以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ゲーム機3として、ゲームを提供する適宜のコンピュータ装置(例えば後述のユーザ端末装置4を含む)が利用されてよいが、図1の例では商業用(業務用)のゲーム機が利用されている。商業用のゲーム機は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム機である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがあり、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置される。
ゲーム機3は、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲーム、或いはパズルゲーム等の適宜のゲームを提供してよいが、一例としてタイミングゲームを提供する。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を案内、及び評価するタイプのゲームである。タイミングゲームでは、スピーカからの音声を通じた案内等、各種の出力装置を通じて各実行時期が適宜に案内され得るが、一般的に表示装置に表示されるゲーム画面を通じて各実行時期が案内される。このようなゲーム画面は、各実行時期に対応する指示標識及び現在時刻の基準として機能する基準標識を含み、これらの指示標識及び基準標識の位置が各実行時期において一致するように、これらの指示標識と基準標識との間に経路に沿った相対的変位を生じさせることにより各実行時期を案内する。タイミングゲームは、要求するプレイ行為の種類、実行時期の案内の仕方、或いは評価の仕方等に応じて適宜に構成される。ゲーム機3は、このような適宜のタイミングゲームを提供してよいが、一例として音楽ゲームを提供し、音楽ゲームを提供する音楽ゲーム機として構成される。
音楽ゲームは、タイミングゲームの一種であり、適切なプレイ行為を実行すべき実行時期を楽曲とともに提供するタイプのゲームである。具体的には、音楽ゲームは、楽曲のリズムと一致する時期を実行時期として利用する。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際にプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。また、例えば、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲(一つ、或いは二以上)が実際のプレイに使用される。音楽ゲームについては更に後述する。
ゲームシステム1には、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3にゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。
同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを適宜に含んでいてよい。
図2は、ゲーム機3の外観の一例を示す斜視図である。図2に示すように、ゲーム機3は、筐体BXを備えている。筐体BXには、アーケードゲーム機に設けられる各種の出力装置及び入力装置が適宜に設けられてよいが、図2の例ではモニタMO、コントロールパネルCP、及びスピーカSPが設けられている。具体的には、モニタMOは、表示面を斜め上方に傾けるようにして筐体BXに取り付けられている。コントロールパネルCP及びスピーカSPは、そのようなモニタMOを挟むようにモニタMOの手前側及び奥側(上部側)にそれぞれ配置されている。
モニタMOは、音楽ゲーム用のゲーム画面等の各種の画像を表示する周知の表示装置である。また、スピーカSPは、音楽ゲーム用の各種の音声を再生する周知の音声再生装置である。同様に、コントロールパネルCPは、ユーザのプレイ行為等、ゲームに関連する各種の操作が入力される入力装置を含む周知の装置である。音楽ゲームではカメラを介して入力される動作等の各種の行為がプレイ行為として利用されてよいが、図2の例ではコントロールパネルCPを介して入力される操作がプレイ行為として利用される。また、コントロールパネルCPには、プレイ行為として採用される各種の操作を入力するための各種の入力装置が設けられていてよいが、図2の例では鍵盤楽器型の操作入力装置IPが設けられている。
操作入力装置IPは、鍵盤状に構成され、ユーザがモニタMOと向かい合うようにして筐体BXの前方に立ったとき、そのユーザから見てモニタMOの左右方向の一端部から他端部まで延びるように配置される。具体的には、操作入力装置IPは複数の鍵部OIを有し、各鍵部OIは奥側から手前側に延びる矩形に形成される。各鍵部OIは、ユーザの操作が入力される操作部として、上方から下方に向かって押し込む押込み操作を受け付けるように構成される。そして、それらの鍵部OIは互いに並行に延びるようにモニタMOの左右方向の一端部から他端部まで並列的に配置される。これらの鍵部OIは、鍵盤楽器の白鍵及び黒鍵(白鍵よりも短く隣り合う白鍵の間に配置される)に対応する白鍵部及び黒鍵部に区別されるように構成されてよいが、一例としてこのような区別されず、いずれも同様に構成される。
また、コントロールパネルCPには、操作入力装置IPの他にも各種の入力装置、或いは出力装置が適宜に設けられてよいが、図2の例ではコイン投入口COが設けられている。コイン投入口COは、コインを徴収するコイン徴収機構(不図示)にコインを導くための開口である。ゲーム機3では、音楽ゲームのプレイのための対価として電子的な対価等の各種の対価が適宜に使用されてよいが、そのような対価としてコインが使用される場合にコイン投入口COを介してコイン(対価)が徴収される。
次に、図3を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、サーバプログラムPG1が記録される。また、記憶部22には各種のサービスの提供に必要なサーバデータSDも記録される。サーバデータSDは、各種のサービスの提供に必要な各種のデータを含む。このようなデータは、例えば後述のゲームデータGDの一部、或いは全部等の音楽ゲーム用の各種のデータを含み得るが、図3の例ではプレイデータPD、及び更新データUDが示されている。
プレイデータPDは、各ユーザのゲームに関する各種実績の情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、例えば、前回までのプレイ結果(プレイ実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。更新データUDは、各種プログラム、或いは各種データの更新履歴を管理するためのデータである。このようなプログラム等には、ゲーム機3のゲームプログラムPG2、及びゲームデータGDも含まれる。プレイデータPD、及び更新データUDの詳細は後述する。
