JP6547330B2 - 硬化性樹脂組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6547330B2
JP6547330B2 JP2015034327A JP2015034327A JP6547330B2 JP 6547330 B2 JP6547330 B2 JP 6547330B2 JP 2015034327 A JP2015034327 A JP 2015034327A JP 2015034327 A JP2015034327 A JP 2015034327A JP 6547330 B2 JP6547330 B2 JP 6547330B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
resin composition
curable resin
acid
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015034327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016155933A (ja
Inventor
翔子 江口
翔子 江口
石井 宏明
宏明 石井
大津 猛
猛 大津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2015034327A priority Critical patent/JP6547330B2/ja
Publication of JP2016155933A publication Critical patent/JP2016155933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6547330B2 publication Critical patent/JP6547330B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、硬化物、TFTアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置に存する。
現在、アクティブ・マトリクス型液晶表示装置は、高精細化、及び低消費電力化のための高開口率化が進んでいる。液晶表示装置の一種である、横電界方式、あるいはイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式と呼ばれる液晶表示パネルは、画素電極と対向電極との間で、少なくとも一部において基板面と平行な電界を発生させ、当該電界により液晶を駆動して液晶層を透過する光を変調させて画像を表示するものであり、視野角が著しく広いという特徴を有するが、その構造上、高開口率化が難しいという課題があった。IPS方式の液晶表示パネルで高開口率を達成するための手段の一つとして、面状の対向電極と線状の画素電極に挟まれた層間絶縁膜に、比誘電率の高い有機絶縁膜を用いる方法が知られている。
IPS方式では画素電極と層間絶縁膜で補助容量(Cst)を形成し、充電電荷をより安定に保持する特徴を持つ。ここでキャパシタの容量Cは、次式(1)で表される。
C=εrε0S/d・・・・・(1)
(1)式中、C:容量、εr:比誘電率、ε0:真空の誘電率、S:電極面積、d:電極間距離を表す。
(1)式からわかるように、高精細化を達成するため画素電極面積を小さくしたとき、補助容量を一定に保つためには、比誘電率が高く、膜厚が薄い層間絶縁膜が必要となる。このとき、薄膜での絶縁耐圧性やリーク電流の抑制が求められる。薄膜でも絶縁耐圧性を保つためには、膜面は平坦かつ均一であることが重要である。
このような層間絶縁膜を得る方法として、無機微粒子分散体を用いて得た硬化性樹脂組成物を、フォトリソグラフィー法によってパターニングし、誘電体膜を形成する技術が知られている(特許文献1〜3)。
特開2005−185924号公報 特開2009−249411号公報 特開2008−112147号公報
層間絶縁膜には、アクティブ素子と画素電極とを接続するためのコンタクトホールを形成する必要があるため、フォトリソグラフィー法でコンタクトホールが残渣なく開口することが求められる。比誘電率を高くするためには無機微粒子の充填量を増加させる必要があるが、そうするとフォトリソグラフィー法による層間絶縁膜のパターン形成時に残渣が生じやすくなり、残渣のないパターン形成が困難となる。
本発明者らが検討したところ、特許文献1は主にジルコニア粒子分散液に関するものであり、硬化性樹脂組成物の詳細な処方は記載がされておらず、当該組成物中のジルコニア粒子の含有割合によっては、フォトリソグラフィーでパターン形成した際に膜表面が荒れて、平坦な膜を得ることが困難であることが見出された。
また、特許文献2に記載されている特定の分散剤を用いた場合には、フォトリソグラフィーでパターン形成した際に残渣や凝集異物が生じるという問題があることが見出された。
さらに、特許文献3に記載されているチタン酸バリウム粒子を用いた場合には、フォトリソグラフィーでパターン形成した際に残渣が生じ、微細なパターンを形成することが困難であることが見出された。
そこで本発明は、比誘電率が高く、フォトリソグラフィーでパターン形成した際の膜表面荒れが少なく、さらに、残渣や凝集異物の発生が少なく、微細なパターンを形成可能な硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、二酸化ジルコニウム粒子の含有割合を特定範囲とし、また、特定の分散剤を用いることで、上記課題を解決することを見出して、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] (a)二酸化ジルコニウム粒子、(b)分散剤、(c)溶剤、(d)バインダー樹脂、(e)重合性モノマー及び(f)重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、
(a)二酸化ジルコニウム粒子の含有割合が、全固形分中50質量%以上であり、かつ、
(b)分散剤が、リン酸基を有する分散剤を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
[2] (a)二酸化ジルコニウム粒子の、一次粒子の平均粒子径が1〜100nmである、[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3] 前記リン酸基を有する分散剤が、ポリエーテル構造を有する、[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
[4] (a)二酸化ジルコニウム粒子100質量部に対して、(b)分散剤を15質量部以下含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[5] (d)バインダー樹脂が、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物で構成される硬化物。
[7] [1]〜[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物で構成される層間絶縁膜。
[8] [7]に記載の層間絶縁膜を備えるTFTアクティブマトリックス基板。
[9] [8]に記載のTFTアクティブマトリックス基板を備える液晶表示装置。
本発明は、比誘電率が高く、フォトリソグラフィーでパターン形成した際の膜表面荒れが少なく、さらに、残渣や凝集異物の発生が少なく、微細なパターンを形成可能な硬化性樹脂組成物を提供することが可能である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の記載は本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の双方を含み、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」なども同様の意味を表す。また、モノマー名の前に「(ポリ)」をつけたものは、該モノマー及び該ポリマーを意味する。
本発明において、「全固形分」とは、本発明の硬化性樹脂組成物の構成成分のうち、溶剤を除くすべての成分を意味する。
<硬化性樹脂組成物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、(a)二酸化ジルコニウム粒子、(b)分散剤、(c)溶剤、(d)バインダー樹脂、(e)重合性モノマー及び(f)重合開始剤を含有する。
先ず、(a)二酸化ジルコニウム粒子について詳説する。
[(a)二酸化ジルコニウム粒子]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(a)二酸化ジルコニウム粒子(以下、「ジルコニア粒子」と略記する場合がある)を含有する。このように、二酸化ジルコニウム粒子を含有することで、比誘電率の高い有機絶縁膜を得ることが可能となる。
(a)二酸化ジルコニウム粒子の、一次粒子の平均粒子径は、通常100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは70nm以下、さらに好ましくは60nm以下である。また通常1nm以上である。粒径が前記上限値以下であると、表面荒れが無く、パターニング性能も良好になる傾向がある。また、前記下限値以上であれば、分散性が良好となる傾向がある。
(a)二酸化ジルコニウム粒子の一次粒子の平均粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡、又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定する。具体的には、個々の顔料の一次粒子径を、円相当径から算出する。測定は、100〜500nm四方の範囲をイメージングし、範囲内にある全粒子に対して実施する。何度か異なる範囲をイメージングし、合計200〜1000個の一次粒子の粒子径を測定し、その数平均をとることで、平均粒子径を求める。一次粒子径の測定は、例えば二酸化ジルコニウム粒子単体、その分散液、樹脂組成物の硬化膜に対して実施することができる。測定サンプルを作成する際は、サンプル中に(a)二酸化ジルコニウム粒子が均一に存在するようにしなければならない。分散液の場合は、分散直後の分散液を用いて、溶剤を揮発させてから測定を実施する。また、硬化膜の場合は、粒子が均一に分散された硬化性樹脂組成物を用いて硬化膜を作成し、膜の厚さ方向に切断し、その断面を観察することで測定を実施する。
(a)二酸化ジルコニウム粒子の形状は特に限定されないが、例えば、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、又は不定形状であり、好ましくは、球状である。
(a)二酸化ジルコニウム粒子の含有割合は、通常全固形分中50質量%以上であり、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。前記下限値以上とすることで比誘電率の高い誘電体膜が得られる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターニング性能が良好となる傾向がある。
