JP2015049866A - 農業支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単に作業計画を作成することができるようにする。
【解決手段】農業支援システムは、作業計画設定手段40と、作業計画記憶手段(作業計画データベース)41と、作業基準記憶手段(作業基準データベース)42とを備えており、作業計画設定手段40は、作業計画を設定する際には、圃場に関係付けられた作物における作業計画のデフォルト値を作業基準記憶手段(作業基準データベース)42から取得して、取得後のデフォルト値に基づいて作業計画の設定を行い、作業計画設定手段40によって所定の作物における作業計画が設定された際には、設定された作業計画を所定作物に対応するデフォルト値として変更するデフォルト変更手段120を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、複数の農作業者の農業を支援する農業支援システムに関する。
従来より、個人農家や営農集団では、圃場の管理、農作業の管理、農作業を行う作業者(農作業者)の管理等を行っている。これらの農業管理は、ノート等で行われることが多かったが、情報技術の発展に伴い、農業管理もIT化してきている。農業管理をコンピュータ等により行う技術として、例えば、特許文献1に示すものがある。
特許文献1には、種苗情報データベースに収録されている播種可能時期、標準育成期間、単位面積当たりの標準収穫量、及び価格データベースに収録されている該品種品目の標準価格等を参照し、それらの数値から販売金額見積り等をしながら年間の生産計画を立案することが開示されている。即ち、特許文献2には、生産計画として、圃場と、農作業と、農作業期間との関係を定めることが開示されている。
特開平11−175609号公報
特許文献1には、圃場と、農作業と、農作業期間との関係を定める生産計画(作業計画)を作成することが開示されているものの、複数年に亘って作業計画を作成することは考慮されていない。そのため、作物の作付年が変更される度に作業計画を最初から考えて作成する必要があり、作業計画の作成が大変であった。
そこで本発明は、上記問題に鑑み、簡単に作業計画を作成することができる農業支援システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、請求項1に係る発明は、作付けする作物が定められた圃場に対して当該圃場で行う農作業の作業計画を設定する作業計画設定手段と、前記作業計画設定手段で設定された作業計画を記憶する作業計画記憶手段と、前記作物毎に前記作業計画のデフォルト値を記憶する作業基準記憶手段とを備えており、前記作業計画設定手段は、前記作業計画を設定する際には、前記圃場に関係付けられた作物における作業計画のデフォルト値を前記作業基準記憶手段から取得して、取得後のデフォルト値に基づいて前記作業計画の設定を行い、前記作業計画設定手段によって所定の作物における前記作業計画が設定された際には、設定された作業計画を前記所定作物に対応するデフォルト値として変更するデフォルト変更手段を備えていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記作業計画設定手段は、圃場で行う農作業及び農作業期間を含む作業計画のデフォルト値を前記作業基準記憶手段から取得し、取得した農作業及び/又は農作業期間を変更可能とされ、前記作業計画記憶手段は、変更後の農作業及び/又は農作業期間を前記作業計画として記憶しており、前記デフォルト変更手段は、前記作業計画設定手段によって前記農作業及び/又は農作業期間が変更された場合、変更後の農作業及び/又は農作業期間を、変更後の前記デフォルト値として前記作業基準記憶手段に書き込むことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、過去に作成した実績のある作業計画を新しく作成する作業計画に簡単に反映することができ、作業計画の作成が行い易くなる。
請求項2に係る発明によれば、農作業や農作業期間を含む作業計画を作成する場合には、農作業の設定や農作業期間の設定を簡単に行うことができる。
農業支援システムの全体図である。 農業支援システムのブロック図である。 作付計画画面を示す図である。 (a)変更前の共通設定画面を示し、(b)変更後の共通設定画面を示す図である。 (a)変更前の個別設定画面を示し、(b)変更後の個別設定画面を示す図である。 (a)変更前の作業計画画面を示し、(b)変更後の作業計画画面を示す図である。 2年間の作付計画及び作業計画の流れを示す図である。 (a)作物と圃場との組み合わせが一致する例を示し、(b)作物と圃場との組み合わせが一致しない第1例を示し、(c)作物と圃場との組み合わせが一致しない第2例を示し、(d)作業計画データベースに記憶した前年作業計画の例を示した図である。 作業作成画面を示す図である。 (a)対象農作業者への作業内容の送信を説明する図であり、(b)非対象農作業者への作業内容の送信を説明する図である。 仕分け手段による作業内容の仕分けを説明する説明図である。 各種表示画面の切替えの遷移を示す図である。 (a)メインメニュ画面を示し、(b)自分作業画面を示し、(c)他人作業画面を示す図である。 (a)自分作業確認画面を示し、(b)他人作業確認画面を示す図である。 (a)計画確認画面を示し、(b)作業中画面を示す図である。 報告確認画面を示す図である。 サーバと携帯端末とにおける作業内容の送受信の流れを示す第1図である。 サーバと携帯端末とにおける作業内容の送受信の流れを示す第2図である。 作業内容に基づいて農業機械(使用機械)の設定を行う流れを示す図である。 (a)自分作業確認画面に自分作業内容を表示した図であり、(b)自分作業内容を中間報告書にした図であり、(c)中間報告書を実報告書に変換した図である。 (a)他人作業確認画面に他人作業内容を表示した図であり、(b)他人作業内容を中間報告書にした図であり、(c)中間報告書を実報告書に変換した図である。 作業計画の取得から作業計画の表示の流れを示した図である。 報告書作成画面を示す図である。 作業計画の作成の流れをまとめた図である。 (a)個別圃場の作業計画の変更前を示し、(b)個別圃場の作業計画の変更後を示し、(c)デフォルト値の変更後を示す図である。 トラクタの全体概略図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態による農業支援システムを説明する。
図1は、農業支援システムの全体図を示したものである。
図1に示すように、農業支援システム1は、農業の支援を行うものであって、農業に関する様々な支援を行うサーバ2を備えている。サーバ2は、主に、管理者等が作成する様々な計画(作付計画、作業計画)の作成支援、農作業の指示書(作業内容)の作成支援を行う。また、サーバ2は、農業実績の管理や農業実績の分析・評価の支援等を行う。
農業支援システム1は、サーバ2に接続するコンピュータ(ノード)3を備えている。コンピュータ3は、管理者U1が操作する管理コンピュータ3aと、農作業者U2が操作する作業者コンピュータ3bとに大別される。管理コンピュータ3aは、例えば、農家等に設置されたパーソナルコンピュータで構成され、作業者コンピュータ3bは携帯端末で構成される。
さらに、農業支援システム1は、農業機械4に搭載されたデータ収集装置5を備えている。データ収集装置5は、携帯端末3bとの間で通信を行うことにより様々なデータのやりとりを行うもので、例えば、農業機械4が作動したときのデータ(農作業データ)を収集して、携帯端末3bに送信する。なお、農業機械4は、トラクタ、コンバイン、田植機などである。
このような農業支援システム1では、管理コンピュータ3aをサーバ2に接続することによってサーバ2上で様々な計画(作付計画、作業計画)の作成を行ったり、指示書(作業内容)の作成を行うことができる。また、作成した作業内容をサーバ2をから携帯端末3bに送信することにより農作業者に対して作業指示を行うことができる。また、携帯端末3bからサーバ2に農作業データを送信することにより農作業データをサーバ2に記憶したり、サーバ2にて農作業データの分析・評価を行うことができる。
以下、農業機械4の1つであるトラクタを例にとり、農業支援システム1について説明する。まず、トラクタの構成について説明する。
図26に示すように、トラクタ4は、前後に車輪が取り付けられた走行車両(走行車体)10に、エンジン11、変速装置12等を搭載して構成されている。エンジン11の後方には、独立搭載型のキャビン13が設けられており、キャビン13内には運転席14が設けられている。また、走行車両2の後部には、様々なインプルメント等を装着することができるようになっている。詳しくは、走行車両2の後部には、3点リンク機構15が昇降可能に設けられると共に、エンジン11からの動力を伝達するPTO軸が設けられている。3点リンク機構15には、肥料散布装置、耕耘装置、農薬散布装置、播種散布装置、収穫装置などの作業装置16が着脱自在となっている。なお、図26は、肥料散布装置を3点リンク機構15に取り付けた例を示している。
図2に示すように、トラクタ4には、データ収集装置5と制御装置6とが搭載されている。データ収集装置5と制御装置6とは、車両用通信ネットワークにより接続されている。制御装置6は、トラクタ4の走行系制御や作業系制御等を行うものであって、走行系制御として、エンジンの動作を制御したり、作業系制御として、運転席の周囲に設けられた操作レバーや操作スイッチなどの操作具からの入力を受けると、入力値に従って3点リンク機構15の昇降、PTO軸の出力(回転数)などの動作を制御する。トラクタ4の走行系制御や作業系制御を行うときの制御信号や制御を行うための各種検出信号(例えば、センサが検出した信号)は、車両用通信ネットワークに出力されて、トラクタ4の各部に伝達される。なお、制御装置6による走行系制御や作業系制御は、上述したものに限定されない。
データ収集装置5は、車両用通信ネットワークを介して、トラクタ4が動作しているときの農作業に関する様々なデータを自動的に収集するものである。例えば、トラクタ4の後部に作業装置16として耕耘装置が連結されてトラクタ4が動作したときは、ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深などのデータが車両用通信ネットワークに出力される。データ収集装置5は、ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深などのデータを農作業データとして取得する。
また、作業装置16が肥料散布装置、農薬散布装置、播種散布装置である場合は、車速、エンジン回転数、散布量(肥料散布量、農薬散布量、播種散布量)などのデータが車両通信ネットワーク上に出力され、データ収集装置5は、車速、エンジン回転数、肥料散布量、農薬散布量、播種散布量を農作業データとして取得する。或いは、作業装置16が収穫装置である場合は、車速、エンジン回転数、収穫量などのデータが車両通信ネットワーク上に出力され、データ収集装置5は、車速、エンジン回転数、収穫量を農作業データとして取得する。
