JP2017110239A - ガス放出キャンロール及びその製造方法並びにこれを搭載した長尺基板の真空処理装置 - Google Patents

ガス放出キャンロール及びその製造方法並びにこれを搭載した長尺基板の真空処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 信頼性の高いガス放出キャンロール及びその製造方法並びに該キャンロールを搭載したスパッタリング成膜装置を提供する。【解決手段】 複数のガス導入路とそれらの各々から延在する複数のガス放出孔とを備えたキャンロールの製造方法であって、円筒状基材100の外周面側に複数の溝100aを周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って設ける溝切り工程と、円筒状基材100の外周面側に全面に亘って硬質金属のレーザーメタルデポジションによる肉盛りを行うことで複数の溝100aが硬質金属で覆われた構造の複数のガス導入路104を形成する工程と、肉盛りされた外周面を表面加工する工程と、複数のガス導入路104の各々に対して表面加工後の外周面側から穿孔することで複数のガス放出孔105を設ける穿孔工程とからなる。【選択図】 図4

Description

本発明は、複数のガス導入路とそれらの各々から延在して外周面で開口する複数のガス放出孔とを外周肉厚部に備えた金属製の筒状体からなるガス放出キャンロール及びその製造方法並びに該ガス放出キャンロールを搭載した長尺基板の真空処理装置に関する。
液晶パネル、ノートパソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の電子機器には、耐熱性樹脂フィルム上に金属膜を被覆したフレキシブル配線基板が用いられている。このフレキシブル配線基板は耐熱性樹脂フィルムの片面若しくは両面に金属膜を成膜した金属膜付耐熱性樹脂フィルムの金属膜に配線パターンをパターニング加工することで得られるが、近年、配線パターンはますます微細化や高密度化しており、これに伴って、金属膜付耐熱性樹脂フィルム自体にはシワ等の不具合のない平滑なものが求められている。
この種の金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムの製造方法として、従来、金属箔を接着剤により耐熱性樹脂フィルムに貼り付けて製造する方法(3層基板の製造方法)、金属箔に耐熱性樹脂溶液をコーティングしてから乾燥させて製造する方法(キャスティング法)、及び耐熱性樹脂フィルムに真空成膜法又は真空成膜法と湿式めっき法により金属膜を成膜して製造する方法(メタライジング法)等が知られている。また、メタライジング法に用いる真空成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームスパッタリング法等がある。
上記の製造方法のうち、メタライジング法については特許文献1にポリイミド絶縁層上にクロム層をスパッタリングした後、銅をスパッタリングしてポリイミド絶縁層上に導体層を形成する方法が記載されている。また、特許文献2にはポリイミドフィルム上に銅ニッケル合金をターゲットとして第一の金属薄膜をスパッタリングにより成膜し、次に銅をターゲットとして第二の金属薄膜をスパッタリングにより成膜することによりフレキシブル回路基板用材料を作製する技術が開示されている。なお、上記のポリイミドフィルムのような耐熱性樹脂フィルムに連続的に真空成膜を行う場合は長尺の樹脂フィルムをロールツーロールで搬送しながらその表面にスパッタリング成膜を行うスパッタリングウェブコータを用いるのが一般的である。
ところで、上記の真空成膜法のうち、一般にスパッタリング法は密着力に優れる反面、真空蒸着法に比べて耐熱性樹脂フィルムに与える熱負荷が大きいといわれている。そして、成膜の際に耐熱性樹脂フィルムに大きな熱負荷がかかると、フィルムにシワが発生し易くなることも知られている。この熱負荷によるシワの発生を防ぐため、上記のスパッタリングウェブコータでは、内部に冷媒が循環する金属製の筒状体からなるいわゆるキャンロールの外周面にロールツーロールで搬送される長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き付けることによって、スパッタリング成膜中の耐熱性樹脂フィルムをその裏面側から冷却する方式が採用されている。
例えば特許文献3には、スパッタリングウェブコータの一例である巻出巻取式(ロールツーロール方式)の真空スパッタリング装置が開示されている。この巻出巻取式の真空スパッタリング装置には、上記したキャンロールの役割を担うクーリングロールが具備されており、更に該クーリングロールでは、その少なくともフィルム送入れ側若しくは送出し側に設けたサブロールによって耐熱性樹脂フィルムをクーリングロールに密着する制御が行われている。
しかしながら、非特許文献1に記載されているように、キャンロールの外周面はミクロ的に見て平坦ではないため、キャンロールの外周面とそこに接触して搬送される耐熱性樹脂フィルムとの間には真空空間を介して離間する隙間(ギャップ部)が存在している。このため、成膜の際に生じる耐熱性樹脂フィルムの熱はキャンロールに効率よく伝熱されているとはいえず、これがフィルムのシワ発生の原因となっていた。
このような問題を解決するため、上記のキャンロールの外周面と耐熱性樹脂フィルムとの間のギャップ部にキャンロール側からガスを導入して当該ギャップ部の熱伝導率を真空に比べて高くする技術が提案されている。例えば特許文献4には、キャンロール側からガスを導入する方法として、キャンロールの外周面にガスの導入口となる多数の微細な孔を設ける技術が開示されている。この方法は成膜中の耐熱性樹脂フィルムの熱負荷を低減してシワの発生を抑制できるので非常に有効な手段である。なお、非特許文献2によれば、真空チャンバーへの導入ガスがアルゴンガスであってその導入ガス圧力が500Paの場合、キャンロールの外周面とそこに巻き付けられる耐熱性樹脂フィルムとのギャップ部の距離が約40μm以下の分子流領域のとき、このギャップ部の熱コンダクタンスは250(W/m・K)であるとされる。
上記のように、キャンロールの外周面に設けた多数の孔からギャップ部にガスを導入する場合は、これら孔から放出されるガスの放出量が場所によって大きくばらつかないように、キャンロールの外周肉厚部にキャンロールの中心軸方向に延在する複数のガス導入路を周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って設け、これら複数のガス導入路の各々に外周面で開口する複数のガス放出孔を設けることが必要となる。
