以下に図面を参照して、本発明にかかる情報管理装置、情報管理方法、および情報管理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる情報管理方法の一実施例を示す説明図である。図1において、情報管理装置100は、医療機関において発行される領収書の情報を管理するコンピュータである。医療機関は、例えば、病院、診療所、調剤薬局などである。
領収書は、医療費の支払い時に発行される支払いの証明となるものである。医療費は、例えば、診療費、調剤費、療養費などである。また、領収書は、医療費控除や高額療養費の支給を受ける際に提出を求められることがあり、紛失、破損等しないように大切に保管しておくことが望ましい。
医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間で、納税者が一定金額以上の医療費を支払った場合に申告すると、税金(例えば、所得税)が軽減される仕組みである。高額療養費は、月初から月末までの1ヶ月間で、健康保険制度の加入者が一定金額以上の医療費を支払った場合に申請すると、その超えた分の金額が支給される仕組みである。
ところが、医療機関において発行された領収書を、紛失、破損等しないように各自が保管しておくことは面倒である。このため、領収書を保管しきれずに捨てたり、紛失したりして医療費控除や高額療養費の支給を受けられなくなることがある。領収書を紛失したときは、医療機関に領収書の再発行を依頼することができるが、医療機関側の負担が増えてしまう。また、領収書の再発行は拒否されることもある。
また、医療機関を頻繁に受診する人の場合、年間に発行される領収書は相当な枚数となり、その中から医療費控除の対象となる領収書を探し出すのは大変である。また、医療モールでは、医療費の支払いは各クリニックで独立して行われることが多い。医療モールとは、診療科が異なる複数のクリニック(診療所)と調剤薬局が同じ建物や敷地に同居する施設である。
このため、医療モールを利用する場合、複数の診療科を受診しても一つの窓口で一括して会計を行える総合病院を利用する場合に比べて、領収書の枚数が多くなる傾向にある。領収書の枚数が多くなると、その分、紛失、破損等しないように保管するのが大変なものとなり、また、必要となる領収書を探し出すのに手間がかかる。
そこで、本実施の形態では、医療機関において発行された領収書を、利用者(例えば、患者)が必要なときに受け取り可能にして、領収書の管理の煩わしさを低減させる情報管理方法について説明する。以下、情報管理装置100の処理例について説明する。
(1)情報管理装置100は、医療機関において発行された領収書の情報と、当該領収書の受け渡し状況を示す情報とを対応付けて記憶部110に記憶する。ここで、領収書の情報は、例えば、領収書を一意に識別する識別情報や電子領収書のイメージデータなどを含む。電子領収書は、領収書を電子化したものであり、例えば、テンプレートをもとに作成される。ただし、電子領収書は、手書きの領収書をスキャナで読み取ったものであってもよい。
具体的には、例えば、情報管理装置100は、医療機関において領収書が発行された際に、当該領収書を保管するか否かの選択を受け付ける。ここで、領収書を保管するとは、領収書を電子化して保管することである。そして、情報管理装置100は、領収書を保管するとの選択を受け付けた場合に、領収書の情報と、当該領収書が受け渡しされていないことを示す情報とを対応付けて記憶部110に記憶する。
図1の例では、医療機関Xにおける医療費の支払い時に領収書Rが発行された場合を想定する。また、医療機関の職員Sからの「領収書は、今受け取りますか?」という問いかけに対して、患者Pから「今は必要ないので保管しておいて下さい。」との返答があった場合を想定する。
この場合、情報管理装置100は、領収書Rを保管するとの選択を受け付ける。そして、情報管理装置100は、領収書Rの情報と、領収書Rが受け渡しされていないことを示す情報とを対応付けて記憶部110に記憶する。なお、領収書Rを保管するか否かの選択は、例えば、医療機関Xの端末装置(不図示)において行われる。
領収書Rが手書きの領収書のときは、領収書Rの原本をスキャナで読み取ったものを保管することになる。この場合、いわゆる領収書の二重発行を防ぐために、領収書Rの原本は、例えば、医療機関Xにおいて破棄されることにしてもよい。ただし、領収書Rの原本は、スキャナで読み取った後も、医療機関Xにおいて一定期間(例えば、数日)保管しておくことにしてもよい。
(2)情報管理装置100は、記憶部110を参照して、受け渡しされていない領収書のうちの印刷対象の領収書の選択を受け付ける。図1の例では、確定申告時に、患者Pが医療費控除の対象となるものがあるかを調べるために、医療費の支払い時に受け取らなかった領収書Rを選択した場合を想定する。
この場合、情報管理装置100は、印刷対象の領収書として、受け渡しされていない領収書Rの選択を受け付ける。なお、印刷対象の領収書の選択は、例えば、医療機関Xの端末装置(不図示)または患者Pの端末装置(不図示)において行われる。
(3)情報管理装置100は、記憶部110を参照して、選択された印刷対象の領収書についての印刷指示を、当該領収書を発行した医療機関に対応するプリンタに出力する。ここで、プリンタは、文書や画像などのデータを用紙や透過シートなどに印刷するコンピュータである。
また、医療機関に対応するプリンタは、例えば、医療機関の受付窓口や待合室に設置されたプリンタである。なお、領収書の発行元が医療モール内の医療機関の場合には、医療機関に対応するプリンタは、医療モール内に設置されて、医療モール内の複数の医療機関で共用されるプリンタであってもよい。
図1の例では、情報管理装置100は、印刷対象の領収書Rについての印刷指示を、医療機関Xに対応するプリンタ120に出力する。領収書Rについての印刷指示には、例えば、記憶部110に記憶された領収書Rの情報(電子領収書のイメージデータ)が含まれる。この結果、プリンタ120から領収書Rが印刷出力され、患者Pが領収書Rを受け取ることができる。
このように、情報管理装置100によれば、医療機関において発行された領収書の受け渡し状況を管理することができる。また、情報管理装置100によれば、受け渡しされていない領収書のうちの印刷対象の領収書の選択を受け付けると、選択された印刷対象の領収書についての印刷指示を、医療機関に対応するプリンタに出力することができる。これにより、医療機関において発行された領収書を利用者が必要なときに受け取り可能となり、領収書の管理の煩わしさを低減させることができる。
図1の例では、患者Pは、医療機関Xでの医療費の支払い時に、その場で領収書Rを受け取らずに保管しておき、確定申告時などの、紙媒体での領収書Rが必要となったときに、領収書Rを印刷して受け取ることができる。これにより、紛失、破損等しないように患者Pが領収書Rを保管する手間を削減することができ、また、領収書Rの紛失を防止することができる。
(情報管理システム200のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかる情報管理システム200について説明する。以下の説明では、情報管理システム200を医療モールMLに適用する場合を例に挙げて説明する。医療モールMLは、診療科が異なる複数のクリニックと調剤薬局が同じ建物や敷地に同居する施設である。
