しかしながら、従来の給湯回路10は圧力逃し弁3、水量センサ4等の各種機能部品が互いに離れたばらばらの位置で配管パイプ2と機能部品とを1個ずつ連結接続しなければならないため、その給湯回路10の組立施工が大変であり、その作業効率が悪い上に、メンテナンス作業も作業効率が悪いものであった。
また、機能部品を1個接続するごとに配管パイプ2の引き回しが生じるため、大掛かりで複雑な配管回路となり、給湯回路10が大型化し、重量も重くなるという問題があった。
さらに、給湯回路10の組立施工の作業効率が悪いことから、給湯回路10の製造コスト(組立コスト)が高くなり、メンテナンスの作業コストも高くなるという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、給湯回路を作業効率よく組み立てることができる上に、メンテナンスの作業効率の大幅な改善が可能であり、また、給湯回路の小型化、軽量化、低コスト化が可能な弁内蔵式給湯回路モジュールを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、次のような構成をもって課題を解決する手段と成している。すなわち、本発明は、弁を含む複数の機能部品を内蔵して給湯回路を構成する弁内蔵式給湯回路モジュールであって、機能部品はボデイ内に当該機能部品の機構が形成されているものであり、複数の各機能部品は一方側の機能部品のボデイの送水端に他方側の機能部品のボデイの入水端がねじ締結のないワンタッチ取り付け具によりパイプレスの形態で連結されて、給湯回路を構成する複数の機能部品が一体的に集合されてユニット形成されていることをもって課題を解決する手段と成している。
本発明の一構成例では、前記機能部品には給湯回路の流路の断続を行う主電磁弁と、この主電磁弁の下流側に設けられる縁切り弁とが含まれ、この縁切り弁は排水室と該排水室に連通する排水路を有し、前記主電磁弁の上流側の一次圧が主電磁弁の下流側の二次圧よりも低下したときに弁を開いて前記排水室を前記排水路から流入する空気と置換して主電磁弁の上流側と下流側を縁切りし、下流側から逆流する水を前記排水室に落としこんで前記排水路から外部へ流出する構成と成しており、前記主電磁弁の入水口は該主電磁弁が縦置き横置き何れの姿勢においても前記排水室の入り口よりも高所位置にあり、この排水室の入り口から主電磁弁の入水口までの高さは前記下流側から逆流してくる水を強制的に排水室に落とし込んで主電磁弁側への逆流を阻止するためのヘッド圧を発生する高さが確保されているものとする。
また、本発明の一構成例においては、機能部品の1つは圧力逃し弁であり、この圧力逃し弁は弁内蔵式給湯回路モジュール内の湯水路に設けられる全ての機能部品のなかで、最も上流位置に設けられているものとする。
好ましくは、機能部品のボデイは合成樹脂を材料とした射出成型品により形成することが望ましい。
さらに、本発明の一構成例においては、弁内蔵式給湯回路モジュール内には湯水路と給水路が形成されており、給水路には機能部品の減圧弁が設けられており、この減圧弁の一次側には機能部品のブローバルブが設けられており、このブローバルブは減圧弁の一次側の水圧が予め設定した圧力を越えたときにその圧力を外部へ逃すものである。
この場合、好ましくは、ブローバルブの圧力の逃し通路は縁切り弁の排水路に連通し、該排水路は縁切り弁の排水路とブローバルブの圧力の逃し通路を兼用し、ブローバルブの一次圧力の入口とブローバルブの圧力の逃し側の通路が前記排水路に連通する連通口との間には、弁内蔵式給湯回路モジュールが縦置き横置きの何れの設置姿勢にあっても前記一次圧力の入り口を上位側として排水路側から前記ブローバルブの一次圧力の入口側へ排水の水が入り込むのを阻止する高低差を設けて、ブローバルブの上流側の給水路と前記排水路とは縁切りされている構成とする。
さらに、本発明の一構成例においては、湯水路と給水路の合流位置には湯水路からの湯と給水路からの水を混合して設定温度の湯を作り出す機能部品の混合弁が設けられる。
混合弁は複数並列して設けられてもよく、その場合、好ましくは、各混合弁はその湯の入水側が共通の湯水路に連通接続され、各混合弁の水の入水側は共通の給水路に連通接続され、前記共通の湯水路はその接続相手側の湯水路よりも大径に形成され、前記共通の給水路はその接続相手側の給水路よりも大径に形成され、前記共通の湯水路は共通湯水路形成部材のボデイ内に貫通形成され、前記共通の給水路は共通給水路形成部材のボデイ内に貫通形成され、これら共通湯水路形成部材と共通給水路形成部材はそれぞれ対応する接続相手の水路側の部材にねじ締結のないワンタッチ取り付け具によりパイプレスの形態で連結されている構成とする。
その場合、前記共通湯水路形成部材のボデイと共通給水路形成部材のボデイとはそれぞれ合成樹脂を材料とした射出成型品により形成してもよい。