また、制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのサーバプログラムPG1との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられる。このような論理的装置には、ゲーム機サービス管理部24、及びWebサービス管理部25が含まれる。ゲーム機サービス管理部24は、上述のゲーム機用サービスを提供するための処理を実行する論理的装置である。Webサービス管理部25は、上述のWebサービスを提供するために必要な処理を実行する論理的装置である。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられるが、図3の例ではゲーム制御部36、及びデータ管理部37が示されている。ゲーム制御部36、及びデータ管理部37は、いずれも音楽ゲームに関連する各種の処理(センターサーバ2が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な処理を含む)を実行する論理的装置である。
具体的には、データ管理部37は、ゲームデータGDの管理に必要な各種の処理を実行する。このような処理には、プレイデータPD等のゲームデータGDに含まれる各種データの更新が含まれる。一方、ゲーム制御部36は、音楽ゲームを提供するための各種の処理を実行する。例えば、そのような処理には、各プレイ行為を実行すべき実行時期を案内するシーケンス処理、及びその実行時期に基づいて各プレイ行為の実際の実行時期を評価する評価処理が含まれる。また、音楽ゲームのプレイにはプレイ用の楽曲選択等の各種の準備も要求されるが、このような準備を実現するための処理も音楽ゲームを提供するための処理に含まれる。例えば、このような準備のための処理として、ゲーム制御部36は第1時間設定処理、及び第2時間設定処理を実行する。第1時間設定処理、及び第2時間設定処理の手順の詳細は後述する。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したゲームプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図3の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、ゲームプログラムPG2に従ってユーザに音楽ゲームをプレイさせるために必要なデータである。ゲームデータGDは、例えば音楽ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、或いは各種のBGMを再生するためのBGMデータといった各種のデータを適宜に含んでいてよいが、図3の例ではプレイデータPD、更新データUD、楽曲データMD、及びシーケンスデータQDが示されている。
プレイデータPD及び更新データUD(その他のゲームデータGDがセンターサーバ2に記憶されている場合はそれも同様)は、必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。具体的には、例えばプレイデータPDは、音楽ゲームをプレイするユーザの各種実績の情報を含むようにセンターサーバ2から提供される。また、更新データUDは、各種の更新履歴の情報のうち、配信対象のゲーム機3に記録されるゲームプログラムPG2、及びゲームデータGDの更新履歴の情報を含むようにセンターサーバ2から提供される。
楽曲データMDは、音楽ゲームのプレイに使用される楽曲を再生するためのデータである。シーケンスデータQDは、音楽ゲームにおいて適切なプレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたデータである。シーケンスデータQDは、このような各実行時期をユーザに案内するために使用される。また、ユーザによって実際にプレイ行為が実行された場合には、シーケンスデータQDの実行時期に基づいてそのプレイ行為が評価される。つまり、シーケンスデータQDは各実行時期の案内及びその評価に使用される。このため、シーケンスデータQDには、各実行時期、及びその実行時期に実行されるべき適切なプレイ行為の情報が互いに関連付けられるように記述される。例えば、シーケンスデータQDには、このような適切なプレイ行為の情報として、各鍵部OI(あるいは各指示標識が配置されるべき経路)を示す情報、或いは複数種類の指示標識が用意される場合の各指示標識の種類を示す情報等が各実行時期と関連づけられるように記述される。また、音楽ゲームにおいて、複数の楽曲或いは複数の難易度が用意される場合には、シーケンスデータQDは楽曲毎或いは難易度毎に用意される。
また、ゲーム機3には、アーケードゲーム機に必要な各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられ、制御ユニット31に接続され得るが、図3の例では出力装置としてモニタMO、及びスピーカSPが、入力装置としてリーダRD、操作入力装置IP、及びタッチパネルTPが、それぞれ示されている。モニタMO、及びスピーカSPは、上述のとおりであるが、制御ユニット31からの出力信号に従ってゲーム画面等の各種画面(画像)を表示したり、楽曲等の各種音声を再生したりする。また、操作入力装置IPも上述のとおりであるが、各鍵部OIに押す操作が入力された場合に、各鍵部OIに応じた信号を制御ユニット31に出力する。タッチパネルTPは、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を制御ユニット31に出力(入力)する周知の入力装置である。タッチパネルTPは、ゲーム画面を形成する各位置にタッチ操作が実行されるようにモニタMOの上に配置される。
リーダRDは、ユーザが所持する記録媒体(各種の情報を記録する媒体)から情報を取得するための周知の装置である。記録媒体は適宜に構成されてよく、リーダRDも記録媒体の種類(あるいは記録方法)に応じて適宜に構成されてよいが、図3の例では記録媒体としてカードCが利用されている。カードCには、所定の規則に従って生成されたコード(パターン)、或いは各種の電子的記録手段等の適宜の方法で情報が記録されてよいが、一例としてICチップを介して記録される。カードCは、ゲームに楽曲やアイテム、或いはキャラクタ等を再現するプレイ用のカード等の適宜のカードを含んでいてよく、それらに応じてICチップを介して適宜の情報を記録していてよいが、一例として各ユーザを識別するためのユーザIDを記録するIDカードを含んでいる。
同様に、リーダRDとして、コードを読みとるためのカメラ、或いは各種の近距離無線通信規格を通じて電子的記録手段から情報を受信するための適宜の受信機等の各種の装置が使用されてよいが、一例としてICチップの読み取りに適合する近距離無線通信規格の受信機が利用される。リーダRDは、ICチップの読み取りを通じてカードCに記録される各種の情報を取得するが、例えばIDカードとしてのカードCに記録されるユーザIDの情報を取得し、制御ユニット31に提供する。