このデータ収集装置5は、第1記憶部20と、第1通信部21とを備えている。第1記憶部20は、上述したような農作業に関係する農作業データを一時的に記憶する。この第1記憶部20には、トラクタ4の作動時に農作業データが逐次、蓄積される。なお、データ収集装置5には、トラクタ4を識別(特定)するための機械特定情報が記憶されると共に、トラクタ4が作動したときの作動時間なども記憶されている。
第1通信部21は、携帯端末3bと無線通信を行うものであって、近距離の無線を行う装置で構成されている。第1通信部21は、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)等により携帯端末3bと無線通信を行う。
携帯端末3bは、例えば、比較的演算能力の高いスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレットPC等で構成されている。図1に示すように、携帯端末3bは、農作業時に農作業者U2が所持することとされていて、当該携帯端末3bは各農作業者U2に割り当てられている。例えば、2台の携帯端末3bと、2人の農作業者U2(作業者A、作業者B)が居るとき、1台目の携帯端末3bは「作業者A」に割り当てられ、2台目の携帯端末3bは「作業者B」に割り当てられている。以降、説明の便宜上、農作業者のことを「作業者」といい説明を進めることがある。
なお、携帯端末3bを識別する識別情報(例えば、MACアドレス)と、作業者を識別する識別情報(例えば、名前、住所、農作業者固有のメールアドレス)とは関連付けられて、サーバ2、管理コンピュータ3a、携帯端末3b等に記憶されている。携帯端末3bの識別情報及び作業者の識別情報を用いることにより、携帯端末3bの識別情報から作業者を特定したり、作業者から携帯端末3bを特定することができる。携帯端末3bと作業者とは関連付けられていれば、関連付けの方法や識別情報の記憶場所は、上述したものに限定されない。
携帯端末3bは、第2通信部22と、第2記憶部23とを備えている。
第2通信部22は、データ収集装置5やサーバ2と無線通信を行うものであって、通信装置で構成されている。第2通信部22は、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)などによりデータ収集装置5との無線通信を行う。また、第2通信部22は、例えば、データ通信網や携帯電話通信網などによりサーバ2との無線通信を行う。第2記憶部23は、識別情報の他、データ収集装置5やサーバ2から送信されたデータを記憶する。
なお、携帯端末3bは、測位衛星(例えば、GPS衛星)24から送信された信号(GPS衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、受信した信号に基づいて自分の位置(例えば、緯度、経度)を検出する位置検出部25を有していてもよい。位置検出部25を設けた場合は、農作業者が農作業時に携帯端末3bを所持することにより、農作業時の農作業者の位置を検出することができる。
次に、サーバ2について詳しく説明する。
図2に示すように、サーバ2は、作付計画の設定を行う作付計画設定手段30と、作付計画を記憶する作付計画記憶手段(作付計画データベース)31を備えている。作付計画設定手段30は、サーバ2に格納されたプログラム等から構成されている。なお、作付計画記憶手段は、データを所定の規則に応じて記憶(記録)した作付計画データベース31の他に、データを単に記憶したものであってもよい。
作付計画とは、何の作物をどの圃場に作付けするかという計画、即ち、所定の「圃場」と所定の「作物」とを関係付けるための計画であって、例えば、作物を圃場に作付けする前に、複数の圃場を管理する管理者等が行う。圃場とは、作物を作付けする(植え付ける)区画された田畑のことである。
管理コンピュータ3aがサーバ2にログインをして、当該管理コンピュータ3aから作付計画作成の要求があると、この要求に応じて作付計画設定手段30は、図3に示すような作付計画画面Q1を管理コンピュータ3aに表示する処理を行う。図3を用いて、作付計画、作付計画画面Q1及び作付計画設定手段30について説明する。
作付計画設定手段30は、複数の作物(例えば、稲、うめ、大麦、小麦)の中から作付計画で設定する作物の大分類(例えば、作物の品目)を設定するための第1分類設定部32を作付計画画面Q1に表示する。例えば、第1分類設定部32に表示された複数の作物から「稲」が選択されると、作物の大分類は「稲」に設定される。
また、作付計画設定手段30は、大分類中の作物(品目)からさらに作物を絞り込むための小分類(例えば、作物の品種や作物の年度)を設定するための第2分類設定部33を作付計画画面Q1に表示する。例えば、第2分類設定部33で「こしいぶき」が選択されると、作付計画における作物は「こしいぶき」に決定される。
なお、第1分類設定部32や第2分類設定部33は、様々な作物の中から作付計画で設定する作物を絞り込むための部分であり、分類の数、分類方法、分類階数は限定されない。例えば、上述した例では、「作物の品目」を大分類とし、「作物の品種」を小分類として作物を設定していたが、これに限らず、例えば、「作物の品種」に「地域」を加えたものを小分類(例えば、新潟県産こしいぶき)とし、これにより、品種及び地域を含むものを「作物」として設定できるようにしてもよい。
作付計画設定手段30は、設定部(第1分類設定部32、第2分類設定部33)で設定された作物に関して、基本設定を行うための基本設定部34を作付計画画面Q1に表示する。この基本設定部34では、作付計画の名称(作付計画名)、作付を行う予定期間、作物の種子の購入の有無、種子の種子購入量、購入金額等を設定することができる。
また、作付計画設定手段30は、複数の圃場の中から作物を作付けする圃場を設定するための圃場設定部35を表示する。詳しくは、作付計画設定手段30は、サーバ2に設けられた基本記憶手段(例えば、基本データベース)から管理者が所有する複数の圃場情報(例えば、圃場名、圃場面積、作付面積等)を読み込み、圃場情報の一覧を圃場設定部35に表示すると共に、圃場を選択する選択部36を表示する。
圃場設定部35において、例えば、圃場A、圃場B、圃場C、圃場Dが選択され、作付計画画面Q1に表示された「登録」が選択されると、作付計画設定手段30は、圃場設定部35で選択された各圃場(圃場A〜圃場D)と、設定部(第1分類設定部32、第2分類設定部33)で設定された作物(こしいぶき)とを関係付ける。
作付計画設定手段30によって、圃場(圃場A〜圃場D)と、作物(こしいぶき)が関係付けられると、これら圃場A〜圃場Dと、こしいぶきとを含む作付計画は、作付計画データベース31に記憶される。作付計画データベース31には、作付計画が設定される毎に、設定された作付計画(作物と圃場との関係)が記憶される。
以上、作付計画設定手段30によれば、管理コンピュータ3aをサーバ2に接続することにより、圃場と作付けする作物とを関係付ける作付計画を簡単に作成することができ、作成した作付計画を作付データベースに逐次記憶することができる。
また、サーバ2は、作業計画の設定を行う作業計画設定手段40と、作業計画記憶手段(作業計画データベース)41と、作業基準記憶手段(作業基準データベース)42とを備えている。作業計画設定手段40は、サーバ2に格納されたプログラム等から構成されている。なお、作業計画記憶手段及び作業基準記憶手段は、データを所定の規則に応じて記憶(記録)した作業計画データベース41及び作業基準データベース42の他に、データを単に記憶したものであってもよい。
作業計画とは、所定の圃場において、何の農作業をどの期間(農作業期間)内に行うかという計画、即ち、圃場で行う「農作業」と、農作業を行う「農作業期間」とを関係付けるためのものであって、例えば、作付計画の作成後に管理者等が行う。農作業とは、作物を栽培するために行う作業であって、例えば、床土作り、畦塗り、耕耘、播種、田植え、代掻き、溝切り、除草、追肥、収穫等である。
作業計画設定手段40は、作付計画設定手段30によって予め作付計画の設定が完了済みである圃場(完了圃場という)において、その完了圃場で行う農作業と、農作業の期間(農作業期間)とを作業計画として設定するものである。言い換えれば、作業計画設定手段40は、作付けする作物が予め定められた圃場(完了圃場)に対して、その完了圃場で行う農作業の作業計画を設定するものである。
例えば、上述したように、圃場A〜圃場Dと「こしいぶき」とは、作付計画設定手段30によって関係付けられて作付計画の作成が完了しているため、まず、作付計画設定手段30は、この完了圃場(圃場A〜圃場D)と、「作物(こしいぶき)」とに関しての作業計画の作成を許可する。作業計画の作成が許可されると、作業計画設定手段40は、完了圃場で行う農作業及び農作業期間の設定を行う処理に入る。
つまり、作業計画設定手段40は、作付計画手段によって作業計画の作成が許可された完了圃場及び作物に対する作業計画を行う、一方、作付計画設定手段30によって作業計画の作成が許可されていない圃場及び作物に対する作業計画は行わない。
作業計画データベース41は、作付計画データベース31とは別に構成され、作業計画設定手段40によって設定された作業計画を作付計画と関連付けて記憶する。詳しくは、作付計画データベース31に記憶される作付計画は、作業計画データベース41に記憶される作業計画よりも上位とされ、作業計画データベース41には、作業計画設定手段40で設定された作業計画が作付計画の下位として記憶される。
つまり、作付計画設定手段30が作業計画の設定を許可後に、作業計画設定手段40によって作業計画を設定して、当該設定した作業計画を作業計画データベース41に記憶しているため、作付計画のデータを上位階層とし、作業計画のデータを下位階層とて、これらを関連付けることができる。なお、この実施形態では、作付計画手段30による作業計画の設定許可後に作業計画を設定することとしていたが、作付計画を上位階層とし、作業計画を下位階層として、作付計画と作業計画とを関連付けるのであれば、作付計画及び作業計画を同時に行っても良い。
また、作業基準データベース42は、作業計画を設定するに際して、基準となる農作業や農作業期間のデフォルト値を記憶するもので、当該作業基準データベース42に記憶されている農作業や農作業期間のデフォルト値は、所定の作物毎に設定されたものであったり、過去の農業実績等により設定されるものである。
次に、作業計画設定手段40による作業計画の設定について詳しく説明する。図2に示すように、作業計画設定手段40は、共通設定部40Aを備えている。共通設定部40Aは、複数の圃場の中で同一の作物を作付けする共通の圃場を1括り(1グループ)とした場合、そのグルーブ化した圃場群全体の作業計画を設定する。例えば、上述したように、「こしいぶき」の作物は、圃場A、圃場B、圃場C、圃場Dで栽培するため、共通設定部40Aは、これら圃場A〜圃場Dをまとめた圃場群(圃場A、圃場B、圃場C、圃場D)に対する作業計画を設定する。作業計画の説明では、便宜上、同一の作物を作付する共通の圃場(グループ化された圃場群)のことを共通圃場とする。
具体的には、共通設定部40Aは、管理コンピュータ3aから作業計画作成の要求があると、共通圃場の作業計画を設定する共通設定画面Q2を管理コンピュータ3aに表示する。図4は、共通設定画面Q2の一例を示している。図4を用いて共通設定画面Q2について説明する。
図4(a)に示すように、共通設定画面Q2は、例えば、日、週、月、西暦等によって時間経過を表示する第1経過表示部43と、作付する作物を表示する第1作物表示部44と、作業計画である農作業や農作業期間を表示する第1作業表示部45とを備えている。また、共通設定画面Q2は、圃場名を表示する第1圃場表示部46を備えていて、この第1圃場表示部46は、同一の作物を栽培する複数の圃場をまとめた圃場(共通圃場)であることを「全ての圃場」で示している。
第1作物表示部44と第1圃場表示部46とは、例えば、左右方向に並べられて隣接していて、第1作物表示部44に表示された作物に関係付けられた圃場が、当該作物に並んで第1圃場表示部46に示される。例えば、第1作物表示部44に作物として「こしいぶき」が表示され、「こしいぶき」に並んで第1圃場表示部46に「全ての圃場」が表示されているとすると、共通設定画面Q2には、「こしいぶき」に関する「全ての圃場(共通圃場)」が示されていることになる。
また、第1圃場表示部46と第1作業表示部45とは、左右方向に並べられて隣接している。第1圃場表示部46に表示された圃場(共通圃場)に関係付けられた作業計画が、当該圃場に並んで第1作業表示部45に示されている。例えば、第1圃場表示部46に圃場Aから圃場Dを一括りとした「全ての圃場」が表示され、「全ての圃場」に並んで第1作業表示部45に作業計画として「耕耘、4/1〜4/7」が表示されているとすると、共通設定画面Q2には、「全ての圃場」で行う農作業「耕耘」と、その農作業期間「4/1〜4/7」が示されていることになる。
上述したような共通設定画面Q2を表示するに際し、共通設定部40Aは、管理コンピュータ3aから入力された時間に基づき、第1経過表示部43に所定の時間(例えば、2013年4月の日付)を示す。また、共通設定部40Aは、作付データベースから作付計画で示された作物(例えば、こしいぶき)を読み込んで当該作物を第1作物表示部44に示す。共通設定部40Aは、作付計画で示された圃場を一括りとした「全ての圃場」を第1圃場表示部46に表示する。
また、共通設定部40Aは、作物を作付けするため基準となる作業計画(農作業及び農作業期間)のデフォルト値を作業基準データベース42から読み込み、読み込んだ農作業(例えば、耕耘、播種)及び農作業の期間(4/1〜4/7、4/28)を第1作業表示部45に示す。つまり、共通圃場で行う作業計画を設定するに際して、共通設定部40Aは、共通圃場に対応した作物を栽培するために必要な農作業とその農作業期間とを作業基準データベース42から取得して、第1作業表示部45に示す。
さらに詳しくは、共通設定部40Aは、農作業期間の開始から終了までを示す矩形状の共通スケール47を第1作業表示部45に示す。この共通スケール47は、第1経過表示部43に示された時間経過に沿うことによって農作業期間を示す。詳しくは、共通スケール47は、矩形状のもの、即ち、直線状の表示バーであって、当該共通スケール47の一端は農作業期間の開始を示し、他端は農作業期間の終了を示している。また、共通設定部40Aは、共通スケール47の近傍に農作業及び農作業期間を文字や数値で示す。
この共通設定部40Aは、上述した共通設定画面Q2において農作業期間を変更可能としている。図4(a)に示すように、例えば、耕耘の農作業期間を示す共通スケール(耕耘スケールという)47aの端部にポインタ48を合わせる。そして、図4(b)に示すように、ポインタ48を耕耘スケール47aの長手方向に沿ってドラッグすると、共通設定部40Aは、耕耘スケール47aをドラッグした方向に延ばしたり縮めたりすることができ、耕耘の農作業期間を変更することができる。つまり、共通設定部40Aは、第1作業表示部45に示された共通スケール47の端部を、共通スケール47、即ち、第1経過表示部43に沿って移動させることにより、当該共通スケール47に対応する農作業期間を変更することができる。
以上のように、共通設定部40Aにより共通設定画面Q2を表示し、この共通設定画面Q2上で農作業の作業期間を示す共通スケール47の長さを変更することにより、共通圃場の農作業期間を変更した作業計画を設定することができる。
また、図2に示すように、作業計画設定手段40は、個別設定部40Bを備えている。個別設定部40Bは、共通圃場(圃場群)の作業計画とは別に圃場毎の作業計画も設定する。個別設定部40Bは、管理コンピュータ3aから作業計画作成の要求があると、個別圃場の作業計画を設定する個別設定画面Q3を管理コンピュータ3aに表示する。図5は、個別設定画面Q3の一例を示している。図5(a)を用いて個別設定画面Q3について説明する。
図5(a)に示すように、個別設定画面Q3は、例えば、日、週、月、西暦等によって時間経過を表示する第2経過表示部53と、作付する作物を表示する第2作物表示部54と、作業計画(農作業及び農作業期間)を表示する第2作業表示部55と、圃場名を表示する第2圃場表示部56とを備えている。
第2作物表示部54と第2圃場表示部56とは、例えば、左右方向に並べられて隣接していて、第2作物表示部54に表示された作物に関係付けられた圃場が、当該作物に並んで第2圃場表示部56に示される。例えば、第2作物表示部54に作物として「こしいぶき」が表示され、「こしいぶき」に並んで第2圃場表示部56に「圃場A、圃場B、圃場C、圃場D」が表示されているとすると、個別設定画面Q3には、「こしいぶき」を作付けする各圃場(圃場A、圃場B、圃場C、圃場D)が示されていることになる。
また、第2圃場表示部56と第2作業表示部55とは、左右方向に並べられて隣接している。第2圃場表示部56に表示された圃場(個別圃場)に関係付けられた作業計画が、当該圃場に並んで第2作業表示部55に示されている。例えば、第2圃場表示部56に「圃場A、圃場B」が表示され、「圃場A」に並んで第2作業表示部55に作業計画として「耕耘、4/2〜4/5」が表示され、「圃場B」に並んで第2作業表示部55に作業計画として「耕耘、4/1〜4/6」が表示されているとすると、個別設定画面Q3には、「圃場A」で行う農作業「耕耘」と、その農作業期間「4/2〜4/5」が示され、「圃場B」で行う農作業「耕耘」と、その農作業期間「4/1〜4/6」が示されていることになる。
上述したような個別設定画面Q3を表示するに際し、個別設定部40Bは、管理コンピュータ3aから入力された時間に基づき、第2経過表示部53に所定の時間(例えば、2013年4月の日付)を示す。また、個別設定部40Bは、作付データベースから作付計画で示された作物(例えば、こしいぶき)を読み込んで当該作物を第2作物表示部54に示す。個別設定部40Bは、作付計画で示された圃場を第2圃場表示部56に表示する。即ち、個別設定部40Bは、作業計画前に設定された作付計画の作物を第2作物表示部54に表示し、作付計画の圃場を第2圃場表示部56に表示する。
また、個別設定部40Bは、作物を作付けするため基準となる作業計画(農作業及び農作業期間)のデフォルト値を作業基準データベース42から読み込み、読み込んだ農作業(例えば、耕耘、播種)及び農作業期間(4/1、4/28)を第2作業表示部55に示す。つまり、共通圃場で行う作業計画を設定するに際して、個別設定部40Bは、個別圃場に対応した作物を栽培するために必要な農作業と農作業期間とを作業基準データベース42から取得して、第2作業表示部55に示す。
さらに詳しくは、個別設定部40Bは、農作業期間の開始から終了までを示す矩形状の個別スケール57を第2作業表示部55に示す。この個別スケール57は、第2経過表示部53に示された時間経過に沿うことによって農作業期間を示す。詳しくは、個別スケール57は、矩形状のもの、即ち、直線状の表示バーであって、当該個別スケール57の一端は農作業期間の開始を示し、他端は農作業期間の終了を示している。また、個別設定部40Bは、個別スケール57の近傍に農作業及び作業期間を文字や数値で示す。
この個別設定部40Bは、上述した個別設定画面Q3において農作業期間を変更可能する。図5(a)に示すように、例えば、耕耘の農作業期間を示す個別スケール57(耕耘スケール57aという)の端部にポインタ48を合わせる。そして、図5(b)に示すように、ポインタ48を耕耘スケール57aの長手方向に沿ってドラッグすると、個別設定部40Bは、耕耘スケール57aをドラッグした方向に延ばしたり縮めたりすることができ、耕耘の農作業期間を変更することができる。つまり、個別設定部40Bは、第2作業表示部55に示された個別スケール57の端部を、個別スケール57、即ち、第2経過表示部53に沿って移動させることにより、当該個別スケール57に対応する農作業期間を変更することができる。
以上のように、個別設定部40Bによって個別設定画面Q3を管理コンピュータ3aに表示し、この個別設定画面Q3に、作付計画で設定された作物と圃場とを表示し、当該圃場に対応した農作業及び農作業期間を表示して、表示した農作業及び農作業期間のうち少なくとも農作業の作業期間を変更できるようにすることにより、作付計画に関連付けた作業計画を作成することができる。
さて、図2に示すように、作業計画設定手段40は、画面統合部40Cを備えている。この画面統合部40Cは、共通設定画面Q2と個別設定画面Q3とを同一の画面に表示するものである。図6は、共通設定画面Q2と個別設定画面Q3とを1つの画面に表示した例である。共通設定画面Q2と個別設定画面Q3とを1つにまとめた画面(同一画面)のことを作業計画画面Q4という。
図6を用いて、作業計画画面Q4及び画面統合部40Cについて説明する。
図6に示すように、画面統合部40Cは、共通設定画面Q2の第1経過表示部43と、個別設定画面Q3の第2経過表示部53とを兼用化して、作業計画画面Q4に時間経過を表示する。また、画面統合部40Cは、作業計画画面Q4の左側に共通設定画面Q2の第1作物表示部44の位置を設定すると共に、この第1作物表示部44の下側に個別設定画面Q3の第2作物表示部54の位置を設定する。即ち、画面統合部40Cは、作業計画画面Q4の左側に作物を表示する作物表示エリアAE1を設定して、その作物表示エリアAE1に第1作物表示部44と第2作物表示部54とを上下に並べて配置する。
画面統合部40Cは、作業計画画面Q4において、第1作物表示部44の右側に共通設定画面Q2の第1圃場表示部46を並べ、この第1圃場表示部46の下側に個別設定画面Q3の第2圃場表示部56を並べる。即ち、画面統合部40Cは、作業計画画面Q4において、作物表示エリアAE1の右側に圃場を表示する圃場表示エリアAE2を設定して、その圃場表示エリアAE2に第1圃場表示部46と第2圃場表示部56とを上下に並べる。
画面統合部40Cは、作業計画画面Q4において、第1圃場表示部46の右側に共通設定画面Q2の第1作業表示部45を並べ、この第1作業表示部45の下側に個別設定画面Q3の第2作業表示部55を並べる。即ち、画面統合部40Cは、作業計画画面Q4において、圃場表示エリアAE2の右側に作業計画を表示する計画表示エリアAE3を設定して、その計画表示エリアAE3に第1作業表示部45と第2作業表示部55とを上下に並べる。詳しくは、作業計画エリアにおいて、第1作業表示部45に示される共通スケール47と、第2作業表示部55に示される個別スケール57とは上下に並ぶことになる。
作業計画を設定するに際して、共通設定部40A、個別設定部40B及び画面統合部40Cを作動させると、図6(a)に示すように、作業計画画面Q4には、作付計画で設定された作物(例えば、こしいぶき)が表示される。また、作業計画画面Q4には、作付計画で設定された作物に対応する個別圃場(例えば、圃場A、圃場B、圃場C、圃場D)及び、複数の圃場を一括りとした共通圃場が表示される。
さらに、作業計画画面Q4には、作物に関連した作業計画(農作業及び農作業期間)のデフォルト値が表示される。即ち、上述したように、共通圃場で示された作業計画の複製によって個別圃場に対応する作業計画が設定されるため、図6(a)に示すように、作業計画の設定開始時には、計画表示エリアAE3に同じ作業計画が表示されることになる。
図6(a)に示すように、圃場A〜圃場Dの作業計画において、耕耘の作業期間は「4/1〜4/7」になっているが、この状態で、圃場Cの個別スケール57の左端部をポインタ48等により選択して当該端部を右側にスライド(移動)することにより、図6(b)に示すように、耕耘の農作業期間の開始日を「4/3」に変更することができる。その他の圃場においても、個別スケール57の端部をスライド(移動)させることにより農作業期間を変更することができる。
以上のように、管理者は作業計画画面Q4を見れば、例えば、「こしいぶき」の作物に関して、耕耘を行う農作業期間は、全圃場(共通圃場)では「4/1〜4/7」であると把握することができる。そのうえで、管理者は、全圃場の農作業期間「4/1〜4/7」を見ながら、圃場毎(個別圃場)で行う農作業の農作業期間を適宜設定することができる。また、管理者は、共通圃場で示された農作業期間内にそれぞれの圃場で実際に農作業を行うことができるかを、共通圃場での農作業期間と個別圃場での農作業期間とを見比べることにより判断することができる。ここで、共通圃場での農作業期間内に、全ての圃場で農作業が完了することが難しいと判断した場合には、例えば、共通スケール47の端部を動かすことにより共通圃場での農作業期間を変更することができる。
このように、作業計画設定手段40によって設定された作業計画は、作業計画データベース41に記憶される。作業計画データベース41は、各圃場と、各圃場で行う農作業と、各農作業の作業期間とを作業計画として記憶する。例えば、図6(b)に示すように、作業計画設定手段40によって、圃場Cにおける耕耘の農作業期間を設定した場合、圃場Cの耕耘における農作業期間は「4/3〜4/7」であることが作業計画データベース41に記憶される。
なお、農作業期間を示すスケール(例えば、共通スケール47、個別スケール57)を時間経過に沿って表示するに際して、例えば、農作業毎にスケールの上下位置を変えて表示するのが望ましい。例えば、図6に示すように、耕耘の農作業期間を示すスケールと、播種の農作業期間を示すスケールとを重ならないように上下に並べて表示することが望ましい。このようにすることで、スケールが長手方向(時間経過方向)に重なってしまうことを防止することができる。また、農作業期間を示すスケールの色を圃場毎に変更することが望ましい。例えば、圃場Aの作業計画(作業表示部)の欄に表示するスケールの色を「水色」とし、圃場Bの作業計画(作業表示部)の欄に表示するスケールの色を「橙色」としてもよい。このようにすることで、各圃場における農作業期間を分かり易くすることができる。
また、上述した実施形態では、作業計画設定手段40は、作業計画として、共通圃場或いは個別圃場の農作業期間を変更することとしているが、共通圃場或いは個別圃場の農作業期間だけでなく、共通圃場或いは個別圃場の農作業を変更できるようにしてもよい。農作業の変更は、例えば、第1作業表示部45や第2作業表示部55に表示された農作業をポインタ等で選択できるようにし、選択した農作業を別の農作業に変更する。農作業の変更方法は、これに限定されない。
さて、上述したような作付計画や作業計画は、圃場に作物を作付けする毎に行う。例えば、稲作においては、毎年(1年単位)、作付計画及び作業計画の作成を行う。図7は、2年間で作付計画及び作業計画を行う流れを示したものである。図7では、説明の便宜上、1年目を前年とし、2年目を今年とする。
図7に示すように、前年においても、作付計画設定手段30によって作付計画(前年作付計画)の作成を行い(S1)、前年作付計画の終了後に、作業計画設定手段40によって作業計画(前年作業計画)の作成を行う(S2)。前年作付計画及び前年作業計画は、それぞれ作付計画データベース31や作業計画データベース41に記憶される(S3,S4)。
さて、今年においても、作物と、作物を作付する圃場との設定を作付計画設定手段30によって行うことで作付計画(今年作付計画)を作成する(S5)。今年作付計画は、作付計画データベース31に記憶される(S6)。
そして、今年作付計画が終了すると、今年の作業計画(今年作業計画)に進むことになる。今年作業計画を設定する場合、作業計画設定手段40は、作付計画設定手段30で設定された今年作付計画が前年作付計画と同じであるか否かを判定する(S7)。即ち、作業計画設定手段40は、作付計画データベース31から前年作付計画(作物と圃場との組み合わせ)を取得し、取得した前年作付計画と今年作付計画とが一致しているか否かを判定する。例えば、図8(a)に示すように、今年作付計画では、作付する作物が「こしいぶき」に決定され、この「こしいぶき」を作付する圃場は、圃場A、圃場B、圃場C、圃場Dであるとする。一方、前年作付計画では、作付する作物を「こしいぶき」に決定し、この「こしいぶき」を作付する圃場が圃場A、圃場B、圃場C、圃場Dとされていたとする。この場合、前年作付計画の作物及び圃場の組み合わせと、今年作付計画の作物及び圃場の組み合わせが一致するため、作業計画設定手段40は、今年作付計画が前年作付計画と同じであると判定する。
図8(b)に示すように、前年作付計画では、作物が「コシヒカリ」であり、その作物を作付する圃場が圃場A、圃場B、圃場C、圃場Dとされていたとすると、前年作付計画の作物と、今年作付計画の作物とが不一致であるため、作業計画設定手段40は、今年作付計画が前年作付計画と同じでないと判定する。或いは、図8(c)に示すように、前年作付計画では、作物が今年と同じ「こしいぶき」であっても作付けする圃場が圃場E、圃場F、圃場Gの場合は、圃場の組み合わせが全く一致しないため、作業計画設定手段40は、今年作付計画が前年作付計画と同じでないと判定する。
なお、今年作付計画と前年作付計画とを比較したときに、多数の圃場が同じであれば、作業計画設定手段40は、今年作付計画と前年作付計画とが一致していると判断する。また、管理者が所有する主要な圃場が一致してれば、作業計画設定手段40は、今年作付計画と前年作付計画とが一致していると判断する。
今年作付計画が前年作付計画に一致する場合、作業計画設定手段40は、前年作付計画に関連して設定された農作業と作業期間との関係を作業計画データベース41から抽出する(S8)。上述したように、前年作付計画の後に当該前年作付計画に関連付けられた前年作業計画が作業計画データベース41に記憶されているため、この前年作業計画を抽出する。そして、作業計画設定手段40は、作業計画データベース41から抽出した前年作業計画を、今年作業計画とする(S9)。例えば、図8(d)に示すように、前年作付計画に関連付けられた前年作業計画が作業計画データベース41に記憶されている場合、作業計画設定手段40は、この前年作業計画を今年作業計画とし、新しい作業計画を作成する。
今年作付計画と前年作付計画とが一致しない場合は、作業計画設定手段40は、新たな作業計画画面Q4を表示して、今年作付計画に関連する今年作業計画の設定を行う(S10)。今年作付計画と前年作付計画とが一致する場合であっても、一致しない場合であっても、作業計画設定手段40は、新たに作成された作業計画を、作業計画データベース41に記憶する(S11)。
なお、上述した実施形態では、今年作付計画と前年作付計画とを比較して、今年作付計画が前年作付計画に一致する場合に、前年作付計画に関連付けられた前年作業計画を今年作付計画としたが、これに限らず、今年作付計画が過去の作付計画に一致するか否かを判定して、過去の作付計画に一致した場合に、一致した作付計画に関連付けられた過去の作業計画を今年作業計画としてもよい。
このように、作付計画設定手段30と作業計画設定手段40とを連携させることにより、複数年に亘って簡単に作業計画を作成することができる。
図2に示すように、サーバ2は、デフォルト変更手段120を備えている。
デフォルト変更手段120は、サーバ2に格納されたプログラム等から構成されている。
デフォルト変更手段120は、作業基準データベース42に記憶されている作業計画のデフォルト値、即ち、作物毎に定められた農作業及び農作業期間のデフォルト値を変更するものである。作業計画を作成する際には、作業計画設定手段40は、予め作業基準データベース42に記憶されている農作業及び農作業期間のデフォルト値を読み込み、この農作業及び農作業期間に基づいて当該作業計画の作成を行う。作業計画の作成が行われた際、例えば、共通圃場における農作業や農作業期間が変更された場合、デフォルト変更手段120は、変更後の農作業や農作業期間を新しいデフォルト値として作業基準データベース42に書き込む。言い換えれば、デフォルト変更手段120は、作業計画設定手段40によって所定の作物における作業計画が設定変更された際には、変更後の作業計画を所定作物に対応するデフォルト値として変更する。
図24は、作業計画の作成の流れをまとめたものである。
図24に示すように、作業計画を作成するに際して、作業計画設定手段40は、まず、作業基準データベース42から作業計画のデフォルト値を読み込む(S60)。作業基準データベース42には、例えば、作物が[コシヒカリ]である場合での第1基準情報(第1デフォルト値)と、作物が[こしいぶき]である場合での第2基準情報(第2デフォルト値)とが記憶されていたとする。そして、作物が[こしいぶき]に対応する作業計画を作成する場合、作業計画設定手段40は、第2基準情報(第2デフォルト値)を読み込む。説明の便宜上、第2基準情報(第2デフォルト値)は、耕耘の農作業期間が、「4/1〜4/7」であるとし説明を進める。
作業計画設定手段40の共通設定部40Aは、作業基準データベース42から取得した第2デフォルト値(耕耘、農作業期間、「4/1〜4/7」)を、共通圃場の作業計画を設定する第1作業表示部45に表示する(S61)。また、個別設定部40Bも、第2デフォルト値(耕耘、農作業期間、「4/1〜4/7」)を、個別圃場の作業計画を設定する第2作業表示部55に表示する(S62)。
作業計画設定手段40は、[こしいぶき]に関する作業計画の設定が完了すると、共通圃場及び個別圃場の作業計画を作業計画データベース41に記憶する(S63)。例えば、作業計画設定手段40は、共通圃場における農作業や農作業期間の設定、個別圃場における農作業や農作業期間の設定が終了すると、設定後の農作業や農作業期間を作業計画データベース41に記憶する。
作業計画の設定後、デフォルト変更手段120は、共通圃場における作業計画が変更されたか否かの判断をする(S64)。例えば、[こしいぶき]を作付する共通圃場での作業計画を完了した時点において、当該共通圃場おける耕耘の農作業期間が「4/1〜4/7」から「4/2」〜「4/11」に変更されている場合、デフォルト変更手段120は、作業計画が変更されていると判断する。一方、共通圃場おける耕耘の農作業期間が「4/1〜4/7」のままである場合、デフォルト変更手段120は、作業計画が変更されていないと判断する。
デフォルト変更手段120は、作業計画が変更されている場合、即ち、共通圃場おける耕耘の農作業期間が「4/1〜4/7」から「4/2」〜「4/11」に変更されている場合、変更後の農作業期間(「4/2」〜「4/11」)を新しいデフォルト値として作業基準データベース42に書き込む(S65)。即ち、デフォルト変更手段120は、作業計画作成前に作業基準データベース42に記憶されていた第2デフォルト値である[耕耘、農作業期間、「4/1〜4/7」]を、[耕耘、農作業期間、「4/2〜4/11」]に更新(変更)する。
このように、作業計画設定手段40は、圃場で行う農作業及び農作業期間を含む作業計画のデフォルト値を作業基準データベース42から取得し、取得した農作業期間を変更可能とし、デフォルト変更手段120は、作業計画設定手段40によって共通圃場の農作業期間が変更された場合、変更後の農作業期間を、変更後のデフォルト値として作業基準データベース42に書き込むこととしている。
なお、上述した実施形態では、作業計画の作成において、共通圃場の農作業期間が変更された場合に、変更の対象となった農作業期間のデフォルト値を変更するようにしていたが、共通圃場の農作業が変更された場合でも、変更の対象となった農作業のデフォルト値を変更してもよい。また、共通圃場の農作業と農作業期間との両方のデフォルト値を変更してもよい。
図2に示すように、サーバ2は、作業内容を作成する作業内容作成手段60と、作業内容を記憶する作業内容記憶手段(作業内容データベース)61とを備えている。作業内容作成手段60は、サーバ2に格納されたプログラム等から構成されている。作業内容記憶手段は、データを所定の規則に応じて記憶(記録)した作業内容データベース61の他に、データを単に記憶したものであってもよい。
作業内容作成手段60は、主に、どの圃場で、どの農作業を何時、誰が行うかという作業の内容を作成するもので、この実施形態では、少なくとも、圃場で行う農作業、農作業を行う圃場、農作業を行う農作業者を含む作業内容を作成する。
管理コンピュータ3aがサーバ2に接続し、当該管理コンピュータ3aから作業内容の作成の要求があると、この要求に応じて作業内容作成手段60は、作業内容を作成するための作業作成画面Q5を起動して、当該作業作成画面Q5を管理コンピュータ3aに表示する。詳しくは、作業内容作成手段60は、例えば、図9に示すような作業作成画面Q5を管理コンピュータ3aに表示する。図9を用いて、作業内容の作成、作業作成画面Q5及び作業内容作成手段60について説明する。
作業内容作成手段60は、農作業を行う日付を設定するための日付設定部62を作業作成画面Q5に表示する。この日付設定部62には、管理コンピュータ3aによってサーバ2に入力された日付が表示され、入力された日付が農作業の実施日となる。
作業内容作成手段60は、作付計画を選択するための作付計画選択部63を作業作成画面Q5に表示する。この作付計画選択部63には、作付計画データベース31から取得した作付計画の一覧表(作付計画の名称の一覧表)が示されており、一覧表の中から所定の作付計画が選択可能である。例えば、作付計画選択部63で「こしいぶき」が選択されると、作業作成画面Q5で作成する作業内容は、「こしいぶき」の作付計画に関連付けられる。
作業内容作成手段60は、圃場を選択するための圃場選択部64を作業作成画面Q5に表示する。この圃場選択部64には、サーバ2が取得した圃場マップ上の圃場が示されており、圃場マップ上の圃場が任意に選択可能である。例えば、圃場選択部64に示された複数の圃場のうち、「圃場A」を示す部分が選択されると、選択された「圃場A」が農作業を行う圃場となる。
作業内容作成手段60は、農作業を選択するための作業選択部65を作業作成画面Q5に表示する。この作業選択部65には、作付計画で示された作物を栽培するのに必要な複数の農作業が示され、複数の農作業の中から所定の農作業が選択可能である。例えば、作業選択部65に示された複数の農作業(作業項目)のうち、「耕耘」が選択されると、選択された「耕耘」が実施する農作業となる。
作業内容作成手段60は、農作業者を選択するための作業者選択部66を作業作成画面Q5に表示する。この作業者選択部66には、予めサーバ2に登録された作業者が示されている。例えば、作業者選択部66に示された複数の作業者のうち、「作業者B、作業者C」が選択されると、選択された「作業者B、作業者C」が実施する作業者(実施作業者)となる。
作業内容作成手段60は、作業時間を設定するための時間設定部67を作業作成画面Q5に表示する。この時間設定部67には、管理コンピュータ3aによってサーバ2に入力された時間(例えば、時刻)が表示され、入力された時間が作業を実施する時間となる。
また、作業内容作成手段60は、農業機械4を選択するための機械選択部68と、肥料(肥料名)を選択する肥料選択部69、散布する肥料量を設定する散布量設定部70とを作業作成画面Q5に表示する。
機械選択部68には、農作業において使用する使用機械を設定する部分である。この機械選択部68では、例えば、予めサーバ2に登録された農業機械4の種類や型式、農業機械4に連結可能なインプルメントの種類や型式等が表示され、表示された機械等が選択可能となっている。図9では、機械選択部68において、型式が「NW4511」であるインプルメントが使用機械として設定されていることを示している。
肥料選択部69には、予めサーバ2に登録された複数の肥料名が表示され、選択された肥料名が農作業で使用するものとなる。散布量設定部70には、管理コンピュータ3aによってサーバ2に入力された数値が表示され、入力された数値が散布量となる。
作業作成画面Q5において、作付計画、圃場、農作業(作業項目)、作業者(農作業者)、作業時刻、肥料、散布量が入力され、「登録」が選択されると、作業内容作成手段60は、作業作成画面Q5に入力された項目(圃場、農作業、作業者、作業時刻、肥料、散布量)を作業内容とし、この作業内容を作付け計画と関連付けて作業内容データベース61に記憶する。
なお、作業内容作成手段60によって作成する作業内容は、上述したものに限定されず、例えば、圃場で使用する農薬や農薬の散布量を設定できるようにしてもよいし、その他の農作業を設定できるようにしてもよい。
さて、図2に示すように、サーバ2は、農作業者に割り当てられた携帯端末3bに作業内容を送信する作業指示手段71を備えている。作業指示手段71は、サーバ2に格納されたプログラム等から構成されている。
作業指示手段71は、作業指示の対象となる農作業者(対象農作業者という)の携帯端末3bに作業内容を送信する。即ち、作業指示手段71は、作業内容において実施作業者として設定された農作業者を対象農作業者とし、当該対象農作業者に対して作業内容を送信する。
図10(a)に示すように、例えば、複数の作業内容(第1作業内容、第2作業内容、第3作業内容)が作業内容データベース61に記憶されていたとする。この場合、作業者Aの携帯端末3bから作業内容の要求があると、作業指示手段71は、「作業者A」向けの第1作業内容を作業内容データベース61から抽出して、当該第1作業内容を対象農作業者である「作業者A」の携帯端末3bに送信する。また、作業者Bの携帯端末3bから作業内容の要求があると、作業指示手段71は、「作業者B」向けの第2作業内容及び第3作業内容を作業内容データベース61から抽出して、当該第2作業内容及び第3作業内容を対象農作業者である「作業者B」の携帯端末3bに送信する。
さらに、作業者Cの携帯端末3bから作業内容の要求があると、作業指示手段71は、「作業者C」向けの第3作業内容を作業内容データベース61から抽出して、当該第3作業内容を対象農作業者である「作業者C」の携帯端末3bに送信する。なお、サーバ2には、携帯端末3bを識別する識別情報と農作業者を識別する識別情報とを関連付けて記憶しているため、作業指示手段71は、特定の携帯端末3bに作業内容を送信することが可能である。
さて、作業指示手段71は、作業指示の対象となる対象農作業者の携帯端末3bだけでなく、作業指示の対象となっていない非対象農作業者の携帯端末3bにも作業内容を送信する。つまり、作業指示手段71は、作業内容において実施作業者として設定された農作業者以外の農作業者(非対象農作業者)に対しても、作業対象者の作業内容を送信する。例えば、図10(b)に示すように、作業指示手段71は、「作業者A」向けの第1作業内容を対象農作業者である「作業者A」の携帯端末3bに送信するだけでなく、非対象農作業者である「作業者B」の携帯端末3bや「作業者C」の携帯端末3bに送信する。
詳しくは、サーバ2には、農作業を行うグループ(組織)毎に、所属する複数の農作業者が登録されていたとする。例えば、第1組織として、作業者A、作業者B、作業者C及び管理者Pが登録され、第2組織として、作業者H、作業者I、作業者J及び管理者Qが登録されていたとする。
作業指示手段71は、例えば、第1組織に所属する作業者A、作業者B、作業者Cの全員に作業内容(第1作業内容、第2作業内容、第3作業内容)を送信する。なお、作業指示手段71は、第1組織とは異なる第2組織の作業者(作業者H、作業者I、作業者J)には、第1作業内容、第2作業内容及び第3作業内容を送信しない。
これにより、農作業者は、自分宛の作業内容だけでなく、同一組織に所属する作業者に向けた作業内容を取得することができる。言い換えれば、農作業者は、同一組織に所属する他人宛の作業内容を取得することができる。説明の便宜上、ある農作業者から見て、当該農作業者宛の作業内容のことを自分作業内容とし、他の農作業者宛の作業内容のことを他人作業内容という。
以上のように、サーバ2によって作付計画、作業計画、作業内容を作成し、所定の携帯端末3bに送信することにより、農作業者は携帯端末3bにて指示された自分作業内容や他人作業内容を見ることにより、適正な農作業を行うことができる。
次に、携帯端末3bについて詳しく説明する。
図2に示すように、携帯端末3bは、取得手段72と、仕分け手段73と、表示手段(第1表示手段)74とを備えている。取得手段72、仕分け手段73、第1表示手段74は、携帯端末3bに格納されたプログラム等から構成されている。
取得手段72は、作業内容データベース61に記憶されている作業内容をサーバ2を介して取得する。また、取得手段72は、作業計画データベース41に記憶されている作業計画をサーバ2を介して取得する。
具体的には、取得手段72は、携帯端末3bがサーバ2にログイン時に、サーバ2に対して作業内容及び作業計画の要求を行い、要求に応じてサーバ2から送信された作業内容及び作業計画を受信すると、受信した作業内容及び作業計画を第2記憶部23に記憶する。
仕分け手段73は、取得手段72によって取得した作業内容を、自分作業内容と他人作業内容とに分けるものである。具体的には、仕分け手段73は、取得手段72が作業内容を取得すると、例えば、取得した作業内容における作業者(実施作業者)を抽出し、抽出した実施作業者が自己の携帯端末3bに割り当てられた農作業者と一致するか否かを当該携帯端末3bに記憶された識別情報等を用いて判断し、一致する場合は、取得した作業内容を自分作業内容とし、一致しない場合は、取得した作業内容を他人作業内容とする。
例えば、図11に示すように、作業者Aに割り当てられた携帯端末3bが、第1作業内容、第2作業内容及び第3作業内容をサーバ2から取得したとする。この場合、作業者Aに割り当てられた携帯端末3bの仕分け手段73は、第1作業内容には実施作業者として「作業者A」が設定されているため、第1作業内容を自分作業内容する。また、仕分け手段73は、第2作業内容及び第3作業内容には実施作業者として「作業者A以外の作業者」が設定されているため、第2作業内容及び第3作業内容を他人作業内容とする。
