JP2017116659A - 保護膜用硬化性組成物、保護膜、tftアクティブマトリックス基板、及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)樹脂、(B)エチレン性不飽和基を有する化合物及び(C)光重合開始剤を含有保護膜用硬化性組成物であって、前記(A)樹脂が、側鎖に分岐構造を有し、且つ、分岐構造に特定の式で表わされる構造単位を含有することを特徴とする保護膜用硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
前記(A)樹脂が、下記一般式(I)で表される構造単位を含む樹脂(a1)を含有することを特徴とする保護膜用硬化性組成物。
[3] 更に(D)カップリング剤を含有する、[1]又は[2]に記載の保護膜用硬化性組成物。
[4] [1]ないし[3]のいずれかに記載の保護膜用硬化性組成物を用いて形成された保護膜。
[5] [4]に記載の保護膜を有する、TFTアクティブマトリックス基板。
[6] [5]に記載のTFTアクティブマトリックス基板を有する、画像表示装置。
本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の双方を含み、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」なども同様の意味を表す。また、モノマー名の前に「ポリ」をつけたものは、該モノマー及び該ポリマーを意味する。
本発明において、「全固形分」とは、本発明の硬化性組成物の構成成分のうち、溶剤を除くすべての成分を意味する。さらに、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明において、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
本発明の保護膜用硬化性組成物は、(A)樹脂、(B)エチレン性不飽和基を有する化合物、(C)光重合開始剤を含有する。必要に応じてさらにその他の成分を含んでいてもよく、例えば(D)カップリング剤、(E)熱架橋剤、(F)添加剤を含んでいてもよい。
先ず、(A)樹脂について詳説する。
本発明の保護膜用硬化性組成物において、前記(A)樹脂は、後述の一般式(I)で表される構造単位を含む樹脂(a1)(以下、「樹脂(a1)」と略記する場合がある)を含有する。このように、側鎖に十分な分岐構造を有する樹脂(a1)を含有することで、加熱時における軟化性が向上し、熱変形による平坦化を起こしやすいと考えられる。
本発明の保護膜用硬化性組成物に使用される樹脂(a1)は、下記一般式(I)で表される構造単位を含む樹脂であれば特に限定されない。
Xにおけるアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましく、10以下であることが最も好ましい。前記下限値以上とすることで平坦化能が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでスルーホールの抜け性が向上する傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも平坦化能と現像性の観点から、ベンゼン環基、又はナフタレン環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
一方で、R2におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、15以下であることがさらに好ましく、10以下であることがよりさらに好ましく、5以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで平坦化能を向上できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでスルーホールの抜け性を向上できる傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも平坦化能と現像性の観点から、ベンゼン環基、又はナフタレン環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
置換基を有するアリール基の具体例としては、カルボキシルベンゼン環基等が挙げられる。
一方で、R3におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、15以下であることがさらに好ましく、10以下であることがよりさらに好ましく、5以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで平坦化能を向上できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでスルーホールの抜け性を向上できる傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも平坦化能と現像性の観点から、ベンゼン環基、又はナフタレン環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
置換基を有するアリール基の具体例としては、カルボキシルベンゼン環基等が挙げられる。
また、Yにおけるアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましく、12以下であることが最も好ましい。前記下限値以上とすることで平坦化能が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでスルーホールの抜け性が向上する傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも平坦化能と現像性の観点から、ベンゼン環基、又はナフタレン環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
R5におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで平坦化能が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでスルーホールの抜け性が向上する傾向がある。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、平坦化能と現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも平坦化能と現像性の観点から、ベンゼン環基、又はナフタレン環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
また、アリール基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基などが挙げられ、平坦化能と現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
R7におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで平坦化能が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでスルーホールの抜け性が向上する傾向がある。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、平坦化能と現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
