したように、本実施形態のマルチプロジェクションシステム1(画像投写システム)は、マスタープロジェクター102(第1のプロジェクター)を含む複数のプロジェクター100を備え、複数のプロジェクター100からスクリーンSC(投写面)に投写画像を並べて投写する。複数のプロジェクター100のそれぞれは、プロジェクター100を識別する識別番号(識別情報)を記憶する記憶部151と、画像を投写する投写部114と、記憶部151が記憶する識別番号に基づき生成された識別番号画像(識別画像)を、投写部114により投写させる投写制御部131と、を備える。マスタープロジェクター102は、複数のプロジェクター100のそれぞれが投写する識別番号画像が示す識別番号の入力操作を受け付ける入力操作部133と、入力操作部133が受け付けた入力操作に基づいて、それぞれのプロジェクター100と、スクリーンSCにおける投写画像の位置との対応関係を取得する取得部134と、を備える。マスタープロジェクター102の投写制御部131は、取得部134により取得された対応関係を示し、複数のプロジェクター100の配置関係を示す配置情報に基づき生成された配置画像を投写部114により投写させる。
これにより、複数のプロジェクター100が投写する識別番号画像が示す識別番号を入力することにより配置関係を示す配置画像を投写するため、プロジェクター100とスクリーンSCにおける投写画像の位置との対応付けができる。
また、マスタープロジェクター102の投写制御部131は、配置情報として、複数のプロジェクター100のそれぞれが投写する投写画像の配置を示し、複数の領域を配置した配置図HGを生成し、生成した配置図HGにおける領域に対応する位置に、プロジェクター100の識別番号を付加した画像を、配置画像として投写部114により投写させる。
これにより、配置図HGにおける領域に対応するプロジェクター100の識別番号が付加された画像を投写するため、プロジェクター100とスクリーンSCにおける投写画像の位置との対応関係と共に、プロジェクター100の配置関係を直感的に把握しやすい態様で表示できる。
また、マスタープロジェクター102の投写制御部131は、識別画像とともに配置図を投写部114により投写させる。マスタープロジェクター102の入力操作部133は、配置図における複数の領域のそれぞれに対して、識別番号の入力操作を受け付ける。
これにより、配置図における複数の領域のそれぞれに対して識別番号に入力を受け付けるため、プロジェクター100と投写面における投写画像との対応付けができる。
また、マスタープロジェクター102の入力操作部133は、配置図における複数の領域のいずれかを選択する操作と、選択した領域に対してプロジェクター100の識別情報の入力する操作とを受け付ける。
これにより、選択した領域について、プロジェクター100の識別情報の入力を受け付けるため、ユーザーが選択した領域に対応する投射画像について、プロジェクター100と投写画面との対応付けができる。
<変形例>
次に、変形例について説明する。
変形例において、マルチプロジェクションシステム1は、16台のプロジェクターを備える。マルチプロジェクションシステム1は、スクリーンSC上の8つの投写領域A1〜A8のそれぞれに、2台のプロジェクターが投写画像を重ねて投写する。
16台のプロジェクターのうち、マスタープロジェクターとして動作するプロジェクターは、自身に付与された識別番号を示す識別番号画像と、2つの配置図を示す配置画像と、を含む投写画像を投写する。
図10は、変形例におけるマスタープロジェクターが投写する投写画像の一例を示す図である。
図10に示すように、マスタープロジェクターが投写する投写画像TGは、「1」の識別番号を示す識別番号画像と、2つの配置図HG1、HG2を示す配置画像と、を含む。
配置図HG1は、8つの領域HA1〜HA8を有し、領域HA1〜HA8が縦2列、横4列に配置された図である。また、配置図HG2は、8つの領域HA9〜HA16を有し、領域HA9〜HA16が縦2列、横4列に配置された図である。
図10に示す配置図HG1、及び、配置図HG2を示す配置画像は、識別番号が入力され、各領域に識別番号を付加した画像である。図10では、配置図HG1の配置関係と、配置図HG2の配置関係は対応する。したがって、例えば、「3」の識別番号画像を投写するプロジェクターと「12」の識別番号画像を投写するプロジェクターとが同じ投写領域に投写画像を重ねて投写することを示す。
マスタープロジェクターの入力操作部133は、領域HA1〜HA16のそれぞれについて、識別番号の入力を受け付け、マスタープロジェクターの取得部134は、プロジェクターと投写画像の位置との対応関係、及び、プロジェクターの配置関係を取得する。
このように、スクリーンSC上の投写領域A1〜A8のそれぞれに投写画像を重ねて投写する構成であっても、上述した効果と同様の効果を奏する。
なお、2つの配置図を表示する代わりに、1つの配置図を表示して、各領域に識別番号を2つずつ入力できるようにしてもよい。
なお、上述した各実施形態は、本発明の好適な実施形態の一例を示すものであり、本発明の実施態様はこれに限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
また、例えば、上述した実施形態において、プロジェクター100を識別する情報として識別番号を付与し、識別番号画像を含む投写画像を投写する場合を例示したが、識別番号に限定されず、アルファベット等の文字でもよく、プロジェクター100を識別可能な態様の情報であればよい。
また、例えば、上述した実施形態では、マスタープロジェクター102が識別番号を生成し、サブプロジェクター110に付与する構成を例示した。しかしながら、サブプロジェクター110が予め識別番号を記憶している場合、マスタープロジェクター102は、識別番号の生成、及び、付与の処理を実行しなくてもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、スクリーンSCの前方から投写するフロントプロジェクション型のプロジェクター101〜108を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、スクリーンSCの背面側から投写するリアプロジェクション(背面投写)型のプロジェクター101〜108でもよい。
また、図2に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した各実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよい。その他、マルチプロジェクションシステム1の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。