JP2017117529A - 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017117529A JP2017117529A JP2015248514A JP2015248514A JP2017117529A JP 2017117529 A JP2017117529 A JP 2017117529A JP 2015248514 A JP2015248514 A JP 2015248514A JP 2015248514 A JP2015248514 A JP 2015248514A JP 2017117529 A JP2017117529 A JP 2017117529A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- positive electrode
- lithium
- active material
- electrode active
- composite oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
Description
特許文献1および2に記載の発明においては、充電電圧を高くすることでエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池を実現している。
この問題は、高い電圧で充電した場合に、正極活物質が劣化していることが原因であると考えられていた。しかし、正極活物質の劣化の態様および劣化のメカニズムが十分に理解されていなかった。そして、充電電圧が高い場合に、劣化しにくい正極活物質は実現していなかった。そのため、従来の正極活物質は、充電電圧を高くして用いるリチウムイオン二次電池では使用できなかった。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、正極集電体上に、導電材、バインダおよび上記正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン時電池は、負極、非水電解質、セパレータおよび上記リチウムイオン二次電池用正極を有することを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極によれば、高電圧で充電した場合であってもサイクル特性が良好であるリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、高電圧で充電した場合であってもサイクル特性が良好である。
「Li」との表記は、特に言及しない限り当該金属単体ではなく、Li元素であることを示す。Ni、Co、Mn等の他の元素の表記も同様である。
リチウム含有複合酸化物の組成分析は、誘導結合プラズマ分析法(以下、ICPと記す。)によって行う。また、リチウム含有複合酸化物における各元素の比率は、初回充電前のリチウム含有複合酸化物における値である。
<正極活物質>
本発明の正極活物質(以下、本正極活物質という。)は、空間群R−3mの結晶構造を有し、EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物を含む。
リチウム含有複合酸化物としては、下記式1で表される化合物1または下記式2で表される化合物2が好ましい。これらの化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。リチウム含有複合酸化物としては、化合物1がより好ましい。
LiaNibCocMndMeO2 式1
ただし、式1において、aは1〜1.1、bは0〜1、cは0〜1、dは0〜1、eは0〜0.1、a+b+c+d+e=2、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Nb、Mo、WおよびZrからなる群から選ばれる1種以上の元素である。
式1において、bは、リチウム含有複合酸化物に含まれるNiのモル比である。リチウムイオン二次電池の放電容量が高い正極活物質が得られる点で、bは0〜1が好ましく、0.4〜0.9がより好ましく、0.4〜0.5がさらに好ましい。
式1において、cは、リチウム含有複合酸化物に含まれるCoのモル比である。リチウムイオン二次電池の出力特性が高い正極活物質が得られる点で、cは0〜1が好ましく、0.05〜0.3がより好ましく、0.15〜0.3がさらに好ましい。
式1において、dは、リチウム含有複合酸化物に含まれるMnのモル比である。リチウムイオン二次電池の安全性が高い正極活物質が得られる点で、dは0〜1が好ましく、0〜0.35がより好ましく、0.2〜0.3がさらに好ましい。
式1において、eは、リチウム含有複合酸化物に含まれる他の元素Mのモル比である。リチウムイオン二次電池の放電容量とサイクル特性が高い正極活物質が得られる点で、eは0〜0.1が好ましく、0〜0.05がより好ましい。
化合物1としては、 LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn0.5Ni0.5O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、LiNi0.85Co0.10Al0.05O2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等が挙げられる。
Li(LifMngM’h)OiFj 式2
ただし、式2において、M’は、Co、Ni、Cr、Fe、Al、Ti、ZrおよびMgからなる群から選ばれる少なくとも一種である。また、式2において、0.09<f<0.25、g>0、h>0、1.9<i<2.1、0≦j≦0.1であり、かつ0.55≦g/(g+h)≦0.8、f+g+h=1、1.2<(1+f)/(g+h)である。
Dabc=(0.9λ)/(Bcosθ)
ただし、Dabcは、(abc)面の結晶子径であり、λは、X線の波長である。
前記リチウム含有複合酸化物の表面に被覆物を有する正極活物質は、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を良好にしやすい。