[(b)分散剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は(b)分散剤を含む。このように(b)分散剤を含むことで(a)二酸化ジルコニウム粒子を硬化性樹脂組成物中に安定して分散させることができる。特に、前記(b)分散剤がリン酸基を有する分散剤を含むことにより、現像液への親和性が高まり、高解像度でパターニングできるものと考えられる。
前記リン酸基を有する分散剤は、パターニング性能の観点から、さらにポリエーテル構造を有することが好ましい。ポリエーテル構造は、現像液との親和性をより向上させるとともに、分散性を向上させる機能を有する部位であり、ポリエーテル構造を有することで、より高解像度でパターニングが可能となる傾向がある。
前記リン酸基を有する分散剤の化学構造は特に限定されないが、パターニング性能と分散性の両立の観点から、例えば、下記一般式(X)で表される化学構造を有するものであることが好ましい。
Figure 0006547330
上記式(X)中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基を示し、αはポリエーテル構造を示し、βは直接結合又はポリエステル構造を示す。また、nは1〜3の整数を示す。
1は置換基を有していてもよいアルキル基であるが、その炭素数は特に限定されず、通常1以上であり、また、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下である。前記範囲内とすることで、現像液との親和性が向上しパターニング性が良好となる傾向がある。
1におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、スルホニル基、カルボキシル基、ベンジル基、ベンゾイル基などが挙げられるが、合成容易性の観点からは無置換であることが好ましい。
αはポリエーテル構造を示すが、現像液との親和性の観点から、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピルエーテル構造、ポリイソプロピルエーテル構造、ブタニルエーテル構造が好ましく、ポリエチレングリコール構造がより好ましく、下記式(X−1)で表される構造であることがさらに好ましい。
Figure 0006547330
上記式(X−1)中、R2は置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。その炭素数は特に限定されず、通常1以上であり、2以上であることが好ましく、また、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。前記範囲内とすることで、パターニング特性が良好となる傾向がある。
2におけるアルキレン基が有していてもよい置換基としては、スルホニル基、カルボキシル基、ベンジル基、ベンゾイル基などが挙げられるが、合成容易性の観点からは無置換であることが好ましい。
また、上記式(X−1)中、xは5〜30の整数を示す。
xは5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、また、30以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることで現像液への親和性が良好となる傾向がある。また、前記上限値以下とすることで保存安定性が良好となる傾向がある。
上記式(X)中、βは直接結合又はポリエステル構造を示すが、特に下記式(X−2)で表される構造であることがさらに好ましい。
Figure 0006547330
上記式(X−2)中、R3は置換基を有していてもよいアルキレン基を示し、yは0〜10の整数を示す。
3は置換基を有していてもよいアルキレン基であるが、その炭素数は特に限定されず、通常1以上であり、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、また、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。前記下限値以上とすることで保存安定性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることでパターニング性能が良好となる傾向がある。
3におけるアルキレン基が有していてもよい置換基としては、スルホニル基、カルボキシル基、ベンジル基、ベンゾイル基などが挙げられるが、合成容易性の観点からは無置換であることが好ましい。
yは0〜10の整数であるが、保存安定性とパターニング性能の両立の観点から、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、7以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることで保存安定性が良好となる傾向がある。また、前記上限値以下とすることでパターニング性能が良好となる傾向がある。なお、yが2以上の整数の場合、一分子中に2以上含まれるR3同士は、同一であっても異なっていてもよく、例えば、ブチレン基とペンチレン基のように、炭素数が異なるアルキレン基であってもよい。
前記リン酸基を有する分散剤の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1000以上であることが好ましく、5000以上であることがより好ましく、また、40000以下であることが好ましく、30000以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることで分散性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることでパターニング性が良好となる傾向がある。
前記リン酸基を有する分散剤としては、市販のものを用いることができ、例えば、Disperbyk(登録商標、以下同様)102、110、111、140、142、145、180、2001(ビックケミー社製)、DA−7301、DA−325、DA−375、DA−234、ED−152、ED−251(楠本化成社製)、TEGO(登録商標) Dispers628、655(Evonik社製)などが挙げられる。
(b)分散剤は、前記リン酸基を有する分散剤以外に、その他の分散剤を含んでいてもよい。その他の分散剤としては、商品名で、EFKA(登録商標、エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(登録商標、ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(登録商標、味の素社製)等などが挙げられる。
また、その他の分散剤として、リン酸基を有する分散剤の当該リン酸基を、リン酸塩基に代えた分散剤を用いてもよい。
(b)分散剤の含有割合は、通常全固形分中1質量%以上であり、好ましくは2質量%以上、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。前記下限値以上とすることでレジスト安定性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターニング特性が向上する傾向がある。
(b)分散剤に占める、前記リン酸基を有する分散剤の含有割合は特に限定されないが、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、また、通常100質量%以下であり、特に好ましくは100質量%である。前記下限値以上とすることでパターニング特性が向上する傾向がある。
また、(a)二酸化ジルコニウム粒子100質量部に対して、(b)分散剤を15質量部以下含むことが好ましく、10質量部以下含むことがより好ましく、8質量部以下含むことがさらに好ましく、また、1質量部以上含むことが好ましく、3質量部以上含むことがより好ましい。前記下限値以上とすることで、分散性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターニング性能が良好となる傾向がある。
[(c)溶剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(c)溶剤を含有する。
(c)溶剤としては、各成分を溶解・分散させることができ、取り扱い性がよいものであれば特に限定されない。具体的には、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と略記することがある。)、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシメチルプロピオネート、3−エトキシエチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」と略記することがある。)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラハイドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メトキシブチル酢酸エステル、ソルベスト、カルビトール等の有機溶剤が挙げられる。これらの中でも、塗布性や組成物中の構成成分の溶解度の観点から、グリコールアルキルエーテルアセテート類、グリコールモノアルキルエーテル類が好ましく、グリコールアルキルエーテルアセテート類がより好ましい。また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の溶媒を併用してもよい。併用する溶媒として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性や、分散性の点からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
フォトリソグラフィー法にて誘電体膜を形成する場合、溶媒としては沸点が100〜200℃(圧力1013.25[hPa]条件下。以下、沸点に関しては全て同様。)の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。前記下限値以上とすることにより、急激な乾燥よる粒子の凝集や、気泡跡による欠陥の発生を抑制しやすい傾向がある。前記上限値以下とすることにより、乾燥時間を短くでき消費電力や生産速度の面で有利になる傾向がある。上記溶媒中、塗布性、表面張力などのバランスがよく、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
また、溶剤は1種類を単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。混合して用いる溶剤の組合せとしては、例えばPGMEAにジエチレングリコールジメチルエーテル、メトキシブチル酢酸エステル、ソルベスト、カルビトールから選ばれる1種以上の溶剤を混合したものが挙げられる。
更に、上記混合溶剤において、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メトキシブチル酢酸エステル、ソルベスト、カルビトールから選ばれる1種以上の溶剤の配合割合は、PGMEAに対して通常10質量%以上、好ましくは30質量%以上であり、通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下である。
また更に、上記混合溶剤の中でも、PGMEAとメトキシブチル酢酸エステルの混合溶剤は、塗布乾燥工程における塗布膜の適度な流動性を誘起するため、基板の凹凸を平坦化させるためには好適である。
