JP2017110720A - 樹脂歯車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 樹脂歯車12は、回転方向に対して前後に形成された歯面13a、13bと、これら歯面の間に形成された歯先13cとを備えるとともに、軸方向に対して所定のねじれ角で傾斜して設けられたはす歯13を複数備えている。
上記歯面13a、13bにおける上記相手の歯車の歯面との接触部の一部に、上記相手の歯車の歯面と接触しないような逃がし部15を形成した。
【効果】 応力集中による歯面の損傷を可及的に防止することができる。
【選択図】 図3
上記歯面13a、13bにおける上記相手の歯車の歯面との接触部の一部に、上記相手の歯車の歯面と接触しないような逃がし部15を形成した。
【効果】 応力集中による歯面の損傷を可及的に防止することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は樹脂歯車に関し、軸方向に対して所定のねじれ角で設けられたはす歯を備えた樹脂製の樹脂歯車に関する。
従来、ギヤ装置に用いられる歯車として、回転方向に対して前後に形成された歯面と、これら歯面の間に形成された歯先とを備えるとともに、軸方向に対して所定のねじれ角で設けられたはす歯を備えた樹脂製の樹脂歯車が知られている(特許文献1)。
上記はす歯を備えた樹脂歯車では、噛合する相手の歯車が回転すると、上記はす歯では、相手の歯車の歯面との接触部が上記歯面に沿って一端から他端に移動し、上記接触部を介して伝達された駆動力により当該樹脂歯車が回転するようになっている。
上記はす歯を備えた樹脂歯車では、噛合する相手の歯車が回転すると、上記はす歯では、相手の歯車の歯面との接触部が上記歯面に沿って一端から他端に移動し、上記接触部を介して伝達された駆動力により当該樹脂歯車が回転するようになっている。
ここで、上記特許文献1に示す樹脂製のはす歯歯車の場合、はす歯に作用する応力が大きくなると、弾性率の低い樹脂製のはす歯が変形してしまい、またこのような応力が繰り返し作用することで、歯面にピッチングなどの損傷が発生してしまうこととなる。
このような問題に鑑み、本発明は歯面の損傷を可及的に防止することが可能な樹脂歯車を提供するものである。
このような問題に鑑み、本発明は歯面の損傷を可及的に防止することが可能な樹脂歯車を提供するものである。
すなわち本発明にかかる樹脂歯車は、回転方向に対して前後に形成された歯面と、これら歯面の間に形成された歯先とを備えるとともに、軸方向に対して所定のねじれ角で設けられたはす歯を複数備え、
噛合した相手の歯車が回転すると、上記はす歯の歯面における相手の歯車の歯面との接触部が上記歯面の一端から他端にかけて移動する、樹脂製の樹脂歯車において、
上記歯面における上記相手の歯車の歯面との接触部の一部に、上記相手の歯車の歯面と接触しないような逃がし部を形成したことを特徴としている。
噛合した相手の歯車が回転すると、上記はす歯の歯面における相手の歯車の歯面との接触部が上記歯面の一端から他端にかけて移動する、樹脂製の樹脂歯車において、
上記歯面における上記相手の歯車の歯面との接触部の一部に、上記相手の歯車の歯面と接触しないような逃がし部を形成したことを特徴としている。
上記発明によれば、樹脂製のはす歯が変形しても、上記逃がし部により歯面全体に均等に応力を作用させることができるため、上述したようなピッチングなどの損傷を防止することが可能となる。
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1はバランスシャフト装置の一部を構成するギヤ装置1を示し、このギヤ装置1は図示しないシリンダブロックの下方に設けられている。なお、図1において図示左方を前方もしくは先端側とし、図示右方を後方もしくは後端側とする。
ギヤ装置1は、図示しないハウジングに軸支された回転軸2と、回転軸2に相対回転可能に嵌合されるとともに駆動歯車3と噛合する被駆動歯車4と、上記回転軸2と被駆動歯車4との間に設けられたフリクションダンパ5と、回転軸2の先端部に固定されたカバー6と、上記被駆動歯車4とカバー6との間に設けられた回転伝達機構7とを備えている。
上記駆動歯車3はエンジンの駆動によって回転する金属製のはす歯歯車となっており、上記被駆動歯車4に駆動力を伝達することによって、上記ギヤ装置1を作動させるようになっている。
ギヤ装置1は、図示しないハウジングに軸支された回転軸2と、回転軸2に相対回転可能に嵌合されるとともに駆動歯車3と噛合する被駆動歯車4と、上記回転軸2と被駆動歯車4との間に設けられたフリクションダンパ5と、回転軸2の先端部に固定されたカバー6と、上記被駆動歯車4とカバー6との間に設けられた回転伝達機構7とを備えている。
上記駆動歯車3はエンジンの駆動によって回転する金属製のはす歯歯車となっており、上記被駆動歯車4に駆動力を伝達することによって、上記ギヤ装置1を作動させるようになっている。
上記回転軸2は金属製となっており、図示しない軸受によって上記ハウジングに回転自在に軸支されている。
上記回転軸2は、先端部に形成されて上記カバー6が嵌合する小径部2aと、小径部2aの後方に形成されて上記被駆動歯車4が回転自在に嵌合される大径部2bと、当該大径部2bよりも後方に形成されたフランジ部2cとを備えている。
上記回転軸2は、先端部に形成されて上記カバー6が嵌合する小径部2aと、小径部2aの後方に形成されて上記被駆動歯車4が回転自在に嵌合される大径部2bと、当該大径部2bよりも後方に形成されたフランジ部2cとを備えている。
図2に示すように、上記被駆動歯車4はリング状のインサート部11と、このインサート部11の外周に嵌着されたリング状の樹脂歯車12とから構成され、上記インサート部11の外周に形成された図示しない突起によってインサート部11と樹脂歯車12とは相対的に回転しないように固定されている。
上記インサート部11は金属製となっており、その内周は上記回転軸2の大径部2bと略同形に形成され、このため被駆動歯車4は回転軸2の大径部2bに沿って軸方向に移動するとともに、円周方向に相対回転可能となっている。
上記インサート部11のリヤ側には軸方向に伸びた筒状の環状突起11aが形成され、またインサート部11の前方には、後に詳述するように上記回転伝達機構7を構成する4個の第1係合部11bが前方に向けて突設されている。
そして上記フリクションダンパ5は、上記被駆動歯車4における上記インサート部11の環状突起11aの内周面と上記回転軸2のフランジ部2cの外周面との間に設けられている。
上記インサート部11は金属製となっており、その内周は上記回転軸2の大径部2bと略同形に形成され、このため被駆動歯車4は回転軸2の大径部2bに沿って軸方向に移動するとともに、円周方向に相対回転可能となっている。
上記インサート部11のリヤ側には軸方向に伸びた筒状の環状突起11aが形成され、またインサート部11の前方には、後に詳述するように上記回転伝達機構7を構成する4個の第1係合部11bが前方に向けて突設されている。
そして上記フリクションダンパ5は、上記被駆動歯車4における上記インサート部11の環状突起11aの内周面と上記回転軸2のフランジ部2cの外周面との間に設けられている。
上記樹脂歯車12ははす歯歯車となっており、外周には図3、図4に示すようなはす歯13が等間隔に形成されており、上記駆動歯車3には上記はす歯13と噛合する略同形状のはす歯が形成されている。
以下、上記樹脂歯車12を備えた被駆動歯車4の製造方法を説明するが、これは上記特許文献1において公知であるため、詳細な説明については省略する。
まず、シート状樹脂を抄造により製造する。具体的には、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂粉末と強化繊維としてのアラミド繊維とアラミドパルプとをそれぞれ水に分散させ、これを抄造することでシート状樹脂を製造し、これを加圧プレス機に投入して脱水を行う。
次に、このようにして得られたシート状樹脂を歯車形状に切断し、併せて上記インサート部11の嵌合する円形の孔を穿設する。その後、各歯車形状のシート状樹脂における歯部の位置を一致させながら積層させ、これを所定の温度で加熱しながら積層方向に圧縮すると、平歯歯車状の素形体が得られる。
そして、上記平歯歯車状の素形体を加熱加圧するとともに、加熱して軟化した素形体をはす歯歯車状に形成された成形空間に圧入することで、はす歯13の形成された樹脂歯車12を得ることができる。
その際、上記加熱して軟化した素形体に上記インサート部11を圧入すると、当該インサート部11の外周に形成した突起は軟化した樹脂を押し分けて入り込み、上記インサート部11に樹脂歯車12が装着された上記被駆動歯車4を得ることができる。
以下、上記樹脂歯車12を備えた被駆動歯車4の製造方法を説明するが、これは上記特許文献1において公知であるため、詳細な説明については省略する。
まず、シート状樹脂を抄造により製造する。具体的には、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂粉末と強化繊維としてのアラミド繊維とアラミドパルプとをそれぞれ水に分散させ、これを抄造することでシート状樹脂を製造し、これを加圧プレス機に投入して脱水を行う。
次に、このようにして得られたシート状樹脂を歯車形状に切断し、併せて上記インサート部11の嵌合する円形の孔を穿設する。その後、各歯車形状のシート状樹脂における歯部の位置を一致させながら積層させ、これを所定の温度で加熱しながら積層方向に圧縮すると、平歯歯車状の素形体が得られる。
そして、上記平歯歯車状の素形体を加熱加圧するとともに、加熱して軟化した素形体をはす歯歯車状に形成された成形空間に圧入することで、はす歯13の形成された樹脂歯車12を得ることができる。
その際、上記加熱して軟化した素形体に上記インサート部11を圧入すると、当該インサート部11の外周に形成した突起は軟化した樹脂を押し分けて入り込み、上記インサート部11に樹脂歯車12が装着された上記被駆動歯車4を得ることができる。
上記カバー6は回転軸2の小径部2aに固定された有底筒状の部材となっており、その中央を上記小径部2aが貫通する円盤状の底部6aと、当該底部6aから軸方向に突出した筒状の円筒部6bとから構成されている。
上記底部6aは上記回転軸2に固定されており、これによりカバー6と回転軸2とは一体となって回転するようになっている。また上記円筒部6bの内径は上記被駆動歯車4のインサート部11の直径よりも大径となっており、かつ軸方向寸法は上記インサート部11の第1係合部11bの軸方向寸法よりも長く設定されている。
上記底部6aは上記回転軸2に固定されており、これによりカバー6と回転軸2とは一体となって回転するようになっている。また上記円筒部6bの内径は上記被駆動歯車4のインサート部11の直径よりも大径となっており、かつ軸方向寸法は上記インサート部11の第1係合部11bの軸方向寸法よりも長く設定されている。
図2に示すように、回転伝達機構7は、上記被駆動歯車4におけるインサート部11の前方に形成された4個の第1係合部11bと、カバー6の円筒部6bの内周面に形成された4個の第2係合部6cと、第2係合部6cに装着されたストッパゴム14とによって構成されている。
上記ストッパゴム14は、その中央部に上記第2係合部6cを収容する凹部が形成された略扇形の形状を有しており、隣接するストッパゴム14とストッパゴム14との間に上記第1係合部11bが位置するようになっている。
また、隣接するストッパゴム14とストッパゴム14とによって形成された隙間は第1係合部11bの幅よりも大きく設定され、このため図3に示すように第1係合部11bがストッパゴム14に当接していない状態では、被駆動歯車4は回転軸2に対して相対的に回転し、回転軸2は回転しないようになっている。
その後、被駆動歯車4が回転軸2に対して相対的に回転すると、第1係合部11bが隣接するストッパゴム14に当接して、これを押圧するため、被駆動歯車4は回転軸2と一体的に回転することとなる。
さらに、被駆動歯車4の回転速度が低下すると、慣性により回転軸2が回転速度を維持しようとするため、被駆動歯車4は回転軸2に対して逆方向に回転することとなり、第1係合部11bが回転方向前方側のストッパゴム14から離隔し、回転方向後方側のストッパゴム14に当接する。
その結果、回転軸2は被駆動歯車4の回転速度まで減速するようになっており、このようにして上記ギヤ装置1がバランスシャフト装置として作動するようになっている。
上記ストッパゴム14は、その中央部に上記第2係合部6cを収容する凹部が形成された略扇形の形状を有しており、隣接するストッパゴム14とストッパゴム14との間に上記第1係合部11bが位置するようになっている。
また、隣接するストッパゴム14とストッパゴム14とによって形成された隙間は第1係合部11bの幅よりも大きく設定され、このため図3に示すように第1係合部11bがストッパゴム14に当接していない状態では、被駆動歯車4は回転軸2に対して相対的に回転し、回転軸2は回転しないようになっている。
その後、被駆動歯車4が回転軸2に対して相対的に回転すると、第1係合部11bが隣接するストッパゴム14に当接して、これを押圧するため、被駆動歯車4は回転軸2と一体的に回転することとなる。
さらに、被駆動歯車4の回転速度が低下すると、慣性により回転軸2が回転速度を維持しようとするため、被駆動歯車4は回転軸2に対して逆方向に回転することとなり、第1係合部11bが回転方向前方側のストッパゴム14から離隔し、回転方向後方側のストッパゴム14に当接する。
その結果、回転軸2は被駆動歯車4の回転速度まで減速するようになっており、このようにして上記ギヤ装置1がバランスシャフト装置として作動するようになっている。
本実施例のギヤ装置1のように、上記被駆動歯車4は上記駆動歯車3からの駆動力によって回転するが、その際上記駆動歯車3の駆動力は、当該駆動歯車3のはす歯から被駆動歯車4のはす歯13へと伝達されることとなる。
図3は上記被駆動歯車4の樹脂歯車12を構成するはす歯13の平面図を示し、図4は上記はす歯13の斜視図を示している。図2において樹脂歯車12は図示下方から上方に向けて回転し、図3において樹脂歯車12は時計回りに回転するようになっている。
各はす歯13は等間隔に形成されており、回転方向に対して前方に形成された前方歯面13aと、回転方向後方に形成された後方歯面13bと、これら前方歯面13aおよび後方歯面13bの間に形成された歯先13cとから構成され、はす歯13は軸方向に対してねじれ角αだけ傾斜して設けられている。
このようなはす歯を備えた駆動歯車3と被駆動歯車4とが噛合して回転すると、被駆動歯車4における上記はす歯13の後方歯面13bに駆動歯車3の前方歯面が接触し、またこれらの接触部は上記歯面を軸方向に一端から他端にかけて移動しながら、駆動歯車3の駆動力を被駆動歯車4に伝達するようになっている。
図3は上記被駆動歯車4の樹脂歯車12を構成するはす歯13の平面図を示し、図4は上記はす歯13の斜視図を示している。図2において樹脂歯車12は図示下方から上方に向けて回転し、図3において樹脂歯車12は時計回りに回転するようになっている。
各はす歯13は等間隔に形成されており、回転方向に対して前方に形成された前方歯面13aと、回転方向後方に形成された後方歯面13bと、これら前方歯面13aおよび後方歯面13bの間に形成された歯先13cとから構成され、はす歯13は軸方向に対してねじれ角αだけ傾斜して設けられている。
このようなはす歯を備えた駆動歯車3と被駆動歯車4とが噛合して回転すると、被駆動歯車4における上記はす歯13の後方歯面13bに駆動歯車3の前方歯面が接触し、またこれらの接触部は上記歯面を軸方向に一端から他端にかけて移動しながら、駆動歯車3の駆動力を被駆動歯車4に伝達するようになっている。
ここで、駆動歯車3が大きな駆動力によって被駆動歯車4を駆動させたり、上記バランスシャフト装置として用いた場合に、上記回転伝達機構7の第1係合部11bが回転方向前後に位置するストッパゴム14に衝突する際には、上記駆動歯車3から樹脂歯車12のはす歯13に大きな応力が作用することとなる。
本実施例のように被駆動歯車4を構成する樹脂歯車12は、弾性率の低い樹脂製となっていることから、上述したような大きな応力が作用することにより、上記はす歯13が変形し、特に樹脂歯車12を非駆動歯車4として用いた場合、上記はす歯13はねじれ角が小さくなる方向に変形しようとすることが確認された。
具体的には、上駆動歯車3によって被駆動歯車4が回転を開始する際や、回転速度が増大する際には、作用する応力が後方歯面13bにおける回転方向上流側の端部近傍に集中し、一方上駆動歯車3によって被駆動歯車4が減速する際には、作用する応力が前方歯面13aにおける回転方向下流側の端部近傍に集中することが確認された。