前記被覆物は、リチウム含有複合酸化物の表面に存在すればよく、リチウム含有複合酸化物の全面に存在してもよく、リチウム含有複合酸化物の一部に存在してもよい。
前記D50は、体積基準で求めた粒度分布の全体積を100%とした累積体積分布曲線において50%となる点の粒子径、すなわち体積基準累積50%径である。
D50の粒度分布は、レーザー散乱粒度分布測定装置(たとえば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置等)で測定した頻度分布および累積体積分布曲線から求められる。測定は、粉末を水媒体中に超音波処理等で充分に分散させて行われる。
前記比表面積は、BET(Brunauer,Emmet,Teller)法によって測定される値である。比表面積の測定では、吸着ガスとして窒素ガスを用いる。
本正極活物質に含まれるリチウム含有複合酸化物は、遷移金属含有化合物と、リチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成することによって製造できる。遷移金属含有化合物に含まれる遷移金属は、NiおよびCoを必須として含み、MnとM(Mは式1におけるMと同じである。)を任意として含むことが好ましい。
本正極活物質に含まれるリチウム含有複合酸化物の製造方法を、遷移金属として、NiおよびCoを必須として含み、MnとMを任意として含む化合物を製造する例を用いて説明する。
(a)NiおよびCoを必須として含み、MnとMを任意として含む遷移金属含有化合物を得る工程。
(b)遷移金属含有化合物とリチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成してリチウム含有複合酸化物を得る工程。
遷移金属含有化合物がMを含む場合、遷移金属含有化合物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比率は、リチウム含有複合酸化物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比率と同じにすることが好ましい。
遷移金属含有化合物がMを含まず、工程(b)においてMを含む化合物をさらに混合する場合、遷移金属含有化合物に含まれるNi、CoおよびMnの比率は、リチウム含有複合酸化物に含まれるNi、CoおよびMnの比率と同じにすることが好ましい。
アルカリ共沈法とは、NiおよびCoを必須として含み、MnとMを任意として含む金属塩水溶液と、強アルカリを含むpH調整液とを連続的に反応槽に供給して混合し、混合液中のpHを一定に保ちながら、NiおよびCoを必須として含み、MnとMを任意として含む水酸化物を析出させる方法である。
Niの硫酸塩としては、たとえば、硫酸ニッケル(II)・六水和物、硫酸ニッケル(II)・七水和物、硫酸ニッケル(II)アンモニウム・六水和物等が挙げられる。
Coの硫酸塩としては、たとえば、硫酸コバルト(II)・七水和物、硫酸コバルト(II)アンモニウム・六水和物等が挙げられる。
Mnの硫酸塩としては、たとえば、硫酸マンガン(II)・五水和物、硫酸マンガン(II)アンモニウム・六水和物等が挙げられる。
水以外の水性媒体としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、グリセリン等が挙げられる。水以外の水性媒体の割合は、安全面、環境面、取扱性、コストの点から、水100質量部に対して、0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましく、0〜1質量部が特に好ましい。
強アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
なお、水酸化物の製造方法においては、上記した以外に必要に応じて適宜他の工程を行ってもよい。
第2の反応槽には、金属塩水溶液およびpH調整液を供給しつつ、錯化剤を連続的に供給することが好ましい。
遷移金属含有化合物とリチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成することによって、リチウム含有複合酸化物が形成される。混合物には、Mを含む化合物をさらに混合してもよい。
水酸化物とリチウム化合物との混合比は、水酸化物に含まれるNi、Co、MnおよびMの合計モル量に対するリチウム化合物に含まれるLiのモル量の比が1〜1.22となる混合比が好ましく、1〜1.1がより好ましい。
遷移金属含有化合物がMを含まず、混合物にMを含む化合物をさらに混合する場合、Mを含む化合物を混合した後の混合物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比は、リチウム含有複合酸化物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比と同じにすることが好ましい。
焼成装置としては、電気炉、連続焼成炉、ロータリーキルン等が挙げられる。
空気の供給速度は、炉の内容積1Lあたり、10〜200mL/分が好ましく、40〜150mL/分がより好ましい。
焼成時に空気を供給することによって、遷移金属含有化合物に含まれる金属元素が充分に酸化される。その結果、結晶性が高く、かつ空間群R−3mの結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物が得られる。
焼成時間は、4〜40時間が好ましく、4〜20時間がより好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極(以下、本正極と記す。)は、本正極活物質を含むものである。具体的には、正極集電体上に、導電材、バインダおよび本正極活物質を含む正極活物質層が形成されたものである。
バインダとしては、フッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、不飽和結合を有する重合体または共重合体(スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等)、アクリル酸系重合体または共重合体(アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体等)等が挙げられる。
