JP2017117529A - 正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、リチウムイオン二次電池の充電電圧が高い場合であっても、充放電サイクルを繰り返す間に劣化しにくいリチウム含有複合酸化物を含む正極活物質の提供を目的とする。【解決手段】本発明の正極活物質は、空間群R−3mの結晶構造を有し、EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池の正極には、正極活物質としてリチウム含有複合酸化物が使用されている。リチウム含有複合酸化物としては、Ni、Co、MnまたはAlなどの金属元素とLiとを含む複合酸化物が広く使用されている。また、リチウム含有複合酸化物は、結晶構造がLi原子の層、前記金属原子の層および酸素原子の層を有する層状構造である。
リチウムイオン二次電池は、単位体積あたりまたは単位質量あたりのエネルギー(以下、これらを総称してエネルギー密度という。)を高くすることが求められている。このため、リチウムイオン二次電池は充電容量を高くすること、または充電電圧を高く(例えば、4.3V vs Li/Li以上の高い充電電圧)することの要求がある。
さらに、正極活物質においても、放電容量の高い材料、または充電電圧を高くしても劣化の程度が小さい材料を用いることが要求されている。特に充電電圧を高くしても劣化の程度が小さい正極活物質の提供が求められている。
特許文献1および2に記載の発明においては、充電電圧を高くすることでエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池を実現している。
特許文献1には、一般式LiNiCoMn(0.2≦a≦1、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、Zr、S、Si、Na、K、Alから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1)で表される正極活物質において、少なくともNi、Co及びMnを含む金属酸化物であって、Ni、Co及びMnの組成比がNi:Co:Mn=b2:c2:d2(ただし、b2+c2+d2=1、0<b2<1、0<c2<c、d<d2<1)で表される高マンガン部を表層に有し、該高マンガン部の層の厚みs(nm)が0<s<20であることを特徴とする正極活物質(ただし、中心から表面までの全領域で連続的に濃度勾配を示すものを除く。)が記載されている。
特許文献2には、集電体と該集電体に結着された正極活物質層とを含み、該正極活物質層はLiNiCoMn、LiCoMn、LiNiMn、LiNiCo及びLiMnO(但し0.5≦x≦1.5、0.1≦a<1、0.1≦b<1、0.1≦c<1)から選ばれるLi化合物又は固溶体を含む正極活物質粒子と、該正極活物質粒子どうしを結着するとともに該正極活物質粒子と該集電体とを結着する結着部と、該正極活物質粒子の少なくとも一部表面を被覆する非晶質の酸化ホウ素コート層と、からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極が記載されている。
国際公開第2014/115559号 特開2014−127235号公報
リチウムイオン二次電池のエネルギー密度を高くするために充電電圧を高くすると、リチウムイオン二次電池を繰り返して使用する間のリチウムイオン二次電池の容量低下が顕著になるという問題ある。
この問題は、高い電圧で充電した場合に、正極活物質が劣化していることが原因であると考えられていた。しかし、正極活物質の劣化の態様および劣化のメカニズムが十分に理解されていなかった。そして、充電電圧が高い場合に、劣化しにくい正極活物質は実現していなかった。そのため、従来の正極活物質は、充電電圧を高くして用いるリチウムイオン二次電池では使用できなかった。
ここで、前記した特許文献1に記載の正極活物質および特許文献2に記載の正極はいずれも、リチウム含有複合酸化物の表面に被覆物(高マンガン部の表層、または酸化ホウ素コート層)を設けることで、充電電圧を高くした場合の正極活物質の劣化を抑制している。すなわち、特許文献1に記載の正極活物質および特許文献2に記載の正極はいずれも、充電電圧を高くした場合にリチウム含有複合酸化物自体の劣化は着目されておらず、また改善されていない。
本発明は、上記課題に鑑み、リチウムイオン二次電池の充電電圧が高い場合であっても、充放電サイクルを繰り返す間に劣化しにくいリチウム含有複合酸化物を含む正極活物質の提供を目的とする。
本発明の正極活物質は、空間群R−3mの結晶構造を有し、EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物を含むことを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、正極集電体上に、導電材、バインダおよび上記正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン時電池は、負極、非水電解質、セパレータおよび上記リチウムイオン二次電池用正極を有することを特徴とする。
本発明の正極活物質は、充電電圧を高くしても、充放電を繰り返す間に劣化しにくいリチウム含有複合酸化物を含む。そのため、充電電圧を高くしても、リチウムイオン二次電池を繰り返して使用する間の放電容量(サイクル特性という)の低下が起こりにくい。すなわち、本発明の正極活物質を使用すれば、高いエネルギー密度とサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極によれば、高電圧で充電した場合であってもサイクル特性が良好であるリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、高電圧で充電した場合であってもサイクル特性が良好である。
例1のリチウム含有複合酸化物の結晶方位差が15°以内の領域を連続して得られた結晶方位マップ像を示す図である。 例2のリチウム含有複合酸化物の結晶方位差が15°以内の領域を連続して得られた結晶方位マップ像を示す図である。 4.5Vで50サイクル充放電を繰り返した後の例1のリチウム含有複合酸化物の断面SEM像を示す図である。 4.5Vで50サイクル充放電を繰り返した後の例2のリチウム含有複合酸化物の断面SEM像を示す図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「Li」との表記は、特に言及しない限り当該金属単体ではなく、Li元素であることを示す。Ni、Co、Mn等の他の元素の表記も同様である。