本発明の硬化性樹脂組成物中の(c)溶剤の含有割合は特に限定されないが、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、また、通常99質量%以下である。前記範囲内とすることで、(a)二酸化ジルコニウム粒子や(d)バインダー樹脂などの成分を十分量含ませることができ、また、塗布性も良好となる傾向がある。
[(d)バインダー樹脂]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(d)バインダー樹脂を含む。(d)バインダー樹脂を含むことで、均質な膜を得ることが可能になる。
(d)バインダー樹脂の種類は特に限定されないが、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂が好ましく、例えば、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で、或いは複数種を混合して使用することができる。これらの中でも、パターニング性能や基板密着性の観点から、(d)バインダー樹脂が、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含有することが好ましい。好ましく用いることができるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を、以下に詳述する。
本発明で用いることができるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、特に下記アルカリ可溶性樹脂(d1)及び/又はアルカリ可溶性樹脂(d2)(以下「カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂」と称す場合がある。)が好適に用いられる。
<アルカリ可溶性樹脂(d1)>
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸及び/又はその無水物を反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
<アルカリ可溶性樹脂(d2)>
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多価アルコール、及び多塩基酸及び/又はその無水物と反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂。
原料となるエポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ社製の「エピコート828」、「エピコート1001」、「エピコート1002」、「エピコート1004」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ(例えば、日本化薬社製の「NER−1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃))、ビスフェノールF型樹脂(例えば、油化シェルエポキシ社製の「エピコート807」、「EP−4001」、「EP−4002」、「EP−4004等」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NER−7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃))、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例えば、油化シェルエポキシ社製の「YX−4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−201」、油化シェルエポキシ社製の「EP−152」、「EP−154」、ダウケミカル社製の「DEN−438」)、(o,m,p−)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EOCN−102S」、「EOCN−1020」、「EOCN−104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば、日産化学社製の「TEPIC」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−501」、「EPN−502」、「EPPN−503」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したエポキシ樹脂(例えば、大日本インキ社製の「EXA−7200」、日本化薬社製の「NC−7300」)、下記一般式(D1)〜(D4)で表されるエポキシ樹脂、等を好適に用いることができる。具体的には、下記一般式(D1)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「XD−1000」、下記一般式(D2)で表されるエポキシ樹脂として日本化薬社製の「NC−3000」、下記一般式(D4)で表されるエポキシ樹脂として新日鐵化学社製の「ESF−300」等が挙げられる。
Figure 0006547330
上記一般式(D1)において、aは平均値を示し0〜10の数を示す。R11は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基のいずれかを表す。なお、1分子中に存在する複数のR11は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0006547330
上記一般式(D2)において、bは平均値を示し0〜10の数を示す。R21は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基のいずれかを表す。なお、1分子中に存在する複数のR21は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0006547330
上記一般式(D3)において、Xは下記一般式(D3−1)又は(D3−2)で表される連結基を示す。但し、分子構造中に1つ以上のアダマンタン構造を含む。cは2又は3の整数を示す。
Figure 0006547330
上記一般式(D3−1)及び(D3−2)において、R31〜R34及びR35〜R37は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアダマンチル基、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。
Figure 0006547330
上記一般式(D4)において、p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R41及びR42はそれぞれ独立してアルキル基又はハロゲン原子を表す。R43及びR44はそれぞれ独立してアルキレン基を表す。x及びyはそれぞれ独立して0以上の整数を表す。
これらの中で、一般式(D1)〜(D4)で表されるエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体などのモノカルボン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルマレイン酸(メタ)、アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体、或いはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートに(無水)コハク酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸などの酸(無水物)を付加させた単量体、(メタ)アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。
これらの内、感度の点から、特に好ましいものは(メタ)アクリル酸である。
エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させる方法としては、公知の手法を用いることができる。例えば、エステル化触媒の存在下、50〜150℃の温度で、α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとエポキシ樹脂とを反応させることができる。ここで用いるエステル化触媒としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩等を用いることができる。
なお、エポキシ樹脂、α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステル、及びエステル化触媒は、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.1当量の範囲である。α,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの使用量が前記範囲内であると、不飽和基の導入量が十分となり、引き続く多塩基酸及び/又はその無水物との反応も十分となる傾向がある。
多塩基酸及び/又はその無水物としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、及びこれらの無水物等から選ばれた、1種又は2種以上が挙げられる。
好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、又はこれらの無水物である。特に好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、無水テトラヒドロフタル酸、又はビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
多塩基酸及び/又はその無水物の付加反応に関しても公知の手法を用いることができ、エポキシ樹脂へのα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルの付加反応と同様な条件下で、継続反応させて目的物を得ることができる。多塩基酸及び/又はその無水物成分の付加量は、生成するカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が10〜150mgKOH/gの範囲となるような程度であることが好ましく、さらに20〜140mgKOH/gの範囲となるような程度であることが好ましい。カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が上記範囲内であるとアルカリ現像性や硬化性能が良好となる傾向がある。