また、アルコシ基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、平坦化能と現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
(A−1);一分子中にエチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物
(A−2);前記(A−1)と共重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物
(A−3);不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸エステル
(A−4);多塩基酸無水物
前記(A−1)一分子中にエチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも平坦化能と現像性の観点から好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレートである。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(A−1)と共重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物(A−2)としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の無置換若しくは置換アルキルエステル;
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、シクロヘプテニル(メタ)アクリレート、シクロオクテニル(メタ)アクリレート、メンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ピナニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルネニル(メタ)アクリレート、ピネニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の脂環式基を含むエステル化合物;
オリゴエチレングリコールモノアルキル(メタ)アクリレートのようなグリコール類のモノ飽和カルボン酸エステル化合物;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の芳香環を含むエステル化合物;
スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエンのような芳香族ビニル化合物;
酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル;
(メタ)アクリロニトリルおよびα−クロロアクリロニトリルのようなシアン化ビニル化
合物;
N−フェニルマレイミドのようなマレイミド化合物などが挙げられる。
これらの中でも平坦化能と現像性の観点から好ましくは、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート及びスチレンである。
これらは、それぞれ単独で、または両者を組み合わせて用いることができる。
前記不飽和カルボン酸としては、エチレン性不飽和基を有する不飽和カルボン酸が挙げられ、具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−ビニル安息香酸、m−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸、ケイヒ酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基で置換された(メタ)アクリル酸などのモノカルボン酸;2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルマレイン酸などの、2塩基酸の(メタ)アクリロイロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体;(メタ)アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。
また、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、グリシジルメタクリレートのアクリル酸付加物、グリシジルメタクリレートのメタクリル酸付加物のような水酸基含有不飽和化合物に無水コハク酸、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水フタル酸などの酸無水物を付加させた化合物も挙げられる。
特に好ましいものは、(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(A−4)多塩基酸無水物としては、樹脂(a1)にアルカリ現像性を付与するために使用される。具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の多塩基酸無水物が挙げられる。これらの中で平坦化能と現像性の観点から好ましくは、テトラヒドロ無水フタル酸または無水コハク酸である。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明における(A−1)及び(A−2)を共重合させて得られる共重合体において、(A−2)から導かれる構成成分の比率は特に限定されないが、前記の共重合体を構成する構成成分の合計モル数に対してモル分率で、0モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、2モル%以上がさらに好ましく、また、98モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましく、40モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで残膜率が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで平坦化能が向上する傾向がある。
また、(A−4)の付加量は、(A−3)を反応させた際に生成した水酸基の量に対してモル分率で、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましく、通常100%以下、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。(A−4)の付加量が上記範囲内の場合、残渣が発生しにくく、また残膜率が高くなる傾向があるので好ましい。
また、一般式(I)で表される構造単位を含む樹脂(a1)と後述のその他の樹脂(a2)を併用してもよい。この場合において、(A)樹脂における(a1)樹脂の含有割合を、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。前記下限値以上とすることで平坦化能が向上する傾向がある。また、効果的に平坦化能を向上させる観点からは、(A)樹脂として樹脂(a1)を単独で用いる、つまり、(A)樹脂における(a1)樹脂の含有割合を100質量%とすることが特に好ましい。