このようにキャンロールの外周肉厚部に複数のガス導入路を設ける方法としては、従来、円筒部材の外周肉厚部にガンドリルを用いて穿孔する方法が用いられている。あるいは、外周面に溝加工を施したインナーロールを用意し、これとは若干大きな異種金属のアウターパイプを熱膨張させてインナードラムの外周側に嵌める焼き嵌めで固定する方法を採用することがあった。この焼き嵌めでは、インナードラムより小さい熱膨張係数を有するアウターパイプを用いることで外れにくくなっているが、繰り返しの熱負荷によりインナードラムとアウターパイプが緩んでしまうことがあった。
特に、レーザーによるガス放出孔の加工後、アウターパイプ表面には加工時に発生した溶けた金属が付着していたり、表面が若干平面では無くなってしまうこともあるので、最終仕上げとして円筒切削あるいは円筒研磨が行われるが、これにより、薄いアウターパイプを1〜5mm程度まで更に薄く切削・研磨することになるので、レーザーによるガス放出孔を加工する際の熱により、最外アウターパイプが緩んでしまうことがあった。
この緩み防止のため、特許文献5ではインナードラムに溝を彫り込みアウターパイプとの単位面積当たりの接触圧力を高める技術が、特許文献6ではインナードラムとアウターパイプの間に凸凹の金属板を挟む技術が、特許文献7ではインナードラムとアウターパイプの間に溝加工された軟質金属板を挟む方法が開示されている。
特開平2−98994号公報 特許第3447070号公報 特開昭62−247073号公報 国際公開第2005/001157号 特開昭56−112492号公報 特開平3−188292号公報 特許第3524080号
"Vacuum Heat Transfer Models for Web Substrates: Review of Theory and Experimental Heat Transfer Data, "2000 Society of Vacuum Coaters, 43rd. Annual Technical Conference Proceeding, Denver, April 15-20, 2000, p.335 "Improvement of Web Condition by the Deposition Drum Design, "2000 Society of Vacuum Coaters, 50th. Annual Technical Conference Proceeding (2007), p.749
しかしながら、これら特許文献5〜7に記載の方法を用いたとしても、使用中にアウターパイプに大きな熱負荷がかかる場合や、高温熱処理が繰り返される状況で使用することが想定される場合、また、アウターパイプを加工する際に大きな熱負荷を掛けたものや、アウターパイプを薄く削って締め付け応力が低減したものをそのまま使用する場合は、インナードラムとアウターパイプが緩んで信頼性を損なうことがあった。
一方、ガンドリルによる肉厚部の穿孔では肉厚の薄い方向に偏っていく性質があり、円筒部材の外周面近くにガス導入路を穿孔しようとすると外周面側へ寄っていってしまう。そのため、ガンドリルによる穿孔では厚み方向の中央部にガス導入路を穿孔する必要が生じ、そこに連通させる微細なガス放出孔を深く穿孔することになるためその穴開け加工が更に困難となる。加えて、ガス導入路が円筒部材の外周面付近に設けられないと、冷媒循環路からキャンロールの外周面までの距離も離れることになり、キャンロールの冷却効率が低下してしまう。
また、ガンドリルは直径の約100倍の深さ(穴開け加工長さ)が実用的な範囲とされており、深い細穴を開けることは難しかった。例えば、金属膜付耐熱性樹脂フィルムの生産性を考慮すると使用されるキャンロールの幅は700mmを超える。形成するガス導入路の長さ(深さ)を700mmとすれば、ガンドリルの穴径を太くするとガス導入路間隔が狭くなる。このようにガンドリル加工には膨大な時間と費用がかかるので、製作時間を短縮するために、1本のガス導入路に対して斜めからレーザーを照射して2列又はそれ以上のガス導入路を設けることもあった。
本発明は上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ロールツーロールで搬送される長尺樹脂フィルムに対してスパッタリング成膜などの熱負荷のかかる処理を施す際に使用される、信頼性の高いガス放出キャンロール及びその製造方法並びに該キャンロールを搭載したスパッタリング成膜装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係るガス放出機構付き金属製円筒ロールの製造方法は、中心軸方向に延在する複数のガス導入路とそれらの各々から延在して外周面で開口する複数のガス放出孔とを外周肉厚部に備えたガス放出機構付きキャンロールの製造方法であって、円筒状基材の外周面側にその中心軸方向に延在する複数の溝を周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って設ける溝切り工程と、前記円筒状基材の外周面側に全面に亘って硬質金属のレーザーメタルデポジションによる肉盛りを行うことで前記複数の溝が前記硬質金属で覆われた構造の複数のガス導入路を形成する工程と、前記肉盛りされた外周面を円筒研削又は研磨する表面加工工程と、前記のガス導入路の各々に対して前記表面加工後の外周面側から穿孔することで複数のガス放出孔を設ける穿孔工程とからなることを特徴としている。
本発明によれば、大きな熱負荷がかかったり高温の熱処理が繰り返されたりする状況で使用する場合であっても破損しにくい信頼性の高いガス放出キャンロールを提供することができる。
キャンロールを備えたロールツーロール方式による長尺樹脂フィルムの成膜装置の一具体例を示す模式図である。 ガス放出キャンロールの一具体例を示す概略の断面図である。 本発明のガス放出キャンロールの製作手順を説明する斜視図である。 図3の製作手順の一部を説明する部分斜視図である。 図4の製作手順の一部を説明する部分正面図である。 溝切り加工された円筒状基材の外周面に対してレーザー加工ヘッドが傾斜して対向している状態を示す模式図である。 本発明のガス放出キャンロールに設けたガス放出孔の配列形態の他の具体例を示す斜視図である。 従来の焼き嵌めを用いたガス放出キャンロールの製作手順を説明する斜視図である。 図8の製作手順の一部を説明する部分斜視図である。 従来のガンドリルによるガス放出キャンロールの製作手順を説明する斜視図である。 図10の製作手順の一部を説明する部分斜視図である。