リチウム含有複合酸化物の組成分析は、誘導結合プラズマ分析法(以下、ICPと記す。)によって行う。また、リチウム含有複合酸化物における各元素の比率は、初回充電前のリチウム含有複合酸化物における値である。
本発明の一実施形態の正極活物質を詳細に説明する。
<正極活物質>
本発明の正極活物質(以下、本正極活物質という。)は、空間群R−3mの結晶構造を有し、EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物を含む。
本正極活物質に含まれるリチウム含有複合酸化物は、上記構成を有するため、例えば、電圧が4.3V(vsLi/Li)以上の高い電圧で充電しても劣化しにくい。そのため、本正極活物質を有するリチウムイオン二次電池は、高電圧で充電することでエネルギー密度を高くでき、さらに、本正極活物質が劣化しにくいので、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を高くできる。
リチウム含有複合酸化物が空間群R−3mの結晶構造を有することは、X線回折(XRD)測定により確認できる。X線回折測定は、実施例に記載の方法および条件で行う。空間群R−3mの結晶構造に帰属する(110)面のピークは、2θ=64〜66degに現れるピークである。空間群R−3mの結晶構造に帰属する(104)面のピークは、2θ=43〜46degに現れるピークである。
リチウム含有複合酸化物のEBSD(電子線後方散乱回折)法による方位解析は、結晶方位分析装置(例えば、TSL社製、装置名:OIM結晶方位解析装置(EBSD))を用いて測定できる。詳細には、実施例に記載の方法および条件で行う。方位解析では、結晶方位差が15°以内の領域を連続した領域とし、結晶方位マップ像を作成する。そして、この結晶方位マップ像を用いて、前記結晶方位差が15°以内の領域の面積基準で求めた領域分布の全面積の100%に対して領域面積が90%となるときの直径を面積基準累積90%径として算出する。
正極活物質は、リチウム含有複合酸化物の結晶子が複数凝集した粒子からなる。そして、リチウム含有複合酸化物は、充放電時にLiイオンが結晶構造から脱挿入されることで結晶子が伸縮する。そのため、リチウムイオン二次電池の充電電圧を高くする、つまりリチウム含有複合酸化物からのLiイオンの脱挿入量を多くすると、結晶子の伸縮が大きくなる。結晶子の伸縮が大きくなると、粒子内での応力が大きくなり、リチウム含有複合酸化物の粒子の割れ、または亀裂が生じやすくなると考えられる。
これに対し、本正極活物質に含まれるリチウム含有複合酸化物の粒子は、EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmである。このリチウム含有複合酸化物は、リチウムイオン二次電池の充電電圧を高くしても、結晶子が伸縮する際に、リチウム含有複合酸化物の粒子内でその応力が緩和される。
この理由は必ずしも明確ではないが、次のように考えられる。充放電時の結晶子の伸縮は、結晶方位によって伸びる方位、縮む方位が存在する。すなわち、結晶子の同一方位で連続した領域を有していれば、結晶子の伸びまたは縮みが増幅され、粒子内での応力が増大すると考えられる。一方で、本正極活物質に含まれるリチウム含有複合酸化物は、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径を1.4μm以下とすることにより、同一方位で連続する結晶子に制限を加え、粒子内の応力を緩和できるものと考えられる。その結果、リチウム含有複合酸化物の粒子の割れまたは亀裂が発生しにくくなると考えられる。一方で、結晶子の方位を乱雑にしすぎると、結晶子粒界でのLiイオンの拡散抵抗が増大し、高率放電時の容量が低下するおそれがある。そのため、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径は0.1μm以上とするのがよい。
Liイオンがリチウム含有複合酸化物から脱挿入する際にリチウム含有複合酸化物の粒子内に生じる応力を緩和する点、および結晶子粒界でのLiイオンの拡散抵抗の上昇を抑制する点から、前記結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径は、0.2〜1.1μmがより好ましく、0.3〜0.9μmがさらに好ましい。
本発明においてリチウム含有複合酸化物は、Ni、CoおよびMnからなる群から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素とLiとを含有する化合物であることが好ましい。
リチウム含有複合酸化物としては、下記式1で表される化合物1または下記式2で表される化合物2が好ましい。これらの化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。リチウム含有複合酸化物としては、化合物1がより好ましい。
化合物1は下記式1で表されるリチウム含有複合酸化物である。
LiNiCoMn 式1
ただし、式1において、aは1〜1.1、bは0〜1、cは0〜1、dは0〜1、eは0〜0.1、a+b+c+d+e=2、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Nb、Mo、WおよびZrからなる群から選ばれる1種以上の元素である。
式1において、aは、リチウム含有複合酸化物に含まれるLiのモル比である。aが1〜1.1であれば、リチウムイオン二次電池の放電容量が高い正極活物質が得られる。aは1.01〜1.05が好ましく、1.02〜1.04がより好ましい。
式1において、bは、リチウム含有複合酸化物に含まれるNiのモル比である。リチウムイオン二次電池の放電容量が高い正極活物質が得られる点で、bは0〜1が好ましく、0.4〜0.9がより好ましく、0.4〜0.5がさらに好ましい。
式1において、cは、リチウム含有複合酸化物に含まれるCoのモル比である。リチウムイオン二次電池の出力特性が高い正極活物質が得られる点で、cは0〜1が好ましく、0.05〜0.3がより好ましく、0.15〜0.3がさらに好ましい。
