実施の形態1
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
まず、実施の形態1にかかる半導体装置1の適用例について説明する。半導体装置1は、スルーレート型出力バッファ回路を含む。そして、このスルーレート型出力バッファ回路は、例えば、USB(Universal Serial Bus)規格に基づく伝送信号を出力する。なお、スルーレート型出力バッファ回路は、信号の立ち上がり時間及び立ち下がり時間が仕様により決定される信号を出力する適用例であれば、USB規格によらず利用することができる。なお、以下の説明では、スルーレート型出力バッファ回路を単に出力バッファ回路と称す。
図1に実施の形態1にかかる半導体装置1の適用例を説明する図を示す。図1に示す適用例は、半導体装置1をUSBホスト及びUSBデバイスに適用したものである。この場合、半導体装置1はDP配線及びDM配線を介して差動信号を出力するために、DP配線に差動信号の一方の信号を出力する出力バッファ回路と、DM配線に差動信号の他方の信号を出力する出力バッファ回路の2つの出力バッファ回路を含む。
そして、図1に示すように、USB規格では、コンデンサCL及び負荷抵抗RLを接続することが決められている。このとき、DP配線とDM配線では、伝送線路に接続される素子が異なる。具体的には、伝送モードがFSモードのときは、DP配線にのみプルアップ抵抗が接続され、伝送モードがLSモードのときは、DM配線にのみプルアップ抵抗が接続される。
このように、差動信号を伝達する伝送線路に差異がある場合、伝送信号の品質劣化が生じることがある。そこで、図2にスルーレート型出力バッファ回路における出力信号の劣化を説明する図を示す。図2では、上図に信号劣化が発生している期間の出力バッファ回路の状態を示し、下図に信号劣化の状態を説明する信号波形を示した。また、以下の説明では、出力バッファ回路は、出力段に電源配線と接地配線との間に直列に接続される2つの出力トランジスタを有し、信号の立ち上げ時と立ち下げ時とでオンさせる出力トランジスタを切り替えるものとする。
図2の下図に示すように、2つの出力バッファ回路を用いて出力される差動信号は、信号レベルを切り替える際に、振幅中心付近に2つの信号のクロスポイントが発生する。このような差動信号の電圧レベル切り替えを行う場合、2つの出力トランジスタのゲートに与える電圧レベルを同時に切り替える。しかしながら、出力バッファ回路においてオンさせる出力トランジスタを切り替える際には、それまでオンさせていた出力トランジスタ(例えばNchトランジスタ)をオフしてから、オフ状態だった出力トランジスタ(Pchトランジスタ)が実際にオンするまでにタイムラグが生じる。そのため、出力バッファ回路では、差動信号の電圧レベル切り替えが開始される直前に出力端子がハイインピーダンスとなる期間(図2のHiZ期間)が発生する。
そして、出力バッファ回路の出力端子がハイインピーダンスとなっている期間において、プルアップ抵抗が接続されている伝送線路(例えば、FSモードのDP配線)では、プルアップ抵抗からコンデンサCLに対して電流が流れる。そのため、プルアップ抵抗が接続されている伝送線路では、コンデンサCLに対して流れ込む電流に起因して電圧の上昇が発生する。そのため、ハイインピーダンス期間終了後に出力バッファ回路による信号の立ち上げ動作においては、信号の立ち上げ開始時の電圧が理想的な状態からずれる。そして、信号の立ち上げ開始時の電圧のずれに起因して、クロスポイントのずれが発生する。
実施の形態1にかかる半導体装置1は、上記のような信号品質の劣化を抑制する出力バッファ回路を含む。そこで、図3に実施の形態1にかかる半導体装置1に搭載される出力バッファ回路のブロック図を示す。なお、以下の説明では、半導体装置1の出力バッファ回路部分のみを説明するため、実施の形態1にかかる出力バッファ回路のことを半導体装置1と称す。
図3に示すように、実施の形態1にかかる半導体装置1は、出力制御回路10、電流源11、バッファ制御回路12、ソースバッファオフ制御回路13、シンクバッファオフ制御回路14、ソース側出力トランジスタ15、シンク側出力トランジスタ16、フィードバックブロック17、振幅制御ブロック18を有する。また、半導体装置1は、電源電圧が伝達される高電位側電源配線VDD、接地電圧が伝達される低電位側電源配線VSS、出力端子Toを有する。
まず、実施の形態1にかかる半導体装置1では、ソース側出力トランジスタ15が出力端子Toを介して電流を出力し、シンク側出力トランジスタ16が出力端子Toを介して電流を引き込む。ソース側出力トランジスタ15とシンク側出力トランジスタ16は、高電位側電源配線VDDと低電位側電源配線VSSとの間に直列に接続される。また、ソース側出力トランジスタ15は第1導電型(例えば、P型)のトランジスタであり、シンク側出力トランジスタ16は第2導電型(例えば、N型)のトランジスタである。
出力制御回路10は、入力データDin及びイネーブル信号Seの論理レベルに応じて、ソースバッファ制御信号PEN及びシンクバッファ制御信号NENを出力する。出力制御回路10は、入力データDin及びイネーブル信号Seに基づき、ソースバッファ制御信号PENの論理レベルを、ソース側出力トランジスタ15をオン状態とするときにハイレベルとし、ソース側出力トランジスタ15をオフ状態とするときにロウレベルとする。また、出力制御回路10は、入力データDin及びイネーブル信号Seに基づき、シンクバッファ制御信号NENの論理レベルを、シンク側出力トランジスタ16をオン状態とするときにロウレベルとし、シンク側出力トランジスタ16をオフ状態とするときにハイレベルとする。
電流源11は、ソース側電流源11a及びシンク側電流源11bを有する。ソース側電流源11aは、ソース側出力トランジスタ15をオン状態とするためのソース制御電流を出力する。シンク側電流源11bは、シンク側出力トランジスタ16をオン状態とするためのシンク制御電流を出力する。
バッファ制御回路12は、ソースバッファ制御回路12a及びシンクバッファ制御回路12bを有する。ソースバッファ制御回路12aは、ソース側出力トランジスタ15のオンオフ状態を制御するソースバッファ制御信号PENに基づきソース制御電流をソース側出力トランジスタ15に伝達するか否かを切り替える。シンクバッファ制御回路12bは、シンク側出力トランジスタ16のオンオフ状態を制御するシンクバッファ制御信号NENに基づきシンク制御電流をシンク側出力トランジスタ16に伝達するか否かを切り替える。
ソースバッファオフ制御回路13は、ソース側出力トランジスタ15の制御端子(例えば、ゲート)にソース制御電流を伝達するソースバッファ制御配線(例えば、ソース側出力トランジスタ15のゲートに接続される配線)と高電位側電源電圧が伝達される高電位側電源配線VDDとの間に設けられる。
