以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
はじめに、図1および2を参照しながら、本実施の形態の農作業支援システムの構成および動作について具体的に説明する。
ここに、図1は、本発明における実施の形態の農作業支援システムのブロック図であり、図2は、本発明における実施の形態のタブレット型コンピューター30および作業車両50のブロック図である。
本実施の形態の農作業支援システムは、たとえば、クラウドとも呼ばれるインターネットなどの通信ネットワーク10に有線通信または無線通信を利用して接続された、農作業支援サーバー20、タブレット型コンピューター30、およびパーソナルコンピューター40を備える。
農作業支援サーバー20は本発明のサーバーの一例であり、タブレット型コンピューター30は本発明の端末装置の一例であり、パーソナルコンピューター40は本発明の農作業計画データ作成装置の一例である。
農作業支援サーバー20は、農作業日、農作業場所、農作業内容、農作業者、および所定の農作業資材などに関するデータを含む農作業計画データを扱う機能を有する。所定の農作業資材は、作業車両、作業装置、肥料、および薬剤などである。
農作業計画データは、パーソナルコンピューター40のローカルディスクに作成された後で農作業支援サーバー20にアップロードされてもよいし、直接的に農作業支援サーバー20の記憶手段に作成されてもよい。
タブレット型コンピューター30は、中央演算ユニット31、送受信ユニット32、タッチパネル33、およびメモリー34を有する。
送受信ユニット32は、中央演算ユニット31に接続された通信手段であり、ブルートゥースなどの無線通信を利用して作業車両50に接続される。
タッチパネル33は、データ表示のみならず、アイコンのタッチ選択などを利用するデータ入力を行うデバイスである。
タブレット型コンピューター30のアプリケーションは、パーソナルコンピューター40のアプリケーションなども同様であるが、タブレット型コンピューター30のメモリー34に格納されていてもよいし、クラウドコンピューティングを利用して通信ネットワーク10に接続された記憶手段に格納されていてもよい。
タブレット型コンピューター30の台数は、パーソナルコンピューター40の台数なども同様であるが、一台であってもよいし、複数台であってもよい。タブレット型コンピューター30などの台数が複数台であると、複数のユーザーが農作業支援システムを同時に使用することができ、利便性が高い。
田植機、トラクター、またはコンバイン収穫機などの作業車両50は、作業車両制御部51、作業車両通信部52、作業車両位置データ取得部53、および作業装置動作検知部54を有する。
作業車両通信部52は、CAN(Controller Area Network)を利用して作業車両制御部51に接続された通信コントローラーであり、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信を利用してタブレット型コンピューター30に接続される。
作業車両位置データ取得部53は、GPS(Global Positioning System)装置である。
作業装置動作検知部54は、植付装置、肥料散布装置、薬剤散布装置、または収穫装置などの作業装置の動作を検知する、入力インターフェースを介して作業車両制御部51に接続されたセンサースイッチである。
そして、作業車両制御部51には、たとえば、メモリーなどの記憶手段が接続されていてもよいし、出力インターフェースを介してリレーソレノイドが接続されていてもよい。
つぎに、図3〜10を主として参照しながら、本実施の形態の農作業支援システムの構成および動作についてより具体的に説明する。
ここに、図3〜10は、本発明における実施の形態の農作業支援システムのタブレット型コンピューター30のタッチパネル画面表示を説明する説明図(その一から八)である。
図3に示されているように、画面100においては、農作業計画カレンダーが上側の部分に表示されており、画面700などの画面を表示するためのメニューが残りの大部分に表示されている。
画面100は、当該アプリケーションが起動されたタイミングで表示される初期画面として採用されてもよい。
ボタンアイコン101は、農作業実績に関する農作業イベント一覧表としての画面700を表示するためのボタンアイコンである。このような仕様によって、実行された農作業イベントの農作業データが理解しやすくなるので、農作業イベントの進捗状況に対応した将来的な農作業日程の調整が容易になる。