先ず、本発明のガス放出キャンロールが好適に搭載される真空処理装置の一具体例として、長尺樹脂フィルムの真空成膜装置について、図1を参照しながら説明する。この図1に示す真空成膜装置50はスパッタリングウェブコータとも称される装置であり、長尺状の耐熱性樹脂フィルムなどの長尺樹脂フィルムFを減圧雰囲気下においてロールツーロール方式で連続的に搬送する搬送手段と、該長尺樹脂フィルムFに対して熱負荷のかかる処理であるスパッタリング成膜を施す処理手段と、これらを収容する真空チャンバー51とから主に構成されている。この真空成膜装置50は、長尺樹脂フィルムFの表面に連続的に効率よく成膜処理を施す場合に好適に用いられる。
具体的に説明すると、真空チャンバー51には、図示しないドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオコイル等の種々の真空ポンプ関係の装置が具備されており、スパッタリング成膜の際はこれら真空装置により到達圧力10−4Pa程度までの減圧と、その後のスパッタリングガスの導入による0.1〜10Pa程度の圧力調整を行うことができる。スパッタリングガスにはアルゴンなど公知のガスを使用でき、目的に応じて更に酸素などのガスを添加してもよい。真空チャンバー51の形状や材質は、このような減圧状態に耐え得るものであれば特に限定はなく、種々のものを使用することができる。
この真空チャンバー51内において、長尺樹脂フィルムFをロールツーロールで搬送しながら連続的に成膜処理を施すべく、巻出ロール52からモータ駆動のキャンロール56を経て巻取ロール64に至る長尺樹脂フィルムFの搬送経路を画定する各種のロール群が配設されている。これらロール群のうち、巻出ロール52からキャンロール56までの搬送経路には、長尺樹脂フィルムFを案内するフリーロール53、長尺樹脂フィルムFの張力の測定を行う張力センサロール54、及び長尺樹脂フィルムFをキャンロール56の外周面に密着させるためにキャンロール56の周速度に対する調整が行われるモータ駆動のフィードロール55がこの順で配置されている。
キャンロール56から巻取ロール64までの搬送経路にも上記と同様にキャンロール56の周速度に対する調整を行うモータ駆動のフィードロール61、長尺樹脂フィルムFの張力の測定を行う張力センサロール62、及び長尺樹脂フィルムFを案内するフリーロール63がこの順に配置されている。上記した巻出ロール52及び巻取ロール64は、パウダークラッチ等によるトルク制御によって長尺樹脂フィルムFの張力バランスが保たれている。また、モータ駆動のキャンロール56と、これに連動して回転するモータ駆動のフィードロール55、61とにより、長尺樹脂フィルムFは巻出ロール52から巻き出されて上記搬送経路を走行した後、巻取ロール64で巻き取られる。
このキャンロール56の外周面のうち長尺樹脂フィルムFが巻き付けられる角度範囲A(前フィードロール55から送られてきた長尺樹脂フィルムFがキャンロール56の外周面に接触し始める角度位置から、キャンロール56に巻き付いている長尺樹脂フィルムFが後フィードロール61に送り出されるために該外周面から離れる角度位置までの範囲)の領域に対向する位置に、乾式成膜手段としてのマグネトロンスパッタリングカソード57、58、59及び60が当該外周面上に画定される長尺樹脂フィルムFの搬送経路に沿ってこの順に設けられている。なお、上記した角度範囲Aのことを長尺樹脂フィルムFの抱き角と称することがある。
金属膜のスパッタリング成膜を行う場合は、上記したマグネトロンスパッタリングカソード57〜60には板状のターゲットを使用することができるが、板状ターゲットはその表面にノジュール(異物の成長)が発生することがあるので、ノジュールの発生がなく、ターゲットの使用効率も高い円筒形のロータリーターゲットを使用してもよい。また、この図1の真空成膜装置は、熱負荷のかかる処理としてスパッタリング成膜を行うものであるため、マグネトロンスパッタリングカソードが設けられているが、熱負荷のかかる処理はスパッタリング成膜に限定されるものではなく、CVD(Chemical Vapor Deposition、化学蒸着)や真空蒸着などでもよい。これらの処理の場合は、板状ターゲットに代えて他の真空成膜手段が設けられる。
上記の真空成膜装置50により耐熱性樹脂フィルムの表面に例えばNi系合金等からなる膜とCu膜が積層された金属膜付耐熱性樹脂フィルムを作製することができる。この場合の金属膜付耐熱性樹脂フィルムに用いる耐熱性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルム等が挙げられる。これらの耐熱性樹脂フィルムは、金属膜付フレキシブル基板としての柔軟性、実用上必要な強度、配線材料として好適な電気絶縁性を有する点から好ましいものである。
上記Ni合金等からなる膜はシード層と呼ばれ、Ni−Cr合金、インコネル、コンスタンタン、モネル等の各種公知の合金を用いることができるが、その組成は金属膜付耐熱性樹脂フィルムの電気絶縁性や耐マイグレーション性等の所望の特性に応じて選択される。また、シード層の上に成膜するCu膜を湿式めっき法を用いて膜厚化してもよい。この膜厚化には、電気めっき処理のみで金属膜を形成する場合と、一次めっきとして無電解めっき処理を行ない、二次めっきとして電解めっき処理等の湿式めっき法を組み合わせて行う場合がある。いずれの場合も湿式めっき処理には一般的な湿式めっき法の諸条件を採用することができる。
このようにして得た金属膜付耐熱性樹脂フィルムは、例えばサブトラクティブ法でパターニング加工することによりフレキシブル配線基板を作製することができる。ここで、サブトラクティブ法とは、レジストで覆われていない金属膜(例えば、上記Cu膜)をエッチングにより除去してフレキシブル配線基板を製造する方法である。なお、長尺樹脂フィルムFに上記したNi−Cr合金やCu等の金属膜を積層する場合以外に、目的に応じて酸化物膜、窒化物膜、炭化物膜等を成膜する場合があり、これら酸化物膜等を成膜する場合にも上記したような真空成膜装置を用いることができる。
