JP2017106688A - 逆流防止装置における過圧逃がし構造 - Google Patents

逆流防止装置における過圧逃がし構造 Download PDF

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【課題】電磁弁と逆止弁との間の過大な圧力上昇を回避する。【解決手段】逆流防止装置は、上流側から順に、第2逆止弁2、電磁弁3、大気開放弁4及び第1逆止弁1が配置されている。第2逆止弁2は過圧逃がし弁10のバルブハウジング26内に組込まれている。バルブハウジング26は、第2逆止弁2と電磁弁3との間の圧力が設定圧を上回ったときに、戻しばね40に抗して電磁弁3から離れる方向に移動して開弁する。【選択図】図3

Description

本発明は逆流防止装置における過圧逃がし構造に関するものである。
従来より、給湯機器には浴槽側と給水管側とを接続する管路の途中に、浴槽側から給水管側への汚水の逆流を防止する逆流防止装置が設けられてきた。そのような逆流防止装置の一例として、下記特許文献1のものが知られている。
ここに開示された逆流防止装置は、上流側から順に、上流側逆止弁、湯水の供給・停止を行う電磁弁、二次側からの逆流水を外部に排出する縁切り弁(大気開放弁)、及び下流側逆止弁によって構成されている。
特開2015‐17719号公報
しかし、電磁弁の上流に逆止弁を配置した上記逆流防止装置には次のような解決すべき問題点がある。例えば、通水後に電磁弁を閉じると電磁弁の背圧室および電磁弁と上流側逆止弁との間の水圧が急激に上昇する、いわゆるウォーターハンマと呼ばれる現象が生じることがある。そのような場合には、電磁弁や上流側逆止弁における弁機能に支障を来たすことが懸念される。また、このような懸念は、冬季において電磁弁と上流側逆止弁との間に閉じ込められた水が凍結した場合にも起きうる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、逆流防止装置において、電磁弁とその上流に配置された逆止弁との間に生じ得る過度の圧力上昇を未然に回避しうる過圧逃がし構造を提供することを目的とする。
本発明の逆流防止装置における過圧逃がし構造は、流体供給源から流体の供給対象物へ通じる配管の途中に設けられて前記供給対象物から前記流体供給源側への流体の逆流を防止する逆流防止装置において、前記流体供給源から前記供給対象物へ向けての流体の流れを開閉する電磁弁と、前記電磁弁の下流側に配され、前記流体供給源側で負圧が発生したときに前記電磁弁より下流側の流体を大気に放出するよう開閉動作する大気開放弁と、前記大気開放弁より下流側に配されて前記供給対象物から前記大気開放弁側への流体の流れを規制する第1逆止弁と、前記電磁弁の上流側に配され、前記電磁弁から前記流体供給源側への流体の流れを規制する第2逆止弁とを備え、前記第2逆止弁には、通水時には閉弁状態に保持されるが、前記電磁弁と前記第2逆止弁との間の流体の圧力が設定圧以上になったときには開弁して前記電磁弁と前記第2逆止弁との間の流体の圧力を前記第2逆止弁の上流側に逃がす過圧逃がし弁が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、電磁弁が開放すれば、流体は第2逆止弁、電磁弁、大気開放弁、第1逆止弁を経て供給対象物へ供給される。また、第1逆止弁に異物が噛み込む等、逆流防止機能に支障がある場合において、流体の供給源側において負圧が生じると、流体は供給対象物側から逆流する。しかし、そのような場合には大気開放弁が開放して逆流する流体を大気に開放するため、逆流流体が電磁弁、第2逆止弁を越えて流体供給源側へ流れてしまう事態が未然に回避される。