このようにしてはす歯13の歯面の一部に応力が集中すると、下記実験に示すように当該応力の集中する部分にピッチングなどの損傷が発生することが確認された。
本実施例のように被駆動歯車4を構成する樹脂歯車12は、弾性率の低い樹脂製となっていることから、上述したような大きな応力が作用することにより、上記はす歯13が変形し、特に樹脂歯車12を非駆動歯車4として用いた場合、上記はす歯13はねじれ角が小さくなる方向に変形しようとすることが確認された。
具体的には、上駆動歯車3によって被駆動歯車4が回転を開始する際や、回転速度が増大する際には、作用する応力が後方歯面13bにおける回転方向上流側の端部近傍に集中し、一方上駆動歯車3によって被駆動歯車4が減速する際には、作用する応力が前方歯面13aにおける回転方向下流側の端部近傍に集中することが確認された。
このようにしてはす歯13の歯面の一部に応力が集中すると、下記実験に示すように当該応力の集中する部分にピッチングなどの損傷が発生することが確認された。
このような問題に対し、本実施例の被駆動歯車4を構成する樹脂歯車12には、各はす歯13の前方歯面13aおよび後方歯面13bに逃がし部15を形成し、上記応力の集中による歯面の損傷を可及的に防止するものとなっている。
具体的には、上記逃がし部15は応力の集中する上記前方歯面13aの回転方向下流側の端部近傍および後方歯面13bにおける回転方向上流側の端部近傍に形成されている。
より具体的には、前方歯面13aの略中央部から回転方向下流側の端部にかけて、および上記後方歯面13bの略中央部から回転方向上流側の端部にかけて、それぞれ徐々に逃がし量が多くなるように形成されている。
ここで、上記逃がし部15の幅Wは、上記前方歯面13aおよび後方歯面13bの30〜50%の範囲で設けることが望ましく、また逃がし部15の歯面端部における逃がし量dは、はす歯13の厚みに対して1〜3%の範囲で設けることが望ましい。
上記逃がし部15を設けることにより、はす歯13の後方歯面13bに応力が作用した時、はす歯13は変形するものの、逃がし部15によって前方歯面13aの回転方向下流側の端部近傍および後方歯面13bにおける回転方向上流側の端部近傍への応力集中がなくなり、歯面全体に応力が分散して作用することから、上述したようなピッチングを防止することが可能となる。
具体的には、上記逃がし部15は応力の集中する上記前方歯面13aの回転方向下流側の端部近傍および後方歯面13bにおける回転方向上流側の端部近傍に形成されている。
より具体的には、前方歯面13aの略中央部から回転方向下流側の端部にかけて、および上記後方歯面13bの略中央部から回転方向上流側の端部にかけて、それぞれ徐々に逃がし量が多くなるように形成されている。
ここで、上記逃がし部15の幅Wは、上記前方歯面13aおよび後方歯面13bの30〜50%の範囲で設けることが望ましく、また逃がし部15の歯面端部における逃がし量dは、はす歯13の厚みに対して1〜3%の範囲で設けることが望ましい。
上記逃がし部15を設けることにより、はす歯13の後方歯面13bに応力が作用した時、はす歯13は変形するものの、逃がし部15によって前方歯面13aの回転方向下流側の端部近傍および後方歯面13bにおける回転方向上流側の端部近傍への応力集中がなくなり、歯面全体に応力が分散して作用することから、上述したようなピッチングを防止することが可能となる。
図5は上記逃がし部15を形成したはす歯13を備えた樹脂歯車12(発明品)と、上記逃がし部15を形成していないはす歯13を備えた樹脂歯車12(比較品)とについて行った実験結果を示している。
実験に用いた樹脂歯車12として、軸方向の厚さ10mm、直径90mm、歯数20個のはす歯歯車を用い、各はす歯13はそれぞれ軸方向に対してねじれ角30°で傾斜したものを使用した。
また発明品における逃がし部15の幅Wは、前方歯面13aの回転方向下流側の端部近傍および後方歯面13bの回転方向上流側の位置に50%の範囲で設け、歯面端部における逃がし量dははす歯13の厚みに対して2%に設定した。
