JP3895158B2 - 強制循環用浴槽接続装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、浴槽の側壁に取り付けられ、強制循環ポンプの駆動によって、往き配管路から浴槽水を吸い込んで熱源機へ供給し、熱源機により加熱された後の加熱水を戻り配管路から前記浴槽に供給する強制循環式浴槽システムに適用され、浴槽内と往き配管路及び戻り配管路とを連通させるために用いられる強制循環用浴槽接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、対流式の浴槽システムに代わって強制循環式の浴槽システムが多用されるようになってきている。この強制循環式の浴槽システムは、強制循環ポンプの駆動によって、往き配管路から浴槽水を強制的に吸い込んで熱源機へ供給し、熱源機により加熱された後の加熱水を戻り配管路から浴槽に供給して、浴槽水を追い焚きするものである。
【0003】
ところで、このような強制循環式の浴槽システムにおいては、往き配管路及び戻り配管路と浴槽内とを連通させるために、強制循環用浴槽接続装置が用いられている。この強制循環用浴槽接続装置は、浴槽側壁の貫通口に取り付けられ、浴槽内に向けて開口する吸い込み口と吐出口が設けられる一方、浴槽外側に二つの配管接続管が設けられ、各配管接続管にそれぞれ往き配管路と戻り配管路とが接続されるものである。この種の強制循環用浴槽接続装置として、施工利便性及び誤接続による浴槽攪拌性能の低下防止の観点から、往き配管路及び戻り配管路の接続態様に拘わらず、良好に吸い込み又は吐出させることができる、いわゆる無極性タイプのものが汎用されている。この無極性タイプの強制循環用浴槽接続装置は、例えば特開平10−47783号公報に例示されている。即ち、該強制循環用浴槽接続装置は、熱源機に接続される往き配管路及び戻り配管路のうちのいずれか一方に連通接続される第1流路と、他方に連通接続される第2流路とを備え、第1及び第2流路はそれぞれ独立に形成されており、各流路はそれぞれ吸い込み方向の流れのみを許容する吸入弁を介して吸い込み口に連通されていると共に、吐出方向の流れのみを許容する吐出弁を介して各流路に対応する別個の吐出口に連通されているものである。そして、この強制循環用浴槽接続装置は、次のように機能する。即ち、例えば浴槽接続装置の第1流路に戻り配管路が連通接続され、第2流路に往き配管路が連通接続された場合には、強制循環用ポンプの駆動により第1流路が負圧状態となり、第1流路の吐出弁が閉塞されると共に、吸入弁が開放され、第1流路の吸い込み口から浴槽水が強制的に吸い込まれる。この吸い込まれた浴槽水は、往き配管路を介して熱源機へ供給され、熱源機により加熱された後、戻り配管路を介して、浴槽接続装置の第2流路に流れ込む。この第2流路は加圧状態となっているので、第2流路の吸入弁が閉塞されると共に、吐出弁が開放され、第2流路に流れ込んだ加熱水は吐出弁を介して吐出口から適正に浴槽内に吐出される。逆に、第1流路に往き配管路が連通接続され、第2流路に戻り配管路が連通接続された場合にも、同様に、第2流路の吸い込み口から浴槽水が吸い込まれて、第1流路の吐出口から適正に吐出される。従って、この強制循環用浴槽接続装置によれば、往き配管路及び戻り配管路の接続態様によらず、予め定められた吐出口から入浴適温より若干高めの温度に温められた加熱水が吐出される。
【0004】
ここで、強制循環式浴槽システムには、給湯手段が設けられており、湯張り又は足し湯する場合には、次のようにして行われるのが一般的である。即ち、上水管等の上水供給源から供給された常温上水が熱源機に供給されて所望温度に温められ、この入浴適温水が戻り配管路に供給され、該戻り配管路に対応する吐出口のみから吐出されて、湯張り又は足し湯が行われるのが一般的である。この給湯手段によれば、浴槽内の温度分布を均一に保ちながら湯水を供給することができる点では有効であるものの、戻り配管路のみから加熱水が供給されるので、所定水位の湯を張るまでに時間がかかるという難点があった。
