以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してゲーム機3をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、サーバ2及びゲーム機3のそれぞれをインターネットに接続するLAN、あるいはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等を含んでよい。
図1の例では、ゲーム機3としてゲーム機3A、3B、3Cが示されている。ゲーム機3はいずれもゲームを提供するゲーム装置の一例である。ゲーム機3Aはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の支払いと引き換えにそのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる業務用ゲーム機として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。この種のゲーム機3A(以下、アーケードゲーム機3Aと呼ぶ場合がある)は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される場合が多い。一方、ゲーム機3B、3Cは、ユーザの個人的な使用に供される家庭用の据置型ゲーム機、或いは携帯型のゲーム機である。このようなゲーム機3B、3C(以下、据え置き型ゲーム機3B、或いは携帯型ゲーム機3Cとそれぞれ呼ぶ場合があり、これらを区別しない場合にはユーザ端末装置型のゲーム機3と呼ぶ場合がある)として、スマートフォン等の携帯電話機又は携帯情報端末(タブレット端末、及びパーソナルコンピュータを含む)が機能してよい。なお、図1の例では、複数種類のゲーム機3がセンターサーバ2に接続されているが、センターサーバ2に接続されるゲーム機3は一種類であってもよい。
ゲーム機3はいずれも音楽ゲームを提供する。音楽ゲームは、タイミングゲームの一種である。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームの場合、その適切なプレイ行為を実行すべき実行時期が楽曲とともに提供される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムと一致する時期が実行時期として利用される。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際にプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。また、例えば、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。例えば、そのような音楽ゲームは、表示装置に表示されるゲーム画面を通じて提供される。具体的には、このようなゲーム画面は、各実行時期に対応する指示標識及び現在時刻の基準として機能する基準標識を含み、それらの指示標識及び基準標識を利用し、各実行時期において指示標識及び基準標識の位置が一致するように指示標識と基準標識との間に相対的変位を生じさせることにより各実行時期を案内する。なお、ゲーム機3は、このような音楽ゲームに限定されず、各種のタイミングゲーム(実行時期の案内及び評価を行うゲーム)を提供してよい。
ゲームシステム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4A、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4Bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。なお、このようなユーザ端末装置4がコンピュータソフトウエアを通じてゲーム機3として機能してもよい。
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3に音楽ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。また、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービスを含んでいる。ゲームシステム1は、このようなマッチングサービスを通じて音楽ゲームを、ゲーム画面を複数のユーザに共通させることによりその複数のユーザ間において進行を共通させる複数プレイ型のゲームとして提供する。
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データが記憶される。そのようなサーバ用データは音楽ゲーム用の各種のデータを含んでいるが、図2の例ではそのような各種のデータの一種として、楽曲データMD及びシーケンスデータQDが示されている。
楽曲データMDは、音楽ゲームで使用される楽曲を再生するためのデータである。シーケンスデータQDは、音楽ゲームにおいてユーザによってプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたデータである。シーケンスデータQDは、このような各実行時期をユーザに案内するために使用される。また、ユーザによって実際にプレイ行為が実行された場合には、シーケンスデータQDの実行時期に基づいてそのプレイ行為が評価される。つまり、シーケンスデータQDに基づいて各実行時期の案内及びその評価が実行される。このため、シーケンスデータQDには、各実行時期、及びその実行時期に実行されるべき適切なプレイ行為の情報が互いに関連付けられるように記述される。また、音楽ゲームにおいて、複数の楽曲或いは複数の難易度が用意される場合には、シーケンスデータQDは楽曲毎或いは難易度毎に用意される。シーケンスデータQDの詳細は更に後述する。
なお、サーバ用データは、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、プレイデータやID管理データ等が含まれてよい。プレイデータは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。ID管理データは、ユーザID等の各種IDを管理するためのデータである。しかし、それらの図示は省略した。
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム機サービス管理部24が設けられる。ゲーム機サービス管理部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム提供部33が設けられる。ゲーム提供部33は、ゲームの進行に必要な各種の処理を実行するとともに、センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。具体的には、ゲーム提供部33は、例えば、このようなゲームの進行に必要な各種の処理の一部として、対象特定処理、シーケンス処理、個別案内処理、及び個別評価処理を実行する。これらの処理の手順については後述する。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、音楽ゲームの提供に必要なゲームデータが記録されるが、そのようなゲームデータの一部として図2の例では楽曲データMD及びシーケンスデータQDが示されている。楽曲データMD及びシーケンスデータQDは、いずれも配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。なお、ゲームデータは、その他にもゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、及び各種のBGMを再生するためのBGMデータ等を含んでいる。しかし、これらの図示は省略した。