シンクバッファオフ制御回路14は、シンク側出力トランジスタ16の制御端子(例えば、ゲート)にシンク制御電流を伝達するシンクバッファ制御配線(例えば、シンク側出力トランジスタ16のゲートに接続される配線)と低電位側電源電圧が伝達される低電位側電源配線VSSとの間に設けられる。
フィードバックブロック17は、仕様において規定された信号の立ち上がり時間(ライズタイム)及び信号の立ち下がり時間(フォールタイム)を得るために、信号レベルが遷移する期間の傾きを一定にする。フィードバックブロック17は、例えば、出力端子に一端が接続されるコンデンサを含む。フィードバックブロック17は、信号の立ち上げ時にソース側出力トランジスタ15に接続され、ミラー効果を生じるループを構成する。また、フィードバックブロック17は、信号の立ち下げ時にシンク側出力トランジスタ16に接続され、ミラー効果を生じるループを構成する。ここで、ミラー効果とは、トランジスタの入力(ゲート)と出力(ソース)との間にコンデンサを接続した場合にトランジスタの入力側から見たコンデンサの容量がトランジスタのゲインに応じて(1−G)倍(Gは、トランジスタのゲインであり、負の値である)に見える現象である。実施の形態1にかかる半導体装置1では、出力信号の立ち上がり期間及び立ち下がり期間の傾きを一定にするために、ミラー効果を積極的に用いる。
また、実施の形態1にかかる半導体装置1では、電流源11が定電流を出力し、この定電流とミラー効果を用いることで、信号レベルを遷移させる際の傾き一定に制御する。また、実施の形態1にかかる半導体装置1では、Full Speed(FS)モードとLow Speed(LS)モードで信号レベルを遷移させる際の遷移時間の規格が異なるため、電流源11内にFSモードとLSモードとでソース側出力トランジスタ15及びシンク側出力トランジスタ16に与える制御電流の大きさを切り替える構成を有することがこのましい。
振幅制御ブロック18は、コンデンサ(例えば、フィードバックブロック17)の他端とソースバッファ制御配線との接続状態、及び、コンデンサの他端とシンクバッファ制御配線との接続状態、を切り替えてコンデンサの両端に生じる電位差を抑制する。
より具体的には、振幅制御ブロック18は、フィードバックブロック17(例えば、コンデンサ)の他端をソースバッファ制御配線に接続している状態でソースバッファ制御配線の電位が低下していくことに従ってコンデンサの他端とソースバッファ制御配線との接続を遮断する。また、振幅制御ブロック18は、コンデンサの他端をシンクバッファ制御配線に接続している状態でシンクバッファ制御配線の電位が上昇していくことに従ってコンデンサの他端とシンクバッファ制御配線との接続を遮断する。
ソースバッファオフ制御回路13、シンクバッファオフ制御回路14、振幅制御ブロック18について詳しく説明する。ソースバッファオフ制御回路13は、ソースバッファ制御信号PENがソース側出力トランジスタ15をオフさせることを指示し、かつ、シンクバッファ制御配線の電圧レベルがシンク側出力トランジスタ16の閾値電圧に応じて決定されたソースオフ閾値電圧に達したことに応じて、ソースバッファ制御配線に高電位側電源電圧を与える。また、ソースバッファオフ制御回路13は、ソースバッファ制御信号PENがソース側出力トランジスタ16をオンさせることを指示したことに応じて、ソースバッファ制御配線への高電位側電源電圧の供給を遮断すると共に、振幅抑制ブロック18にコンデンサの他端をソースバッファ制御配線に接続させる。
シンクバッファオフ制御回路14は、シンクバッファ制御信号NENがシンク側出力トランジスタ16をオフさせることを指示し、かつ、ソースバッファ制御配線の電圧レベルがソース側出力トランジスタ15の閾値電圧に応じて決定されたシンクオフ閾値電圧に達したことに応じて、シンクバッファ制御配線に低電位側電源電圧を与える。シンクバッファオフ制御回路14は、シンクバッファ制御信号NENがシンク側出力トランジスタ16をオンさせることを指示したことに応じて、シンクバッファ制御配線への低電位側電源電圧の供給を遮断すると共に、振幅抑制ブロック18にコンデンサの他端を前記シンクバッファ制御配線に接続させる。
実施の形態1にかかる半導体装置1では、ソース側出力トランジスタ15及びシンク側出力トランジスタ16が共にオフ状態となることに起因して出力端子Toがハイインピーダンス状態となる期間(以下HiZ期間と称す)の長さを2つの回路動作を用いて低減する。これらの回路動作を以下では、第1のHiZ期間低減機能及び第2のHiZ期間低減機能と称す。
第1のHiZ期間低減機能は、フィードバックブロック17の両端の電圧差を抑制することで、フィードバックブロック17の接続先を切り替えた際にフィードバックブロック17を構成するコンデンサに電荷が残っている状態とする。これにより、フィードバックブロック17の接続先を切り替えた後に必要になる電荷を低減することでフィードバックブロック17を接続した出力トランジスタがオンするまでに要する時間を低減する。
第2のHiZ期間低減機能は、ソース側出力トランジスタ15及びシンク側出力トランジスタ16をオフ状態からオン状態に切り替える際に、オン状態とする出力トランジスタのゲート電圧をオン状態からオフ状態に切り替える出力トランジスタのゲートに接続されるバッファオフ制御部にフィードバックする。そして、第2のHiZ期間低減機能では、オフ状態からオン状態に切り替える出力トランジスタがオン状態となった後に他方の出力トランジスタをオフさせる。つまり、第2のHZ期間低減機能では、出力トランジスタをオン状態からオフ状態に切り替える際にオフ状態となるタイミングを他方の出力トランジスタがオン状態となるまで遅延させる。第2のHiZ期間低減機能では、これにより、HiZ期間の長さを低減する。
続いて、実施の形態1にかかる半導体装置1の動作について説明する。半導体装置1のバッファ制御回路12、ソースバッファオフ制御回路13、シンクバッファオフ制御回路14及び振幅制御ブロック18は、トランジスタ等のスイッチ素子を含み、当該スイッチの開閉状態を切り替えることで、半導体装置1の出力信号の論理レベルを切り替える。そこで、図4に実施の形態1にかかる半導体装置を構成するブロックをスイッチに置き換えたブロック図を示す。
図4に示すように、バッファ制御回路12aは、ソース側電流源11aが出力したソース駆動電流をソース側出力トランジスタ15のゲートに伝達するか否かをソースバッファ制御信号PENに基づき切り替えるスイッチを有する。シンクバッファ制御回路12bは、シンク側電流源11bが出力したシンク駆動電流をシンク側出力トランジスタ16のゲートに伝達するか否かをシンクバッファ制御信号NENに基づき切り替えるスイッチを有する。
ソースバッファオフ制御回路13は、ソースバッファ制御信号PEN及びシンク側出力トランジスタ16のゲート電圧に基づき、高電位側電源配線VDDとソース側出力トランジスタ15のゲートとを接続するか否かを切り替えるスイッチを有する。シンクバッファオフ制御回路14は、シンクバッファ制御信号NEN及びソース側出力トランジスタ15のゲート電圧に基づき、低電位側電源配線VSSとシンク側出力トランジスタ16のゲートとを接続するか否かを切り替えるスイッチを有する。