次に、図4を参照して、音楽ゲームについて更に説明する。音楽ゲームは、上述のとおりシーケンスデータQDに記述された各実行時期を音楽(楽曲)のリズムに合わせて案内し、各ユーザの実際のプレイ行為の時期を評価するタイプのタイミングゲームの一種である。図4は、このような音楽ゲームを提供するためにモニタMOに表示されるゲーム画面の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、ゲーム画面40は、相対的変位の経路としてのレーン41、指示標識としてのオブジェクト42、及び基準標識としての判定ライン43を含んでいる。ゲーム画面40には、適宜のレーン41に適宜の数のオブジェクト42が出現し、その出現したレーン41に沿って判定ライン43に向かって移動する。つまり、レーン41は時間軸として機能し、このレーン41(時間軸)に沿って移動するオブジェクト42の判定ライン43への到達により各実行時期が案内される。
具体的には、各レーン41は、明示的に表示されない場合を含め、適宜に形成されてよいが、図4の例ではゲーム画面40の奥側から手前側に向かって放物線を描くように延びる曲線として明示的に表示されている。結果として、各レーン41は、奥側に奥行きを有する仮想3次元空間を演出するように構成される。各レーン41は、操作入力装置IPの各鍵部OIに適宜に関連づけられる。例えば各レーン41は各鍵部OIと1対1に対応するように関連づけられてもよいし、所定数の鍵部OI毎に各レーン41(多対1)に関連づけられてもよいが、レーン41毎に数が変化するように一つのレーン41に適宜の数の鍵部OI(いずれも互いに隣接する鍵部OI)が関連づけられる。また、鍵部OIの数に合わせて適宜の数のレーン41が設けられてよいが、図4の例では九つのレーン41が設けられている。
判定ライン43は、各オブジェクト42の移動先(到達位置でも通過位置でもよい)として各レーン41の形状等に合わせて適宜の数、適宜の位置に適宜の形状で配置されてよいが、図4の例では各レーン41と交差(直交)するように直線状に伸びる一つの判定ライン43として構成され、各レーン41の下端側付近に配置されている。
オブジェクト42は、各レーン41の適宜の位置に出現してよいが、一例として各レーン41の上端側(放物線の頂点付近)に出現し、下端側の判定ライン43に向かって移動する。より具体的には、各オブジェクト42は、各レーン41に対応する鍵部OI(複数)を押込み操作すべき操作時期(実行時期)に判定ライン43に到達するように各レーン41に沿って判定ライン43に向かって移動する。そして、オブジェクト42と判定ライン43との一致により操作時期が、オブジェクト42が配置されたレーン41によって押込み操作を実行すべき適切な鍵部OIが、それぞれ案内される。この場合、ユーザには、オブジェクト42と判定ライン43との一致時期に合わせて、そのオブジェクト42が配置されているレーン41に対応する鍵部OIへの押込み操作(押す操作)が要求される。
オブジェクト42は複数種類のプレイ行為(操作)をそれぞれ要求する複数種類のオブジェクト42を含んでいてもよいが、図4の例では一種類のプレイ行為を要求する一種類のオブジェクト42が示されている。このような各オブジェクト42は、一つのレーン41に収まるようにレーン41毎に配置されてもよいが、図4の例では複数のレーン41に跨がるように配置される。例えば、図4の例の左端のオブジェクト42は、左端のレーン41の全部、及びその右隣のレーン41の左半分に跨がるように配置されている。この場合、このオブジェクト42の判定ライン43への到達に合わせて、左端のレーン41に対応する鍵部OI、及びその右隣のレーン41の左半分に対応する鍵部OIのいずれか一つへの押す操作が要求される。そして、このような要求時期(シーケンスデータQDの実行時期)とユーザがその鍵部OIを押す操作を実行した実際の押す操作の時期とのずれ時間が、そのずれ時間が短いほど評価が高くなるように評価される。この例においてゲーム画面40を表示するモニタMOが本発明の出力装置として機能する。
次に、図5を参照して、音楽ゲームをプレイするための開始手順について説明する。開始手順は、ゲームの種類等に応じて各種の手順を適宜に含んでいてよいが、図5の例は対価の徴収と引換に音楽ゲームが提供される場合の開始手順を示している。この場合、図5に示すように、音楽ゲームのプレイを開始するための開始手順は、“対価の支払い”、及び“準備”の手順を含んでいる。また、“対価の支払い”、及び“準備”の順番は、前後してもよく、適宜でよいが、図5の例では“対価の支払い”及び“準備”の順に実行される。“対価の支払い”は、音楽ゲームの提供に必要な所定の対価の支払いを示す手順である。つまり、音楽ゲームのプレイを開始するために、ユーザには、まずコイン投入口COへのコイン(所定の対価に対応する額)の投入が要求される。
“準備”は、音楽ゲームを開始するための各種の準備を示す手順である。つまり、“準備”では、ユーザによって、このような各種の準備が実行される。このような準備は適宜に構成されてよく、例えば音楽ゲームには開始するため各種の選択(あるいは設定)等を含んでいてよいが、一例としてプレイ用の楽曲の選択、及び難易度の選択を含んでいる。つまり、対価の支払いに続いて、ユーザには、音楽ゲームをプレイするための準備として、プレイ用の楽曲の選択、及び難易度の選択が要求される。
楽曲の選択及び難易度の選択は選択機会を通じて実現される。選択機会は、楽曲を選択するための選択機会、及び難易度を選択するための選択機会の互いに別々の選択機会を含んでいてもよいが、一例として楽曲及び難易度を選択する共通の選択機会(二つを選択する一つの選択機会)として提供される。この選択機会には選択時間が設定されるが、その選択時間は、一律でなく、判別用情報に応じて適宜に変化する。判別用情報は、選択機会に設定されるべき選択時間を判別するために使用される情報である。このような判別用情報として、選択時間に関連する各種の情報が利用されてよいが、一例として選択機会における選択の難易度に関連する難易度情報、及び各ユーザの特性に関連するユーザ情報の少なくともいずれか一方が利用される。つまり、音楽ゲームのプレイ前の準備として提供される選択機会(楽曲用の選択機会、及び難易度用の選択機会が別々に提供される場合はそれのいずれか一方だけでもよい)の選択時間は、難易度情報、或いはユーザ情報に応じて長くなったり(増加したり)、短くなったり(減少したり)する。そして、このような選択機会を含む“準備”の手順の後に、音楽ゲームのプレイが開始される。つまり、ユーザに音楽ゲームをプレイするゲームのプレイが実際に提供されるが、図5の例ではそのようなユーザによるゲームの実際のプレイ(ゲームの開始)を示す手順が“ゲームのプレイ”として示されている。
次に、図6~図7を参照して、選択機会に設定される選択時間の変化について説明する。図6は、ユーザ情報に基づく選択時間の変化を説明するための説明図である。選択機会は、音声による提供を含む各種の手法により提供されてよいが、図6の例は楽曲選択画面を通じて提供され、そのような楽曲選択画面に選択時間が提示される場合を示している。このため、図6の例は、二人のユーザにそれぞれ提示される二つの楽曲選択画面を示している。この場合、図6に示すように、二人のユーザUのいずれにもモニタMOを通じて同様の楽曲選択画面50が表示されるが、その楽曲選択画面50に残時間として提示される選択時間(残り時間)は各ユーザUに応じて相違する。