次に、上記の真空成膜装置50に搭載される本発明の一具体例のキャンロール56について図2を参照しながら説明する。この本発明の一具体例のキャンロール56は、外周面が長尺樹脂フィルムFの巻き付く搬送経路となる金属製の円筒ロール1で構成されており、その中心軸O部分に位置する回転軸2によって回転可能に支持されている。この円筒ロール1の内周面側には例えば円筒ロール1と同心円状の円筒部材や螺旋状に巻き付けたパイプ等からなるジャケット部材3が設けられており、これにより冷却水などの冷媒が流通する冷媒循環路3aが画定されている。この冷媒循環路3a内を流れる冷媒は、内側の往路と外側の復路とからなる二重配管構造の回転軸2を介して真空チャンバー51の外部に設けられた図示しない冷媒冷却装置と循環している。これにより、円筒ロール1の外周面に巻き付いた長尺樹脂フィルムFは温度調節された冷媒によって冷却される。
上記したキャンロール56を構成する円筒ロール1の外周肉厚部には、キャンロール56の中心軸O方向に平行な複数のガス導入路4が周方向に略等間隔をあけて全周に亘って配設されている。これら複数のガス導入路4の各々には、円筒ロール1の外周面側(すなわち、キャンロール56の外周面側)においてキャンロール56の回転軸方向に略等間隔に開口する複数のガス放出孔5が設けられている。これらガス導入路4の本数や、各ガス導入路4が有するガス放出孔5の個数は、キャンロール56の外周面のうちの長尺樹脂フィルムFが巻き付けられる角度範囲(抱き角A)やギャップ部に導入するガスの導入量、真空チャンバー51の排気ポンプ能力等により適宜定められる。
各ガス放出孔5の内径は、キャンロール56の外周面とそこに巻き付けられる長尺樹脂フィルムFとの間に形成されるギャップ部(隙間)に良好にガスを導入できる大きさであるのが望ましい。この場合、キャンロール56の外周面に微小な内径を有するガス放出孔5を狭ピッチにして多数設けるのが冷却効率を低下させることなく熱伝導率をキャンロール56の外周面に全面に亘って均一化できるという点において好ましい。しかしながら、微小な内径を有する孔を狭ピッチで多数設ける加工技術は困難を伴うので、現実的には内径30〜1000μm程度、より好適には内径150〜500μm程度の微細孔を5〜10mmのピッチでキャンロール56の外周面に設けるのが好ましい。
上記した複数のガス導入路4には、円筒ロール1の一端部に設けられたガスロータリージョイント6に接続しており、更にガスロータリージョイント6にはガス供給ライン7を介して真空チャンバー51の外部の図示しないガス供給源からガスが供給される。ガスロータリージョイント6は上記の複数のガス導入路4にそれぞれ連通する複数の分配路を有する回転部と、一方の端部がこれら分配路に連通するように開口すると共に他方の端部がガス供給ライン7に接続する流路を有する静止部とからなる。かかる構成により、複数のガス導入路4に略均一にガスを分配することができるので、キャンロール56の外周面とそこに巻き付いている長尺樹脂フィルムFとの間に形成されるギャップ部(間隙)の間隔を全周に亘って略均等にすることができる。
ガスロータリージョイント6には、キャンロール56の外周面のうち長尺樹脂フィルムFが巻き付く抱き角A以外の領域に位置するガス導入路4にはガスの供給を遮断するようなガス供給制御手段を備えることが好ましい。このようなガス供給制御手段としては、例えば上記した静止部に設けた流路における分配路の連通する側の開口部の形状を抱き角A以外の領域に位置する分配路には連通しないように形成することによって機械的に開閉させたり、該複数の分配路に各々設けたバルブを抱き角Aの角度範囲内であるか範囲外であるかに応じて電気的又は電磁気的に開閉させたりする手段を挙げることができる。
上記のガス供給制御手段により、キャンロール56の外周面のうち、抱き角Aの角度範囲内の外周面とそこに巻き付く長尺樹脂フィルムFとの間に形成されるギャップ部にのみガスが放出され、この抱き角A以外の角度範囲の外周面からはガスが放出されないようにすることができる。これにより、ガス供給ライン7から導入されたガスのほとんどをキャンロール56の外周面とそこに巻き付く長尺樹脂フィルムFとの間のギャップ部に導入できるため、当該ギャップ部の間隔をほぼ一定に維持するためのガス流量制御が容易になり、キャンロール56の外周面とそこに巻き付く長尺樹脂フィルムFとのギャップ全体における熱コンダクタンスをほぼ均一にすることが可能となる。
なお、キャンロール56の外周面とそこに巻き付く長尺樹脂フィルムFとのギャップ部が40μm程度であれば、当該ギャップ部にキャンロール56の外周面から放出されるガスは前述した真空チャンバー51が備える真空ポンプで排気可能である。ギャップ部に導入するガスは熱伝導が比較的良いアルゴンが望ましいが、スパッタリング成膜の際の真空チャンバー51内の雰囲気ガスと同じにすれば、この雰囲気ガスを汚染することはない。また、長尺樹脂フィルムFがキャンロール外周面から離れるギャップ部のギャップ間隔は、長尺樹脂フィルムFの種類や厚さ、フィルム搬送時の張力、ガス導入量等により異なる。
上記した本発明の一具体例のキャンロール56は、上記の真空成膜装置50のほか、プラズマ処理やイオンビーム処理にも好適に使用することができる。これらプラズマ処理やイオンビーム処理は、長尺樹脂フィルムの表面改質を目的として減圧雰囲気の真空チャンバー内で行われるが、これらの処理も長尺樹脂フィルムに熱負荷がかかる処理であるためシワが発生しやすい。従って、本発明のキャンロールを使用すれば、キャンロールの外周面と樹脂フィルムとの間のギャップ間隔をほぼ一定に維持することができ、熱コンダクタンスを簡単に均一にすることができるので、シワの発生をなくすことが可能となる。
なお、プラズマ処理とは、例えばアルゴンと酸素の混合ガス又はアルゴンと窒素の混合ガスからなる減圧雰囲気下において放電を行うことにより、酸素プラズマ又は窒素プラズマを発生させて長尺樹脂フィルムを処理する方法である。また、イオンビーム処理とは、強い磁場を印加した磁場ギャップでプラズマ放電を発生させ、プラズマ中の陽イオンを陽極による電界でイオンビームとして照射することにより、長尺樹脂フィルムを処理する方法である。
次に、上記したガス放出キャンロール56の作製方法について図3〜5を参照しながら説明する。この作製方法は、円筒部材の外周肉厚部にガンドリルで1本ずつガス導入路を穿孔したり、溝切り加工したインナードラムにアウターパイプを焼嵌めしたりすることでガス放出キャンロール56を構成する円筒ロールを作製するのではなく、溝切り加工した円筒状の基材にレーザーメタルデポジションにより肉盛り加工することを特徴としている。