なお、この多塩基酸及び/又はその無水物の付加反応時に、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多官能アルコールを添加し、多分岐構造を導入したものとしてもよい。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、通常、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物を混合した後、もしくは、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物及び多官能アルコールを混合した後に、加温することにより得られる。この場合、多塩基酸及び/又はその無水物と多官能アルコールの混合順序に、特に制限はない。加温により、エポキシ樹脂とα,β−不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物と多官能アルコールとの混合物中に存在するいずれかの水酸基に対して多塩基酸及び/又はその無水物が付加反応する。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は通常1000以上、好ましくは1500以上であり、通常10000以下、好ましくは8000以下、より好ましくは6000以下である。この重量平均分子量が前記範囲内であると、現像液に対する溶解性が良好となる傾向がある。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上の樹脂を混合して用いても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物における(d)バインダー樹脂の含有割合は、全固形分中、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、また通常50質量%以下、好ましくは45質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで露光部への現像液の浸透を低く抑え、膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすい傾向がある。
本発明の性能を損なわない限り、カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹
脂と併用しうる他のバインダー樹脂に制限は無い。
なお、他のバインダー樹脂はいずれも、1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(d)バインダー樹脂に占めるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の含有割合は特に限定されないが、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、また、通常100質量%以下であり、特に好ましくは100質量%である。前記下限値以上とすることでパターニング性能や基板密着性が良好となる傾向がある。
[(e)重合性モノマー]
本発明の硬化性樹脂組成物は(e)重合性モノマーを含有する。(e)重合性モノマーを含有することで硬化性の高い膜を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物においては、(e)重合性モノマーの中でも、エチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「エチレン性不飽和化合物」)が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物とは、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味する。そして、本発明における硬化性樹脂組成物は、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を含有することが好ましい。
エチレン性不飽和基を1個有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等が挙げられる。
また、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
(e−1)不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類
不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類(以下、「エステル(メタ)アクリレート類」と略記することがある。)としては、具体的には以下の化合物が例示できる。
上記不飽和カルボン酸と糖アルコールとの反応物:糖アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸と糖アルコールのアルキレンオキサイド付加物との反応物:糖アルコールは上記と同じものが挙げられる。アルキレンオキサイド付加物としては、例えば、エチレンオキサイド付加物、又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸とアルコールアミンとの反応物:アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
前記不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類として、より具体的には、以下の化合物が例示できる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等。
その他、上記不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、上記不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物との反応物が挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等である。
更に、上記不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、上記不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。具体的には、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等である。
また更に、上記不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、上記不飽和カルボン酸と、多価カルボン酸と、ポリヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等である。
(e−2)(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類
(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するホスフェート化合物であれば特に限定されないが、中でも、下記一般式(Ia)〜(Ic)で表されるものが好ましい。
Figure 0006547330
式(Ia)、(Ib)及び(Ic)中、R10は水素原子又はメチル基を示し、p及びp’は1〜25の整数、qは1〜3の整数である。
ここで、p及びp’は、それぞれ1〜10の整数、特に1〜4の整数であることが好ましい。このような化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられてもよい。
(e−3)ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
また、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート;
シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート;
イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート;
特開2001−260261号公報に記載の方法により製造されるアロファネート変性ポリイソシアヌレート;
等のポリイソシアネート化合物が挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類としては、中でも、上記アロファネート変性ポリイソシアヌレートを含有するウレタン(メタ)アクリレート類が好適である。アロファネート変性ポリイソシアヌレートを含有するウレタン(メタ)アクリレート類は、粘度が低く、溶剤に対する溶解性に優れると共に、光硬化及び/又は熱硬化により基板との密着性と膜強度の向上に効果がある点で好適である。
本発明における上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、市販のものを用いることができる。具体的には、例えば新中村化学社製商品名「U−4HA」「UA−306A」「UA−MC340H」「UA−MC340H」「U6LPA」、バイエルジャパン社製のアロファネート骨格を有する化合物である「AGROR4060」等が挙げられる。
本発明における上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、感度の観点から、1分子中に4個以上(好ましくは6個以上、より好ましくは8個以上)のウレタン結合〔−NH−CO−O−〕、及び4個以上(好ましくは6個以上、より好ましくは8個以上)の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましい。かかる化合物は、例えば、下記(i)の化合物と、下記(ii)の化合物とを反応させることにより得ることができる。
(i)1分子中に4個以上のウレタン結合を有する化合物
例えば、
ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に4個以上の水酸基を有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物(i−1);
或いは、
エチレングリコール等の1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物に、旭化成ケミカルズ社製「デュラネート24A−100」、同「デュラネート22A−75PX」、同「デュラネート21S−75E」、同「デュラネート18H−70B」等ビウレットタイプ、同「デュラネートP−301−75E」、同「デュラネートE−402−90T」、同「デュラネートE−405−80T」等のアダクトタイプ、等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物を反応させて得られた化合物(i−2);
或いは、
イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等を重合若しくは共重合させて得られた化合物(i−3)等;
が挙げられる。
このような化合物としては市販品を用いることができ、例えば、旭化成ケミカルズ社製「デュラネートME20−100」が挙げられる。
(ii)1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物
例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の、1分子中に1個以上の水酸基及び2個以上、好ましくは3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が挙げられる。
ここで、前記(i)の化合物の分子量としては、500〜200,000であることが好ましく、1,000〜150,000であることが特に好ましい。また、前記ウレタン(メタ)アクリレート類の分子量としては、600〜150,000であることが好ましい。