具体的には、楽曲選択画面50は音楽ゲームを開始するための準備の必要性等に応じて各種の領域を含み得るが、図6の例では時間領域51、楽曲領域52、難易度領域53、及び確定領域54を含んでいる。時間領域51は、選択時間を表示するための領域である。時間領域51は適宜に選択時間を提示してよいが、図6の例では残時間として選択時間の残り時間(当初の表示は選択時間)を提示している。確定領域54は、ユーザUの選択結果を確定させるためのタッチ操作が実行される領域である。選択結果の確定は適宜の条件で確定(決定)されてよいが、図6の例では残時間の経過、及び残時間の経過前における確定領域54へのタッチ操作により確定される。
楽曲領域52は、音楽ゲームに使用される楽曲を選択するための領域である。楽曲領域52は、楽曲の選択を適宜に実現するように構成されてよいが、図6の例では楽曲表示欄52Aを通じてこのような選択を実現するように構成される。楽曲表示欄52Aは、ユーザのタッチ操作が実行される(受け付けられる)タッチ領域として機能する領域である。より具体的には、楽曲表示欄52Aには音楽ゲームのプレイのために用意された複数の楽曲のそれぞれに対応する複数の楽曲表示欄52Aが表示され、各楽曲表示欄52Aは音楽ゲームのプレイに使用される楽曲を選択するための選択肢として機能する。そして、各楽曲表示欄52Aへのタッチ操作によりプレイ用の楽曲(一つ、或いは二つ以上の適宜の数でよい)が選択される。タッチ操作を通じて選択された楽曲表示欄52A(楽曲)は、適宜に他の楽曲表示欄52Aと区別されてよいが、図6の例では大きさの相違(選択中の“楽曲B”が他の楽曲表示欄52Aよりも大きい)、及び配色の相違(選択中の“楽曲B”が右斜線、“楽曲A”等のその他が白色)により他の楽曲表示欄52Aと区別されている。また、選択候補の複数の楽曲、及びプレイ用の楽曲として適宜の数が採用されてよいが、図6の例では三つの楽曲(“楽曲A”、“楽曲B”、“楽曲C”)にそれぞれ対応する三つの楽曲表示欄52Aが表示され、それらのうちの一つ(“楽曲B”)がプレイ用の楽曲として選択されている。この例においてこれらの三つの楽曲表示欄52A(あるいは、それらに対応する三つの楽曲)、及びそれらのうち選択中の楽曲表示欄52A(あるいは、それに対応する“楽曲B”)が、本発明の複数の選択肢、及び一部の選択肢として機能する。また、これらの楽曲表示欄52Aへのタッチ操作が入力されるタッチパネルTPが本発明の入力装置として機能する。
難易度領域53は、音楽ゲームがプレイされる場合の難易度を選択するための領域である。難易度領域53は、難易度の選択を適宜に実現するように構成されてよいが、一例として難易度領域53へのタッチ操作を通じて複数の難易度候補を適宜切り替えることにより難易度の選択を実現するように構成される。このため、難易度領域53には、現在選択中の難易度の情報が提示される。具体的には、難易度領域53は、難易度を選択するためのタッチ操作が実行されるタッチ領域として構成される。そして、難易度領域53へのタッチ操作毎にそこに提示される選択中の難易度が切り替えられる。複数の難易度候補として適宜の難易度が用意されてよいが、図6の例では“EASY”、“NORMAL”、及び“HARD”の三つが用意され、それらのうち“NORMAL”が選択されている。このため、難易度領域53には“NORMAL”が表示されている。
楽曲選択画面50の時間領域51に残時間として提示される初期値(選択時間)は、各ユーザUのユーザ情報に応じて設定される。このため、時間領域51には、ユーザ毎に異なる初期値が表示される。このような初期値として適宜の値(時間)が採用されてよいが、図6の例では“1:00”及び“2:00”が使用されている。具体的には、二人のユーザUのうち第1ユーザU1が楽曲等を選択する場合、楽曲選択画面50の時間領域51には残時間の初期値として1分間に対応する“1:00”が設定され、提示されている。一方、二人のユーザUのうち第2ユーザU2が楽曲等を選択する場合、楽曲選択画面50の時間領域51には残時間の初期値として2分間に対応する“2:00”(第1ユーザU1の倍の時間)が設定され、提示されている。つまり、音楽ゲームのプレイのために提供される同じ楽曲選択画面50(選択機会)であるにもかかわらず、そこで選択のために許容される選択時間は第1ユーザU1と第2ユーザU2との間で相違するように設定される。そして、これらの残時間を示す数値は、時間経過を示すように(選択時間の終了時にゼロとなるように)カウントダウンされる。
ユーザ情報は、各ユーザUの性別、年齢、或いは住所といった各種の特性に関する情報を含んでいてよいが、一例として音楽ゲームのプレイに関連する実績情報を含んでいる。また、実績情報は、各ユーザUの技量を示す技量情報、プレイの有無を含むプレイ時間を示す時間情報等のプレイ状況(例えばプレイ時間の他にもプレイ回数、或いはプレイ頻度が含まれてよい)に関するプレイ履歴情報、及び過去の選択機会における選択実績(例えば、1分の選択時間で十分であったか、足りなかったか等)の情報等の選択機会における実績といった実績に関する各種の情報を含んでいてよい。つまり、ユーザ情報に応じて選択時間が設定される場合、これらの技量情報、時間情報、或いは選択実績の情報等に応じて各ユーザUに異なる選択時間が設定され、その選択時間が楽曲選択画面50の時間領域51を通じて各ユーザUに提示される。
具体的には、各ユーザUは、このような技量情報等に応じて適宜に第1ユーザU1及び第2ユーザU2に分類され得るが、図6の例では例えばプレイ時間に応じて第1ユーザU1及び第2ユーザU2に分類される。具体的には、例えば音楽ゲームの経験者(プレイ時間あり)か否か(プレイ時間なし)は楽曲等の選択に要する時間に相違が生じる可能性がある。このため、経験者が第1ユーザU1に、音楽ゲームを初めてプレイするユーザU(プレイ時間なし)が第2ユーザU2にそれぞれ分類され、このようなプレイ時間の情報に基づいて第2ユーザU2(初心者)には第1ユーザU1(経験者)に比べて倍の選択時間が設定されている。つまり、初心者には経験者よりも長い選択時間が設定される。
同様に、例えば、各ユーザUの技量が高い方が選択に要する時間は短い場合が多い。このため、技量の高いユーザUが第1ユーザU1に分類され、技量が高いほど短い選択時間が設定される。また、例えば前回(過去)の選択機会において1分の選択時間において選択時間が十分でないと判断される場合(例えば1分以内に確定領域54へのタッチ操作が実行されない場合)、次回にはそれより長い時間(適宜の単位で増加してよいが、例えば30秒の単位で増加)が選択時間として設定される。一方、前回の選択機会で選択時間よりも早く選択が終了した場合(例えば確定領域54へのタッチ操作が実行された場合)、前回よりも短い時間が選択時間として設定される。短い時間は、前回の選択機会(直近の一度)のみで選択時間よりも早く選択が終了した場合に設定されてもよいし、適宜の条件付きで設定されてもよい。具体的には、例えば、短い時間は、前回の選択時間が一定時間以上早く終了した場合に設定されてもよいし、選択時間の終了が所定回数以上(連続、及び累計の両方を含む)生じた場合(所定期間における頻度として算出されてもよい)に設定されてもよい。また、短い時間として、長い時間の場合と同様に適宜の単位で徐々に(複数段階に)短くなる時間が終了の時期に応じて適用されてもよい。あるいは、短い時間は、前回に要した時間(例えばその他にも平均、或いは最頻値等でもよい)と一致していてもよいし、若干の安全値を含むそれよりも少し長い時間でもよい。つまり長い時間、及び短い時間として適宜の時間が採用されてよい。