ボタンアイコン102は、燃料補給に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。燃料補給に関する画面は、給油時期および機体作業状況の表示を24時間表記で行うための画面である。このような仕様によって、機体作業記録については、「走行のみ」、「走行および作業」、「停車」および「エンジン停止」などがセンサー検知などを利用して5分単位で記録され、機体動作状況ごとの目盛り色分けが行われ、給油については、その目盛り長さが機体作業記録の目盛り長さとは異ならせられるので、給油時期および機体作業状況が理解しやすくなり、無駄な機体作業の抽出が容易になり、燃料調達時期が決定しやすくなる。
ボタンアイコン103は、走行距離・農作業時間に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。走行距離・農作業時間に関する画面は、走行距離および農作業時間の棒グラフ表示を行うための画面である。このような仕様によって、「作業」および「非作業」に対応した棒グラフ色分けが行われ、総走行距離における実走行距離、および総農作業時間における実農作業時間が理解しやすくなるので、各圃場における農作業必要時間が理解しやすくなり、複数の圃場における農作業計画が作成しやすくなる。
ボタンアイコン104は、農作業分析に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。農作業分析に関する画面は、農作業記録の棒グラフ表示を行うための画面である。このような仕様によって、日付ごとの各種の農作業時間が理解しやすくなる。
ボタンアイコン105は、アラート情報に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。アラート情報に関する画面は、機体各部のセンサーによって検知された異常発生場所を表示するための画面である。このような仕様によって、作業が続行可能であるか否かの判断が容易になり、機体不調の原因場所が理解しやすくなり、修理作業を能率的に行うことができる。
ボタンアイコン106は、例えば、可変施肥タッチパネルに関する画面を表示するためのボタンアイコンであり、機種個別機能アイコンである。可変施肥タッチパネルに関する画面は、可変施肥機能を有する田植機1号を選択する作業車両選択が行われている場合において機種個別機能としての施肥量記録に関する画面である。そして、ボタンアイコン106は、機種個別機能に対応しており、トラクターを選択する作業車両選択が行われている場合においては、リードアイとも呼ばれる走行経路ガイドに関する情報を表示するためのボタンアイコンである。このような仕様によって、機種個別機能に対応して施肥量記録または走行経路ガイドなどの情報を表示することができる。
ボタンアイコン107は、農作業情報更新を実行するためのボタンアイコンである。このような仕様によって、作業車両50から送信されてタブレット型コンピューター30に保存されている農作業情報が最新であるときは「更新事項はありません」または「現在の情報は最新です」のようなメッセージを表示するとともに、農作業進行および燃料消費などに対応して情報上書きを実行し、種々の表示において利用される農作業情報を更新することができる。
ボタンアイコン108は、作業車両選択を行うことができるトップページとしての画面200を表示するためのボタンアイコンである。このような仕様によって、田植機、トラクター、またはコンバイン収穫機などの利用したい作業車両を選択する作業車両選択を容易に行うことができる。
ボタンアイコン109は、設定に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。このような仕様によって、サービス契約者の個人アカウント登録、および当該アプリケーションについての設定を容易に行うことができる。
ボタンアイコン110は、クラウド同期を実行するためのボタンアイコンである。そして、ボタンアイコン110は、クラウド同期を実行するための通信が不可能であるときには表示されなくなるボタンアイコンである。このような仕様によって、通信ネットワーク10に接続された農作業支援サーバー20などとの通信を行い、農作業計画データを農作業支援サーバー20からダウンロードするための手動指示を実行することができる。
ボタンアイコン111は、前述されたメニューを閉じ、農作業計画カレンダーがその大部分に表示される画面400を表示するためのボタンアイコンである。
図4に示されているように、画面200においては、作業車両選択を行うことができるトップページが表示されている。
画面200は、通信が可能である作業車両50に対応して表示されてもよい。
そして、画面200は、当該アプリケーションが起動されたタイミングで表示される初期画面として採用されてもよい。
ボタンアイコン201は、登録された作業車両である田植機1号に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。ボタンアイコン201の状態は、タッチ選択で影付きとなるように変化している。
ボタンアイコン202は、登録された作業車両である田植機2号に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。
ボタンアイコン203は、登録された作業車両であるトラクターに関する画面を表示するためのボタンアイコンである。
ボタンアイコン204は、登録された作業車両であるコンバイン収穫機に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。
ボタンアイコン205は、農作業計画カレンダーがその大部分に表示される画面300などを表示するためのボタンアイコンである。
ボタンアイコン206は、当該アプリケーションを終了するためのボタンアイコンである。
ボタンアイコン207は、設定に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。
上記のボタンアイコン201〜204のいずれかを選択し、ボタンアイコン205を操作すると、図5に示す、選択された作業車両に対応する農作業計画カレンダーが表示される。
なお、ボタンアイコン201〜204は、作業車両を選択する画面200にまとめて表示したり、画面200上に一度に一つのボタンアイコン201〜204が表示され、切替アイコン(図示省略)の操作によって切替可能に表示したりしてもよい。
また、画面に表示されるボタンアイコン201〜204を切替方式とするときは、タブレット型コンピューター30のタッチパネルをスワイプ操作するとボタンアイコン201〜204が切り替わる構成としてもよい。
ボタンアイコン201〜204は、あくまで説明用の一例であり、作業車両を追加すれば増加し、作業車両情報を削除すれば減少するものとする。
図5に示されているように、画面300においては、農作業計画カレンダーがその大部分に表示されている。
図5においては、画面300は田植機1号を選択する作業車両選択が行われている場合に対応する画面であるので、全体計画に関する画面を表示するためのチェックボックス308にはチェックマークが記入されておらず、選択作業車両計画に関する画面を表示するためのチェックボックス309にはチェックマークが記入されている。そして、作業車両としての田植機1号によって特定される農作業イベントに対応する農作業イベントアイコン301〜303は表示されているが、田植機2号などによって特定される農作業イベントに対応する農作業イベントアイコンは表示されていない。
農作業イベントアイコン301が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月16日」、「評価場」、および「未選択などによる不明」である。農作業イベントが完了していることを明示するために、農作業日の表示欄は太枠で囲まれているが、同欄の背景色を灰色等の異なる色に変更する方式であってもよい。農作業支援サーバー20への農作業データのアップロードが完了していないことを明示するために、図5では農作業日の表示欄には黒丸が付されているが、同欄には赤色の感嘆符などのマークが付されていてもよい。なお、図5で示すとおり、作業内容が未選択等によって不明であるときには、該当箇所を空欄で表示するものとする。
農作業イベントアイコン302が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月18日」、「第2通路」、および「田植え」である。農作業イベントが完了していないことを明示するために、農作業日の表示欄の背景色を黄色等の異なる色に変更する方式であってもよい。
農作業イベントアイコン303が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月20日」、「第2通路」、および「肥料散布」である。農作業イベントが完了していないことを明示するために、農作業日の表示欄の背景色を黄色等の異なる色に変更する方式であってもよい。
表示エリア304は、農作業日が5月5日から5月18日である未達成に対応しており、農作業イベントが完了していない、または農作業イベントが完了しているが農作業支援サーバー20への農作業データのアップロードが完了していない過去の農作業イベントに対応する農作業イベントアイコン301および302が表示されるエリアである。表示エリア304の背景色は、一例として橙色である。
表示エリア305は、農作業日が5月19日である本日に対応しており、現在の農作業イベントに対応する農作業イベントアイコンが表示されるべきエリアである。表示エリア304の背景色は、薄い青色である。
表示エリア306は、農作業日が5月20日である明日に対応しており、未来の農作業イベントに対応する農作業イベントアイコン303が表示されるエリアである。表示エリア304の背景色は、一例として青色である。
表示エリア307は、農作業日が5月21日から5月28日である明後日以降に対応しており、未来の農作業イベントに対応する農作業イベントアイコンが表示されるべきエリアである。表示エリア304の背景色は、一例として濃い青色である。
全体チェックボックス308は、全ての作業車両が選択される全体計画に関する画面を表示するためのチェックボックスであり、操作すると画面300から図6に示す画面400に切り替わる。こちらについては、下記にて詳細を述べる。
個別チェックボックス309は、任意の作業車両が選択される選択作業車両計画に関する画面を表示するためのチェックボックスであり、画面200でボタンアイコン201〜204のいずれかを操作して作業車両を選択していると、該当する作業車両に対応する画面300を表示するものである。
ボタンアイコン310は、全てのアップロードが完了していない農作業データを農作業支援サーバー20にアップロードするためのボタンアイコンである。
ボタンアイコン311は、前述されたメニューを開き、農作業計画カレンダーが上側の部分に表示される画面を表示するためのボタンアイコンである。
図6に示されているように、画面400においては、農作業計画カレンダーがその大部分に表示されている。
図6においては、選択作業車両計画に関する画面を表示するためのチェックボックス410にはチェックマークが記入されておらず、全体計画に関する画面を表示するためのチェックボックス409にはチェックマークが記入されている。そして、農作業イベントを特定する作業車両にかかわらず、農作業イベントアイコン401〜408が、全て表示されている。
農作業イベントアイコン401が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月5日」、「評価場」、および「田植え」である。農作業イベントが完了していないことを明示するために、農作業日の表示欄の背景色が黄色であってもよい。
農作業イベントアイコン402が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月5日」、「評価場近傍」、および「田植え」である。農作業イベントが完了していることを明示するために、農作業日の表示欄は太枠で囲まれているが、同欄の背景色が灰色であってもよい。農作業支援サーバー20への農作業データのアップロードが完了していないことを明示するために、農作業日の表示欄には黒丸が付されているが、一例として、同欄には赤色の感嘆符などのマークが付されていてもよい。
農作業イベントアイコン403が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月11日」、「第1通路」、および「田植え」である。農作業イベントが完了していないことを明示するために、一例として、農作業日の表示欄の背景色が黄色であってもよい。
農作業イベントアイコン404が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月16日」、「評価場」、および「田植え」である。農作業イベントが完了していないことを明示するために、一例として、農作業日の表示欄の背景色が黄色であってもよい。
農作業イベントアイコン405が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月16日」、「評価場」、および「未選択などによる不明」である。農作業イベントが完了していることを明示するために、農作業日の表示欄は太枠で囲まれているが、同欄の背景色が灰色であってもよい。農作業支援サーバー20への農作業データのアップロードが完了していないことを明示するために、農作業日の表示欄には黒丸が付されているが、一例として、同欄には赤色の感嘆符などのマークが付されていてもよい。
農作業イベントアイコン406が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月18日」、「第2通路」、および「田植え」である。農作業イベントが完了していないことを明示するために、一例として、農作業日の表示欄の背景色が黄色であってもよい。
農作業イベントアイコン407が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月20日」、「第2通路」、および「肥料散布」である。農作業イベントが完了していないことを明示するために、一例として、農作業日の表示欄の背景色が黄色であってもよい。
農作業イベントアイコン408が対応する農作業イベントを特定する農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せは、「5月21日」、「試験圃場」、および「農薬散布」である。農作業イベントが完了していないことを明示するために、一例として、農作業日の表示欄の背景色が黄色であってもよい。
