JP2017110255A - 表面硬化チェーン、チェーン製造装置およびチェーンの製造方法 - Google Patents

表面硬化チェーン、チェーン製造装置およびチェーンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度および靭性を向上できる表面硬化チェーンを提供すること。【解決手段】複数が繋がれた鋼製のリンク11を備え、リンク11は、芯部13と、芯部13を覆う浸炭層14とを備えている。浸炭層14は旧オーステナイト結晶粒度番号が10以上であり、芯部13は旧オーステナイト結晶粒度番号が8以上である。浸炭層14の旧オーステナイト結晶粒度番号が10以上、芯部13の旧オーステナイト結晶粒度番号が8以上なので強度および靭性を向上できる。【選択図】図2

Description

本発明は表面硬化チェーン、チェーン製造装置およびチェーンの製造方法に関するものである。
電気チェーンブロックやコンベヤ用チェーン等に使われるリンクチェーンは大きな引張力が加えられるので、耐摩耗性、耐疲労性の高いことが要求される。衝撃荷重も作用するので、リンクチェーンは強度(引張強さ)及び靭性が要求される。このため、浸炭焼入れ・焼戻しをした表面処理チェーンが使用されている(特許文献1)。
特許3311949号公報
しかしながら上記従来の技術に対して、さらなる強度向上の要求がある。
本発明は上述した要求に応えるためになされたものであり、強度および靭性を向上できる表面硬化チェーン、チェーン製造装置およびチェーンの製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために請求項1記載の表面硬化チェーンによれば、鋼製のリンクが複数繋がれており、リンクは芯部と芯部を覆う浸炭層とを備えている。浸炭層は旧オーステナイト結晶粒度番号が10以上であり、芯部は旧オーステナイト結晶粒度番号が8以上なので強度および靭性を向上できる効果がある。
請求項2記載の表面硬化チェーンによれば、リンクを構成する鋼は、C:0.20〜0.30質量%、Si:0.15〜0.30質量%、Mn:0.60〜1.65質量%、P:0.03質量%以下、S:0.03質量%以下、B:0.0005〜0.0030質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる。これにより請求項1の効果に加え、焼入れ性を向上させ、且つ、強度および靭性を確保できる効果がある。
請求項3記載の表面硬化チェーンによれば、リンクを構成する鋼は、C:0.20〜0.30質量%、Si:0.15〜0.30質量%、Mn:0.60〜1.65質量%、P:0.03質量%以下、S:0.03%質量以下、Ni:0.70〜1.2質量%、以下の任意添加元素の1種または2種を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる。任意添加元素はCr:0.40〜0.60質量%、Mo:0.15〜0.25質量%である。これにより請求項1の効果に加え、焼入れ性を向上させ、且つ、靭性および耐食性を向上できる効果がある。
請求項4記載のチェーン製造装置によれば、鋼製の線材により成形されたリンクが互いに連結されたワークが、浸炭炉により浸炭処理され、浸炭処理されたワークが徐冷炉で徐冷される。徐冷されたワークが高周波焼入装置により焼入れされる。高周波焼入れにより組織を微細なマルテンサイト組織にすることができるので、表面硬化チェーンの強度および靭性を向上できる効果がある。
請求項5記載のチェーンの製造方法によれば、準備工程により、浸炭処理された鋼製のリンクが互いに連結されたワークが準備され、高周波焼入工程によりワークが焼入れされる。高周波焼入れにより組織を微細なマルテンサイト組織にすることができるので、表面硬化チェーンの強度および靭性を向上できる効果がある。
本発明の一実施の形態における表面硬化チェーンの正面図である。 図1のII−II線における表面硬化チェーンの断面図である。 (a)は本発明の一実施の形態におけるチェーン製造装置の模式図であり、(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線における浸炭炉の断面図であり、(c)は変形例における浸炭炉の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1を参照して、本発明の一実施の形態における表面硬化チェーン10の構成を説明する。図1は本発明の一実施の形態における表面硬化チェーン10の正面図であり、図2は図1の矢印II−II線における表面硬化チェーン10の断面図である。なお、図1では表面硬化チェーン10の長手方向の中間部分の図示が一部省略されており、図2では断面の一部が拡大されている。
図1に示すように表面硬化チェーン10は、O形状に形成された環状のリンク11が複数繋がれたリンクチェーンである。リンク11は、合金元素の含有量を抑制した鋼製の線材(丸棒)により形成されている。溶接部12は、曲げ加工により突き合わされた線材の端面同士が電気抵抗溶接などにより接合された部位である。
図2に示すようにリンク11は、芯部13の外周側に芯部13を覆う浸炭層14が形成されている。浸炭層14は、ガス浸炭やプラズマ浸炭等によりリンク11に炭素を拡散させた層である。リンク11は浸炭後(浸炭層14の形成後)に徐冷され、その後に高周波焼入れが行われる。浸炭層14が形成され表面15が硬化されることにより、表面硬化チェーン10の耐磨耗性を確保できる。なお、リンク11を構成する鋼の化学組成は以下のとおりである。
Cはリンク11の強度、特に芯部13の強度を確保するための元素であり、含有量は0.20〜0.30質量%である。Cはリンク11の強度を確保するため、下限が0.20質量%である。Cは0.30質量%を超えると靭性が低下するため、上限は0.30質量%である。
Siはリンク11の強度を確保するのに必要な元素であり、含有量は0.15〜0.30質量%である。Siはリンク11の強度を確保するため、下限が0.15質量%である。Siは0.30質量%を超えると靭性が低下するため、上限は0.30質量%である。
Mnは脱酸元素として利用されると共に、鋼中のSと反応してMnSを形成し、Sの無害化に有益な元素である。Mnの含有量は0.60〜1.65質量%である。Mnが過剰に含まれると、焼入れ性が増大し靭性が低下するので、上限は1.65質量%である。
Pは鋼の延性を低下させるので、できるだけ少ない方が望ましい。また、Pは粒界に偏析し易く、粒界が破壊し易くなるので、含有量は0.03質量%以下(0%を含まない)である。
SはPと同様に鋼の延性を低下させるので、できるだけ少ない方が望ましい。また、Sは粒界に偏析し易く、粒界が破壊し易くなるので、含有量は0.03質量%以下(0%を含まない)である。
Bは焼入れ性を向上させる元素であり、また旧オーステナイト結晶粒界を強化する効果があり、破壊の抑制に寄与する元素である。しかし、この効果は、Bを過剰に含有させても飽和するので、Bは含有量を0.0005〜0.0030質量%とする。
Niは表面脱炭の抑制や耐食性の向上に有効な元素である。鋼を強靭にし、また低温脆性や高温時の結晶粒粗大化を防止する働きがある。Cr及びMoは任意添加元素である。Cr及びMoは焼入れ性を向上させ、耐熱性や耐クリープ性向上に有効である。
図3を参照して表面硬化チェーン10を製造するチェーン製造装置20について説明し、併せて表面硬化チェーン10の製造方法について説明する。図3(a)は本発明の一実施の形態におけるチェーン製造装置20の模式図であり、図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線における浸炭炉44の断面図である。図3(c)は変形例における浸炭炉44の断面図である。図3(b)及び図3(c)はワークWの長手方向の一部の図示が省略されている。
図3(a)に示すようにチェーン製造装置20は、リンク11(図1参照)を繋いでワークWを成形する成形装置30、成形されたワークWに浸炭処理を施す浸炭装置40、浸炭処理が施されたワークWを徐冷する徐冷装置50、徐冷されたワークWに焼入れする高周波焼入装置60、及び、焼戻しを行う高周波焼戻装置70を備えている。
成形装置30は、線材Mを切断し加熱して曲げ及び溶接等を行うことにより、リンク11(図1参照)を繋いだワークWを成形するための装置である。成形装置30では、供給装置31により鋼製の線材Mが成形機32に供給され、成形機32で成形されたワークWが収納装置33に収納される。
浸炭装置40は、ワークWに浸炭処理を施すための装置であり、本実施の形態では、一定方向に回転するベルト43によって搬送されるワークWが、浸炭炉44で連続してガス浸炭される。浸炭装置40では、供給装置41によりワークWが分散装置42に供給される。分散装置42は、ベルト43によるワークWの搬送方向と直交する方向にワークWを往復動させることで、図3(b)に示すように、ワークWを蛇行させて(左右に何度も折り曲げた状態にして)ベルト43の上に置く装置である。
浸炭装置40は、ワークWを蛇行させた状態で浸炭炉44内を搬送して浸炭処理するので、ワークWを蛇行させない場合と比較して、浸炭炉44の炉長を短くできると共に単位時間当たりのワークWの浸炭処理量を増加できる。ワークWの蛇行の度合いを調整することにより、浸炭装置40及び徐冷装置50による単位時間当たりの処理量と、高周波焼入装置60による単位時間当たりの処理量とを略同一にできる。その結果、工程間のワークWの滞留を抑制できる。
なお、分散装置42を省略して、図3(c)に示すようにベルト43の長手方向(図3(c)左右方向)に対して平行となるようにワークWを直線状にベルト43に乗せ、ベルト43の幅方向(短手方向)にワークWを複数本(例えば6〜8本)の並べて浸炭処理を行うことは可能である。ワークWを並べる本数に応じて、単位時間当たりのワークWの浸炭処理量を増加できる。
浸炭炉44はワークWを850〜950℃に加熱し、ベルト43は、浸炭層14(図2参照)の厚さ(全浸炭深さ)がワークW(リンク11)の線径の2%以上となる速度でワークWを搬送する。浸炭炉44内のワークWの滞在時間は40〜80分程度である。全浸炭深さとは、浸炭処理により形成されたC濃度分布が母材のC濃度に収束する深さである。この深さを越えた部分が芯部13(図2参照)である。
徐冷装置50は、浸炭装置40によって浸炭処理がされたワークWを徐冷するための装置であり、本実施の形態では、徐冷炉51が浸炭炉44に連続して設けられている。ワークWは、ベルト43によって浸炭炉44に続いて徐冷炉51内を搬送される。徐冷炉51内は還元雰囲気であることが望ましい。鋼の酸化を防ぐためである。徐冷されたワークWは、回収装置52によってベルト43の上から回収され、収納装置53に収納される。徐冷炉51によるワークWの冷却速度は15〜30℃/分が好ましい。生産効率を確保しつつ熱処理歪を抑制し、且つ、ワークWにマルテンサイト組織を生じ難くするためである。
高周波焼入装置60は、ワークWを高周波加熱によりオーステナイト化し、その後、焼入れにより変態させる装置である。高周波焼入装置60では、供給装置61によりワークWが誘導炉62(高周波誘導炉)へ供給され、誘導炉62で加熱されたワークWが液槽63へ投入されて焼入れされた後、液槽63から引き上げられて収納装置64に収納される。高周波焼入れにより、ワークWの旧オーステナイト結晶粒を微細化し、ワークWの強度および靭性を向上させる。
誘導炉62はワークWを850〜1000℃に加熱し、ワークWは移動しながら誘導炉62で加熱されることで、その温度域を5〜10秒の間に通過する。炭化物を固溶させてオーステナイト化を図り、且つ、結晶粒の粗大化を防ぐためである。
高周波焼戻装置70は、浸炭層14(図2参照)の硬度の大きな低下を伴わずにリンク11の靭性を改善するための装置である。高周波焼戻装置70では、供給装置71によりワークWが誘導炉72(高周波誘導炉)へ供給され、誘導炉72で加熱されたワークWが液槽73へ投入されて冷却された後、液槽73から引き上げられて収納装置74に収納される。
誘導炉72はワークWを200〜400℃に加熱し、ワークWは移動しながら誘導炉72で加熱されることで、その温度域を5〜10秒の間に通過する。リンク11の円周方向の断面内の硬さばらつきを生じ難くし、且つ、炭化物の粗大化を防ぐためである。
チェーン製造装置20によれば、高周波焼入れによりリンク11の表面近傍を微細なマルテンサイト組織にすることができるので、表面硬化チェーン10の強度および靭性を向上できる。表面硬化チェーン10は、芯部13及び浸炭層14の旧オーステナイト結晶粒が微細化されている。浸炭層14は旧オーステナイト結晶粒度番号が10以上、好ましくは11以上、より好ましくは13以上である。芯部13は旧オーステナイト結晶粒度番号が8以上、好ましくは13以上である。旧オーステナイト結晶粒度はJIS G0551(2013年版)に準拠して測定される。浸炭層14だけでなく、芯部13の旧オーステナイト結晶粒度番号を8以上とすることにより、強度および靭性を向上させることができる。さらに、表面硬化チェーン10の低温脆性を向上できる。
表面硬化チェーン10は、試験力が0.9807Nのマイクロビッカース硬さ試験において、浸炭層14のビッカース硬さは、芯部13のビッカース硬さより大きくなるように設定されている。具体的には、浸炭層14は表面15のビッカース硬さが550〜650であり、芯部13はビッカース硬さが400〜500である。なお、ビッカース硬さはJIS Z2244(2009年版)に準拠して測定される。芯部13のビッカース硬さは、研磨された芯部13の断面の硬さである。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。この実施例で用いた線材(丸棒、線径10mm)の化学組成を表1に示す。
Figure 2017110255
これらの線材について、以下の2つの処理条件で鋼種毎に浸炭および焼入れを行い、試料1から試料4のチェーンを得た。各試料につきサンプル数は10である。得られたチェーンについて、旧オーステナイト結晶粒度、ビッカース硬さ、静的強さ、衝撃値を測定し、サンプルの平均値を算出した。
(処理条件1)
線材を切断、加熱、曲げ及び溶接してリンクを繋いだワークを成形した。次いで、通常の方法でワークにガス浸炭処理(浸炭温度850℃)を施した。この後、ワークを20℃/分の速度で冷却し、200℃になったところで炉から取り出した。次いで高周波焼入れ(加熱温度930℃)をワークに行った後、200℃で焼戻しを行った。この処理条件は本発明の実施例である。
(処理条件2)
線材を切断、加熱、曲げ及び溶接してリンクを繋いだワークを成形した。次いで、通常の方法でワークにガス浸炭処理(浸炭温度870℃)を施した。この後、ソルト(NaNO:KNO=1:1、融点140℃)槽でワークに焼入れを施した後、200℃で焼戻しを行った。この処理条件は比較例(従来の処理条件)である。
(旧オーステナイト結晶粒度)
JIS G0551(2013年版)に準拠して、浸炭層および芯部の旧オーステナイト結晶粒度を測定した。
(ビッカース硬さ)
JIS Z2244(2009年版)に準拠した試験力が0.9807Nのマイクロビッカース硬さ試験により、浸炭層の表面のビッカース硬さ、芯部の断面(研磨面)の中心のビッカース硬さを測定した。
(静的強さ試験)
JIS B8812(2004年版)に準拠して、引張試験機で静的引張荷重を加え、チェーンを破断させて破断荷重を測定した。
(チェーンリンク衝撃値)
JIS B8812(2004年版)及びJIS B8841(2004年版)に準拠して衝撃試験(試験温度−10℃)を行い、衝撃値を算出した。
試験結果(平均値)を表2に示す。
Figure 2017110255
表2によれば鋼種1では、条件1により処理された試料1は、条件2により処理された試料2に対して、旧オーステナイト結晶粒度番号は浸炭層において36%増加し、芯部において100%増加した。静的強さは9%増加し、衝撃値は88%増加した。高周波焼入れにより組織を微細化することができ、強度および靭性を向上できることが確認された。
鋼種2では、条件1により処理された試料3は、条件2により処理された試料4に対して、旧オーステナイト結晶粒度番号は浸炭層において20%増加し、芯部において29%増加した。静的強さは4%増加し、衝撃値は12%増加した。鋼種1より増加率は小さいが、鋼種2においても高周波焼入れにより組織を微細化することができ、強度および靭性を向上できることが確認された。
なお、鋼種1はC:0.20〜0.30質量%、Si:0.15〜0.30質量%、Mn:0.60〜1.65質量%、P:0.03%質量以下、S:0.03%質量以下、B:0.0005〜0.0030質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼の1種である。化学組成がこの範囲にある鋼種1以外の鋼においても、上記の条件1の処理を行うことによって、試料1のような特性を示すことを確認した。
鋼種2は、C:0.20〜0.30質量%、Si:0.15〜0.30質量%、Mn:0.60〜1.65質量%、P:0.03%質量以下、S:0.03%質量以下、Ni:0.70〜1.2質量%、Cr:0.40〜0.60質量%、Mo:0.15〜0.25質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼の1種である。化学組成がこの範囲にある鋼種2以外の鋼においても、上記の条件1の処理を行うことによって、試料3のような特性を示すことを確認した。
また、C:0.20〜0.30質量%、Si:0.15〜0.30質量%、Mn:0.60〜1.65質量%、P:0.03%質量以下、S:0.03%質量以下、Ni:0.70〜1.2質量%、Cr:0.40〜0.60質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼、及び、C:0.20〜0.30質量%、Si:0.15〜0.30質量%、Mn:0.60〜1.65質量%、P:0.03%質量以下、S:0.03%質量以下、Ni:0.70〜1.2質量%、Mo:0.15〜0.25質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼においても、上記の条件1の処理を行なうことによって、試料3のような特性を示すことを確認した。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施の形態では、O形状(長円状)に形成された環状のリンク11を複数繋いだ表面硬化チェーン10(リンクチェーン)について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、リンク同士のもつれを防止するため、リンク11に代えて、リンクの中間部をスタッドで連結した略θ形状に形成された環状のスタッドリンクを採用することは当然可能である。
上記実施の形態では、ガス浸炭処理を施す浸炭炉44を備えるチェーン製造装置20について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の浸炭処理を施す浸炭炉とすることは当然可能である。他の浸炭処理としては、減圧下でガス浸炭を行う真空浸炭処理、浸炭窒化処理、プラズマ浸炭処理などが挙げられる。
上記実施の形態では、チェーン製造装置20が高周波焼戻装置70を備える場合について説明したが、高周波焼戻装置70はチェーン製造装置20に必須の装置ではなく、省略することが可能である。同様に、成形装置30はチェーン製造装置20に必須の装置ではなく、省略することが可能である。
上記実施の形態では、徐冷炉51を通過したワークWが収納装置53に収納された後、高周波焼入装置60の供給装置61に収容され、焼入れされたワークWが収納装置64に収納された後、高周波焼戻装置70の供給装置71に収容される場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、浸炭装置40、徐冷装置50、高周波焼入装置60及び高周波焼戻装置70の単位時間当たりの処理量を略同一に設定することにより、ワークWの浸炭から焼戻しまでを連続して行うことができる。浸炭装置40、徐冷装置50、高周波焼入装置60及び高周波焼戻装置70の各装置間のワークWの搬送を人やロボット等が行わなくて良いので、省力化が可能である。また、収納装置53,64及び供給装置61,71を不要にできるので、装置の構成を簡素化できる。この場合も高周波焼戻装置70を省略することは可能である。
なお、ワークWの浸炭から焼戻しまでを連続して行わなくても、浸炭されたワークWを準備した後、高周波焼入れから高周波焼戻しまでを連続的に行うことは当然可能である。
上記実施の形態では、リンク11が連結されたワークWを製造した後、浸炭し高周波焼入れを行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、まず、浸炭処理および徐冷が施された鋼製の線材を用意する。次に、その線材を用いてリンク11が連結されたワークWを成形する。次いで、そのワークWの高周波焼入れ及び高周波焼戻しを行い、表面硬化チェーン10を製造することは当然可能である。
10 表面硬化チェーン
11 リンク
13 芯部
14 浸炭層
15 表面
20 チェーン製造装置
44 浸炭炉
51 徐冷炉
60 高周波焼入装置
W ワーク

Claims (5)

  1. 複数が繋がれた鋼製のリンクを備え、
    そのリンクは、芯部と、その芯部を覆う浸炭層とを備え、
    その浸炭層は旧オーステナイト結晶粒度番号が10以上であり、前記芯部は旧オーステナイト結晶粒度番号が8以上であることを特徴とする表面硬化チェーン。
  2. 前記リンクを構成する鋼は、C:0.20〜0.30質量%、Si:0.15〜0.30質量%、Mn:0.60〜1.65質量%、P:0.03質量%以下、S:0.03質量%以下、B:0.0005〜0.0030質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする請求項1記載の表面硬化チェーン。
  3. 前記リンクを鋼製する鋼は、C:0.20〜0.30質量%、Si:0.15〜0.30質量%、Mn:0.60〜1.65質量%、P:0.03%質量以下、S:0.03質量%以下、Ni:0.70〜1.2質量%、以下の任意添加元素の1種または2種を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする請求項1記載の表面硬化チェーン(任意添加元素はCr:0.40〜0.60質量%、Mo:0.15〜0.25質量%)。
  4. 鋼製の線材により成形されたリンクが互いに連結されたワークを浸炭処理する浸炭炉と、
    その浸炭炉で浸炭処理された前記ワークを徐冷する徐冷炉と、
    その徐冷炉で徐冷された前記ワークを高周波焼入れする高周波焼入装置とを備えていることを特徴とするチェーン製造装置。
  5. 浸炭処理された鋼製のリンクが互いに連結されたワークを準備する準備工程と、
    そのワークを高周波焼入れする高周波焼入工程とを備えていることを特徴とするチェーンの製造方法。
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