一方、図7は、難易度情報に基づく選択時間の変化を説明するための説明図である。また、図7の例は、難易度情報に基づいて設定される選択時間が図6の例と同様に楽曲選択画面を通じて提示される場合を示している。具体的には、図7の例は、(a)変化前の楽曲選択画面50、及び(b)変化後の楽曲選択画面50を示している。この場合、図7に示すように、同じ第1ユーザU1であっても難易度情報の変化に応じて異なる選択時間が設定され、楽曲選択画面50の時間領域51にはそのような異なる選択時間が残時間として提示される。
具体的には、同じ第1ユーザU1に対して、(a)変化前の楽曲選択画面50が示すように難易度情報の変化前には“1:00”が、一方(b)変化後の楽曲選択画面50が示すように難易度情報の変化後には“2:00”が、それぞれ残時間(選択時間)として楽曲選択画面50の時間領域51に提示される。つまり、第1ユーザU1には、ユーザ情報等に応じて適宜に選択時間が設定され得るが、図7の例では難易度情報の変化前に図6の例と同様の1分を示す選択時間が、難易度情報の変化後にそれとは異なる2分を示す選択時間(変化前の倍の時間)が、それぞれ設定されている。このように例えば同じ第1ユーザU1であっても難易度情報が相違する場合には異なる選択時間が設定され、楽曲選択画面50の時間領域51に残時間として提示される。
難易度情報は、選択機会における選択の難易度に関連する各種の情報を含んでいてよいが、例えば選択肢(楽曲、或いは難易度)の変化(数の増減、及び数が変わらずとも選択肢の内容が変化する等の対象の変化を含む)、各種プレイモードが用意される場合のそのプレイモードの変化(同様に数、及び対象の変化を含む)、UI(ユーザインターフェイズ)等の選択手法の変化といった各種の変化に関する変化情報を含む。例えば、新しい選択肢が追加された(選択肢の数が増加した)場合には各ユーザUにはその新しい選択肢に関する検討が要求される場合が多い。このため、既に検討済みの選択肢だけの場合に比べて、新しい選択肢が追加される場合には選択肢を選択する難易度が上がる可能性が高く、少なくとも難易度には関連する。このため、変化前よりも長い選択時間が要求される可能性がある。数が減少する場合も同様に選択の難易度に関連するが、数が増加する場合とは反対に難易度は低下する可能性があり、選択時間の短縮を実現できる可能性がある。また、数が変化しなくとも、例えば“楽曲A”が選択肢からなくなり、“楽曲C”が追加される(楽曲が入れ替えられる)場合にはやはり新しい“楽曲C”に関する検討が必要となるため、選択の難易度は上がる可能性がある。このため、このような楽曲(選択肢)の変化に関連する楽曲データMDが更新された場合には、同じ第1ユーザU1であっても異なる選択時間が設定される。プレイモードやUIが変化した場合、つまりゲームプログラムPG2等の難易度に影響を与える各種プログラム、或いはデータが更新された場合も同様である。結果として、これらの各種更新履歴の情報が難易度情報として機能し、各種更新の前後において同じユーザUに異なる選択時間が設定される。
次に、図8及び図9を参照して、プレイデータPD、及び更新データUDの詳細について説明する。図8は、プレイデータPDの構成の一例を示す図である。図8に示すように、プレイデータPDは音楽ゲームに関連する各種実績をユーザU毎に管理するためのプレイレコードPDRを含んでいる。また、プレイレコードPDRは、このような管理を実現するために、“ユーザID”、“レベル”、及び“プレイ実績”の情報を含んでいる。“ユーザID”は、各ユーザを識別するためにユーザ毎にユニークなユーザIDを示す情報である。一方、“レベル”、及び“プレイ実績”の情報は、音楽ゲームのプレイに関連する各種実績を示す情報である。具体的には、例えば、“レベル”は、各ユーザのレベル(技量)を示す情報である。各レベルはアルファベット、或いは称号等の各種の情報を通じて適宜に管理されてよいが、例えば各レベルが数値を通じて管理される場合、“レベル”にはそのような数値を示す情報が記述される。
“プレイ実績”は、音楽ゲームのプレイ実績を示す情報である。プレイ実績は、音楽ゲームの管理等の都合により、プレイ日時、プレイ時間、プレイ回数、プレイ頻度或いは所有するアイテム等の各種の情報を適宜に含んでいてよい。また、プレイ実績は、その他にも例えば選択機会における過去の実績に関する情報を含んでいてよい。このような選択機会の実績に関する情報には、各種の情報が適宜に含まれてよいが、一例として過去の選択機会において設定された選択時間、その選択時間において選択が確定されたか否かを示す情報、及び選択時間内に確定されている場合にはその確定までに要した時間が含まれる。プレイレコードPDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この例において“ユーザID”に記述されるユーザIDの情報が本発明のユーザ識別情報として機能する。また、“レベル”に記述されるレベル(技量)の情報、或いは“プレイ実績”に記述されるプレイ時間の情報等が本発明のユーザ情報として機能する。なお、プレイデータPDには、これらに限定されず、管理の都合等に応じて音楽ゲームのプレイに関連する各種の情報が適宜に記述されてよい。例えば、ユーザUの年齢、性別、住所等の特性がユーザ情報として利用される場合には、これらの情報がプレイデータPDに記述されてもよい。あるいは、上述の情報は適宜に省略されてもよい。
図9は、更新データUDの構成の一例を示す図である。図9に示すように、更新データUDは、更新履歴をその対象毎に管理するための更新レコードUDRを含んでいる。また、更新レコードUDRは、このような管理を実現するために、“対象”、“更新日時”、及び“更新履歴”の情報を含んでいる。“対象”は、更新(アップデート)の対象を示す情報である。更新データUDは、各種プログラム、及び各種データの更新(アップデート)の管理に適宜に利用されてよく、“対象”にはそれらの更新対象を示す情報が記述される。例えば、更新対象がプレイデータPDの場合にはプレイデータPDを示す情報が、楽曲データMDの場合には楽曲データMDを示す情報が、シーケンスデータQDの場合にはシーケンスデータQDを示す情報が、それぞれ“対象”に記述される。あるいは、更新対象がゲームプログラムPG2の場合にはそのゲームプログラムPG2を示す情報が“対象”に記述される。