式1において、dは、リチウム含有複合酸化物に含まれるMnのモル比である。リチウムイオン二次電池の安全性が高い正極活物質が得られる点で、dは0〜1が好ましく、0〜0.35がより好ましく、0.2〜0.3がさらに好ましい。
式1において、eは、リチウム含有複合酸化物に含まれる他の元素Mのモル比である。リチウムイオン二次電池の放電容量とサイクル特性が高い正極活物質が得られる点で、eは0〜0.1が好ましく、0〜0.05がより好ましい。
他の元素Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Nb、Mo、WおよびZrからなる群から選ばれる1種以上の元素である。リチウムイオン二次電池のサイクル特性が高い正極活物質が得られる点で、Mは、Zr、Al、Ti、およびWからなる群から選ばれる1種以上の元素であることが好ましく、MはZrであることがより好ましい。
化合物1としては、 LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn0.5Ni0.5、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.85Co0.10Al0.05、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等が挙げられる。
化合物2は、下記式2で表されるリチウム含有複合酸化物である。式2で表されるリチウム含有複合酸化物の表記は、充放電や活性化等の処理を行う前の組成式である。ここで、活性化とは、リチウム含有複合酸化物から酸化リチウム(LiO)、またはリチウムおよび酸化リチウムを取り除くことをいう。通常の活性化方法としては、4.4Vまたは4.6V(Li/Liの酸化還元電位との電位差として表わされる値である。)より大きな電圧で充電する、電気化学的活性化法が挙げられる。また、硫酸、塩酸、硝酸等の酸を用いた化学反応を用いる化学的活性化方法が挙げられる。
Li(LiMnM’)O 式2
ただし、式2において、M’は、Co、Ni、Cr、Fe、Al、Ti、ZrおよびMgからなる群から選ばれる少なくとも一種である。また、式2において、0.09<f<0.25、g>0、h>0、1.9<i<2.1、0≦j≦0.1であり、かつ0.55≦g/(g+h)≦0.8、f+g+h=1、1.2<(1+f)/(g+h)である。
すなわち、化合物2は、Liのモル量が、MnとM’の合計に対して1.2倍超である。また、化合物2はMnを特定量含む化合物である点も特徴であり、MnとM’の総量に対するMnのモル量の割合は、0.55〜0.8が好ましく、0.6〜0.75がより好ましい。Mnが前記の範囲であれば、リチウムイオン二次電池の放電容量をより高くできる。ここで、jはF(フッ素)の割合を示すが、Fが存在しない場合にはjは0である。また、iは、f、g、hおよびjに応じて決まる値であり、1.9〜2.1である。
M’は、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素であることが好ましい。この場合、0.11≦f≦0.22、g>0、h>0、1.9<i<2.1、0≦j≦0.1であり、かつ0.55≦g/(g+h)≦0.75、f+g+h=1、1.2<(1+f)/(g+h)であると電池特性に優れるため特に好ましい。
化合物2において、前記遷移金属元素の総モル量に対するLiの組成比は、1.2<(1+f)/(g+h)≦1.6が好ましく、1.25≦(1+f)/(g+h)≦1.55がより好ましく、1.3≦(1+f)/(g+h)≦1.5が特に好ましい。この組成比が前記の範囲であれば、4.6V以上の高い充電電圧を印加した場合に、リチウムイオン二次電池の放電容量を高くできるリチウム含有複合酸化物が得られる。
化合物2としては、例えば、Li(Li0.13Ni0.26Co0.09Mn0.52)O、Li(Li0.13Ni0.22Co0.09Mn0.56)O、Li(Li0.13Ni0.17Co0.17Mn0.53)O、Li(Li0.15Ni0.17Co0.13Mn0.55)O、Li(Li0.16Ni0.17Co0.08Mn0.59)O、Li(Li0.17Ni0.17Co0.17Mn0.49)O、Li(Li0.17Ni0.21Co0.08Mn0.54)O、Li(Li0.17Ni0.14Co0.14Mn0.55)O、Li(Li0.18Ni0.12Co0.12Mn0.58)O、Li(Li0.18Ni0.16Co0.12Mn0.54)O、Li(Li0.20Ni0.12Co0.08Mn0.60)O、Li(Li0.20Ni0.16Co0.08Mn0.56)O、Li(Li0.20Ni0.13Co0.13Mn0.54)O、Li(Li0.2Ni0.2Mn0.6)O等が特に好ましい。
化合物2は、層状岩塩型結晶構造(空間群R−3m)を有する。また、化合物2は、遷移金属元素に対するLiの比率が高いため、X線源としてCuKα線を用いるXRD(X線回折)測定において、層状LiMnOと同様に、2θ=20〜25degの範囲にピークが観察される。
リチウム含有複合酸化物のX線回折パターンにおける、空間群R−3mの結晶構造に帰属する(110)面のピークからシェラーの式によって求めた結晶子径(D110)は、30〜70nmが好ましく、30〜65nmがより好ましく、40〜65nmがさらに好ましい。D110が前記範囲の下限値以上であれば、結晶構造の安定性が向上する。D110が前記範囲の上限値以下であれば、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を良好にしやすい。
シェラー径Dabcは、X線回折パターンにおける特定の(abc)面のピークについて、該ピークの回折角2θ(deg)および半値幅B(rad)から下記式によって算出した値である。
abc=(0.9λ)/(Bcosθ)
ただし、Dabcは、(abc)面の結晶子径であり、λは、X線の波長である。
本正極活物質は、前記リチウム含有複合酸化物そのものであってもよく、前記リチウム含有複合酸化物の表面に被覆物を有するものであってもよい。
前記リチウム含有複合酸化物の表面に被覆物を有する正極活物質は、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を良好にしやすい。