正極集電体としては、アルミニウム箔、ステンレススチール箔等が挙げられる。
本正極活物質、導電材およびバインダを、媒体に溶解または分散させてスラリーを得る。得られたスラリーを正極集電体に塗工し、乾燥等により、媒体を除去することによって、正極活物質層を形成する。必要に応じて、正極活物質層を形成した後に、ロールプレス等で圧延してもよい。これにより、本正極を得る。
または本正極活物質、導電材およびバインダを、媒体と混練することによって、混練物を得る。得られた混練物を正極集電体に圧延することにより本正極を得る。
本発明のリチウムイオン二次電池(以下、本電池と記す。)は、本正極を有するものである。具体的には、本正極、負極、セパレータおよび非水電解質を有するものである。
負極は、負極活物質を含むものである。具体的には、負極活物質、必要に応じて導電材およびバインダを含む負極活物質層が、負極集電体上に形成されたものである。
負極活物質に使用する周期表14族の金属としては、Si、Snが挙げられ、Siが好ましい。
他の負極活物質としては、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、その他の窒化物等が挙げられる。
負極集電体としては、ニッケル箔、銅箔等の金属箔が挙げられる。
負極活物質、導電材およびバインダを、媒体に溶解または分散させてスラリーを得る。得られたスラリーを負極集電体に塗布、乾燥、プレスすること等によって媒体を除去し、負極を得る。
非水電解質としては、有機溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液が挙げられる。
有機溶媒としては、非水電解液用の有機溶媒として公知のものが挙げられる。具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等が挙げられる。電圧安定性の点からは、環状カーボネート類(プロピレンカーボネート等)、鎖状カーボネート類(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等)が好ましい。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
電解質塩は、リチウムイオン二次電池に用いられるものであればよい。電解質塩としては、LiClO4、LiPF6、LiBF4、CH3SO3Li等が挙げられる。
電池外装体の材料としては、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、樹脂材料、フィルム材料等が挙げられる。
リチウムイオン二次電池の形状としては、コイン型、シート状(フィルム状)、折り畳み状、巻回型有底円筒型、ボタン型等が挙げられ、用途に応じて適宜選択することができる。
リチウム含有複合酸化物のEBSD法による方位解析は、結晶方位分析装置(TSL社製、装置名:OIM結晶方位解析装置(EBSD))を用いて測定した。
加速電圧を20kVとして測定を行った。リチウム含有複合酸化物を含む正極体シートを作製し、この正極体シートを断面加工装置(日本電子社製、装置名:SM−09010 クロスセクションポリッシャ(CP))にて切断加工して測定試料とした。リチウム含有複合酸化物の断面を電子顕微鏡(日本電子社製、JSM―7000F、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM))を用いて観察した。次いで、測定部位を選定し、EBSD法による方位解析を行った。
方位解析では、結晶方位差が15°以内の領域を連続した領域とし、結晶方位マップ像を作成した。この結結晶方位マップ像の中の前記結晶方位差が15°以内の領域を円形近似し、近似した直径に対する面積分布を作成した。この面積分布の全面積の100%に対して領域面積が90%となるときの直径を面積基準累積90%径として算出した。
水酸化物およびリチウム含有複合酸化物の組成分析は、誘導結合プラズマ(ICP)を用いた分析法により行った。
正極活物質を水中に超音波処理によって充分に分散させ、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(日機装社製、MT−3300EX)により測定を行い、頻度分布および累積体積分布曲線を得ることで体積基準の粒度分布を得た。得られた累積体積分布曲線から正極活物質の平均粒子径(D50)を求めた。
正極活物質の比表面積は、比表面積測定装置(マウンテック社製、HM model−1208)を用い、窒素吸着BET法により算出した。脱気は、200℃、20分の条件で行った。
水酸化物を900℃で8時間焼成して得られた酸化物、およびリチウム含有複合酸化物のX線回折は、X線回折装置(リガク社製、装置名:SmartLab)を用いて測定した。測定条件を表1に示す。測定は25℃で行った。測定前に酸化物またはリチウム含有複合酸化物の1gとX線回折用標準試料640dの10mgとをメノウ乳鉢で混合し、これを測定試料とした。
得られたX線回折パターンについてリガク社製の統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2を用いてピーク検索を行った。各ピークから、酸化物のI222/I400、リチウム含有複合酸化物のD110を求めた。
共沈法で得られた表2に示す水酸化物と、炭酸リチウム(SQM社製、MICグレード)とを、X(Xは、Ni、CoおよびMnである。)に対するLiのモル比(Li/X)が表2に示す値となるように秤量した。次に、酸化ジルコニウム粉末(新日本電工社製、商品名:PCS)を、リチウム複合酸化物中の金属含有量(ただし、Liを除く)に対して0.3モル%の量で秤量した。そして、炭酸リチウム、水酸化物および酸化ジルコニウムを混合した。
得られた混合物を連続焼成炉にて、空気を供給しながら、大気雰囲気下920℃で8時間焼成してリチウム含有複合酸化物を得て、これを正極活物質とした。焼成温度は、共通熱履歴センサー(一般財団法人ファインセラミックスセンター製、リファサーモ)の指示値である。