前述のとおり、本発明における保護膜用硬化性組成物においては、前記一般式(I)で表される構造単位を含む樹脂(a1)以外にその他の樹脂(a2)を含んでもよい。
本発明で用いることができるその他の樹脂(a2)としては、カルボキシル基又は水酸基を含むアルカリ可溶性の樹脂であることが好ましく、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、樹脂(a1)以外のアクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂等が挙げられるが、中でもエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。これらは1種を単独で、或いは複数種を混合して使用することができる。
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸及び/又はその無水物を反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
<アルカリ可溶性樹脂(a2−2)>
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多価アルコール、及び多塩基酸及び/又はその無水物と反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
これらの内、感度の点から、特に好ましいものは(メタ)アクリル酸である。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.1当量の範囲である。前記下限値以上とすることで硬化特性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで保存安定性が向上する傾向がある。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、通常、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物を混合した後、もしくは、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物及び多官能アルコールを混合した後に、加温することにより得られる。この場合、多塩基酸及び/又はその無水物と多官能アルコールの混合順序に、特に制限はない。加温により、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物と多官能アルコールとの混合物中に存在するいずれかの水酸基に対して多塩基酸及び/又はその無水物が付加反応する。
本発明の保護膜用硬化性組成物は(B)エチレン性不飽和基を有する化合物を含有する。(B)エチレン性不飽和基を有する化合物を含有することで硬化性の高い膜を得ることができる。
エチレン性不飽和基を有する化合物は、エチレン性不飽和基を分子内に1個以上有する化合物であるが、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を含有することが好ましい。
また、エチレン性不飽和基を分子内に2個以上有する化合物としては、例えば、(b−1)不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(b−2)(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、(b−3)ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(b−4)(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類(以下、「エステル(メタ)アクリレート類」と略記することがある。)としては、具体的には以下の化合物が例示できる。
上記不飽和カルボン酸とアルコールアミンとの反応物:アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するホスフェート化合物であれば特に限定されないが、中でも、下記一般式(Va)〜(Vc)で表されるものが好ましい。
ここで、r及びr’は、それぞれ1〜10の整数、硬化性の観点から特に1〜4の整数であることが好ましい。このような化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられてもよい。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソボロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート;
イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート;
特開2001−260261号公報に記載の方法により製造されるアロファネート変性ポリイソシアヌレート;
等のポリイソシアネート化合物が挙げられる。
本発明における上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、感度の観点から、1分子中に4個以上(好ましくは6個以上、より好ましくは8個以上)のウレタン結合〔−NH−CO−O−〕、及び4個以上(好ましくは6個以上、より好ましくは8個以上)の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましい。かかる化合物は、例えば、下記(i)の化合物と、下記(ii)の化合物とを反応させることにより得ることができる。
例えば、
ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に4個以上の水酸基を有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物(i−1);
或いは、
エチレングリコール等の1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物に、旭化成ケミカルズ社製「デュラネート24A−100」、同「デュラネート22A−75PX」、同「デュラネート21S−75E」、同「デュラネート18H−70B」等ビウレットタイプ、同「デュラネートP−301−75E」、同「デュラネートE−402−90T」、同「デュラネートE−405−80T」等のアダクトタイプ、等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物を反応させて得られた化合物(i−2);
或いは、
イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等を重合若しくは共重合させて得られた化合物(i−3)等;
が挙げられる。
例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の、1分子中に1個以上の水酸基及び2個以上、好ましくは3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が挙げられる。