前記被覆物としては、Zr、Ti、AlおよびFからなる群から選ばれる1種以上を含む化合物が挙げられる。Zr、TiおよびAlからなる群から選ばれる1種以上を含む化合物としては、これらの元素を含む酸化物、硫酸塩、炭酸塩等が挙げられる。Fを含む化合物としては、フッ化リチウム、フッ化アンモニウム等が挙げられる。
前記被覆物は、リチウム含有複合酸化物の表面に存在すればよく、リチウム含有複合酸化物の全面に存在してもよく、リチウム含有複合酸化物の一部に存在してもよい。
被覆物中のZr、Ti、AlおよびFの合計の含有量は、前記リチウム含有複合酸化物の金属(Liを除く)の含有量(100モル%)に対して0.01モル%以上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましく、0.2モル%以上が特に好ましい。被覆物のZr、Ti、AlおよびFの合計の含有量は、前記リチウム含有複合酸化物の金属(Liを除く)の含有量(100モル%)に対して5モル%以下が好ましく、1モル%以下がより好ましく、0.6モル%以下が特に好ましい。
本正極活物質の平均粒子径(D50)は、3〜15μmが好ましい。本正極活物質のD50が前記範囲内であれば、リチウムイオン二次電池の放電容量を大きくしやすい。本正極活物質のD50は、3〜12μmがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。
前記D50は、体積基準で求めた粒度分布の全体積を100%とした累積体積分布曲線において50%となる点の粒子径、すなわち体積基準累積50%径である。
50の粒度分布は、レーザー散乱粒度分布測定装置(たとえば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置等)で測定した頻度分布および累積体積分布曲線から求められる。測定は、粉末を水媒体中に超音波処理等で充分に分散させて行われる。
本正極活物質の比表面積は、0.1〜3.0m/gが好ましい。本正極活物質の比表面積が前記範囲の下限値以上であれば、リチウムイオン二次電池の放電容量を大きくしやすい。比表面積が前記範囲の上限値以下であれば、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を良好にしやすい。本正極活物質の比表面積は、0.2〜1.5m/gがより好ましく、0.3〜0.9m/gがさらに好ましい。
前記比表面積は、BET(Brunauer,Emmet,Teller)法によって測定される値である。比表面積の測定では、吸着ガスとして窒素ガスを用いる。
本正極活物質は、複数のリチウム含有複合酸化物の一次粒子が凝集した二次粒子であるものが好ましい。
(正極活物質の製造方法)
本正極活物質に含まれるリチウム含有複合酸化物は、遷移金属含有化合物と、リチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成することによって製造できる。遷移金属含有化合物に含まれる遷移金属は、NiおよびCoを必須として含み、MnとM(Mは式1におけるMと同じである。)を任意として含むことが好ましい。
本正極活物質に含まれるリチウム含有複合酸化物の製造方法を、遷移金属として、NiおよびCoを必須として含み、MnとMを任意として含む化合物を製造する例を用いて説明する。
リチウム含有複合酸化物の製造方法の一態様としては、たとえば、下記の工程(a)および工程(b)を有する方法が挙げられる。
(a)NiおよびCoを必須として含み、MnとMを任意として含む遷移金属含有化合物を得る工程。
(b)遷移金属含有化合物とリチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成してリチウム含有複合酸化物を得る工程。
工程(a):
遷移金属含有化合物がMを含む場合、遷移金属含有化合物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比率は、リチウム含有複合酸化物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比率と同じにすることが好ましい。
遷移金属含有化合物がMを含まず、工程(b)においてMを含む化合物をさらに混合する場合、遷移金属含有化合物に含まれるNi、CoおよびMnの比率は、リチウム含有複合酸化物に含まれるNi、CoおよびMnの比率と同じにすることが好ましい。
遷移金属含有化合物としては、水酸化物、炭酸塩等が挙げられ、リチウム含有複合酸化物を効率よく製造できる観点から、水酸化物が好ましい。ここで、リチウム含有複合酸化物を製造する際に使用する水酸化物には、一部が酸化されているオキシ水酸化物も含まれる。
水酸化物は、たとえば、アルカリ共沈法によって調製できる。
アルカリ共沈法とは、NiおよびCoを必須として含み、MnとMを任意として含む金属塩水溶液と、強アルカリを含むpH調整液とを連続的に反応槽に供給して混合し、混合液中のpHを一定に保ちながら、NiおよびCoを必須として含み、MnとMを任意として含む水酸化物を析出させる方法である。
金属塩としては、各金属元素の硝酸塩、酢酸塩、塩化物塩、硫酸塩が挙げられ、材料コストが比較的安価であり、優れた電池特性が得られる点から、硫酸塩が好ましい。金属塩としては、Niの硫酸塩、Mnの硫酸塩、およびCoの硫酸塩がより好ましい。
Niの硫酸塩としては、たとえば、硫酸ニッケル(II)・六水和物、硫酸ニッケル(II)・七水和物、硫酸ニッケル(II)アンモニウム・六水和物等が挙げられる。
Coの硫酸塩としては、たとえば、硫酸コバルト(II)・七水和物、硫酸コバルト(II)アンモニウム・六水和物等が挙げられる。
Mnの硫酸塩としては、たとえば、硫酸マンガン(II)・五水和物、硫酸マンガン(II)アンモニウム・六水和物等が挙げられる。
金属塩水溶液は、水以外の水性媒体を含んでいてもよい。
水以外の水性媒体としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、グリセリン等が挙げられる。水以外の水性媒体の割合は、安全面、環境面、取扱性、コストの点から、水100質量部に対して、0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましく、0〜1質量部が特に好ましい。
pH調整液としては、強アルカリを含む水溶液が好ましい。
強アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