本発明においては、給湯回路を構成する複数の各機能部品は互いに一方側の機能部品のボデイの送水端に他方側の機能部品のボデイの入水端をねじ締結のないワンタッチ取り付け具を用いてパイプレスの形態で連結されるので、従来例のように配管パイプ2を用いて機能部品同士を1個ずつ接続する作業効率の悪い作業は不要となり、給湯回路の組立作業効率の大幅な改善が図れ、給湯回路の製造コスト(組立コスト)を低減することが可能である。また、給湯回路のメンテナンス作業も容易となり、メンテナンス作業の作業効率が改善され、メンテナンスのコスト低減を図ることも可能である。
また、機能部品相互の接続に従来例のような配管パイプ2を必要としないので、給湯回路の構成が簡易化すると供に、小型化、軽量化を図ることができる。
さらに、主電磁弁の入水口は該主電磁弁が縦置き横置き何れの姿勢においても縁切り弁の排水室の入り口よりも高所位置にあり、この排水室の入り口から主電磁弁の入水口までの高さは前記下流側から逆流してくる水を強制的に排水室に落とし込んで主電磁弁側への逆流を阻止するためのヘッド圧を発生する高さが確保されている構成とした発明においては、主電磁弁を縦置き、横置きの何れの姿勢で設置しても、下流側から逆流してくる水を確実に排水室に落としこんで外部へ排水できるので、主電磁弁の一次側へ逆流水が混入することを防止できる。このように、主電磁弁を縦置き、横置きの何れの姿勢で設置しても支障なく使用できるので、設置場所のスペースや、外部配管状態に応じて、主電磁弁の縦置き、横置きの姿勢を選択できることとなり、給湯回路の設計の自由度が高まり、取り扱い、使用勝手に優れたものとなる。
さらに、圧力逃し弁が弁内蔵式給湯回路モジュール内の湯水路に設けられる全ての機能部品のなかで、最も上流位置に設けられている構成とした発明においては、例えば、本願発明の弁内蔵式給湯回路モジュールを電気温水式の給湯回路に組み込んだとき、弁内蔵式給湯回路モジュール内の湯水路の最上流位置が貯湯タンクの湯の送水通路に接続されるので、貯湯タンク内の圧力が予め設定した圧力よりも上昇したときには前記圧力逃し弁が作動して貯湯タンク内の過剰圧力を外部へ逃すので、貯湯タンク内の圧力過剰による危険を回避することができる。
さらに、機能部品のボデイを合成樹脂を材料とした射出成型品により形成した本発明においては、機能部品の量産化に有利となる上に、機能部品を金属ボデイで製作する場合に比べ格段の軽量化が図れる。さらに、製作も容易になるので、機能部品のより一層のコスト低減が可能である。
さらに、弁内蔵式給湯回路モジュール内の給水路に減圧弁を設け、その減圧弁の一次側にブローバルブを設けた構成の本発明においては、減圧弁の一次圧が予め設定した圧力を越えたときにはブローバルブが作動してその過剰圧力を外部へ逃すので、減圧弁の一次側の圧力が設定圧力を越えて大きく上昇することを防止できる。そのため、弁内蔵式給湯回路モジュール内の機能部品のボデイが合成樹脂の成型品により形成されていて、金属製のボデイに比べ機械的強度が低くても、前記過剰圧力がその合成樹脂の成型品に作用するのを防止できるので、機械的強度が金属よりも低い射出成型品をボデイとする機能部品を支障なく安全に使用することができる。
さらに、ブローバルブの圧力の逃し通路は縁切り弁の排水路に連通されて、該排水路は縁切り弁の排水路とブローバルブの圧力の逃し通路を兼用して成る構成の本発明においては、ブローバルブの圧力の逃し通路を排水路とは別の専用の通路として形成する場合よりも通路形成の簡易化が図れ、ブローバルブの圧力の逃し通路を排水路と兼用することで、装置(弁内蔵式給湯回路モジュール)のさらなる小型化、軽量化が可能である。また、弁内蔵式給湯回路モジュールが縦置き横置きの何れの設置姿勢にあっても前記一次圧力の入り口を上位側として排水路側から前記ブローバルブの一次圧力の入口側へ排水の水が入り込むのを阻止する高低差を設けて、ブローバルブの上流側の給水路と排水路とは縁切りされるので、排水路側の水が給水路側に混入する危険を確実に防止することができる。
さらに、弁内蔵式給湯回路モジュール内の湯水路と給水路の合流位置の混合弁は複数並列して設けられ、各混合弁はその湯の入水側が共通の湯水路に連通接続され、各混合弁の水の入水側は共通の給水路に連通接続され、前記共通の湯水路はその接続相手側の湯水路よりも大径に形成され、前記共通の給水路はその接続相手側の給水路よりも大径に形成されている構成の本発明においては、前記共通の湯水路および共通の給水路は大径に形成されているので、複数並列配置された各混合弁の弁動作による圧力変動の影響を吸収緩和して抑制することができ、これにより、混合弁が複数並列配置されている場合においても他の混合弁の動作の影響を殆ど受けずに各混合弁の調温制御動作の信頼性を確保することができる。