なお、仕分け手段73による仕分け方法は、これに限定されず、作業内容に含まれる作業者とは別に自分宛であるか他人宛であるかを識別するための識別情報を予め作業内容に付加しておき、仕分け手段73は、この識別情報に基づいて、自分作業内容と他人作業内容とに仕分けしてもよい。
第1表示手段74は、携帯端末3bに格納されたデータや当該携帯端末3bが取得した様々な情報を作業内容を表示するものである。図12〜16は、表示手段によって携帯端末3bに表示した画面を示したものである。図12〜16を用いて、携帯端末3bに表示する各種画面及び表示手段について説明する。以降、各種画面を表示するための処理は第1表示手段74が行うこととして説明を進める。
図12は、第1表示手段74による各種表示画面の切替えの遷移を示したものである。図12に示すように、第1表示手段74は、携帯端末3bの表示部(例えば、タッチパネル)78に、メインメニュ画面M1、自分作業画面M2、他人作業画面M3、計画確認画面M4、自分作業確認画面M5、他人作業確認画面M6、作業中画面M7、報告確認画面M8等を表示する。
図13(a)に示すように、メインメニュ画面M1には、勤務の有無を通知する通知ボタン75が示され、勤務開始時刻及び作業時間が示されている。農作業者等が通知ボタン75をタップすると、携帯端末3bとサーバ2との間でログイン処理が実行され、ログインが許可されると、携帯端末3bはサーバ2に勤務開始を通知し、勤務開始状態から再度、通知ボタン75をタップすると、当該携帯端末3bはサーバ2に勤務終了を通知する。なお、農作業者等が通知ボタン75をタップすると、取得手段72がサーバ2に対して作業内容の要求を行う。
メインメニュ画面M1には、収集ボタン76、作成ボタン77が示されている。農作業者等が稼働収集ボタン76をタップすると、携帯端末3bは、農業機械4(データ収集装置5)へのアクセスを開始し、データ収集装置5で収集した農作業データを取得する。農作業データは、サーバ2に送信され、サーバ2に設けられた農業実績手段(農業実績データベース)に記憶される。 メインメニュ画面M1を表示部78に表示した状態で、当該表示部78をドラッグすると、図13(b)に示すように、メインメニュ画面M1から自分作業画面M2に切り替わる。自分作業画面M2には、取得手段72によって取得した作業内容のうち、仕分け手段73によって分けられた自分作業内容の概略一覧が示される。例えば、自分作業内容の概略として、自分作業画面M2には、自分作業内容で指定された農作業の実施日(例えば、2013/4/4)、農作業(例えば、耕耘)及び実施作業者(例えば、作業者A)が示される。
自分作業画面M2を表示部78に表示した状態で、当該表示部78をドラッグすると、図13(c)に示すように、自分作業画面M2から他人作業画面M3に切り替わる。他人作業画面M3には、取得手段72によって取得した作業内容のうち、仕分け手段73によって分けられた他人作業内容の概略一覧が示される。例えば、他人作業内容の概略として、他人作業画面M3には、他人作業内容で指定された農作業の実施日(例えば、2013/4/4)、農作業(例えば、耕耘)及び実施作業者(例えば、作業者C)が示される。
また、自分作業画面M2を表示部78に表示した状態で、自分作業内容の一覧から所定の自分作業内容をタップ等により選択すると、図14(a)に示すように、自分作業画面M2から自分作業確認画面M5に切り替わる。自分作業確認画面M5には、自分作業画面M2で選択した自分作業内容の詳細が表示される。例えば、自分作業内容の詳細として、自分作業確認画面M5には、作業内容に対応する作付計画(例えば、こしいぶき)、農作業を行う圃場(例えば、圃場A)、実施する農作業(例えば、耕耘)、実施作業者(例えば、作業者A)、実施時間(例えば、12:00〜17:00)、農業機械(例えば、HW4511)、肥料名(例えば、肥料A)、散布量(例えば、10a当たり20kg)等が表示される。
また、表示部78に他人作業画面M3を表示した状態で、他人作業内容の一覧から所定の自分作業内容をタップ等により選択すると、図14(b)に示すように、他人作業画面M3から他人作業確認画面M6に切り替わる。他人作業確認画面M6には、他人作業画面M3で選択した他人作業内容の詳細が表示される。例えば、他人作業内容の詳細として、他人作業確認画面M6にも、作付計画、農作業を行う圃場、実施する農作業、実施作業者、実施時間、農業機械4、肥料名、散布量等が表示される。
自分作業確認画面M5や他人作業確認画面M6には、作業内容を確認する確認ボタン79が示されている。この確認ボタン79は、作業を開始することを通知する作業開始ボタンと兼用化されており、農作業者等が確認ボタン79をタップすると、携帯端末3bは、サーバ2に、自分作業確認画面M5や他人作業確認画面M6に表示された作業内容(自分作業内容又は他人作業内容)を確認したことを通知する。さらに、確認ボタン79は、農作業データの収集開始を決定する収集開始ボタンとも兼用化されており、当該確認ボタン79をタップすると、携帯端末3bは、データ収集装置5に対して農作業データの収集開始を指令する。データ収集装置5は、携帯端末3bからの指令を受けて農作業データの収集を開始する。
また、自分作業確認画面M5及び他人作業確認画面M6に表示した確認ボタン79をタップすると、図15(b)に示すように、第1表示手段74によって、作業確認画面(自分作業確認画面M5、他人作業確認画面M6)から作業中画面M7に切り替わる。作業中画面M7は、主として農作業者に作業中であることを知らせるための画面であって、当該作業中画面M7には、完了ボタン80や中断ボタン81が示されている。作業中画面M7を表示した状態で、農作業者等が完了ボタン80をタップすると、作業中画面M7は報告確認画面M8に切り替わる。また、作業中画面M7を表示した状態で農作業者等が中断ボタン81をタップすると、携帯端末3bは、サーバ2に農作業が中断したことを通知する。
図16に示すように、報告確認画面M8は、農作業者が管理者に報告する報告書(日誌)の最終確認を行う画面であって、当該報告確認画面M8には、予め報告書が表示されている。報告書とは、報告する内容を紙面等に記載した書類(ドキュメント)であって、このドキュメントは、電子データによってコンピュータ上で表示されてもよい。また、報告書は、農作業(農業)に関する情報を示するもの、例えば、表(情報表)、グラフ等であってもよい。
この報告確認画面M8には、登録ボタン83が示されており、登録ボタン83をタップすると、報告確認画面M8に表示された報告書がサーバ2に送信される。また、この登録ボタン83は、農作業データの収集終了を決定する収集終了ボタンとも兼用化されており、当該登録ボタン83をタップすると、携帯端末3bは、データ収集装置5に対して農作業データの収集終了を指令する。
上述したように、作業者は、自分作業確認画面M5に表示された自分作業内容や他人作業確認画面M6に表示された他人作業内容を確認することができる。作業者は、自分作業内容を確認したことをサーバに通知したり、他人作業内容を確認したことをサーバに通知することができる。
次に、作業内容の通知について説明する。
図2に示すように、携帯端末3bは、通知手段(第1通知手段)84を備えている。第1通知手段84は、携帯端末3bに格納されたプログラム等から構成されている。また、サーバ2は、通知手段(第2通知手段)85を備えている。第2通知手段85は、サーバ2に格納されたプログラム等から構成されている。
第1通知手段84は、自分作業確認画面M5に示された自分作業内容を確認したこと、即ち、対象農作業者が自分作業内容に基づいて農作業(作業)を行うことをサーバ2に通知する。具体的には、自分作業確認画面M5の確認ボタン79がタップされると、第1通知手段84は、当該自分作業確認画面M5に表示された自分作業内容を確認したことを示す通知(自分確認通知という)をサーバ2に送信する。
一方、サーバ2の第2通知手段85は、携帯端末3bから自分確認通知を受信すると、当該自分確認通知をサーバ2に通知した携帯端末3b以外の携帯端末3bに、自分作業内容が確認されたことを通知する。
図17は、サーバと携帯端末とにおける作業内容の送受信の流れを示した第1例である。図17に示すように、例えば、作業者Aに割り当てられた携帯端末3b(第1携帯端末3b)がサーバ2にアクセスすると、当該サーバ2は、作業内容データベース61に記憶された第1作業内容、第3作業内容を第1携帯端末3bに送信する(S20)。第1携帯端末3bは、受信した第1作業内容及び第3作業内容のうち、第1作業内容(自分作業内容)を自分作業確認画面M5に表示し(S21)、第3作業内容(他人作業内容)を他人作業確認画面M5に表示する(S22)。
ここで、自分作業確認画面M5の確認ボタン79がタップされると、第1携帯端末3bは、第1作業内容の自分確認通知をサーバ2に送信する(S23)。サーバ2が自分確認通知を受信すると、第2通知手段85は、第1作業内容が第1携帯端末3bによって確認されたことを、第1携帯端末3bとは別の携帯端末、例えば、作業者Bの携帯端末3b(第2携帯端末という)や作業者Cの携帯端末(第3携帯端末)に送信する(S24)。
第2携帯端末3b及び第3携帯端末3bは、サーバ2(第2通知手段85)からの自分確認通知を受信すると、他人作業画面M3において当該自分確認通知に対応する作業者Aの作業内容に、この作業内容が確認されたことを示す「作業中」であることを表示する(S25)。
このように、所定の農作業者が自分作業内容を確認したことを、他の農作業者に知らせることができ、他の農作業者は通知してきた農作業者が自分作業内容に基づいて農作業を行っていることを認識することができる。
さて、上述した実施形態では、対象農作業者が自分宛の自分作業内容を確認したことを他の農作業者に知らせていたが、非対象農作業者が他人宛の他人作業内容を確認したことを、他の農作業者に知らせることもできる。具体的には、第1通知手段84は、他人作業確認画面M6に示された他人作業内容を確認したこと、即ち、作業者が他人作業内容に基づいて農作業(作業)を行うことをサーバ2に通知する。詳しくは、他人作業確認画面M6の確認ボタン79がタップされると、第2通知手段85は、当該他人作業確認画面M6に表示された他人作業内容を確認したことを示す通知(他人確認通知という)をサーバ2に送信する。
サーバ2の第2通知手段85も、携帯端末3bの第1通知手段によって他人確認通知を受信すると、当該他人確認通知をサーバ2に通知した携帯端末3b以外の携帯端末3bに、他人作業内容が確認されたことを通知する。
図18は、サーバと携帯端末とにおける作業内容の送受信の流れを示した第2例である。図18のS20〜S22は、図17と同じとする。
第1携帯端末3bにおいて、作業者Cの第3作業内容(他人作業内容)を他人作業確認画面M6に表示した状態で確認ボタン79がタップされると、当該第1携帯端末3bは、第3作業内容の他人確認通知をサーバ2に送信する(S33)。サーバ2が他人確認通知を受信すると、第2通知手段85は、第3作業内容が第1携帯端末3bによって確認されたことを、第1携帯端末3bとは別の携帯端末(第2携帯端末、第3携帯端末)に送信する(S34)。