混合液には、金属元素の溶解度を調整するために、錯化剤を加えてもよい。錯化剤は、Ni、CoおよびMnと錯体を形成するものである。錯化剤としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が好ましい。Ni、CoおよびMnの溶解度の差を小さくするため、錯化剤の供給量は、Ni、CoおよびMnの合計モル量に対するモル比で、0.01〜10となる量が好ましく、該モル比は0.1〜1がより好ましい。
水酸化物の製造方法は、第1の反応槽中で共沈物の核を作製し、核を第2の反応槽に移し、第2の反応槽で核を粒子成長させる方法が好ましい。このような製造方法で得られた水酸化物を使用してリチウム含有複合酸化物を製造すれば、リチウム含有複合酸化物のEBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径を0.1〜1.4μmの範囲にしやすい。
なお、水酸化物の製造方法においては、上記した以外に必要に応じて適宜他の工程を行ってもよい。
第1の反応槽では、NiおよびCoを必須として含み、Mnを任意として含む金属塩水溶液と強アルカリを含むpH調整液とを連続的に供給して、共沈物の核を作製する。第1の反応槽には、金属塩水溶液とpH調整液を供給する前に、あらかじめ水を入れておいてもよい。金属塩水溶液およびpH調整液を第1の反応槽に連続的に供給する方法は、滴下法や、反応溶液中に挿入した配管から圧送する方法等が挙げられる。金属塩水溶液およびpH調整液を供給する際には、反応溶液を撹拌していることが好ましく、反応溶液を窒素ガス等でバブリングしていることが好ましい。
第1の反応槽では、金属塩水溶液およびpH調整液を供給しつつ、オーバーフロー口から核を含むスラリーをオーバーフローすることが好ましい。これにより、第1の反応槽中の固形分濃度を、核同士の凝集が抑制される程度に維持でき、第1の反応槽での核の成長を抑制できる。
第1の反応槽に、金属塩水溶液を供給する間、第1の反応槽中の反応溶液のpHは11〜13.5に保持しておくことが好ましい。反応溶液のpHが11〜13.5に保持されていれば、金属塩と強アルカリとが素早く反応し、核の成長に対して核の生成が支配的になるため好ましい。反応溶液のpHは、12〜13がより好ましい。反応溶液のpHの調整は、pH調整液の供給速度により調整できる。また、第1の反応槽においては、反応溶液の温度を45〜70℃とすることが好ましい。
第1の反応槽には、錯化剤を連続的に供給することが好ましい。これにより、Ni、CoおよびMnの金属の溶解度の差を小さくできる。その結果、金属組成が均一な共沈物の核を作製できる。
第1の反応槽で得られた核は、第2の反応槽に移される。核を移す方法としては、第1の反応槽から核を含むスラリーをオーバーフローして第2の反応槽に移す方法、同様にオーバーフローしたスラリーを別の容器に移してここから第2の反応槽に移す方法、第1の反応槽の上部に配管を設けて配管をとおして核を含むスラリーを第2の反応槽に移す方法等が挙げられる。これらの中でも、第1の反応槽から核を含むスラリーをオーバーフローして第2の反応槽へ移す方法が簡便であるため好ましい。
第2の反応槽では、金属塩水溶液およびpH調整液を連続的に供給して、核を成長させて水酸化物を作製する。金属塩水溶液およびpH調整液を供給する方法は、第1の反応槽の場合と同様の方法を採用できる。
第2の反応槽には、金属塩水溶液およびpH調整液を供給しつつ、錯化剤を連続的に供給することが好ましい。
第2の反応槽では、金属塩水溶液およびpH調整液を供給しつつ、オーバーフロー口からろ布等をとおして上澄み液を除去することが好ましい。これにより、第2の反応槽の固形分濃度を高くでき、核の生成に対して核および核が成長した粒子の成長を支配的にできる。この結果、粒子の成長が均一になり、円形度が高く、粒子径分布が狭い水酸化物が得られる。
核を成長させる際に、第2の反応槽中の反応溶液のpHは9〜11.5に保持することが好ましい。反応溶液のpHがこの範囲で保持されていれば、核の成長が進行しやすいため好ましい。反応溶液のpHは、9.5〜10.5に保持することより好ましい。第2の反応槽中の反応溶液の温度は20〜40℃が好ましい。第2の反応槽で核を成長させる時間は特に制限はなく、目的とする粒子の大きさに応じて適宜選択することができる。
第2の反応槽で得られた水酸化物はろ過により分離し、その後、水洗することが好ましい。これにより、共沈法で得られた水酸化物から不純物を除去できる。水洗後に水酸化物を乾燥することが好ましい。乾燥温度は80〜140℃が好ましいが、水分を除去できれば、乾燥時間は特に限定されない。
水酸化物の比表面積は、1〜50m/gが好ましく、2〜20m/gがより好ましい。水酸化物の比表面積が前記範囲内であれば、正極活物質の比表面積を好ましい範囲に制御しやすい。なお、水酸化物の比表面積は、水酸化物を120℃で12時間乾燥した後に測定した値である。
水酸化物のD50は、3〜15μmが好ましく、3〜12μmがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。水酸化物のD50が前記範囲内であれば、正極活物質のD50を好ましい範囲に制御しやすい。
水酸化物としては、水酸化物を900℃で8時間焼成して得られた酸化物のX線回折パターンにおける、空間群Fd−3mの結晶構造に帰属する(400)面のピークの積分強度(I400)に対する、空間群Fd−3mの結晶構造に帰属する(222)面のピークの積分強度(I222)の比(I222/I400)が、0.310〜0.350となるものが好ましく、0.313〜0.330となるものがより好ましく、0.313〜3.25となるものがさらに好ましい。酸化物のI222/I400が前記範囲内となるような水酸化物を用いることによって、リチウム含有複合酸化物のEBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の体積基準累積90%径を0.1μm〜1.4μmの範囲にしやすい。
X線回折測定は、実施例に記載の方法および条件で行う。空間群Fd−3mの結晶構造に帰属する(400)面のピークは、2θ=37.5〜38.0degに現れるピークである。空間群Fd−3mの結晶構造に帰属する(222)面のピークは、2θ=43.5〜44.0degに現れるピークである。
工程(b):