さらに、前記共通の湯水路を形成して成る共通湯水路形成部材のボデイと前記共通の給水路を形成して成る共通給水路形成部材のボデイとがそれぞれ合成樹脂を材料とした射出成型品により形成されている構成の本発明においては、前記の機能部品のボデイを射出成型品で構成した場合と同様な効果、つまり、量産化に有利となる上に、金属ボデイで製作する場合に比べ格段の軽量化が図れ、さらに、製作も容易になるので、水路形成部材のより一層のコスト低減が可能となるものである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基き説明する。図9は本発明に関連する給湯回路と、風呂の追い焚き回路とを有する、給湯・追い焚き複合回路のモデルを示す。同図において、貯湯タンク1には熱交換器26と、貯湯タンク1内の湯温を検出する温度センサ32と、貯湯タンク1内の湯水を加熱するヒータ33、33′とが設けられている。この給湯・追い焚き複合回路は制御装置(図示せず)によってその運転(動作)が制御されるものであり、貯湯タンク1内の湯温は温度センサ32の湯温検出情報に基き予め設定された温度となるようにヒータ33の加熱制御が行なわれる。
貯湯タンク1内の湯は給湯管12を通して送出され圧力逃し弁3を介して混合弁6、8に供給される。この混合弁6と混合弁8は並列状に配置され、給湯管12を通して供給される湯と、給水管11を通して供給される給水(水)とを混合して予め設定された湯温の湯を作り出す。そして、混合弁6で作り出された湯は水量センサ4を介し給湯管20を通してシャワー21に供給され、シャワー利用に供される。また、混合弁8で作り出された湯は、上流側から順に、水量センサ13、主電磁弁14、逆止弁15、縁切り弁7、逆止弁16が配置された給湯管22を通して浴槽28の循環路40に供給され、該循環路40の管路38と戻り管25から浴槽28に湯が供給されて湯張りが行なわれる。なお、図中90は、混合弁6、6′のそれぞれの給水側および給湯側に着脱可能に組み込まれている逆止弁である。
この湯張りによる浴槽水位は水位センサ23で検出され、検出水位が設定水位に達したときに主電磁弁14が閉止されることで浴槽への湯張り動作が終了する(湯張りの運転は主電磁弁14を開動作させることにより開始する)。
前記給水管11には上流側から下流側に向けて順に負圧作動弁17、逆止弁18、減圧弁19が設けられており、減圧弁19の二次側の管路から前記混合弁6、8に給水が供給される構成と成している。また、減圧弁19の二次側からは給水分岐管39が給水管11から分岐され、その給水分岐管39の先端側は弁34を介して貯湯タンク1の底部に接続され、貯湯タンク1内の湯が使用されたときにはその使用された分の水が貯湯タンク1内に補充されるようになっている。なお、図9中、35は排水栓を示している。
一方、浴槽28内の湯を追い焚きする回路(風呂回路)は、浴槽28から戻り管25、熱交換器26、往管27、三方弁24、管路36、管路38を経て浴槽28に戻る循環路40によって形成されている。浴槽湯水の追い焚きは三方弁24によって、管路36を往管27に切り替え連通した状態で戻り管25に介設された循環ポンプ29を起動することにより行なわれる。循環ポンプ29の起動により、浴槽28内の湯水は、戻り管25から熱交換器26を通流する。この熱交換器26を通るときに貯湯タンク1内の高温の湯と熱交換されて昇温し、この昇温された湯は往管27から、管路36、管路38を経て浴槽28に戻されることで、浴槽内の湯温が上昇し追い焚きが行なわれる。
浴槽28の湯温は風呂温度センサ31で検出され、その検出温度が風呂の設定温度に達したときに循環ポンプ29の駆動が停止され、風呂の追い焚きが終了する。なお、三方弁24により、管路36が管路37に切り替え連通された状態で、循環ポンプ29が起動されたときには、浴槽28の湯水は、戻り管25、管路37、三方弁24、管路36、管路38を順に経て浴槽28へ循環し、そのときの循環湯水の温度を風呂温度センサ31で検出することにより、浴槽28内の湯水の温度(風呂温度)が検出される。図中、30は浴槽湯水の循環を検出する水流スイッチ30を示す。
図9に示す回路において、給湯回路は、貯湯タンク1の湯を混合弁6、8に導く給湯管12と、混合弁6、8に給水を供給する給水管11と、混合弁6の混合水をシャワー21へ導く給湯管20と、混合弁8の混合水を循環路40へ落とし込む給湯管22との回路部分であり、本発明の弁内蔵式給湯回路モジュールの第1の実施形態は、図9の給湯回路の中の符号Aで囲まれた回路部分の回路を一体的にモジュール化したものである。このモジュール化を行なうに際し、本実施形態例において特徴的なことは、各種弁6、8、14、15、16、7、19、18、17の単体又は複合体をパイプを用いることなく、つまり、パイプレスで着脱自在に連結してユニット化し(必要に応じ逆止弁90をも組み込んでユニット化し)、センサ4、13もパイプレスで着脱自在にそのユニットに組み込む構成としたことと、各弁やセンサの連結は、ねじ締結手段を用いずにワンタッチ取り付け具を用いて簡易(簡単)に行い得る構成としたことである。