すなわち、図3に示すように、例えばステンレスからなる円筒状の基材に溝切り加工(a)した後、該円筒部材よりも外側の層をレーザーメタルデポジションによって肉盛り加工(b)し、この肉盛り部の表面を薄く円筒研削・研磨(c)し、ハードクロムめっき処理(d)を行ない、再度研磨加工(e)してから、レーザーによりガス放出孔を穴開け加工し(f)、両側部をレーザー溶接し(g)、仕上げの研磨加工(f)を施して完成させる。
各工程について具体的に説明すると、図4(a)に示すように、先ず金属製の円筒状の基材100を用意する。この円筒状の基材100は、矩形の金属板を突き合わせ溶接や摩擦攪拌接合により接合した筒状部材でもよいし、シームレスパイプ、鋳造パイプから加工したものでもよい。この円筒状の基材100の内周面側に同心円状のジャケット部材101を設けて冷媒循環路101aを形成する。この円筒状基材100の外周面を必要に応じて円筒研削加工した後、図4(b)に示すように、円筒状基材100の外周面側に円筒状基材100の中心軸方向に延在する、複数のガス導入路4となる複数の溝100aを溝切り加工により形成する。次に、図4(c)に示すように、円筒状基材100の外周面側にレーザーメタルデポジションによって硬質金属からなる肉盛り層102を形成する。
レーザーメタルデポジションは、金属板などの金属母材の表面にレーザービームを照射すると共にその照射スポットに硬質金属皮膜を構成する粉末状の溶材を供給することによって、金属母材の表面に該溶材を溶融凝固させて硬質金属皮膜を成膜する方法である。かかるレーザーメタルデポジションでは、レーザービームの熱源によりレーザービームのスポットにおいて溶材がモルテンプールを形成するが、レーザービームとそのスポットの周囲に不活性なシールドガスを供給することで、モルテンプールでの溶材の酸化を防ぐことができる。
上記の肉盛り層102を形成する際、溝100aの近傍ではレーザーメタルデポジションによって当該溝100aが埋まらないように、図5の(a)〜(e)の順に両壁に肉盛りを繰り返していき、最後に溝100aの上方開口部を硬質金属で覆うことによって蓋をする。肉盛りの際は、円筒状基材100の外周面の法線に対して任意の方向に傾斜可能なレーザー加工ヘッドを用いてその傾斜方向や傾斜角度を適宜調整しながら肉盛りすることで、溝100aの内部を埋めることなく溝の上方が硬質金属皮膜で覆われたガス導入路を形成することができる。
例えば、図6に示すように溝100aの近傍では円筒状基材100の外周面の法線Nに対するレーザー加工ヘッドHの傾斜角度αを好適には−80°以上+80°以下、より好適には−60°以上+60°以下に傾斜させることでガス導入路を良好に形成できる。また、レーザーメタルデポジションを用いた硬質金属皮膜の成膜では、レーザービームの精密なパワー制御が可能なため、金属母材である円筒状基材100への影響が少なく、且つ円筒状基材100の金属成分が硬質金属皮膜に溶け込まないため、硬質金属皮膜が薄くても硬質金属皮膜本来の性能を発揮させることができる。
硬質金属皮膜の成膜法として、従来から知られている粉体プラズマ溶接法を用いることが考えられるが、この方法では金属母材である円筒状基材の外周面と金属皮膜とが溶解により完全に接合し、特にアークにより円筒状基材の金属が広範囲に硬質金属皮膜に溶け込むので、硬質金属皮膜の表面部での組成を硬質金属の組成にするために硬質金属皮膜を厚くする必要が生じ、後述するガス放出孔のレーザー穴開け加工時において穿孔する孔の深さが増加する問題が生じる。更に金属母材である円筒状基材への熱負荷が大きく、ガス導入路用の溝が形成された円筒状基材に施す処理としては適していない。
また、硬質金属皮膜の更に他の成膜法として、溶射法を用いることが考えられるが、この方法では溶材を溶かして得た溶射粒子を円筒状基材の外周面に吹き付けることで機械的に接合させるため、熱負荷により剥離する可能性がある。また、溶射粒子で形成された皮膜は金属母材となる円筒状基材上で多孔質の膜となるため、スパッタリングウェブコータのキャンロールのように真空中で使用する場合は適していない。
これに対して、レーザーメタルデポジションを用いる場合は上記した粉体プラズマ溶接や溶射の問題を生ずることなく、Cr、Ni、Co、Mo、W、Fe、Ti、タングステンカーバイト等のうちの1種以上を主成分とする合金からなる超硬合金等で円筒状基材100の外周面を覆うことができ、よって平滑性と硬度とが高められた外周面を有するガス放出機構付きキャンロールを作製することが可能となる。特に、ガス放出機構付きキャンロールの表面の硬質金属皮膜をクロムで形成しても、従来の硬質クロムめっきよりも強固なクロム皮膜を形成することができる。
なお、硬質金属皮膜となる溶材粉末には、タングステンカーバイトWCにNi、Cr、Co等を添加したもの、NiにCr、Co等を添加したもの、Cr単体等が考えられるが、硬質な膜ほど鏡面研磨が容易ではないので真空成膜装置の仕様等を考慮して適宜選択するのが好ましい。なお、レーザーメタルデポジションによる肉盛りでは、微細な孔が開いていることが懸念されるが、μmオーダー以下の隙間であれば、その隙間からガス導入路のガスが漏れたとしても、その後にガス放出孔を形成するので問題にはならない。
次に、レーザーメタルデポジションによって形成し肉盛り層102で被覆された円筒状基材100の外周部の真円度を確保するため円筒研削し、鏡面研磨加工して硬質金属皮膜112を形成する。その際、研磨加工後の外周面からガス導入路までの厚みが1〜5mmとなるように仕上げる。この厚みが1mm未満であると強度を保つことが難しくなり、逆に5mmを超えるとガス放出孔の加工が困難になる。なお、上記の鏡面研磨加工の前に傷付き防止のため外周面にハードクロムめっき等の表面処理をしても構わない。この表面処理には、ハードクロムめっきのほか、ニッケルめっき、ダイヤモンドライクカーボンコーティング、タングステンカーバイトコーティング、窒化チタンコーティング等の処理を行ってもよい。