また、ゲーム機3にはアーケードゲーム機3A、或いはユーザ端末装置型のゲーム機3等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、図2の例では表示装置としてのモニタ37、及びスピーカSPがゲーム機3に設けられる出力装置として示されている。モニタ37、及びスピーカSPは、それぞれゲーム画面等を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。同様に、図2の例では、ゲーム機3に設けられる入力装置として、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置36が示されている。入力装置36は、ゲーム機3の種類に応じて適宜に構成されてよい。例えば、アーケードゲーム機3Aの場合、入力装置36として足で踏むように押す押しボタン付きのステージが利用されてもよい。そして、このステージの上でユーザは音楽ゲームをプレイしてよい。この場合、足で押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。一方、例えば、据え置き型ゲーム機3Bの場合、入力装置として複数の押しボタンを含むキーボード、或いは専用のコントローラ(主として足で操作するために床等に敷いて用いるマットコントローラを含む)が使用されてよい。この場合、それらの押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。同様に、例えば、携帯型ゲーム機3Cの場合、入力装置として、例えば、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力するタッチパネルが利用されてよい。この場合、タッチ操作及びその位置がプレイ行為として利用される。また、携帯型ゲーム機3Cに、有線または無線で専用のコントローラ(上述のマットコントローラを含む)が接続され、使用されてもよい。
なお、その他にも、例えばアーケードゲーム機3Aには、現金、代替硬貨、メダル、電子通貨(ポイントを含む)、クレジットカード機能等を利用してユーザからゲームに必要な所定の対価を徴収するための対価徴収装置が入力装置として設けられてもよい。そして、そのような装置によって、例えば電子通貨の残量を記録するカードを介して電子通貨等の各種の対価が徴収されてよい。また、例えばユーザ端末装置型のゲーム機3の場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3は音楽ゲームを有償(追加的範囲のプレイ等のためにゲームの一部が有償の場合を含む)で提供しても、無償(事前にソフトウエアを購入している場合を含む)で提供してもよい。音楽ゲームが有償で提供される場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3においてその対価は各種の周知の決算処理を通じて徴収されてよい。
次に、図3〜図5を参照しつつ音楽ゲームの提供するためのゲーム画面について説明する。音楽ゲームは、一人プレイとして一人のユーザに提供されてもよいが、複数プレイとして複数のユーザに提供されてもよい。以下では、複数のユーザによってプレイされる場合の複数プレイ型のゲームとして音楽ゲームが提供される場合のゲーム画面の一例を説明する。このような音楽ゲームの場合、音楽ゲームは複数のユーザ(コンピュータを含んでよい)が互いに協力する協力プレイ型のゲームとして提供されてもよいし、互いに競い合う対戦型のゲームとして提供されてもよいが、いずれにしても複数のユーザ間で進行が共通するようにプレイされる。また、このような複数プレイ用の各ユーザは、マッチングサービスを通じてマッチングされる。なお、マッチングサービスは、例えば一台のゲーム機3Aが周辺のユーザ、あるいは同一施設内の他のゲーム機3Aのユーザをマッチングするようにゲーム機3Aによって実現されてもよい。つまり、センターサーバ2としてゲーム機3Aが機能してもよい。
図3は、音楽ゲームを提供するためのゲーム画面の一例を模式的に示す図である。図3に示すように、複数プレイ型のゲームとして音楽ゲームが提供される場合、ゲーム画面50は、案内領域としての共通案内領域51、及び個別案内領域52を含んでいる。共通案内領域51は、上述のような指示標識と基準標識との間の相対的変位を通じて同じ音楽ゲームをプレイする複数のユーザの全員に実行時期を案内するための領域である。つまり、共通案内領域51は、音楽ゲームをプレイする複数のユーザによって共通に使用される。共通案内領域51には、各実行時期を案内するために、基準標識としての4つの固定矢印画像53(図3の白抜きの矢印画像)、及び指示標識としての移動矢印画像54(図3の黒塗りの矢印画像)が表示される。4つの固定矢印画像53は所定の位置に固定的に配置される。具体的には、これらの固定矢印画像53は、所定の位置として共通案内領域51内において上側(上端付近)に横方向に等間隔で並ぶように配置される。また、これらの4つの固定矢印画像53の一つ一つが基準標識として機能する。
一方、移動矢印画像54は、シーケンスデータQDに基づいて適宜に共通案内領域51の下方に出現し、その出現位置から所定の経路(視覚的に認知されなくてもよいため不図示)に沿って上方に移動する。共通案内領域51には、固定矢印画像53毎に経路が設けられる。各経路は、出現位置(共通案内領域51の下端)から4つの固定矢印画像53のいずれか一つを通過しつつ上端まで延びている。各移動矢印画像54は、そのような経路に沿って出現位置から固定矢印画像53(あるいはその先の上端)に向かって移動する。また、4つの固定矢印画像53は別々の方向(左、下、上、右の4方向)を向くように表示されるが、各移動矢印画像54は到達先の固定矢印画像53の向きと一致するように各固定矢印画像53に対応する経路上に配置される。つまり、移動矢印画像54は、4つの固定矢印画像53と同様の4種類の向きに分類され、各固定矢印画像53の位置において各固定矢印画像53の向きと一致するように各経路に配置される。
そして、音楽ゲームをプレイする複数のユーザには、いずれにも各移動矢印画像54の固定矢印画像53への到達に合わせて適切なプレイ行為が要求される。具体的には、例えばアーケードゲーム機3Aの場合、適切なプレイ行為として各押しボタンのうち各固定矢印画像53に関連付けられる押しボタン(各固定矢印画像53と同様の向きの矢印が提示されていてもよい)を足で踏む操作が要求される(マットコントローラが使用される場合はユーザ端末装置型のゲーム機3においても同様)。同様に、例えば据え置き型ゲーム機3Bの場合、各固定矢印画像53に関連付けられる押しボタンを押す操作が、携帯型ゲーム機3Cの場合、各固定矢印画像53に対応する位置へのタッチ操作が、それぞれ要求される。そして、そのような適切なプレイ行為が実際に実行された場合にはその実際のプレイ行為の実行時期とシーケンスデータQDに記述された実行時期との間のずれ時間がそのずれが小さければ小さいほど評価が高くなるように評価される。この評価結果は得点(ポイント)として各ユーザに付与される。さらに、そのようなずれ時間の評価が所定基準以上の評価結果(例えばシーケンスデータQDの実行時期を基準にその前後の所定範囲にずれ時間が含まれる結果)の場合、その連続性(以下、コンボと呼ぶ場合がある)も評価される。そして、その連続性が継続すればするほど、つまり連続性の回数が増えれば増えるほど高い評価結果が与えられる。このような連続性の評価も得点を通じて実現されるが、ずれ時間の評価結果に対応する得点とは別に付与される。つまり、このような連続性の評価結果に対応する得点は追加的なボーナスとして機能する。なお、例えば携帯型ゲーム機3C等、入力装置36としてタッチパネルが使用される場合には、各移動矢印画像54の固定矢印画像53への到達に合わせて、矢印の方向に画面上で指をスライドさせるスライド操作、或いはフリック操作がユーザに要求されてもよい。