図2は、情報管理システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、情報管理システム200は、情報管理装置100と、医療機関端末T1〜Tnと、プリンタP1〜Pnと、クライアント装置201と、を含む。情報管理システム200において、情報管理装置100、医療機関端末T1〜Tn、プリンタP1〜Pnおよびクライアント装置201は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
ここで、情報管理装置100は、領収書DB(データベース)220を有し、医療モールML内の各医療機関M1〜Mnにおいて発行される領収書に関する領収書情報を管理する。医療機関は、クリニックや調剤薬局などである。情報管理装置100は、例えば、サーバである。なお、領収書DB220の記憶内容については、図5を用いて後述する。
各医療機関M1〜Mnにおいて発行される領収書には、例えば、当該領収書の発行機関、発行日および医療費(例えば、診療費、調剤費)の金額を示す情報が含まれる。また、領収書の発行機関が調剤薬局の場合には、当該領収書には、例えば、処方箋の発行機関および発行日を示す情報がさらに含まれる。
医療機関端末T1〜Tnは、医療モールML内の各医療機関M1〜Mnに設置されるコンピュータである。医療機関端末T1〜Tnは、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)、タブレットPC、キオスク端末などである。
プリンタP1〜Pnは、医療モールML内の各医療機関M1〜Mnに設置され、文書や画像などのデータを用紙や透過シートなどに印刷する。具体的には、例えば、各プリンタP1〜Pnは、各医療機関M1〜Mnにおいて発行された領収書(電子領収書のイメージデータ)を、領収書専用の用紙(例えば、コピー防止用紙)に印刷する。印刷出力された領収書には、原本証明するための印鑑が押印されることにしてもよい。
プリンタP1〜Pnは、例えば、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、熱転写プリンタなどである。また、プリンタP1〜Pnは、複写機、スキャナなどの機能を有する複合機であってもよい。各プリンタP1〜Pnは、例えば、各医療機関端末T1〜Tnに併設される。
クライアント装置201は、医療モールMLの利用者(例えば、患者)により使用されるコンピュータである。クライアント装置201は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、PCなどである。
以下の説明では、医療機関M1〜Mnのうちの任意の医療機関を「医療機関Mi」と表記する場合がある(i=1,2,…,n)。また、医療機関Miに設置された医療機関端末を「医療機関端末Ti」と表記し、医療機関Miに設置されたプリンタを「プリンタPi」と表記する場合がある。
なお、情報管理システム200において、情報管理装置100は、例えば、クライアント装置201(または、医療機関端末Ti)から各種画面の表示要求を受信したことに応じて、各種画面の画面情報を生成し、クライアント装置201に送信する。これにより、クライアント装置201に各種画面(例えば、後述の図8に示す支払一覧画面800など)を表示することができる。
(情報管理装置100のハードウェア構成例)
図3は、情報管理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、情報管理装置100は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、情報管理装置100の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
I/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータ(例えば、図2に示した医療機関端末T1〜Tn、プリンタP1〜Pn、クライアント装置201)に接続される。I/F303は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ304は、CPU301の制御に従ってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
なお、情報管理装置100は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有することにしてもよい。
(医療機関端末Tiのハードウェア構成例)
図4は、医療機関端末Tiのハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、医療機関端末Tiは、CPU401と、メモリ402と、ディスクドライブ403と、ディスク404と、カードリーダ405と、I/F406と、ディスプレイ407と、入力装置408とを有する。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU401は、医療機関端末Tiの全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
ディスクドライブ403は、CPU401の制御に従ってディスク404に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク404は、ディスクドライブ403の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク404としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
カードリーダ405は、カードを読み取る装置である。カードは、例えば、医療モールML内の医療機関Miにおいて使用可能な診察券などである。カードとしては、例えば、IC(Integrated Circuit)カードや磁気カードなどを用いることができる。
I/F406は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置(例えば、図2に示した情報管理装置100)に接続される。そして、I/F406は、ネットワーク210と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
ディスプレイ407は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ407は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)などを採用することができる。
入力装置408は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置408は、キーボードやマウスなどであってもよく、また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
なお、図2に示したプリンタP1〜Pnおよびクライアント装置201についても、医療機関端末Tiと同様のハードウェア構成により実現することができる。ただし、プリンタP1〜Pnおよびクライアント装置201は、カードリーダ405を有していなくてもよい。