振幅制御ブロック18は、ソース側ゲート接続スイッチ18aとシンク側ゲート接続スイッチ18bを有する。ソース側ゲート接続スイッチ18aは、ソース側出力トランジスタ15のゲートとフィードバックブロック17のコンデンサの他端とを接続するか否かを、シンクバッファオフ制御回路14がシンクバッファ制御信号NENに基づき生成する制御信号に応じて切り替える。シンク側ゲート接続スイッチ18bは、シンク側出力トランジスタ16のゲートとフィードバックブロック17のコンデンサの他端とを接続するか否かを、ソースバッファオフ制御回路13がソースバッファ制御信号PENに基づき生成する制御信号に応じて切り替える。
続いて、実施の形態1にかかる半導体装置1の動作状態を3つに分けて説明する。まず、半導体装置1が動作停止状態となったときの回路の状態について説明する。半導体装置1は動作停止状態のとき出力端子をハイインピーダンスに制御する。そこで、図5に実施の形態1にかかる半導体装置において出力端子をハイインピーダンス状態に制御した場合の回路の状態を説明する図を示す。
図5に示すように、このとき出力制御回路10にはロウレベルのイネーブル信号Seが入力される。そして、出力制御回路10は、イネーブル信号Seがハイレベルのときは、入力データDinの値に関わらずソースバッファ制御信号PENをロウレベルとし、シンクバッファ制御信号NENをハイレベルとする。これにより、半導体装置1は、ソースバッファオフ制御回路13及びシンクバッファオフ制御回路14のスイッチをオンさせる。また、半導体装置1は、ソースバッファ制御回路12a、シンクバッファ制御回路12b、ソース側ゲート接続スイッチ18a及びシンク側ゲート接続スイッチ18bをオフ状態とする。これにより、ソース側出力トランジスタ15のゲートには高電位側電源電圧が与えられるため、ソース側出力トランジスタ15はオフ状態となる。また、シンク側出力トランジスタ16のゲートには低電位側電源電圧が与えられるため、シンク側出力トランジスタ16はオフ状態となる。そして、2つの出力トランジスタが共にオフ状態となるため、半導体装置1の出力端子Toはハイインピーダンス状態となる。
続いて、実施の形態1にかかる半導体装置1が出力信号を立ち上げるときの回路の状態について説明する。そこで、図6に実施の形態1にかかる半導体装置において出力信号を立ち上げる場合の回路の状態を説明する図を示す。
図6に示すように、このとき出力制御回路10にはハイレベルのイネーブル信号Seが入力される。そして、出力制御回路10には入力データDinとしてハイレベルが入力される。出力制御回路10は、これらの入力に従って、ソースバッファ制御信号PEN及びシンクバッファ制御信号NENをハイレベルとする。ソースバッファ制御信号PENにより、ソースバッファ制御回路12aのスイッチはオン、ソースバッファオフ制御回路13のスイッチはオフ、シンク側ゲート接続スイッチ18bはオフ、となるように各スイッチの導通状態が切り替えられる。また、シンクバッファ制御信号NENにより、シンクバッファ制御回路12bのスイッチはオフ、シンクバッファオフ制御回路14のスイッチはオン、ソース側ゲート接続スイッチ18aはオン、となるように各スイッチの導通状態が切り替えられる。
上記のようなスイッチ状態となることで、半導体装置1は、ソース側出力トランジスタ15を介してソース電流を出力する。半導体装置1は、フィードバックブロック17を介してソース側出力トランジスタ15のドレインからゲートに向かうミラー効果ループが構成される。また、半導体装置1はシンクバッファオフ制御回路14が短絡してシンク側出力トランジスタ16をオフさせる。
続いて、実施の形態1にかかる半導体装置1が出力信号を立ち下げるときの回路の状態について説明する。そこで、図7に実施の形態1にかかる半導体装置において出力信号を立ち下げる場合の回路の状態を説明する図を示す。
図7に示すように、このとき出力制御回路10にはハイレベルのイネーブル信号Seが入力される。そして、出力制御回路10には入力データDinとしてロウレベルが入力される。出力制御回路10は、これらの入力に従って、ソースバッファ制御信号PEN及びシンクバッファ制御信号NENをロウレベルとする。ソースバッファ制御信号PENにより、ソースバッファ制御回路12aのスイッチはオフ、ソースバッファオフ制御回路13のスイッチはオン、シンク側ゲート接続スイッチ18bはオン、となるように各スイッチの導通状態が切り替えられる。また、シンクバッファ制御信号NENにより、シンクバッファ制御回路12bのスイッチはオン、シンクバッファオフ制御回路14のスイッチはオフ、ソース側ゲート接続スイッチ18aはオフ、となるように各スイッチの導通状態が切り替えられる。
上記のようなスイッチ状態となることで、半導体装置1は、シンク側出力トランジスタ16を介してシンク電流を吸い込む。半導体装置1は、フィードバックブロック17を介してシンク側出力トランジスタ16のドレインからゲートに向かうミラー効果ループが構成される。また、半導体装置1はソースバッファオフ制御回路13が短絡してソース側出力トランジスタ15をオフさせる。
実施の形態1にかかる半導体装置1では、出力信号の論理レベルを切り替える際の動作において上記の第2のHiZ期間低減機能を利用する。また、実施の形態1では、出力信号の論理レベルが安定して遷移している期間において第1のHiZ期間低減機能を利用する。そこで、信号レベルの切り換えを行う際のスイッチの開閉状態の遷移について説明する。図8に実施の形態1にかかる半導体装置の動作を説明するタイミングチャートを示す。
図8に示すように、タイミングT11において、入力データDinがロウレベルからハイレベルに切り替わると、出力制御回路10は、ソースバッファ制御信号PEN及びシンクバッファ制御信号NENをハイレベルに切り替える。これにより、シンクバッファ制御回路12b及びソースバッファオフ制御回路13のスイッチはオンからオフに切り替わる。これにより、シンク側出力トランジスタ16のゲートへの電流供給が停止する。また、ソース側出力トランジスタ15のゲートへの高電位側電源電圧の供給が停止する。なお、タイミングT11より前の時間にフィードバックブロック17のコンデンサの他端の電位が低下することに伴いシンク側ゲート接続スイッチ18bがオフするため、シンク側出力トランジスタ16のゲートとフィードバックブロック17のコンデンサとの接続は遮断された状態となっている。