図1、図2は本発明に係る弁内蔵式給湯回路モジュールの第1の実施形態例の構成を示す。これらの図において、図1(a)は同モジュールの平面図、図1(b)は同モジュールの正面図、図2(a)は図1(b)の左側面図、図2(b)は図1(b)の右側面図をそれぞれ示している。本実施形態例の弁内蔵式給湯回路モジュールは前記図9中の符号Aで囲まれた各種の機能部品である各種弁6、8、14、15、16、7、19、18、17およびセンサ(水量センサ)4、13の機構(弁においては弁機構、センサにおいてはセンサ機構)が集合一体化されたものであるが、この集合一体化に際し、全てにおいて、1つの機能部品の機構が1つのボデイ内に形成される構成としてもよいが、本実施形態においては、混合弁8と水量センサ13と主電磁弁14と逆止弁15と縁切り弁7の機構は共通のボデイ内に形成してメーンユニット50(メーンユニット50の機能部品)と成しており、それ以外の機能部品は各機能部品毎のボデイにその当該機能部品の機構が形成されている。なお、これらの各種弁やセンサ自体の機構は周知であり、以下の説明においては、本願発明の特有な機能部品の構成部分については詳述し、周知部分の構成についてはその説明を省略又は簡略化する。
上記各機能部品のボデイは鋳物等によっても形成可能であるが、この実施形態例においては、小型軽量化、製造の容易化、製造コストの低減化を図る観点から、合成樹脂を材料とした射出成型品によって前記ボデイを形成している。そして、各機能部品の連結は一方側の機能部品(具体的にはそのボデイ)の送水端側と他方側の機能部品(具体的にはそのボデイ)の入水端側とを嵌合させ、その嵌合部(ボデイ同士の嵌合部)にねじ締結手段を有しないワンタッチ取り付け具を装着して機能部品同士を着脱自在に連結している。
このワンタッチ取り付け具の構成は様々な形態をとり得るが、この実施の形態においては、U字形状ピンを用いる構成と、クリップ部材(クイックファスナー)を用いる構成とを併用している。図7(b)は一方側の機能部品Aと他方側の機能部品Bとを例にしてU字形状ピンを用いて連結する構成を代表的に示すもので、機能部品Bの内側に嵌合する機能部品A側のボデイ周壁に凹部42を形成し、嵌合部分において外側となる機能部品Bの筒壁には図7(a)に示すようなU字形状ピン41のピン足が貫通挿入するピン穴41aを開けておく。この状態で、機能部品のAの一端側(例えば送水端側)と機能部品Bの一端側(例えば入水端側)を嵌合し、機能部品Bの外側からピン穴41aにU字形状ピン41のピン足を貫通挿入することにより、ピン足は機能部品Aの両側(直径方向の両側)の凹部42に入り込んで、機能部品Aと機能部品Bとは抜け止め状態で連結され、また、ピン穴41aからU字形状ピン41を引き抜くことにより両機能部品A、Bの連結は解除されるものである。
図8は(c)は一方側の機能部品Aと他方側の機能部品Bとを例にしてクリップ部材を用いて連結する構成を代表的に示すものである。図8(a)はクリップ部材63の構成を示し、図8(b)は図8(a)の側面図を示す。クリップ部材63は弾性をもたせるために湾曲形成された連結板部64の両端からアーム部65が起立形成され、アーム部65の側板部66a、66bが内側に折り曲げ形成されてアーム部65の横断面形状がコ字形状を呈しているものである。図8(c)に示されるように、このアーム部65の側板部66a、66bが機能部品A、Bの接続端に形成した鍔43、44を跨って両側から挟むようにしてクリップ部材63を鍔43、44に差し込むワンタッチアクション動作によって機能部品Aと機能部品Bとが抜け止め状態で連結され、また、鍔43、44からクリップ部材63を引き抜くことにより両機能部品A、Bの連結は解除されるものである。
なお、上記図7(b)および図8(c)の連結構造においては連結部の水密を達成するOリング等のパッキン部材の図示が省略されているが、実際の連結部にはそのパッキン部材が設けられる。
本実施形態例においては、図1(a)に示されるように、継手部材45と圧力逃し弁3とがクリップ部材63を用いて接続され、残りの機能部品等の部品同士は全てU字形状ピン41を採用した連結構造となっているが、クリップ部材63を用いるか、U字形状ピン41を用いるかは仕様に応じ適宜選択して設計すればよいものである。
図3は本実施形態例の弁内蔵式給湯回路モジュールに組み込まれているメーンユニット50の機能部品を抜き出してその構成を逆止弁16の機能部品と連結された状態で示す。このメーンユニット50はボデイB1内に主電磁弁14と、逆止弁15と、縁切り弁7との機構が形成され、入水側流路に水量センサ13が配置されているもので、主電磁弁14は通電によるソレノイド駆動によって弁46を上げて弁口48を開放し、通電停止によるスプリング47の付勢力によって弁46を弁口48の弁座に押し付けて弁口48を閉止するものである。弁口48の開放により、水量センサ13をへて供給される入水の湯は、弁口48から通水路49に入り込み、流水圧により逆止弁15、16を押し開けて逆止弁16の送水端から送水される。なお、主電磁弁14が閉弁の動作時においては、逆止弁15、16はばね51、52の不勢力によって水路を閉じ、送水端側から一次側(主電磁弁14の上流側)への水の逆流を阻止する。