(領収書DB220の記憶内容)
つぎに、情報管理装置100が有する領収書DB220の記憶内容について説明する。領収書DB220は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。
図5は、領収書DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、領収書DB220は、患者ID(identification)、領収書番号、発行機関、発行日、処方箋発行機関、処方箋発行日、印刷フラグ、紐付け番号、金額およびイメージデータのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、領収書情報(例えば、領収書情報500−1〜500−6)がレコードとして記憶される。
ここで、患者IDは、医療モールMLの患者を一意に識別する識別子である。領収書番号は、医療モールML内の各医療機関Miにおいて発行された領収書を一意に識別する識別子である。領収書は、医療機関Miにおいて医療費(例えば、診療費、調剤費)を支払った際に発行される。
発行機関は、領収書を発行した医療機関Miの名称である。発行日は、領収書が発行された日である。処方箋発行機関は、処方箋を発行した医療機関Miの名称である。処方箋発行日は、処方箋が発行された日である。印刷フラグは、医療機関Miにおいて発行された領収書の印刷状況を示す情報である。
印刷フラグには、「OFF」、「ON」および「QT」のいずれかが設定される。印刷フラグ「OFF」は、領収書が未印刷であることを示す。印刷フラグ「ON」は、領収書が印刷済みであることを示す。印刷フラグ「QT」は、領収書の印刷を依頼中であることを示す。
紐付け番号は、クリニックにおいて発行された領収書と、調剤薬局において発行された領収書との対応関係を示す。金額は、医療機関Miにおいて支払った医療費、すなわち、医療機関Miが受け取った医療費の金額である。イメージデータは、領収書のイメージデータである。イメージデータは、例えば、領収書の内容をフォントやレイアウトなどを含めて一纏めにした電子データである。
ここでは、医療モールML内の各医療機関Miにおいて発行される領収書として、電子領収書を例に挙げて説明する。また、領収書のイメージデータを「電子領収書イメージ」と表記する場合がある。ただし、電子領収書イメージは、各医療機関Miにおいて発行された手書きの領収書をスキャナで読み取ったデータであってもよい。
なお、領収書DB220には、例えば、患者IDと対応付けて、当該患者IDにより識別される患者の氏名、メールアドレス等が記憶されていてもよい。
(同意確認画面600の画面例)
つぎに、医療機関端末Tiのディスプレイ407に表示される同意確認画面600の画面例について説明する。同意確認画面600は、医療モールML内の医療機関Miにおいて領収書が発行された際にディスプレイ407に表示される。
図6は、同意確認画面600の画面例を示す説明図である。図6において、同意確認画面600は、医療モールML内の医療機関Miにおいて発行された領収書を電子化して保管するか否かの選択を受け付ける操作画面であり、医療費を支払った利用者(例えば、患者)に提示される。
図6の例では、同意確認画面600には、医療機関「○皮膚科クリニック」において発行された領収書の内容が表示されている。これにより、利用者は、領収書の内容(例えば、発行機関、発行日、金額など)を確認した上で、領収書を電子化して保管するか否かを判断することができる。
同意確認画面600において、例えば、図4に示した入力装置408を用いた操作入力により、ボタン601を選択すると、領収書を印刷することができる。この場合、その場で領収書の受け渡しが行われる。一方、同意確認画面600において、ボタン602を選択すると、領収書を電子化して保管することができる。この場合、その場で領収書の受け渡しは行われない。
また、同意確認画面600において、ボタン601,602のいずれかが選択されると、医療機関端末Tiから情報管理装置100に同意確認情報が送信される。同意確認情報は、領収書を保管するか否かの選択結果を含む。例えば、ボタン601が選択されると、領収書を保管しないことを示す選択結果を含む同意確認情報が送信される。
なお、上述した説明では、医療機関端末Tiにおいて同意確認画面600を表示することにしたが、これに限らない。例えば、医療機関端末Tiからクライアント装置201に同意確認画面600の画面情報を送信することにより、クライアント装置201において同意確認画面600を表示することにしてもよい。
(情報管理装置100の機能的構成例)
図7は、情報管理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。図7において、情報管理装置100は、受付部701と、記録部702と、印刷制御部703と、表示制御部704と、を含む構成である。受付部701〜印刷制御部703は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
受付部701は、領収書が発行された際に、当該領収書を保管するか否かの選択を受け付ける。具体的には、例えば、受付部701は、医療モールML内の医療機関Miにおいて領収書が発行された際に、医療機関端末Tiから同意確認情報を受信することにより、領収書を保管するか否かの選択を受け付ける。
同意確認情報には、例えば、患者ID、領収書を保管するか否かの選択結果、および当該領収書の電子領収書イメージが含まれる。ただし、領収書を保管しない場合には、同意確認情報に電子領収書イメージが含まれていなくてもよい。
記録部702は、領収書を保管するとの選択を受け付けた場合に、領収書の情報と、当該領収書が受け渡しされていないことを示す情報とを対応付けて記憶する。ここで、領収書の情報は、例えば、領収書番号、発行日および発行機関を示す情報や電子領収書イメージを含む。
具体的には、例えば、記録部702は、領収書を保管するとの選択を受け付けた場合、同意確認情報を参照して、領収書DB220に印刷フラグ「OFF」の領収書情報を新規登録する。印刷フラグ「OFF」は、領収書が未印刷である、すなわち、領収書が受け渡しされていないことを示す。
領収書情報の患者IDのフィールドには、例えば、同意確認情報に含まれる患者IDが設定される。領収書番号のフィールドには、例えば、同意確認情報に含まれる領収書番号が設定される。ただし、領収書番号は、情報管理装置100において同意確認情報の受信時に採番されることにしてもよい。
発行機関および発行日の各フィールドには、例えば、同意確認情報から特定される両朱書の発行機関および発行日がそれぞれ設定される。より具体的には、領収書の発行機関および発行日を示す情報は、例えば、同意確認情報に含まれていてもよく、また、同意確認情報に含まれる電子領収書イメージから特定されてもよい。
また、領収書の発行機関が調剤薬局の場合には、記録部702は、処方箋発行機関および処方箋発行日の各フィールドに、同意確認情報から特定される処方箋の発行機関および発行日をそれぞれ設定する。より具体的には、処方箋の発行機関および発行日を示す情報は、例えば、同意確認情報に含まれていてもよく、また、同意確認情報に含まれる電子領収書イメージから特定されてもよい。