“更新日時”、及び“更新履歴”は、それぞれ更新対象の更新日時、及び更新履歴を示す情報である。“更新履歴”には、各種の更新履歴の情報が適宜に記述されてよいが、例えば楽曲データMDに楽曲を追加する更新が実行された場合にはその追加数、及び追加楽曲を示す情報が記述される。また、楽曲が置換される(楽曲数に変化はないが、その内容が変化する)更新が楽曲データMDに実行された場合には削除される楽曲、及び追加される楽曲が更新履歴の情報として“更新履歴”に記述される。プレイデータPD等の他のゲームデータGDに更新が実行される場合も同様である。同様に、UI、或いはプレイモードの変化を実現する更新がゲームプログラムPG2に実行される場合にも、その更新内容が更新履歴として“更新履歴”に記述される。更新レコードUDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この例において“更新履歴”に記述される各種の更新履歴の情報が本発明の難易度情報として機能する。また、このような“更新履歴”を含むことにより更新データUDが本発明の難易度情報データとして機能する。なお、更新データUDには、これらに限定されず、管理の都合等に応じて各種データ等の更新に関連する各種の情報(履歴)が適宜に記述されてよい。あるいは、上述の情報は適宜に省略されてもよい。
次に、図10及び図11を参照して、第1時間設定処理、及び第2時間設定処理について説明する。第1時間設定処理、及び第2時間設定処理は、いずれも判定用情報に基づいて選択機会に選択時間を設定するための処理であるが、第1時間設定処理は判定用情報としてユーザ情報が利用される場合の時間設定処理である。また、ユーザ情報には各ユーザUの各種特性に関する情報が含まれ、そのような各種特性の情報が判別用情報として利用され得るが、図10の例はユーザ情報に含まれる実績情報が判別用情報として利用される場合の第1時間設定処理を示している。
図10の例の場合、ゲーム制御部36は、選択機会の提供(例えば楽曲選択画面50の表示)が要求される毎に図10の第1時間設定処理を開始し、まずその選択機会を提供する対象のユーザUのユーザIDが取得されているか否か判別する(ステップS101)。ユーザIDは手入力等の各種の手法によりユーザUから提供されてよいが、一例としてゲーム制御部36はIDカードとしてのカードCを介してユーザIDが取得されているか否か判別する。また、IDカードの読み取りは選択機会の提供時(例えば楽曲選択画面50の表示時)等の適宜の時期に要求されてよいが、例えば対価の支払いの後に準備の手順の一部として要求される。
ユーザIDの情報が取得されていない場合、ゲーム制御部36は、選択時間として初回用時間を今回の選択機会に設定する(ステップS102)。初回用時間として、適宜の時間が採用されてよいが、一例として予め用意される一律の固定時間が利用される。固定時間は適宜でよいが、ユーザIDが提供されない場合、初めてプレイするユーザU(初心者)の可能性があるため、一例として初心者に適する比較的長い時間(例えば図6の例の2分等)が利用される。
一方、ユーザIDが取得されている場合、ゲーム制御部36はプレイデータPDを取得する(ステップS103)。プレイデータPDはユーザIDの取得時にセンターサーバ2から取得されてもよいし、今回の処理において取得されてもよい。あるいは、予め全ユーザU用のプレイデータPDがセンターサーバ2から取得されていてもよい。いずれにしてもゲーム制御部36は、今回のユーザIDに対応するプレイレコードPDR(ユーザ情報)を含むようにそのプレイデータPDを取得する。
続いてゲーム制御部36は、ステップS103で取得したプレイデータPDのプレイレコードPDRを参照し、実績情報に応じた選択時間を今回の選択機会に設定する(ステップS104)。例えばプレイ実績の有無だけでなく、プレイ時間に応じて複数段回の選択時間の候補が用意される場合には、ゲーム制御部36はプレイデータPDの“プレイ実績”に含まれるプレイ時間の情報を参照し、そのプレイ時間に応じた選択時間を今回の選択機会に設定する。あるいは、ゲーム制御部36は、プレイデータPDの“レベル”の情報を参照し、各ユーザUの技量に応じた選択時間を今回の選択機会に設定する。そして、このような設定の後にゲーム制御部36は今回の第1時間設定処理を終了する。これにより、ユーザ情報、より具体的には実績情報に応じて選択時間が変化するように選択機会に選択時間が設定される。
一方、第2時間設定処理は、判定用情報として難易度情報が利用される場合の時間設定処理である。また、難易度情報には選択機会における選択の難易度に関連する各種情報が含まれ、そのような各種情報が判別用情報として利用され得るが、図11の例は更新履歴の情報、換言すれば更新履歴として管理される楽曲の変化等の情報が判別用情報として利用される場合の第2時間設定処理を示している。この場合、ゲーム制御部36は、選択機会の提供(例えば楽曲選択画面50の表示)が要求される毎に図11の第2時間設定処理を開始し、まず更新データUDを取得する(ステップS201)。更新データUDは事前にセンターサーバ2から取得されてもよいし、今回の処理において取得されてもよい。いずれにしてもゲーム制御部36は、所定期間に含まれる更新日時に対応する更新レコードUDR(更新履歴の情報)を含むように更新データUDを取得する。
続いてゲーム制御部36は、ステップS201で取得した更新レコードUDRを参照し、所定のデータ等に更新履歴が存在するか否か判別する(ステップS202)。具体的には、例えば、楽曲の変化が難易度情報として利用される場合、ゲーム制御部36は更新レコードUDRの“対象”及び“更新履歴”の情報を参照し、楽曲データMDに更新履歴が存在するか否か判別する。同様に、UIの変化等が難易度情報として利用される場合、ゲーム制御部36はゲームプログラムに更新履歴(UIの変化等に対応する履歴)が存在するか否か判別する。また、更新履歴の参照は、適宜の期間実行されてよいが、一例として更新履歴に基づく選択時間の変化が所定期間に制限されるように所定時間に限定されて実行される。このような所定期間は、適宜の期間であってよいが、一例として一ヶ月の期間が利用される。つまり、ゲーム制御部36は、“更新日時”の情報を参照し、上述のような更新履歴が一ヶ月以内に存在するか否か判別する。あるいは、更新履歴に基づく選択時間の変化が更新後の初回のプレイに限定されるように、所定期間として各ユーザUの前回のプレイ日時から今回のプレイ日時までの期間(ユーザU毎に可変的な期間)が採用されてもよい。この場合、ゲーム制御部36は、プレイデータPDのプレイ日時の情報を更に参照して所定期間を判別し、そのような所定期間内に更新履歴が存在するか否か判別する。そして、更新履歴が存在しない場合、ゲーム制御部36は以降の処理をスキップして今回の第2時間設定処理を終了する。この場合、ユーザ情報に基づいて選択時間が設定される場合にはそのようなユーザ情報に基づく選択時間が選択機会に設定される。あるいは、ユーザ情報に基づく選択時間の設定が実行されない場合には、例えば所定の選択時間が選択機会に設定されてもよい。