遷移金属含有化合物とリチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成することによって、リチウム含有複合酸化物が形成される。混合物には、Mを含む化合物をさらに混合してもよい。
リチウム化合物としては、炭酸リチウム、水酸化リチウムおよび硝酸リチウムからなる群から選ばれる1種が好ましい。製造工程での取扱いの容易性の点から、炭酸リチウムがより好ましい。
水酸化物とリチウム化合物との混合比は、水酸化物に含まれるNi、Co、MnおよびMの合計モル量に対するリチウム化合物に含まれるLiのモル量の比が1〜1.22となる混合比が好ましく、1〜1.1がより好ましい。
遷移金属含有化合物がMを含む場合、混合物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比は、リチウム含有複合酸化物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比と同じにすることが好ましい。
遷移金属含有化合物がMを含まず、混合物にMを含む化合物をさらに混合する場合、Mを含む化合物を混合した後の混合物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比は、リチウム含有複合酸化物に含まれるNi、Co、MnおよびMの比と同じにすることが好ましい。
Mを含む化合物としては、Mの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、および有機化合物からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。これらの化合物であれば、工程(b)において、不純物が揮発して、不純物がリチウム含有複合酸化物に残留しにくい。
遷移金属含有化合物とリチウム化合物とを混合する方法としては、たとえば、ロッキングミキサ、ナウタミキサ、スパイラルミキサ、カッターミル、Vミキサ等を使用する方法等が挙げられる。
焼成装置としては、電気炉、連続焼成炉、ロータリーキルン等が挙げられる。
焼成時に遷移金属含有化合物が酸化されることから、焼成は大気下で行うことが好ましく、空気を供給しながら行うことが特に好ましい。
空気の供給速度は、炉の内容積1Lあたり、10〜200mL/分が好ましく、40〜150mL/分がより好ましい。
焼成時に空気を供給することによって、遷移金属含有化合物に含まれる金属元素が充分に酸化される。その結果、結晶性が高く、かつ空間群R−3mの結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物が得られる。
焼成温度は、800〜970℃が好ましく、810〜960℃が好ましく、870〜940℃がより好ましい。焼成温度は、焼成炉の設定温度ではなく、共通熱履歴センサー(一般財団法人ファインセラミックスセンター製、リファサーモ)の指示値、または混合物に近接した位置の熱電対の指示値である。焼成温度が前記範囲の下限値以上であれば、リチウム含有複合酸化物を有するリチウムイオン二次電池の放電容量を大きくしやすい。焼成温度が前記範囲の上限値以下であれば、リチウム含有複合酸化物を有するリチウムイオン二次電池のサイクル特性を良好にしやすい。
焼成時間は、4〜40時間が好ましく、4〜20時間がより好ましい。
本正極活物質がリチウム含有複合酸化物の表面に被覆物を有する場合、被覆物の形成は、たとえば、Zr、Ti、AlおよびFからなる群から選ばれる1種以上を含むコート液を前記リチウム含有複合酸化物に噴霧し、コート液の溶媒を焼成により除去する、または、コート液中に前記リチウム含有複合酸化物を浸漬し、ろ過による固液分離、焼成による溶媒除去を行う、ことによって実施できる。
<リチウムイオン二次電池用正極>
本発明のリチウムイオン二次電池用正極(以下、本正極と記す。)は、本正極活物質を含むものである。具体的には、正極集電体上に、導電材、バインダおよび本正極活物質を含む正極活物質層が形成されたものである。
導電材としては、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)、黒鉛、気相成長カーボン繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
バインダとしては、フッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、不飽和結合を有する重合体または共重合体(スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等)、アクリル酸系重合体または共重合体(アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体等)等が挙げられる。
正極集電体としては、アルミニウム箔、ステンレススチール箔等が挙げられる。
本正極は、たとえば、下記の方法によって製造できる。
本正極活物質、導電材およびバインダを、媒体に溶解または分散させてスラリーを得る。得られたスラリーを正極集電体に塗工し、乾燥等により、媒体を除去することによって、正極活物質層を形成する。必要に応じて、正極活物質層を形成した後に、ロールプレス等で圧延してもよい。これにより、本正極を得る。
または本正極活物質、導電材およびバインダを、媒体と混練することによって、混練物を得る。得られた混練物を正極集電体に圧延することにより本正極を得る。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池(以下、本電池と記す。)は、本正極を有するものである。具体的には、本正極、負極、セパレータおよび非水電解質を有するものである。
(負極)
負極は、負極活物質を含むものである。具体的には、負極活物質、必要に応じて導電材およびバインダを含む負極活物質層が、負極集電体上に形成されたものである。
負極活物質は、比較的低い電位でリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料であればよい。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、リチウム化合物、炭素材料、周期表14族の金属を主体とする酸化物、周期表15族の金属を主体とする酸化物、炭素化合物、炭化ケイ素化合物、酸化ケイ素化合物、硫化チタン、炭化ホウ素化合物等が挙げられる。