【0005】
そこで、最近、戻り配管路だけでなく往き配管路も有効に利用し、迅速な湯張りを可能にする、いわゆるダブル搬送方式の給湯手段が好んで用いられるようになってきている。即ち、このダブル搬送方式の給湯手段は、戻り配管路を経由して入浴適温度以上の高温の加熱水が供給されると共に、往き配管路を経由して常温上水が供給され、浴槽内に一定以上の湯水が溜まった後、温度センサーにより浴槽内の湯水温度が検知されて、その結果により高温加熱水又は常温上水のどちらか一方が吐出されて所望温度の湯を張るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このダブル搬送方式の給湯手段が備えられた浴槽システムに、上記の特開平10−47783号公報に記載のような無極性タイプの強制循環用浴槽接続装置を適用した場合、新たな問題が発生することが分かった。即ち、特開平10−47783号に記載の強制循環用浴槽接続装置は、上述のように装置内に二つの独立の第1及び第2流路が形成され、各流路に対応した別個の吐出口を有している。従って、一方の流路から高温の加熱水が供給され、他方の流路から常温水が供給される場合には、一方の流路に対応した吐出口から高温の加熱水が直接浴槽内に吐出され、火傷等の危険性が危惧されるものであった。また、一方の吐出口から吐出された加熱水と他方の吐出口から吐出された常温水が浴槽内の広い空間で混合されるものとなされているので、加熱水と常温水の攪拌混合が充分に行われ難く、浴槽内の温度分布が不均一になることが懸念される。このため、浴槽内の湯水温度を正確に検知することができず、湯水温度の的確な制御が困難になるという問題があることが分かった。
【0007】
ところで、実公平3−34607号に記載の強制循環用浴槽接続装置は、特開平10−47783号に記載の装置と同様に無極性タイプに係るものである。該無極性タイプの強制循環用浴槽接続装置は、接続装置内に第1及び第2流路が形成され、各流路はそれぞれ吸い込み方向の流れのみを許容する吸入弁を介して吸い込み口に連通されていると共に、吐出方向の流れのみを許容する吐出弁を介して各流路共通の吐水室に連通され、該吐水室を経て単一の吐出口に連通されている。従って、理論的には、この強制循環用浴槽接続装置を、ダブル搬送方式の給湯手段を備えた浴槽システムに好適に用いることができる。即ち、この浴槽接続装置をいわゆるダブル搬送方式の給湯手段を備えた浴槽システムに用いた場合には、第1及び第2流路のうちの一方の流路を流れる加熱水と他方の流路を流れる常温水が接続装置内で混合されて入浴適温水に変換された後、単一の吐出口から吐出されるものとなされているので、加熱水と常温水が充分に混合され、浴槽内の温度を均一に保ちながら給湯することができる。従って、理論的には、上記の特開平10−47783号に記載の浴槽接続装置におけるような問題が生じないこととなる。
【0008】
しかしながら、本願出願人は、上記の実公平3−34607号に記載の浴槽接続装置をダブル搬送方式の給湯手段を備えた浴槽システムに適用した場合に、別の問題が発生することを知見するに至った。即ち、この浴槽接続装置は、吐出室内の限定された空間で第1流路と第2流路とが合流され、しかも単一の吐出口の開口面積が比較的小さく設定されているので、吐出室内の空間が高圧となり易い。このため、第1流路と第2流路の吐水圧のバランスがとれている場合には、加熱水と常温水の混合比率が一定して、所望温度に近い温度の入浴適温水を得ることができるが、両吐水圧のバランスがとれていない場合には、加熱水と常温水の混合比率が一定せず、吐水室において所望温度の入浴適温水に変換されないまま吐出口から吐出されるという問題があることを知見するに至った。特に常温水が上水管から直接供給されるような場合には、上水の吐水圧は、季節や使用状況等により大きく変化することが知られており、このような状況の下、加熱水と常温水の吐水圧のバランスを保つのは非常に困難である。
【0009】
ここで、ダブル搬送方式の給湯手段を備えた浴槽システムは、最終的に加熱水と常温水のうちの一方のみが吐出されて、又は浴槽水を循環加熱して所望温度に調整することができるが、ダブル搬送により供給された湯水の温度が所望温度とかけ離れている場合には、浴槽内の水を所望温度に調整するまでに時間がかかり、迅速な湯張りというダブル搬送方式の給湯手段の利点が著しく低下することとなる。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、無極性タイプの強制循環用浴槽接続装置の利点を備えつつ、安全性を向上させると共に、浴槽内の温度分布を均一に保ちながら給湯することができて湯水温度を的確に制御することができる、ダブル搬送方式の給湯手段を備えた浴槽システムに好適に用いられる強制循環用浴槽接続装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にかかる浴槽接続装置は、熱源機に接続される往き配管路及び戻り配管路のうちのいずれか一方に連通接続される第1流路と、他方に連通接続される第2流路とを備え、前記第1及び第2流路は、それぞれ吸い込み方向の流れのみを許容する吸入弁を介して吸い込み口に連通されると共に、吐出方向の流れのみを許容する吐出弁を介して吐出口に連通されてなる強制循環用浴槽接続装置において、前記第1流路と第2流路とが単一の吐出口に連通されると共に、該単一の吐出口の上流側近傍位置に合流部が設けられ、前記第1流路からの流れと前記第2流路からの流れが該合流部で合わさって前記単一の吐出口から吐出されるように構成されてなることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、第1流路と第2流路のそれぞれに吸入弁と吐出弁が設けられ、前記第1流路と第2流路とが単一の吐出口に連通され、しかも該単一の吐出口の上流側近傍位置に合流部が設けられ、前記第1流路からの流れと前記第2流路からの流れが該合流部で合わさって前記単一の吐出口から吐出されるように構成されているので、無極性タイプの浴槽接続装置の利点を備えつつ、ダブル搬送方式の給湯手段を備えた浴槽システムに好適に用いることができる。
【0013】
即ち、この発明によれば、前記第1流路と第2流路とが単一の吐出口に連通されているので、いわゆるダブル搬送方式の給湯がなされる場合に、高温の加熱水と常温水が混合されながら単一の吐出口から浴槽内に供給される。このため、高温の加熱水のみが直接浴槽内に吐出されることもないので安全性が向上される。また、単一の吐出口において加熱水と常温水が混合されながら吐出され、浴槽内の温度を均一に保ちながら給湯することができるので、浴槽内の正確な湯水温度を検知することができ、浴槽内の湯水温度の的確な制御が可能となる。しかも、単一の吐出口の上流側近傍位置に合流部が設けられ、前記第1流路からの流れと前記第2流路からの流れが該合流部で合わさって前記単一の吐出口から吐出されるように構成されているので、加熱水と常温水は合流後直ちに単一の吐出口を介して吐出される。このため、合流後の水圧が極端に高くなることもなく、加熱水と常温水の吐水圧が相互に干渉され難いので、加熱水と常温水の混合比率を一定に保つことができ、所望温度の入浴適温水を浴槽内に供給することができる。また、第1及び第2流路の各流路に吸入弁と吐出弁が設けられているので、無極性タイプの強制循環用浴槽接続装置として機能すると共に、いわゆるダブル搬送方式の給湯において加熱水と常温水を単一の吐出口から吐出することができる。
【0014】
この発明の強制循環用浴槽接続装置において、前記第1流路及び前記第2流路における浴槽側流路部分は筒状の装置本体内の空間が仕切られて形成され、これらの二つの浴槽側流路部分を仕切る隔壁が前記装置本体の周壁部に設けられた吐出側開口から内方に退入して形成されることにより、前記装置本体内に前記合流部が形成されている場合には、いわゆるダブル搬送方式の給湯をする場合に部材間継ぎ目等による乱流等の発生を可及的に抑制して加熱水と常温水のスムーズな合流が可能となる。このため、各吐水圧がより干渉され難くなり、加熱水と常温水の混合比率をより安定して保つことができる。また、装置本体内の吐出側開口の上流側近傍から吐出口の下流側近傍にかけて加熱水と常温水とを効率的に混合することができる。
【0015】
また、上記の隔壁が内方に退入して形成された強制循環用浴槽接続装置においては、前記隔壁の吐出側端部壁面の所定領域が前記吐出側開口に向かうにつれて他方の流路側に傾斜する傾斜誘導壁面に形成されてなるのが好ましい。このように構成すれば、ダブル搬送方式の給湯において一方の流れが傾斜誘導壁面に従って他方の流れ方向に拡散され、各流れの交差領域が拡大する。このため、加熱水と常温水の混合効率が向上される。
【0016】
この発明の強制循環用浴槽接続装置において、第1流路と第2流路の少なくともいずれか一方の吐出側端部に一方の吐出流方向を他方の吐出流方向に指向せしめる案内壁部が形成されてなるのが好ましい。このように構成すれば、いわゆるダブル搬送方式の給湯において各流れの交差領域がより一層拡大する。従って、加熱水と常温水の混合効率がより一層向上される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る強制循環用浴槽接続装置を図面に示した一実施形態に基づいて説明する。
【0018】
この強制循環用浴槽接続装置(1)は、図1及び図2に示すように、挟着用外嵌部材(2)と、挟着用内嵌部材(3)と、装置本体(4)と、フィルターカバー(5)とを主要構成部材としてなる。
【0019】
挟着用外嵌部材(2)は、ステンレス等の不錆性の金属から製作されたものであり、図1及び図2に示すように、浴槽側が開口した有底円筒形状をなす。この挟着用外嵌部材(2)の底部内面の中央部には、浴槽側が開口した内円筒部(20)が突出して形成されている。従って、挟着用外嵌部材(2)の内部は、二つの流路空間が区画形成されている。また、挟着用外嵌部材(2)は、その開口端に外方に突出するフランジ部(21)が形成されていると共に、開口端部内周面にねじ溝(22)が刻設され、挟着用内嵌部材(3)が螺着し得るものとなされている。更に、挟着用外嵌部材(2)の底部外面には、上下方向並列状に配置された2本の配管接続管(23a)(23b)が側方に突出する態様で設けられ、該配管接続管(23a)(23b)の各配管接続口(24a)(24b)を介して、熱源機に連通接続される往き配管路及び戻り配管路に接続されるものとなされている。内円筒部(20)は、その開口端部内周面に溝(200)が全周に亘って形成され、該溝(200)にオーリング状のパッキン(201)が配設されている。これらの挟着用外嵌部材(2)底部における内円筒部(20)の内側と外側には、それぞれ貫通孔(25a)(25b)が設けられ、これらの貫通孔(25a)(25b)を介して対応する配管接続管(24a)(24b)に連通されている。
【0020】
一方、挟着用内嵌部材(3)は、合成樹脂による一体成形品であり、図1及び図2に示すように、円筒状の筒体(30)と該筒体(30)の浴槽側の端縁に外方に突出して形成されたフランジ部(31)とからなる。筒体(30)は、その外周面にねじ山(32)が形成され、上述のように挟着用外嵌部材(2)のねじ溝(22)に螺着し得るように形成されている。一方、フランジ部(31)の周縁部には、浴槽側に突出して形成された円柱状の位置決め凸部(300)が周方向に等間隔に複数個(本実施形態では9個)配置されており、各凸部(300)の中心部には軸方向に沿ってねじ孔(301)が形成されている。
【0021】
装置本体(4)は、図3に明示するように、流路形成体(4a)と、仕切り蓋体(4b)と、流路形成体(4a)に取り付けられる二つの吸入弁(6)(6)と二つの吐出弁(7)(7)とからなる。
【0022】
流路形成体(4a)は、図2ないし図5に示すように、浴槽側に開口した有底の扁平円筒部(40)と、該扁平円筒部(40)の底部外面の中央部に浴槽と反対側に突出して形成された円管状部(41)とから構成される。
【0023】
