JP2017114599A - エレベーター装置および閉じ込め救出運転方法 - Google Patents

エレベーター装置および閉じ込め救出運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】閉じ込められた乗客の不安や不信感を最小にすることができ、救出に当たる作業員の熟練度に頼らない簡便な手法で実現可能なエレベーター装置および閉じ込め救出運転方法を提供する。
【解決手段】ブレーキを有するエレベーターが、隣接して2台以上配置され、停止した第1のかごから、隣接する第2のかごに乗客を移動させて救出する機能を備えたエレベーター装置であって、停止した第1のかごの荷重を用いて、第1のかごのブレーキを解放する時の移動方向を推定する第1の手段、推定した方向であって、かつ隣接する第1と第2のかごの間の空間における障害物を避けた位置を救出位置に設定して、第2のかごを救出位置に移動させる第2の手段と、停止した第1のかごのブレーキを開放し救出位置に導く第3の手段を備え、第3の手段は、第1のかごを救出位置に導くまでの間に実行するブレーキの開放の回数を予め定めた制限回数内とすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレベーター装置における閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)を、効率良くかつ安全に実施可能とするエレベーター装置および閉じ込め救出運転方法に関する。
特に高層用エレベーターにおいて、ハッチドアが無いスキップ階付近を走行中に、エレベーターが何らかの要因で停止し、再起動が不可となった場合には、エレベーター閉じ込め発生となる。このハッチドアが無いスキップ階付近での閉じ込め発生においては、救出する為の機能として、閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)が実行される。
閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)とは、停止したエレベーターかごに隣接するエレベーターかごを、故障停止位置に接近させ、エレベーターかご間で乗客を乗り移らせて救出するというものである。このとき故障停止位置付近に建物梁などが存在した場合には乗り移りができないので、停止したエレベーターかごを高さ方向に移動させて建物梁のない高さ位置での乗り移りを行わせることになるが、乗客の不安を考えると短時間でかつ安全に実行させる必要がある。
この点に関し、特許文献1では、これらの状態になる前に、かごによる閉じ込め自動救出運転(隣接エレベーター救出機能)が使用可能かを判定し、事前に表示する事で、自動救出運転にかかる無駄な時間を排除することを提案している。具体的には特許文献1では、停止し閉じ込めが発生したかごの停止位置に対して、建屋の梁等の障害物の有無による、救出かごによる救出可否の表示や、停止したかごが救出可能な位置までの移動距離を表示する技術が提案されており、隣接したかごによる救出手段以外の救出方法を、事前に知らせる事で、救出にかかる時間の短縮を図っている。
特開2007−186323号公報
しかしながら、停止し閉じ込めとなっているかごを救出可能な位置まで移動する手段として使用するブレーキ開放は、ある程度の熟練技術者でなければ、かごをスムーズに動かす事が困難である。特にハッチドアや非常救出口が無いスキップ階にかごが停止している場合には、ブレーキ開放して移動する距離が長くなり、かご内に閉じ込められた乗客は、距離が長い分、ブレーキ開放の断続操作によるかご内の上下の揺れを多く感じる事となる。また上下の揺れから乗客は不安や不信感、体調不良を感じる場合もあり、これらへの配慮が十分とは言えなかった。
そこで、本発明においては、ブレーキ開放で移動する距離を正確に制御することで救出時間を短縮し、閉じ込められた乗客の不安や不信感を最小にすることができるエレベーター装置および閉じ込め救出運転方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために本発明においては、「ブレーキを備える巻上機に吊り下げられた主ロープの一端にかご、及び他端に吊り下げ重りを有するエレベーターが、隣接して少なくとも2台以上配置され、停止した第1のかごから、隣接する第2のかごに乗客を移動させて救出可能な隣接エレベーター救出機能を備えたエレベーター装置であって、停止した第1のかごの荷重を用いて、第1のかごのブレーキを解放する時の移動方向を推定する第1の手段、推定した方向であって、かつ隣接する第1と第2のかごの間の空間における障害物を避けた位置を救出位置に設定して、第2のかごを前記救出位置に移動させる第2の手段と、停止した第1のかごのブレーキを開放し救出位置に導く第3の手段を備え、第3の手段は、第1のかごを救出位置に導くまでの間に実行するブレーキの開放の回数を予め定めた制限回数内とすることを特徴とするエレベーター装置。」である。
本発明によれば、ブレーキ開放で移動する距離を正確に制御することで救出時間を短縮し、閉じ込められた乗客の不安や不信感を軽減にすることができる。
本発明に係るエレベーター装置の動作(制御)手順を示すフローチャート。 エレベーター閉じ込め救出運転を行うエレベーター装置の全体構成を示す図。 救出の可否、および救出位置を定めるための判定方法を示した図。 救出の可否、および救出位置を定めるための判定方法を示した図。 救出の可否、および救出位置を定めるための判定方法を示した図。 一般的な閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)の概要を示す図。 実施例2に係るエレベーター装置の動作(制御)手順を示すフローチャート。 実施例2に係るエレベーター装置の動作(制御)手順を示すフローチャート。 ブレーキ開放時間Tと移動距離の関係を示した図.