上記発明品および比較品にかかる樹脂歯車12は、上記実施例のように被駆動歯車4として用い、駆動力を伝達する駆動歯車3としては金属製のはす歯歯車を用いた。
そして、上記駆動歯車3を所定の駆動力(負荷)でかつ所定の回転数で回転させ、駆動歯車3の歯部が上記はす歯13の後方歯面13bに接触した回数を計測しながら、所定回転数ごとに歯面への損傷の有無を確認した。
図5において、縦軸は駆動力(負荷)を示し、横軸は寿命回数、すなわち損傷が発生するまでに後方歯面13bに応力が作用した回転を示しており、実験の結果から明らかなように、発明品は同じ駆動力で駆動させた場合に60%程度寿命回数が多く、応力の集中による損傷を効果的に防止できたことが確認された。
実験に用いた樹脂歯車12として、軸方向の厚さ10mm、直径90mm、歯数20個のはす歯歯車を用い、各はす歯13はそれぞれ軸方向に対してねじれ角30°で傾斜したものを使用した。
また発明品における逃がし部15の幅Wは、前方歯面13aの回転方向下流側の端部近傍および後方歯面13bの回転方向上流側の位置に50%の範囲で設け、歯面端部における逃がし量dははす歯13の厚みに対して2%に設定した。
上記発明品および比較品にかかる樹脂歯車12は、上記実施例のように被駆動歯車4として用い、駆動力を伝達する駆動歯車3としては金属製のはす歯歯車を用いた。
そして、上記駆動歯車3を所定の駆動力(負荷)でかつ所定の回転数で回転させ、駆動歯車3の歯部が上記はす歯13の後方歯面13bに接触した回数を計測しながら、所定回転数ごとに歯面への損傷の有無を確認した。
図5において、縦軸は駆動力(負荷)を示し、横軸は寿命回数、すなわち損傷が発生するまでに後方歯面13bに応力が作用した回転を示しており、実験の結果から明らかなように、発明品は同じ駆動力で駆動させた場合に60%程度寿命回数が多く、応力の集中による損傷を効果的に防止できたことが確認された。
また、上記実施例においては、樹脂歯車12をバランスシャフト装置のギヤ装置1に用いた場合について説明しているが、樹脂歯車12を備えたその他の構成を有するギヤ装置1にも用いることができる。
特に、上記実施例では上記樹脂歯車12を被駆動歯車4として使用しているが、当該樹脂歯車12を駆動歯車3として使用することも可能であり、その場合であってもはす歯13には応力が作用することとなる。
すなわち、樹脂歯車12を駆動歯車3として使用した場合、図6に示すようにはす歯13の前方歯面13aが被駆動歯車4のはす歯13と接触して駆動力を伝達することとなるため、当該前方歯面13aにおける回転方向下流側となる位置に応力が集中し、減速する際には後方歯面13bにおける回転方向上流側となる位置に応力が集中する。
このため、上記実施例と同様、樹脂歯車12を駆動歯車3として使用する場合であっても、前方歯面13aにおける回転方向下流側および後方歯面13bにおける回転方向上流側に上記逃がし部15を形成することで、はす歯13の変形による歯面の損傷を防止することができる。
その際の逃がし部15の幅Wや逃がし量dについては、上記実施例と同様に設定すればよい。
特に、上記実施例では上記樹脂歯車12を被駆動歯車4として使用しているが、当該樹脂歯車12を駆動歯車3として使用することも可能であり、その場合であってもはす歯13には応力が作用することとなる。
すなわち、樹脂歯車12を駆動歯車3として使用した場合、図6に示すようにはす歯13の前方歯面13aが被駆動歯車4のはす歯13と接触して駆動力を伝達することとなるため、当該前方歯面13aにおける回転方向下流側となる位置に応力が集中し、減速する際には後方歯面13bにおける回転方向上流側となる位置に応力が集中する。
このため、上記実施例と同様、樹脂歯車12を駆動歯車3として使用する場合であっても、前方歯面13aにおける回転方向下流側および後方歯面13bにおける回転方向上流側に上記逃がし部15を形成することで、はす歯13の変形による歯面の損傷を防止することができる。
その際の逃がし部15の幅Wや逃がし量dについては、上記実施例と同様に設定すればよい。