次に、図4(d)に示すように、硬質金属皮膜112の外周面に向けて好ましくはYAGレーザー等のレーザーを照射する穴開け加工により複数のガス放出孔を穿孔する。そして、両側面に環状の側板をレーザー溶接し、仕上げの研磨加工を施してガス放出キャンロールを完成させる。なお、レーザーによる穴開け加工に代えて、マイクロドリルを用いて穴開けを行っても構わない。レーザーで穴開け加工する場合は、レーザーの反射によりレーザー照射光学系が損傷しないようにレーザーを散乱させるために、更に、レーザーの反射を低減して吸収を増加させて穴開け加工効率を向上させるために、硬質金属皮膜を施した外周面を精密ブラスト加工によって荒らしてもよい。硬質金属皮膜は精密ブラスト加工する前に研磨加工した方がめっき厚のバラツキをなくすことができ、かつ、精密ブラストも均一に行うことができるので望ましい。
この精密ブラスト加工後の外周面の粗さは、中心線平均粗さRaで0.1〜0.3μmとするのが好ましい。この中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm未満では、ガス放出孔の穿孔に用いるレーザー波長1.06μmにおける5°正反射率が2%を超えるので、反射したレーザーがレーザー照射の光学系を損傷させる恐れがある。一方、中心線平均粗さRaが0.3μmを超えてもレーザー波長1.06μmにおける5°正反射率は変化しないので、0.3μmを超えて粗くする必要はなく、後工程の研磨鏡面加工に必要な手間が増加するので好ましくない。精密ブラスト加工に使用する研磨剤には、硬質金属皮膜の硬度にもよるが粒径20〜100μmのアルミナ研磨剤やSiC研磨剤が適している。かかる研磨剤粒径と精密ブラストの加工時間とを適宜調整することにより上記の中心線平均粗さ(Ra)を得ることができる。
精密ブラスト加工を施したキャンロール表面側からガス導入路へ向かって、各ガス導入路には回転軸方向に沿って1列のガス放出孔をレーザーにより形成する。あるいは、図7に示すように、各ガス導入路154に対して回転軸方向に沿って2列又はそれ以上の列のガス放出孔155をレーザーにより形成してもよい。この場合はガス放出孔155を硬質金属皮膜152の外周面に対して斜めに開けるため、マイクロドリルでは刃先が入り込ますに非常に難しい。
これに対してレーザーであれば容易に斜めガス放出孔を開けることが可能であるが、入射角度が法線方向に対して60°を超えると、ガス放出孔の形状が極端な楕円になるばかりか、この楕円形の周縁部のうち鋭角な部分がレーザーで溶けて孔径が大きくなるので好ましくない。ガス放出孔の直上では、キャンロールの外周面と耐熱性樹脂フィルムとの間のギャップがより離れることになって熱伝導効率が低下するので、ガス放出孔が更に大きくなるのは好ましくないからである。
上記したように、外周面に溝加工した円筒状基材の外周面側にレーザーメタルデポジションにより硬質金属皮膜を形成することで作製されたガス放出キャンロールは、ガス導入路の形成のためにガンドリルを使用する必要がないので短時間に作製することができ、且つ失敗のリスクなく製造することができる。更に、このキャンロールを真空処理装置に搭載することで、キャンロールの外周面とそこに巻き付く長尺樹脂フィルムとの間に形成されるギャップ部の間隔をほぼ一定にしたままその熱コンダクタンスを均質に高めることができ、また高い熱負荷が繰り返しかかっても破損しにくいので、シワのない高品質の金属膜付耐熱性樹脂フィルムを作製可能な信頼性の高い真空処理装置を提供することができる。
図1に示すような真空成膜装置(スパッタリングウェブコータ)50に下記に示す本発明の実施例及び比較例のガス放出キャンロールを各々搭載し、ロールツーロールで搬送した長尺樹脂フィルムF上にシード層としてのNi−Cr膜とその上のCu膜とを連続的に成膜して金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを作製した。なお、長尺樹脂フィルムFには、幅500mm、長さ800m、厚さ25μmの宇部興産株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「ユーピレックス(登録商標)」を使用した。
[実施例1](レーザーメタルデポジション)
図3に示す製造工程に沿って、ハードクロムめっきで表面処理された外径800mm、幅750mmのガス放出キャンロールを製作した。具体的には、先ず図4(a)に示すように、切削・研磨したステンレス(SUS316L)製の仕上がり外径796mm、厚さ15mmの円筒状基材100を用意し、その内周面側に同心円状のジャケット部材101を取り付けて冷媒循環路101aを形成すると共に、その中心軸部分に二重管(図4(a)には図示せず)を取り付けた。次に、図4(b)に示すように、円筒状基材100の外周面側に周方向に角度2°毎にガス導入路となる180本の幅3mm、深さ3mmの溝100aを溝切りカッターにより形成した。
このようにして溝切り加工された円筒状基材100の外周面に対して、レーザー出力1000WのNd:YAGレーザーを搭載したトルンプ社製のレーザーメタルデポジション装置を用い、SUS316Lの粉体(LPWテクノロジー社製、型番:LPW316)を供給して、レーザー出力500W、単層肉盛り厚さ0.5mm、シングルビード幅0.5mmの条件で図4(c)に示すような肉盛り層102を形成した。この肉盛り加工では、ガス導入路となる溝100aが埋まってしまわないようにレーザー加工ヘッドを操作した。得られた肉盛り層102の厚さは、溝切りしていない箇所で約3mmにした。この肉盛り加工に溝100aに蓋をすることで形成されるガス導入路104を肉厚部内に有する外径802mmの筒状体を円筒研削し、厚み100μmのハードクロムめっきを施して外径800mmに仕上げた。
次に、上記円筒研削及びハードクロムめっきで得た2mm厚の硬質金属皮膜112の外周面を精密ブラスト加工した後、加工面側から各ガス導入路104に向けて波長1.06μm、出力100WのパルスNd:YAGレーザーを照射することで、図4(d)に示すように、各ガス導入路104に外周面において法線方向に開口する複数のガス放出孔105を設けた。各ガス導入路104に設ける複数のガス放出孔105は内径200μmになる位置にレーザーヘッドをセットし、7mmピッチでレーザーを照射した。
なお、複数のガス放出孔105は、キャンロールの外周面のうち長尺樹脂フィルムが巻き付けられる領域の両縁からそれぞれ内側に20mmの位置よりも内側の領域にのみ設け、それ以外のキャンロールの両端部にはガス放出孔105を設けなかった。次に、上記の筒状体の両側部に環状の側板をレーザー溶接し、レーザー加工により生じた開口周辺部の金属カスの除去等のため最終鏡面研磨を施し、ガスロータリージョイントの取り付け等を行ってガス放出機構付きキャンロール56を完成させた。