ボデイB1には一次側(主電磁弁14の上流側)の水路と縁切り弁7の背圧室55とを連通する通路が形成されており、常時はその一次圧を受けてダイアフラム53は図3(a)の状態で上方へ撓み、弁部54により両逆止弁15、16間の水路59と縁切り弁7の排水室56とを連通する排水導入路58の下端は弁部54によって閉止されている。主電磁弁14が開弁されて、湯が入水端から送水端へ流れるときには排水導入路58が弁部54に閉止されているので、その送水の湯が排水路9側へ流出されることはない。
一方、一次圧(主電磁弁14の上流側の圧力)が二次圧(主電磁弁14の下流側の圧力)よりも低下したときには、下流側から主電磁弁14側へ下流側の水(湯)が逆流しようとする。逆止弁15、16が正常に動作していれば、その逆流はその逆止弁15、16によって阻止されるが、何らかの原因によりこれらの逆止弁15、16が正常に機能していないときには、逆止弁16を逆流して逆止弁15と逆止弁16の間の水路空間59に入り込む。一方、一次側が二次側よりも負圧化したときには、背圧室55の圧力が低下することで、弁部54が排水導入路58を開放するので、水路空間59に入り込んだ逆流水は排水導入路58から排水室56に入りこむ。このとき、主電磁弁14の入水口(弁口48の入口)と排水室56の入口(具体的には排水導入路58の入口)との間に、水路空間59に逆流した水を強制的に排水室56へ落とし込むためのヘッド圧(ヘッド水頭圧)を発生させる高さ(以下、排水ヘッド圧発生高さという)Hvが確保されているので、水路空間59へ逆流した水は確実に排水室56へ落とし込まれ排水路9を通して外部へ排水されるので、万が一主電磁弁14の閉弁状態に異常があっても(閉弁が正常にされていない状態であっても)、逆流水が主電磁弁14の上流側へ混入するのが防止される。
このように、弁内蔵式給湯回路モジュールを縦置き状態(主電磁弁14を立て向きにした状態)に設置する場合は、必然的に前記排水ヘッド圧発生高さHvが確保されるので二次側から一次側への逆流は効果的に防止される。しかしながら、弁内蔵式給湯回路モジュールを給湯回路に設置する場合、設置場所の状況によっては横置きに設置(主電磁弁14を横向きの姿勢で設置)することが望まれる場合がある。
一般的には、主電磁弁14は縦向きに設置するのが慣習的な施工形態であり、主電磁弁14を横向きに設置することに関しての検討は行なわれていないのが現状である。そこで、本発明者は主電磁弁14を横向きに設置した場合にどのような問題が生じるかについての検討を行なった。図11はその検討を行なうのに使用した弁内蔵式給湯回路モジュールの試験品である。この試験品は縦置きの仕様で製作した弁内蔵式給湯回路モジュールであり、これを横置きに設置した状態で逆流実験を行なった。
この逆流実験は、主電磁弁14および逆止弁15、16の弁の閉止部に針金を差し込んで主電磁弁14および逆止弁15、16の閉止異常状態(弁の漏れ状態)を人為的に作り出し、その状態で、逆圧(主電磁弁14の一次側よりも二次側を高圧にした圧力)を印加し、二次側から一次側への逆流の発生状況を調べたものである。その実験の結果、縦置きの仕様に沿って製作した弁内蔵式給湯回路モジュールを横向き(横置き)にして使用した場合には、主電磁弁14の入水口と排水室56の入口との高低差Hが小さく、水路空間59に逆流した水を強制的に排水室56側へ落とし込むための十分なヘッド圧が得られず、弁部54が排水導入路58の出口を開放しているにもかかわらず、水路空間59側から主電磁弁14の一次側に逆流が発生してしまうということが検証された。
そこで、本実施形態例においては、図3(b)に示すように、弁内蔵式給湯回路モジュールを横置きに設置した場合においても一次側への逆流を阻止できるように、主電磁弁14の入口と排水室56への入口間に排水ヘッド圧発生高さHhを設けたことを特徴としている。
なお、図3から明らかなように、メーンユニット50のボデイB1と逆止弁16のボデイB2とはU字形状ピン41を用いて連結され、ボデイB2と送水端側の水路が形成されたボデイB3もU字形状ピン41を用いて連結されている。
図4(a)は減圧弁19と逆止弁18と負圧作動弁17との各機能部品のボデイがU字形状ピン41を用いてパイプレスの形態でワンタッチ形式で連結されている状態を示す。図4(b)は図4(a)の側面図である。負圧作動弁17は減圧弁19の一次側に設けられており、その一次側が負圧化したときには弁を開いて外気を導入し、前記負圧化状態を解消するものである。なお、図中、60は一次圧(減圧弁19一次側圧力)、つまり、給水側圧力を縁切り弁7の背圧室55(図3参照)へ加える連通路を示す。