また、前記ウレタン(メタ)アクリレート類の分子量としては、600以上が好ましく、800以上がより好ましく、また、150,000以下が好ましく、130,000以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで残膜率が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでコンタクトホールの抜け性が向上する傾向がある。
なお、このようなウレタン(メタ)アクリレート類は、例えば、上記(i)の化合物と上記(ii)の化合物とを、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤中で、10〜150℃で5分〜3時間程度反応させる方法により製造することができる。この場合、前者のイソシアネート基と後者の水酸基とのモル比を1/10〜10/1の割合とし、必要に応じてジラウリン酸n−ブチル錫等の触媒を用いることが好適である。
ポリエポキシ化合物としては、例えば、
(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物;
ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物;等のポリエポキシ化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ポリエポキシ化合物との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート類としては、これらのようなポリエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸又は上記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応物等が挙げられる。
その他のエチレン性不飽和化合物としては、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類、エーテル結合含有エチレン性不飽和化合物のエーテル結合を5硫化燐等により硫化してチオエーテル結合に変えることにより架橋速度を向上せしめたチオエーテル結合含有化合物類が挙げられる。
本発明の保護膜用硬化性組成物は、(C)光重合開始剤を含有する。(C)光重合開始剤を含有することで露光による光硬化が進行する。光重合開始剤は、公知のいずれのものも用いることができ、紫外線から可視光線によりエチレン性不飽和基を重合させるラジカルを発生させることのできる化合物が挙げられる。
本発明で用いることができる光重合開始剤の具体的な例を以下に列挙する。
(iv)2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン誘導体。
(vi)ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体。
(x)9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジンなどのアクリジン誘導体。
(xi)9,10−ジメチルベンズフェナジンなどのフェナジン誘導体。
(xv)1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)
(xvi)特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特
開2001−235858号公報、特開2005−182004号公報、国際公開第2002/00903号パンフレット、及び特開2007−041493号公報に記載されている化合物に代表される、オキシム誘導体類等。
R10は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
R11は、水酸基、カルボキシル基又は下記一般式(VI−1)で表される基を表し、nは0〜5の整数を表す。
式(VI)中に示されるベンゼン環はさらに置換基を有していてもよい。
R11bは、置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
R11bのアルキレン部分は、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−により1〜5回中断されていてもよい。R11bのアルキレン部分は分岐側鎖があってもよく、シクロヘキシレンであってもよい。
R11cは、水酸基又はカルボキシル基を表す。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基などが挙げられ、アルカリ現像性の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。また、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基などが挙げられ、現像性の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
これらの中でも、現像性の観点から、R9が置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基などが挙げられ、アルカリ現像性の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましく、他方合成容易性の観点からは無置換であることが好ましい。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミ
ジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。
これらの中でも、感度の観点から、R10が置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
他方、製版性の観点から、R10が置換基を有していてもよい芳香族環基であることが好ましく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であることがより好ましく、無置換の芳香族炭化水素基であることがさらに好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
前記一般式(V−1)において、前述のとおり、R11aは、−O−、−S−、−OCO−又は−COO−を表すが、これらの中でも、感度及び現像性の観点から、−O−又は−OCO−が好ましく、−O−がより好ましい。
R11bにおけるアルキレン基の炭素数は特に限定されないが、感光性着色組成物への溶解性の観点から1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましく、3以下であることが特に好ましい。
アルキレン基は、直鎖でもよく、分岐していてもよく、脂肪族環を含むものであってもよい。これらの中でも、保護膜用硬化性組成物への溶解性の観点から、直鎖であることが好ましい。
他方、合成容易性の観点からは、nは0であることが好ましい。
本発明における保護膜用硬化性組成物における(C)光重合開始剤の含有割合は特に限定されないが、全固形分に対して、通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上であり、通常20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。前記下限値以上とすることで硬化性が十分となり膜強度の低下を抑制できる傾向があり、前記上限値以下とすることで熱収縮の度合が小さくなり、熱硬化後のヒビ割れ、クラックを抑制できる傾向がある。