このようにして作製したキャンロール56を真空成膜装置50に搭載したところ、キャンロール56の外周面のうち長尺樹脂フィルムFが巻き付けられる抱き角A以外の角度は約30°となった。この抱き角A以外の角度範囲に存在するガス導入路は15本になる。従って、ガスロータリージョイントの回転部の分配路のうち上記の約30°の角度範囲内に位置する分配路にはガスが分配されないように、ガスロータリージョイントの静止部の流路において、回転部の複数の分配路に連通する側の開口部は略C字状に開口する形状にした。
上記の耐熱性ポリイミドフィルムにシード層としてのNi−Cr膜とその上のCu膜とを積層するため、マグネトロンスパッタターゲット57にはNi−Crターゲットを用い、マグネトロンスパッタターゲット58〜60にはCuターゲットを使用した。巻出ロール52に上記耐熱性ポリイミドフィルムをセットし、キャンロール56などのロール群を経由させて耐熱性ポリイミドフィルムの先端部を巻取ロール64に取り付けた。巻出ロール52側と巻取ロール64側の張力は80Nとし、キャンロール56の内部には冷媒として20℃に温度制御された水を循環させた。
真空チャンバー51を複数台のドライポンプにより5Paまで排気した後、更に複数台のターボ分子ポンプとクライオコイルを用いて3×10−3Paまで排気した。この状態で耐熱性ポリイミドフィルムを搬送速度を4m/分で搬送しながら各マグネトロンスパッタカソードにアルゴンガスを300sccm導入すると共に5kWの電力を印加し、ガス放出キャンロールにはアルゴンガスを100sccm導入して、Ni−Cr膜及びその上のCu膜の成膜を開始した。
この成膜の際に、マグネトロンスパッタカソードの間に設置したレーザー変位計により、耐熱性ポリイミドフィルムの表面形状を測定したところ、耐熱性ポリイミドフィルムはキャンロール56の外周面から約40μm離れていることが確認できた。また、成膜後に巻取ロール64に巻き取った金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを目視にて点検したところ、シワ等の不具合は見当たらなかった。
[比較例1](溝切り焼き嵌め)
図8に示すような、(a)溝切り加工、(b)焼き嵌め加工、(c)最外層研削加工、(d)ハードクロムめっき加工、(e)研磨加工、(f)穴開け加工、(g)両側部レーザー溶接加工、及び(f)仕上げ研磨加工からなる製造工程に沿って、ハードクロムめっきで表面処理された外径800mm、幅750mmのガス放出キャンロールを製作した。具体的には、先ず図9(a)に示すように切削・研磨したステンレス(SUS316L)製の仕上がり外径796mm、厚さ15mmの円筒状基材200を用意し、その内周面側に同心円状のジャケット部材201を設けて冷媒循環路201aを形成すると共に、その中心軸部分に二重管(図9(a)には図示せず)を取り付けた。
この円筒状基材200の外周面を円筒研削加工した後、図9(b)に示すように、円筒状基材200の外周面側に、周方向に角度2°毎に円筒状基材200の中心軸方向に延在する複数のガス導入路となる180本の幅3mm、深さ3mmの溝200aを溝切りカッターにより形成した。このようにして溝切り加工された円筒状基材200の外周面に、図9(c)に示すようにハードクロムめっきで表面処理された仕上がり内径795mm、厚さ10mmのステンレス製のアウターパイプ202を加熱して焼き嵌めた。
なお、良好な焼き嵌めができるように、円筒状基材200の外周面とアウターパイプ202の内周面とは切削・研磨しておいた。次に、アウターパイプ202を2mm厚まで切削・研磨して外径800mmの最外周層212を形成した。上記のようにアウターパイプ202を厚さ2mmの最外周層212まで研磨する際に、アウターパイプの緩みが観察された。
以降は実施例1と同様にして厚み100μmのハードクロムめっきを施し、2mm厚の最外周層212の外周面を精密ブラスト加工した後、加工面側から各ガス導入路204に向けて波長1.06μm、出力100WのパルスNd:YAGレーザーを照射し、図9(d)に示すような内径200μmの複数のガス放出孔205を7mmピッチで穿孔した。このレーザーで加工によるガス放出孔205の穿孔の際、最外周層212に真円度に影響を与える100μm程度の歪みが発生してしまったので、真空成膜装置に搭載して金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを作製するのを断念した。
[比較例2](ガンドリル)
図10に示すような(a)ガンドリル加工、(b)研削加工、(c)ハードクロムめっき加工、(d)研磨加工、(e)穴開け加工、(f)両側部レーザー溶接加工、及び(g)仕上げ研磨加工からなる製造工程に沿って、ハードクロムめっきで表面処理された外径800mm、幅750mmのガス放出キャンロールを製作した。具体的には、先ず図11(a)に示すように切削・研磨したステンレス(SUS316L)製の仕上がり内径776mm、厚さ15mmの円筒ロール300を用意し、その内周面側に同心円状のジャケット部材301を取り付けて冷媒循環路301aを形成すると共に、その中心軸部分に二重管(図11(a)には図示せず)を取り付けた。
次に、図11(b)に示すように、この円筒ロール300の外周肉厚部の厚み方向略中央部に、周方向に角度2°毎に円筒ロール300の回転軸方向に延在する180本の内径5mmのガス導入路304をガンドリルによって穿孔した。ガンドリルの穿孔では直進性が悪いため、円筒ロール300の両端面から穴を開けた。その後、円筒ロール300の外周面を3mm円筒切削して、外径800mmに仕上げた。
ガンドリルは肉厚が薄い方向に向かって曲がっていく特性があるため、初めからガンドリルによるガス導入路を円筒ロール300の外周面付近に開けることは困難であると判断し、上記のように円筒ロール300の肉厚方向中央部にガス導入路304を形成した後に円筒ロール300の外周面を円筒切削した。この円筒切削は、その後のガス放出孔の深さを浅くして、レーザーによる加工を容易にするためである。
以降は実施例1と同様に、厚さ100μmのハードクロムめっきを施し、円筒ロール300の外周面を精密ブラスト加工した後、加工面側から各ガス導入路304に向けて波長1.06μm、出力100WのパルスNd:YAGレーザーを照射し、図11(c)に示すように、各ガス導入路304にその延在方向に沿って1列に並ぶ内径200μmの複数のガス放出孔305を7mmピッチで穿孔した。その後、円筒ロール300の両側部に環状の側板をレーザー溶接し、最終鏡面研磨を施し、ガスロータリージョイントの取り付け等を行ってガス放出機構付きキャンロールを完成させた。