リチウム含有複合酸化物および水酸化物の各測定結果を表3に示す。XRD測定では、リチウム含有複合酸化物がR−3mの結晶構造を有することが確認された。
水酸化物を、表2に示す水酸化物とし、酸化ジルコニウム粉末の量を0.5モル%、焼成温度を900℃に変更した以外は、例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を得て、これを正極活物質とした。
リチウム含有複合酸化物および水酸化物の各測定結果を表3に示す。XRD測定では、リチウム含有複合酸化物がR−3mの結晶構造を有することが確認された。
例1および2の正極活物質を用いて、それぞれの正極活物質からリチウム二次電池1および2を以下のようにして製造し、評価した。
各例で得られた正極活物質、導電材である導電性カーボンブラック、およびバインダであるポリフッ化ビニリデンを、質量比で90:5:5となるように秤量し、これらをN−メチルピロリドンに加えて、スラリーを調製した。
該スラリーを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にドクターブレードにより塗工した。ドクターブレードのギャップは圧延後のシート厚さ50μmとなるように調整した。これを90℃で真空乾燥した後、ロールプレス圧延を2回行い、正極体シートを作製した。
正極体シートを直径18mmの円形に打ち抜いたものを正極とした。
負極材には金属リチウム箔(本庄ケミカル社製、リチウムフォイル)を用い、直径19mmの円形に打ち抜いたものを負極とした。
セパレータとしては、厚さ25μmの多孔質ポリプロピレン(セルガード社製、セルガード(登録商標)#2500)を用いた。
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの容積比1:1の混合溶液に、濃度が1mol/dm3となるようにLiPF6を溶解させた液を用いた。
正極、負極、セパレータおよび電解液を用い、ステンレス鋼製簡易密閉セル型のリチウム二次電池をアルゴングローブボックス内で組み立てた。
リチウム二次電池について、定電流・定電圧モードにおいて、正極活物質の1gにつき192mAの負荷電流で4.5Vまで充電した後、定電流モードにおいて、正極活物質の1gにつき160mAの負荷電流で2.75Vまで放電させる充放電を50回(サイクル)行った。そして、50サイクル後の容量維持率および電圧維持率をそれぞれ求めた。結果を表3に示す。
表3において、50サイクル後の容量維持率(%)は、1回目の4.5V充電における放電容量に対する、50回目の4.5V充電における放電容量の割合(%)である。
この理由は定かではないが、EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物は、充放電時に結晶子がLiの引き抜きおよび挿入で膨張伸縮しても、粒子内で応力が緩和されるためであると考えられる。そして、この応力が緩和された結果、リチウム含有複合酸化物の粒子内で割れや亀裂が生じにくくなっていると考えられる。
Claims (6)
- 空間群R−3mの結晶構造を有し、
EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物を含む正極活物質。 - 前記リチウム含有複合酸化物が下記式1で表される請求項1記載の正極活物質。
LiaNibCocMndMeO2 式1
(ただし、式1において、aは1〜1.1、bは0〜1、cは0〜1、dは0〜1、eは0〜0.1、a+b+c+d+e=2、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Nb、Mo、WおよびZrからなる群から選ばれる1種以上の元素である。) - 前記正極活物質の平均粒子径(D50)が3〜15μmである請求項1または2記載の正極活物質。
- 前記リチウム含有複合酸化物は、X線回折パターンにおいて空間群R−3mの結晶構造に帰属する(110)面のピークからシェラーの式によって求めた結晶子径が30〜70nmである請求項1〜3のいずれか1項記載の正極活物質。
- 正極集電体上に、導電材、バインダおよび請求項1〜4のいずれか1項記載の正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなるリチウムイオン二次電池用正極。
- 負極、非水電解質、セパレータおよび請求項5記載のリチウムイオン二次電池用正極を有するリチウムイオン二次電池。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015248514A JP6612611B2 (ja) | 2015-12-21 | 2015-12-21 | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
JP2019197276A JP6944499B2 (ja) | 2015-12-21 | 2019-10-30 | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015248514A JP6612611B2 (ja) | 2015-12-21 | 2015-12-21 | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019197276A Division JP6944499B2 (ja) | 2015-12-21 | 2019-10-30 | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017117529A true JP2017117529A (ja) | 2017-06-29 |
JP6612611B2 JP6612611B2 (ja) | 2019-11-27 |
Family