本発明の保護膜用硬化性組成物は、基板との密着性を改善するため、(D)カップリング剤を含有することが好ましく、例えば、シランカップリング剤、その他の密着向上剤等が挙げられる。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン類、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、等のエポキシシラン類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類が挙げられるが、特に好ましくは、(メタ)アクリル系シラン類のシランカップリング剤である。
その他の密着向上剤としては、TEGO*Add Bond LTH(Evonik社製)などが上げられる。これらの燐酸基含有化合物やその他の密着剤も1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の保護膜用硬化性組成物は、熱硬化後の膜の耐熱性及び耐薬品性を向上させる目的で、熱架橋剤を含有していてもよい。
熱架橋剤としては、露光・現像による画像形成後のベークにより、架橋反応をするものであれば、公知のものを用いることができる。具体的には、下記のものが挙げられる。
本発明に使用することができる、分子内にエポキシ基を有する化合物としては、例えば、モノヒドロキシ化合物或いはポリヒドロキシ化合物とエピクロルヒドリンとを反応させて得られる(ポリ)グリシジルエーテル化合物、(ポリ)カルボン酸化合物とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル化合物、及び(ポリ)アミン化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られる(ポリ)グリシジルアミン化合物等の、低分子量物から高分子量物にわたる化合物が挙げられる。
ポリグリシジルエーテル化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル型エポキシ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)のジグリシジルエーテル型エポキシ、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)のジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、テトラメチルビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、エチレンオキシド付加ビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、ジハイドロオキシルフルオレン型エポキシ、ジハイドロオキシルアルキレンオキシルフルオレン型エポキシ、ビスフェノールA/アルデヒドノボラック型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシが挙げられる。
ポリグリシジルエステル化合物としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル型エポキシ、フタル酸のジグリシジルエステル型エポキシ等が挙げられる。
ポリグリシジルアミン化合物としては、例えば、ビス(4−アミノフェニル)メタンのジグリシジルアミン型エポキシ、イソシアヌル酸のトリグリシジルアミン型エポキシ等が挙げられる。
また、その他の例として、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート等を1種単独又は2種以上の組み合わせで反応させた重合体が挙げられる。或いは、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート構成単位に他の共重合用単量体を通常10〜70モル%、好ましくは15〜60モル%含有させた重合体が挙げられる。
本発明に使用される含窒素熱架橋性化合物としては、メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、若しくは尿素に、ホルマリンを作用させた化合物、又はそれらのアルキル変性化合物を挙げることができる。
また、ベンゾグアナミンにホルマリンを作用させた化合物又はそのアルキル変性物の例として、「サイメル」(登録商標)1123、1125、1128、等を挙げることができる。
本発明の保護膜用硬化性組成物には、解像度や塗布性を向上するために紫外線吸収剤や重合禁止剤や塗布性向上剤などの添加剤が含まれていてもよい。
本発明の保護膜用硬化性組成物は、(f−1)紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤は、露光に用いられる光源の特定の波長を吸収させることにより、光硬化分布を制御する目的で添加されるものである。紫外線吸収剤の添加により、現像後の解像度を改善したり、現像後に非露光部に残る残渣をなくしたりするなどの効果が得られる傾向がある。紫外線吸収剤としては、光重合開始剤の光吸収の阻害の観点から、例えば、波長250nmから400nmの間に吸収極大を有する化合物を用いることができる。紫外線吸収剤としては公知のものを用いることができるが、吸収波長の観点から、ベンゾトリアゾール系化合物やトリアジン系化合物を好ましく用いることができる。
市販されているトリアジン系化合物としては例えば、TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN460、TINUVIN477、TINUVIN479(BASF製)などを挙げることができる。
本発明の保護膜用硬化性組成物は、(f−2)重合禁止剤を含有することが好ましい。(f−2)重合禁止剤を含有することでそれがラジカル重合を阻害することから、得られる保護膜のスルーホールの大きさを小さくすることができると考えられる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノン、メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール(BHT)などが挙げられる。これらの中でも重合禁止能力の観点から、ハイドロキノン又はメトキシフェノールが好ましく、メチルハイドロキノンがより好ましい。
本発明における保護膜用硬化性組成物は、組成物の塗布液としての塗布性、及び硬化性組成物層の現像性の向上等を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤、或いは、フッ素系やシリコーン系等の界面活性剤を含有していてもよい。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が挙げられる。これらの市販品としては、花王社製の「エマルゲン104P」、「エマルゲンA60」等のポリオキシエチレン系界面活性剤等が挙げられる。
モゲノールL−18」、「ホモゲノールL−100」等が挙げられる。