また、記録部702は、領収書の発行機関が調剤薬局の場合には、処方箋の発行日に、処方箋の発行機関から発行された他の領収書の情報を検索することにしてもよい。そして、他の領収書の情報が検索された場合には、記録部702は、領収書の情報を、他の領収書の情報と関連付けて記憶することにしてもよい。
ここで、領収書の発行機関が調剤薬局である領収書情報500−3(図5参照)を領収書DB220に新規登録する場合を例に挙げて説明する。この場合、まず、記録部702は、領収書DB220から、領収書情報500−3の処方箋発行日「2015/3/12」に処方箋発行機関「○皮膚科クリニック」から発行された他の領収書情報を検索する。
図5の例では、発行機関「○皮膚科クリニック」から発行日「2015/3/12」に発行された領収書に関する領収書情報500−1が検索される。この場合、記録部702は、領収書情報500−1と領収書情報500−3とに同一の紐付け番号「P1−1」を設定する。これにより、領収書情報500−1と領収書情報500−3とを関連付けて領収書DB220に記憶することができる。
印刷制御部703は、領収書を保管しないとの選択を受け付けた場合、当該領収書についての印刷指示を出力する。具体的には、例えば、印刷制御部703は、領収書を保管しないとの選択を受け付けた場合、同意確認情報の送信元である医療機関端末Tiに対応するプリンタPiに、当該領収書についての印刷指示を出力する。
領収書についての印刷指示は、プリンタPiに対して直接出力することにしてもよく、また、医療機関端末Tiを介してプリンタPiに出力することにしてもよい。領収書についての印刷指示には、例えば、当該領収書の電子領収書イメージが含まれる。
ただし、医療機関端末Tiを介してプリンタPiに印刷指示を出力する場合には、当該印刷指示に電子領収書イメージを含めなくてもよい。この場合、医療機関端末Tiは、情報管理装置100からの印刷指示に応じて、領収書の電子領収書イメージを含む印刷指示をプリンタPiに出力する。
また、記録部702は、領収書を保管しないとの選択を受け付けた場合、当該領収書についての印刷指示が出力されたことに応じて、領収書DB220に印刷フラグ「ON」の領収書情報を新規登録することにしてもよい。これにより、領収書が発行された際に、その場で受け渡しが行われた領収書の受け渡し状況についても管理することができる。
また、受付部701は、領収書の受け渡し状況を示す情報の表示要求を受け付ける。具体的には、例えば、受付部701は、クライアント装置201から支払一覧画面の表示要求を受信することにより、領収書の受け渡し状況を示す情報の表示要求を受け付ける。支払一覧画面は、医療モールML内の医療機関Miにおいて発行された領収書の受け渡し状況を一覧表示する画面である。
表示制御部704は、領収書の受け渡し状況を示す情報の表示要求を受け付けたことに応じて、領収書の受け渡し状況を示す情報を表示する制御を行う。具体的には、例えば、まず、表示制御部704は、クライアント装置201から支払一覧画面の表示要求を受信すると、クライアント装置201にログイン画面(不図示)を表示する。そして、表示制御部704は、ログイン画面において入力された患者ID、パスワードなどを含む認証情報をクライアント装置201から受信する。つぎに、表示制御部704は、受信した認証情報に基づいて、クライアント装置201の利用者を認証する。
より詳細に説明すると、表示制御部704は、例えば、患者IDとパスワードとを対応付けて記憶する認証DB(不図示)を参照して、認証情報に含まれる患者IDに対応するパスワードを特定する。そして、表示制御部704は、特定したパスワードと、認証情報に含まれるパスワードとを照合する。ここで、パスワードが一致する場合に、表示制御部704は、クライアント装置201の利用者を認証する(認証OK)。一方、パスワードが不一致の場合は、表示制御部704は、クライアント装置201の利用者を認証しない(認証NG)。また、表示制御部704は、認証情報に含まれる患者IDに対応するパスワードを特定できなかった場合も、クライアント装置201の利用者を認証しない(認証NG)。
そして、表示制御部704は、クライアント装置201の利用者を認証した場合に、領収書DB220から、認証情報に含まれる患者ID(要求元の患者ID)に対応する領収書情報を取得する。つぎに、表示制御部704は、取得した領収書情報に基づいて、支払一覧画面の画面情報を生成する。
この際、表示制御部704は、例えば、受け渡しされていない領収書の中から印刷対象の領収書を選択可能に、領収書の受け渡し状況を一覧表示する支払一覧画面の画面情報を生成することにしてもよい。そして、表示制御部704は、生成した支払一覧画面の画面情報をクライアント装置201に送信する。
これにより、クライアント装置201の利用者に対して発行された領収書の受け渡し状況を一覧表示する支払一覧画面を表示することができる。支払一覧画面の画面例については、図8を用いて後述する。
なお、患者ID(要求元の患者ID)は、支払一覧画面の表示要求に含まれていてもよい。この場合、表示制御部704は、クライアント装置201の利用者の認証を行うことなく、支払一覧画面の画面情報を生成してクライアント装置201に表示することにしてもよい。
また、受付部701は、受け渡しされていない領収書のうちの印刷対象の領収書の選択を受け付ける。印刷対象の領収書の選択は、例えば、後述の図8に示すような支払一覧画面800において行われる。具体的には、例えば、受付部701は、クライアント装置201から印刷対象の領収書の印刷依頼を受信することにより、印刷対象の領収書の選択を受け付ける。印刷依頼には、印刷対象の領収書を一意に識別する情報、例えば、領収書番号が含まれる。
また、記録部702は、印刷対象の領収書の印刷依頼を受け付けた場合、印刷対象の領収書に対応する領収書情報の印刷フラグを「QT」に更新することにしてもよい。例えば、印刷依頼に領収書番号「R1,R2」が含まれる場合、記録部702は、領収書番号「R1,R2」に対応する領収書情報500−1,500−2の印刷フラグに「QT」を設定する。
印刷制御部703は、選択された印刷対象の領収書についての印刷指示を、医療モールML内のプリンタPiに出力する。具体的には、例えば、印刷制御部703は、印刷対象の領収書の受取人が認証されたことに応じて、印刷対象の領収書についての印刷指示を、医療モールML内のプリンタPiに出力することにしてもよい。
より詳細に説明すると、例えば、まず、印刷制御部703は、印刷対象の領収書の受取人が認証されたことを示す認証結果を医療機関端末Tiから受信する。認証結果には、例えば、認証された受取人の患者IDが含まれる。受取人の認証は、例えば、受取人が領収書を受け取るために訪れた医療機関Miの医療機関端末Tiにおいて行われる。
例えば、医療機関Miの窓口において、受取人が、医療機関端末Tiのカードリーダ405に診察券を通して読み取らせることにより、自身の患者情報を入力する。患者情報には、例えば、患者ID、パスワードなどが含まれる。医療機関端末Tiは、例えば、患者IDとパスワードとを対応付けて記憶する認証DB(不図示)を参照して、入力された患者情報に含まれる患者IDに対応するパスワードを特定する。