なお、上記実施例は樹脂歯車12をバランスシャフト装置に用いた場合を説明しており、上述したように当該バランスシャフト装置における樹脂歯車12は加減速を繰り返すことから、前方歯面13aおよび後方歯面13bの双方に逃がし部15を設けている。
これに対し、例えば樹脂歯車12を加減速を必要としない装置に用いる場合には、前方歯面13aもしくは後方歯面13bのいずれか一方の逃がし部15を省略することができる。
すなわち、樹脂歯車12を第1の実施例のように被駆動歯車4として用いる場合には前方歯面13aの逃がし部15を、駆動歯車3として用いる場合には後方歯面13bの逃がし部15を省略することができる。
これに対し、例えば樹脂歯車12を加減速を必要としない装置に用いる場合には、前方歯面13aもしくは後方歯面13bのいずれか一方の逃がし部15を省略することができる。
すなわち、樹脂歯車12を第1の実施例のように被駆動歯車4として用いる場合には前方歯面13aの逃がし部15を、駆動歯車3として用いる場合には後方歯面13bの逃がし部15を省略することができる。
1 ギヤ装置 3 駆動歯車
4 被駆動歯車 11 インサート部
12 樹脂歯車 13 はす歯
13a 前方歯面 13b 後方歯面
15 逃がし部
4 被駆動歯車 11 インサート部
12 樹脂歯車 13 はす歯
13a 前方歯面 13b 後方歯面
15 逃がし部
Claims (4)
- 回転方向に対して前後に形成された歯面と、これら歯面の間に形成された歯先とを備えるとともに、軸方向に対して所定のねじれ角で設けられたはす歯を複数備え、
噛合した相手の歯車が回転すると、上記はす歯の歯面における相手の歯車の歯面との接触部が上記歯面の一端から他端にかけて移動する、樹脂製の樹脂歯車において、
上記歯面における上記相手の歯車の歯面との接触部の一部に、上記相手の歯車の歯面と接触しないような逃がし部を形成したことを特徴とする樹脂歯車。 - 上記樹脂歯車が被駆動歯車である場合、上記逃がし部を当該樹脂歯車の回転方向後方に位置する後方歯面に形成するとともに、当該上記後方歯面における略中央部から回転方向上流側の端部にかけて、徐々に逃がし量が多くなるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の樹脂歯車。
- 上記樹脂歯車が駆動歯車である場合、上記逃がし部を当該樹脂歯車の回転方向前方に位置する前方歯面に形成するとともに、当該上記前方歯面における略中央部から回転方向下流側の端部にかけて、徐々に逃がし量が多くなるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の樹脂歯車。
- 上記逃がし部の幅を上記歯面の30〜50%の範囲で設け、また逃がし部における歯面端部における逃がし量を、はす歯の厚さに対して1〜3%の範囲で設けたことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の樹脂歯車。
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JP2015244905A JP2017110720A (ja) | 2015-12-16 | 2015-12-16 | 樹脂歯車 |
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JP2014141232A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置用減速ギア |
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2015
- 2015-12-16 JP JP2015244905A patent/JP2017110720A/ja active Pending
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2016
- 2016-12-14 US US15/378,485 patent/US20170175871A1/en not_active Abandoned
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