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図6は、一般的な閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)の概要を示す図である。図6において、建築物100が特に高層(図6の例では8階)である場合に、ハッチドアが無いスキップ階FS(4階から7階)が設定されていることがある。係る高層用エレベーターのかごCAが、ハッチドアの無いスキップ階FS付近を走行中に、エレベーターが何らかの要因で停止し、再起動が不可となった場合には、かごCA内の乗客MAはエレベーター内に閉じ込められ、エレベーター閉じ込め発生となる。
このエレベーター停止がハッチドアのある通常の階(図6の例では、1階から3階、8階)付近で生じたものであれば、最寄り階から避難するという対応策もあるが、ハッチドアが無いスキップ階FSの場合には、かごCAに隣接するかごCBに1階から救出者MBが乗り込み、救出に向かうことになる。この場合に、このハッチドアが無いスキップ階FS付近での閉じ込め発生において、救出する為の機能として、閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)が設けられている。
閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)とは、具体的には以下のように行われる。まず、停止し閉じ込めとなったエレベーターかごCA位置に対して、隣接する同型のエレベーターかごCBを移動させ、かごCAとかごCBに設けた図示しない光電装置によって高さ位置を同期させ、水平に停止させる。この操作は自動運転で行われ、かごCBはかごCA停止位置まで自動で運転後停止することができる。高さ位置同期後は、かごCBに乗り込んでいる救出者MBが、かごCBのかご室側面の非常扉7Bを特殊キーにより開錠し、次にかごCAの外部からかごCAの非常扉7Aを開錠し、かごCAとかごCB間に渡り通路を形成し、かごCAに乗り移り、これらの手段によって、かごCAに閉じ込められた乗客MAを、かごCBに移動し救出する。なお、かごCAとかごCBにおける非常扉の位置は、互いに対向する位置に置かれていることは言うまでもない。
閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)は上記のように実行されて、安全に短時間で乗客を回収できるものである。しかし、閉じ込められたかごCAの位置が図6に示す建物梁11の高さ位置近傍に停止した状態では、かごCBで救出する際に、建屋の建物梁11が妨げとなり、かごCAとかごCBの間での乗客の移動が困難となる場合がある。このような場合には、上記した内容、手順での隣接エレによる閉じ込め自動救出運転(隣接エレベーター救出機能)が使用できずに、救出の時間が長くなる事があった。
この場合に、建屋の建物梁11が妨げとならない高さ位置まで停止したかごCAを移動させ、かごCAとかごCBの間での乗客の移動を可能とする対策をさらに必要とするが、この場合に乗客に与える不安を解消すべく配慮される必要がある。乗客に与える不安には、多くのものがあるが、大別すると救出が長時間にわたることによる不安と、かごが上下に移動することによる不安とが考えられる。本発明ではこれらの不安を極力解消させ、かつ簡便な手法により実現しようとしている。
図2は、エレベーター閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)を行うエレベーター装置の全体構成を示す図である。
図2のエレベーター装置では、故障し乗客MAの閉じ込めが発生した第1のエレベーターのかごCAと、救出に当たる技術者である作業員MBが乗る第2のエレベーターのかごCBとが、お互いに隣接して配置されている。なお2組のエレベーター装置は、基本的に同じ構成を備えているので、第1のエレベーター側については記号Aを付し、第2のエレベーター側については記号Bを付して説明する。
機械室Mには、第1のエレベーターと第2のエレベーターの巻上機1A、1B、制御盤2A、2B、調速機3A、3B、位置センサ4A、4Bが設置されており、巻上機1A、1Bの回転速度が制御盤2A、2Bにより調整可能とされている。また後述するように、本発明では、制御盤2A、2Bに、ブレーキ開放を電動で行う機器が付加されており、巻上機のブレーキを操作可能である。またかごが異常停止した場合に、このかごの巻上機には自動的にブレーキが掛けられて、当該位置からの移動が阻止された状態とされている。
昇降路Rには、主ロープ5A、5Bの一方端にかごCA、CBが吊り下げられ、他方端には吊り合いおもり9A、9Bが吊り下げられている。また調速機3A、3BとかごCA、CBの間には調速機ロープ6A、6Bが配置されている。なお昇降路R内のかごCAとかごCBの間には、建物梁11などの障害物が高さ方向の適宜位置に配置されている。
エレベーターのかごCAとかごCBには、互いに向き合う方向の壁に非常扉7A、7Bが配置されており、また互いに向き合う方向に向けて例えば赤外線を照射するセンサ10A、10Bが設置されている。センサ10Aと10Bは、かごCAとかごCBの同じ高さ位置に備えられており、自己の発した赤外線の反射を感知し検出信号PA、PBとして制御盤2A、2Bに送信するように構成されている。またセンサ10Aと10Bは、各かごCA、CBの高さ方向に複数設置されており、少なくとも非常扉7A、7Bの上下2か所以上で高さ位置が確認できるものとされているのがよい。図2では、非常扉7A、7Bの上下2か所にセンサ設置している。その他かごCA、CBには、かご内の荷重検出センサ8A、8B等が設置されている。なお後述するように、救出が可能な位置、不可な位置の判定は、例えばかごCA、かごCBに設置されたセンサ10A、10Bを用いて検出することができる。
図2の建築物の構成によれば、閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)が実現可能な領域は建物梁11などの障害物により制限を受けており、領域Bでは救出運転可能であるが、領域Aでは救出運転が行えない。
以下の説明においては、制御盤2A、2B内に閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)の設備が付与されているという前提で説明を行うが、制御盤2A、2Bに常設する方式以外にも、非常時に別設置の装置として機械室に搬入し、制御盤2A、2Bに接続して閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)を行うものであってもよい。なお制御盤2AはかごCAを制御し、制御盤2BはかごCBを制御しているが、ここでは互いの情報を共有し、相互に連携し合って一連の手順を実行しているものとする。また制御盤2A、2Bには適宜モニタ画面が設置されて、途中経過や進行状況を含む各種情報が作業員に提供可能とされているものとする。
以上の設備構成などを通じて、停止かご側の制御盤2A、2Bには、少なくともかごCA、CBのセンサ10A、10Bからの検出信号PA、PB、およびかごCA、CB内の荷重検出センサ8A、8Bの検出信号WA、WBが入力されている。またその出力は適宜モニタ画面に表示され、また巻上機1Aのブレーキ開放を電動で行うブレーキ開放機器に開放信号Sが適宜与えられるように構成されている。なお、後述するようにブレーキ開放信号Sは、作業員により制御盤2B側から与えられるのがよい。
図3、図4、図5は、救出が可能か、不可かを判定し、さらに不可である場合に救出位置を定めるための判定方法を示した図である。この判定は、建屋の建物梁11が障害になるか、否か、さらには移動距離が最も短くて済む最寄り位置を確認、決定するものである。この処理は、例えばこれらの図に示した複数の高さ位置関係での移動を通じて、センサ10Aと10Bによる検出信号PA、PBを用いて実施される。
まず図3は、かごCAにおける荷重検出センサ8Aが検知した荷重WAが、吊り合いおもり9Aの荷重との関係で50%以下である場合を想定している。ここで50%とは、かごCAと吊り合いおもり9Aの荷重が等しい状態であり、50%以下とはかごCAの方が軽い状態、50%以上とはかごCAの方が重い状態を意味している。
従って図3のシーン30に示すように、巻上機1Aのブレーキ開放を行った場合には、かごCAは上方に移動する。ブレーキ開放によりかごCAが上方に移動するであろうことは、荷重検出センサ8Aが検知した荷重WAから明らかなので、かごCBは、かごCAの上側位置で待機して、かごCAが近づいてくるのを待つことになる。このときに問題とすべきは、極力かごCAの移動距離を最小化し、乗客の不安を和らげることである。その場合における最短位置が最寄り位置ということになる。なお、救出位置は、かごCAの移動距離が小さくなるようにすればするほど望ましいが、必ずしも最小でなくても本発明の効果は奏する。
また図3のシーン30は、停止したかごCAと1階から移動してきたかごCAとの高さ位置関係において、センサ10Aと10Bのうち、かごCAの上側センサ10AUがその反射波から建物梁11を検知しており、他のセンサはいずれも建物梁11を検知していない。
この状態の場合には、シーン31に示すようにかごCBを上方移動させる過程において、かごCBの上側センサ10BUがその反射波から建物梁11を検知し、さらにかごCBを上方移動させる過程において、シーン32に示すようにかごCBの下側センサ10BDがその反射波から建物梁11を検知し、その後シーン33に示すようにかごCBの下側センサ10BDがその反射波から建物梁11を検知しなくなる。本発明ではシーン33の、正にかごCBの下側センサ10BDがその反射波から建物梁11を検知しなくなる位置を最寄り位置として、かごCBを停止し、ここで停止かごが上昇してくるのを待つ。これにより、かごCAの移動距離が定まり、これは図3のシーン33におけるLである。かごCAの移動距離は、この状態でのかごCBの下側センサ10BDと、かごCAの下側センサ10ADの間の高さ方向距離となる。
図4も、かごCAにおける荷重検出センサ8Aが検知した荷重WAが、吊り合いおもり9Aの荷重との関係で50%以下である場合を想定している。従って図4のシーン40に示すように、巻上機1Aのブレーキ開放を行った場合には、かごCAは上方に移動する。ブレーキ開放によりかごCAが上方に移動するであろうことは、荷重検出センサ8Aが検知した荷重WAから明らかなので、かごCBは、かごCAの上側位置で待機して、かごCAが近づいてくるのを待つことになる。
図4のシーン40は、停止したかごCAと1階から移動してきたかごCAとの高さ位置関係において、全てのセンサ10A、10Bが、その反射波から建物梁11を検知していない。この状態の場合には、シーン41に示すようにかごCBを上方移動させる過程において、かごCBの上側センサ10BUがその反射波から建物梁11を検知し、さらにかごCBを上方移動させる過程において、シーン42に示すようにかごCBの下側センサ10BDがその反射波から建物梁11を検知し、その後シーン43に示すようにかごCBの下側センサ10BDがその反射波から建物梁11を検知しなくなる。本発明ではシーン43の、正にかごCBの下側センサ10BDがその反射波から建物梁11を検知しなくなる位置を最寄り位置として、かごCBを停止し、ここで停止かごが上昇してくるのを待つ。これにより、かごCAの移動距離が定まり、これは図4のシーン43におけるLである。かごCAの移動距離は、この状態でのかごCBの下側センサ10BDと、かごCAの下側センサ10ADの間の高さ方向距離となる。
なお図3は、当初判断では建物梁11を検知している状態であり、図4は当初判断では建物梁を検知していない状態を示している。
図5は、かごCAにおける荷重検出センサ8Aが検知した荷重WAが、吊り合いおもり9Aの荷重との関係で50%以上である場合を想定している。従って図5のシーン40に示すように、制御盤2Aにより巻上機1Aのブレーキ開放を行った場合には、かごCAは下方に移動する。ブレーキ開放によりかごCAが下方に移動するであろうことは、荷重検出センサ8Aが検知した荷重WAから明らかなので、かごCBは、かごCAの下側位置で待機して、かごCAが近づいてくるのを待つことになる。
図5のシーン40は、停止したかごCAと1階から移動してきたかごCAとの高さ位置関係において、全てのセンサ10A、10Bが、その反射波から建物梁11を検知していない。この状態の場合には、シーン51に示すようにかごCBをかごCAに近づけるべく上方移動させる過程において、かごCBの上側センサ10BUがその反射波から建物梁11を検知し、さらなる上方への移動を諦めて、下側に最寄り位置を探すべく移動する。この場合には、シーン53に示すようにかごCBの下側センサ10BDがその反射波から建物梁11を検知しなくなる位置を最寄り位置として、かごCBを停止し、ここで停止かごが上昇してくるのを待つ。これにより、かごCAの移動距離が定まり、これは図5のシーン52におけるLである。かごCAの移動距離は、この状態でのかごCBの下側センサ10BDと、かごCAの下側センサ10ADの間の高さ方向距離となる。
以上の図3から図5の判断の考え方によれば、停止かごの荷重に応じて救出かごの待機位置方向が上下のいずれかに定まる。また上方での待機となるときに、最寄り位置は救出かごの下側センサが建物梁11を検知しなくなった地点とされ、また下方での待機となるときに、最寄り位置は救出かごの上側センサが建物梁11を検知しなくなった地点とされる。最寄り位置を定めることで、停止かごの移動距離が最小化される。
このように、それぞれのかごCA、CBに設置したセンサ10A、10Bのセンサ信号PA、PBを用いて建物梁11等の障害物の有無を検出し、図3に示すように、救出可能な位置は、センサの信号10Bが、一定距離検出しない事をもって救出可能位置とする。かごCAの停止位置に建物梁11等の障害物がある位置の場合には、センサ信号PA、PBが一時的に遮断されるか、遮断を継続する事で、救出不可位置を特定する。
また図4のようにセンサ10A、10Bの上下の間に建物梁11等の障害物が有る場合、かごCAのセンサ10Aは障害物11を検出できない。しかし最下階からかごCBは上昇方向に運転し、かごCAをセンサ10Bで検出すると、上下のセンサを同期する位置にかごCBを運転させる。かごCBの上側センサが一時的に、建物梁11等の障害物を検出する為、かごCBは、かごCAの停止位置では救出不可と判断し、そのまま上昇運転を継続する。その後建物梁11が無い位置では、上側センサが一定距離障害物を検出せずに通過し、尚且つ下側センサが障害物を非検出位置にて停止する、これにより、障害物が無く、尚且つかごCAの最寄りの位置にかごCBを停止する事が可能となる。
また、かごCBの停止位置は、建物梁11等の障害物が無い位置で有る事と、かごCAが停止する直前の荷重検出値と、かごが停止状態におけるかご内の荷重を検出し、整合がとれた条件を検出し、上側か、下側を自動計算し判定する。これにより、図5のようにかごCAが重負荷時には、ブレーキ開放を行った場合に、かごCAが下降する為、かごCBの待機位置は、かごCAの下側で、且つ、最寄りの位置に自動停止する。なお仮に荷重検出センサの故障に関係した停止故障の場合には、ブレーキ開放によって実際に動く方向を作業員が確認し、かごCBの停止位置が正しいかを判断し、ブレーキ電気開放装置に判定を入力する事で、作業の継続を判定するのがよい。
またブレーキ開放時に、かごCAの運転方向が荷重からの予想方向とは逆になる場合には、かごCBの位置を訂正する必要が発生する為、制御盤Bにそのガイド表示を出すとともに、かごCBを正規な位置に自動調整が完了するまでは、ブレーキ開放が実施不可とする。
また、ブレーキの故障に関係した停止故障時は、ダブルブレーキの両方のブレーキが異常とならない限りは、本機能によってブレーキの電気開放が可能となるが、両方のブレーキの異常を検出した場合には、従来同様に、レバーの手動操作によるブレーキ開放を実施する事になるが、その場合は、かごCAが、かごCBの水平位置に移動が完了した場合にブザー鳴動し救出可能位置にエかごCAが移動した事を、作業員Bに知らせる機能を有しているのがよい。
図3などの例において、かごCAが停止した位置では、建屋の建物梁11が有る為に、かごCBによる救出が困難となる位置関係を表している。この状態においては、かごCAを移動させる以外に、かごCBによる救出運転は不可である。又、現状の一般的なエレベーターでは、本状態において救出作業を試みた後に、救出が不可となる事から、救出手順の変更が発生し救出時間が長くなる要因となる。
以下に図1の処理フローチャートを用いて説明する本発明においては、救出が可能な場合には、救出する作業員に救出が可能な事を事前通知する機能を有している。又、かごCAの位置が救出不可の場合は、不可で有る事に加えて、かごCAの停止位置とかご内の荷重から、かごがどちらに動くかに加えて、ブレーキ開放が必要である事が救出に向かう作業員に対して、作業員の到着前に知らせる機能を有している。
本発明に係るエレベーター装置の動作(制御)手順を示すフローチャートを図1に示す。このフローは、基本的には制御盤2A、2B内に計算機などを用いて構成されており、一部作業員からの指示情報などを含めてフローが進行するようにされている。
当該処理フローの最初の処理ステップS11では、閉じ込め発生後、例えば救出にあたる作業員による切替スイッチの操作により、自動救出運転の要求が確認され、本機能の使用を開始する。
次の処理ステップS12では、かごCAの停止位置が、救出可能な位置か、否かを確認する。この確認は、かごCA、CBのセンサ10A、10Bからの検出信号を用いて判断してもよく、あるいは巻上機1Aに付随する位置センサ4Aが検知する高さ位置と建造物100の建築設計書類などに記載された建物梁11の高さ位置を対比して判断してもよい。
救出可能な位置である場合、処理ステップS13において、かごCAを移動せずに、かごCBを同じ高さ位置まで移動させる自動救出運転を実施し、かご間の乗り換えによる乗客救出を行うことで救出完了となる。
本発明では、特に救出可能な位置でない場合の対策に係るものである。救出可能な位置でない場合、本発明では最初にかごCAの荷重WAから、ブレーキ解放時の移動方向を推定する。このための判断が処理ステップS14、S15であり、処理ステップS14では、かごCAの荷重WAが50%である時に処理ステップS18に移る。このときには、かごCAと吊り合いおもり9Aの重さが等しいと考えられ、ブレーキ解放を行っても上下に移動しない可能性があることから手動操作による救出を実施する。
処理ステップS14において、かごCAの荷重WAが50%でない時は、さらに処理ステップS15において、かごCAの荷重WAが50%以上であるか否かを確認する。50%以上である時には処理ステップS17に移り、50%以下である時には処理ステップS16に移る。
処理ステップS16では、かごCAの上側の最寄り位置にかごCBを移動させる。また処理ステップS17では、かごCAの下側の最寄り位置にかごCBを移動させる。ここで、最寄り位置の決定は、図3、図4、図5で説明したかごCA、CBのセンサ10A、10Bからの検出信号を用いた手法により決定される。あるいは最寄り位置は、巻上機1Aに付随する位置センサが検知する高さ位置と建造物100の構造上の建物梁11の高さ位置を対比して判断してもよい。
処理ステップS14、S15による上記の移動方向の判断は、仮に、かごCA内の荷重WAがエレベーターの積載過重の半分以下の場合は、吊り合いおもり9A側の重さによって、ブレーキ開放を実施した場合には、かごCAは上昇することを利用している。この事から処理ステップS16においては、かごCBはかごCAの停止位置より、上側で尚且つ、建物梁11等の障害物が無い位置の最寄り位置に自動停止するように制御する。
同様にかごCA内の荷重WAがエレベーターの積載過重の半分以上の場合は、吊り合いおもり9A側の重さによって、ブレーキ開放を実施した場合には、かごCAは下降することを利用している。この事から処理ステップS17においては、かごCBはかごCAの停止位置より、下側で尚且つ、建物梁11等の障害物が無い位置の最寄り位置に自動停止するように制御する。
かごCAを、かごCBが待機する最寄り位置に移動させるために、処理ステップS20では、かごCAのブレーキ電動開放を実施する。具体的には例えば、ブレーキ開放が必要であるとの判断が作業員に予め報知されている為、作業員は機械室Mにて、かごCAのブレーキ開放の準備を実施し、かごCBが最寄り位置に停止後に、かごCAのブレーキ電動開放を実施する。
このブレーキ電動開放は、停止しているかごCAの制御盤2Aからの故障信号が、かごCBの制御盤2Bに送信されて、制御盤2Bに故障信号が有る場合のみ、かごCBの制御盤2Bから操作が可能な構造となっている。このようにした理由は、2つのかごの状態管理及び制御が1か所で行うことができ、かつかごCAの停止故障の原因に関与している可能性のある制御盤2Aによる直接の救出作業を排除して信頼性を高めるという意味合いもある。なおこの操作は、別構成のブレーキ開放操作装置として組込むことも可能であり、図2にはこの場合のブレーキ開放操作装置がHとして示されている。
これによってかごCBの制御盤2Bから、かごCAのブレーキに開放電流を印加する事が可能で、実際の開放には、ブレーキ開放用押しボタン等の操作によって電気信号を送る事で、ブレーキの吸引が可能な電流を操作する。又、ブレーキ開放用押しボタンを1回押下した場合でも、開放時間は上限の設定時間以上は流れない構造とし、万が一ブレーキ開放用押し押しボタンの機械的な動作不良が発生した場合や、操作間違いによって、ブレーキ開放用押し押しボタンを継続操作してしまった場合でも、ブレーキの開放時間は一定以上とならないように、安全な配慮がされている。
処理ステップS21では、ブレーキ解放によりかごCAの移動した方向(上昇あるいは下降)が、処理ステップS16、S17において荷重WAから判断した方向と同じか否かを判定する。同じであった場合には処理ステップS22に移り、同じでない場合には処理ステップS23に移る。
処理ステップS22では、ブレーキ開放用押しボタン作によって、ブレーキ開放を断続的に実施した結果、かごCAが、かごCBの水平位置に近くなった事をかごCBのセンサ10Bで検出し、同期する(高さ位置が同じになる)位置まで、ブレーキ電気開放を制御する。これにより同じ高さ位置に達したことが確認されれば、救出作業が実行される。なお、最終的にかごCAがかごCBとほぼ水平状態になった事を、かごCBのセンサ10Bが検出すると、ブレーキ開放用押しボタンを押下しても、ブレーキ開放は実施出来ない構造とされている。
また予想に反して移動方向に相違があった場合には、処理ステップS23において、かごCAが実際に移動した方向における最寄り位置まで、かごCBを移動させる。その後の操作は、上記処理ステップS20から処理ステップS22の繰り返しであるので、詳細説明を割愛する。
なお、処理ステップS14において、50%と判断され、ブレーキ解放を行っても上下いずれの方向にも移動しないと推定された状態では、以下のように処理される。
かごCAの荷重が積載過重の丁度半分の場合には、ブレーキ開放を実施しても、かごCAは、吊り合いおもりと吊りあっている為に、上昇も下降もしない状態となる。この場合にはかごCBは、かごCAの停止位置から、荷重による運転方向を無視した、救出可能な位置で最も近い位置に待機(処理ステップS18)すると共に、ブレーキ開放後、手回し運転をどちらにするかを作業員に報知(処理ステップS34)する。
又、荷重が吊りあっている場合のブレーキ電動開放時間は、荷重が不均衡の場合に比べて長く設定される為に手回し運転によるかごの移動が可能となる(処理ステップS25)。この場合でも、ブレーキ開放用押しボタンを離せばブレーキの電気開放は遮断される為、手回し操作を実施中にかごが加速した場合には、ブレーキ開放用押しボタンの操作を中断する事で、ブレーキを釈放し、かごを停止する事が可能である。
かごCBのセンサがかごCAを検出し、水平位置にかごが移動した場合には、ブレーキ開放を強制的に遮断すると共に、ブザー鳴動でかご位置の水平高さが同一となった事を知らせる(処理ステップS26)事で、停止位置を合わせることが可能となる。このように、作業員がブレーキ開放操作を許可して押下するが、ほぼ自動でブレーキ開放を制御する事で、作業員の技術レベルによって、かごCAの移動と停止位置が変化しないものとすることが可能である。
実施例1においては、障害物により自動救出運転が実行不可の場合に、ブレーク開放の採用により停止かごを最寄り位置に誘導して救出する手法の全体行程について詳細に説明した。これに対し、実施例2においては停止かご内の乗客が最も不安を感じやすい停止かご内におけるブレーキ開放時の操作を、移動する距離を正確に制御し、救出時間を短縮するための具体手法を提案している。
実施例2の手法では、ブレーキ開放による移動が乗客心理に大きく作用することから、ブレーキ開放の回数と開放時間(従って1回あたりの移動距離)を最適化する。
図7a、図7bは、実施例2にかかるエレベーター装置の動作(制御)手順を示すフローチャーを示している。ここに示された処理の手順は、図1の全体処理の中の処理ステップS20を主体に記載されているが、その前提として処理ステップS12、S15、S16、S17の処理を含めて説明を開始する。
図7aにおける最初の処理ステップS100では、閉じ込め状態のかごCAの停止位置が隣接エレベーターからの救出運転可能な位置かどうか判定する。この判定手法は実施例1で説明したものがそのまま適用可能である。例えば、図2に示す救出可否判断可能な領域A、Bのデータが制御盤2A、2Bのマイコン内に格納されており、閉じ込め状態のかごCAの停止位置との関係で判断する。またセンサなどで位置検知して、救出可否を判断可能とすることも出来る。
かごCAの停止位置が救出可能領域Aの場合は、処理ステップ101に進み、救出に当たる作業者MBはかごCBに乗り込み、保守運転にて位置検出器10Bが動作する最寄り位置(この場合はかごCAの停止位置)まで移動し救出を行う。この場合には、これで救出完了となる。
かごCAの停止位置が救出不可領域Bの場合は、処理ステップS102においてかごCAのかご負荷が50%未満であるか判定し、かごCAのブレーキ開放時の移動方向を特定する。50%未満の場合、移動方向は上方向となるため、処理ステップS103において救出の作業者MBはかごCBに乗り込み、かごCAの上方向に有る最寄りの領域AまでかごCBを移動させる。50%以上の場合、移動方向は下となるため処理ステップS104において救出の作業者はかごCBに乗り込み、かごCAの下方向に有る最寄りの領域AまでかごCBを移動させる。なおバランスしている場合、ブレーキ開放したのみでは動かないが、補助工具を使い適宜の方向にかごCAを移動させるものとする。
かごCBが救出位置に停止したことを確認後、処理ステップS105では、かごCAからかごCBまでの移動距離Lを算出する。実施例2では、この移動距離Lの算出機能を閉じ込め状態となった制御盤2Aが行うものとして記載する。尚、ここで実施する閉じ込め救出運転(隣接エレベーター救出機能)は、かごCA移動距離の検出機能、かごCBの移動距離の検出機能及び該当号機のブレーキに直接電圧を供給する機能を有する、別構成のブレーキ開放操作装置として組込むことも可能であり、以下の説明では別構成のブレーキ開放操作装置により運転制御を行うものとする。あるいは、実施例1のように救出側の制御盤2Bから行うものとしてもよい。
次に処理ステップS106では、閉じ込め状態となったエレベーター側の制御盤2Aにブレーキ開放操作装置Hを接続する。
処理ステップS107では、機械室M内で救出に当たる作業者が、かごCAの乗客MA及びかごCBに乗り込んだ救出の作業者MBとインターホンで連絡を取りながらブレーキ開放操作装置Hを操作する。ブレーキ開放操作装置Hが操作されると、予め設定されたブレーキ開放初期時間T0だけブレーキ開放を行う。尚、ブレーキ開放初期時間T0は、該当エレベーターの仕様において想定される最大の移動距離においても、救出運転の許容誤差LAを超えない値を設定するものとする。
処理ステップS108では、ブレーキ開放初期時間T0で実際にブレーキ開放した時の移動距離を計測してL0として記憶し、かごCBまでの移動距離Lをブレーキ開放初期時間T0時の移動距離L0で割った値が、救出までのブレーキ開放回数の上限NM以下であるかを判定する。NM以下であれば、ブレーキ開放初期時間T0の繰返しによりブレーキ開放回数の上限NM以内でかごCBの位置まで到達可能と判定し、処理ステップS109にてブレーキ開放初期時間T0でのブレーキ開放を、最寄り位置を検出するまで繰り返す。
かごCBまでの移動距離Lをブレーキ開放初期時間T0時の移動距離L0で割った値が救出までのブレーキ開放回数の上限NMを超えた場合は、上限回数内でかごCBの位置までたどり着かないと判定する。このため、処理ステップS110に進み、ブレーキ開放初期時間T0に予め定められた一定の加算時間TAを加算し、T0+TA=T1をブレーキ開放修正時間としてブレーキ開放を行う。またブレーキ開放修正時間T1でのブレーキ開放による移動距離を計測してL1として記憶する。そのうえで、かごCBまでの残移動距離Lx=(L−L0−L1)を、ブレーキ開放修正時間T1時の移動距離L1で割った値が救出までのブレーキ開放回数の上限NM以下であるかを判定する。
ブレーキ開放回数の上限NM以下であれば、ブレーキ開放修正時間T1若しくはブレーキ開放初期時間T0の繰返しにより、ブレーキ開放回数の上限NM以内でかごCBの位置まで到達可能である。このため、処理ステップS111に進み、次回ブレーキ開放による距離L1の移動で、距離(L+LA)を越えるかを判定する。距離(L+LA)を超える場合には、ブレーキ開放修正時間T1でブレーキ開放すると目標位置を行き過ぎるため、処理ステップS109に進みブレーキ開放初期時間T0でブレーキ開放を行う。
距離(L+LA)を超えない場合には、処理ステップS112に進み、ブレーキ開放修正時間T1でブレーキ開放し、最寄り位置を検出するか確認する。最寄り位置を検出しない場合には、処理ステップS111に戻り同様の処理を繰り返す。
処理ステップS110では、かごCBまでの残移動距離Lx=(L−L0−L1)をブレーキ開放時間T1時の移動距離L1で割った値が、救出までのブレーキ開放回数の上限NMを超える場合は、Tn=T1+TAをブレーキ開放再修正時間として、図7bの処理ステップS120へ進む。
処理ステップS120ではブレーキ開放再修正時間Tnでブレーキ開放し、かごCBまでの残移動距離Lx=(L−L0−L1−Ln)をブレーキ開放再修正時間Tn時の移動距離Lnで割った値が、救出までのブレーキ開放回数の上限NMを超えるかどうか判定する。
超えない場合は、処理ステップS121に進み、次回のブレーキ開放により距離Lnの移動で距離(L+LA)を越えるかを判定し、超えない場合は処理ステップS122に進み、ブレーキ開放再修正時間Tnでブレーキ開放し、最寄り位置を検出するか確認する。最寄り位置を検出しない場合には、処理ステップS121に戻り処理を繰り返す。次回のブレーキ開放により距離Lnの移動で距離(L+LA)を越える場合には、処理ステップS300に進み、残移動距離Lxの値から今までのブレーキ開放移動距離L1〜Lnの中で最短で最寄り位置までの距離Lに到達し、且つ距離(L+LA)を超えないブレーキ開放時間を選択してブレーキ開放を行う。
処理ステップS120では、かごCBまでの残移動距離Lx=(L−L0−L1−Ln)をブレーキ開放再修正時間Tn時の移動距離Lnで割った値が救出までのブレーキ開放回数の上限NMを超えない場合には、処理ステップS130に進み、更に距離計算により(Tn+TA)を行い、この値がブレーキ開放時間の上限TMを超えるか判定する。
(Tn+TA)がブレーキ開放時間の上限TMを超えた場合には、これ以上ブレーキ開放時間を長く出来ないため、処理ステップS121に進む。(Tn+TA)がブレーキ開放時間の上限TMを超えない場合には、処理ステップS131に進み、更に(Tn+TA)でブレーキ開放を行う。
残移動距離Lx=(L−L0−L1−Ln−L(n+1))をブレーキ開放時間(Tn+TA)時の移動距離L(n+1)で割った値が救出までのブレーキ開放回数の上限NMを超えた場合には、更にTAを加えTn=TN+2×TAとし処理ステップS120に進み処理を繰り返す。
残移動距離Lx=(L−L0−L1−Ln−L(n+1))をブレーキ開放時間(Tn+TA)時の移動距離L(n+1)で割った値が救出までのブレーキ開放回数の上限NMを超えない場合には、処理ステップS132に進み次回ブレーキ開放で距離L(n+1)の移動で(L+LA)を越えるか判定する。越える場合には、処理ステップS300に進み残移動距離Lxの値から今までのブレーキ開放移動距離L1〜Lnの中で最短でLに到達し且つ(L+LA)を超えないブレーキ開放時間を選択しブレーキ開放を行う。
次回ブレーキ開放で距離L(n+1)の移動で(L+LA)を越えない場合には処理ステップS133に進み、(Tn+TA)でブレーキ開放を行い、最寄り位置を検出したか判定し、検出しない場合には処理ステップS132に戻り処理を繰り返す。
上記説明の実施例2では、ブレーキ開放初期時間T0や加算時間TAは、エレベーター仕様毎に固定であると記載したが、図8に示したようにかご負荷により移動距離が大きく異なるため、ブレーキ開放回数や時間を最小化する観点から、かご内負荷毎に設定値を設け制御することとする。