なお、このようなウレタン(メタ)アクリレート類は、例えば、上記(i)の化合物と上記(ii)の化合物とを、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤中で、10〜150℃で5分〜3時間程度反応させる方法により製造することができる。この場合、前者のイソシアネート基と後者の水酸基とのモル比を1/10〜10/1の割合とし、必要に応じてジラウリン酸n−ブチル錫等の触媒を用いることが好適である。
(e−4)(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類
ポリエポキシ化合物としては、例えば、
(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物;
フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物;
ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物;等のポリエポキシ化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ポリエポキシ化合物との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート類としては、これらのようなポリエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸又は上記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応物等が挙げられる。
(e−5)その他のエチレン性不飽和化合物
その他のエチレン性不飽和化合物としては、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類、エーテル結合含有エチレン性不飽和化合物のエーテル結合を5硫化燐等により硫化してチオエーテル結合に変えることにより架橋速度を向上せしめたチオエーテル結合含有化合物類が挙げられる。
それらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本実施の形態において、エチレン性不飽和化合物としては、重合性、架橋性等の点から、エチレン性不飽和基を分子内に2個以上有する化合物が含まれることが好ましい。中でも、エステル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、又は、ウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、エステル(メタ)アクリレート類が更に好ましい。そのエステル(メタ)アクリレート類の中でも、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物との反応物が特に好ましい。
また、本実施の形態に係るエチレン性不飽和化合物において、芳香族環を含有しないもの、若しくは、無置換又はp(パラ)位に置換基を有するフェニル基を含有するものは、層間絶縁膜の加熱処理による変色(赤色着色)が抑えられるため好適である。このようなエチレン性不飽和化合物としては、例えば脂肪族の多官能(メタ)アクリレート、及びビスフェノールA又はフルオレン骨格を有する多価アルコールの(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。
本発明における硬化性樹脂組成物中に占める、(e)重合性モノマーの含有量は、全固形分に対して、通常1質量%以上であり、好ましくは2質量%以上、通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。前記下限値以上とすることで硬化性が高くなり、膜強度を十分なものとしやすい傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性が感度の悪化を抑制しやすい傾向がある。
[(f)重合開始剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(f)重合開始剤を含有する。(f)重合開始剤を含有することで露光による光硬化が進行する。重合開始剤は、公知のいずれのものも用いることができ、紫外線から可視光線によりエチレン性不飽和基を重合させるラジカルを発生させることのできる化合物が挙げられる。
本実施の形態で用いることができる重合開始剤の具体的な例を以下に列挙する。
(i)2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロメチル化トリアジン誘導体。
(ii)ハロメチル化オキサジアゾール誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メチルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などのイミダゾール誘導体。
(iii)ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類。
(iv)2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン誘導体。
(v)ベンズアンスロン誘導体。
(vi)ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体。
(vii)2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトンなどのアセトフェノン誘導体。
(viii)チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体。
(ix)p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸エステル誘導体。
(x)9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジンなどのアクリジン誘導体。
(xi)9,10−ジメチルベンズフェナジンなどのフェナジン誘導体。
(xii)ジシクロペンタジエニル−Ti−ジクロライド、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビスフェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イルなどのチタノセン誘導体。
(xiii)2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエート、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等のα−アミノアルキルフェノン系化合物。
(xiv)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物。
(xv)1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)
(xvi)特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特開2001−235858号公報、特開2005−182004号公報、国際公開第2002/00903号パンフレット、及び特開2007−041493号公報に記載されている化合物に代表される、オキシム誘導体類等。
開始剤の中では、パターニング性と透明性に優れることから、前記(xv)や(xvi)が好ましく、中でも下記構造の化合物Yが特に好ましく用いられる。
Figure 0006547330
これらの重合開始剤は単独で、又は複数組み合わせて使用される。組み合わせとしては、例えば、特公昭53−12802号公報、特開平1−279903号公報、特開平2−48664号公報、特開平4−164902号公報、又は特開平6−75373号公報などに記載された、開始剤の組み合わせが挙げられる。
本発明における硬化性樹脂組成物中に占める、重合開始剤の含有量としては、全固形分に対して、通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上であり、通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下である。前記下限値以上とすることで硬化性が十分となり膜強度の低下を抑制できる傾向があり、前記上限値以下とすることで熱収縮の度合が小さくなり、熱硬化後のヒビ割れ、クラックを抑制できる傾向がある。
[(g)界面活性剤]
本発明における硬化性樹脂組成物は、組成物の塗布液としての塗布性、及び硬化性樹脂組成物層の現像性の向上等を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤、或いは、フッ素系やシリコーン系等の界面活性剤を含有していてもよい。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が挙げられる。これらの市販品としては、花王社製の「エマルゲン104P」、「エマルゲンA60」等のポリオキシエチレン系界面活性剤等が挙げられる。
また、上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、特殊高分子系界面活性剤等が挙げられる。これらのうち、特殊高分子系界面活性剤が好ましく、特殊ポリカルボン酸型高分子系界面活性剤が更に好ましい。
このようなアニオン性界面活性剤としては市販品を用いることができ、例えば、アルキル硫酸エステル塩類では、花王社製「エマール10」等、アルキルナフタレンスルホン酸塩類では花王社製「ペレックスNB−L」等、特殊高分子系界面活性剤では花王社製「ホモゲノールL−18」、「ホモゲノールL−100」等が挙げられる。
更に、上記カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アミン塩類等が、また、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が挙げられる。これらのうち、第4級アンモニウム塩類が好ましく、ステアリルトリメチルアンモニウム塩類が更に好ましい。市販のものとしては、例えば、アルキルアミン塩類では花王社製「アセタミン(登録商標)24」等、第4級アンモニウム塩類では花王社製「コータミン(登録商標、以下同じ。)24P」、「コータミン86W」等が挙げられる。
一方、フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖及び側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキル又はフルオロアルキレン基を有する化合物が好適である。
具体的には、例えば、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン等を挙げることができる。
これらの市販品としては、BM Chemie社製「BM−1000」、「BM−1100」、DIC社製「メガファック(登録商標、以下、同じ。)F142D」、「メガファックF172」、「メガファックF173」、「メガファックF183」、「メガファックF470」、「メガファックF475」、3M社製「FC430」、「FC4432」、ネオス社製「DFX−18」等を挙げることができる。