一方、本願発明のように電磁弁の上流側に第2逆止弁が配置されている構成であると、例えばウォータハンマ現象によって電磁弁と第2逆止弁との間が過圧状態に陥ることが考えられる。しかし、本願発明によれば、電磁弁と第2逆止弁との間の流体圧力が設定圧を上回るような事態が生じても、過圧逃がし弁が開弁して上記した過剰な圧力を第2逆止弁の上流側へ逃がすことができる。したがって、ウォータハンマ等に起因して弁機能に支障を来す事態を未然に回避することができる。
実施例1に係る逆流防止装置の側面図 同じく平面図 図2のA−A線断面図 図1のB−B線断面図 過圧逃がし弁の作動状態を示す断面図 給湯システムの全体を示す回路図 実施例2に係る逆流防止装置の側面図 図7のC−C線断面図
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
本発明の逆流防止装置における過圧逃がし構造は、前記過圧逃がし弁が、前記第2逆止弁を組み込んでいるとともに前記電磁弁から遠ざかる方向へ変位可能なバルブハウジングを有し、かつ、前記バルブハウジングには同バルブハウジングを前記電磁弁側へ付勢する戻しばねによって前記バルブハウジングに設けられた弁体が前記逆流防止装置の配管内に形成された弁座に着座して閉弁状態を保持するようになっている一方で、前記バルブハウジングは、電磁弁と第2逆止弁との間の流体の圧力が設定圧以上になったときには、前記戻しばねに抗して移動して前記弁体を前記弁座から離間させて開弁状態となるような構成としてもよい。
このような構成であれば、通常時には過圧逃がし弁は戻しばねによって弁体を弁座に着座させているが、電磁弁と第2逆止弁との間の流体圧が設定圧以上に高まると、戻しばねに抗して弁体を弁座から離間させて電磁弁と第2逆止弁との間の流体圧を第2逆止弁の上流側へ逃がすことができる。
また、第2逆止弁を過圧逃がし弁のバルブハウジング内に組み込んで一体化させているため、逆流防止装置の構成をコンパクトにすることができる効果もある。
<実施例1>
次に、本発明の電磁弁を具体化した実施例1について、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図6は本発明の実施例1を示している。このうち、図6は給湯システムの全体を示す回路図である。同図に示すように、給水管路41は混合弁ユニット60に接続されている。給水管路41からの給水経路は、混合弁ユニット60において分岐し、一方は混合弁ユニット60内において湯と混合する経路となり、他方は貯湯タンク42に通じる経路となっている。貯湯タンク42は沸き上げポンプ43を介してヒートポンプユニット44の入口側に接続されている。ヒートポンプユニット44の出口側は三方弁45を介して貯湯タンク42に接続されていて、貯湯タンク42内に湯を貯留させるようにしている。貯湯タンク42には熱交換器46、追い焚きポンプ47及び逆止弁48を含む追い焚き回路49が接続されていて、貯湯タンク42内の湯を再加熱することができる。
本実施例の混合弁ユニット60は、混合弁体(第1・第2の混合弁体50,51)が一対備えられており、これらに対する水と湯の供給が個別になされ、また両混合弁体50,51によって水と湯とが混合された混合湯の供給経路も個別に設定されている。第1混合弁体50側からの出湯経路は上流側から下流側へ順に逆流防止ユニットU、フロースイッチ53、風呂循環ポンプ54及び水位センサ55を介して浴槽56へと通じている。また、この出湯経路は逆流防止ユニットUとフロースイッチ53との間において分岐し、追い焚き回路57に接続されている。追い焚き回路57は、前記した熱交換器46を貯湯タンク42側の追い焚き回路49と共有しており、前記した風呂循環ポンプ54を駆動させて浴槽56内の湯を熱交換器46を通して循環させることによって再加熱することができる。一方、第2混合弁体51側からの出湯経路は流量センサ58を含む給湯管路59に接続されている。
図1及び図2はユニット化された逆流防止装置(逆流防止ユニットU)の外観を示している。本実施例1における逆流防止装置は、第1・第2の逆止弁1,2、電磁弁3及び大気開放弁4によって構成されている。