ID=59234457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015248514A Active JP6612611B2 (ja) | 2015-12-21 | 2015-12-21 | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6612611B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190068294A (ko) * | 2017-12-08 | 2019-06-18 | 주식회사 엘 앤 에프 | 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지 |
WO2019124767A1 (ko) * | 2017-12-21 | 2019-06-27 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 리튬 이차 전지용 양극 활물질 및 이의 제조 방법, 상기 양극 활물질을 포함하는 리튬 이차 전지 |
CN112005409A (zh) * | 2018-08-31 | 2020-11-27 | 松下知识产权经营株式会社 | 正极活性物质及具备该正极活性物质的电池 |
CN114342119A (zh) * | 2019-08-30 | 2022-04-12 | 住友金属矿山株式会社 | 锂离子二次电池用正极活性物质和锂离子二次电池 |
WO2022149933A1 (ko) * | 2021-01-08 | 2022-07-14 | 주식회사 엘지화학 | 양극 활물질, 이를 포함하는 양극 및 리튬 이차전지 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010074303A1 (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-01 | 日本碍子株式会社 | リチウム二次電池の正極活物質用の板状粒子、及び同物質膜、並びにリチウム二次電池 |
WO2014049958A1 (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-03 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池用正極活物質及びその正極活物質を用いた非水電解質二次電池 |
JP2016122626A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | Jx金属株式会社 | リチウムイオン電池用正極活物質、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池 |
JP2017001910A (ja) * | 2015-06-10 | 2017-01-05 | 旭硝子株式会社 | リチウム含有複合酸化物、正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
JP2017014092A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | 旭硝子株式会社 | リチウム含有複合酸化物、正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
-
2015
- 2015-12-21 JP JP2015248514A patent/JP6612611B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010074303A1 (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-01 | 日本碍子株式会社 | リチウム二次電池の正極活物質用の板状粒子、及び同物質膜、並びにリチウム二次電池 |
WO2014049958A1 (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-03 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池用正極活物質及びその正極活物質を用いた非水電解質二次電池 |
JP2016122626A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | Jx金属株式会社 | リチウムイオン電池用正極活物質、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池 |
JP2017001910A (ja) * | 2015-06-10 | 2017-01-05 | 旭硝子株式会社 | リチウム含有複合酸化物、正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
JP2017014092A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | 旭硝子株式会社 | リチウム含有複合酸化物、正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190068294A (ko) * | 2017-12-08 | 2019-06-18 | 주식회사 엘 앤 에프 | 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지 |
KR102000724B1 (ko) * | 2017-12-08 | 2019-10-01 | 주식회사 엘 앤 에프 | 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지 |
WO2019124767A1 (ko) * | 2017-12-21 | 2019-06-27 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 리튬 이차 전지용 양극 활물질 및 이의 제조 방법, 상기 양극 활물질을 포함하는 리튬 이차 전지 |