また、シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング社製「トーレシリコーンDC3PA」、「同SH7PA」、「同DC11PA」、「同SH21PA」、「同SH28PA」、「同SH29PA」、「同SH30PA」、「同SH8400」、「FZ2122」、東芝シリコーン社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−444(4)(5)(6)(7)6」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、シリコーン社製「KP341」、ビックケミー社製「BYK323」、「BYK330」等の市販品を挙げることができる。
これら界面活性剤の中でも、塗布膜厚の均一性の観点から、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤は2種類以上の組み合わせでもよく、シリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤、フッ素系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤の組み合わせ等が挙げられる。中でも、シリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤が好ましい。
このシリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤の組み合わせでは、例えば、ジーイー東芝シリコーン社製「TSF4460」/ネオス社製「DFX−18」、ビックケミー社製「BYK−300」又は「BYK−330」/セイミケミカル社製「S−393」、信越シリコーン社製「KP340」/大日本インキ社製「F−478」又は「F−475」、東レ・ダウコーニング社製「SH7PA」/ダイキン社製「DS−401」、東レ・ダウコーニング社製「FZ2122」/3M社製「FC4432」、日本ユニカー社製「L−77」/3M社製「FC4430」等が挙げられる。
本発明における硬化性樹脂組成物が界面活性剤を含有する場合、硬化性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量は、全固形分中、10質量%以下であることが好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。
[その他の成分]
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に熱架橋剤、接着助剤、硬化剤及び紫外線吸収剤などの添加剤を含有していてもよく、これら成分としては、例えば、国際公開第2007/139005号パンフレットに記載のものが挙げられる。
<硬化性樹脂組成物の製造方法>
次に、本発明の硬化性樹脂組成物を調製する方法を説明する。
<無機粒子分散液の製造方法>
本発明中の無機粒子分散液の製造方法は、(a)二酸化ジルコニウム粒子、(b)分散剤、(c)溶剤を含有し、場合によっては分散樹脂を含有する。これらの材料を混合し、(c)溶剤中に他の成分を分散させることで得ることができる。
分散方法としては、特に制限はなく、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等が挙げられる。
各成分の混合順序は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、(c)溶剤を入れてから、(a)二酸化ジルコニウム粒子、(b)分散剤、及び分散樹脂を入れてもよく、その逆でもよい。分散樹脂としては、前述の(d)バインダー樹脂として記載したものを用いることができる。硬化性樹脂組成物を調製する際に使用する(d)バインダー樹脂の一部を分散樹脂として用いることもでき、硬化性樹脂組成物を調製する際に使用するものとは異なる(d)バインダー樹脂を用いることもできる。サンドグラインダーで(a)二酸化ジルコニウム粒子を分散させる場合には、0.05〜5mm程度の径のガラスビーズ又はジルコニアビーズが好ましく用いられる。分散処理条件は、温度は通常0℃から100℃であり、好ましくは室温から80℃の範囲である。
<硬化性樹脂組成物の調製方法>
次に、本発明の硬化性樹脂組成物を調製する方法を説明する。
先ず前述の無機粒子分散液を、必須成分である(c)溶剤、(d)バインダー樹脂、(e)重合性モノマー及び(f)重合開始剤、場合によっては、任意成分である、界面活性剤、並びにそれら以外の成分と混合し、均一な溶液とすることにより、硬化性樹脂組成物を得る。混合は室温で行うことが好ましく、通常重合反応が開始しないように紫外線遮断下で実施する。また、混合等の各工程において、微細なゴミが混入することがあるため、得られた硬化性樹脂組成物をフィルター等によって濾過処理することが好ましい。
<層間絶縁膜の形成方法>
本発明の硬化性樹脂組成物を塗布して硬化することで、硬化物を得ることができる。特に、本発明の硬化性樹脂組成物は、層間絶縁膜を形成する材料として好適に用いることができる。以下に、本発明の硬化性樹脂組成物を用いた層間絶縁膜の形成方法について説明する。
[1−1]塗工工程
まず、TFTアレイを形成した基板上に、上述した本発明の硬化性樹脂組成物をスピナー、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置を用いて塗布する。硬化性樹脂組成物の塗布膜厚は通常0.1〜5μmである。
[1−2]乾燥工程
上記塗布膜から揮発成分を除去(乾燥)して乾燥塗膜を形成する。乾燥には、真空乾燥、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。好ましい乾燥条件は温度40〜150℃、乾燥時間10秒〜60分の範囲である。
[1−3]露光・現像工程
次いで、硬化性樹脂組成物層の乾燥塗膜上にフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して画像露光する。露光後、未露光の未硬化部分を現像にて除去することにより、画素を形成する。なお、露光後、現像前に感度向上の目的でポスト・エクスポージャ・ベークを行う場合もある。この場合のベークには、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。ポスト・エクスポージャ・ベーク条件は通常、40〜150℃、乾燥時間10秒〜60分の範囲である。
通常、層間絶縁膜にはアクティブ素子と画素電極とを接続するためのコンタクトホールを形成する。コンタクトホールは、塗布膜をパターニング露光し、現像することで得られる。高精細なディスプレイでは、より小さなコンタクトホールが開口することが求められる。例えば、一辺が3〜10μmの正方形のホールの開口が求められることもある。
乾燥塗膜の露光工程に用いる光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定波長の光のみを使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
現像処理に用いる溶剤としては、未硬化部の塗布膜を溶解させる能力のある溶剤であれば特に制限は受けないが、前述したように、環境汚染、人体に対する有害性、火災危険性などの点から、溶剤ではなく、アルカリ現像液を使用するのが好ましい。
このようなアルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物、或いはジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド等の有機アルカリ化合物を含有した水溶液が挙げられる。
なお、アルカリ現像液には、必要に応じ、界面活性剤、水溶性の溶剤、湿潤剤、水酸基又はカルボン酸基を有する低分子化合物等を含有させることもできる。現像液に使用する界面活性剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができる。
現像処理の方法については特に制限は無いが、通常、10〜50℃、好ましくは15〜45℃の現像温度で、浸漬現像、パドル現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により行われる。
[1−4]熱処理工程
露光・現像工程により画像形成された硬化性樹脂組成物膜は、次いで、熱処理(ハードベーク)工程を経て硬化物(熱硬化膜)となる。なお、現像後、ハードベーク前にヘードベーク時のアウトガスの発生を抑制する目的で、全面露光を行う場合もある。
ハードベーク前の全面露光を行う場合、光源としては、紫外光又は可視光が用いられ、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。
ハードベークにはホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。ハードベーク条件としては通常、100〜250℃、乾燥時間30秒〜90分の範囲である。
<TFTアクティブマトリックス基板及び液晶表示装置(パネル)>
次に、本実施の形態に係る液晶表示装置(パネル)の製造法について説明する。本実施の形態に係る液晶表示装置は、通常、TFTアクティブマトリックス基板を備えるものである。
まず、TFTアクティブマトリックス基板は、TFT素子アレイが形成された基板上に前述の硬化物を層間絶縁膜として形成し、その上にITO膜を形成後、フォトリソグラフィ法を用いてITO配線を作成することにより作成される。
そして、本実施の形態に係る液晶表示装置は、上記TFTアクティブマトリックス基板を対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、更に対向電極を結線して完成させることができる。
対向基板としては、通常、配向膜を備えるカラーフィルタ基板が好適に用いられる。配向膜としては、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。なお、配向膜上に更に上記と同様の層間絶縁膜を形成してもよい。
上記TFTアクティブマトリックス基板と対向基板との貼り合わせギャップとしては、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常2μm以上、8μm以下の範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。
このようなシール材としては、通常、UV照射及び/又は加熱することによって硬化可能なものが用いられ、液晶セル周辺がシールされる。周辺をシールされた液晶セルをパネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧し、上記液晶注入口を液晶に浸漬し、チャンバー内をリークすることにより、前記液晶セル内に液晶を注入することができる。
液晶セル内の減圧度としては、通常1×10-2Pa以上、好ましくは1×10-3Pa以上であり、通常1×10-7Pa以下、好ましくは1×10-6Pa以下の範囲である。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましい。加温温度としては、通常30℃以上、好ましくは50℃以上であり、通常100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲である。