逆流防止ユニットUはケーシング5を有し、その本体配管6の一端部(図3の上端部)寄りの部位には、本体配管6の軸線と直交する方向に枝管7が連通状態で突設されている。枝管7には端部配管8がシール状態で接続されている。端部配管8は給湯路61の一部を構成し混合弁ユニット60に接続されている。端部配管8の内部には水(温水を含む)を整流させるための整流網9が配されている。枝管7の内部には後述する第2逆止弁2および過圧逃がし弁10が配されている。
第2逆止弁2、過圧逃がし弁10の下流側には、つまり本体配管6の一端部(図3の上端部)には本体配管6と同軸で電磁弁3が組み付けられている。電磁弁3において、本体配管6内には電磁弁3の弁部材11側へ向けて開口する筒体12が同軸で形成されており、その上端縁には弁座13が形成されている。
本実施例の電磁弁3はいわゆる常閉型であり、コイル14、プランジャ15、ばね16及び弁部材11とを備え、かつ電磁弁3と第2逆止弁2との間の空間に通じる背圧室17が設けられている。電磁弁3は、通常時にはダイヤフラム18に取り付けられた弁部材11がばね16による付勢力を受けて弁座13に密着する閉弁状態に保持されている。しかし、コイル14への通電がなされると、プランジャ15がばね16の付勢力に抗して移動することで、弁部材11が弁座13から離間して開弁状態になる。
ケーシング5において、電磁弁3より下流側には大気開放弁4が組み付けられている。大気開放弁4は、図1あるいは図2に示すように、ケーシング5の本体配管6の軸線及び端部配管8の軸線とそれぞれ直交するようにして組み付けられている。
大気開放弁4の内部にはドレン管19に通じる円筒部20が形成され、その端縁部には弁座21が形成されている。ドレン管19は図1に示すように、本体配管6の軸線に対して斜め下向きに延出している。但し、逆流防止ユニットUが設置される場合にはケーシング5の本体配管6の軸線が重力方向に沿っており、ドレン管19も重力方向斜め下向きとなるように配管される。
大気開放弁4はダイヤフラム弁22を有している。このダイヤフラム弁22はスプリング23によって常には弁座21から離間するように付勢されている。
一方、大気開放弁4は、図4に示すように、検圧路24を介して第2逆止弁2と整流網9との間の圧力(一次圧)を導入するようにしてある。この一次圧はダイヤフラム弁22の一面側に作用するようにしてあり、ダイヤフラム弁22の他面側には本体配管6内の圧力(電磁弁3と第1逆止弁1との間の配管内の圧力:二次圧)が作用するようにしてある。通常時においては、一次圧は、スプリング23のばね圧と二次圧とを加えた圧力よりも大きいため、ダイヤフラム弁22は弁座21に着座して大気開放弁4を閉止状態に保持している。しかし、給水源側において断水が発生して給水源側が負圧化するなど、一次圧が低下するような事態が生じたときには、ダイヤフラム弁22に対して開弁方向に作用する圧力が一次圧を上回るため、ダイヤフラム弁22は弁座21から離間して開弁状態になる。これによって、電磁弁3より下流側の配管の内部がドレン管19に通じ、配管内の水が大気に排出可能となる。
本体配管6内において、大気開放弁4より下流側には本体配管6内を流れる水の流量を検出するための流量センサ25が配されている。また、本体配管6内において流量センサ25の下流には第1逆止弁1が配されている。第1逆止弁1は通水時には流路を開放して温水を浴槽56へ供給することができるが、浴槽56側からの汚水の逆流に対しては流路を閉じて第1逆止弁1の上流側への逆流を阻止する。
最後に、前記した第2逆止弁2及び過圧逃がし弁10について説明する。
本実施例1においては、第2逆止弁2と過圧逃がし弁10とは一体化されている。過圧逃がし弁10はバルブハウジング26を有している。バルブハウジング26は、軸方向の両端が開口する円筒状に形成されている。バルブハウジング26における本体配管6側の開口端にはガイド27が嵌め付けられている。ガイド27の中心部には軸心に沿って軸方向両方向に開口する円筒状の挿入筒部28が形成されている。この挿入筒部28からは複数本の支持部30が放射状に延出し、バルブハウジング26の内周側に嵌め入れられる外周リング29に連結されている。各支持部30の間は一次側の水を通過させる通過流路31となっている。
挿入筒部28には弁体32を有する弁コマ33が軸方向に沿って摺動可能に挿通されている。これに対応して、バルブハウジング26における上流側端部寄りの内周面には弁座34が形成されている。弁コマ33と支持部30との間には挿入筒部28の外周側に嵌め入れられるようにしてばね35が介在されている。このばね35は、上記した弁体32を弁座34に着座させるように付勢されていて、常には第2逆止弁2を閉止状態に保持して上流側への逆流を阻止している。
一方、バルブハウジング26は枝管7に対し軸方向に沿って移動可能に嵌め入れられており、枝管7内の管壁との間には軸方向に沿って円筒状の逃がし流路36が形成されている。また、バルブハウジング26の壁面には逃がし孔37が周方向に沿って複数個が貫通して形成されていて、バルブハウジング26の内側空間と逃がし流路36とを連通させている。
また、バルブハウジング26において上流側端部寄りの部位にはリング状のシールパッキン38が取付けられている。これに対応して、枝管7の内周面には弁座39が形成されている。さらに、バルブハウジング26の上流側端部と端部配管8の下流側端部との間には戻しばね40が介在されている。戻しばね40は、通常時にはバルブハウジング26に対しシールパッキン38が弁座39に着座するように付勢されているが、電磁弁3と第2逆止弁2及び過圧逃がし弁10との間の配管内の圧力が設定圧を上回ったときには、バルブハウジング26を電磁弁3から遠ざける方向への移動を許容するよう設定されている。
次に、上記のように構成された実施例1の作用について説明する。給水管路41から供給される水は混合弁ユニット60を介して貯湯タンク2へ給水される。一方、貯湯タンク2からの湯は混合弁ユニット60に導入される。
浴槽16への湯張りを行う場合や、給湯用水栓器具を通して湯を使用する場合には、図示しない制御装置からの指令に基づいて両混合弁体50,51における湯水の混合比が制御される。こうして混合室10B,11B内で混合された所定温度の湯は両混合弁体50,51のいずれか、あるいは双方から浴槽16あるいは給湯管路19へ給湯される。
なお、浴槽56に湯張りを行う場合には、コイル14への通電によって電磁弁3が開弁される。これにより、第2の混合弁体51を経て湯水混合された湯が、整流網9、第2逆止弁2、電磁弁3、流量センサ25及び第1逆止弁1を経て浴槽56へと供給される。
この際には、大気開放弁4には検圧路24を介して第2逆止弁2及び過圧逃がし弁10の上流側の圧力(一次圧)が導入されている。前述したように、この圧力及びスプリング23のばね力を合算した力は、本体配管6内における電磁弁3の下流側の圧力(2次圧)より大きいため、ダイヤフラム弁22は弁座21に着座している。したがって、通水時には大気開放弁4はドレン管19への通路を閉じた状態に保持されている。
一方、断水等によって給水源側である給水管路41側において負圧が発生し、一次圧が低下すると、大気開放弁4は開弁してドレン管19への通路を開放するため、本体配管6内の水を外部に排出する。仮に、第1逆止弁1において異物が噛み込む等の事態が生じている場合には、浴槽56の設置環境によっては浴槽56内の汚水が第1逆止弁1を経て大気開放弁4にまで逆流することになる。しかし、このような汚水の逆流の事態が発生したとしても、大気開放弁4は開弁状態にあるため、逆流汚水はドレン管19より排出されるため、給水源側まで逆流する事態は未然に回避されている。
一般に、電磁弁3は大きな負圧が作用すると、閉弁状態を保持できにくくなり、開弁してしまう場合があることが知られている。しかし、本実施例1のように、電磁弁3の上流側に第2逆止弁2及び過圧逃がし弁10が配置され、両弁2,10が確実に閉弁状態を保持している限りは、電磁弁3に負圧が直接作用しないため、給水源側に負圧が発生しても、電磁弁3は閉弁状態を保持することができる。したがって、逆流した汚水が電磁弁3を越えて上流側に至る事態を未然に回避しうる。
仮に、第2逆止弁2に異物が噛み込んでいる場合には、負圧が電磁弁3に作用してしまうような場合も想定されうるが、第2逆止弁2における弁座39周りの隙間は微小であるため、負圧が電磁弁2に直接作用する場合に比べれば、負圧に起因した開弁方向への力は弱い。したがって、電磁弁3は閉弁状態を維持しうる。万一、電磁弁3が開弁したとしても、第2逆止弁2が逆流水の流れを絞るように機能するため、逆流水が第2逆止弁2を越えて給水源側にまで逆流する事態は有効に回避される。
ところで、通水の途中で電磁弁3が閉弁されると、ウォータハンマ現象が生じることがあり、そのような場合には、電磁弁3と第2逆止弁2との間の空間の圧力が過度に高まる。すると、図5に示すように、バルブハウジング26が戻しばね40に抗して変位するため、シールパッキン38が弁座39から離間する(開弁)。これにより、上記した過大な圧力は逃がし孔37、逃がし流路36を介して過圧逃がし弁10の上流側に逃がされる。したがって、ウォータハンマに伴う過大な圧力によって第2逆止弁2や過圧逃がし弁10等の弁機能に支障が出る事態を回避することができる。
上記とは別に、通水が停止されると電磁弁3と第2逆止弁2及び過圧逃がし弁10との間に水が閉じ込められる。例えば、冬季において、この閉じ込められた水が凍結すると、体積膨張するため、上記したウォータハンマと同様の事態が生じうるが、この際においても、過圧逃がし弁10の上記動作に基づいて過大な圧力を逃がすことができる。
さらに、実施例1においては、過圧逃がし弁10と第2逆止弁2とが一体化されているため、逆流防止装置の構成をコンパクトにすることができる、という効果も得られる。
<実施例2>
図7及び図8は本発明の実施例2を示している。実施例2が実施例1と異なる点は、本体配管6に対する大気開放弁10の取り付け位置である。実施例2では、大気開放弁10を、本体配管6を挟んで枝管7の反対側において同軸で配置している。大気開放弁10におけるダイヤフラム弁22の一面側は本体配管6における電磁弁3の下流側の空間に向けて対向するようにして連通している。また、図8に示すように、ケーシング5において大気開放弁10と端部配管8との間は枝管7の軸線と平行に検圧路24が延出して設けられている。検圧路24は実施例1と同様に、ダイヤフラム弁22の他面側と第2逆止弁2及び過圧逃がし弁10の上流側とを連通させている。
なお、他の構成は実施例1と同様であるため、図中に同一符号を付すことで、重複した説明は省略する。
1…第1逆止弁
2…第2逆止弁
3…電磁弁
4…大気開放弁
10…過圧逃がし弁
26…バルブハウジング
39…弁座
40…戻しばね
本発明の逆流防止装置における過圧逃がし構造は、流体供給源から流体の供給対象物へ通じる配管の途中に設けられて前記供給対象物から前記流体供給源側への流体の逆流を防止する逆流防止装置において、前記流体供給源から前記供給対象物へ向けての流体の流れを開閉する電磁弁と、前記電磁弁の下流側に配され、前記流体供給源側で負圧が発生したときに前記電磁弁より下流側の流体を大気に放出するよう開閉動作する大気開放弁と、前記大気開放弁より下流側に配されて前記供給対象物から前記大気開放弁側への流体の流れを規制する第1逆止弁と、
前記電磁弁の上流側に配され、前記電磁弁から前記流体供給源側への流体の流れを規制する第2逆止弁とを備え、前記第2逆止弁には、通水時には閉弁状態に保持されるが、前記電磁弁と前記第2逆止弁との間の流体の圧力が設定圧以上になったときには開弁して前記電磁弁と前記第2逆止弁との間の流体の圧力を前記第2逆止弁の上流側に逃がす過圧逃し弁が設けられており、前記過圧逃がし弁は、前記第2逆止弁を組み込んでいるとともに前記電磁弁から遠ざかる方向へ変位可能なバルブハウジングを有し、かつ、前記バルブハウジングには同バルブハウジングを前記電磁弁側へ付勢する戻しばねによって前記バルブハウジングに設けられた弁体が前記逆流防止装置の配管内に形成された弁座に着座して閉弁状態を保持するようになっている一方で、前記バルブハウジングは、電磁弁と第2逆止弁との間の流体の圧力が設定圧以上になったときには、前記戻しばねに抗して移動して前記弁体を前記弁座から離間させて開弁状態となることで、前記電磁弁と前記第2逆止弁との間の圧力を、前記バルブハウジングに開口して形成された逃がし孔、前記バルブハウジングと前記配管の管壁との間に形成された逃がし流路、前記開弁状態にある前記弁体を通して前記第2逆止弁の上流側に逃がす構成であり、かつ前記バルブハウジングにおける前記電磁弁側の端部には前記第2逆止弁の開閉動作を案内をするためのガイドが取付けられていることを特徴とする。
一方、本願発明のように電磁弁の上流側に第2逆止弁が配置されている構成であると、例えばウォータハンマ現象によって電磁弁と第2逆止弁との間が過圧状態に陥ることが考えられる。しかし、本願発明によれば、電磁弁と第2逆止弁との間の流体圧力が設定圧を上回るような事態が生じても、過圧逃し弁が開弁して上記した過剰な圧力を第2逆止弁の上流側へ逃がすことができる。したがって、ウォータハンマ等に起因して弁機能に支障を来す事態を未然に回避することができる。
また、通常時には過圧逃し弁は戻しばねによって弁体を弁座に着座させているが、電磁弁と第2逆止弁との間の流体圧が設定圧以上に高まると、戻しばねに抗して弁体を弁座から離間させて電磁弁と第2逆止弁との間の流体圧を第2逆止弁の上流側へ逃がすことができる。
さらに、第2逆止弁を過圧逃し弁のバルブハウジング内に組み込んで一体化させているため、逆流防止装置の構成をコンパクトにすることができる効果もある。

Claims (2)

  1. 流体供給源から流体の供給対象物へ通じる配管の途中に設けられて前記供給対象物から前記流体供給源側への流体の逆流を防止する逆流防止装置において、
    前記流体供給源から前記供給対象物へ向けての流体の流れを開閉する電磁弁と、
    前記電磁弁の下流側に配され、前記流体供給源側で負圧が発生したときに前記電磁弁より下流側の流体を大気に放出するよう開閉動作する大気開放弁と、
    前記大気開放弁より下流側に配されて前記供給対象物から前記大気開放弁側への流体の流れを規制する第1逆止弁と、
    前記電磁弁の上流側に配され、前記電磁弁から前記流体供給源側への流体の流れを規制する第2逆止弁とを備え、
    前記第2逆止弁には、通水時には閉弁状態に保持されるが、前記電磁弁と前記第2逆止弁との間の流体の圧力が設定圧以上になったときには開弁して前記電磁弁と前記第2逆止弁との間の流体の圧力を前記第2逆止弁の上流側に逃がす過圧逃がし弁が設けられていることを特徴とする逆流防止装置における過圧逃がし構造。
  2. 前記過圧逃がし弁は、
    前記第2逆止弁を組み込んでいるとともに前記電磁弁から遠ざかる方向へ変位可能なバルブハウジングを有し、かつ、前記バルブハウジングには同バルブハウジングを前記電磁弁側へ付勢する戻しばねによって前記バルブハウジングに設けられた弁体が前記逆流防止装置の配管内に形成された弁座に着座して閉弁状態を保持するようになっている一方で、
    前記バルブハウジングは、電磁弁と第2逆止弁との間の流体の圧力が設定圧以上になったときには、前記戻しばねに抗して移動して前記弁体を前記弁座から離間させて開弁状態となるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の逆流防止装置における過圧逃がし構造。
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