第2携帯端末3bは、サーバ2(第2通知手段85)からの他人確認通知を受信すると、他人作業画面M3において当該他人確認通知に対応する作業者Cの作業内容に、この作業内容が確認されたことを示す「作業中」であることを表示する。また、第3携帯端末3bは、サーバ2(第2通知手段85)からの他人確認通知を受信すると、自分作業画面M2において当該他人確認通知に対応する作業者Cの作業内容(自分宛の作業内容)に、この作業内容が確認されたことを示す「作業中」であることを表示する。
このように、非対象作業者である作業者Aが、対象作業者である作業者C向けの作業内容を確認することができ、当該非対象作業者である作業者Aが作業者C向けの作業内容を確認したことを、作業者Cに通知することができる。
なお、上述した実施形態では、サーバ2の第2通知手段85は、作業内容を携帯端末3bに送信する作業指示手段71とは別に、自分確認通知や他人確認通知を携帯端末3bに送信していたが、当該作業指示手段71と協働して確認通知(自分確認通知、他人確認通知)を送信するようにしてもよい。例えば、第2通知手段85は、確認通知を受信した際に、当該確認通知に対応する作業内容に確認通知を受信したことを示す通知フラグを付加した後、作業指示手段71に確認通知を含めた作業内容を送信することを指示する。作業指示手段71は、所定の携帯端末3bから作業内容の要求があった場合、当該作業内容及び確認フラグを、作業内容の要求をした携帯端末3bに送信する。
さて、このような携帯端末3bは、自分作業確認画面M5に表示した自分作業内容や他人作業確認画面M6に表示した他人作業内容に基づいて自動的に農業機械4の設定を行うことができる。
図2に示すように、携帯端末3bは、設定手段86を備えている。設定手段86は、携帯端末3bに格納されたプログラム等から構成されている。この設定手段86は、作業内容に示された農作業が農業機械4で行う作業である場合に、当該農業機械4の設定値を作業内容から抽出して農業機械4に送信する。
携帯端末3bが受信した作業内容には、農業機械の設定に用いられるデータが含まれている。例えば、作業内容のうち、使用機械(農業機械の種類や型式、インプルメントの種類や型式等)、散布量は、農業機械の設定に用いられるデータとされる。
図19は、作業内容に基づいて農業機械(使用機械)の設定を行う流れを示したものである。図19に示すように、例えば、作業者Aが所持する第1携帯端末3bの自分作業確認画面M5に作業内容が表示されている状態で確認ボタン79がタップされると(S40)、設定手段86は、作業内容で設定された農作業が農業機械で行われるか否かを判断する(S41)。設定手段86は、作業内容に、「農業機械の種類や型式、或いは、インプルメントの種類や型式等」の使用機械が含まれている場合は、農作業が農業機械で行われると判断し、使用機械が含まれない場合は、農作業が農業機械で行われないと判断する。例えば、設定手段86は、インプルメントの型式を示す「NW4511」が使用機械として作業内容に設定されているため場合は、農作業が農業機械で行われると判断し、インプルメントの型式が使用機械として作業内容で設定されていない場合は、農作業が農業機械で行われないと判断する。
そして、設定手段86は、農作業が農業機械で行われると判断した場合、農業機械の設定値を作業内容から抽出してデータ収集装置5に送信する(S42)。例えば、設定手段86は、散布量(1a当たり20kg)を作業内容から抽出し、その散布量及び使用機械(インプルメントの型式であるNW4511)を設定値としてデータ収集装置5に送信する。なお、散布量を設定値としてもよい。
データ収集装置5は、設定値(散布量及び使用機械)を受信すると、当該設定値を制御装置6に送信する(S43)。制御装置6は、設定手段86から送信された設定値に基づいて設定を行えるか否かの判断を行う(S44)。具体的には、制御装置6は、設定値に含まれる使用機械(例えば、「NW4511」のインプルメント)が農業機械4に装着されていないか否かを判断し、装着されていれば、設定を行えるとし、設定値に基づいて使用機械の設定を行う(S45)。制御装置6は、使用機械に施肥量(作業内容の施肥量)を送信することによって、使用機械の設定を行う。
なお、使用機械の設定を行うにあたって、当該作業内容の施肥量をそのまま使用機械に送信するのではなく、使用機械が作業内容で示された施肥量によって施肥が実施できるように、制御装置6が作業内容の施肥量を使用機械に対応した値に換算して、その換算値を設定値として使用機械に送信してもよい。
一方、制御装置6は、作業内容に示された使用機械が農業機械4に装着されていなかったり、使用機械と農業機械4とが異なる場合、設定できないことを示すエラー情報を設定値を送信した携帯端末3bに対して送信する(S46)。具体的には、制御装置6は、エラー情報をデータ収集装置5に送信し、当該データ収集装置5は携帯端末3bにエラー情報を送信する。携帯端末3bは、エラー情報を受信すると、作業内容に基づいて農業機械の設定を行えない警告を表示部に表示する。例えば、携帯端末3bは、作業内容に示された使用機械が農業機械4に装着されていないことを警告として表示したり(例えば、装着されていません)、作業内容に示された使用機械と農業機械4とが異なることを警告として表示したり(例えば、作業内容と機械とが異なっています)。作業内容に示された設定値では農業機械4の設定が行えないことを警告として表示する(例えば、作業内容の設定値では設定を行うことができません)。
なお、制御装置6は、エラー情報をデータ収集装置5を介して携帯端末3bに送信し、携帯端末3bに警告を表示していたが、これに代え、制御装置6は農業機械の運転席周りに設置された表示装置に警告を出力して、当該表示装置に警告を表示してもよい。また、携帯端末3bと表示装置との両方に警告を表示してもよい。
また、上述した実施形態では、作業内容に記載された農作業者(実施作業者)、圃場、農作業時間及び施肥量のうち、施肥量を携帯端末3bから使用機械に送信して当該使用機械の設定を行っていたが、当該作業内容には「だれが、どこの場所で、いつ農作業」を行うかという情報(実施作業者、圃場、農作業時間)が含まれていなくてもよく、少なくとも農作業者が実施する農作業が予測することができる内容(施肥量、散布量)が含まれていればよく、この内容に基づいて使用機械の設定を行ってもよい。
さて、図2に示すように、携帯端末3bは報告書(日誌)を作成する作成手段87を備えている。この作成手段87は、携帯端末3bに格納されたプログラム等から構成されている。この作成手段87は、作業内容に基づいて作業を行っている場合に、当該作業内容を報告書として作成するものである。
例えば、図20(a)に示すように、第1携帯端末3bの自分作業確認画面M5に第1作業内容(自分作業内容)を表示していたとする。ここで、第1携帯端末3bの自分作業確認画面M5に第1作業内容を表示した状態で、確認ボタン79をタップすると、作成手段87は、例えば、図20(b)に示すように、図20(a)に示した第1作業内容を複製したものを、中間報告書とし、当該中間報告書を第2記憶部23に記憶する。
一方、図21(a)に示すように、第1携帯端末3bの他人作業確認画面M6に、第3作業内容(他人作業内容)を表示していたとする。ここで、第1携帯端末3bの他人作業確認画面M6に第3作業内容を表示した状態で、確認ボタン79をタップすると、作成手段87は、例えば、図21(b)に示すように、図21(a)に示した第3作業内容を複製したものを中間報告書とし、当該中間報告書を第2記憶部23に記憶する。
このように、自分作業内容や他人作業内容に基づいて農作業を行っている場合に、作業内容に対応した中間報告書を作成することができる。作成手段87によって作成した中間報告書は、第1通知手段84によってサーバ2に送信する。サーバ2は、携帯端末3b(第1通知手段84)から送信された中間報告書を受信すると、当該サーバ2に設けられた報告書記憶手段(報告書データベース)50に中間報告書を記憶する。なお、報告書記憶手段は、データを所定の規則に応じて記憶(記録)した報告書データベース50の他に、データを単に記憶したものであってもよい。
また、作成手段87によって作成した中間報告書は、報告確認画面M8に表示される。即ち、携帯端末3bは、作成手段87によって作成した中間報告書を第2記憶部23から抽出して、抽出した中間報告書を報告確認画面M8に表示する。
ここで、報告確認画面M8の登録ボタン83をタップすると、作成手段87は、図20(c)及び図21(c)に示すように、報告確認画面M8に表示した中間報告書を実報告書に変換して、第2記憶部23に記憶する。携帯端末3bは、第2記憶部23に記憶された実報告書をサーバ2に送信する。サーバ2は、携帯端末3b(第1通知手段84)から送信された実報告書を受信すると、受信した実報告書を報告書データベース50に記憶する。
さて、携帯端末3bは、作業内容だけでなく作業計画も表示可能である。
図12に示すように、例えば、表示部78に他人作業画面M3を表示した状態で、当該表示部78をドラッグすると、他人作業画面M3から計画確認画面M4に切り替わる。図15(a)に示すように、計画確認画面M4には、取得手段72で取得した作業計画が表示される。例えば、計画確認画面M4には、圃場(例えば、圃場A)、農作業(例えば、耕耘)及び農作業期間(例えば、4/2〜4/5)が作業計画として表示されると共に、この作業計画に関連した作付計画(例えば、こしいぶき及び圃場A)が表示される。
図22は、作業計画の取得から作業計画の表示の流れの一例を示したものである。次に、図22を用いて詳しく説明する。
図22に示すように、サーバ2には、例えば、第1組織として、作業者A、作業者B、作業者C及び管理者Pが登録されていたとする。また、作業計画のうち、第1作業計画及び第2作業計画は、管理者Pが作成、即ち、管理者Pに割り当てられた管理コンピュータ3aにより作成されたものとする。
携帯端末3bの取得手段72は、サーバ2へのログイン時に作業計画の要求を行う(S50)。サーバ2は、ログインした携帯端末3bが、当該サーバ2に登録された農作業者に割り当てられた携帯端末3bであるか否かの判定、即ち、登録有無の判定を行う(S51)。例えば、作業者Aに割り当てられた携帯端末3b(第1携帯端末3b)がサーバ2に対して作業計画の要求を行った場合、要求を行った第1携帯端末3bは、第1組織に所属する作業者Aに割り当てられたものであるため、登録有りと判断する。一方、第1携帯端末3b、第2携帯端末3b、第3携帯端末3b以外の携帯端末3bがサーバ2にログインして作業計画の要求をした場合、第1組織に所属していない農作業者の携帯端末3bからの要求であるため、サーバ2は、登録無しと判断する。
そして、作業者Aが登録有りの場合(S52)、作業者Aの第1携帯端末3bに向けて、当該作業者Aの管理者である「管理者P」が作成した作業計画(第1作業計画及び第2作業計画)を、作業計画データベース41から抽出し(S53)、抽出した作業計画を作業者Aの第1携帯端末3bに送信する(S54)。第1携帯端末3bは、計画確認画面M4に、第1作業計画及び第2作業計画を表示する(S55)。