減圧時の加温保持条件としては、通常10分間以上、60分間以下の範囲である。その後、液晶セルが液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、UV硬化樹脂を硬化させて液晶注入口を封止する。このようにして液晶表示装置(パネル)を完成させることができる。
なお、液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物等、従来から知られている液晶を用いることができる。リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶等の何れでもよい。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメクティック液晶及びコレステリック液晶等が知られているが、何れであってもよい。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施できる。
(硬化性樹脂組成物の膜厚の測定方法)
触針式段差計“α-step IQ”(KLA Tencor社製)を用いて測定を行った。膜厚の測定はランダムに2箇所の位置にて実施し、その2点の平均値を膜厚とした。測長は0.7mm、走査速度は0.5mm/sとした。
(比誘電率測定)
ガラス基板上にITO電極を膜厚70nmで全面スパッタし、導電性基板を得た。この導電性基板上に硬化性樹脂組成物をスピンコーターを用いて塗布し、減圧乾燥60秒の後、100℃のホットプレートで90秒乾燥した。その後、露光装置MA−1100(大日本科研社製)で露光量は40mJ/cm2(波長365nmにおける強度)で全面露光を行った。次に、滝沢産業(株)社製AD−1200の現像装置を用い、現像液に水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38質量%水溶液を使用して、現像を行った。50rpmで回転しながら、スプレー圧力0.15MPaで現像液を5秒間噴霧、20秒間浸漬現像を2回繰り返した後、15秒水洗処理した。クリーンオーブンにて230℃30分焼成し、誘電体膜を得た。誘電体膜の膜厚は0.3μmとした。
この誘電体膜の上に蒸着法によりアルミニウム電極を形成した。アルミニウム電極は、厚さ60nmで面積3mm2の円形パターンの電極である。ITO電極とアルミニウム電極に挟まれた部分が測定対象となる。ITO電極とアルミニウム電極に端子を接触させ、周波数1.0kHzにおける静電容量を測定した。測定された静電容量と誘電体膜の膜厚、アルミニウム電極面積から、式(1)を用いて比誘電率を算出した。
C=εrε0S/d・・・・・(1)
上記式(1)中、C:容量、εr:比誘電率、ε0:真空の誘電率(定数)、S:電極面積、d:電極間距離である。
この測定にはLCRメーター4284A(ヒューレットパッカード社製)を用いた。
(高誘電率無機粒子分散液の粘度評価)
調製した高誘電率無機粒子分散液の粘度を粘度計(東機産業(株)社製、RE−85)で測定した。実施例及び比較例で使用した高誘電率無機粒子分散液の粘度は2〜15mPa・sであった。分散直後と、室温で1週間静置した後のインクの粘度を測定し、以下基準で分類判定した。
○:インク分散直後と比較して、室温で1週間静置した後に増粘は、ほとんど無い。
○△:インク分散直後と比較して、室温で1週間静置した後に増粘はあるが、+2mPa・s以内で安定する。
△:インク分散直後と比較して、室温で1週間静置した後でも増粘が続き、+2mPa・sを超える。
×:インク分散直後から大きく増粘し、3日以内で+2mPa・sを超える。
(樹脂合成)
(合成例1:アルカリ可溶性樹脂(1)の合成)
「NC3000L」(日本化薬社製)(エポキシ当量288、軟化点69℃)400質量部、アクリル酸102質量部、p−メトキシフェノール0.3質量部、トリフェニルホスフィン5質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート264質量部を反応容器に仕込み、95℃で酸価が3mgKOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標に達するまで9時間を要した(酸価2.2mgKOH/g)。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸59質量部を添加し、95℃で4時間反応させ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で固形分40質量%になるように調製し、酸価40mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2200の下記構造式で表されるアルカリ可溶性樹脂(1)の溶液を得た。
Figure 0006547330
(合成例2:アルカリ可溶性樹脂(2)の合成)
Figure 0006547330
上記構造のエポキシ化合物(エポキシ当量264)50g、アクリル酸13.65g、メトキシブチルアセテート60.5g、トリフェニルホスフィン0.936g、及びパラメトキシフェノール0.032gを、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応には12時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得た。
上記エポキシアクリレート溶液25質量部及び、トリメチロールプロパン(TMP)0.76質量部、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)3.3質量部、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)3.5質量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温し反応させた。
樹脂溶液が透明になったところで、メトキシブチルアセテートで希釈し、固形分50質量%となるよう調製し、酸価115mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2600のアルカリ可溶性樹脂(2)を得た。
(高誘電率無機粒子分散液の調製)
以下の組成で高誘電率無機粒子、分散剤、分散樹脂、溶剤を調合し、以下の方法で高誘電率無機粒子分散液を調製した。まず、高誘電率無機粒子、分散剤、分散樹脂の固形分が以下となるように調合した。
・高誘電率無機粒子:UEP(第一稀元素化学工業社製、二酸化ジルコニウム、一次粒子の平均粒子径50nm) 100質量部
・分散剤:DisperBYK−111(ビックケミー社製、リン酸基及びポリエーテル構造を有する) 6.67質量部/固形分換算
・分散樹脂:アルカリ可溶性樹脂(2) 10質量部/固形分換算
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 280質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 70質量部
以上を十分に攪拌し、混合を行った。
次に、ペイントシェーカーにより25〜45℃の範囲で6時間分散処理を行った。ビーズとしては、直径0.3mmのジルコニアビーズを用い、分散液10gとビーズ20gを加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離して、固形分25質量%の高誘電率無機粒子分散液1を調製した。
(高誘電率無機粒子分散液2〜6の調製)
高誘電率無機粒子分散液1の分散剤や高誘電率無機粒子の種類を表1に記載のものに変更し、高誘電率無機粒子分散液1と同じ方法で撹拌、混合、ペイントシェーカーによる分散処理を行い、固形分25質量%の高誘電率無機粒子分散液2〜6を調製した。なお、表中のTHFAはテトラヒドロフルフリルアルコールを表す。
Figure 0006547330
表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。
T−BTO−020RF:チタン酸バリウム(戸田工業社製、一次粒子の平均粒子径50nm)
HOA−HH:特開2009−249411号公報記載の分散剤(共栄社化学社製)
HOA−MPL:特開2009−249411号公報記載の分散剤(共栄社化学社製)
HOA−MS:分散剤(共栄社化学社製)
LPN21116:リン酸基を有しない分散剤(ビックケミー社製)
得られた分散液について、前述の方法で、粘度測定を行った。また、調製直後と調製1週間後の分散液を観察し、粒子の沈降がないものは○、沈降しているものは×とした。その結果を表2に示す。
Figure 0006547330
(実施例1)
高誘電率無機粒子分散液1を56.0質量部、アルカリ可溶性樹脂(1)を11.0質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを0.8質量部、光重合開始剤として明細書に記載の化合物Yを0.8質量部、レベリング剤としてDisperBYK−330(ビックケミー社製)をガラス瓶内で混合し、硬化性樹脂組成物(1)を調製した。この際、粒子の沈降は確認されなかった。
この硬化性樹脂組成物(1)を、ITOをスパッタしたガラス基板上にスピンコーターで塗布し、減圧乾燥60秒の後、100℃のホットプレートで90秒乾燥した。その後、露光装置MA−1100(大日本科研社製)にて50/50、30/30、25/25、20/20、15/15、10/10、5/5μmのラインアンドスペース(L/S)マスクを用いてパターン露光を行った。この時、マスクと基板のギャップは10μm、露光量は20mJ/cm2(波長365nmにおける強度)とした。次に、滝沢産業(株)社製AD−1200の現像装置を用い、現像液に水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38質量%水溶液を使用して、現像を行った。50rpmで回転しながら、スプレー圧力0.15MPaで現像液を5秒間噴霧、20秒間浸漬現像を2回繰り返した後、15秒水洗処理した。クリーンオーブンにて230℃30分焼成し、誘電体膜を得た。光学顕微鏡で観察したところ、10/10μmのL/Sまでパターン形成できていた。また、光学顕微鏡で倍率100倍で観察し、膜面の荒れや異物、未露光部分の残渣の有無を確認したところ、膜面荒れや残渣は確認されなかった。
次に、前述の方法により、硬化性樹脂組成物(1)から得られた誘電体膜の比誘電率を測定したところ、6.6であった。
(実施例2)
表3に示す比率で材料を混合し、硬化性樹脂組成物(2)を得た。硬化性樹脂組成物調製時に粒子の沈降は確認されなかった。実施例1と同様に、パターン加工性評価、比誘電率の測定を行った。その結果を表4に示す。
(比較例1〜7)
表3に示す比率で材料を混合し、硬化性樹脂組成物(3)〜(9)を得た。硬化性樹脂組成物調製時に粒子の沈降が確認されなかったものは○、沈降が確認されたものは×とした。実施例1と同様に、パターン加工性評価、比誘電率の測定を行った。パターン加工性については、開口した最小のL/Sの値を示す。また、残渣評価は、光学顕微鏡を用いて倍率100倍で未露光部を観察し、残渣があるものは×、ないものは○とした。膜面の評価は、光学顕微鏡を用いて倍率100倍で膜面を観察し、荒れや異物がないかを確認した。表面荒れが観察された場合は「表面荒れ」、凝集異物が観察された場合は「凝集異物」、どちらも観察されない場合を○とした。その結果を表4に示す。
Figure 0006547330
Figure 0006547330