一方、個別案内領域52は、音楽ゲームをプレイする複数のユーザのそれぞれに個別に対応する領域である。このため、ゲーム画面50には、音楽ゲームをプレイする複数のユーザにそれぞれ対応する複数の個別案内領域52が設けられる。各個別案内領域52には、4つの固定矢印画像53を含むように共通案内領域51の一部範囲が表示される。具体的には、一部範囲として4つの固定矢印画像53から経路に沿って下方(時間軸方向)における所定時間(例えば楽曲の一小節に対応する時間)前に位置する範囲(所定時間内に各固定矢印画像53に到達予定の各移動矢印画像54を含む範囲)が使用される。そして、このような範囲では、共通案内領域51と同期するように各移動矢印画像54が各固定矢印画像53に向かって移動する。つまり、各個別案内領域52は、各移動矢印画像54の移動及び各固定矢印画像53(換言すれば相対的変位)を通じて共通案内領域51と重複するように同じ実行時期を同時に案内する。結果として、各個別案内領域52は、共通案内領域51と同様の移動矢印画像54の移動等を通じて各実行時期を共通案内領域51とともに重複的に各ユーザに案内する。さらに、各個別案内領域52には、各ユーザの評価結果が個別に表示される。つまり、各ユーザが実行したプレイ行為の評価結果は、各ユーザに対応する個別案内領域52に表示される。コンボの回数も同様である。つまり、各ユーザが獲得した得点、及びコンボに伴うボーナス等はいずれも個別案内領域52に提示される。このため、各個別案内領域52は、このような獲得得点を表示するための個別得点領域55、及び各ユーザがそれぞれ継続中のコンボ数を表示するためのコンボ情報領域56を含んでいる。
図3の例では、4名のユーザが同じ音楽ゲームをプレイする協力プレイ型のゲームとして音楽ゲームがプレイされている。このため、ゲーム画面50には、中央に位置する共通案内領域51を挟むように左右に2つずつの個別案内領域52が配置されている。また、共通案内領域51の左右それぞれにおいて、2つの個別案内領域52は、上下に配置されている。そして、左上の個別案内領域52、左下の個別案内領域52、右上の個別案内領域52、及び右下の個別案内領域52が、順に第1ユーザ、第2ユーザ、第3ユーザ、及び第4ユーザにそれぞれ割り当てられる。つまり、左上の個別案内領域52、左下の個別案内領域52、右上の個別案内領域52、及び右下の個別案内領域52が、第1ユーザ、第2ユーザ、第3ユーザ、及び第4ユーザにそれぞれ対応する個別案内領域52として機能する。
なお、第1ユーザ等は、例えばマッチングサービスを要求した順、或いは名称やユーザID等のユーザを識別する情報に基づく順等、適宜の条件に基づいて設定されてよい。また、協力プレイ型のゲームとして複数のユーザに共通に音楽ゲームが提供される場合、複数のユーザは共通の同じシーケンスデータQD(同じ難易度の同じ楽曲に対応する)を使用して音楽ゲームをプレイする場合が多いが、対戦型のゲームとして提供される場合等を含め、音楽ゲームは異なるシーケンスデータQDの使用(選択)を許容してよい。つまり、複数のユーザ間において異なる難易度の音楽ゲームがプレイされてもよい。
また、図3の例では、各個別案内領域52には、ユーザ毎の個別案内領域52として互いを区別するために区別用の情報が個別得点領域55に付与されている。具体的には、このような情報として配色の相違及び各ユーザを示す情報が利用されている。このため、このような色の相違として、第1ユーザ用の個別案内領域52には左斜線が、第2ユーザ用の個別案内領域52には格子状の斜線が、第3ユーザ用の個別案内領域52には右斜線が、第4ユーザ用の個別案内領域52にはドット柄が、それぞれ各個別得点領域55に付加されている。同様に、各ユーザを示す情報として、第1ユーザを示す“1P”、第2ユーザを示す“2P”、第3ユーザを示す“3P”、及び第4ユーザを示す“4P”がそれぞれ各個別得点領域55に表示されている。そして、このような色の相違、及び“1P”等の情報によって各個別案内領域52が区別されている。
なお、配色の相違は、各個別得点領域55に付加される例に限定されない。例えば、配色の相違は、各個別案内領域52の全部に付加されてもよい。また、各ユーザを示す情報も“1P”等の情報に限定されない。例えば、その他にも適宜の各ユーザに対応する記号、或いは各ユーザに対応する名称等が各ユーザを示す情報として利用されてよい。同様に、区別用の情報は、このような配色の相違、或いはユーザを示す情報に限定されない。例えば、個別案内領域52自体の形状(例えば向きの異なる平行四辺形、或いは台形等)が区別用の情報として機能してもよい。さらに、例えば別々のゲーム機3を通じて各ユーザが同じ音楽ゲームをプレイしている場合には、大きさの相違(例えば自己の個別案内領域52が大きく、その他が小さい、あるいは自己の個別案内領域52以外がマスキング等により見えづらい等)が区別用の情報として機能してもよい。この場合、自己の個別案内領域52が区別される限り、その他のユーザ用の個別案内領域52は互いに区別されてもよいし、区別されなくてもよい。
一方、協力プレイの場合等、複数のユーザ間にチームが形成される場合には、そのようなチームを示す情報を区別用の情報は含んでいてもよい。また、区別用の情報は、上述のような情報のいずれか一つであってもよいし、各種の情報が組み合わされて使用されてもよい。あるいは、各個別案内領域52には区別用の情報が付加されなくてもよい。この場合、各個別案内領域52と各ユーザとの対応関係は獲得得点等の相違等により把握されてもよい。換言すれば、ユーザ毎の獲得得点が区別用の情報として機能してもよい。また、ゲーム画面50は、例えばその他にも複数のユーザの合計獲得得点等を表示するためのスコア領域等が適宜に設けられてよい。このようなスコア領域には、合計獲得得点に限定されず、適宜の得点等の情報が提示されてよい。例えば、スコア領域には、各ユーザの得点とは別に集計される得点が表示されてもよい。具体的には、同じ移動矢印画像54に対する複数のユーザの評価結果のうち、最も高い評価結果(例えば後述の“PERFECT!!”に対応する評価結果)だけが取り出され、独立的に集計され、スコア領域に表示されてもよい。つまり、一つの同じ移動矢印画像54に対する複数のユーザの評価結果のうち最も高い評価結果だけがそのグループの代表的な評価結果として別途独立的に集計され、その累積値がスコア領域に表示されてもよい。
図4を参照して、共通案内領域51と個別案内領域52との間の関係について更に説明する。図4は、共通案内領域51と個別案内領域52との間の関係を説明するための説明図である。図4の例では、図3の例の左上の個別案内領域52だけが示されているが、その他の個別案内領域52と共通案内領域51との間の関係も同様である。図4に示すように、各個別案内領域52は、共通案内領域51の一部範囲PAが切り出されるように形成される。このため、各個別案内領域52では、一部範囲PAにおいて共通案内領域51と共通の案内が実現される。つまり、各個別案内領域52は、各移動矢印画像54、各固定矢印画像53等において一部範囲PAの表示と共通する。そして、各個別案内領域52は、このような各移動矢印画像54、及び各固定矢印画像53等を通じて一部範囲PAと同期するように同様の各実行時期を案内する。一方で、各個別案内領域52には各ユーザの個別の評価結果が表示されるものの、このような評価結果は共通案内領域51には表示されない。このため、このような個別の評価結果の有無において各個別案内領域52と共通案内領域51との間には相違がある。
図4の例では、個別案内領域52は、一部範囲PAに個別得点領域55が付加されて形成されている。一方、個別案内領域52では、スペースの有効活用のために、一部範囲PAと重複するようにコンボ情報領域56が形成されている。具体的には、一部範囲PAの背景を上書きしつつも移動矢印画像54の表示は妨げないようにコンボ情報領域56が形成される。また、個別案内領域52には第1ユーザの個別の評価結果として“PERFECT!!”の文字が表示されている。これは実際のプレイ行為の時期が実行時期を中心にその前後の所定期間内に該当する場合に表示される評価結果である。一方で、このような表示は、共通案内領域51には表示されていない。同様に、個別案内領域52には第1ユーザの獲得得点の累計(“1440”)も表示されているが、そのような表示は共通案内領域51にはない。また、第1ユーザが継続中のコンボ数として“3COMBO”の情報が個別案内領域52に表示されているが、共通案内領域51にはその情報の代わりに“6COMBO”の情報が表示されている。“6COMBO”は、全ユーザが継続中のコンボ数の合計を示す情報である。換言すれば、4つの個別案内領域52にそれぞれ個別に表示される“3COMBO”等の継続中のコンボ数の全合計が共通案内領域51に表示される。一例として、共通案内領域51と個別案内領域52との間には、このような関係が形成される。