CN111492513A (zh) * | 2017-12-21 | 2020-08-04 | 浦项产业科学研究院 | 锂二次电池用正极活性材料及其制备方法和包含所述正极活性材料的锂二次电池 |
CN111492513B (zh) * | 2017-12-21 | 2024-02-20 | 浦项产业科学研究院 | 锂二次电池用正极活性材料及其制备方法和包含所述正极活性材料的锂二次电池 |
US11923542B2 (en) | 2017-12-21 | 2024-03-05 | Research Institute Of Industrial Science & Technology | Positive active material for lithium rechargeable battery, manufacturing method thereof, and lithium rechargeable battery including same positive active material |
CN112005409A (zh) * | 2018-08-31 | 2020-11-27 | 松下知识产权经营株式会社 | 正极活性物质及具备该正极活性物质的电池 |
CN114342119A (zh) * | 2019-08-30 | 2022-04-12 | 住友金属矿山株式会社 | 锂离子二次电池用正极活性物质和锂离子二次电池 |
WO2022149933A1 (ko) * | 2021-01-08 | 2022-07-14 | 주식회사 엘지화학 | 양극 활물질, 이를 포함하는 양극 및 리튬 이차전지 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6612611B2 (ja) | 2019-11-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6983152B2 (ja) | 正極活物質、その製造方法およびリチウムイオン二次電池用正極 | |
JP6377983B2 (ja) | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
CN106252613B (zh) | 含锂复合氧化物、正极活性物质、锂离子二次电池用正极和锂离子二次电池 | |
JP5979251B2 (ja) | 高電圧特性に優れる活物質 | |
WO2017135414A1 (ja) | リチウム含有複合酸化物、正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP6607670B2 (ja) | 正極活物質、その製造方法、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
KR20160006172A (ko) | 전이 금속 복합 수산화물 입자와 그의 제조 방법, 비수전해질 이차 전지용 정극 활물질과 그의 제조 방법, 및 비수전해질 이차 전지 | |
CN108432001B (zh) | 正极活性物质的制造方法、正极活性物质、正极和锂离子二次电池 | |
JP6374226B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極、およびリチウムイオン二次電池 | |
JP6612611B2 (ja) | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP6745929B2 (ja) | リチウム含有複合酸化物の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP6353310B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
CN111094188A (zh) | 金属复合氢氧化物及其制造方法、非水电解质二次电池用正极活性物质及其制造方法、以及使用其的非水电解质二次电池 | |
US9643859B2 (en) | Process for producing carbonate compound and cathode active material | |
JP6493408B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 | |
JP6209435B2 (ja) | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
CN108432000B (zh) | 正极活性物质、锂离子二次电池用正极及锂离子二次电池 | |
JP6944499B2 (ja) | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP6835888B2 (ja) | リチウム含有複合酸化物、正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP2018163892A (ja) | 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20151222 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20170620 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181106 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191001 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190930 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191031 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6612611 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |