以下、本発明の一形態に係るゲームシステムについて説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の概要を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、センターサーバ2及びゲーム機GMを含んでいる。ゲーム機GMは、ネットワーク3を介してセンターサーバ2に接続されている。一例として、ゲーム機GMは、業務用(商業用)のゲーム機として構成されている。業務用のゲーム機は、有料或いは無料で所定範囲のゲームをプレイさせるゲーム機である。一例として、ゲーム機GMは、有料で音楽ゲームを提供する。具体的には、ゲーム機GMは、例えば、所定の対価の消費と引き換えに、その対価に応じた範囲で音楽ゲームを提供する。ゲーム機GMは、店舗4等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。
センターサーバ2は、一台の物理的装置によって構成される例に限らない。例えば、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なセンターサーバ2が構成されてもよい。また、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。さらに、ゲーム機GMがセンターサーバ2として機能してもよい。
また、センターサーバ2には、ネットワーク3を介して、ユーザ端末5が接続される。ユーザ端末5は、センターサーバ2から配信されるソフトウェアを実行することにより、各種の機能を発揮するネットワーク端末装置の一種である。図1の例では、ユーザ端末5の一例として、携帯電話(スマートフォンを含む)が利用されている。また、ユーザ端末5として、例えば、その他にもパーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のネットワーク端末装置が利用されてよい。
ネットワーク3は、一例として、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されてよい。典型的には、WANとしてのインターネットと、LANとしてのイントラネットと、を組み合わせてネットワーク3が構成されてよい。図1の例では、センターサーバ2及びゲーム機GMはルータ3aを介して、ユーザ端末5はアクセスポイント3bを介して、それぞれネットワーク3に接続されている。
なお、ネットワーク3は、TCP/IPプロトコルを利用する形態に限定されない。ネットワーク3として、通信用の有線回線、或いは無線回線(赤外線通信、近距離無線通信等を含む)等を利用する各種の形態が利用されてよい。或いは、ユーザ端末5とゲーム機GM等との通信は、例えば、通信用の回線(有線及び無線を含む)を利用せずに、二次元コード等、各種情報を含むように所定の規格に準拠して生成されるコード(例えば、二次元コード)を利用して実現されてよい。したがって、ネットワーク(或いは通信回線)の用語は、このようなコードを利用する通信方法等、回線を利用せずに情報の送受信をする形態を含んでいる。
センターサーバ2は、ゲーム機GM又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスとして、例えば、ゲーム機GMからユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスが提供されてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機GMから受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機GMに提供するサービスが提供されてもよい。さらに、ゲーム機用サービスには、ネットワーク3を介してゲーム機GMのプログラム或いはデータを配信し、更新するサービス、ネットワーク3を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス等が含まれていてもよい。
また、センターサーバ2は、ネットワーク3を介してユーザ端末5のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスには、例えば、ゲーム機GMが提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービスが含まれてよい。また、例えば、Webサービスには、各ユーザ端末5に各種データ或いはソフトウェアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービスが含まれてもよい。さらに、Webサービスには、その他にもユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスが含まれてよい。
図2は、ゲーム機GMの外観を示す図である。図2に示すように、ゲーム機GMは筐体6を備えている。筐体6の上面には、表示装置としてのモニタ8が設けられている。モニタ8は、例えば、ユーザP側に傾けられるように配置されてよい。また、モニタ8の表面には、透明なタッチパネル9が重ね合わされている。タッチパネル9は、ユーザPが指等で触れると、その接触位置に応じた信号を出力する公知の入力装置である。なお、その他にも、ゲーム機GMには、選択或いは決定をするためのボタン、電源スイッチ、ボリューム操作スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられ得る。しかし、それらの図示は省略した。
モニタ8には、例えば、ゲーム画面7が表示されてよい。そして、このようなゲーム画面7を通じて、音楽ゲームが提供されてよい。音楽ゲームは、タイミングゲームの一種である。具体的には、タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームでは、このような適切なプレイ行為を実行すべき実行時期は、楽曲とともに提供される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムと一致する時期が実行時期として利用される。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際にプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。また、例えば、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用されてよい。
ゲーム画面7は、例えば、オブジェクト画像OJ及び判定ライン画像HLを含んでいてよい。オブジェクト画像OJは、タッチパネル9への適切なタッチ操作の時期を案内するための画像である。例えば、オブジェクト画像OJは、適切なプレイ行為を実行すべき実行時期を示すために表示されてよい。一方、判定ライン画像HLは、オブジェクト画像OJの移動先として機能する画像である。例えば、判定ライン画像HLは、音楽ゲームにおいて現在時刻の基準として機能してよい。そして、例えば、ゲーム画面7では、判定ライン画像HLへのオブジェクト画像OJの到達を通じて、適切な操作時期が案内されてよい。
具体的には、判定ライン画像HLは、例えば、第1判定ライン画像HL1及び第2判定ライン画像HL2を含んでいてよい。つまり、オブジェクト画像OJは操作時期に第1判定ライン画像HL1或いは第2判定ライン画像HL2に到達するように移動し、これらへの到達により適切なプレイ行為を実行すべき実行時期を案内してよい。また、例えば、適切なプレイ行為として、オブジェクト画像OJが到達した判定ライン画像HL上のそのオブジェクト画像OJの到達位置に対するタッチ操作が採用されよい。そして、オブジェクト画像OJは、例えば、第1判定ライン画像HL1と第2判定ライン画像HL2との間を往復するように移動し、適宜実行時期を案内してよい。一例として、このようなゲーム画面7がモニタ8に表示され、このようなゲーム画面7を通じて音楽ゲームが提供されてよい。
次に、音楽ゲームを実現するためのゲームシステム1の制御系の要部について説明する。図3は、ゲームシステム1の制御系の要部の構成を示す図である。図3に示すように、センターサーバ2は、制御ユニット10と、記憶ユニット11と、を備えている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。なお、制御ユニット10には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
記憶ユニット11は、制御ユニット10に接続されている。記憶ユニット11は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気テープ等の大容量記憶媒体により構成されている。記憶ユニット11には、サーバ用データ14及びサーバ用プログラム15が記憶されている。サーバ用プログラム15は、センターサーバ2がゲーム機GM及びユーザ端末5に各種のサービスを提供するために必要なコンピュータプログラムである。制御ユニット10がサーバ用プログラム15を読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には、ゲーム機サービス管理部16及びWebサービス管理部17が設けられる。
ゲーム機サービス管理部16は、上述のゲーム機用サービスを提供するための処理を実行する。一方、Webサービス管理部17は、上述のWebサービスを提供するために必要な処理を実行する。ゲーム機サービス管理部16及びWebサービス管理部17は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット10の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得る。しかし、それらの図示は省略した。
サーバ用データ14は、サーバ用プログラム15の実行に伴って参照されるデータである。例えば、サーバ用データ14は、プレイデータ18を含んでいてよい。プレイデータ18は、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータ18は、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。プレイデータ18の詳細は後述する。
また、サーバ用データ14は、その他にも音楽ゲームを実現するための各種のデータを含み得る。例えば、そのようなデータにはID管理データが含まれていてもよい。ID管理データは、ユーザID等の各種IDを管理するためのデータである。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機GMには、コンピュータとしての制御ユニット30と、記憶ユニット31と、リーダ32と、タッチパネル33と、モニタMOと、スピーカSPと、が設けられている。記憶ユニット31、リーダ32、タッチパネル33、モニタMO、及びスピーカSPは、いずれも制御ユニット30に接続されている。制御ユニット30は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。
なお、制御ユニット30には、例えば、その他にも公知のゲーム機と同様に各種の装置が接続され得る。そのような装置には、例えば、公知のゲーム機GMが備え得る各種の出力装置或いは各種の入力装置が含まれてよい。また、例えば、そのような入力装置には、コイン認証装置等の所定の対価を徴収するための周知の装置が含まれてもよい。そして、例えば、そのような装置を通じて、所定の対価としてのコイン等が徴収されてよい。しかし、それらの図示は省略した。
タッチパネル33は、上述の通り周知の入力装置である。例えば、タッチパネル33は、ユーザのタッチ操作に基づいてそのタッチ位置に対応する信号を制御ユニット30に出力してよい。また、モニタMOは、制御ユニット30からの出力信号に基づいて各種の画像等を表示するための周知の表示装置である。一例として、モニタMOは、制御ユニット30からの出力信号に応じて、上述のようにゲーム画面7を表示してよい。同様に、スピーカSPは、制御ユニット30からの出力信号に基づいて各種の音声を再生するための周知の出力装置(音声再生装置)である。スピーカSPは、例えば、制御ユニット30からの出力信号に応じて、楽曲やBGM等、音楽ゲームで使用される各種の音声を再生してよい。
リーダ32は、例えば、近距離無線通信を利用し、記憶媒体に記録された各種の情報を非接触状態で読み取る周知の装置である。リーダ32は、記憶媒体の一例としてカードCDの情報の読み取りに使用されてよい。具体的には、リーダ32は、一例として、各ユーザが所持するカードCDの情報を読み取ってその情報に対応した信号を制御ユニット30に出力してよい。
また、カードCDには、例えば、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられていてよい。そして、カードCDには、このような不揮発性記憶媒体等を介して、各種の情報が記録されてよい。また、例えば、各種の情報には、ユーザIDの情報(ユーザIDを特定可能な情報を含む)が含まれてよい。つまり、カードCDは、例えば、IDカードとして、IDカードに対応する各ユーザの特定に使用されてよい。さらに、各種の情報には、例えば、その他にも所定の対価として使用される価値の量の情報(価値の量を特定するための情報を含む)が含まれてもよい。そして、その価値の量を消費することにより所定の対価が徴収されてもよい。つまり、カードCDは、一例として、所定の対価の支払いに使用されてもよい。
なお、カードCDは、各種の情報を電子的に記録する形態に限定されない。例えば、カードCDは、二次元コード等の各種のコードを介して各種の情報を記録してもよい。この場合、リーダ32は、そのようなコードを読み取り可能なコードリーダを含む等によりそのようなコードを読み取り可能に構成されていてよい。つまり、リーダ32は、そのようなコードの読み取りに使用されてもよい。
一方、記憶ユニット31は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気記録媒体や光記録媒体、フラッシュSSD(Solid State Drive)などにより構成されている。記憶ユニット31には、ゲームプログラム34及びゲームデータ35が記憶されている。ゲームプログラム34は、ゲーム機GMが音楽ゲームを提供するために必要なコンピュータプログラムである。ゲームプログラム34の実行に伴って、制御ユニット30の内部には、ゲーム提供部37が設けられる。ゲーム提供部37は、音楽ゲームを提供するために必要な各種処理を実行する。ゲーム提供部37は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット30の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得る。しかし、それらの図示は省略した。
ゲームデータ35は、ゲームプログラム34の実行に伴って参照されるデータである。ゲームデータ35は、例えば、プレイデータ18、楽曲データ36、シーケンスデータ38及び抽選データ39を含んでいる。プレイデータ18は、上述の通りである。プレイデータ18は、一例として、必要な部分が含まれるように、少なくとも一部がセンターサーバ2から提供されてよい。
楽曲データ36は、音楽ゲームで使用される楽曲等の各種の音声をスピーカSPに再生させるために必要なデータである。シーケンスデータ38は、音楽ゲームにおいて適切なプレイ行為を実行すべき時期をユーザに案内するために必要なデータである。例えば、シーケンスデータ38には、適切な位置をタッチ操作すべき操作時期が予め記述されていてよい。そして、例えば、音楽ゲームでは、シーケンスデータ38に記述された各操作時期に基づいて適切なタッチ操作をすべき位置及び時期が案内されてよい。抽選データ39は、例えば、音楽ゲームにおいて後述の抽選機会を提供するために使用されてよい。抽選データ39の詳細はプレイデータ18と同様に後述する。
なお、ゲームデータ35は、その他にも音楽ゲームを実行するための各種のデータを含んでいてよい。例えば、そのようなデータには、画像データや上述のID管理データが含まれてよい。画像データは、ゲームに必要な各種画像を表示するためのデータである。しかし、それらの図示は省略した。
次に、図4を参照して、ゲーム機GMが提供する音楽ゲームの流れについて説明する。図4は、音楽ゲームの流れの一例を説明するための説明図である。図4に示すように、一例として、音楽ゲームは、楽曲選択工程(S1)、プレイ工程(S2)及び抽選工程(S3)を順に含んでいてよい。
楽曲選択工程は、音楽ゲームのプレイに使用される楽曲をユーザに選択させるための工程である(S1)。続くプレイ工程は、音楽ゲームをユーザにプレイさせるための工程である(S2)。例えば、プレイ工程は、上述のようなゲーム画面7を通じて提供されてよい。また、この音楽ゲームは、楽曲選択工程で選択された楽曲をプレイに使用するように提供されてよい。
次の抽選工程は、各種の特典をユーザに付与するための抽選機会を提供する工程である(S3)。なお、抽選工程は、プレイ工程後に提供される形態に限定されない。例えば、抽選工程は、プレイ工程前、或いは楽曲選択工程前等の適宜の時期に提供されてよい。また、このような時期には、例えば、プレイ工程中等、他の工程が含まれてもよい。つまり、例えば、抽選工程は、プレイ工程等の他の工程内において提供されてもよい。また、抽選工程は、各ユーザに一人ずつ提供されてもよいし、複数のユーザを対象に同時に提供されてもよい。
次に、図5〜図8を参照して、抽選工程で提供される抽選機会の詳細について説明する。図5は、抽選工程で提供される抽選機会の一例を説明するための説明図である。図5に示すように、音楽ゲームの抽選機会は、例えば、複数の抽選機会Lの集合として構成される抽選セットLGの単位で管理され、この抽選セットLGの単位でユーザ群PGに提供されてよい。各抽選セットLGは、例えば、各ユーザ群PGに順に提供されてよい。また、例えば、抽選セットLGは、この抽選セットLGを構成する各抽選機会Lが順にユーザ群PGの各ユーザPに提供されるように提供されてよい。また、各抽選セットLGは、例えば、各抽選セットLGを使用した抽選機会において終了条件が満たされた場合(具備の場合)に、新しい抽選セットLG(次の抽選セットLG)が新しいユーザ群PG(次のユーザ群PG)に提供されるように順に提供されてよい。
具体的には、例えば、音楽ゲームの抽選機会は、抽選セットLGとして第1抽選セットLG1及び第2抽選セットLG2を含んでいてよい。第1抽選セットLG1は、第1ユーザ群PG1を対象に提供される抽選セットLGである。第1抽選セットLG1は、複数の抽選機会Lとして、例えば、第1抽選機会L1、第2抽選機会L2、及び第N抽選機会LNを含んでいてよい。例えば、音楽ゲームをプレイする機会毎に抽選工程が順に一人ずつのユーザPに提供される場合には、これらが順に各抽選工程を利用するユーザPに提供されてよい。そして、これらの第1抽選機会L1、第2抽選機会L2、及び第N抽選機会LN、つまり第1抽選セットLG1の各抽選機会Lを順に提供する各抽選工程を使用するユーザPが第1ユーザ群PG1を形成する各ユーザP1として機能してよい。
より具体的には、第1抽選機会L1は、第1抽選セットLG1に含まれる各抽選機会Lのうち最初に提供される抽選機会Lである。このため、第1抽選機会L1は、例えば、第1ユーザ群PG1を形成する各ユーザP1のうち最初に第1抽選セットLG1を使用する第1ユーザP1aに提供されてよい。つまり、第1抽選セットLG1を使用する最初の抽選工程が提供されるユーザPが第1ユーザ群PG1の第1ユーザP1aとして機能してよい。
終了条件は、例えば、第1抽選セットLG1の抽選機会L毎に判断されてよい。そして、例えば、第1抽選機会において終了条件が満たされた場合(具備の場合)には、第1抽選セットLG1の使用が終了し、次回からは第2抽選セットを使用する抽選が開始されてよい。つまり、第1抽選セットLG1を使用する抽選工程は今回(最初の第1ユーザP1a)で終了し、次回の抽選工程では第2抽選セットLG2が各ユーザPに提供されてよい。この場合、第1ユーザP1aだけが第1ユーザ群PG1として機能する。つまり、第1ユーザ群PG1は、第1ユーザP1a以外を含まない。このように第1ユーザ群PG1等のユーザ群PGは、複数のユーザPを対象に提供され得る限り、結果として複数のユーザPではなく一人のユーザPだけが該当するように構成されてもよい。各抽選セットLGも同様である。具体的には、例えば、各抽選セットLGも第1抽選機会L1だけによって構成されてよい。つまり、ユーザ群PG及び抽選セットLGは、いずれも複数のユーザP或いは複数の抽選機会Lが含まれ得る概念に過ぎず、必ずしも複数のユーザP或いは複数の抽選機会Lを含んでいなくてよい。
また、終了条件は、例えば、特典が付与された場合に満たされてよい。つまり、第1抽選セットLG1等の抽選セットLGは、例えば、このような終了条件を介して共通の特典を付与対象とする複数の抽選機会Lのセットとして構成されてよい。また、付与対象の特典の数は、単数及び複数等の適宜の数でよい。例えば、付与対象の特典の数が単数の場合、終了条件はその一つの特典が付与されたときに満たされてよい。つまり、1つの特典の付与に伴い第1抽選セットLG1を使用する抽選工程の提供が終了してもよい。そして、次回以降の抽選工程では、共通の特典を付与対象とする複数の抽選機会Lを含む第2抽選セットLG2が提供されてよい。
一方、付与対象の特典の数が複数の場合、例えば、終了条件は全ての付与対象の特典が付与されたときに満たされてもよい。つまり、例えば、第1抽選セットLG1の各抽選機会Lは複数の特典の1つずつを順に付与するように構成され、全ての特典の付与が終了した場合に終了条件は満たされてよい。或いは、複数の付与対象の特典のうち、特定の特典(例えば、最も価値が高い特典等)が付与された場合に終了条件は満たされてもよい。この場合、各特典は各抽選機会において1つずつ順に付与されても、各抽選機会Lにおいて全ての特典が毎回付与対象として使用されてもよい。また、付与対象の特典は、例えば、リスト等からユーザによって選択されてもよい。
一方、第2抽選機会L2は、例えば、第1抽選機会L1において終了条件が満たされない場合に、次回の抽選工程において提供されてよい。つまり、第2抽選機会L2は、第1抽選セットLG1を使用する2番目の抽選工程のユーザPに提供されてよい。そして、この場合、この2番目の抽選工程のユーザPが第1ユーザ群PG1を形成する各ユーザP1のうち2番目に第1抽選セットLG1を使用する第2ユーザP1bとして機能してよい。
また、第2抽選機会L2は、第1抽選機会L1に比べて特典の付与に関する期待の度合いを示す期待値が上昇するように提供されてよい。具体的には、例えば、期待値として、特典の当選確率(特典が付与される確率)が利用されてよい。つまり、第2抽選機会L2は、例えば、第1抽選機会L1に比べて特典の当選確率が上昇するように提供されてよい。
第2抽選機会L2以降の抽選機会Lも第2抽選機会L2と同様に提供されてよい。例えば、第N抽選機会LNは、第1抽選セットLG1をN番目に使用する抽選工程のユーザPに提供されてよい。つまり、第N抽選機会LNは、例えば、前回の抽選機会L(不図示のN―1番目の抽選機会Lに対応する第N―1抽選機会)において終了条件が満たされない場合に、次回の抽選工程において提供されてよい。そして、このN番目の抽選工程のユーザPが第1ユーザ群PG1を形成する各ユーザP1のうちN番目に第1抽選セットLG1を使用する第NユーザP1nとして機能してよい。つまり、第1抽選セットLG1の第1抽選機会L1、第2抽選機会L2、及び第N抽選機会LNが順に提供されるN回の抽選工程をそれぞれ順に使用するN人のユーザPの集合が第1ユーザ群PG1として機能してよい。
期待値についても同様である。つまり、各抽選機会Lは、第1抽選機会L1よりも第2抽選機会L2といった具合にNの数値が大きくなるに従って徐々に期待値が上昇するように提供されてよい。具体的には、第N抽選機会LNは、Nの数値が大きくなるに従って特典の当選確率が上昇するように提供されてよい。なお、Nの数値には、第1抽選セットLG1を使用する抽選工程の提供数に応じて適宜の数が事後的に適用されてよい。つまり、終了条件を満たすまで順にN回の抽選機会Lが提供され、それらが結果的に第1抽選セットLG1として機能してよい。
一方、終了条件が満たされた場合には期待値はリセットされ、新しく第2抽選セットLG2の提供が開始されてよい。例えば、第2抽選セットLG2は、第1抽選セットLG1と同様に構成されてよい。つまり、例えば、第2抽選セットLG2は第1抽選機会L1、第2抽選機会L2及び第N抽選機会LNを含み、これらがN回の抽選工程のそれぞれにおいて順に提供されてよい。そして、これらのN回の抽選工程を利用するN人のユーザPの集合が第2ユーザ群PG2として機能してよい。つまり、各抽選セットLGは、順に継続的に期待値が上昇する一連の抽選機会Lの集合として機能してよい。一例として、このような各抽選機会Lが各抽選工程において提供されてよい。また、この場合、第1抽選機会L1(或いは第N―1抽選機会)が本発明の一の抽選機会として、第2抽選機会L2(或いは第N抽選機会LN)が本発明の次回の抽選機会として、それぞれ機能する。
なお、第2抽選セットLG2の第1抽選機会L1の期待値は、適宜に設定されてよい。例えば、第1抽選セットLG1の第1抽選機会L1と同様であってよい。或いは、第1抽選セットLG1の第1抽選機会L1よりも高い若しくは低い等、第1抽選セットLG1の第1抽選機会L1と相違していてもよい。また、抽選セットLGの数も付与対象の特典の数等に応じて適宜に事後的に設定されてよい。
各抽選機会Lは、例えば、モニタMOに表示される抽選画面を通じて提供されてよい。図6は、各抽選機会Lを提供するための抽選画面50の一例を模式的に示す図である。図6に示すように、例えば、抽選画面50は、選択肢領域51、特典情報領域52、及び期待情報領域53を含んでいてよい。
選択肢領域51は、複数の選択肢画像51aを表示するための領域である。複数の選択肢画像51aは、各ユーザPによって選択されるべき選択肢(抽選対象)として機能する。例えば、複数の選択肢画像51aの少なくとも一部には特典が関連付けられ、そのような特典に関連付けられる選択肢画像51aがユーザPによって選択された場合にその選択肢画像51aに関連付けられる特典がそのユーザPに付与されてよい。
特典情報領域52は、付与対象の特典の内容を表示するための領域である。例えば、特典として、音楽ゲームで使用可能な楽曲が利用されてよい。具体的には、音楽ゲームは、例えば、プレイ用の楽曲候補として使用権(特別の権利)を有するユーザだけが使用可能(選択可能)な特別楽曲を含み、このような特別楽曲が特典として使用されてよい。換言すれば、特別楽曲を使用するための使用権が特典として使用されてもよい。
期待情報領域53は、期待値に関する情報を表示するための領域である。期待情報領域53には、例えば、このような情報として、選択肢画像51aの数(つまり選択肢の数)及び当選数(特典の数)の情報が表示されてよい。
図6の例では、選択肢領域51には、30個のボックス型の選択肢画像51aが表示されている。また、それらの全ての選択肢画像51aが選択可能な状態である。つまり、各抽選セットLGの第1抽選機会L1を提供するための抽選画面50の一例に対応している。一方で、今回の抽選機会Lでは、30個の選択肢画像51aのうち右下に位置する選択肢画像51aの選択が予定されている。同様に、期待情報領域53には、選択肢画像51aの数の情報として“残りBOX 30個”の情報及び当選数の情報として“当たりは 2個”の情報が表示されている。これにより、選択肢領域51の30個の選択肢画像51aのうち2つに特典が関連付けられていることが案内されている。また、特典情報領域52には、特別楽曲の内容を示す“MUSIC A”等の情報が表示されている。この場合、2/30の確率で特典が当選し、当選に伴い“MUSIC A”に対応する特別楽曲が付与される。
図7は、各抽選セットLGの第2抽選機会L2を提供するための抽選画面50の一例を模式的に示す図である。より具体的には、図7の例は、図6の抽選画面50において右下に位置する選択肢画像51aが選択された後の抽選工程で使用される抽選画面50の一例を示している。図7に示すように、図6の例の第1抽選機会L1に続く第2抽選機会L2では、ユーザPの選択に伴い右下の選択肢画像51a(図7の例の破線)が消滅している(実際の抽選画面50では破線は表示されない)。結果として、選択肢画像51aの数が前回(第1抽選機会L1)の30個から29個に減少している。一方で、前回当選していないため、当選数(“2個”)は変わらない。このため、今回の当選確率は、2/29で算出される。つまり、当選確率(期待値)が前回の2/30から2/29に上昇している。
一例として、これらのような抽選画面50を通じて各抽選工程の抽選機会Lが提供されてよい。具体的には、一例として、上述のような選択肢画像51aの集合からユーザPがいずれか一つを選択することにより抽選が実現されてよい。そして、前回までの抽選機会Lにおいて選択済みの選択肢画像51aの消滅により、期待値は上昇してよい。より具体的には、前回までの抽選機会Lにおいて既に選択済の選択肢画像51aが除外された状態の選択肢画像51aの集合が次回の抽選機会Lにおいて使用されるように、選択肢画像51aの集合を次回の抽選工程の抽選画面50に表示(設定)することにより、期待値の上昇が実現されてよい。この場合、選択肢画像51aが本発明の抽選要素として、図6の例においてユーザPによって選択される右下の選択肢画像51aが本発明の選択抽選要素として、それぞれ機能する。そして、図6の例の選択肢画像51aの集合(選択肢領域51の全ての選択肢画像51a)が本発明の第1要素集合として、図7の例の選択肢画像51aの集合が本発明の第2要素集合として、それぞれ機能する。
なお、各抽選機会Lにおいて選択可能な選択肢画像51aの数は適宜でよい。つまり、例えば、抽選機会L毎に2個、或いは3個等の複数の選択肢画像51aが選択されてもよい。また、当選位置(特典と関連付けられる選択肢画像51a)は、毎回同じ(例えば、抽選セットLGの各抽選機会Lにおいて共通して同じ)でもよいし、適宜変化してもよい。
同様に、特典の内容は、抽選セットLGの単位で共通していてもよいし、抽選機会Lの単位で相違していてもよい。相違する場合、特典の内容は、例えば、変更条件に基づいて変化してよい。変更条件は、例えば、特典の付与状況等の音楽ゲームのプレイ状況及びユーザPの属性を要件に含んでいてよい。つまり、特典の内容は、例えば、特典の当選状況を含む音楽ゲームのプレイ状況或いはユーザPの属性に応じて変化してよい。例えば、ユーザPの属性として年齢や性別等が使用されてよい。つまり、特典の内容は、ユーザの年齢や性別等に応じて変化してよい。具体的には、例えば、10代用の特別楽曲、20代用の特別楽曲等のユーザPの年齢(例えば年代)に応じた内容の特別楽曲や男性用の特別楽曲或いは女性用の特別楽曲等の性別に応じた内容の特別楽曲がユーザPの属性に応じて特典として使用されてよい。
また、例えば、プレイ状況として、付与対象の特典を既に有しているか否かの所有情報が利用されてもよい。具体的には、例えば、付与対象の特別楽曲の使用権を既にユーザPが所有している場合、その特別楽曲とは別の特別楽曲に付与対象の特典が変更されてもよい。また、複数の特典が付与対象として存在している場合には、このような変更はその一部に実行されてもよい。或いは、選択肢の全てがいずれかの特典に関連付けられている場合等、ユーザPに有利な変化に該当する場合には、所有される特典が選択肢の対象から除外されてもよい。つまり、各抽選機会Lでは、例えば、所有されている特典に関連付けられる選択肢を除外した選択肢群(選択肢の集合)を対象に抽選が実行されてよい。この場合、このような所有されている特典に関連付けられる選択肢が本発明の対応抽選要素として、このような選択肢が除外された選択肢群が本発明の第3要素集合として、それぞれ機能する。
また、期待値の情報は抽選画面50だけでなく、次回の音楽ゲームのプレイを待機する待機中に表示される待機画面に表示されてもよい。つまり、当選確率等、次回の抽選機会Lの期待値の情報が次回に音楽ゲームをプレイする可能性のあるプレイ候補のユーザに通知されてもよい。
図8は、待機中に表示される待機画面の一例を模式的に示す図である。図8に示すように、待機画面60は、例えば、期待通知領域61を含んでいてよい。期待通知領域61は、次回の抽選工程の期待値の情報を通知するための領域である。例えば、期待値として当選確率が利用される場合、これに関連する情報として期待通知領域61には次回の抽選工程において使用される選択肢の数の情報が表示されてもよい。
図8の例は、次回の抽選工程において第2抽選機会L2(図7の例の抽選画面50が使用される抽選機会L)が提供される場合の待機画面60の一例に対応している。このため、図8の例では、次回の抽選工程において使用される抽選画面50(図7の例)に表示される選択肢画像51aの数を示す“残り 29個”の情報が表示されている。一例として、このような待機画面60が待機中に表示されてもよい。そして、このような待機画面60を通じて次回の抽選工程の期待値に関連する情報が周囲(次回の音楽ゲームをプレイする候補のユーザ)に通知されてもよい。
次に、プレイデータ18及び抽選データ39の詳細について説明する。抽選データ39は、上述のような抽選セットLG毎の各抽選機会Lを提供するためのデータである。図9は、抽選データ39の内容の一例を説明するための説明図である。図9に示すように、抽選データ39は、例えば、“抽選ID”、“特典”、“選択肢数”、“当選数”、“当選位置”、“選択済位置”及び“終了”の情報を含んでいてよい。
“抽選ID”は、抽選セットLG毎にユニークなIDの情報である。“抽選ID”の情報は、各抽選セットLGを識別するために使用される。“特典”は、各抽選機会Lで付与対象として使用される特典の内容を示す情報である。例えば、特典として特別楽曲が使用される場合には、その特別楽曲を示す楽曲ID(楽曲毎にユニークなID)が“特典”の情報として使用されてよい。
“選択肢数”は、初回の抽選機会L、つまり第1抽選機会L1において表示されるべき選択肢(例えば、選択肢画像51a)の数を示す情報である。例えば、30個の選択肢画像51aが第1抽選機会L1において表示される場合には、“30”の情報が“選択肢数”の情報として使用されてよい。
“当選数”は、付与対象の特典の数を示す情報である。例えば、30個の選択肢画像51aのうちの2つの選択肢画像51aに特典が関連付けられる場合には、“2”の情報が“当選数”として使用されてよい。また、複数の特典が用意されている場合には、各特典(“特典”のレコード毎)に“当選数”の情報が記述されていてよい。“当選位置”及び“選択済位置”についても同様である。
“当選位置”は、各選択肢のうち特典に関連付けられる選択肢を特定するための情報である。例えば、図6の例の30個の選択肢画像51aが選択肢として使用される場合、上段の左から順にナンバリング(付番)する等により各位置の選択肢画像51aが特定されてよい。そして、そのような各位置の選択肢画像51aを示す番号(数字)が“当選位置”の情報として使用されてよい。
“選択済位置”は、前回までの抽選機会Lにおいて既に選択済の選択肢の位置を特定するための情報である。例えば、“当選位置”と同様に、各位置の選択肢画像51aを示す番号が“選択済位置”として使用されてよい。また、複数の選択済の選択肢が存在する場合には、“選択済位置”は複数の選択済位置を示す情報を含んでいてよい。結果として、“選択済位置”は選択済の選択肢の数を特定するための情報として機能してもよい。一方、例えば、初回の抽選機会Lの場合、つまり前回までの抽選機会Lが存在しない場合には、“0”等の初回を示す情報が“選択済位置”として使用されてよい。
“終了”は、終了条件を満たしたか否かを判別するための情報である。例えば、終了条件の具備を示す“1”、不具備を示す“0”等、終了条件の具備、不具備を判別可能な各種の情報が“終了”として使用されてよい。具体的には、例えば、特典が付与されたときに終了条件が満たされる場合には特典が付与されるまで“0”が、付与に伴い“1”が“終了”の情報として記述されてよい。一例として、抽選データ39は、これらの情報が互いに関連付けられるように記述されたレコードの集合として構成されている。
一方、プレイデータ18は、上述の通り、過去の実績の引き継ぎ等を実現するためのデータである。図10は、プレイデータ18の内容の一例を説明するための説明図である。図10に示すように、プレイデータ18は、例えば、“ユーザID”、“実績データ”、及び“属性データ”の情報を含んでいる。
“ユーザID”は、上述のユーザID(各ユーザを識別するためのID)の情報である。“実績データ”は、過去の実績を次回以降のプレイにおいて引き継ぐための情報である。例えば、“実績データ”は、“ゲームID”、“選択楽曲ID”、“プレイ日時”、“成績”及び“解禁楽曲ID”の情報を含んでいてよい。
“ゲームID”は、ゲーム毎にユニークなゲームIDを示す情報である。“ゲームID”の情報は、音楽ゲーム等、各ゲームを識別するために使用される。“選択楽曲ID”及び“解禁楽曲ID”は、例えば、“ゲームID”の情報が音楽ゲームを示す場合に含まれていてよい。また、“選択楽曲ID”及び“解禁楽曲ID”のいずれにも、一例として、音楽ゲームのプレイに使用される各楽曲を識別するための楽曲毎にユニークな楽曲IDの情報が使用されてよい。具体的には、“選択楽曲ID”は、音楽ゲームにおいてプレイ用に選択された楽曲を示す楽曲IDの情報である。一方、“解禁楽曲ID”は、各ユーザが所有する特別楽曲(解禁楽曲)を示す楽曲IDの情報である。例えば、“解禁楽曲ID”の情報は、特別楽曲をプレイする権利として機能してよい。そして、“解禁楽曲ID”の情報が所有情報として機能してもよい。また、“プレイ日時”は各楽曲をプレイした日時の情報に、“成績”はその際の成績の情報に、それぞれ対応する。
また、“属性データ”は、各ユーザの属性を示す情報である。“属性データ”は、例えば、“性別”、“年齢”等の情報を含んでいてよい。“性別”は各ユーザの性別を示す情報、“年齢”は各ユーザの年齢を示す情報に、それぞれ対応する。“属性データ”は、例えば、その他にもユーザの名前や住所を示す情報を含んでいてよい。プレイデータ18は、一例として、これらの情報が互いに関連付けられるように記述されたレコードの集合として構成されてよい。
次に、抽選処理及び通知処理の詳細について説明する。抽選処理は、上述の抽選工程を実現するための処理である。また、通知処理は、期待値に関する情報を周囲(次回の音楽ゲームをプレイする候補のユーザ)に通知するための処理である。例えば、抽選処理は図11のルーチンを通じて、通知処理は図12のルーチンを通じて、それぞれゲーム機GMの制御ユニット30によって実現されてよい。より具体的には、図11及び図12のルーチンは、一例として制御ユニット30のゲーム提供部37を通じて実行されてよい。なお、ゲーム機GMの制御ユニット30及びセンターサーバ2の制御ユニット10は、これらの処理の他にも各種の周知な処理等を、それぞれ単独で或いは互いに協働して実行する。しかし、それらの詳細な説明は省略する。
図11は、抽選処理を実現するための抽選処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。より具体的には、図11の例は、各ユーザPの所有情報に基づいて特典の内容が変更される場合の抽選処理を実現するための抽選処理ルーチンのフローチャートの一例に対応する。図11のルーチンは、例えば、抽選工程を提供するための抽選条件が満たされた場合に実行されてよい。また、抽選条件は、例えば、抽選工程がプレイ工程の後に提供される場合には、プレイ工程が終了した場合に満たされてよい。つまり、図11のルーチンは、一例として、プレイ工程の終了に伴い実行されてよい。
図11のルーチンが開始されると、ゲーム提供部37は、まずステップS11において抽選データ39を取得する。続くステップS12においてゲーム提供部37は変更条件が満たされるか否か判別する。変更条件は、例えば、上述の通り対象のユーザP(抽選機会Lが提供されるユーザP)の所有情報に基づき、このユーザPが付与対象の特典を所有している場合に満たされる。そして、この判別結果が肯定的結果の場合、つまり変更条件が満たされる(対象のユーザPが付与対象の特典を所有している)場合、ゲーム提供部37はステップS13に進む。
ステップS13において、ゲーム提供部37は付与対象の特典の内容を変更する。例えば、この変更は、上述の通り、付与対象の本来の特別楽曲をユーザPの所有していない別の特別楽曲に変更することにより実現されてよい。同様に、この変更は、付与対象の特典の一部だけを対象のユーザPが所有している場合には、その一部の特典に生じてよい。
一方、ステップS12の判別結果が否定的結果の場合、つまり変更条件が満たされない(対象のユーザPが付与対象の特典を所有していない)場合、及びステップS13の処理を実行した後、ゲーム提供部37はステップS14に進む。ステップS14において、ゲーム提供部37は終了条件が満たされるか否か判別する。終了条件は、例えば、上述の通り付与対象の特典が付与された場合に満たされる。また、この判別は、例えば、抽選データ39が“終了”の情報を含む場合は、この情報に基づいて実行されてもよい。この判別結果が否定的結果の場合、つまり終了条件が満たされない(前回の抽選機会Lで特典が付与されていない)場合、ゲーム提供部37はステップS15に進む。
ステップS15において、ゲーム提供部37は継続の抽選機会Lを使用する抽選工程を提供する。つまり、ゲーム提供部37は、前回(第N―1抽選機会)と同じ抽選セットLGの使用を継続し、その抽選セットLGの前回に続く今回の抽選機会L(第N抽選機会LN)を提供する。より具体的には、例えば、前回の抽選機会Lで使用された選択肢画像51aの集合(例えば図6の例)から選択済の選択肢画像51aを除外した選択肢画像51aの集合(例えば図7の例)を設定し、そのような選択肢画像51aの集合を表示する抽選画面50(例えば図7の例)を表示することにより、ゲーム提供部37は継続の抽選機会Lを使用する抽選工程を提供してよい。また、この表示は、例えば、抽選データ39が“選択済位置”の情報を含む場合には、抽選データ39に基づいて実行されてよい。
一方、ステップS14の判別結果が肯定的結果の場合、つまり終了条件が満たされる(前回の抽選機会Lにおいて特典が付与されている)場合、ゲーム提供部37はステップS16に進む。ステップS16においてゲーム提供部37は前回までの抽選機会Lとは別の新しい抽選機会Lを使用する抽選工程を提供する。具体的には、ゲーム提供部37は、例えば、前回の抽選機会Lが属する抽選セットLG(例えば第1抽選セットLG1)とは別の抽選セット(例えば第2抽選セットLG2)の使用を新たに開始し、この抽選セットLGに属する初回に提供されるべき抽選機会L(例えば第1抽選機会L1)を抽選工程において提供してよい。つまり、前回とは別の抽選セットLGを使用することにより今回の抽選機会Lが前回までの抽選機会Lの継続ではなく再び初回の抽選機会L(第1抽選機会L1)として機能するように、抽選工程を提供する。より具体的には、例えば、選択済の選択肢画像51aを含まない選択肢画像51aの集合、つまり除外された選択肢画像51aの存在しない選択肢画像51aの集合を使用する抽選画面50を表示することにより、ゲーム提供部37は新しい抽選機会Lを使用する抽選工程を提供してよい。結果として、ゲーム提供部37は、この処理により期待値をリセットしてよい。
続くステップS17においてゲーム提供部37は特典の当選の可否を判別する。この判別結果が肯定的結果の場合、つまり当選可の場合(特典に当選している場合)、ゲーム提供部37はステップS18に進む。そして、ゲーム提供部37はステップS18においてユーザPに特典を付与し、ステップS19に進む。
一方、ステップS17の判別結果が否定的結果の場合、つまり当選不可の場合(特典に当選していない場合)、ゲーム提供部37はステップS18をスキップし、ステップS19に進む。
ステップS19においてゲーム提供部37は今回の処理結果を反映するように抽選データ39の内容を更新する。例えば、ゲーム提供部37は、ステップS18の処理により特典を付与した場合には終了条件の具備を示すように、ステップS18の処理をスキップした場合(つまりステップS17において当選していないと判別された場合)には終了条件の不具備を示すように、それぞれ“終了”の内容を更新してよい。同様に、例えば、終了条件の不具備の場合には、ゲーム提供部37はステップS15或いはステップS16の抽選機会Lにおいて選択された選択肢(例えば選択済の選択肢画像51aの位置)が特定されるように“選択済位置”の内容を更新してもよい。そして、ゲーム提供部37は、ステップS19の処理を終えると、今回のルーチンを終了する。
図11のルーチンにより、対象のユーザPが付与対象の特典を既に所有している場合には、付与対象の特典の内容が変更される。また、前回の抽選機会Lにおいて終了条件が満たされない場合には同じ抽選セットLGに属する今回の抽選機会Lが提供される。つまり、前回の抽選機会に続き同じ抽選セットLGに属する次の抽選機会Lが今回の抽選機会Lとして提供される。結果として、前回の抽選機会Lに比べて期待値が上昇するように変化した抽選機会Lが今回の抽選工程として提供される。より具体的には、例えば、今回の抽選工程では前回の抽選工程において選択済の選択肢画像51aを含まない抽選画面50が使用される。つまり、選択済の選択肢画像51a(換言すればハズレの選択肢)を除外した選択肢画像51aの集合の使用により前回よりも期待値が高くなるように今回の抽選工程が提供される。一方で、前回の抽選機会Lにおいて終了条件が満たされる場合には、前回の抽選工程で使用された抽選セットLGとは別の抽選セットLGが使用され、期待値がリセットされる。つまり、別の抽選セットLGを使用する各抽選工程の提供が再度初回から開始される。
図12は、通知処理を実現するための通知処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図12のルーチンは、例えば、待機画面60の表示に伴い実行されてよい。例えば、待機画面60は、音楽ゲームの提供(徴収された対価に対応する範囲)の終了に伴い表示されてよい。また、例えば、音楽ゲームの提供は、抽選工程の終了に伴い終了してよい。つまり、一例として、図12のルーチンは、抽選工程の終了に伴い実行されてよい。
図12のルーチンを開始すると、ゲーム提供部37はまずステップS21において抽選データ39を取得する。続くステップS22においてゲーム提供部37は期待値を取得する。この取得は、例えば、次のように実行されてよい。すなわち、ゲーム提供部37は、まずステップS21で取得した抽選データ39に含まれる“選択肢数”及び“選択済位置”の情報を取得する。次にゲーム提供部37は、それらの選択肢数”及び“選択済位置”の情報から残りの選択肢(例えば選択肢画像51a)の数を算出する。そして、ゲーム提供部37は、その算出した残りの選択肢の数を期待値として取得する。一方、例えば、次回の抽選工程において新しい抽選セットLの使用が予定される場合、次回の抽選機会Lでは期待値がリセットされるため、ゲーム提供部37は初回の期待値を算出してよい。つまり、ゲーム提供部37は、ステップS22において前回の抽選機会Lに終了条件が満たされたか否か判別してよい。例えば、この判別は、図11のステップS14と同様に抽選データ39の“終了”の情報に基づいて実行されてよい。また、例えば、次回に使用される抽選セットLGの内容(当選確率等)が前回までの抽選セットLGと同様の場合、ゲーム提供部37は初回の期待値として抽選データ39に含まれる前回の抽選セットLGの“選択肢数”の情報を取得してよい。或いは、各抽選セットLGの内容を定義するデータが存在する場合には、そのデータから初回の期待値に対応する情報を取得してもよい。例えば、ステップS22の取得は、このように実行されてよい。なお、ゲーム提供部37は、その他にも期待値の内容等に応じて各種の方法で適宜に期待値を取得してよい。例えば、期待値として当選確率が利用される場合には、ゲーム提供部37は抽選データ39の“当選数”の情報を更に利用して当選確率を算出してもよい。また、期待値は算出される形態に限定されない。例えば、ゲーム提供部37は、予め記憶されたテーブルデータを参照し、そこから期待値を取得してもよい。つまり、本発明の期待値取得手段は、期待値を算出により取得する形態に限定されず、例えばテーブルデータ等の所与のデータから期待値を取得してもよい。
次のステップS23においてゲーム提供部37は通知条件が満たされるか否か判別する。通知条件は、例えば、期待値が所定値以上の場合に満たされてよい。つまり、一例として、所定値以上に特典に関する期待の度合いが高い場合に通知条件が満たされてよい。具体的には、例えば、期待値として残りの選択肢の数が使用される場合には残りの選択肢の数が所定数よりも少なくなった場合に通知条件が満たされてよい。また、例えば、期待値として当選確率が使用される場合には当選確率が所定値以上になった場合に通知条件が満たされてよい。この判別結果が否定的結果の場合、つまり通知条件が満たされない場合(期待値が所定値未満の場合)、ゲーム提供部37は以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。つまり、この場合、期待値の情報の通知は省略されてよい。具体的には、例えば、待機画面60は期待通知領域61を含んでいなくてもよい。或いは、期待値の情報が表示されていない期待通知領域61を含んでいてもよい。
一方、ステップS23の判別結果が肯定的結果の場合、つまり通知条件が満たされる場合、ゲーム提供部37はステップS24に進む。ステップS24においてゲーム提供部37はステップS22で算出した期待値を周囲に通知する。具体的には、ゲーム提供部37は、例えば、ステップS22で算出した期待値の情報を含む期待通知領域61を表示することにより待機画面60を通じて期待値の情報を通知してよい。そして、ゲーム提供部37はステップS24の処理を終えると、今回のルーチンを終了する。これにより、周囲のユーザ、つまり次回以降に音楽ゲームをプレイする可能性を持つユーザに次回の抽選工程の期待値の情報が通知される。なお、通知条件は省略されてもよい。つまり、期待値の内容に関わらず常に期待値の情報が通知されてもよい。
以上に説明したように、この形態によれば、各抽選機会Lによって構成される抽選セットLGは複数のユーザPを対象に提供される。つまり、順に継続的に期待値が上昇する一連の各抽選機会Lが複数のユーザPを対象に提供される。これにより、ユーザP間の競争を促進することができるとともに、次回の抽選機会に対する期待を高めることができる。具体的には、例えば、終了条件が特典の付与によって満たされる場合には、早期に音楽ゲーム(抽選工程)をプレイしなければ、期待値の高い抽選機会が他のユーザに提供されてしまう。これにより、早期の抽選機会の利用、つまり音楽ゲームのプレイを促進することができる。
また、終了条件が満たされた場合には、期待値がリセットされる。このため、期待値が上昇し続けることを抑制することができる。また、リセット前の抽選機会の利用を促進することもできる。これにより、早期の抽選機会の利用、つまり音楽ゲームのプレイを更に促進することができる。
さらに、待機画面60を通じて次回の抽選工程の期待値の情報が通知される場合には、周囲のユーザ、つまり次回に音楽ゲームをプレイする可能性を持つユーザに次回の抽選工程の期待値の情報を認識させることができる。これにより、例えば、期待値の情報に起因して音楽ゲームをプレイするユーザ等、本来音楽ゲームのプレイを予定していないユーザを音楽ゲームに誘導することができる。結果として、音楽ゲームの利用を更に促進できるとともに、次回の抽選機会の利用を対象に競争するユーザの範囲を、本来プレイを予定していないユーザの範囲まで拡大することができる。また、通知条件が利用される場合には、例えば、期待値の情報の通知を期待値が所定値以上の場合に限定することもできる。この場合、期待値の情報の有用性を向上させることができる。これらにより、早期の抽選機会の利用を更に促進することができる。
以上の形態において、ゲーム機GMの制御ユニット30が、図11のルーチンを実行することにより本発明の機会提供手段及び期待値変更手段として機能する。また、ゲーム機GMの制御ユニット30が、図12のルーチンを実行することにより本発明の期待値取得手段及び期待値通知手段として機能する。
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。例えば、上述の形態では、ゲーム機GMは、音楽ゲームを提供している。しかし、ゲーム機が提供するゲームは、このようなゲームに限定されない。例えば、ゲーム機GMは、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、シューティングゲーム等の各種のゲームを提供してよい。つまり、上述の抽選工程(抽選機会L)は、このような各種のゲームに適用されてよい。
同様に、上述の形態では、特典として特別楽曲が使用される例が説明されている。しかし、特典は、このような例に限定されない。例えば、ゲーム機GMが提供するゲームの種類に応じて、各種のゲームで使用されるキャラクタや背景画像等、ユーザに所有される或いは所有とは無関係の各種のゲーム要素が特典として使用されてよい。
また、上述の形態では、期待値として、例えば当選確率の例が説明されている。しかし、期待値は、このような例に限定されない。例えば、複数の特典が用意され、特典毎に価値(例えば、所有率や出現率等、或いは特典としてキャラクタが使用される場合にはそのキャラクタのレベルやパラメータ等に基づく強さ等によって特定されるもの)が相違している場合には、期待値として特典の価値を示す値が利用されてもよい。また、各抽選機会Lにおいて複数の特典が付与対象として使用される場合には、それらの価値の平均値や最頻値等、それらの複数の特典の全体的価値を示す値が期待値として使用されてもよい。同様に、その他、特典の付与に関する期待の度合いを示す各種の値が期待値として採用されてよい。
また、上述の形態では、特典が付与された場合に満たされる終了条件が例示されている。しかし、終了条件は、このような例に限定されない。例えば、終了条件は、次回の抽選機会Lの期待値が所定の下限値を下回る場合に満たされてもよい。具体的には、例えば、期待値として価値が使用される場合、次回の抽選機会で付与される可能性のある特典の価値の平均等が下限値を下回る場合に終了条件は満たされてもよい。また、付与対象の特典が一つの場合、その特典が特定の特典として機能し、その特典の付与に伴い当選確率がゼロ(下限値未満)になることにより終了条件が満たされると解釈されてもよい。この場合、特定の特典(1つの特典)の付与も下限値を下回る場合に含まれてよい。同様に、複数の特典が用意されている場合も、特定の特典(例えば最も価値の高いもの)の付与に伴い期待値が下限値を下回る場合に含まれてよい。つまり、これらの場合、下限値を下回る要因として機能する特典が特定の特典として機能し、その特典が付与された場合に終了条件が満たされてよい。
上述の形態では、選択肢画像51aとしてボックス型の画像が利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。円形等、各種の画像が選択肢画像51aとして機能してよい。また、各抽選機会Lは、選択肢画像51a等の選択肢から選択を通じて抽選される形態にも限定されない。例えば、各抽選機会は、乱数等を利用して抽選を実現するように構成されてもよい。また、その抽選過程は表示されてもよいし、されなくてもよい。したがって、選択肢画像51a等の選択肢の表示は省略されてもよい。つまり、各抽選機会の抽選は、各種の態様で実現されてよい。したがって、期待値の上昇も、選択済の選択肢を次回の選択対象から除外する形態に限定されない。次回の抽選機会Lが前回の抽選機会Lよりも期待値が上昇する限り、適宜の形態で期待値の上昇が実現されてよい。このため、期待値の上昇率も、選択済の選択肢の数と無関係に設定されてよい。例えば、回数が増加するに従って上昇率は増加してもよいし、低下してもよい。或いは、期待値は回数に関わらず一律に上昇してもよい。
さらに、例えば、抽選機会Lが特典条件を満たした場合には、付与対象の特典に加えて追加特典が付与されてもよい。例えば、特典条件は、選択肢の残数が所定数(例えば2個)以下になった場合、或いは所定回数以上の抽選機会Lが継続的に提供された場合等に満たされてよい。また、追加特典として、通常の期待値の上昇に加えて追加的に期待値の上昇が付与されてもよい。具体的には、例えば、選択肢の残数が2個になった場合、本来当選確率(期待値)が50%のところ、ボーナスとして更に50%当選確率が付与され、100%の当選確率、つまりいずれの選択肢も当選となるように特典の数が増加してもよい。なお、特典条件は、その他にもプレイ状況やキャンペーン等の管理状況等に応じて適宜の要件を含んでいてよい。追加特典についても同様である。つまり、上述の追加の期待値(あ或いは特典数の増加)に限定されず、各種の特典が追加特典として利用されてよい。
また、上述の形態では、ゲーム機GMを利用する不特定の各ユーザがユーザ群PGを構成する例が説明されている。しかし、ユーザ群PGは、このような例に限定されない。例えば、特定の性別のユーザ等の特定のユーザ属性、ユーザ認証の有無、或いは特定の特別楽曲を所有するユーザ等の特定のプレイ状況のユーザ等、各種の条件によって特定される特定のユーザ群がユーザ群PGとして機能してよい。つまり、各抽選機会Lは、各種の特定のユーザ群を対象に提供されてよい。また、ユーザ群PGは、共通のゲーム機GMを使用する各ユーザにも限定されない。例えば、複数のゲーム機GMを使用する各ユーザがユーザ群PGとして機能してよい。例えば、複数のゲーム機GMは、店舗4単位で特定されてもよいし、異なる店舗4に跨って配置されていてもよい。また、例えば、いわゆるチェーン等の関連店舗、或いは近隣等の特定の地域の各ゲーム機GMが、このような複数のゲーム機GMとして機能してもよい。さらに、このような複数のゲーム機GMは、メーカーや提供するゲームの種類に基づいて特定されてもよい。一方で、このような複数のゲーム機GM間では、メーカーやゲームの種類は、同じであってもよいし、相違していてもよい。つまり、各種の条件で各抽選機会Lを提供する対象のゲーム機GMの範囲が設定されてよい。
また、上述の形態では、待機画面60を通じて期待値の情報が通知される例が説明されている。しかし、期待値の情報の通知は、このような例に限定されない。例えば、期待値の情報は、メールやアプリ、或いはWEBサイト等の各種の通信手段を通じて提供されてよい。また、通知条件も、期待値を基準にする形態に限定されない。例えば、通知条件は、時間帯や季節、或いはキャンペーン等に起因する特定の期間等に満たされてもよい。或いは、メール等により個別の通知が実現される場合には、通知条件は、例えば、特定の楽曲を所有するユーザ等の特定のプレイ状況を満たすユーザ或いは特定の属性を持つユーザ等によって満たされてもよい。
さらに、ゲーム機GMは、業務用のゲーム機に限定されない。ゲーム機GMとして、例えば、家庭用の据置型ゲーム機(ゲームを実行可能な据置型のパーソナルコンピュータを含む)、携帯型のゲーム機(ゲームを実行可能なスマートフォン、タブレットPC、携帯型のパーソナルコンピュータ等の携帯端末を含む)等、適宜の形態が採用されてよい。また、上述の形態では、制御ユニット30及び記憶ユニット31がゲーム機GMに設けられている。しかし、本発明のゲーム機は、このような形態に限定されない。例えば、クラウドコンピューティングを利用してネットワーク上(例えば、センターサーバ2等)に論理的に制御ユニット30及び記憶ユニット31が設けられてもよい。つまり、ゲーム機GMは、ネットワーク3を通じて制御ユニット30の処理結果を表示して提供する端末として構成されていてもよい。さらに、本発明のゲームシステムは、センターサーバ2が省略され、一台のゲーム機GMによって実現されてもよい。
以下に、上述の内容から得られる本発明の一例を記載する。なお、以下の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、ゲーム画面(7)を通じて、特典を付与するための抽選機会(L)を含むゲームを提供するゲームシステム(1)であって、終了条件が満たされるまで複数のユーザ(PG)を対象に各ユーザ(P)に順に前記抽選機会を提供する機会提供手段(30)と、各抽選機会のうちの一の抽選機会(L1)において前記終了条件が満たされない場合に、前記特典の付与に関する期待の度合いを示す期待値が前記一の抽選機会に比べて上昇するように、前記一の抽選機会に続く次回の抽選機会(L2)の前記期待値を変更する期待値変更手段(30)と、を備えている。
本発明によれば、各抽選機会は複数のユーザを対象に提供される。また、次回の抽選機会は今回の抽選機会よりも期待値が高く設定される。結果として、ユーザ間の競争を促進することができるとともに、次回の抽選機会に対する期待を高めることができる。これらにより、早期の抽選機会の利用を促進することができる。
本発明のゲームシステムの一態様として、前記期待値変更手段の変更結果に基づいて、前記次回の抽選機会の前記期待値を取得する期待値取得手段(30)と、前記期待値取得手段の算出結果に基づいて、前記次回の抽選機会の前記期待値を各ユーザに通知する期待値通知手段(30)と、を更に備えていてもよい。この場合、次回の抽選機会を利用する可能性を持つユーザにその期待値を認識させることができる。結果として、次回の抽選機会の利用を対象に競争するユーザの範囲を拡大することができる。これらにより、早期の抽選機会の利用を更に促進することができる。
期待値の通知は、例えば、常時或いは所定の条件を満たした場合等、適宜に実行されてよい。例えば、本発明の期待値が通知される態様において、前記期待値通知手段は、前記次回の抽選機会の前記期待値が所定値以上の場合に当該期待値の通知を実行する一方で、当該期待値が所定値未満の場合には当該期待値の通知を省略されてもよい。この場合、期待値の通知を所定値以上の場合に限定することができるので、期待値の情報の有用性を向上させることができる。
期待値は、各種の態様で上昇されてよい。例えば、前記機会提供手段は、複数の抽選要素(51a)を含む第1要素集合(図6の例)を抽選対象として使用し、前記第1要素集合から抽選により選択された選択抽選要素が前記特典と関連づけられている場合に当該特典が付与されるように、前記一の抽選機会を提供し、前記期待値変更手段は、前記選択抽選要素を前記第1要素集合から除外した第2要素集合(図7の例)が前記次回の抽選機会で使用されるように前記第2要素集合を設定することにより前記期待値を変更し、前記終了条件は、前記次回の抽選機会の前記期待値が所定の下限値を下回る場合に少なくとも満たされてもよい。また、この態様において、前記特典は、前記期待値が前記所定の下限値を上回る要因として機能する少なくとも一つの特定の特典を含み、前記機会提供手段は、前記選択抽選要素が前記特定の特典に関連付けられている場合に当該特定の特典を付与するように、前記一の抽選機会を提供し、前記終了条件は、前記一の抽選機会において前記特定の特典が付与された場合に少なくとも満たされてもよい。
また、次回の抽選機会において第2要素集合が使用される本発明の態様において、前記機会提供手段は、前記第2要素集合が特典条件を満たした場合に追加特典が更に付与されるように前記次回の抽選機会を提供してもよい。この場合、追加特典を利用して次回の抽選機会の利用を更に促進することができる。
同様に、次回の抽選機会において第2要素集合が使用される本発明の態様において、前記特典は、複数の特典を含み、前記複数の特典として、各ユーザによって所有され得る前記ゲームの複数のゲーム要素がそれぞれ使用され、前記次回の抽選機会が提供されるユーザが所有するゲーム要素に対応する対応抽選要素が前記第2要素集合に含まれる場合に、前記次回の抽選機会では、前記第2要素集合から前記対応抽選要素が更に除外された第3要素集合が前記第2要素集合の代わりに使用されてもよい。或いは、本発明のゲームシステムの一態様において、前記機会提供手段は、前記特典が各ユーザによって所有されるように構成され、かつ前記次回の抽選機会が提供されるユーザが前記特典を所有している場合に、前記次回の抽選機会の前記特典の内容を変更してもよい。これらの場合、特典の重複所有を抑制することができるので、各抽選機会の魅力を向上させることができる。結果として、やはり次回の抽選機会の利用を更に促進することができる。
本発明のゲームシステムは、各種のゲームを提供してよい。また、各抽選機会では、各種のゲームに応じて各種の特典が付与されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲームとして、プレイ行為を実行すべき実行時期を楽曲のリズムに合わせて案内する音楽ゲームが使用され、前記特典として、特別の権利を有するユーザに使用が限定される特別楽曲が使用されてもよい。
本発明のゲームシステムの一態様において、前記期待値変更手段は、前記一の抽選機会において前記終了条件が満たされた場合には、前記次回の抽選機会が各抽選機会の初回として再び機能するように、前記期待値をリセットしてもよい。この場合、期待値が上昇し続けることを抑制することができる。
期待値として、特典の付与に関する期待の度合いを示す各種の値が使用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記期待値として、前記特典の当選確率を示す値及び前記特典の価値を示す値の少なくともいずれか一方が使用されてよい。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。また、本発明のサーバ装置は、前記ゲーム画面を表示する表示装置にネットワークを介して接続され、上述のゲームシステムの各手段として機能するものである。本発明に係るコンピュータプログラム或いはサーバ装置により、本発明に係るゲームシステムを実現することができる。