本実施形態例においては、図1に示されるように、弁内蔵式給湯回路モジュール内に混合弁6と混合弁8の2つの混合弁を並列状に配置しており、これら一対の混合弁6、8の湯の入水側は共通の湯水路61に連通接続され、一対の混合弁6、8の給水の入水側は共通の給水路62に連通接続されている。この実施形態においては、共通の湯水路61は共通湯水路形成部材67に水路を貫通形成することによって形成し、共通湯水路形成部材67のボデイの一端側を圧力逃し弁3のボデイにU字形状ピン41を用いて連結し、共通湯水路形成部材67のボデイの他端側を混合弁8のボデイの湯の入水端側にU字形状ピン41を用いて連結し、さらに、共通の湯水路61の入水端寄りに位置する共通湯水路形成部材67のボデイの湯送水接続口は混合弁6のボデイの湯の入水口にU字形状ピン41を用いて連結されている。
また、共通の給水路62は共通給水路形成部材68に水路を貫通形成することによって形成し、共通給水路形成部材68のボデイの一端側は減圧弁19のボデイの二次圧出力端側にU字形状ピン41を用いて連結され、共通給水路形成部材68のボデイの他端側は混合弁6のボデイの給水の入水端側にU字形状ピン41を用いて連結され、さらに、共通の給水路62の入水端寄りに位置する共通給水路形成部材68のボデイの給水の送水接続口は混合弁8のボデイの給水の入水口にU字形状ピン41を用いて連結されている。つまり、図9の給湯回路のW1〜W2に相当する水路部分が前記共通の湯水路61に対応し、W3に相当する部分が前記湯送水接続口に対応する。また、図9の給湯回路のC1〜C2に相当する水路部分が前記共通の給水路62に対応し、C3に相当する部分が前記給水の送水接続口に対応する。
このように複数の混合弁を並列状に配置することで、各混合弁の湯と水の供給水路が簡易化されその水路の長さも短くなるので弁内蔵式給湯回路モジュールの小型化、軽量化が促進される。しかしその一方で、複数の混合弁を並列状に配置してその複数の混合弁が共通の湯水路から湯を取り込み、共通の給水路から給水の水を取り込むようにすると、圧力損失の関係で、上流側に配置される混合弁に比べ、下流側に配置される混合弁の水圧が低下し、また、一方側の混合弁の弁の動作に伴う水圧変動が他方側の混合弁の入水圧力の変動となって現れるので、各混合弁の制御条件に差が生じ、湯と水の混合制御に狂いが生じて調温制御の信頼性が損なわれるという問題が生じ得る。
この実施形態においては、このような問題を解消するために、共通の湯水路61と共通の給水路62を供に水路の大部分が直線通路となるように形成し、さらに、共通の湯水路61は弁内蔵式給湯回路モジュール内の湯の水路の中で圧力損失の少ない上流端の圧力逃し弁3の直近位置に設け、また、共通の給水路62も圧力損失の影響を受けない減圧弁19の二次側に直近して設けて水路の圧力損失の影響を最小限に抑えている。そしてさらに、共通の湯水路61は接続相手の上流側の水路(例えば内径16mm)よりも大径(例えば21〜22mm)に形成し、共通の給水路62も接続相手側の上流側の水路(例えば内径16mm)よりも大径(例えば21〜22mm)に形成している。このように水路61、62を大径に形成することで、混合弁の弁動作によって生じる水圧変動を吸収緩和し、一方側の混合弁の弁動作による影響が他方側の混合弁に作用するのを極力抑えて複数の混合弁が並列配置された構成としても前記問題を解消し、温調の制御品質(精度)を充分満足させることが可能な構成と成している。
図5は本実施形態例の弁内蔵式給湯回路モジュールと給湯回路の外部管路との接続状態を示す。外部管路は図9に示される回路に示されている管路に対応し、図9に示される管路と同じ管路は図9と同じ符号を付してある。図5において、弁内蔵式給湯回路モジュールの圧力逃し弁3の入水端には給湯管12が接続され、貯湯タンク1から弁内蔵式給湯回路モジュールに湯が供給される。また、弁内蔵式給湯回路モジュールの減圧弁19の二次側の分岐接続口には給水を貯湯タンク1へ供給するための給水分岐管39が接続される。なお、減圧弁19の二次側の主の接続口には前述されているように共通給水路形成部材68が接続される。
さらに、弁内蔵式給湯回路モジュールの混合弁6の混合水の出口側の流量センサ4を介した出口端には給湯管20が接続され、さらに、弁内蔵式給湯回路モジュールの逆止弁16の下流端側出口には循環路40(風呂回路)に接続された湯張り管69が接続される。
これらの各外部管路12、20、39、11、69と弁内蔵式給湯回路モジュールとの接続は継手を介してねじの締結により行なっても良いが、本実施形態例においては、これらの外部管路の接続もワンタッチ形式で行なうために、クリップ部材63を用いて行なう構成と成している。
本実施形態例においては、給湯回路を構成する各機能部品同士は一体的に連結されてモジュール化されているので、この弁内蔵式給湯回路モジュールに5本の外部管路(外部配管材)12、20、39、11、69を接続するだけの作業で給湯回路が構築できる。そのため、給湯回路を構築する場合、従来例のように各機能部品同士を配管パイプ2を用いていちいち接続する作業は不要となり、一体物として形成されている弁内蔵式給湯回路モジュールに前記のように外部配管を接続するだけでよいので給湯回路の施工作業効率およびメンテナンスの作業効率は格段にアップし、これら給湯回路の構築、およびメンテナンスの低コスト化を達成することができる。また、従来例のように多数の配管パイプ2の引き回しがないので、給湯回路の簡易化(簡素化)、軽量化および小型化が可能である。