図8は、ブレーキ開放時間Tと移動距離の関係を示した図である。図8上には、ブレーキ開放初期時間T0のときのかご負荷と移動距離の関係を示しており、かご負荷が少なくなるほど移動距離が長くなることを表している。また図8下には、ブレーキ開放初期時間T0に加算時間TAを加算してブレーキ開放修正時間T1としたときのかご負荷と移動距離の関係を示しており、かご負荷が少なくなるほど移動距離が長くなることを表している。また同じかご負荷であっても、ブレーキ開放初期時間T0のときよりも移動距離が長くなることを表している。
なお、上記説明においてブレーキ開放回数の制限NMは救出までに許容されるブレーキ開放回数の目安であり、乗客の心理状態等を考慮して適宜の回数に設定される。ブレーキ開放初期時間T0は、初めに開放する設定時間であり乗客に対する心労が最も軽微な時間とされており、加算時間TAを加算したブレーキ開放修正時間T1では1回あたりの移動距離が長いことから心労は大きくなるが時間短縮には貢献する。ブレーキ開放時間の上限TMは、ブレーキ開放により発生しうる最大加速度から定めた許容し得る最長時間である。また目標移動距離Lは、かごCAが救出かごが待機している最寄り位置までに移動すべき距離であり、許容誤差LAは救出運転上の停止許容誤差である。
なお、かご負荷が少ないときにはブレーキ開放初期時間T0での移動距離が大きく検知される。このため最寄位置までの移動距離が長い場合に、制限回数内であっても1回の移動距離としては乗客に不安を与える大きさとなることが想定される。この点を考慮すると、かご負荷が少ないときには制限時間を短く設定して、大きな移動をさせないようにする工夫も考慮するのがよい。
以上説明した制御処理を行うことによって、救出可能位置で待機しているかごCBの位置まで、閉じ込め状態のかごCAをブレーキ開放にて正確且つ効率的に移動させることが可能となる。尚、本制御処理によれば、単独のエレベーターにおいても、ブレーキ開放で移動したい距離が明確な場合に同様の手法で正確に停止させることが可能である。
CA、CB:かご
FS:スキップ階
H:ブレーキ開放操作装置
MA:乗客
MB:救出者(作業員)
1A、1B:巻上機
2A、2B:制御盤
3A、3B:調速機
4A、4B:位置センサ
5A、5B:主ロープ
6A、6B:調速機ロープ
7A、7B:非常扉
8A、8B:荷重検出センサ
9A、9B:吊り合いおもり
10A、10B:センサ
11:建物梁(障害物)
100:建築物

Claims (6)

  1. ブレーキを備える巻上機に吊り下げられた主ロープの一端にかご、及び他端に吊り下げ重りを有するエレベーターが、隣接して少なくとも2台以上配置され、停止した第1のかごから、隣接する第2のかごに乗客を移動させて救出可能な隣接エレベーター救出機能を備えたエレベーター装置であって、
    停止した前記第1のかごの荷重を用いて、前記第1のかごの前記ブレーキを解放する時の移動方向を推定する第1の手段、
    前記推定した方向であって、かつ隣接する前記第1と第2のかごの間の空間における障害物を避けた位置を救出位置に設定して、前記第2のかごを前記救出位置に移動させる第2の手段と、
    停止した前記第1のかごの前記ブレーキを開放し前記救出位置に導く第3の手段を備え、
    前記第3の手段は、前記第1のかごを前記救出位置に導くまでの間に実行する前記ブレーキの開放の回数を予め定めた制限回数内とすることを特徴とするエレベーター装置。
  2. 請求項1に記載のエレベーター装置であって、
    前記第3の手段は、1回あたりの前記ブレーキの開放時間を第1の時間に設定しておき、当該第1の時間での前記第1のかごの移動距離と前記救出位置までの距離から、前記制限回数内に前記第1の時間での前記ブレーキの開放の繰り返しにより前記救出位置に到達するか否かを判定することを特徴とするエレベーター装置。
  3. 請求項2に記載のエレベーター装置であって、
    前記第3の手段は、前記制限回数内に前記第1の時間での前記ブレーキの開放の繰り返しにより前記救出位置に到達しないと判定したとき、前記第1の時間をより長い第2の時間に変更し、当該第2の時間での前記第1のかごの移動距離と前記救出位置までの距離から、前記制限回数内に前記第2の時間での前記ブレーキの開放の繰り返しにより前記救出位置に到達するか否かを判定することを特徴とするエレベーター装置。
  4. 請求項3に記載のエレベーター装置であって、
    前記第3の手段は、1回あたりの前記ブレーキの開放に許容される制限時間を設定しておき、前記第2の時間を前記制限時間内に制限することを特徴とするエレベーター装置。
  5. 請求項1に記載のエレベーター装置であって、
    前記第3の手段は、更に1回あたりの前記ブレーキの開放に許容される制限時間を定めていることを特徴とするエレベーター装置。
  6. ブレーキを備える巻上機に吊り下げられた主ロープの一端にかご、及び他端に吊り下げ重りを有するエレベーターが、隣接して少なくとも2台以上配置され、第1のかごが異常停止して前記巻上機にブレーキが掛けられたときに隣接する第2のかごにより乗客の救出を行うエレベーター装置における閉じ込め救出運転方法であって、
    停止した前記第1のかごの荷重を用いて、前記ブレーキを解放する時の移動方向を推定し、前記推定した方向であって、かつ隣接する前記第1と第2のかごの間の空間における障害物を避けた位置を救出位置に設定して、前記第2のかごを前記救出位置に移動し、停止した前記第1のかごの前記ブレーキを開放し前記救出位置に導くとともに、前記第1のかごを前記救出位置に導くまでの間に実行する前記ブレーキの開放の回数を予め定めた制限回数内とすることを特徴とする閉じ込め救出運転方法。
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