そして、医療機関端末Tiは、特定したパスワードと、患者情報に含まれるパスワードとを照合する。ここで、パスワードが一致する場合に、医療機関端末Tiは、受取人を認証して(認証OK)、受取人が認証されたことを示す認証結果を情報管理装置100に送信する。一方、パスワードが不一致の場合は、医療機関端末Tiは、受取人を認証しない(認証NG)。この場合、医療機関端末Tiは、情報管理装置100に認証結果を送信しないことにしてもよい。
なお、受取人の認証は、情報管理装置100において行うことにしてもよい。具体的には、例えば、情報管理装置100は、医療機関端末Tiから受取人の患者情報を受信し、受信した患者情報に基づいて、受取人の認証を行うことにしてもよい。また、本人認証をより強化するために、静脈や虹彩などの生体情報をさらに加えて受取人の認証を行うことにしてもよい。
そして、印刷制御部703は、受取人が認証されたことを示す認証結果を受信した場合、領収書DB220を参照して、認証結果に含まれる患者IDに対応する領収書情報のうちの印刷フラグが「QT」の領収書情報を特定する。これにより、受取人が印刷依頼中の領収書についての領収書情報を特定することができる。
そして、印刷制御部703は、例えば、特定した領収書情報(印刷対象の領収書情報)の電子領収書イメージを含む印刷指示を、認証情報の送信元である医療機関端末Tiに対応するプリンタPiに出力する。これにより、受取人が訪れた医療機関MiのプリンタPiから印刷対象の領収書を印刷することができる。
また、印刷制御部703は、印刷対象の領収書の情報と関連付けて記憶された他の領収書の情報が存在するか否かを判断することにしてもよい。そして、印刷制御部703は、他の領収書の情報が存在する場合は、印刷対象の領収書についての印刷指示と、他の領収書についての印刷指示とを、医療モールML内のプリンタPiに連続して出力することにしてもよい。
具体的には、例えば、印刷制御部703は、領収書DB220から、印刷対象の領収書情報と同一の紐付け番号が設定された他の領収書情報を検索する。ただし、印刷フラグが「ON」の領収書情報は検索対象から除外する。そして、印刷制御部703は、他の領収書情報が検索された場合には、例えば、印刷対象の領収書情報の電子領収書イメージを含む印刷指示と、他の領収書情報の電子領収書イメージを含む印刷指示とをプリンタPiに連続して出力する。
例えば、印刷対象の領収書情報を、図5に示した領収書情報500−1とする。この場合、印刷制御部703は、領収書DB220から、印刷対象の領収書情報500−1と同一の紐付け番号「P1−1」が設定された他の領収書情報500−3を検索する。そして、印刷制御部703は、領収書情報500−1のイメージデータD1を含む印刷指示と、他の領収書情報500−3のイメージデータD3を含む印刷指示とを連続して出力する。
これにより、クリニックにおいて診療費を支払った際に発行された領収書と、当該診療に応じて処方された薬剤について調剤薬局において調剤費を支払った際に発行された領収書とをまとめて印刷することができる。
記録部702は、印刷対象の領収書についての印刷指示が出力されたことに応じて、印刷対象の領収書の受け渡し状況を示す情報を、当該領収書が受け渡しされたことを示す情報に更新する。具体的には、例えば、記録部702は、印刷対象の領収書情報の電子領収書イメージを含む印刷指示が出力された場合、領収書DB220内の印刷対象の領収書情報の印刷フラグに「ON」を設定する。
例えば、領収書情報500−1のイメージデータD1を含む印刷指示が出力された場合、記録部702は、領収書情報500−1の印刷フラグに「ON」を設定する。この際、領収書情報500−1と同一の紐付け番号が設定された領収書情報500−3のイメージデータD3を含む印刷指示が連続して出力された場合には、記録部702は、領収書情報500−3の印刷フラグに「ON」を設定する。
これにより、受け渡し済みの領収書についての印刷指示が出力されるのを抑止することができ、同じ領収書が複数回発行されて、経費の水増し請求や二重請求などに悪用されるリスクを低減させることができる。
また、記録部702は、印刷フラグに「QT」が設定されてから一定時間(例えば、24時間)以内に印刷指示が出力されなかった領収書情報について、印刷フラグに「OFF」を設定することにしてもよい。これにより、例えば、印刷依頼されてから一定時間内に受取人が認証されなかった領収書の印刷依頼をリセットすることができ、悪意のある第三者の手に渡って領収書が悪用されるのを防ぐことができる。
なお、情報管理装置100は、所定のタイミングで、領収書DB220を参照して、受け渡しされていない領収書(印刷フラグが「OFF」の領収書)が存在するか否かを判断することにしてもよい。所定のタイミングは、月末(例えば、各月の25日前後)や年末(例えば、12月の20日前後)などである。
そして、情報管理装置100は、受け渡しされていない領収書が存在する場合には、当該領収書の発行先となる利用者のアドレス宛に、受け渡しされていない領収書が存在する旨のアラーム情報を送信することにしてもよい。利用者のアドレス(例えば、メールアドレス)は、例えば、患者IDと対応付けて領収書DB220に記憶されている。
これにより、受け渡しされていない領収書が存在する場合は、例えば、確定申告前あるいは高額療養費の申請期限前に、利用者に対して未印刷の領収書の存在を通知して、未印刷の領収書を受け取る必要があるか否かの確認を促すことができる。
(支払一覧画面の画面例)
つぎに、クライアント装置201のディスプレイ(例えば、図4に示したディスプレイ407)に表示される支払一覧画面の画面例について説明する。ここでは、操作画面に表示されているボタン等を利用者が選択する操作としてタップ操作を行う場合を例に挙げて説明する。また、領収書番号R#の領収書を「領収書R#」と表記する場合がある。
図8は、支払一覧画面の画面例を示す説明図である。図8において、支払一覧画面800は、医療モールML内の各医療機関Miにおいて患者ID「P1」の利用者に対して発行された領収書R1〜R5の受け渡し状況を一覧表示する操作画面である。
支払一覧画面800によれば、利用者は、領収書R1〜R5の受け渡し状況を確認することができる。なお、支払一覧画面800内の印刷「依頼中」は、領収書の印刷を依頼中であることを示す。また、印刷「*」は、領収書が未印刷であることを示す。また、印刷「印刷済」は、領収書が印刷済みであることを示す。
支払一覧画面800において、入力装置(例えば、図4に示した入力装置408)を用いた利用者の操作入力により、ボタン801をタップすると、どの年度の領収書の受け渡し状況を一覧表示するのかを切り替えることができる。図8の例では「2015年度」が選択されている。
また、支払一覧画面800において、ボタン群802のいずれかのボタンをタップすると、タップしたボタンに対応する月に発行された領収書を一括選択することができる。図8の例では、ボタン群802のいずれのボタンもタップされていない。
また、支払一覧画面800において、チェックボックス803〜806のいずれかをタップすることにより、印刷対象の領収書を選択することができる。例えば、チェックボックス803がタップされると、印刷対象として領収書R1が選択される。なお、印刷済みの領収書R5については選択不可となっている。