なお、共通案内領域51に表示されるコンボ数は、全ユーザによって継続されているコンボの合計値に限定されない。例えば、全ユーザのコンボ数のうち、最も大きいコンボ数が共通案内領域51に表示されてもよい。また、このようなコンボ数は、同じ音楽ゲームをプレイ中の複数のユーザのうち、いずれか一人がコンボを継続している限り表示されてもよいし、全員が継続中の場合に限って表示されてもよい。あるいは、共通案内領域51には、複数のいずれか一人、あるいは二人以上によってコンボが継続中の場合に、単にそのような継続を示す情報(例えば単に“OK”、或いは“2名OK”等)が表示されてもよい。もしくは、共通案内領域51のコンボ数は、ユーザ毎のコンボ数とは別に独立的に集計されてもよい。例えば、共通案内領域に51には、移動矢印画像54毎に複数のユーザのいずれか一人がコンボ条件(所定基準以上の評価結果)を満たすか否かを基準にそのコンボ条件を満たす回数が表示されてもよい。つまり、複数のユーザが一つのグループとして捉えられ、複数のユーザのいずれか一人による所定基準以上の評価結果がグループを単位とした場合のグループのコンボの継続数として集計されてよい。より具体的には、例えばコンボの継続数が三回のユーザが四回目にミスしてしまう一方で、コンボの継続数が一回の他のユーザがその四回目において所定基準以上の評価結果を得ている(結果的に、その他のユーザの継続数は今回の成功を含めて二回)場合、その他のユーザによってグループのコンボの継続が引き継がれ、共通案内領域51にはコンボ数としてその四回目の成功を示す“4”が提示されてもよい。そして、このようなコンボ数は、グループに属する全員がコンボ条件を満たさない場合に途切れ、ゼロにリセットされてよい。このように同じ音楽ゲームをプレイ中の各ユーザのコンボ数に基づいて得られるコンボ数に関する適宜の情報が共通に案内されるべき所定の評価結果として共通案内領域51に表示されてよい。
また、共通案内領域51に表示される所定の評価結果は、このようなコンボ数に限定されない。例えば、共通案内領域51には、各ユーザの個別の評価結果に基づく適宜の評価結果が所定の評価結果として表示されてよい。例えば、このような評価結果として、コンボ数と同様に、複数のユーザのうちの最も高い評価結果、あるいは最も高い評価結果等の所定以上の評価結果を得たユーザ数を示す情報等が共通案内領域51に表示されてもよい。また、共通案内領域51が背景等の追加的情報を含んでいる場合、一部範囲PAと同様の背景がそのまま個別案内領域52に表示されてもよいし、そのような背景が加工(例えば透過率等が変更されて)されて表示されてもよい。あるいは、そのような背景は省略されてもよい。また、コンボの成否を判別する所定基準は適宜に設定されてよい。例えば、上述の“PERFECT!!”(実行時期を基準にその前後の所定範囲)の他に“GREAT”(“PERFECT!!”の範囲を基準にその前後の所定範囲)、“GOOD”(“GREAT”の範囲を基準にその前後の所定範囲)、及び“MISS”(“GOOD”の範囲を基準にその範囲外)を評価結果が評価の高い順に含む場合、例えば“GOOD”までが所定基準以上と判断されてもよいし、“GREAT”等のその他の適宜の範囲までが所定基準以上と判断されてもよい。
図3及び図4の例は、共通のシーケンスデータQDに基づいて音楽ゲームがプレイされる場合を示している。一方、音楽ゲームは、各ユーザ間において異なるシーケンスデータQDの選択を許容してもよい。このような場合、上述のような評価結果に関する相違以外にも共通案内領域51と各個別案内領域52との間には相違が生じる。図5は、各ユーザ間において異なるシーケンスデータQDの選択を音楽ゲームが許容する場合の共通案内領域51と個別案内領域52との間の関係を説明するための説明図である。この場合、図5に示すように、共通案内領域51と各個別案内領域52との間には移動矢印画像54の表示に関しても相違が生じる。
具体的には、共通案内領域51には、複数のユーザによってそれぞれ選択された複数のシーケンスデータQDのうち最も難易度の高いシーケンスデータQDに対応する移動矢印画像54が表示される。同じ楽曲に対応するシーケンスデータQDの場合、難易度の相違は主に実行時期(移動矢印画像54)の数の相違に過ぎず、難易度の高いシーケンスデータQDは難易度の低いシーケンスデータQDの全実行時期を網羅している場合がある。このため、共通案内領域51は、最も難易度の高いシーケンスデータQDがこのような網羅型のシーケンスデータQDに該当する場合、その最も難易度の高いシーケンスデータQDを案内に使用することにより、複数のユーザによってそれぞれ選択された複数のシーケンスデータQDに含まれる全実行時期を網羅するように各実行時期を案内する。
一方で、各個別案内領域52には、各ユーザによって選択されたシーケンスデータQDに基づいて移動矢印画像54が表示される。つまり、共通案内領域51が全ユーザ用の全移動矢印画像54が表示される一方で、各個別案内領域52には各ユーザ用の移動矢印画像54(共通案内領域51に表示される全移動矢印画像54の一部)だけが表示される。このため、他のユーザ用の移動矢印画像54を含むか否かにおいて各個別案内領域52と共通案内領域51との間には相違が生じる。
図5の例では、同じ楽曲の難易度の高い(網羅型の)シーケンスデータQDを第1ユーザが、難易度の低いシーケンスデータQDを第2ユーザがそれぞれ選択した場合を示している。このため、ゲーム画面50に含まれる第1ユーザ用の個別案内領域52A、及び第2ユーザ用の個別案内領域52Bのうち、第1ユーザ用の個別案内領域52Aには、共通案内領域51と同様の移動矢印画像54が表示される。つまり、第1ユーザ用の各個別案内領域52は、図3及び図4の例における共通案内領域51の一部範囲PAの切り出しと同様に、共通案内領域51と移動矢印画像54の数等が一致している。一方、第2ユーザ用の個別案内領域52Bには、共通案内領域51の一部範囲PAに含まれる移動矢印画像54のうち、第2ユーザが選択したシーケンスデータQDに対応する一部の移動矢印画像54だけが表示されている。具体的には、第2ユーザ用の個別案内領域52Bにおいて破線で示す二つの移動矢印画像54の表示が省略されている。各ユーザ間において異なるシーケンスデータQDが選択される場合には、このような相違が共通案内領域51と個別案内領域52との間に更に生じ得る。この場合、共通案内領域51の各移動矢印画像54は、色分け等で区別されてもよい。つまり、移動矢印画像54は、1P用、2P用、共通、などの区分で区別されるように表示されてもよい。この場合、このような区別は区別用の情報として機能してよい。
なお、各ユーザ間において異なるシーケンスデータQDの選択を音楽ゲームが許容する場合において共通案内領域51の表示に使用されるシーケンスデータQDは、異なるシーケンスデータQDの全ての実行時期を網羅するシーケンスデータQDに限定されない。例えば、このようなシーケンスデータQDとして、単に最も難易度が高いシーケンスデータQD(全実行時期を網羅していなくともよい)、若しくは反対に最も難易度が低いシーケンスデータQDが使用されてもよい。あるいは、最も平均的難易度のシーケンスデータQDがそのようなシーケンスデータQDとして使用されてもよい。つまり、各ユーザの選択したシーケンスデータQDに基づいて適宜に特定される所定のシーケンスデータQDがそのようなシーケンスデータQDとして使用されてよい。