更に、上記カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アミン塩類等が、また、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が挙げられる。これらのうち、第4級アンモニウム塩類が好ましく、ステアリルトリメチルアンモニウム塩類が更に好ましい。市販のものとしては、例えば、アルキルアミン塩類では花王社製「アセタミン(登録商標)24」等、第4級アンモニウム塩類では花王社製「コータミン(登録商標、以下同じ。)24P」、「コータミン86W」等が挙げられる。
具体的には、例えば、1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカン等を挙げることができる。
界面活性剤は2種類以上の組み合わせでもよく、シリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤、フッ素系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤の組み合わせ等が挙げられる。中でも、シリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤が好ましい。
本発明の保護膜用硬化性組成物は、通常有機溶媒を含有し、前述の各成分を有機溶媒に溶解または分散させた状態で使用される。その有機溶媒としては、特に制限は無いが、例えば、以下に記載する有機溶媒が挙げられる。
また、これらの溶剤は、保護膜用硬化性組成物中の全固形分の割合が、通常10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、通常90質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下となるように使用されることが好ましい。前記下限値以上とすることで高い平坦化能が得られる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な塗布均一性が得られる傾向がある。
次に、本発明の保護膜用硬化性組成物を調製する方法を説明する。
必須成分である(A)樹脂、(B)エチレン性不飽和基を有する化合物、及び(C)光重合開始剤、場合によっては任意成分である、(D)カップリング剤、(E)熱架橋剤、(F)添加剤、(G)有機溶媒、並びにそれら以外の成分と混合し、均一な溶液とすることにより、保護膜用硬化性組成物を得ることができる。混合は室温で行うことが好ましく、通常重合反応が開始しないように紫外線遮断下で実施する。また、混合等の各工程において、微細なゴミが混入することがあるため、得られた硬化性組成物をフィルター等によって濾過処理することが好ましい。
本発明の保護膜用硬化性組成物を塗布して硬化することで、硬化物を得ることができる。特に、本発明の保護膜用硬化性組成物は、保護膜を形成する材料として好適に用いることができる。以下に、本発明の保護膜用硬化性組成物を用いた保護膜の形成方法について説明する。
まず、TFTアレイを形成した基板上に、上述した本発明の保護膜用硬化性組成物をスピナー、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置を用いて塗布する。保護膜用硬化性組成物の塗布膜厚は通常0.1〜7μmである。
上記塗布膜から揮発成分を除去(乾燥)して乾燥塗膜を形成する。乾燥には、真空乾燥、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。好ましい乾燥条件は温度40〜150℃、乾燥時間30秒〜60分の範囲である。
次いで、前記乾燥塗膜上にフォトマスクを配置し、該フォトマスクを介して画像露光する。露光後、未露光の未硬化部分を現像処理にて除去することにより、画素を形成する。なお、露光後、現像前に感度向上の目的でポスト・エクスポージャ・ベークを行う場合もある。この場合のベークには、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。ポスト・エクスポージャ・ベーク条件は通常、40〜150℃、乾燥時間10秒〜60分の範囲である。
このようなアルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物、或いはジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド等の有機アルカリ化合物を含有した水溶液が挙げられる。
露光・現像工程により画像形成された保護膜用硬化性組成物膜は、次いで、熱処理(ハードベーク)工程を経て硬化物(熱硬化膜)となる。なお、現像後、ハードベーク前にヘードベーク時のアウトガスの発生を抑制する目的で、全面露光を行う場合もある。
次に、本発明の画像表示装置(パネル)の製造方法について説明する。本発明係る画像表示装置は、通常、TFTアクティブマトリックス基板を備えるものである。
画像表示装置としては、液晶表示装置や有機EL表示装置などが挙げられる。
本実施の形態に係る液晶表示装置は、上記TFTアクティブマトリックス基板を対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、更に対向電極を結線して完成させることができる。
このようなシール材としては、通常、UV照射及び/又は加熱することによって硬化可能なものが用いられ、液晶セル周辺がシールされる。周辺をシールされた液晶セルをパネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧し、上記液晶注入口を液晶に浸漬し、チャンバー内をリークすることにより、前記液晶セル内に液晶を注入することができる。
減圧時の加温保持条件としては、通常10分間以上、60分間以下の範囲である。その後、液晶セルが液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、UV硬化樹脂を硬化させて液晶注入口を封止する。このようにして液晶表示装置(パネル)を完成させることができる。
本実施の形態に係る有機EL表示装置は、上記TFTアクティブマトリックス基板上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、及び陰極を逐次形成していく方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL表示装置は、パッシブ駆動方式の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
A1(後述の合成例1で得た樹脂):
A4(後述の合成例4で得た樹脂):
B1:日本化薬社製 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
C1:前記化合物X(以下の化学構造を有する)
D1:信越化学工業社製 X−12−1048
E1:日本化薬社製 EOCN−1020−55
F1:BASF社製 TINUVIN384−2(紫外線吸収剤)
F2:メチルヒドロキノン(重合禁止剤)
F3:ビックケミー社製 BYK330(シリコン系界面活性剤)
G1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)
以下の実施例及び比較例で得られた保護膜の評価方法は次の通りである。
(段差測定)