負極活物質の炭素材料としては、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、天然黒鉛、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭、カーボンブラック類等が挙げられる。
負極活物質に使用する周期表14族の金属としては、Si、Snが挙げられ、Siが好ましい。
他の負極活物質としては、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、その他の窒化物等が挙げられる。
負極の導電材、バインダとしては、正極と同様のものを用いることができる。
負極集電体としては、ニッケル箔、銅箔等の金属箔が挙げられる。
負極は、たとえば、下記の方法によって製造できる。
負極活物質、導電材およびバインダを、媒体に溶解または分散させてスラリーを得る。得られたスラリーを負極集電体に塗布、乾燥、プレスすること等によって媒体を除去し、負極を得る。
(非水電解質)
非水電解質としては、有機溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液が挙げられる。
有機溶媒としては、非水電解液用の有機溶媒として公知のものが挙げられる。具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等が挙げられる。電圧安定性の点からは、環状カーボネート類(プロピレンカーボネート等)、鎖状カーボネート類(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等)が好ましい。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
電解質塩は、リチウムイオン二次電池に用いられるものであればよい。電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、CHSOLi等が挙げられる。
正極と負極の間には、短絡を防止するためにセパレータを介在させてもよい。セパレータとしては、多孔膜が挙げられる。非水電解液は該多孔膜に含浸させて用いる。また、多孔膜に非水電解液を含浸させてゲル化させたものをゲル状電解質として用いてもよい。
電池外装体の材料としては、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、樹脂材料、フィルム材料等が挙げられる。
リチウムイオン二次電池の形状としては、コイン型、シート状(フィルム状)、折り畳み状、巻回型有底円筒型、ボタン型等が挙げられ、用途に応じて適宜選択することができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。例1は実施例であり、例2は比較例である。
(EBSD測定)
リチウム含有複合酸化物のEBSD法による方位解析は、結晶方位分析装置(TSL社製、装置名:OIM結晶方位解析装置(EBSD))を用いて測定した。
加速電圧を20kVとして測定を行った。リチウム含有複合酸化物を含む正極体シートを作製し、この正極体シートを断面加工装置(日本電子社製、装置名:SM−09010 クロスセクションポリッシャ(CP))にて切断加工して測定試料とした。リチウム含有複合酸化物の断面を電子顕微鏡(日本電子社製、JSM―7000F、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM))を用いて観察した。次いで、測定部位を選定し、EBSD法による方位解析を行った。
方位解析では、結晶方位差が15°以内の領域を連続した領域とし、結晶方位マップ像を作成した。この結結晶方位マップ像の中の前記結晶方位差が15°以内の領域を円形近似し、近似した直径に対する面積分布を作成した。この面積分布の全面積の100%に対して領域面積が90%となるときの直径を面積基準累積90%径として算出した。
(組成分析)
水酸化物およびリチウム含有複合酸化物の組成分析は、誘導結合プラズマ(ICP)を用いた分析法により行った。
(粒子径)
正極活物質を水中に超音波処理によって充分に分散させ、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(日機装社製、MT−3300EX)により測定を行い、頻度分布および累積体積分布曲線を得ることで体積基準の粒度分布を得た。得られた累積体積分布曲線から正極活物質の平均粒子径(D50)を求めた。
(比表面積)
正極活物質の比表面積は、比表面積測定装置(マウンテック社製、HM model−1208)を用い、窒素吸着BET法により算出した。脱気は、200℃、20分の条件で行った。
(X線回折)
水酸化物を900℃で8時間焼成して得られた酸化物、およびリチウム含有複合酸化物のX線回折は、X線回折装置(リガク社製、装置名:SmartLab)を用いて測定した。測定条件を表1に示す。測定は25℃で行った。測定前に酸化物またはリチウム含有複合酸化物の1gとX線回折用標準試料640dの10mgとをメノウ乳鉢で混合し、これを測定試料とした。
得られたX線回折パターンについてリガク社製の統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2を用いてピーク検索を行った。各ピークから、酸化物のI222/I400、リチウム含有複合酸化物のD110を求めた。
(例1)
共沈法で得られた表2に示す水酸化物と、炭酸リチウム(SQM社製、MICグレード)とを、X(Xは、Ni、CoおよびMnである。)に対するLiのモル比(Li/X)が表2に示す値となるように秤量した。次に、酸化ジルコニウム粉末(新日本電工社製、商品名:PCS)を、リチウム複合酸化物中の金属含有量(ただし、Liを除く)に対して0.3モル%の量で秤量した。そして、炭酸リチウム、水酸化物および酸化ジルコニウムを混合した。
得られた混合物を連続焼成炉にて、空気を供給しながら、大気雰囲気下920℃で8時間焼成してリチウム含有複合酸化物を得て、これを正極活物質とした。焼成温度は、共通熱履歴センサー(一般財団法人ファインセラミックスセンター製、リファサーモ)の指示値である。
リチウム含有複合酸化物のEBSD測定の結晶方位マップ像を図1に示す。この結晶方位マップ像を用いて、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径を算出した。