次いで、タイミングT12では、ソースバッファ制御回路12aのスイッチがオフからオンに切り替わる。これにより、ソース側出力トランジスタ15のゲートへのソース制御電流の供給が開始される。一方、シンクバッファオフ制御回路14のスイッチ及びシンクバッファオフ制御回路14が出力する信号に基づき開閉状態が制御されるソース側ゲート接続スイッチ18aのスイッチは、未だソース側出力トランジスタ15のゲートの電圧がソース側出力トランジスタ15の閾値電圧を下回る電圧まで低下していないためタイミングT12ではオフ状態を維持する。なお、タイミングT12とタイミングT11との時間差は、ソースバッファ制御信号PENを伝達する経路に遅延回路を挿入することにより発生させることができる。これにより、回路内で発生する貫通電流を抑制することができる。また、貫通電流が無視できるのであれば、ソースバッファ制御信号PENを伝達する経路に遅延回路を挿入せずに、タイミングT11で行われる動作とタイミングT12で行われる動作を同時に行ってもよい。
次いで、タイミングT13では、ソース側出力トランジスタ15のゲート電圧がソース側電流源11aから供給されるソース制御電流(定電流)により徐々に低下するものの、いまだソース側出力トランジスタ15をオンさせるまでには到達していない状態である。そのため、半導体装置1では、シンクバッファオフ制御回路14のスイッチ及びソース側ゲート接続スイッチ18aのスイッチをオンさせるタイミングをソース側出力トランジスタ15がオンするタイミングまで遅延させる。そして、ソース側出力トランジスタ15が十分にオンできる程度までソース側出力トランジスタ15のゲート電圧が低下したことに応じて、シンクバッファオフ制御回路14のスイッチ及びソース側ゲート接続スイッチ18aのスイッチをオンしてシンク側出力トランジスタ16のゲートの電位を低電位側電源電圧とする。これにより、ソース側出力トランジスタ15がオンするタイミングとシンク側出力トランジスタ16がオフするタイミングを合わせることで半導体装置1はHiZ期間を低減する。
次いで、タイミングT21において、入力データDinがハイレベルからロウレベルに切り替わると、出力制御回路10は、ソースバッファ制御信号PEN及びシンクバッファ制御信号NENをロウレベルに切り替える。これにより、ソースバッファ制御回路12a及びシンクバッファオフ制御回路14のスイッチはオンからオフに切り替わる。これにより、ソース側出力トランジスタ15への電流供給が停止する。また、シンク側出力トランジスタ16への低電位側電源電圧の供給が停止する。なお、タイミングT21より前の時間にフィードバックブロック17のコンデンサの他端の電位が上昇することに伴いソース側ゲート接続スイッチ18aがオフするため、ソース側出力トランジスタ15のゲートとフィードバックブロック17のコンデンサとの接続は遮断された状態となっている。
次いで、タイミングT22では、シンクバッファ制御回路12bのスイッチがオフからオンに切り替わる。これにより、シンク側出力トランジスタ16のゲートへのソース制御電流の供給が開始される。一方、ソースバッファオフ制御回路13のスイッチ及びソースバッファオフ制御回路13が出力する信号に基づき開閉状態が制御されるシンク側ゲート接続スイッチ18bのスイッチは、未だシンク側出力トランジスタ16のゲートの電圧がシンク側出力トランジスタ16の閾値電圧を上回る電圧まで上昇していないためタイミングT22ではオフ状態を維持する。なお、タイミングT22とタイミングT21との時間差は、シンクバッファ制御信号NENを伝達する経路に遅延回路を挿入することにより発生させることができる。これにより、回路内で発生する貫通電流を抑制することができる。また、貫通電流が無視できるのであれば、シンクバッファ制御信号NENを伝達する経路に遅延回路を挿入せずに、タイミングT21で行われる動作とタイミングT22で行われる動作を同時に行ってもよい。
次いで、タイミングT23では、シンク側出力トランジスタ16のゲート電圧がシンク側電流源11bから供給されるシンク制御電流(定電流)により徐々に上昇するものの、いまだシンク側出力トランジスタ16をオンさせるまでには到達していない状態である。そのため、半導体装置1では、ソースバッファオフ制御回路13及びシンク側ゲート接続スイッチ18bのスイッチをオンさせるタイミングをソシンク側出力トランジスタ16がオンするタイミングまで遅延させる。そして、シンク側出力トランジスタ16が十分にオンできる程度までシンク側出力トランジスタ16のゲート電圧が上昇したことに応じて、ソースバッファオフ制御回路13及びシンク側ゲート接続スイッチ18bのスイッチをオンしてソース側出力トランジスタ15のゲートの電位を高電位側電源電圧とする。これにより、シンク側出力トランジスタ16がオンするタイミングとソース側出力トランジスタ15がオフするタイミングを合わせることで半導体装置1はHiZ期間を低減する。
実施の形態1にかかる半導体装置1は、図8で説明したようなスイッチの切り換えを行う。以下では、出力トランジスタのゲート電圧の変化及びフィードバックブロック17の両端の電圧差について更に詳細に説明する。
図9に実施の形態1にかかる半導体装置のソース側出力トランジスタ15のゲート電圧波形を説明するタイミングチャートを示す。図9に示すように、半導体装置1では、ソース側出力トランジスタ15のゲート電圧は、オフ状態ではほぼ高電位側電源電圧に一致する。そして、タイミングT31でソース制御電流によるゲート電荷の引き抜きが開始されると、ソース側出力トランジスタ15のゲート電圧の低下が開始される。そして、タイミングT32でソース側出力トランジスタ15のゲート電圧がソース側出力トランジスタ15の閾値電圧に達すると出力信号の信号レベルの上昇が開始される。
その後、タイミングT33において、出力信号の電圧がハイレベルと判断されるために十分な電圧に達する。タイミングT32からタイミングT33までの期間は、フィードバックブロック17のコンデンサがソース側出力トランジスタ15のゲートとソースの間に接続され、ミラー効果が生じる。このミラー効果により、ソース側電流源11aがソース側出力トランジスタ15のゲートから引き抜く電流は、フィードバックブロック17のコンデンサから出力される電流成分が主となる。従って、タイミングT32からタイミングT33の期間は、ソース側出力トランジスタ15のゲート電圧はほぼ一定になる。また、ソース側出力トランジスタ15のゲート電圧が一定に維持されるため、ソース側出力トランジスタ15は一定の大きさのソース電流を出力する。そして、タイミングT33以降は、フィードバックブロック17によるミラー効果が得られなくなるため、ソース制御電流によるソース側出力トランジスタ15のゲートからの電流の引き抜きが行われる。
図10に実施の形態1にかかる半導体装置のシンク側出力トランジスタ16のゲート電圧波形を説明するタイミングチャートを示す。図10に示すように、半導体装置1では、シンク側出力トランジスタ16のゲート電圧は、オフ状態ではほぼ低電位側電源電圧に一致する。そして、タイミングT41でシンク制御電流によるゲートへの電流の流入が開始されると、シンク側出力トランジスタ16のゲート電圧の上昇が開始される。そして、タイミングT42でシンク側出力トランジスタ16のゲート電圧がシンク側出力トランジスタ16の閾値電圧に達すると出力信号の信号レベルの低下が開始される。
その後、タイミングT43において、出力信号の電圧がロウレベルと判断されるために十分な電圧に達する。タイミングT42からタイミングT43までの期間は、フィードバックブロック17のコンデンサがシンク側出力トランジスタ16のゲートとソースの間に接続され、ミラー効果が生じる。このミラー効果により、ソース側電流源11bがシンク側出力トランジスタ16のゲートに与える電流は、フィードバックブロック17のコンデンサに蓄積される電流成分が主となる。従って、タイミングT42からタイミングT43の期間は、シンク側出力トランジスタ16のゲート電圧はほぼ一定になる。また、シンク側出力トランジスタ16のゲート電圧が一定に維持されるため、シンク側出力トランジスタ16は一定の大きさのソース電流を出力端子から引き抜く。そして、タイミングT43以降は、フィードバックブロック17によるミラー効果が得られなくなるため、シンク制御電流によるシンク側出力トランジスタ16のゲートへの電流の流入が行われる。
続いて、振幅制御ブロック18による第1のHiZ期間低減機能(例えば、フィードバックブロック17の両端の電圧差を抑制する機能)について詳細に説明する。そこで、図11に実施の形態1にかかる半導体装置の出力トランジスタのゲート電圧波形とフィードバックブロックの両端の電圧差を説明するタイミングチャートを示す。
図11に示すタイミングチャートでは、期間TM11において図10のタイミングT41からタイミングT42までの動作が行われ、期間TM12において図10のタイミングT42からタイミングT43の動作が行われる。そして、期間TM13は、図10のタイミングT43以降のシンク側出力トランジスタ16のゲート電圧が線形に上昇する期間である。しかしながら、実施の形態1にかかる半導体装置1では、シンク側出力トランジスタ16のゲート電圧がある程度上昇すると、シンク側ゲート接続スイッチ18bを構成するトランジスタのソースドレインの電圧関係が逆転するためシンク側ゲート接続スイッチ18bがオフする。このシンク側ゲート接続スイッチ18bがオフするタイミングが期間TM13が終了するタイミングである。そして、シンク側ゲート接続スイッチ18bがオフすることで、フィードバックブロック17のコンデンサへの電流の流入が停止するため、フィードバックブロック17の両端の電圧差はほぼ一定の電圧で遷移する。
また、図11に示すタイミングチャートでは、出力信号の立ち上げ処理が開始されたことに応じて期間TM21が開始される。期間TM21において図9のタイミングT31からタイミングT32までの動作が行われ、期間TM22において図9のタイミングT32からタイミングT33の動作が行われる。ここで、期間TM21の開始時点の電圧をみると、実施の形態1にかかる半導体装置1では、ソース側出力トランジスタ15のゲート電圧の立ち下げ処理の開始時点(例えば、期間TM21の開始時点)でフィードバックブロック17がソース側出力トランジスタ15のゲートに接続された際に、フィードバックブロック17のコンデンサに蓄積された電荷が少ないため、ソース側出力トランジスタ15のゲート電圧がソース側出力トランジスタ15の閾値電圧まで低下する時間が短い。
そして、このソース側出力トランジスタ15のゲート電圧がある程度低下すると、ソース側ゲート接続スイッチ18aを構成するトランジスタのソースドレインの電圧関係が逆転するためソース側ゲート接続スイッチ18aがオフする。このソース側ゲート接続スイッチ18aがオフするタイミングが期間TM23が終了するタイミングである。そして、ソース側ゲート接続スイッチ18aがオフすることで、フィードバックブロック17のコンデンサからの電流の引き抜きが停止するため、フィードバックブロック17の両端の電圧差はほぼ一定の電圧で遷移する。
ここで、比較例として、出力トランジスタのゲート電圧の電圧レベルによらず、フィードバックブロック17の他端を出力トランジスタのゲートに接続し続ける回路における出力トランジスタのゲート電圧及びフィードバックブロック17の両端電圧の電圧変化について説明する。そこで、図12に比較例にかかる出力バッファ回路の出力トランジスタのゲート電圧波形とフィードバックブロックの両端の電圧差を説明するタイミングチャートを示す。
図12に示すように、出力トランジスタのゲート電圧によらずフィードバックブロック17と出力トランジスタのゲートとの接続を維持した場合、フィードバックブロック17の両端の電圧差は、接続される出力トランジスタのゲート電圧に応じて低電位側電源電圧(例えば、接地電圧)から高電位側電源電圧(例えば、電源電圧)までの幅で振れる。そのため、比較例では、出力トランジスタのゲート電圧が出力トランジスタの閾値電圧に達するまでの期間(例えば、期間TM31、TM41)の長さが実施の形態1にかかる半導体装置1よりも長くなる。
続いて、実施の形態1にかかる半導体装置1における第2のHiZ期間低減機能について説明する。そこで、図13に実施の形態1にかかる半導体装置の出力トランジスタのゲート電圧波形とオフ制御スイッチ(例えば、ソースバッファオフ制御回路13、シンクバッファオフ制御回路14)の動作を説明するタイミングチャートを示す。
図13に示すように、実施の形態1にかかる半導体装置1では、オンさせる出力トランジスタに対応して設けられるオフ制御回路をオフさせることで出力トランジスタのゲート電圧の遷移を開始させる。そして、出力トランジスタのゲート電圧が閾値を跨ぐタイミングで、オフさせる出力トランジスタに対応して設けられるオフ制御回路をオンさせる。これにより、実施の形態1にかかる半導体装置1では、2つの出力トランジスタが共にオンする期間を実質的に低減する。
ここで、比較例として、第2のHiZ期間低減機能を有していない出力バッファ回路の動作を説明する。そこで、図14に比較例にかかる出力バッファ回路の出力トランジスタのゲート電圧波形とオフ制御スイッチの動作を説明するタイミングチャートを示す。
図14に示すように、比較例にかかる出力バッファ回路では、オンさせる出力トランジスタに設けられたオフ制御回路がオフするタイミングと、オフさせる出力トランジスタに対応して設けられたオフ制御回路がオンするタイミングと、がほぼ等しくなる。そして、オンさせる出力トランジスタは、オフさせる出力トランジスタがオフした後からオンする。そのため、比較例にかかる出力バッファ回路では、2つの出力トランジスタが共にオフ状態となり、出力端子がハイインピーダンスとなるHiZ期間が生じてしまう。
続いて、実施の形態1にかかる半導体装置1により出力される出力信号の電圧変化について説明する。そこで、図15に実施の形態1にかかる半導体装置における出力信号の遷移を説明するタイミングチャートを示す。なお、図15では、比較例として上記第1のHiZ期間低減機能及び第2のHiZ期間低減機能を有していない出力バッファ回路により出力される出力信号の電圧波形を示した。
図15に示すように、比較例にかかる出力バッファ回路から出力される出力信号は、DP配線に出力される一方の出力信号と、DM配線に出力される他方の出力信号と、で電圧変化のタイミングがずれるためクロスポイントのずれが発生する。一方、実施の形態1にかかる半導体装置1が出力する出力信号では、DP配線に出力される一方の出力信号と、DM配線に出力される他方の出力信号と、で電圧変化のタイミングが一致するため、クロスポイントのずれは発生しない。
上記説明より、実施の形態1にかかる半導体装置1は、第1のHiZ期間低減機能を有することにより、HiZ期間の原因となる出力トランジスタがオンするまでの時間を短縮することができる。これにより、実施の形態1にかかる半導体装置1は、出力信号のクロスポイントのずれを低減することができる。
また、実施の形態1にかかる半導体装置1は、第2のHiZ期間低減機能を有することにより、2つの出力トランジスタが共にオフとなる期間をなくすことができる。つまり、実施の形態1にかかる半導体装置1は、出力端子がハイインピーダンスとなるHiZ期間を無くし、出力端子がハイインピーダンスとなることに起因して発生する出力信号の信号品質の劣化を防止することができる。
また、実施の形態1にかかる半導体装置1は、回路動作によりHiZ期間を低減するため、素子特性のばらつきに対して高い耐性を有する。半導体素子には、製造プロセスに起因するばらつき、電源電圧の変動に起因するばらつき、温度に対するばらつきがある。そのため、第1のHiZ期間低減機能及び第2のHiZ期間低減機能を有しない場合、これらの素子特性のばらつきを考慮して最もHiZ期間が短くなる回路パラメータを求めるチューニング作業が必要であった。しかしながら、第1のHiZ期間低減機能及び第2のHiZ期間低減機能を有することで、このチューニング作業が不要になる。
また、ばらつきに対して回路特性を安定化させる場合、素子のサイズを大きくする必要があった。しかし、回路構成により第1のHiZ期間低減機能及び第2のHiZ期間低減機能を実現することで、小さなサイズの素子を利用してもHiZ期間を低減できる。そのため、実施の形態1にかかる半導体装置1では、素子サイズの縮小により回路面積を小さくすることができる。
また、実施の形態1にかかる半導体装置1では、出力信号の信号レベルを切り替える際のHiZ期間を低減することができる。そのため、例えば、USB規格に準拠したインタフェース回路のように、差動信号を伝達する2つの経路にプルアップ抵抗のような電流経路を片方だけ有するような回路において信号品質を向上させる効果が大きい。
実施の形態2
実施の形態2では、実施の形態1にかかる半導体装置1の具体的な回路の一例である半導体装置2について説明する。そこで、図16に実施の形態2にかかる半導体装置2の回路図を示す。
図16に示すように、実施の形態2にかかる半導体装置2では、第1の電流源(例えば、ソース側電流源11a)、第2の電流源(例えば、シンク側電流源11b)、ソースバッファ制御回路12a、シンクバッファ制御回路12b、ソースバッファオフ制御回路13、シンクバッファオフ制御回路14、ソース側出力トランジスタ15、シンク側出力トランジスタ16、フィードバックブロック17、ソース側ゲート接続スイッチ18a、シンク側ゲート接続スイッチ18bについて具体的な素子を示した。また、図16に示す例では、イネーブル制御信号Seが出力端子をハイインピーダンスに制御することを示す場合にソースバッファ制御回路13及びシンクバッファ制御回路14に無効化制御信号を出力する出力無効化制御回路19を示した。この出力無効化制御回路19は、ソースバッファ制御回路13及びシンクバッファ制御回路14に共通に用いられる回路であり、ソースバッファ制御回路13及びシンクバッファ制御回路14のいずれに含まれていても良く、図16に示す例のように独立して設けても良い。
ソース側出力トランジスタ15は、出力端子Toと高電位側電源配線VDDとの間に接続される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。シンク側出力トランジスタ16は、出力端子Toと低電位側電源配線VSSとの間に接続される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。なお、図16に示した半導体装置2では、出力端子Toとソース側出力トランジスタ15のドレインとの間に終端抵抗R1が挿入される。また、出力端子Toとシンク側出力トランジスタ16のドレインとの間に終端抵抗R2が挿入される。
フィードバックブロック17は、コンデンサCを有する。コンデンサCは、一端が出力端子Toに接続され、他端がソース側ゲート接続スイッチ18aとシンク側ゲート接続スイッチ18bとの間に接続される。
ソース側ゲート接続スイッチ18aは、第1のトランジスタ(例えば、PMOSトランジスタ25)を有する。PMOSトランジスタ25は、ソース側出力トランジスタ15の制御端子(例えば、ゲート)とコンデンサCの他端との間に接続される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。シンク側ゲート接続スイッチ18bは、第2のトランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ26)を有する。NMOSトランジスタ26は、シンク側出力トランジスタ16の制御端子(例えば、ゲート)とコンデンサCの他端との間に接続される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。
ソース側電流源11aは、定電流源である。ソース側電流源11aは一端が低電位側電源配線VSSに接続され、他端がソースバッファ制御回路12aに接続される。ソースバッファ制御回路12aは、第3のトランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ21)を有する。NMOSトランジスタ21は、ソース側電流源11aの他端とソース側出力トランジスタ15のゲートとの間に接続され、制御端子(例えば、ゲート)にソースバッファ制御信号PENが入力される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。
ソースバッファオフ制御回路13は、第4のトランジスタ(例えば、PMOSトランジスタ23a)、第1のインバータ(例えば、インバータINV11)、第2のインバータ(例えば、インバータINV12)、ORゲートGO1、PMOSトランジスタ23bを有する。PMOSトランジスタ23aは、ソース側出力トランジスタ15のゲートと高電位側電源配線VDDとの間に接続される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。インバータINV11は、シンク側出力トランジスタ16のゲートの論理レベルを反転させて出力する。ORゲートGO1は、ソースバッファ制御信号PENとインバータINV11の出力信号との論理和値をPMOSトランジスタ23aのゲートに出力する。インバータINV12は、ORゲートGO1の出力信号を反転してNMOSトランジスタ26のゲートに出力する。PMOSトランジスタ23bは、ソース側出力トランジスタ15のゲートと高電位側電源配線VDDとの間に接続される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。PMOSトランジスタ23bのゲートには、出力無効化制御回路19から出力される無効化制御信号が入力される。
シンク側電流源11bは、定電流源である。シンク側電流源11bは一端が高電位側電源配線VDDに接続され、他端がシンクバッファ制御回路12bに接続される。ソースバッファ制御回路12aは、第5のトランジスタ(例えば、PMOSトランジスタ22)を有する。PMOSトランジスタ22は、シンク側電流源11bの他端とシンク側出力トランジスタ16のゲートとの間に接続され、制御端子(例えば、ゲート)にシンクバッファ制御信号NENが入力される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。
シンクバッファオフ制御回路14は、第6のトランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ24a)、第3のインバータ(例えば、インバータINV21)、第4のインバータ(例えば、インバータINV22)、ANDゲートGA1、NMOSトランジスタ24bを有する。NMOSトランジスタ24は、シンク側出力トランジスタ16のゲートと低電位側電源配線VSSとの間に接続される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。インバータINV21は、ソース側出力トランジスタ15のゲートの論理レベルを反転させて出力する。ANDゲートGA1は、シンクバッファ制御信号NENと第3のインバータINV21の出力信号との論理積値をNMOSトランジスタ24のゲートに出力する。インバータINV22は、ANDゲートGA1の出力信号を反転してPMOSトランジスタ25のゲートに出力する。NMOSトランジスタ24bは、シンク側出力トランジスタ16のゲートと低電位側電源配線VSSとの間に接続される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。NMOSトランジスタ24bのゲートには、出力無効化制御回路19から出力される無効化制御信号が入力される。
出力無効化制御回路19は、インバータINV1、INV2、NORゲートGNOを有する。インバータINV1は、シンクバッファ制御信号NENの論理レベルを反転して出力する。NORゲートGNOは、一方の入力端子にソースバッファ制御信号PENとインバータINV1の出力との反転論理和値を出力する。インバータINV2は、NORゲートGNOの出力を反転して出力する。出力無効化制御回路19では、NORゲートGNOの出力をシンクバッファ制御回路14中のNMOSトランジスタ24bのゲートに与える無効化制御信号とする。また、出力無効化制御回路19では、インバータINV2の出力をソースバッファ制御回路13中のPMOSトランジスタ23bのゲートに与える無効化制御信号とする。
ここで、インバータが出力信号の論理レベルを反転させる閾値は、電源電圧の2分の1程度の電圧レベルに設定される。しかしながら、実施の形態2にかかる半導体装置2では、インバータINV11とインバータINV21の閾値を電源電圧の2分の1からずらす。具体的には、インバータINV11の閾値電圧は、シンク側出力トランジスタ16の閾値電圧と同じ程度の電圧レベルに設定する。インバータINV21の閾値電圧は、ソース側出力トランジスタ15の閾値電圧と同じ程度の電圧レベルに設定する。これは、PMOSトランジスタ23aをソース側出力トランジスタ15がオンするタイミングでオンさせ、NMOSトランジスタ24aをソース側出力トランジスタ15がオンするタイミングでオンさせる第2のHiZ期間低減機能を実現させるためである。
そこで、図17に実施の形態2にかかる半導体装置のインバータINV11の回路図を示す。図17に示すように、インバータINV11は、直列接続された複数のPMOSトランジスタ(図17中のPMOSトランジスタ31〜33)と並列接続された複数のNMOSトランジスタ(図17中のNMOSトランジスタ34〜36)とが高電位側電源配線VDDと低電位側電源配線VSSとの間に直列に接続される。このような接続とすることで、PMOSトランジスタ側の閾値電圧がNMOSトランジスタの閾値電圧より相対的に大きくなり、NMOSトランジスタの閾値電圧がPMOSトランジスタの閾値電圧より相対的に小さくなる。そのため、インバータINV11の閾値電圧は、電源電圧の2分の1よりも低くなる。実施の形態2にかかる半導体装置2では、インバータINV11の閾値電圧は、図17に示すような構成により、シンク側出力トランジスタ16の閾値電圧に近い値に設定される。
また、図18に実施の形態2にかかる半導体装置のインバータINV21の回路図を示す。図18に示すように、インバータINV21は、並列接続された複数のPMOSトランジスタ(図18中のPMOSトランジスタ41〜43)と直列接続された複数のNMOSトランジスタ(図18中のNMOSトランジスタ44〜46)とが高電位側電源配線VDDと低電位側電源配線VSSとの間に直列に接続される。このような接続とすることで、PMOSトランジスタ側の閾値電圧がNMOSトランジスタの閾値電圧より相対的に小さくなり、NMOSトランジスタの閾値電圧がPMOSトランジスタの閾値電圧より相対的に大きくなる。そのため、インバータINV21の閾値電圧は、電源電圧の2分の1よりも高くなる。実施の形態2にかかる半導体装置2では、インバータINV21の閾値電圧は、図18に示すような構成により、ソース側出力トランジスタ15の閾値電圧に近い値に設定される。
なお、インバータINV11、INV21の閾値電圧を、ソース側出力トランジスタ15及びシンク側出力トランジスタ16の閾値電圧と合わせるために、インバータINV11、INV21を構成するトランジスタとソース側出力トランジスタ15及びシンク側出力トランジスタ16は同じプロセスで形成することが好ましい。
上記で説明した実施の形態2にかかる半導体装置2では、各トランジスタ及び論理ゲートの動作により、実施の形態1にかかる半導体装置1と同様の動作を行うことができる。
実施の形態3
実施の形態3では、実施の形態1にかかる半導体装置1の具体的な回路の別の例である半導体装置3について説明する。そこで、図19に実施の形態3にかかる半導体装置3の回路図を示す。
図19に示すように、実施の形態3にかかる半導体装置3では、第1の電流源(例えば、ソース側電流源11a)、第2の電流源(例えば、シンク側電流源11b)、ソースバッファ制御回路12a、シンクバッファ制御回路12b、ソースバッファオフ制御回路13、シンクバッファオフ制御回路14、ソース側出力トランジスタ15、シンク側出力トランジスタ16、フィードバックブロック17、ソース側ゲート接続スイッチ18a、シンク側ゲート接続スイッチ18bについて具体的な素子を示した。また、図19に示す例においても、図16に示した実施の形態2にかかる半導体装置2と同様に出力無効化制御回路19を示した。この出力無効化制御回路19は、実施の形態2にかかる半導体装置2のものと実質的に同じであるため、ここでは説明を省略する。
ソース側出力トランジスタ15は、出力端子Toと高電位側電源配線VDDとの間に接続される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。シンク側出力トランジスタ16は、出力端子Toと低電位側電源配線VSSとの間に接続される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。なお、図19に示した半導体装置3では、出力端子Toとソース側出力トランジスタ15のドレインとの間に終端抵抗R1が挿入される。また、出力端子Toとシンク側出力トランジスタ16のドレインとの間に終端抵抗R2が挿入される。
フィードバックブロック17は、コンデンサCを有する。コンデンサCは、一端が出力端子Toに接続され、他端がソース側ゲート接続スイッチ18aとシンク側ゲート接続スイッチ18bとの間に接続される。
ソース側ゲート接続スイッチ18aは、第1のトランジスタ(例えば、PMOSトランジスタ58)を有する。PMOSトランジスタ58は、コンデンサCの他端と駆動電流伝達配線60との間に接続される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。シンク側ゲート接続スイッチ18bは、第2のトランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ59)を有する。NMOSトランジスタ59は、コンデンサCの他端と駆動電流伝達配線60との間に接続される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。実施の形態3にかかる半導体装置3では、PMOSトランジスタ58とNMOSトランジスタ59はコンデンサCと駆動電流伝達配線60との間に並列に接続される。
ソースバッファ制御回路12aは、第3のトランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ54)を有する。NMOSトランジスタ54は、駆動電流伝達配線60とソース側出力トランジスタ15の制御端子との間に接続され、制御端子(例えば、ゲート)にソースバッファ制御信号PENが入力される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。
ソースバッファオフ制御回路13は、第4のトランジスタ(例えば、PMOSトランジスタ56a)、第1のインバータ(例えば、インバータINV31)、第2のインバータ(例えば、インバータINV32)、ORゲートGO2、PMOSトランジスタ56bを有する。PMOSトランジスタ56aは、ソース側出力トランジスタ15のゲートと高電位側電源配線VDDとの間に接続される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。インバータINV31は、シンク側出力トランジスタ16のゲートの論理レベルを反転させて出力する。ORゲートGO2は、ソースバッファ制御信号PENとインバータINV31の出力信号との論理和値をPMOSトランジスタ56aのゲートに出力する。インバータINV32は、ORゲートGO2の出力信号を反転してPMOSトランジスタ59のゲートに出力する。PMOSトランジスタ56bは、ソース側出力トランジスタ15のゲートと高電位側電源配線VDDとの間に接続される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。PMOSトランジスタ56bのゲートには、出力無効化制御回路19から出力される無効化制御信号が入力される。
ソース側電流源11aは、定電流源51及びNMOSトランジスタ50を有する。定電流源51は、一端が低電位側電源配線VSSに接続され、他端がNMOSトランジスタ50のソースに接続される。NMOSトランジスタ50は、ゲートにソースバッファ制御信号PENが入力され、ソースが定電流源51の他端に接続され、ドレインが駆動電流伝達配線60に接続される。
ソースバッファ制御回路12bは、第5のトランジスタ(例えば、PMOSトランジスタ55)を有する。PMOSトランジスタ55は、駆動電流伝達配線60とシンク側出力トランジスタ16の制御端子との間に接続され、制御端子(例えば、ゲート)にシンクバッファ制御信号NENが入力される第1導電型(例えば、P型半導体)のトランジスタである。
シンクバッファオフ制御回路14は、第6のトランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ57a)、第3のインバータ(例えば、インバータINV41)、第4のインバータ(例えば、インバータINV42)、ANDゲートGA2、NMOSトランジスタ57bを有する。NMOSトランジスタ57aは、シンク側出力トランジスタ16のゲートと低電位側電源配線VSSとの間に接続される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。インバータINV41は、ソース側出力トランジスタ15のゲートの論理レベルを反転させて出力する。ANDゲートGA2は、シンクバッファ制御信号NENとインバータINV41の出力信号との反転論理積値をNMOSトランジスタ57aのゲートに出力する。インバータINV42は、ANDゲートGA2の出力信号を反転してNMOSトランジスタ59のゲートに出力する。NMOSトランジスタ57bは、シンク側出力トランジスタ16のゲートと低電位側電源配線VSSとの間に接続される第2導電型(例えば、N型半導体)のトランジスタである。NMOSトランジスタ57bのゲートには、出力無効化制御回路19から出力される無効化制御信号が入力される。
シンク側電流源11bは、定電流源52及びPMOSトランジスタ53を有する。定電流源52は、一端が高電位側電源配線VDDに接続され、他端がPMOSトランジスタ53のソースに接続される。PMOSトランジスタ53は、ゲートにシンクバッファ制御信号NENが入力され、ソースが定電流源52の他端に接続され、ドレインが駆動電流伝達配線60に接続される。
実施の形態3にかかる半導体装置3においても、実施の形態2にかかるインバータINV11と同様に、インバータINV31の閾値電圧は、シンク側出力トランジスタ16の閾値電圧に応じた値に設定される。また、インバータINV41の閾値電圧も、実施の形態2にかかるインバータINV21と同様に、シンク側出力トランジスタ16の閾値電圧に応じた値に設定される。
上記で説明した実施の形態2にかかる半導体装置2では、各トランジスタ及び論理ゲートの動作により、実施の形態1にかかる半導体装置1と同様の動作を行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。