また、支払一覧画面800において、ボタン807をタップすると、薬局連動機能を解除することができる。薬局連動機能は、印刷対象として選択された領収書と紐付け番号が同一の領収書を自動選択する機能である。例えば、薬局連動機能が有効のときに、チェックボックス803がタップされると、印刷対象として選択された領収書R1と紐付け番号が同一の領収書R3に対応するチェックボックス804が自動選択される。
また、支払一覧画面800において、ボタン808をタップすると、印刷対象として選択された領収書の印刷依頼が、クライアント装置201から情報管理装置100に送信される。そして、印刷依頼された領収書について印刷「依頼中」が表示される。図8の例では、チェックボックス803,804が選択された状態でボタン808がタップされた結果、領収書R1,R3の印刷依頼が送信されて、領収書R1,R3について印刷「依頼中」が表示されている。
また、支払一覧画面800において、ボタン809をタップすると、印刷対象の領収書の選択を解除することができる。また、支払一覧画面800において、ボタン810をタップすると、クライアント装置201から情報管理装置100に表示終了通知が送信され、支払一覧画面800の表示を終了することができる。
また、支払一覧画面800において、チェックボックス803〜806のいずれかをダブルタップすると、領収書の内容を表示する領収書確認画面がポップアップ表示される。例えば、チェックボックス803をダブルタップすると、図9に示すような領収書確認画面900がポップアップ表示される。
図9は、領収書確認画面の画面例を示す説明図である。図9において、領収書確認画面900は、医療機関「○皮膚科クリニック」において発行された領収書の内容が表示されている。領収書確認画面900によれば、利用者は、例えば、領収書R1の内容を確認した上で、領収書R1を印刷対象として選択するか否かを判断することができる。
(情報管理装置100の各種処理手順)
つぎに、情報管理装置100の各種処理手順について説明する。ここでは、まず、情報管理装置100の領収書保管処理手順について説明する。
図10は、情報管理装置100の領収書保管処理手順の一例を示すフローチャートである。図10において、情報管理装置100は、医療モールML内の医療機関Miに設置された医療機関端末Tiから同意確認情報を受信したか否かを判断する(ステップS1001)。ここで、情報管理装置100は、同意確認情報を受信するのを待つ(ステップS1001:No)。
そして、情報管理装置100は、同意確認情報を受信した場合(ステップS1001:Yes)、受信した同意確認情報を参照して、領収書DB220に領収書情報を新規登録する(ステップS1002)。ただし、この時点では、領収書情報の印刷フラグおよび紐付け番号は未設定である。
つぎに、情報管理装置100は、同意確認情報を参照して、領収書を保管するとの選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS1003)。ここで、領収書を保管するとの選択を受け付けた場合(ステップS1003:Yes)、情報管理装置100は、新規登録した領収書情報の印刷フラグに「OFF」を設定する(ステップS1004)。
そして、情報管理装置100は、関連付け処理を実行して(ステップS1005)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。なお、関連付け処理の具体的な処理手順については、図11を用いて後述する。
また、ステップS1003において、領収書を保管しないとの選択を受け付けた場合(ステップS1003:No)、情報管理装置100は、医療機関端末Tiに対応するプリンタPiに、当該領収書についての印刷指示を出力する(ステップS1006)。つぎに、情報管理装置100は、新規登録した領収書情報の印刷フラグに「ON」を設定する(ステップS1007)。
そして、情報管理装置100は、新規登録した領収書情報に新規の紐付け番号を設定して(ステップS1008)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。紐付け番号としては、例えば、「患者ID−$」が設定される。ただし、「$」は、1以上の自然数であり、1から順に採番される。
これにより、医療モールML内の各医療機関Miにおいて発行された領収書の情報(発行日、発行機関、金額、電子領収書イメージなど)と、当該領収書の受け渡し状況を一元管理することができる。
つぎに、図10に示したステップS1005の関連付け処理の具体的な処理手順について説明する。
図11は、関連付け処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートにおいて、まず、情報管理装置100は、図10に示したステップS1002において新規登録した領収書情報に処方箋発行機関が設定されているか否かを判断する(ステップS1101)。
ここで、処方箋発行機関が設定されている場合(ステップS1101:Yes)、情報管理装置100は、領収書DB220から、処方箋発行機関が発行機関に設定された他の領収書情報を検索する(ステップS1102)。そして、情報管理装置100は、他の領収書情報が検索されたか否かを判断する(ステップS1103)。
ここで、他の領収書情報が検索されなかった場合(ステップS1103:No)、情報管理装置100は、ステップS1106に移行する。一方、他の領収書情報が検索された場合(ステップS1103:Yes)、情報管理装置100は、検索された他の領収書情報の発行日が、新規登録した領収書情報の処方箋発行日と同一であるか否かを判断する(ステップS1104)。
ここで、処方箋発行日と異なる場合(ステップS1104:No)、情報管理装置100は、ステップS1106に移行する。一方、処方箋発行日と同一である場合(ステップS1104:Yes)、情報管理装置100は、新規登録した領収書情報に、他の領収書情報の紐付け番号と同一の紐付け番号を設定して(ステップS1105)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS1101において、処方箋発行機関が設定されていない場合(ステップS1101:No)、情報管理装置100は、新規登録した領収書情報に新規の紐付け番号を設定して(ステップS1106)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、クリニックにおいて診療費を支払った際に発行された領収書と、当該診療に応じて処方された薬剤について調剤薬局において調剤費を支払った際に発行された領収書とを関連付けることができる。
つぎに、情報管理装置100の印刷依頼処理手順について説明する。
図12は、情報管理装置100の印刷依頼処理手順の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、まず、情報管理装置100は、クライアント装置201から支払一覧画面の表示要求を受信したか否かを判断する(ステップS1201)。ここで、情報管理装置100は、支払一覧画面の表示要求を受信するのを待つ(ステップS1201:No)。