このガンドリルによるキャンロールの作製では実施例1の場合に比べて約5倍時間がかかった。このようにして作製したガス放出機構付きキャンロールを実施例1と同様に真空成膜装置50に搭載して金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを作製した。この成膜の際、マグネトロンスパッタカソードの間に設置したレーザー変位計により、耐熱性ポリイミドフィルムの表面形状を測定したところ、耐熱性ポリイミドフィルムは約40μmガス放出キャンロールから離れていることが確認された。また、成膜後に巻取ロール64に巻き取った金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを目視にて点検したところ、シワ等の不具合は見当たらなかった。
以上の結果より、レーザーメタルデポジションによる硬質金属の肉盛りで作製したガス放出キャンロールは、従来のガンドリルを使用して作製したガス放出キャンロールと同等の性能を有していることが分かった。従って、加工時間が遙かに長くしかも加工リスクの大きいガンドリル加工法や破損しやすい焼き嵌め法を使用せずにスパッタリング等の熱負荷のかかる処理を施す長尺フィルムを良好に冷却してシワの発生を効果的に防止できるガス放出キャンロールを提供できることが分かった。
F 長尺樹脂フィルム
O 回転中心軸
H レーザー加工ヘッド
N 法線
1 円筒ロール
2 二重管
3 ジャケット部材
3a 冷媒循環部
4 ガス導入路
5 ガス放出孔
6 ガスロータリージョイント
7 ガス供給ライン
50 真空成膜装置
51 真空チャンバー
52 巻出ロール
53、63 フリーロール
54、62 張力センサロール
55、61 フィードロール
56 キャンロール
57、58、59、60 マグネトロンスパッタリングカソード
64 巻取ロール
100 円筒状基材
100a 溝
101 ジャケット部材
101a 冷媒循環路
102 硬質金属皮膜
104 ガス導入路
105 ガス放出孔
200 円筒状基材
200a 溝
201 ジャケット部材
201a 冷媒循環路
202 アウターパイプ
204 ガス導入路
205 ガス放出孔
300 円筒ロール
301 ジャケット部材
301a 冷媒循環路
304 ガス導入路
305 ガス放出孔


Claims (11)

  1. 中心軸方向に延在する複数のガス導入路とそれらの各々から延在して外周面で開口する複数のガス放出孔とを外周肉厚部に備えたガス放出機構付きキャンロールの製造方法であって、
    円筒状基材の外周面側にその中心軸方向に延在する複数の溝を周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って設ける溝切り工程と、前記円筒状基材の外周面側に全面に亘って硬質金属のレーザーメタルデポジションによる肉盛りを行うことで前記複数の溝が前記硬質金属で覆われた構造の複数のガス導入路を形成する工程と、前記肉盛りされた外周面を円筒研削又は研磨する表面加工工程と、前記のガス導入路の各々に対して前記表面加工後の外周面側から穿孔することで複数のガス放出孔を設ける穿孔工程とからなることを特徴とするガス放出機構付きキャンロールの製造方法。
  2. 前記穿孔工程がレーザー加工工程であり、該穿孔工程前に前記円筒研削又は研磨された外周面を荒らす精密ブラスト加工工程を有していることを特徴とする、請求項1に記載のガス放出機構付きキャンロールの製造方法。
  3. 前記キャンロールの幅に対して、50%以上の長さに相当する領域内に前記複数のガス放出孔を設けることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガス放出機構付きキャンロールの製造方法。
  4. 前記複数のガス導入路の各々は前記中心軸方向に延在する少なくとも1列のガス放出孔群を備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガス放出機構付きキャンロールの製造方法。
  5. 前記表面加工工程の後に、前記円筒研削又は研磨された外周面をハードクロムめっきする工程を有していることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガス放出機構付きキャンロールの製造方法。
  6. 前記硬質金属が、Cr、Ni、Co、Mo、W、Fe、及びTiのうちのいずれかを主成分とする合金であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガス放出機構付きキャンロールの製造方法。
  7. 前記複数のガス放出孔の穿孔工程後に前記外周面を鏡面研磨することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のガス放出機構付きキャンロールの製造方法。
  8. 前記表面加工工程後の前記硬質金属の肉厚が1〜5mmであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のガス放出機構付きキャンロールの製造方法。
  9. 前記複数のガス導入路の各々の延在方向に垂直な面での断面形状が略矩形形状であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のガス放出機構付きキャンロールの製造方法。
  10. 中心軸方向に延在する複数のガス導入路とそれらの各々から延在して外周面で開口する複数のガス放出孔とを外周肉厚部に備えたガス放出機構付きキャンロールであって、
    前記複数のガス導入路よりも前記外周面側に設けられている最外周層が、Cr、Ni、Co、Mo、W、Fe、及びTiのうちのいずれかを主成分とする合金からなる硬質金属がレーザーメタルデポジションによる肉盛り層であることを特徴とするガス放出機構付きキャンロール。
  11. 請求項10に記載のガス放出機構付きキャンロールを搭載したことを特徴とする長尺基板の真空処理装置。


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