また、本実施形態例の弁内蔵式給湯回路モジュールは各機能部品のボデイがワンタッチ取り付け具を用いてパイプレスの形態で連結される構成と成しているため、連結部の形状を規格化することにより、同一形状のワンタッチ取り付け具を用いて種類の異なる様々な機能部品を相互にワンタッチ形式で連結することが可能となり、機能部品の除外、交換、追加等を自在に行うことができ、給湯回路の設計変更、開発、試作等を行う上で有利である。
次に、本発明に係る弁内蔵式給湯回路モジュールの第2の実施形態例を説明する。この第2の実施形態例の弁内蔵式給湯回路モジュールは図10に示す給湯回路を含む給湯・追い焚き複合回路のモデルの符号Aで囲まれた部分の給湯回路をモジュール化したものである。図10に示す回路のモデルが前記図9に示した回路のモデルと異なる点は、図9の回路では、浴槽28の湯水の追い焚きを貯湯タンク1内に設けた熱交換器26で行なっているが、図10の回路では、管路38に電気ヒータ等の発熱体71を設け、浴槽湯水の循環流をこの発熱体71に通すことで追い焚きを行なう構成としたことと、減圧弁19の一次側の回路にブローバルブ73設けたことであり、それ以外の構成は前記図9に示した回路と同様なので、図9に示したものと同一の構成部分には同一符号を付して重複説明は省略する。
この図10に示す回路モデルにおいて、循環路40は、浴槽28から、戻り管25、循環ポンプ29、管路37、電動二方弁70、発熱体71を順に介して浴槽28に戻る回路によって構成され、電動二方弁70は追い焚き時には管路38を管路37側に接続し、湯張り時には管路37と管路38を湯張り管69に接続する。
本発明に係る弁内蔵式給湯回路モジュールの第2の実施形態例は前記第1の実施形態例の弁内蔵式給湯回路モジュールにブローバルブ73の機能部品を付加したものであり、それ以外の構成は第1の実施形態例の弁内蔵式給湯回路モジュールの構成と同じなので、同一構成部分には同一符号を付してその重複説明は省略する。
図6はこの特有なブローバルブ73を組み込んだメーンユニット50の構成を逆止弁16の機能部品と連結した状態で示す。この図6に示す構成は第1の実施形態例の図3に示される構成にブローバルブ73を組み込み、このブローバルブ73に関連する回路を追加形成したものであり、この新に追加した構成を以下に説明し、それ以外の図3に示す構成と同一部分の構成については既に図3に関連して説明済みであるので、その重複説明は省略する。
図6において、ブローバルブ73は、一次圧連通孔75と、弁室空間部80と、可動弁76と、スプリング77と、ばね支持板78と、排水連通孔79とを有して次のように構成されている。すなわち、ダイアフラム53の背圧室55の壁面を形成するボデイ部材74には、背圧室55の背面側に弁室空間部80が形成され、その弁室空間部80と背圧室55とは一次圧連通孔75によって連通されている。また、弁室空間部80の側壁には排水路9に連通するブローバルブ73の圧力逃し通路(圧力逃し通路の一部の通路)として機能する排水連通孔79が形成されている。
弁室空間部80には可動弁76が摺動自在に収容され、この可動弁76の背面(後端面)側の弁室空間部80にはスプリング77が収容されている。スプリング77の一端側は可動弁76の背面に係止し、スプリング77の他端側は弁室空間部80の外端開口を閉鎖するばね支持板78に係止され、このスプリング77によって可動弁76は一次圧連通孔75側に付勢されて、常時は一次圧連通孔75(一次圧連通孔75の弁口)は可動弁76によって閉鎖されている。この可動弁76の弁閉鎖位置の状態で、排水連通孔79は可動弁76の背面側で弁室空間部80に連通している。
減圧弁19の一次側の給水路は前記したように背圧室55に連通し、また、背圧室55は一次圧連通孔75に連通しているので、可動弁76の前端面(弁口閉鎖面)、つまり、ブローバルブ73の一次圧力(一次側給水圧力)の入口には給水路の一次圧が加わっている。ブローバルブ73は予め定めた設定圧力(設定水圧)が与えられている。すなわち、給水路の一次圧が設定圧力に達するまでは可動弁76は一次圧連通孔75の閉鎖状態を維持し、給水路の一次圧が設定圧力を越えたときにはスプリング77の不勢力に抗して後退移動して一次圧連通孔75と排水連通孔79とを弁室空間部80を介して連通し、給水路の過剰圧力を一次圧連通孔75、弁室空間部80、排水連通孔79を通して排水路9に導き、排水路9から外部へ排出して(逃して)給水路の一次圧が設定圧力を越えないように調整する。