また、図5の例からも理解されるとおり、各個別案内領域52は、共通案内領域51の一部範囲PAがそのまま切り出される形態に限定されない。例えば、共通案内領域51と各個別案内領域52との間には、上述のとおり移動矢印画像54に差が生じてもよい。つまり、一部範囲PAの一部(この場合、この一部が本発明の一部範囲として機能してよい)が各個別案内領域52に表示されてもよい。同様の相違は、例えばその他にも背景等の付加的な表示に生じてもよい。つまり、共通案内領域51と各個別案内領域52との間では、背景等の付加的な表示が相違していてもよい。あるいは、上述のとおり、各個別案内領域52は他の個別案内領域52或いは共通案内領域51に比べて縮小されて表示されてもよいし、反対に各個別案内領域52は他の個別案内領域52或いは共通案内領域51に比べて拡大されて表示されてもよい。このような拡大表示或いは縮小表示は、例えば協力プレイ型のゲームとして別々のパートを各ユーザが担当するように音楽ゲームがプレイされる場合により効率的である。つまり、各個別案内領域52は、少なくとも固定矢印画像53(基準標識)を含む共通案内領域51の一部範囲PAが使用される限り、適宜の形態で表示されてよい。固定矢印画像53(基準標識)及び移動矢印画像54(指示標識)の形態についても同様である。つまり、固定矢印画像53及び移動矢印画像54は共通案内領域51と同じ形態に限定されない。固定矢印画像53及び移動矢印画像54の形態は共通案内領域51と相違していてもよい。また、ゲーム画面50は、共通案内領域51の左右に各個別案内領域52を配置する形態に限定されない。ゲーム画面50は、適宜の数の各個別案内領域52に対応するように適宜に分割され、適宜に個別案内領域52を提示してよい。例えば、各個別案内領域52は、共通案内領域51に表示可能であれば、共通案内領域51内に表示されてもよい。
次に、シーケンスデータQDの詳細について説明する。図6は、シーケンスデータQDの構成の一例を示す図である。シーケンスデータQDは、楽曲毎、及び難易度毎に用意される。つまり、シーケンスデータQDは、難易度の相違する複数の楽曲にそれぞれ対応する複数のシーケンスデータQDa、QDb、QDc…を含んでいる。各シーケンスデータQDの難易度は、実行時期の数に依存するため、これらの間では多くの場合、実行時期の数が互いに相違している。図6に示すように、各シーケンスデータQDは、実行時期毎にその実行時期に対応する移動矢印画像54が配置されるべき経路(換言すれば、適切な押しボタン、或いはタッチ操作の位置を示す情報)を管理するシーケンスレコードRSを含んでいる。
具体的には、シーケンスレコードRSは、“実行時期”、及び“経路”の情報を含んでいる。“実行時期”は、各ユーザUに案内されるべき実行時期を示す情報である。例えば、“実行時期”には、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がコンマで区切られた情報が実行時期の情報として記述される。“経路”は、各経路を示す情報である。“経路”の情報として、各経路を識別する情報が記述される。具体的には、例えば各経路が固定矢印画像53に対応するように左から順に1〜4等の番号によって区別される場合には、このような各経路を示す番号が記述される。また、上述のとおり各固定矢印画像53は適切なプレイ行為を示す情報として機能する。このため、各固定矢印画像53に対応する経路を示す“経路”の情報は、適切なプレイ行為を示す情報としても機能する。さらに、各固定矢印画像53は、移動矢印画像54の種類(右向き等)にも関連する。このため、“経路”の情報は、各経路に配置されるべき移動矢印画像54の種類を示す情報としても機能する。シーケンスレコードRSには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、“経路”の情報は各種の情報によって代替されてもよい。例えば、各実行時期に対応する移動矢印画像54の出現位置及び到達位置の情報が“経路”の情報として使用されてもよい。
次に、図7〜図10を参照して、ゲーム提供部33が実行する対象特定処理、シーケンス処理、個別案内処理、及び個別評価処理について説明する。対象特定処理は、複数のユーザ間において異なるシーケンスデータQDの選択を音楽ゲームが許容する場合に、各ユーザが選択したシーケンスデータQDに基づいて共通案内領域51の表示に使用されるべきシーケンスデータQDを特定するための処理である。ゲーム提供部33は、音楽ゲームのプレイ用に全ユーザによるシーケンスデータQD(換言すれば楽曲、及び難易度)の選択が終了すると図7の対象特定処理を開始し、まずプレイ用のシーケンスデータQDに関する各ユーザの選択結果を取得する(ステップS101)。続いてゲーム提供部33は、ステップS101で取得した選択結果に基づいて、各ユーザの選択結果に対応するシーケンスデータQDを特定する(ステップS102)。
次にゲーム提供部33は、ステップS102で特定した各シーケンスデータQDに基づいて共通案内領域51の表示に使用するべき所定のシーケンスデータQDを特定する(ステップS103)。例えば、ゲーム提供部33は、所定のシーケンスデータQDとして、各ユーザが選択したシーケンスデータQDのうち最も難易度の高いシーケンスデータQDを所定のシーケンスデータQDとして特定する。また、ゲーム提供部33は、最も難易度の高いシーケンスデータQDが他のユーザによって選択されたシーケンスデータQDの全実行時期を網羅していない場合、全ユーザのシーケンスデータQDに基づいて全実行時期を網羅する新しいシーケンスデータQDを今回のプレイ用に生成し、そのシーケンスデータQDを所定のシーケンスデータQDとして特定してもよい。そして、ゲーム提供部33はその特定の後に今回の対象特定処理を終了する。これにより、複数のユーザ間において異なるシーケンスデータQDの選択を音楽ゲームが許容する場合において、各ユーザが選択したシーケンスデータQDに基づいて共通案内領域51の表示に使用されるべき所定のシーケンスデータQDが特定される。
なお、音楽ゲームにおいて複数のユーザ間に共通のシーケンスデータQDが使用される場合、図7の対象特定処理は省略されてよい。この場合、所定のシーケンスデータQDを特定するための処理は省略されてもよいし、所定のシーケンスデータQDとしてその共通のシーケンスデータQDを特定するための処理が実行されてもよい。このような処理は、例えば共通のシーケンスデータQDが複数のユーザのいずれか一人の選択によって決定される場合に、図7の対象特定処理のステップS101において選択された結果を取得し、ステップS102またはステップS103において選択結果に対応したシーケンスデータQDを特定する処理として実現されてよい。つまり、このような処理は、図7の対象特定処理におけるステップS102及びステップS103のいずれか一方が省略された処理として実現されてもよい。
シーケンス処理は、共通案内領域51を通じて全ユーザにプレイ行為の実行時期を案内するための処理である。具体的には、シーケンス処理は、所定のシーケンスデータQD(ユーザ間でシーケンスデータQDが共通する場合はそのシーケンスデータQD、ユーザ間でシーケンスデータQDが相違する場合には図7の処理によって特定されたシーケンスデータQD)の各実行時期を案内するように移動矢印画像54、及び固定矢印画像53を配置することにより共通案内領域51をゲーム画面50に提示するための処理である。ゲーム提供部33は、ゲーム画面50の表示開始に伴い所定の周期で繰り返し図8のシーケンス処理を開始し、まず所定の位置に基準標識を配置する(ステップS201)。より具体的には、ゲーム提供部33は、所定の位置(共通案内領域51において上端近くの固定的位置に対応する位置)に4つの固定矢印画像53を配置する。
続いてゲーム提供部33は、現在時刻を取得する(ステップS202)。ゲーム提供部33は、例えば楽曲の再生開始時点からの経過時間によって楽曲上の時刻を特定する。次に、ゲーム提供部33は、共通案内領域51として提示すべき表示範囲に相当する時間長に存在する各実行時期を所定のシーケンスデータQDから取得する(ステップS203)。表示範囲は、例えば、現在時刻から将来に向かって楽曲の2小節相当の時間範囲が設定される。続いてゲーム提供部33は、ステップS203で取得した各実行時期に対応する指示標識、つまり移動矢印画像54の移動経路を特定する(ステップS204)。具体的には、ゲーム提供部33は、シーケンスデータQDの“経路”の情報を参照し、この情報に対応する経路を各移動矢印画像54の移動経路として特定する。