リチウム含有複合酸化物および水酸化物の各測定結果を表3に示す。XRD測定では、リチウム含有複合酸化物がR−3mの結晶構造を有することが確認された。
(例2)
水酸化物を、表2に示す水酸化物とし、酸化ジルコニウム粉末の量を0.5モル%、焼成温度を900℃に変更した以外は、例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を得て、これを正極活物質とした。
リチウム含有複合酸化物のEBSD測定の結晶方位マップ像を図2に示す。この結晶方位マップ像を用いて、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径を算出した。
リチウム含有複合酸化物および水酸化物の各測定結果を表3に示す。XRD測定では、リチウム含有複合酸化物がR−3mの結晶構造を有することが確認された。
(電池評価)
例1および2の正極活物質を用いて、それぞれの正極活物質からリチウム二次電池1および2を以下のようにして製造し、評価した。
(正極体シートの製造)
各例で得られた正極活物質、導電材である導電性カーボンブラック、およびバインダであるポリフッ化ビニリデンを、質量比で90:5:5となるように秤量し、これらをN−メチルピロリドンに加えて、スラリーを調製した。
該スラリーを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にドクターブレードにより塗工した。ドクターブレードのギャップは圧延後のシート厚さ50μmとなるように調整した。これを90℃で真空乾燥した後、ロールプレス圧延を2回行い、正極体シートを作製した。
(リチウム二次電池の製造)
正極体シートを直径18mmの円形に打ち抜いたものを正極とした。
負極材には金属リチウム箔(本庄ケミカル社製、リチウムフォイル)を用い、直径19mmの円形に打ち抜いたものを負極とした。
セパレータとしては、厚さ25μmの多孔質ポリプロピレン(セルガード社製、セルガード(登録商標)#2500)を用いた。
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの容積比1:1の混合溶液に、濃度が1mol/dmとなるようにLiPFを溶解させた液を用いた。
正極、負極、セパレータおよび電解液を用い、ステンレス鋼製簡易密閉セル型のリチウム二次電池をアルゴングローブボックス内で組み立てた。
(サイクル特性)
リチウム二次電池について、定電流・定電圧モードにおいて、正極活物質の1gにつき192mAの負荷電流で4.5Vまで充電した後、定電流モードにおいて、正極活物質の1gにつき160mAの負荷電流で2.75Vまで放電させる充放電を50回(サイクル)行った。そして、50サイクル後の容量維持率および電圧維持率をそれぞれ求めた。結果を表3に示す。
表3において、50サイクル後の容量維持率(%)は、1回目の4.5V充電における放電容量に対する、50回目の4.5V充電における放電容量の割合(%)である。
表3に示すように、EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物を含む正極活物質を用いたリチウム二次電池は、前記90%径が1.5μmであるリチウム含有複合酸化物を含む正極活物質を用いたリチウム二次電池に比べて、4.5Vという高電圧で充電し、2.75Vまで放電させる充放電サイクルの維持率が高かった。
図3はサイクル特性測定後の例1のリチウム含有複合酸化物の断面の電子顕微鏡(SEM)像である。図4はサイクル特性測定後の例2のリチウム含有複合酸化物の断面SEM像である。これらの断面SEM像から分かるように、例1のリチウム含有複合酸化物は、50サイクル後に割れや亀裂が生じなかった。これに対して、例2のリチウム含有複合酸化物は、50サイクル後に割れおよび亀裂が生じた。
これらの結果から、結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物は粒子形状が安定に維持されるのでサイクル中に容量の低下が起こりにくくなったと考えられる。
この理由は定かではないが、EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物は、充放電時に結晶子がLiの引き抜きおよび挿入で膨張伸縮しても、粒子内で応力が緩和されるためであると考えられる。そして、この応力が緩和された結果、リチウム含有複合酸化物の粒子内で割れや亀裂が生じにくくなっていると考えられる。
本発明の正極活物質によれば、高電圧で充電した場合であってもサイクル特性が良好であるリチウムイオン二次電池を得ることができる。

Claims (6)

  1. 空間群R−3mの結晶構造を有し、
    EBSD法によって得られた結晶方位マップ像において、結晶方位差が15°以内の連続した領域の面積基準累積90%径が0.1〜1.4μmであるリチウム含有複合酸化物を含む正極活物質。
  2. 前記リチウム含有複合酸化物が下記式1で表される請求項1記載の正極活物質。
    LiNiCoMn 式1
    (ただし、式1において、aは1〜1.1、bは0〜1、cは0〜1、dは0〜1、eは0〜0.1、a+b+c+d+e=2、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Nb、Mo、WおよびZrからなる群から選ばれる1種以上の元素である。)
  3. 前記正極活物質の平均粒子径(D50)が3〜15μmである請求項1または2記載の正極活物質。
  4. 前記リチウム含有複合酸化物は、X線回折パターンにおいて空間群R−3mの結晶構造に帰属する(110)面のピークからシェラーの式によって求めた結晶子径が30〜70nmである請求項1〜3のいずれか1項記載の正極活物質。
  5. 正極集電体上に、導電材、バインダおよび請求項1〜4のいずれか1項記載の正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなるリチウムイオン二次電池用正極。
  6. 負極、非水電解質、セパレータおよび請求項5記載のリチウムイオン二次電池用正極を有するリチウムイオン二次電池。
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