一方、更新履歴が存在する場合、ゲーム制御部36はその更新履歴に応じて選択時間を設定する(ステップS203)。例えば、ゲーム制御部36は、楽曲の数に変化が生じている場合、ユーザ情報に基づく選択時間、或いは所定の選択時間(ユーザ情報に基づく選択時間の設定が実行されない場合の選択時間)に適宜の時間を追加した選択時間を選択機会に設定する。このような追加される時間は、楽曲数にかかわらず一律であてもよいし、楽曲数に応じて例えば一曲毎に5秒等の所定の規則に従って適宜に算出されてもよい。楽曲の対象が変化している場合、或いはその他にUI等が変化している場合も同様である。そして、この設定の後にゲーム制御部36は今回の第2時間設定処理を終了する。これにより、難易度情報、より具体的には楽曲の変化等の各種の更新履歴に応じて選択時間が変化するように選択機会に選択時間が設定される。
以上に説明したように、この形態によれば、楽曲等の選択機会にはユーザ情報、及び楽曲等の選択の難易度の関連する難易度情報の少なくともいずれか一方に応じて選択時間が設定される。より具体的には、例えばユーザの技量やユーザのプレイ時間に応じて、或いは楽曲の変化やUIの変化等の各種更新履歴に応じて選択時間が変化するように選択時間が設定される。これにより、ユーザの技量等のユーザ情報、及び楽曲の変化等に対応する更新履歴等の難易度情報の少なくとも一方の情報を、選択機会における選択時間に反映することができる。結果として、例えば常に一律の同じ選択時間が設定される場合等、このようなユーザ情報等が反映されない場合に比べて、複数の楽曲等の複数の選択肢から一部の選択肢を選択する選択機会に、より適切な選択時間を設定することができる。
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム制御部36が、図7の手順のステップS103、或いは図8の手順のステップS201を実行することにより本発明の情報取得手段として機能する。同様に、ゲーム機3のゲーム制御部36が、図7の手順のステップS104(ステップS102を含んでもよい)、或いは図8の手順のステップS203を実行することにより本発明の時間設定手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、楽曲選択画面50には選択時間として残時間がそのまま分及び秒として提示されている。結果として、時間領域51の残時間の初期値はユーザUに応じて、或いは難易度情報に応じて相違している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、楽曲選択画面50の時間領域51には、選択時間の残時間(残り時間)として、分及び秒に限定されず時間を示す適宜の数値が利用されてよく、更には分及び秒(時間を示す数値)とは別の数値が提示されてもよい。具体的には、例えば、楽曲選択画面50の時間領域51には選択時間の長短に関わらず一律に同じ初期値が提示されてもよい。この場合、残り時間がゼロになった場合にその数値もゼロに至るように選択時間の長短に応じてその数値の更新間隔が調整されてよい。つまり、ユーザUの相違、及び難易度情報の相違に関わらず、一律の初期値が選択時間の残時間として時間領域に提示されるものの、その更新間隔はユーザUの相違等に応じて変化してもよい。より具体的には、例えば選択時間が1分のユーザUは2分のユーザUに比べて半分の間隔、つまり0.5秒毎に数値が減少してもよい。
残時間として分及び秒等の時間とは別の数値が時間領域51に提示される場合、その提示は適宜に実現されてよいが、例えばカウントダウン処理を通じて実現される。カウントダウン処理は、選択時間の長短に応じて更新間隔を調整するように残時間としての数値をカウントダウンする処理である。このようなカウントダウン処理は、制御ユニット31により適宜に実行されてよいが、一例としてゲーム制御部36を通じて実行される。また、ゲーム制御部36は、カウントダウン処理を適宜に実行してよいが、一例として図12の手順を通じて実行する。具体的には、ゲーム制御部36は、楽曲選択画面50の表示が開始される毎に図12のカウントダウン処理を開始し、まず図10、或いは図11の処理を通じて設定された選択時間を取得する(ステップS301)。
続いてゲーム制御部36は、楽曲選択画面50の時間領域51に残時間を示す数値の初期値を提示する(ステップS302)。初期値として、適宜の数値が採用されてよいが、一例として“60”の数値が採用される。次にゲーム制御部36は、残り時間がゼロになった場合に残時間を示す数値もゼロに至るように選択時間の長短に応じた間隔で、その数値を更新する(ステップS303)。具体的には、選択時間が1分のユーザUの場合には一秒毎に、選択時間が2分のユーザUの場合には二秒毎に、ゲーム制御部36は残時間を示す“60”の数値が一つ減少するようにその数値を更新(カウントダウン)する。
続いてゲーム制御部36は、その更新後に残時間を示す数値がゼロに至ったか否か判別する(ステップS304)。数値がゼロに至っていない場合、ゲーム制御部36はステップS303に戻り、選択時間の長短に応じた間隔で残時間を示す数値を再度更新する。一方、数値がゼロに至った場合、ゲーム制御部36は数値の更新(カウントダウン)を終了し、今回のカウントダウン処理を終了する。これにより、楽曲選択画面50の時間領域51には選択時間の長短に関わらず一律に同じ初期値が提示される一方で、残り時間がゼロになった場合にその数値もゼロに至るように選択時間の長短に応じた間隔でその数値が更新される。この場合、各ユーザUには、ユーザ情報等の相違に関わらず一律に同じ初期値が設定される。このため、選択時間の相違が残り時間の初期値から各ユーザUに認識されることを抑制することができる。結果として、初期値に相違が生じる場合に比べて、各ユーザUに生じ得る不公平感を低減することができる。この例において、ゲーム制御部36が図12の手順のステップS302を実行することにより本発明の初期値提示手段として機能する。同様に、ゲーム制御部36が図12の手順のステップS303を実行することにより本発明の数値更新手段として機能する。
また、ゲーム機3はアーケードゲーム機に限定されず、据え置き型のいわゆる家庭用ゲーム装置やユーザ端末装置4等がゲーム機3として利用されてもよい。また、ゲーム機3はこれらのユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。この場合、上述の形態のゲーム機3の役割(各種処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。結果として、一台のセンターサーバ2(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してよい。さらに、この場合、ゲーム機3はネットワーク3に接続される必要もない。結果として、ネットワーク接続可能なコンピュータ装置だけでなく、家庭用ゲーム機等の各種の独立型のコンピュータ装置が適宜にゲーム機3として機能してもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、各ユーザ(U)が入力装置(TP)を介して複数の選択肢(52A)から一部の選択肢(52A)を選択する選択機会を含むゲームを、出力装置(MO)を介して提供するゲームシステム(1)であって、各ユーザの特性に関連するユーザ情報、及び前記選択機会において前記一部の選択肢を選択する場合の選択の難易度に関連する難易度情報の少なくともいずれか一方の情報としての判別用情報を、前記ユーザ情報と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述されたプレイデータ(PD)、或いは前記難易度情報を管理する難易度情報データ(UD)から取得する情報取得手段(36)と、前記選択機会において前記一部の選択肢を選択するための選択時間が前記判別用情報に応じて変化するように、前記判別用情報に基づいて前記選択時間を設定する時間設定手段(36)と、を備える、ものである。