全体チェックボックス409は、全ての作業車両が選択される全体計画に関する画面を表示するためのチェックボックスであり、操作すると画面400から図5に示す画面300に切り替わる。なお、画面200で作業車両を選択せずボタンアイコン205を操作したときには、画面400を表示するものとする。
個別チェックボックス410は、上述のとおり、任意の作業車両が選択される選択作業車両計画に関する画面を表示するためのチェックボックスである。
農作業イベントアイコン401〜408が対応する農作業イベントの農作業データをより詳細に表示する機能が実装されている。
たとえば、農作業イベントアイコン403が押されると、図7に示されているような画面500が表示される。
図7に示されているように、農作業イベントアイコン403が対応する農作業イベントの農作業日、農作業場所、農作業内容、農作業者、作業車両、作業装置、肥料、および薬剤は、5月11日、第1通路、田植え、農作業者X、田植機2号、植付装置、肥料Y、および薬剤Zである。
そして、ボタンアイコン501が押されると、図8に示されているような画面600が表示される。
図8に示されているように、農作業イベントアイコン403が対応する農作業イベントの農作業日、農作業時間、農作業場所、農作業分筆圃場面積、農作業内容、農作業者、作業車両、作業装置、肥料、薬剤、種、および苗は、5月11日、10時00分〜12時00分、第1通路、5.0アール、田植え、農作業者X、田植機2号、植付装置、肥料Y、薬剤Z、未選択などによる不明、および未選択などによる不明である。
このようにして、タブレット型コンピューター30は、農作業日、農作業場所、および農作業内容の組合せによって特定される農作業イベントに対応する農作業イベントアイコン401〜408を個別に生成し、個別に生成された農作業イベントアイコン401〜408を農作業日に基づいて設定された複数の表示エリア304〜307に割当てて表示する。
かくして、農作業計画の内容が視覚的に理解しやすいので、農作業者の失念または勘違いなどに起因して発生する誤った処理の実行および必要な処理の未実行の恐れが低減される。
図9に示されているように、画面700においては、農作業イベント一覧表が表示されている。
図9においては、選択行701の状態がタッチ選択で影付きとなるように変化しており、その他の選択行についての具体的な図示は省略されている。
選択行701が対応する農作業イベントのアップロード状況、農作業計画名、農作業日、農作業時間の農作業開始時刻、農作業時間の農作業終了時刻、農作業場所、農作業内容、および農作業者は、未実行、未選択などによる不明、5月16日、11時27分、11時28分、未選択などによる不明、田植え、および農作業者Xである。
ボタンアイコン702は、全てのアップロードが完了していない農作業データを農作業支援サーバー20にアップロードするためのボタンアイコンである。アップロード状況が未実行である農作業イベントの個数が小さく、手動指示をともなう補完的なデータ入力が短時間で完了できる場合などにおいては、全ての農作業データが一括的に農作業支援サーバー20にアップロードされ、利便性が高い。
ボタンアイコン703は、選択行701などの選択行が対応する農作業イベントの農作業データの入力を行うことができる設定ページが表示される画面800などを表示するためのボタンアイコンである。
ボタンアイコン704は、選択行701などの選択行が対応する農作業イベントが完了した農作業終了時刻をタブレット型コンピューター30に教える手動指示を実行するためのボタンアイコンである。また、ボタンアイコン704を操作したときは、一つの農作業が終わったものと見做すことにより、次の作業条で農作業イベントを実行するときの作業車両の各作業データと、前の農作業イベントの各作業データが混ざることを防止できるので、複数の農作業イベントのデータが混ざり合い、正確な作業データが失われることが防止される。
なお、作業車両位置データ取得部53および内臓クロックなどを利用して判定された圃場からの離脱時刻などが、農作業終了時刻として自動的にタブレット型コンピューター30に教えられる構成とすると、作業者のタブレット方コンピューター30の手動操作が不要になり、作業能率が向上する。
図10に示されているように、画面800においては、選択行701などの選択行が対応する農作業イベントの農作業データの入力を行うことができる設定ページが表示されている。
農作業イベントのアップロード状況、農作業日、農作業時間の農作業開始時刻、および農作業時間の農作業終了時刻は作業車両位置データ取得部53および内臓クロックなどを利用して自動的にタブレット型コンピューター30に教えられ、設定される。少なくともタブレット型コンピューター30にダウンロードされている農作業計画データには含まれていない農作業イベントが行われた場合においても、このような農作業データについては手動指示をともなう補完的なデータ入力が不要であり、利便性が高い。
ダイアログボックス801は、農作業場所を農作業場所リストから選択するためのダイアログボックスである。農作業支援サーバー20からダウンロードされた農作業場所リストには、評価場、評価場近傍、第1通路、第2通路、および試験圃場などの農作業場所が列挙されている。
ボタンアイコン802は、選択行が対応する農作業イベントの農作業データを農作業支援サーバー20にアップロードするためのボタンアイコンである。アップロード状況が未実行である農作業イベントの個数が大きく、手動指示をともなう補完的なデータ入力が短時間で完了できない場合などにおいては、重要な農作業データが個別的に農作業支援サーバー20にアップロードされ、利便性が高い。
このようにして、タブレット型コンピューター30は、農作業場所が列挙された農作業場所リストを農作業支援サーバー20からダウンロードして保持する。
そして、農作業計画データに含まれていない、農作業日、農作業場所、農作業内容、および農作業者の組合せによって特定される農作業イベントが行われた場合には、タブレット型コンピューター30は、保持している農作業場所リストから選択された農作業場所に関するデータを含む農作業データを農作業支援サーバー20にアップロードする。
かくして、たとえば、農作業者が自主的に行った、農作業計画データには含まれていない農作業イベントが行われた場合においても、このような農作業イベントの農作業データがタブレット型コンピューター30によって農作業支援サーバー20にアップロードされるので、農作業支援サーバー20に格納されるマスターデータが充実する。
前述された如く充実させられたマスターデータに含まれている、タブレット型コンピューター30によって農作業支援サーバー20にアップロードされた農作業データは、農作業計画データを作成するために利用される。
つまり、携帯される端末装置、または農作業を行う作業車両50に装備された端末装置であるタブレット型コンピューター30は農作業データを農作業支援サーバー20にアップロードし、農作業支援サーバー20は農作業データを扱い、タブレット型コンピューター30とは相異なる独立した装置であるパーソナルコンピューター40はアップロードされた農作業データを利用して農作業計画データを作成する。
より具体的に説明すると、つぎの通りである。
タブレット型コンピューター30によって農作業支援サーバー20にアップロードされる農作業データは、苗の生育などに関する時間の経過にともなって変化する最新のデータなどをも含み得る。
そこで、このような最新の農作業データを考慮して計画修正なども行いながら、農作業計画データを段階的に作成することが望ましい。
たとえば、5月1日に作成された農作業計画データにおいては肥料散布が5月20日に行われる予定であっても、行われるべき肥料散布が予定通りに行われなかったことを示す農作業データがアップロードされた場合、または苗の生育が思わしくないことを示す農作業データがアップロードされた場合などにおいては、5月20日に行われる予定であった肥料散布を5月25日に行うための新たな農作業計画データが作成されてもよい。
もちろん、5月25日に行われるべき肥料散布における肥料の種類および量は、タブレット型コンピューター30によって農作業支援サーバー20にアップロードされる農作業データを考慮して、5月20日に行われる予定であった肥料散布における肥料の種類および量とは異ならせられてもよい。
そして、タブレット型コンピューター30は、農作業計画データの全部または選択された一部を農作業支援サーバー20からダウンロードして表示する。
農作業計画データが作付計画データとも呼ばれる作業計画データ、および作物作付データを含む場合には、作業計画データおよび作物作付データの全部が一括的にダウンロードされてもよいし、作業計画データの全部または一部が選択的にダウンロードされてもよいし、作物作付データの全部または一部が選択的にダウンロードされてもよい。
作業計画データの全部をダウンロードすると、タブレット型コンピューター30には農作業計画全体に相当する作業計画データが記録されるので、作業者はタブレット型コンピューター30を用いて作業計画の全体像を把握することができる。
例えば、農作業者が、ある地域の作業を行うグループAと、別の地域の作業を行うグループB等、複数のグループから構成されている場合において、グループAの所属メンバーが農作業計画データの全部をダウンロードしていれば、図6に示す画面400にはグループBの作業計画を含む農作業計画が表示される。この農作業計画データが最新のものであれば、作業者は、自身の所属するグループの作業の進捗状況や計画の変更点を把握できるだけでなく、自身が所属していない作業グループの作業の進捗状況を把握することもできる。
これにより、農作業計画の全体を、少なくとも農作業計画データをサーバー20から取得する権限を持った作業者であれば誰でも把握することができるので、別グループの進捗状況に合わせて農作業の実行時期を前後させたり、作業に必要な資材の手配を行ったりすることができるので、農作業計画データを用いた作業に停滞が生じることが防止され、円滑な作業の実行が可能になる。
なお、上記のような農作業は、農業計画の立案と圃場での作業を行う作業者が異なることが多い、営農団体の運営において、特に効力を発揮し得る。
農作業計画データの全部がダウンロードされる場合にはタブレット型コンピューター30の農作業計画データと、農作業支援サーバー20の農作業計画データと、の間の同期性が向上される。農作業計画データの一部がダウンロードされる場合にはタブレット型コンピューター30と、農作業支援サーバー20と、の間の通信におけるデータ量が低減されると共に、通信に要する時間が短縮され、作業能率が向上する。
さて、典型的には、農作業計画データの一部は、農作業計画データが含む所定の農作業資材に関するデータである。
すなわち、タブレット型コンピューター30は、所定の農作業資材に関するデータを農作業支援サーバー20からダウンロードして保存する機能を有し、新たにダウンロードされた所定の農作業資材に関するデータを利用して、すでに保存されている所定の農作業資材に関するデータのデータ更新を実行する。
保存されているデータがダウンロードされたデータを利用して更新されるので、手動指示を伴う面倒なデータ入力が不要であり、利便性が高い。
たとえば、データ更新が実行されるときは、農作業計画データを農作業支援サーバー20からダウンロードするための手動指示が実行されたとき、または農作業計画データを農作業支援サーバー20からダウンロードするためのアプリケーションが起動されたときである。
上記のダウンロードするためのアプリケーションは、本件の農作業支援システムそのもの、あるいは付随するアプリケーションであり、タブレット型コンピューター30を操作して農作業支援システムを起動すると、自動的にサーバー20との通信を行うものである。通信が可能な環境下であれば、作業者が操作することなく自動的にサーバー20から農作業計画データのダウンロードを開始する。
一方、ダウンロードを実行する手動指示は、前記画面100のボタンアイコン110、即ちクラウド同期を行うボタンアイコンを操作することである。農作業支援システムの起動時に通信ができず、自動的にサーバー20から農作業計画データのダウンロードができなかったときは、作業者は通信可能な環境に移動するか、あるいは通信可能な環境を設定し、ボタンアイコン110を操作して、タブレット型コンピューター30をサーバー20と通信させて、最新の農作業計画データをダウンロードする。
農作業支援システムの起動時に自動で農作業計画データをダウンロードすることにより、農作業支援システムを用いて作業するときには常に最新の農作業計画データに基づき作業が行えるので、必要な作業を忘れたり、不要な作業を行ったりすることが防止されると共に、使用する農作業資材の使用量の適正化が図られる。
また、手動操作によってサーバー20と通信し、農作業計画データをダウンロードすることができるので、農作業支援システムの起動時に通信ができなくても、通信が可能な環境下で農作業計画データのダウンロードを行うことができるので、最新の農作業計画データを取得できず、作業が中止されることが防止される。
さらに、農作業計画データ無しで作業を行い、農作物の生育に悪影響を生じさせることや、農作業資材の使用量が過度に過不足となることが防止される。
なお、自動的にサーバー20から農作業計画データをダウンロードするかどうかは、ボタンアイコン109を操作し、設定画面を呼び出すことで、切替選択が可能にしてもよい。
たとえば、所定の農作業資材は、作業車両、作業装置、肥料、および薬剤の全部または一部であってもよい。
農作業資材としては、種々の肥料、種々の作業で使用される薬剤である除草剤または殺虫剤などの農薬、播種機で使用される種子、田植機または野菜移植機などで使用される苗の数に相当する苗箱、コンバイン収穫機のグレンタンクから排出される肥料を回収する袋としての米袋、栽培畝に敷設されるマルチフィルム、および水などが考えられる。
また、トラクターや田植機、コンバイン等の作業車両、耕耘用のロータリーや代掻用のハロー、播種作業用の播種装置や溝切作業用の溝切装置等の作業装置を、農作業資材と見做して、農作業計画データに組み込み可能としてもよい。