このように、予め登録された組織に属する農作業者の携帯端末3bに対して当該農作業者を管理する管理者が作成した所定の作業計画を送信することができる。そして、携帯端末3bには、作業内容だけでなく作業計画を表示することができるため、例えば、携帯端末3bが作業内容を取得することができない場合でも、農作業者は作業計画を見て、所定の圃場における農作業を行うことが可能である。或いは、農作業者が作業内容に基づいた農作業が予定していたよりも早く終了して余裕がある場合に、作業計画を見て追加の農作業を行うことができる。
上述した実施形態では、携帯端末3bをサーバ2にログインする際、即ち、メインメニュー画面M1に表示された通知ボタン75をタップしたときに、作業内容の取得の有無に関わらず、作業計画を取得することとしていたが、これに代え、作業内容を取得できない場合に、作業計画の取得を行うようにしてもよい。例えば、取得手段72は、携帯端末3bがサーバ2へログインした後、まず、サーバ2に作業内容の取得を要求する。そして、携帯端末3bがサーバ2から取得する作業内容の中で、自分作業内容が取得できなかった場合、取得手段72は、サーバ2に作業計画の取得を要求して、作業計画を取得する。
上述した実施形態では、管理コンピュータ3aで作成した作業内容をサーバ2を介して携帯端末3bで取得していたが、携帯端末3bを用いて作業内容の作成をすることが可能である。具体的には、メインメニュー画面M1に示された作成ボタン77をタップすると、作成手段87が起動し、まず、作成手段87は第1表示手段74に対して、携帯端末3bの表示部78に、図23に示すような作業作成画面M9を表示するよう指令する。作業内容作成画面M9は、手動で作業告書を作成するための画面である。この作業内容作成画面M9は、例えば、携帯端末3bとサーバ2との通信が電波等の影響により一時的に行えなかったり、管理者が作業内容の作成を失念していて農作業者が作業内容の取得ができない等の特別な事情により作業内容の作成することが必要となったときに、使用する画面である。
作成手段87の指令に基づき、第1表示手段74は、図23に示すように、農作業を行った日付を設定するための日付設定部90を作業内容作成画面M9に表示する。作成手段87は、日付設定部90に入力された日付を農作業の実施日とする。また、第1表示手段74は、圃場を選択するための圃場選択部91を作業内容作成画面M9に表示する。作成手段87は、圃場選択部91に入力された圃場を農作業を行った圃場に設定する。
さらに、第1表示手段74は、農作業を入力するための作業入力部92と、農作業者を入力するための作業者入力部93と、農業機械4を入力するための機械入力部94と、肥料(肥料名)を入力するための肥料入力部95、散布する肥料量を設定するための散布量設定部96とを作業内容作成画面M9に表示する。作成手段87は、作業入力部92に入力された農作業名を実施に行った農作業に設定し、作業者入力部93に入力された作業者名を農作業を行った実施作業者に設定し、機械入力部94に入力された機械名を農作業を行った機械に設定し、肥料入力部95に入力された肥料名を散布した肥料に設定し、散布量設定部96に入力された数値を散布した肥料量に設定する。なお、作成手段87によって作成する作業内容は、上述したものに限定されず、例えば、圃場で使用する農薬や農薬の散布量を入力できるようにしてもよい。
このように、作成手段87によって手動で作成された作業内容は、サーバ2に送信する。例えば、図23に示すように、作業内容作成画面M9の登録ボタンを選択すると、携帯端末3bは、作業内容作成画面M9に入力した作業内容を自分作業内容とすると共に、当該自分作業内容をサーバ2に送信する。サーバ2は、携帯端末3b(第1通知手段84)から送信された作業内容を受信すると、受信した作業内容を作業内容データベース61に記憶する。また、サーバ2は、受信した自分作業内容を他の携帯端末3bに送信する。
例えば、作業者Aが所有する第1携帯端末3bで作業内容(自分作業内容)を作成すると、当該第1携帯端末3bは自分作業内容を、作業者Aに対応する第1作業内容としてサーバ2に送信する。サーバ2は、受信した作業者Aの第1作業内容を作業内容データベース61に記憶する。また、サーバ2は、作業者Aと同一の組織に所属している他の作業者B及び作業者Cの携帯端末3bに第1作業内容を送信する。作業者B及び作業者Cの携帯端末3bは、受信した第1作業内容を他人作業内容として、他人作業画面M3に表示する。
このようにすれば、例えば、作業指示を受けていない作業者が、自己の所有する携帯端末3bで作成した作業内容を、サーバ2を介して他の作業者に知らせることができる。また、サーバ2の作業内容データベース61に記憶された作業内容(携帯端末3bで作成した作業内容)を、管理コンピュータ3aにも表示することができるため、管理者も指示を行っていない場合でも作業者が行う農作業を作業内容(携帯端末3bで作成した作業内容)により把握することができる。
以上、本発明の農業支援システム1は、作業計画設定手段40と、作業計画データベース41と、作業基準データベース42と、デフォルト変更手段120とを備え、デフォルト変更手段120は、作業計画設定手段40によって所定の作物における作業計画が設定された際には、設定された作業計画を所定作物に対応するデフォルト値として変更している。また、デフォルト変更手段120は、作業計画設定手段40によって農作業及び/又は農作業期間が変更された場合、変更後の農作業及び/又は農作業期間を、変更後のデフォルト値として作業基準データベース42に書き込む。
このようなことから、複数年に亘って同じ作物を作付する際に簡単に作業計画を作成することができる。例えば、過去に作付を行ったことのある作物、即ち、作付実績のある作物と同一の作物を作付する場合、その作物に対応した基準の作業計画(農作業や農作業期間のデフォルト値)に基づいて、新たな作業計画を作成することができる。特に、新たに作業計画を作成する場合は、作付実績のある農作業や農作業期間を基準とすることから、これら農作業や農作業期間について大幅な変更を加えることなく、作業計画を設定することができる。また、作業計画は、主として管理者が作成するが、管理者自身が過去に作付を行ったかどうかの記憶がなくても、作業計画の作成時に、信頼のある作業計画をベースに新しい作業計画を作成することができる。言い換えれば、過去に作業計画を作成した管理者(前管理者)と、現在作業計画を作成する管理者(現管理者)とが別人であり、ある作物について、現管理者が前管理者によって作付を行ったか分からなくても、前管理者の作業計画をベースとして新しい作業計画を作成することができる。また、現管理者は、前管理者の作業計画をそのまま利用した作業計画の作成も行うことができる。
なお、上述した実施形態では、共通圃場における作業計画(農作業や農作業期間)が変更された場合に、共通圃場で変更された作業計画(農作業や農作業期間)をデフォルト値を変更したが、作業計画設定手段40によって個別圃場のみの作業計画を設定する場合にもデフォルト値の変更が可能である。個別圃場の作業計画におけるデフォルトの変更について説明する。
図25(a)に示すように、例えば、「こしいぶき」の作物において、耕耘の農作業期間のデフォルト値が「4/1〜4/7」であった場合、個別圃場(圃場A、圃場B、圃場C、圃場D)における耕耘の農作業期間は「4/1〜4/7」となる。
図25(b)に示すように、作業計画設定手段40によって圃場A、圃場C、圃場Dの農作業期間が「4/1〜4/7」から「4/2〜4/3」に変更された場合、デフォルト変更手段120は作業計画が変更されたと判断する。そして、デフォルト変更手段120は、変更された作業計画に基づいてデフォルト値を演算する。
例えば、「こしいぶき」を作付する個別圃場(圃場A、圃場B、圃場C、圃場D)において、同じ農作業期間の圃場数を計算する。農作業期間が「4/1〜4/7」の圃場数は「1」、農作業期間が「4/2〜4/3」の圃場数は「3」となる。そして、デフォルト変更手段120は、圃場数が最も多い農作業期間、即ち、「4/2〜4/3」を新しいデフォルト値とする。なお、デフォルト変更手段120によるデフォルト値の演算は、これに限定されない。例えば、変更後の作業計画において、農作業期間で示された平均の開始日をデフォルト値として採用する農作業期間の開始日とし、農作業期間で示された平均の終了日をデフォルト値として採用する農作業期間の終了日としてもよいし、その他の方法であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
サーバ2に設けた構成(例えば、作付計画設定手段30、作付計画データベース31、作業計画設定手段40、作業計画データベース41、作業基準データベース42等)の一部を、管理コンピュータ3aや携帯端末3bに設けてもよい。例えば、上述した実施形態では、作付計画設定手段30及び作業計画設定手段40をサーバ2に設けていたが、これらを管理コンピュータ3aに設けてもよい。
上述した実施形態では、画面統合部40Cによって共通設定画面Q2と個別設定画面Q3とを同一の画面に表示していたが、別々の画面に表示してもよい。また、作業計画設定手段40によって共通圃場及び個別圃場の作業計画を設定することが望ましいが、個別圃場の作業計画のみを設定できるようにしてもよい。
1 農業支援システム
2 サーバ
3 コンピュータ
3a 管理コンピュータ(パーソナルコンピュータ)
3b 作業者コンピュータ(携帯端末)
4 農業機械(トラクタ)
30 作付計画設定手段
31 作付計画記憶手段(作付計画データベース)
40 作業計画設定手段
40A:共通設定部
40B:個別設定部
40C:画面統合部
41 作業計画記憶手段(作業計画データベース)
42 作業基準記憶手段(作業基準データベース)
60 作業内容作成手段
61 作業内容記憶手段(作業内容データベース)
71 作業指示手段
72 取得手段
73 仕分け手段
74 表示手段(第1表示手段)
84 第1通知手段
85 第2通知手段
86 設定手段
87 作成手段
120 デフォルト変更手段

Claims (2)

  1. 作付けする作物が定められた圃場に対して当該圃場で行う農作業の作業計画を設定する作業計画設定手段と、前記作業計画設定手段で設定された作業計画を記憶する作業計画記憶手段と、前記作物毎に前記作業計画のデフォルト値を記憶する作業基準記憶手段とを備えており、
    前記作業計画設定手段は、前記作業計画を設定する際には、前記圃場に関係付けられた作物における作業計画のデフォルト値を前記作業基準記憶手段から取得して、取得後のデフォルト値に基づいて前記作業計画の設定を行い、
    前記作業計画設定手段によって所定の作物における前記作業計画が設定された際には、設定された作業計画を前記所定作物に対応するデフォルト値として変更するデフォルト変更手段を備えていることを特徴とする農業支援システム。
  2. 前記作業計画設定手段は、圃場で行う農作業及び農作業期間を含む作業計画のデフォルト値を前記作業基準記憶手段から取得し、取得した農作業及び/又は農作業期間を変更可能とされ、前記作業計画記憶手段は、変更後の農作業及び/又は農作業期間を前記作業計画として記憶しており、
    前記デフォルト変更手段は、前記作業計画設定手段によって前記農作業及び/又は農作業期間が変更された場合、変更後の農作業及び/又は農作業期間を、変更後の前記デフォルト値として前記作業基準記憶手段に書き込むことを特徴とする請求項1に記載の農業支援システム。
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