本発明によれば、選択機会にはユーザの特性に関連するユーザ情報、及び選択機会における選択の難易度に関連する難易度情報の少なくともいずれか一方に応じて変化するように選択時間が設定される。これにより、選択機会における選択時間に、ユーザ情報及び難易度情報の少なくともいずれか一方を反映することができる。結果として、このようなユーザ情報等が反映されない場合に比べて、複数の選択肢から一部の選択肢を選択する選択機会に、より適切な選択時間を設定することができる。
難易度情報として、選択機会における選択の難易度に関連する各種の情報が採用されてよい。例えば、選択肢の数の変化、選択肢自体の変化(入れ替わり)、プレイ用の各種モードの変化(数の変化及びモード自体の変化の両方を含む)、或いは各種UI(ユーザインターフェイス)の変化等が選択機会における選択の難易度に関連すると考えられる。このため、これらの情報が適宜に難易度情報として使用されてよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記情報取得手段は、前記難易度情報が前記複数の選択肢の数の変化、各選択肢の変化、及び選択手法の変化の情報の少なくともいずれか一つの情報としての変化情報を含む場合に、前記判別用情報として前記難易度情報データから前記変化情報を取得してもよい。
同様に、ユーザ情報として、ユーザの特性に関連する各種の情報が採用されてよい。例えば、ユーザの年齢、性別、住所、或いはゲームのプレイに関する各種の実績がユーザの特性に関連すると考えられる。また、ゲームのプレイに関する実績には各種の実績が含まれ得るが、例えばプレイ時間、プレイ回数、プレイ頻度、ゲームにおける各ユーザの技量、或いは過去の選択機会において要した時間等の実績が含まれる。このため、これらの情報が適宜にユーザ情報として使用されてよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記情報取得手段は、前記ゲームにおける各ユーザの技量を示す技量情報、及び各ユーザの前記ゲームのプレイ時間或いはプレイ回数を含むプレイ状況に関するプレイ履歴情報の少なくともいずれか一つの情報として実績情報を前記ユーザ情報が含む場合に、前記判別用情報として前記プレイデータから前記実績情報を取得してもよい。
選択機会における選択時間、或いはその残り時間の情報は適宜にユーザに提供されてよい。例えば、それらは音声を通じて聴覚的に提供されてもよいし、各種の画像を通じて視覚的に提供されてもよい。また、残り時間が提供される場合、その提供も適宜に実現されてよい。例えば、残り時間は、残り時間(分及び秒等)としてそのまま提供されてもよいし、分及び秒とは別の数値として提供されてもよい。残り時間が、分及び秒とは別の数値として提供される場合、残り時間がゼロになった場合にその数値もゼロになる限り、その数値の更新は適宜に実現されてもよい。例えば、分及び秒と同様に機能するように残り時間に応じて初期値が設定され、分及び秒の経過に同期してその数値がゼロに至るように更新(カウントダウン)されてもよい。あるいは、その数値には選択時間の長短に関わらず一律に同じ初期値が設定され、残り時間がゼロになった場合にその数値もゼロに至るように選択時間の長短に応じてその数値の更新間隔が調整されてもよい。
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記選択機会において前記選択時間の残り時間を示す数値として前記選択時間の相違に関わらず一律の初期値を提示する初期値提示手段(36)と、前記残り時間がゼロになった場合に前記数値がゼロを示すように前記選択時間に応じて前記数値を前記初期値から異なる間隔で更新する数値更新手段(36)と、を備える態様が採用されてもよい。この場合、各ユーザにはユーザ情報等に関わらず一律の初期値が設定される。このため、選択時間の相違が残り時間の初期値からユーザに認識されることを抑制することができる。結果として、初期値に相違が生じる場合に比べて、ユーザの不公平感を低減することができる。
ゲームとして、複数の選択肢から一部の選択肢を選択する選択機会を含む限り、各種のゲームが提供されてよい。例えば、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲーム、パズルゲーム、或いはタイミングゲーム等の適宜のゲームが提供されてよい。そして、選択機会は、このようなゲームに含まれる各種の選択肢を選択する機会として構成されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記選択機会は、前記入力装置を介して入力されるべきプレイ行為の実行時期を、前記出力装置を介して楽曲のリズムに合わせて案内するタイミングゲームが前記ゲームとして提供される場合に、前記複数の選択肢として複数の楽曲が利用され、当該複数の楽曲から前記一部の選択肢として前記楽曲が選択されるように構成されてもよい。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記入力装置、及び前記出力装置に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
また、本発明の制御方法は、各ユーザ(U)が入力装置(TP)を介して複数の選択肢(52A)から一部の選択肢(52A)を選択する選択機会を含むゲームを、出力装置(MO)を介して提供するゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(31)に、各ユーザの特性に関連するユーザ情報、及び前記選択機会において前記一部の選択肢を選択する場合の選択の難易度に関連する難易度情報の少なくともいずれか一方の情報としての判別用情報を、前記ユーザ情報と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述されたプレイデータ(PD)、或いは前記難易度情報を管理する難易度情報データ(UD)から取得する情報取得手順と、前記選択機会において前記一部の選択肢を選択するための選択時間が前記判別用情報に応じて変化するように、前記判別用情報に基づいて前記選択時間を設定する時間設定手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。