そして、情報管理装置100は、支払一覧画面の表示要求を受信した場合(ステップS1201:Yes)、領収書DB220から、要求元の患者IDに対応する領収書情報を取得する(ステップS1202)。そして、情報管理装置100は、取得した領収書情報に基づいて、支払一覧画面の画面情報を生成する(ステップS1203)。支払一覧画面は、受け渡しされていない領収書の中から印刷対象の領収書を選択可能に、領収書の受け渡し状況を一覧表示する操作画面である。
そして、情報管理装置100は、生成した画面情報をクライアント装置201に送信することにより、クライアント装置201に支払一覧画面を表示する(ステップS1204)。つぎに、情報管理装置100は、印刷対象の領収書の印刷依頼を受信したか否かを判断する(ステップS1205)。
ここで、印刷依頼を受信した場合(ステップS1205:Yes)、情報管理装置100は、領収書DB220から、印刷依頼に対応する領収書情報を特定する(ステップS1206)。そして、情報管理装置100は、特定した領収書情報の印刷フラグに「QT」を設定して(ステップS1207)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS1205において、印刷依頼を受信していない場合(ステップS1205:No)、情報管理装置100は、クライアント装置201から、支払一覧画面の表示終了通知を受信したか否かを判断する(ステップS1208)。ここで、表示終了通知を受信していない場合(ステップS1208:No)、情報管理装置100は、ステップS1205に戻る。
一方、表示終了通知を受信した場合(ステップS1208:Yes)、情報管理装置100は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、クライアント装置201の利用者に対して、その利用者に発行された領収書の受け渡し状況を一覧表示する支払一覧画面を提示することができる。また、支払一覧画面において選択された印刷対象の領収書の印刷依頼を受け付けることができる。
つぎに、情報管理装置100の印刷処理手順について説明する。
図13は、情報管理装置100の印刷処理手順の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、まず、情報管理装置100は、医療機関端末Tiから、印刷対象の領収書の受取人が認証されたことを示す認証結果を受信したか否かを判断する(ステップS1301)。
ここで、情報管理装置100は、認証結果を受信するのを待つ(ステップS1301:No)。そして、情報管理装置100は、認証結果を受信した場合(ステップS1301:Yes)、領収書DB220から、認証結果に含まれる患者IDに対応する領収書情報のうちの印刷フラグが「QT」の領収書情報を特定する(ステップS1302)。この際、情報管理装置100は、例えば、特定した印刷フラグ「QT」の領収書情報と同一の紐付け番号が設定された他の領収書情報を合わせて特定することにしてもよい。
つぎに、情報管理装置100は、特定した領収書情報のイメージデータを含む印刷指示を、医療機関端末Tiに対応するプリンタPiに紐付け番号順($が昇順となるように)に連続して出力する(ステップS1303)。この際、情報管理装置100は、紐付け番号が同一の領収書情報のイメージデータを含む印刷指示は連続して出力する。
そして、情報管理装置100は、特定した領収書情報の印刷フラグに「ON」を設定して(ステップS1304)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。これにより、正当な受取人であると認証された利用者が訪れた医療機関MiのプリンタPiから印刷対象の領収書を印刷することができる。
以上説明したように、実施の形態にかかる情報管理装置100によれば、受け渡しされていない領収書のうちの印刷対象の領収書の選択を受け付け、選択された印刷対象の領収書についての印刷指示を、医療モールML内のプリンタPiに出力することができる。
これにより、医療モールML内の医療機関Miにおいて発行された領収書を、患者が必要なときに受け取り可能となり、紛失、破損等しないように領収書を保管する手間を削減して利便性を向上させることができる。また、医療モールML内のプリンタPiから領収書が印刷出力されるため、領収書を安全に受け渡しすることができる。
また、情報管理装置100によれば、印刷対象の領収書についての印刷指示が出力されたことに応じて、印刷対象の領収書の受け渡し状況を示す情報(印刷フラグ)を、当該領収書が受け渡しされたことを示す情報に更新することができる。
これにより、受け渡し済みの領収書についての印刷指示が出力されるのを抑止することができ、同じ領収書が複数回発行されて、経費の水増し請求や二重請求などに悪用されるリスクを低減させることができる。
また、情報管理装置100によれば、医療機関Miにおいて領収書が発行された際に、当該領収書を保管するか否かの選択を受け付けることができる。そして、情報管理装置100によれば、領収書を保管するとの選択を受け付けた場合に、領収書の情報と、当該領収書が受け渡しされていないことを示す情報(印刷フラグ「OFF」)とを対応付けた領収書情報を領収書DB220に記憶することができる。
これにより、医療機関Miでの医療費の支払い時に、利用者(例えば、患者)が、すぐには領収書が必要でないと判断した場合は、その場で領収書を受け取らずに電子化して保管しておくことができる。また、医療モールML内の各医療機関Miにおいて発行される領収書の受け渡し状況を一元管理することができる。
また、情報管理装置100によれば、領収書を保管しないとの選択を受け付けた場合には、当該領収書についての印刷指示を、医療モールML内のプリンタPiに出力することができる。
これにより、医療機関Miでの医療費の支払い時に、利用者が、すぐに領収書が必要であると判断した場合には、その場で領収書を受け取ることができる。
また、情報管理装置100によれば、医療機関端末Tiから、印刷対象の領収書の受取人が認証されたことを示す認証結果を受信したことに応じて、印刷対象の領収書についての印刷指示を、医療機関端末Tiに対応するプリンタPiに出力することができる。
これにより、悪意のある第三者により領収書が不正に受け取られることを防ぐことができる。また、医療モールML内のどの医療機関Miでも領収書を受け取ることができる。
また、情報管理装置100によれば、領収書DB220に領収書情報を新規登録する際に、領収書の発行機関が調剤薬局の場合には、処方箋の発行日に、処方箋の発行機関から発行された他の領収書情報を領収書DB220から検索することができる。そして、情報管理装置100によれば、他の領収書情報が検索された場合には、領収書情報を、他の領収書情報と関連付けて領収書DB220に記憶することができる。
これにより、医療モールML内のクリニックにおいて診療費を支払った際に発行された領収書と、当該診療に応じて処方された薬剤について医療モールML内の調剤薬局において調剤費を支払った際に発行された領収書とを紐付けて保管することができる。
また、情報管理装置100によれば、印刷対象の領収書についての印刷指示を出力する際に、印刷対象の領収書の領収書情報と関連付けて領収書DB220に記憶された他の領収書の領収書情報が存在するか否かを判断することができる。そして、情報管理装置100によれば、他の領収書の領収書情報が存在する場合には、印刷対象の領収書についての印刷指示と、他の領収書についての印刷指示とを、医療モールML内のプリンタPiに連続して出力することができる。