次にゲーム提供部33は、ステップS204で特定した移動経路上における各指示標識、つまり移動矢印画像54の座標を演算する(ステップS205)。例えば、ゲーム提供部33は、この演算を次のように実行する。すなわち、ゲーム提供部33は、各実行時期と現在時刻との時間差に応じて各固定矢印画像53からの時間軸方向(つまり、移動矢印画像54の移動方向)における移動経路上の位置を判別する。これにより、各移動経路上に移動矢印画像54を固定矢印画像53から時間軸に沿って配置するために必要な座標が取得される。
続いてゲーム提供部33は、ステップS205で演算された各移動矢印画像54の座標に基づいて、各移動経路上の座標位置に各移動矢印画像54が表示されるように各移動経路に各移動矢印画像54(指示標識)を配置する(ステップS206)。この場合において、ゲーム提供部33は、移動経路(換言すれば到達先の固定矢印画像53)に応じて到達先の固定矢印画像53の向きと一致するように各移動経路に配置されるべき移動矢印画像54の向きを特定し、その特定した向きの移動矢印画像54を各移動経路に配置する。そして、ゲーム提供部33は、この配置の後に今回のシーケンス処理を終了する。これにより、各固定矢印画像53が所定の位置に配置され、かつ各移動矢印画像54が所定の移動経路(時間軸として機能する)上の適切な位置に表示される。また、その移動矢印画像54の位置は、実行時期に各固定矢印画像53の位置と一致するように時間の経過(楽曲の進行)に従って徐々に各固定矢印画像53に向かって移動(変位)する。つまり、このような移動を通じて、全ユーザ用の各実行時期を案内するようにゲーム画面50に共通案内領域51が提示される。
個別案内処理は、各ユーザ用の個別案内領域52をゲーム画面50に提示するための処理である。この場合、ゲーム提供部33は、図8のシーケンス処理の処理結果の提示と図9の処理結果の提示とを同期させるように図8のシーケンス処理を実行する毎に図9の個別案内処理を開始し、まず図8のシーケンス処理によって提示される共通案内領域51の一部範囲PAを特定する(ステップS301)。この特定は、例えばシーケンス処理結果(例えば図8の処理のステップS201〜ステップS205までの処理結果)を取得することにより実現される。具体的には、ゲーム提供部33は、例えば図8の処理のステップS201〜ステップS205までの処理結果に基づいて一部範囲PAに含まれる各経路の範囲、及びその各経路に配置されるべき各移動矢印画像54の座標を特定する。ユーザ毎にシーケンスデータQDが相違する場合、ゲーム提供部33は、各ユーザが選択したシーケンスデータQDに基づいて各ユーザ用に表示すべき各移動矢印画像54を更に特定してよい。
なお、ゲーム提供部33は、図8の処理のステップS201〜ステップS205までと同様の処理を図8とは別に実行することにより同様の一部範囲PAを特定してもよい。また、一部範囲PAは、一小節分等の固定的な範囲ではなく、ゲーム画面50において共通案内領域51として確保すべき領域を除く領域において固定矢印画像53及び移動矢印画像54の形態(大きさ、及び形状等)を共通案内領域51と一致させられるように設定されてよい。ただし、各個別案内領域52が縮小、或いは拡大等の編集付きで表示される場合には、このような編集が一部範囲PAの設定に考慮されてもよい。
続いてゲーム提供部33は、ゲーム画面50において各個別案内領域52が配置されるべき配置位置を判別する(ステップS302)。例えば、四人のユーザが音楽ゲームをプレイする場合には、ゲーム画面50の中央の共通案内領域51を基準にそれを挟む左右にそれぞれ二つの個別案内領域52が上下に並ぶように、それらの左右及び上下の4つの位置をそれぞれ4つの個別案内領域52の配置位置として特定する。次にゲーム提供部33は、個別案内領域52毎に区分用の情報を特定する(ステップS303)。例えば、区分用の情報として配色の相違、及び各ユーザを示す情報が使用される場合、ゲーム提供部33は、各個別案内領域52に対応する配色、及び“1P”等の各ユーザを示す情報を特定する。
続いてゲーム提供部33は、各個別案内領域52を提示する(ステップS304)。具体的には、ゲーム提供部33は、ステップS301で特定した一部範囲PAに個別得点領域55及びコンボ情報領域56を追加するとともに、その個別得点領域55にステップS303で特定した区分用の情報を付加しつつステップS302で特定した各配置位置に表示することにより各個別案内領域52を提示する。また、ゲーム提供部33は、各個別案内領域52の編集(縮小或いは拡大等)を実行する場合には、そのような編集を追加しつつ各個別案内領域を提示してよい。そして、ゲーム提供部33は、各個別案内領域52を提示した後に今回の個別案内処理を終了する。これにより、共通案内領域51における一部範囲PAと同様の範囲が個別案内領域52として一部範囲PAによる案内と同期するようにユーザ毎に提示される。そして、そのような個別案内領域52を通じて一部範囲PAと同様の案内が重複的に実現される。また、ユーザ毎に異なるシーケンスデータQDが選択されている場合には、個別案内領域52にはその相違も反映される。つまり、一部範囲PAに含まれる移動矢印画像54のうち各ユーザに対応する範囲の移動矢印画像54だけが各個別案内領域52に表示される。
個別評価処理は、各個別案内領域52にユーザ毎の評価結果を提示するための処理である。ゲーム提供部33は、各ユーザの実際のプレイ行為を評価するための所定の評価処理(周知の音楽ゲームと同様でよい)を実行する毎に図10の個別評価処理を開始し、まず各ユーザの評価結果(周知の評価処理によって得られる結果)を取得する(ステップS401)。続いてゲーム提供部33は、共通評価結果を特定する(ステップS402)。共通評価結果は、各ユーザの評価結果に基づいて共通案内領域51に提示すべき所定の評価結果である。共通評価結果として、例えば上述のようにコンボの継続数の合計値が利用される場合、ゲーム提供部33は各ユーザのコンボの継続数を取得し、それらの合計値を算出することにより共通評価結果を特定する。あるいは、ゲーム提供部33は、グループ単位のコンボの継続数(グループの少なくとも一名以上がコンボ条件を満たす場合のそのコンボ条件を満たす回数)を集計し、そのようなグループ単位のコンボの継続数を共通評価結果として利用(特定)してもよい。なお、共通評価結果として、最も高い評価等のその他の評価結果が利用される場合、そのような評価結果をゲーム提供部33は共通評価結果として特定してよい。
次に、ゲーム提供部33は、ステップS401で取得した各ユーザの評価結果、及びステップS402で特定した共通評価結果に基づいて、各個別案内領域52及び共通案内領域51に各ユーザの個別の評価結果、及び共通評価結果をそれぞれ提示する(ステップS404)。そして、このような提示の後にゲーム提供部33は今回の個別評価処理を終了する。これにより、各個別評価処理に各ユーザに個別に対応する評価結果が提示される一方で、共通案内領域51にはそのような個別の評価結果と必ずしも一致しない(ユーザによっては一致する場合もある)共通評価結果が提示される。つまり、個別案内領域52及び共通案内領域51に、それらの間の用途の相違に応じて別々の評価結果(特性)がそれぞれ付加される。