触針式段差計“α―step IQ”(KLA Tencor社製)を用いて測定を行った。測長は0.7mm、走査速度は0.5mm/sとした。
(平坦化能)
深さが約2μm、幅が50μmのストライプ状凹部を有する基板の該凹部の段差(深さ)と、実施例及び比較例における保護膜の形成手順にて得られた保護膜の段差を測定し、以下の式(1)より平坦化能を算出した。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン5.2質量部、グリシジルメタクリレート132質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレートFA−513M(日立化成社製)4.4質量部及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気に置換し、アクリル酸67.0質量部、トリスジメチルアミノメチルフェノール1.1質量部及びハイドロキノン0.19質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)15.2質量部、トリエチルアミン0.2質量部を加え、100℃で3.5時間反応させた。得られた樹脂の重量平均分子量Mwは8200、酸価は30mg−KOH/gであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート166質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10.4質量部、グリシジルメタクリレート85.3質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレートFA−513M(日立化成社製)66.1質量部及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気に置換し、アクリル酸43.2質量部、トリスジメチルアミノメチルフェノール1.1質量部及びハイドロキノン0.19質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)19.8質量部、トリエチルアミン0.26質量部を加え、100℃で3.5時間反応させた。得られた樹脂の重量平均分子量Mwは9000、酸価は24mg−KOH/gであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート166質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10.4質量部、グリシジルメタクリレート85.3質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレートFA−513M(日立化成社製)66.1質量部及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気に置換し、アクリル酸43.2質量部、トリスジメチルアミノメチルフェノール1.1質量部及びハイドロキノン0.19質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後無水コハク酸(SA)35.0質量部、トリエチルアミン0.46質量部を加え、100℃で3.5時間反応させた。得られた樹脂の重量平均分子量Mwは9000、酸価は81mg−KOH/gであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート105質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル26質量部との混合液を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10.4質量部、メタクリル酸51.6質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレートFA−513M(日立化成社製)66.1質量部及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気に置換し、メタクリル酸グリシジル49.8質量部、トリスジメチルアミノメチルフェノール1.1質量部及びハイドロキノン0.19質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。得られた樹脂の重量平均分子量Mwは7400、酸価は78mg−KOH/gであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート166質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにメタクリル酸メチル35.0質量部、スチレン44.8質量部、メタクリル酸18.9質量部及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。得られた樹脂の重量平均分子量Mwは9000、酸価は120mg−KOH/gであった。
表1に示す配合にて各成分を混合し、均一な溶液とし、5μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレン製のフィルターにて濾過することにより、保護膜用硬化性組成物を調製した。混合は室温で行い、重合反応が開始しないように紫外線遮断下で実施した。
得られた保護膜用硬化性組成物を、深さが約2μm、幅が50μmのストライプ状凹部を有する基板上に塗布し、ホットプレート上で100℃にて90秒間乾燥し、乾燥膜厚5.5μmの塗布膜を得た。その後、露光装置MA−1100(大日本科研社製)を用いて全面露光した。露光条件としては、波長365nmの照度計で測定した照度が40mW/cm2、露光量は60mJ/cm2となるように調整した。
次に滝沢産業(株)社製AD−1200の現像装置を用い、現像液に水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38質量%水溶液を使用して、現像を行った。50rpmで回転しながら、スプレー圧力0.05MPaで現像液を5秒間噴霧、20秒間浸漬現像を2回繰り返した後、15秒間水洗処理した。クリーンオーブンにて230℃30分焼成し、保護膜を得た。いずれも透明性は良好であった。
上記保護膜について、平坦化能評価を行った。結果を表1に併記した。
Claims (6)
- (A)樹脂、(B)エチレン性不飽和基を有する化合物及び(C)光重合開始剤を含有する保護膜用硬化性組成物であって、
前記(A)樹脂が、下記一般式(I)で表される構造単位を含む樹脂(a1)を含有することを特徴とする保護膜用硬化性組成物。
- 前記(C)光重合開始剤が、オキシムエステル系化合物である、請求項1に記載の保護膜用硬化性組成物。
- 更に(D)カップリング剤を含有する、請求項1又は2に記載の保護膜用硬化性組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の保護膜用硬化性組成物を用いて形成された保護膜。
- 請求項4に記載の保護膜を有する、TFTアクティブマトリックス基板。
- 請求項5に記載のTFTアクティブマトリックス基板を有する、画像表示装置。
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