何れにせよ、図11に示されているように、データの一部がダウンロードされる場合には、タブレット型コンピューター30は、データ更新手段31aを必要とするのみならず、データ比較手段31bをも必要とする。
ここに、図11は、本発明における実施の形態のタブレット型コンピューター30のブロック図(その一)である。
要するに、データ比較手段31bは所定のタイミングでダウンロードされたデータ34aの一部と、所定のタイミングよりも前の直近のタイミングで保存されているデータ34bの対応する一部と、を比較し、得られたデータ比較結果をデータ更新手段31aに教える。そして、データ更新手段31aは、教えられたデータ比較結果に基づき、データ34aの一部を利用してデータ34bの対応する一部を更新する部分的なデータ更新を行う。このようなデータの一部がダウンロードされる場合には、タブレット型コンピューター30と、農作業支援サーバー20との間の通信におけるデータ量が低減される。
他方、図12に示されているように、データの全部がダウンロードされる場合には、タブレット型コンピューター30は、データ更新手段31aを必要とするが、データ比較手段31bを必要としない。
ここに、図12は、本発明における実施の形態のタブレット型コンピューター30のブロック図(その二)である。
要するに、データ更新手段31aは、前述された如くデータ比較結果を利用する必要なく、データ34aの全部を利用してデータ34bの全部を更新する一括的なデータ更新を行う。このようなデータの全部がダウンロードされる場合には、タブレット型コンピューター30の農作業計画データと、農作業支援サーバー20の農作業計画データとの間の同期性が向上される。
もちろん、データ34aの一部と、データ34bの対応する一部とが比較され、得られたデータ比較結果における不一致がある農作業イベントについては、データの全部が改めてダウンロードされ、データ34bの全部が改めてダウンロードされたデータ34aの全部を利用して更新されてもよい。
なお、所定の農作業資材の種類は、変更可能であってもよい。
所定の農作業資材の種類または量などが変更可能であると、個別の農作業者の要望に応じたカスタマイズが容易に実現される。
さらに、新たにダウンロードされた所定の農作業資材に関するデータと、すでに保存されている所定の農作業資材に関するデータとの間に不一致がある場合には、警告メッセージデータが、タブレット型コンピューター30において表示される。
すると、タブレット型コンピューター30側の農作業者に対する注意喚起が行われるので、たとえば、実際に使用するべき農作業資材の種類または量などの変更が速やかに行われるので、農作業資材の過不足による農作物の生育不良が防止されると共に、環境の汚染が低減される。
また、更新された農作業計画データを確認して作業することにより、必要な作業が行われないことや、不要な作業を行ってしまうことが防止される。
農作業者は、このようなデータの不一致を電話または電子メールなどでパーソナルコンピューター40側の農作業計画管理者に通知してもよい。このとき通知される情報には、いつ(日時)、どの圃場で(場所)、どの作業者のタブレット型コンピューター30がダウンロードした際に農作業計画データの不一致が発生したかを確認可能なものとする。
これにより、更新された農作業計画データがタブレット型コンピューター30にダウンロードされたことを作業計画の作成者が確認できるので、更新前の農作業計画データを用いている作業者の有無を把握でき、該当する作業者のタブレット型コンピューター30に農作業計画データの更新通知メールを送るなどの対応を速やかに行うことが可能になる。
もちろん、タブレット型コンピューター30にすでに保存されている、またはたタブレット型コンピューター30には保存されていない新たにダウンロードされ農作業者の個人アカウント登録に関するデータにおける不具合がある場合においても、農作業者は、このようなデータの不具合を電話または電子メールなどでパーソナルコンピューター40側の農作業計画管理者に通知してもよい。
すると、データの不一致またはデータの不具合を解消するためのデータ修正がパーソナルコンピューター40側の農作業計画管理者によって速やかに行われるので、農作業支援サーバー20に格納されるマスターデータが充実する。
そして、新たにダウンロードされた所定の農作業資材に関するデータと、すでに保存されている所定の農作業資材に関するデータとの間に不一致がある場合には、警告メッセージデータが、農作業支援サーバー20を経由して送信され、農作業計画データを作成するパーソナルコンピューター40において表示される。
すると、パーソナルコンピューター40側の農作業計画管理者に対する注意喚起が行われるので、たとえば、データ修正などをともなう農作業計画の変更が速やかに行われ、望ましい。