以上に説明したように、この形態によれば、音楽ゲームが複数プレイ型のゲームとして例えば4名のユーザに提供される場合において、その4名のユーザにそれぞれ対応する4つの個別案内領域52がゲーム画面50に提示され、そのような個別案内領域52を通じて“PERFECT!!”等の各ユーザの評価結果がユーザ毎に提示される。同様に、ユーザ毎の得点の累計も個別案内領域52の個別得点領域55を通じて提供される。そして、そのような個別案内領域52では、各実行時期が4つの固定矢印画像53を含む共通案内領域51の一部範囲PAと同様の移動矢印画像54の移動を通じて重複的に案内される。このため、各ユーザは、共通案内領域51だけでなく、個別案内領域52においても共通案内領域51における一部範囲PAと同様の案内を認識することができる。これにより、各ユーザは個別案内領域52だけで実行時期と自己の成績とを把握することができる。結果として、少なくとも成績確認毎にもとの共通案内領域51に毎回視線を戻す必要はなくなるため、プレイ用の案内が共通案内領域51だけで実行される場合に比べて、ユーザの視線移動の頻度を抑制することができる。一方で、個別案内領域52に重複的に表示される範囲は4つの固定矢印画像53を含む一部範囲PAに限定されている。4つの固定矢印画像53(基準標識)の周辺、特に時間軸方向に関する周辺は共通案内領域51においても実行時期の到来に関連する重要性の高い範囲である。このため、各個別案内領域52を重要性の高い、共通案内領域51と比べて比較的小さい範囲に抑制することができる。反対に、全ユーザに共通の各実行時期を案内する共通案内領域51の範囲をゲーム画面50において個別案内領域52に比べて比較的大きく確保することができる。これにより、4名のユーザ用にゲーム画面50が4つに等分される場合に比べて、少なくとも共通案内領域51では各実行時期を見やすく案内することができる。結果として、視線移動の抑制と見やすさの確保とを両立させることができるので、例えば成績専用の領域が設けられる場合、或いはゲーム画面50が4名のユーザ用に等分される場合に比べて、複数プレイ型のゲームとして音楽ゲームが提供される場合に生じ得る悪影響を抑制することができる。
また、個別案内領域52では共通案内領域51と同様の形態の移動矢印画像54及び固定矢印画像53を通じて各実行時期が案内される。つまり、個別案内領域52と共通案内領域51との間で移動矢印画像54等の形態(例えば大きさ、及び形状等の少なくともいずれか一つ)が一致している。このため、共通案内領域51と個別案内領域52との間で仮に視線移動が実行されたとしても、これらの移動矢印画像54等の形態に相違がないことから、そのような視線移動に伴うユーザの違和感を抑制することができる。これにより、視線移動に伴う悪影響を更に抑制することができる。
さらに、例えば、イベント等においてゲーム画面50が多くの視聴者に公開される場合でも、共通案内領域51及び個別案内領域52を通じてそのような視聴者に全ユーザのプレイ状況を共有することができる。このようなイベントにおいては、ゲームをプレイするユーザ間の一体感だけでなく、そのようなユーザとゲームを視聴する視聴者との一体感も醸成できることが最大の利点になる場合も多い。このため、例えば、ユーザ毎のゲーム画面、或いは複数のユーザ用に小さく等分された案内領域を通じて各実行時期が案内される場合に比べて、このようなゲーム画面50を通じてそのような一体感の醸成に寄与することができる。結果として、イベント等のための視聴者の収集にも寄与し、そのようなイベントを盛り上げる効果も期待できる。
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図9のステップS304の処理を実行することにより本発明の個別案内手段として機能する。また、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図10のステップS403の処理を実行することにより本発明の評価提示手段として機能する。さらに、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図7のステップS103の処理を実行することにより本発明のデータ特定手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、個別案内領域52は共通案内領域51と同期するように同様の各実行時期を重複的に案内している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、個別案内領域52は、共通案内領域51と同様の重複的な案内を共通案内領域51とずれた時期に実行してもよい。例えば、個別案内領域52は、プレイ行為の実行から視線移動に要する時間等を考慮し、共通案内領域51と比べて同様の案内を少し遅れて実行してもよい。同様に適宜の用途に応じて、個別案内領域52は共通案内領域51と比べて同様の案内を早く実行してもよい。つまり、個別案内領域52は適宜の目的のために共通案内領域51の案内とずれた時期に同様の案内を実行してもよい。
また、上述の形態のゲーム機3の役割(各種処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。つまり、本発明のゲームシステムは、センターサーバ2及びゲーム機3が適宜に協働して本実施形態のゲーム機3及びセンターサーバ2が有する各機能を実現するように構成されてもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、プレイ行為の入力に使用される入力装置(36)と、前記プレイ行為が実行されるべき実行時期に対応する指示標識(54)と現在時刻に対応する基準標識(53)とを含むゲーム画面(50)を表示する表示装置(37)と、に接続され、各実行時期が記述されたシーケンスデータ(QD)に基づいて前記指示標識及び前記基準標識の位置が各実行時期において一致するように前記指示標識と前記基準標識との間に所定の経路に沿った相対的変位を生じさせる案内領域(51)を前記ゲーム画面に提示することにより各実行時期を案内するとともに、前記入力装置を介して入力された各ユーザの実際のプレイ行為の時期を各実行時期に基づいて評価するゲームを、前記案内領域を複数のユーザに共通させることにより当該複数のユーザ間において進行を共通させる複数プレイ型のゲームとして提供するゲームシステム(1)であって、前記案内領域において前記複数のユーザにそれぞれ案内されるべき各実行時期をユーザ毎に前記相対的変位を通じて前記案内領域とともに重複的に案内するように、前記基準標識を含む前記案内領域の一部範囲(PA)を前記複数のユーザにそれぞれ対応する複数の個別案内領域(52)として前記ゲーム画面に提示する個別案内手段(33)と、前記実際のプレイ行為が実行された場合に各ユーザの評価結果を前記複数の個別案内領域を通じてユーザ毎に提示する評価提示手段(33)と、を備えるものである。
本発明によれば、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の個別案内領域がゲーム画面に提示され、そのような個別案内領域を通じて各ユーザの評価結果が提示される。さらに、各個別案内領域では、各実行時期が基準標識を含む案内領域の一部範囲と同様の相対的変位を通じて重複的に案内される。このため、各ユーザは個別案内領域においても案内領域における一部範囲と同様の案内を認識することができる。これにより、各ユーザは個別案内領域だけで実行時期と自己の成績とを把握することができるので、プレイ用の案内が案内領域だけで実行される場合に比べて、ユーザの視線移動の頻度を抑制することができる。一方で、個別案内領域に重複的に表示される範囲は基準標識を含む案内領域の一部範囲に限定されている。基準標識の周辺は案内領域においても実行時期の到来に関連する重要性の高い範囲である。このため、各個別案内領域を重要性の高い比較的小さい範囲に抑制することができるとともに、全ユーザに共通に各実行時期を案内する案内領域の範囲を比較的大きく確保することができる。これにより、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の案内領域にゲーム画面が等分割される場合に比べて、少なくとも案内領域では各実行時期を見やすく案内することができる。結果として、視線移動の抑制と見やすさの確保とを両立することができるので、成績専用の領域が設けられる場合、或いはゲーム画面が複数の個別案内領域に等分される場合に比べて、複数プレイ型のゲームが提供される場合に生じ得る悪影響を抑制することができる。
案内領域には適宜の評価結果が提示されてよい。例えば、案内領域には、各ユーザの評価結果は表示されなくてもよいし、各ユーザの評価結果が個別案内領域と重複するように全部表示されてもよい。あるいは、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の評価結果に基づく所定の評価結果が代表的に表示されてもよい。具体的には、本発明のゲームシステムの一態様において、前記評価提示手段は、各ユーザの評価結果に基づく所定の評価結果を前記案内領域に提示してもよい。