これにより、医療モールML内のクリニックにおいて診療費を支払った際に発行された領収書と、当該診療に応じて処方された薬剤について医療モールML内の調剤薬局において調剤費を支払った際に発行された領収書とをまとめて印刷出力することができる。このため、利用者は、印刷出力された領収書の順番から、クリニックにおいて発行された領収書と調剤薬局において発行された領収書との対応関係を特定することができ、医療費控除や高額療養費の対象となる領収書を特定しやすくなる。
また、情報管理装置100によれば、支払一覧画面の表示要求に応じて、領収書DB220を参照して、受け渡しされていない領収書の中から印刷対象の領収書を選択可能に、領収書の受け渡し状況を一覧表示することができる。
これにより、利用者は、医療モールML内の医療機関Miにおいて発行された領収書の受け渡し状況を確認しながら、印刷対象の領収書を選択することができ、医療費控除や高額療養費の対象となる領収書を探し出しやすくなる。
また、情報管理装置100によれば、所定のタイミングで、領収書DB220を参照して、受け渡しされていない領収書が存在するか否かを判断することができる。そして、情報管理装置100によれば、受け渡しされていない領収書が存在する場合には、当該領収書の発行先に対応するアドレス宛に、受け渡しされていない領収書が存在する旨のアラーム情報を送信することができる。
これにより、確定申告前や高額療養費の申請期限前などの領収書が必要となる時機を見計らって、利用者に対して未印刷の領収書の存在を通知して、未印刷の領収書を受け取る必要があるか否かの確認を促すことができる。
これらのことから、情報管理装置100によれば、医療機関Miにおいて発行される領収書の管理の煩わしさを低減させることができる。また、紙媒体での領収書の保管量を減らすことができる。さらに、領収書の紛失を防止することができるため、紛失時における領収書の再発行にかかる医療機関側の負担を削減することができる。
なお、本実施の形態で説明した情報管理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報管理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本情報管理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)医療機関において発行された領収書の情報と、当該領収書の受け渡し状況を示す情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部を参照して、受け渡しされていない領収書のうちの印刷対象の領収書の選択を受け付け、選択された前記印刷対象の領収書についての印刷指示を、前記医療機関に対応するプリンタに出力する制御部と、
を有することを特徴とする情報管理装置。
(付記2)前記制御部は、
前記印刷指示を出力したことに応じて、前記記憶部に記憶された、前記印刷対象の領収書の受け渡し状況を示す情報を、前記印刷対象の領収書が受け渡しされたことを示す情報に更新する、ことを特徴とする付記1に記載の情報管理装置。
(付記3)前記制御部は、
前記医療機関において領収書が発行された際に、当該領収書を保管するか否かの選択を受け付け、
前記領収書を保管するとの選択を受け付けた場合に、前記領収書の情報と、当該領収書が受け渡しされていないことを示す情報とを対応付けて前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の情報管理装置。
(付記4)前記制御部は、
前記領収書を保管しないとの選択を受け付けた場合には、前記領収書についての印刷指示を前記プリンタに出力する、ことを特徴とする付記3に記載の情報管理装置。
(付記5)前記記憶部は、複数の医療機関を含む医療モール内の各医療機関において発行された領収書の情報と、当該領収書の受け渡し状況を示す情報とを対応付けて記憶する、ことを特徴とする付記1または2に記載の情報管理装置。
(付記6)前記制御部は、
前記医療モール内のいずれかの医療機関の端末装置から、前記印刷対象の領収書の受取人が認証されたことを示す認証結果を受信したことに応じて、前記印刷対象の領収書についての印刷指示を、前記医療機関に対応するプリンタに出力する、ことを特徴とする付記5に記載の情報管理装置。
(付記7)前記医療機関は、前記医療モール内の診療所または調剤薬局であり、
前記領収書の情報は、前記領収書の発行日と発行機関とを示す情報を含み、さらに、前記領収書の発行機関が調剤薬局の場合には、処方箋の発行日と発行機関とを示す情報を含み、
前記制御部は、
前記領収書の発行機関が調剤薬局の場合には、処方箋の発行日に、処方箋の発行機関から発行された他の領収書の情報を前記記憶部から検索し、前記他の領収書の情報が検索された場合、前記領収書の情報を、前記他の領収書の情報と関連付けて前記記憶部に記憶する、ことを特徴とする付記5または6に記載の情報管理装置。
(付記8)前記制御部は、
前記印刷対象の領収書の情報と関連付けて前記記憶部に記憶された他の領収書の情報が存在する場合には、前記印刷対象の領収書についての印刷指示と、前記他の領収書についての印刷指示とを前記プリンタに連続して出力する、ことを特徴とする付記7に記載の情報管理装置。
(付記9)前記制御部は、
前記医療機関において発行された領収書の受け渡し状況を示す情報の表示要求を受け付けたことに応じて、前記記憶部を参照して、受け渡しされていない領収書の中から印刷対象の領収書を選択可能に、前記受け渡し状況を示す情報を表示する制御を行う、ことを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の情報管理装置。
(付記10)前記制御部は、
所定のタイミングで、前記記憶部を参照して、受け渡しされていない領収書が存在するか否かを判断し、
受け渡しされていない領収書が存在する場合には、当該領収書の発行先に対応するアドレス宛に、受け渡しされていない領収書が存在する旨のアラーム情報を送信する、
ことを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の情報管理装置。
(付記11)コンピュータが、
医療機関において発行された領収書の情報と、当該領収書の受け渡し状況を示す情報とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、受け渡しされていない領収書のうちの印刷対象の領収書の選択を受け付け、選択された前記印刷対象の領収書についての印刷指示を、前記医療機関に対応するプリンタに出力する、
処理を実行することを特徴とする情報管理方法。
(付記12)コンピュータに、
医療機関において発行された領収書の情報と、当該領収書の受け渡し状況を示す情報とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、受け渡しされていない領収書のうちの印刷対象の領収書の選択を受け付け、選択された前記印刷対象の領収書についての印刷指示を、前記医療機関に対応するプリンタに出力する、
処理を実行させることを特徴とする情報管理プログラム。