表4から、高濃度のZrO2粒子を含有することにより、比誘電率が高くなるだけでなく、現像で表面荒れのない誘電体膜が得られることがわかった。一般的に、露光によって光硬化した膜は、酸素阻害の影響によって最表面の硬化が進行しにくく、現像時に表面荒れが発生することがある。しかし、実施例1、実施例2では、無機粒子を多く含有することにより、膜最表面の現像液への耐性が向上したため、表面荒れが抑制されたと考えられる。
さらに、表4から、実施例1、実施例2では、従来技術より微細なパターニングが可能となることがわかった。一般的に、無機粒子が高濃度になるとパターニング性能が悪化する傾向があるが、これは無機粒子と現像液との親和性が悪いため、未露光部分の現像が進行しないことが原因である。分散剤に現像液との親和性が高いリン酸基を含有することで、無機粒子と現像液との親和性が向上し、パターニング性能が向上していると考えられる。さらにテール部にも現像液との親和性が高いポリエチレングリコール鎖やポリカプロラクトン鎖を含有することで、さらに微細なパターニングが可能になったと考えられる。一方、比較例2、比較例3については、残渣の発生が見られ、比較例2、比較例3、比較例7については、最小L/Sが実施例2と比較して大きくなっていることがわかった。これは、分散剤と現像液との親和性が十分ではないためと考えられる。
また、比較例4、5より、低極性溶媒(PGMEA)を加えると分散体2、3は分散状態が保持できず、粒子の凝集が起こることがわかった。分散体2、3では、分散剤以外に、分散媒であるTHFAが分散に大きく寄与していると考えられ、PGMEAを加えてTHFA濃度が減少したことで粒子の凝集が急激に起こり、この凝集体によって沈降が生じたと考えられる。さらに、比較例2、3では膜面に凝集異物が発生することがわかったが、これは塗布、乾燥工程でTHFAが揮発することにより、粒子の凝集が進行したためと考えられる。
比較例6については、残渣が発生し、パターニング性能が悪いことがわかった。表2より分散体5は一週間後に沈降が見られることから、分散が十分に進行しておらず、分散体5の分散安定性が悪いことがわかる。誘電体膜を作成する際、粒子の分散安定性が悪いと、粒子が膜内に不均一に分布するため、膜均一性が低下する。これにより現像液への溶解性にムラが生じ、溶けきらない部分が残渣となって残り、溶解速度の違いからパターニング性能も悪化する。チタン酸バリウム(BaTiO3)の分散安定性が悪い理由としては、分散剤の粒子表面への吸着性が低いため、経時によって溶媒へ遊離した分散剤が増えてしまった事が原因と考えられる。

Claims (9)

  1. (a)二酸化ジルコニウム粒子、(b)分散剤、(c)溶剤、(d)バインダー樹脂、(e)重合性モノマー及び(f)重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、
    (a)二酸化ジルコニウム粒子の含有割合が、全固形分中50質量%以上であり
    b)分散剤が、リン酸基を有する分散剤を含み、
    (d)バインダー樹脂が、カルボキシル基を含む樹脂であり、かつ、
    (e)重合性モノマーが、エステル(メタ)アクリレート類であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. (a)二酸化ジルコニウム粒子の、一次粒子の平均粒子径が1〜100nmである、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記リン酸基を有する分散剤が、ポリエーテル構造を有する、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. (a)二酸化ジルコニウム粒子100質量部に対して、(b)分散剤を15質量部以下含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. (d)バインダー樹脂が、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物で構成される硬化物。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物で構成される層間絶縁膜。
  8. 請求項7に記載の層間絶縁膜を備えるTFTアクティブマトリックス基板。
  9. 請求項8に記載のTFTアクティブマトリックス基板を備える液晶表示装置。
JP2015034327A 2015-02-24 2015-02-24 硬化性樹脂組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置 Active JP6547330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015034327A JP6547330B2 (ja) 2015-02-24 2015-02-24 硬化性樹脂組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015034327A JP6547330B2 (ja) 2015-02-24 2015-02-24 硬化性樹脂組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016155933A JP2016155933A (ja) 2016-09-01
JP6547330B2 true JP6547330B2 (ja) 2019-07-24

Family

ID=56825141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015034327A Active JP6547330B2 (ja) 2015-02-24 2015-02-24 硬化性樹脂組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6547330B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5625281B2 (ja) * 2009-08-07 2014-11-19 Dic株式会社 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプラスチックレンズ
JP2013238837A (ja) * 2011-11-21 2013-11-28 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 感光性ドライフィルム、ならびにそれを用いた保護膜およびタッチパネル用絶縁膜
JP6126855B2 (ja) * 2013-02-05 2017-05-10 株式会社Dnpファインケミカル エネルギー線硬化性樹脂組成物
JP2014232249A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 株式会社Adeka 感光性組成物
JP6221442B2 (ja) * 2013-07-16 2017-11-01 東洋インキScホールディングス株式会社 光散乱層用樹脂組成物、光散乱層、および有機エレクトロルミネッセンス装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016155933A (ja) 2016-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101242912B1 (ko) 보호막용 열경화성 조성물, 경화물 및 액정 표시 장치
JP4826918B2 (ja) 光重合性組成物
KR101217952B1 (ko) 보호막용 열경화성 조성물, 경화물 및 액정 표시 장치
JP6304026B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物、層間絶縁膜、tftアクティブマトリックス基板及び液晶表示装置
JP2008007640A (ja) シロキサン樹脂、熱硬化性組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、カラーフィルタ基板及び液晶表示装置
KR101235943B1 (ko) 보호막용 열경화성 조성물, 경화물 및 액정 표시 장치
JP2006079064A (ja) 感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP2007334290A (ja) 保護膜用感光性熱硬化性組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
KR20080053199A (ko) 보호막용 열경화성 조성물, 경화물, tft 액티브매트릭스 기판, 및 액정 표시 장치
KR102582780B1 (ko) 스페이서 기능을 갖는 차광막용 감광성 수지 조성물, 차광막, 액정 표시 장치, 스페이서 기능을 갖는 차광막용 감광성 수지 조성물의 제조 방법, 차광막의 제조 방법, 및 액정 표시 장치의 제조 방법
JP4992518B2 (ja) 光重合性組成物
JP6881455B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物、層間絶縁膜、tftアクティブマトリックス基板、及び画像表示装置
JP2013167786A (ja) 有機絶縁膜用硬化性樹脂組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板及び液晶表示装置
JP2006251536A (ja) 保護膜用熱硬化性組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP6853493B2 (ja) 光重合性組成物、硬化物、画像表示装置及びオキシムエステル系化合物
JP6547330B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置
JP2007241084A (ja) 保護膜用熱硬化性組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP2009244687A (ja) カラーフィルター用赤色硬化性樹脂組成物、カラーフィルター、及び表示装置
JP2010085767A (ja) カラーフィルター用緑色硬化性樹脂組成物、カラーフィルター、及び表示装置
KR101760147B1 (ko) 감광성 수지 조성물, 컬러 필터 및 액정 표시 장치
TWI830897B (zh) 感光性樹脂組成物、使所述感光性樹脂組成物硬化而成的硬化膜、及具有所述硬化膜的顯示裝置
JP2017116659A (ja) 保護膜用硬化性組成物、保護膜、tftアクティブマトリックス基板、及び画像表示装置
JP2019014884A (ja) 光重合性組成物、硬化物、画像表示装置及びオキシムエステル系化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170424

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190610

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6547330

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151