案内領域に所定の評価結果が表示される場合において、そのような所定の評価結果として適宜の評価結果が利用されてよい。このような所定の評価結果は、例えば4名のユーザがゲームをプレイする場合における上位2名の評価結果であってもよい。つまり、所定の評価結果として二以上の評価結果が提示されてもよい。あるいは、所定の評価結果として、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の評価結果のうち、最も高い評価結果、最も低い評価結果、若しくは平均値等の一つの評価結果が利用されてもよい。さらに、所定基準以上の評価結果が連続する場合におけるその連続性の回数を各ユーザの評価結果が含む場合において、そのような連続性の回数の最大値、最小値、平均値、或いは合計値が所定の評価結果として利用されてもよい。具体的には、例えば、所定の評価結果が案内領域に提示される態様において、前記評価提示手段は、前記複数プレイ型のゲームにおいて所定基準以上の評価結果の連続性が評価される場合に、前記複数のユーザのいずれか一人が所定基準以上の評価結果を得ているか否かを基準に前記複数のユーザを一つのグループとして当該グループにおける前記所定基準以上の評価結果の連続性を集計し、前記グループの単位における前記連続性の回数を前記所定の評価結果として利用してもよい。
複数プレイ型のゲームでは、複数のユーザ間で共通の一つのシーケンスデータが使用されてもよいし、複数のシーケンスデータが用意されている場合には複数のユーザ間で異なるシーケンスデータが使用されてもよい。この場合、案内領域は、適宜のシーケンスデータに基づいて実行時期を案内してよい。例えば、そのようなシーケンスデータとして、複数のユーザによって選択された二以上のシーケンスデータに基づく所定のシーケンスデータが使用されてもよい。同様に、複数のユーザ間で異なるシーケンスデータが使用される場合において、各個別案内領域は適宜のシーケンスデータに基づいて実行時期を案内してよい。例えば、そのようなシーケンスデータとして、各ユーザが選択したシーケンスデータが利用されてもよいし、案内領域と同様の所定のシーケンスデータが使用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記複数プレイ型のゲームに前記実行時期の数が相違する複数のシーケンスデータが用意され、前記複数のユーザ間において異なるシーケンスデータの使用を前記複数プレイ型のゲームが許容する場合に、前記案内領域において各実行時期の案内に使用されるべき所定のシーケンスデータを各ユーザによって選択されたシーケンスデータに基づいて特定するデータ特定手段(33)を備え、前記個別案内手段は、各ユーザによって選択されたシーケンスデータに対応する各実行時期を各ユーザに対応する個別案内領域が案内するように前記複数の個別案内領域を提示してもよい。
複数のユーザによって選択された二以上のシーケンスデータに基づく所定のシーケンスデータとして、適宜のシーケンスデータが利用されてよい。例えば、そのような二以上のシーケンスデータのうち最も難易度が低いもの、若しくは最も難易度が高いものが所定のシーケンスデータとして利用されてもよい。つまり、二以上のシーケンスデータのいずれか一つが所定のシーケンスデータとして利用されてもよい。あるいは、そのような二以上のシーケンスデータに基づいて全く別のシーケンスデータが特定され、所定のシーケンスデータとして使用されてもよい。例えば、二以上のシーケンスデータにそのような二以上のシーケンスデータの全実行時期を網羅するシーケンスデータが存在する場合にはそのようなシーケンスデータが、そのようなシーケンスデータが存在しない場合には二以上のシーケンスデータの全実行時期を網羅する別のシーケンスデータが、それぞれ所定のシーケンスデータとして利用されてもよい。つまり、例えば、所定のシーケンスデータに基づく案内を案内領域が実行する態様において、前記データ特定手段は、前記複数のユーザによって選択された二以上のシーケンスデータの全ての実行時期を網羅するシーケンスデータを前記所定のシーケンスデータとして特定してもよい。
個別案内領域が案内領域と重複的に実行時期を案内できる限り、案内領域において基準標識を含む適宜の範囲が一部範囲として利用されてよい。例えば、基準標識を含む前後の所定範囲が一部範囲として利用されてもよいし、基準範囲を基準にそれよりも相対的変位における所定時間前に相当する範囲が一部範囲として利用されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記個別案内手段は、前記一部範囲として前記基準標識から前記所定の経路に沿って前記相対的変位における所定時間前に対応する位置までを含む範囲を利用し、当該範囲を通じて各ユーザに案内されるべき各実行時期を案内するように各ユーザに対応する個別案内領域を提示してもよい。
個別案内領域は、案内領域の一部範囲に対応する限り、適宜の形態で表示されてよい。例えば、個別案内領域は、基準標識及び指示標識が案内領域と同じ形態で表示されるように案内領域と同じ形態で提供されてもよい。あるいは、個別案内領域は、基準標識及び指示標識が案内領域よりも小さく表示されるように案内領域よりも小さく提供されてもよいし、反対に基準標識等が大きく表示されるように案内領域よりも大きく提供されてもよい。また、個別案内領域は、複数のユーザ間で案内対象の実行時期が相違する場合、或いは個別案内領域の形態がユーザ毎の個別案内領域の識別に使用される場合等、適宜の目的に応じて案内領域と相違する、更には各個別案内領域間で相違する、適宜の形態で提供されてよい。個別案内領域に提示される指示標識、及び基準標識も同様である。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記個別案内手段は、前記指示標識及び前記基準標識が前記案内領域と同じ形態で表示されるように、前記複数の個別案内領域を提示してもよい。この場合、案内領域と個別案内領域との間で仮に視線移動が実行されたとしても、指示標識及び基準標識の形態に相違がないため、そのような視線移動に伴うユーザの違和感を抑制することができる。これにより、視線移動に伴う悪影響を更に抑制することができる。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記入力装置、及び前記表示装置に接続されるコンピュータ(33)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
また、本発明の制御方法は、プレイ行為の入力に使用される入力装置と、前記プレイ行為が実行されるべき実行時期に対応する指示標識と現在時刻に対応する基準標識とを含むゲーム画面を表示する表示装置と、に接続され、各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて前記指示標識及び前記基準標識の位置が各実行時期において一致するように前記指示標識と前記基準標識との間に所定の経路に沿った相対的変位を生じさせる案内領域を前記ゲーム画面に提示することにより各実行時期を案内するとともに、前記入力装置を介して入力された各ユーザの実際のプレイ行為の時期を各実行時期に基づいて評価するゲームを、前記案内領域を複数のユーザに共通させることにより当該複数のユーザ間において進行を共通させる複数プレイ型のゲームとして提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記案内領域において前記複数のユーザにそれぞれ案内されるべき各実行時期をユーザ毎に前記相対的変位を通じて前記案内領域とともに重複的に案内するように、前記基準標識を含む前記案内領域の一部範囲を前記複数のユーザにそれぞれ対応する複数の個別案内領域として前記ゲーム画面に提示する個別案内手順と、前記実際のプレイ行為が実行された場合に各ユーザの評価結果を前記複数の個別案内領域を通じてユーザ毎に提示する評価提示手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。