この設定圧力は機能部品の射出成型品のボデイの機械的強度によって定まる耐圧を下回る値(余裕をもって下回る値)に設定される。本実施形態例では、各機能部品のボデイは合成樹脂の射出成型品によって形成されており、その構成樹脂製のボデイは金属製のボデイよりも機械的強度が低いことが想定される。金属製のボデイよりも機械的強度が低い射出成型品のボデイを使用しても、射出成型品が十分に耐え得る余裕をもった圧力に対応した設定圧力をブローバルブ73に与えることで、射出成型品は使用圧力に対して十分に対抗でき、長期使用の信頼性を得ることができる。また、その射出成型品のボデイを破壊するような圧力が加わることが防止されるので、金属製品のボデイに代えて製造の容易化、小型化、軽量化、低コスト化が図れる合成樹脂製のボデイを支障なく採用することが可能となるものである。
また、この実施形態においては、縁切り弁7の排水路9をブローバルブ73の圧力逃し通路として兼用しているので、ブローバルブ73の圧力逃し通路を排水路9とは別個独立の専用通路として形成する場合に比べ、その装置構成が簡易となり、小型化、軽量化、低コスト化が図れる。
さらに、ブローバルブ73が動作して可動弁76が一次圧連通孔75を開放し、一次圧連通孔75と排水連通孔79とを連通して、過剰圧力を逃すとき、図6に示されるように、弁内蔵式給湯回路モジュールを縦置きにした場合には、上位側の背圧室55の出口(背圧室55から弁室空間部80への出口、換言すればブローバルブ73の給水一次圧の入口)と、下位側の排水連通孔79の出口(排水連通孔79から排水路9への出口、換言すれば、排水連通孔79が排水路9に連通する連通口)との間に、高低差HBvが形成される。この高低差HBvは排水路9から背圧室55へ水が入り込むのを強制的に阻止するヘッド圧(ヘッド水頭)が得られる値に設定されており、それ故、ブローバルブ73が圧力開放動作を行なっているときには排水路9側から背圧室55側(給水路)へ排水が入り込むことがなく、給水路は排水路9と確実に縁切りされる。
本実施形態の弁内蔵式給湯回路モジュールは図3において説明したように、縦置き設置と横置き設置の何れにおいても使用可能であり、図6の実施形態において、弁内蔵式給湯回路モジュールを横置き設置形態で使用するときには、上位側の背圧室55の出口(背圧室55から弁室空間部80への出口、換言すればブローバルブ73の給水一次圧の入口)と、下位側の排水連通孔79の出口(排水連通孔79から排水路9への出口、換言すれば、排水連通孔79が排水路9に連通する連通口)との間に、高低差HBhが形成され、この高低差HBhが排水路9から背圧室55へ水が入り込むのを強制的に阻止するヘッド圧(ヘッド水頭)を発生させるので、同様に、ブローバルブ73が圧力開放動作を行なっているときには排水路9側から背圧室55側(給水路)へ排水が入り込むことがなく、給水路は排水路9と確実に縁切りされる。
また、この第2の実施形態例においても前記第1の実施形態例が奏する効果を同様に奏するものである。
なお、本発明は上記の各実施形態例に限定されることなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、図9や図10で示した給湯回路のモデル例を対象にしてその弁内蔵式給湯回路モジュールを説明したが、本発明の弁内蔵式給湯回路モジュールは上記モデル例以外の様々なタイプの給湯回路に適用可能である。図9、図10のモデル例において、浴槽28への湯張りの回路を除外した給湯回路の場合には、図9、図10のAで囲まれた機能部品のうち、混合弁8、水量センサ13、主電磁弁14、逆止弁15、16、縁切り弁7を除外した機能部品によって弁内蔵式給湯回路モジュールが形成される。
また、機能部品の種類や構造も給湯回路の仕様に応じ異なるものであり、その場合にはそれぞれの仕様に応じた給湯回路の各機能部品をモジュール化すればよい。
さらに、上記の各実施形態例では、給湯回路に含まれる全ての機能部品および水路形成部材を集合一体化してモジュール構成としたが、全ての機能部品ではなく、そのうちの一部の機能部品をモジュール化(水路形成部材を含む場合はその水路形成部材を含んでモジュール化)したものでもよい。ただ、本実施形態例のように、給湯回路に含まれる全ての機能部品をモジュール化することにより、各機能部品同士の配管接続がなくなるので、取り扱いがより容易となる上に、小型化、軽量化を図る上で有利となる。
さらに、上記各実施形態例においては、給湯回路の給湯源の貯湯タンク1はヒータ33を用いた電気式の加熱源であったが、この加熱源は電気式でなくても良く、例えば、ガスや石油を燃料とする給湯器で作り出した湯を貯湯タンク1に貯湯するタイプのものでもよく、さらには貯湯タンクは設けずに、給湯器等で作り出した湯を直接的に給湯回路に導入するタイプのものでもよく、給湯回路の給湯源は湯を供給できる機能を備えていれば他の構成のものでもよい。
さらに、上記各実施形態例では、機能部品相互を連結するワンタッチ取り付け具の例として、U字形状ピン41とクリップ部材63を示したが、ワンタッチ取り付け具は機能部品同士をねじ締結構成を持たずにパイプレスで連結するものであれば他の構成のものでもよい。