扁平円筒部(40)は、その周壁部(400)が略C字状に形成されて周方向に大きく開口した吐出側開口(43)が形成されている。この吐出側開口(43)は、浴槽攪拌性能の観点から水平方向よりも下側に向けられて形成されるのが好ましく、本実施形態では斜め下側に向けられて形成されている。また、扁平円筒部(40)の周壁部(400)外面には、浴槽側の端縁から浴槽と反対側の端縁にかけてL字状の案内係止溝(42)が周方向複数箇所(本実施形態では3箇所)に設けられ、後述するフィルターカバー(5)の係止突起(56)を挿入係止し得るものとなされている。
【0024】
また、扁平円筒部(40)の内部は、隔壁(401)によって第1及び第2流路(10a)(10b)の浴槽側流路部分(11a)(11b)が区画形成されている。即ち、扁平円筒部(40)の内部には、図4、図6ないし図8に示すように、周壁部(400)に連設された隔壁(401)が枝分かれ状に形成され、該隔壁(401)によって浴槽側流路部分(11a)(11b)が略平行状に、かつ垂直方向に対して若干傾斜されて形成されている。これらの各浴槽側流路部分(11a)(11b)は、それぞれ二股に分岐された腕状流路部(110)(110)(111)(111)を有する平面視略Y字状に形成され、その各Y字状の胴状流路部(112)(112)が共通の吐出側開口(43)に連通するものとなされている。二股に分岐された一対の腕状流路部(110)(111)のうち、一方の腕状流路部(110)に対応する扁平円筒部(40)の底部にはそれぞれ連通孔(44a)(44b)が形成されており、他方の腕状流路部(111)にはこれを横断する状態で吸入弁用弁座(45a)(45b)が形成され、これらの弁座(45a)(45b)に対応して吸入弁取り付け部(46a)(46b)が設けられている。ここで、扁平円筒部(40)の底部に形成された連通孔(44a)(44b)のうち、底部略中央に形成されている連通孔(44b)は、円管状部(41)に連通するものとなされている。一方、Y字状の浴槽側流路部分(11a)(11b)の胴状流路部(112)には、これを横断する状態で吐出弁用弁座(47a)(47b)が形成され、これに対応して吐出弁取り付け部(48a)(48b)が設けられている。
【0025】
上記の二つの浴槽側流路部分(11a)(11b)間を仕切る隔壁(402)は、図4、図6ないし図8に示すように、吐出側開口(43)から扁平円筒部(40)の中心に向けて内方に僅かに退入して形成されている。即ち、後述する第1流路(10a)と第2流路(10b)とが合流される合流部(12)が扁平円筒部(40)内に設けられるものとなされている。また、この隔壁(402)の吐出流に対する下流側の端部壁面の所定領域が、吐出側開口(43)に向かうにつれて他方の流路側に傾斜する傾斜誘導壁面(403)として形成されてなる。即ち、隔壁(402)の端部が吐出側開口(43)に向かうにつれ薄くなるように形成されている。一方、扁平円筒部(40)の周壁部(400)におけるC字状の下側端部は、底部外縁に沿って延出されて形成されている。この周壁部(400)の下側端部は、平面視左側に位置する浴槽側流路部分(11a)の側壁をなし、同左側に位置する浴槽側流路部分(11a)からの吐出流方向を同右側に位置する浴槽側流路部分(11b)からの吐出流方向側に案内する案内壁部(404)として機能する。
【0026】
また、扁平円筒部(40)は、図5に示すように、その底部外面の周縁部に挟着用内嵌部材(3)の位置決め凸部(300)に対応する位置決め凹部(405)が複数個(本実施形態では9個)形成されている。これらの位置決め凹部(405)…のうち後述する固定用ねじ(406)(406)(406)が挿通される所定の3個の位置決め凹部(405a)(405a)(405a)は前後方向に貫通して形成されている。
【0027】
一方、吸入弁(6)(6)は、図3に示すように、スイング形の弁であり、揺動軸部(60)と、該揺動軸部(60)から垂下された板状弁体(61)と、該板状弁体(61)の上端縁に軸部(60)及び弁体(61)に対して垂直方向に突出して形成され、かつ板状弁体(61)を閉塞方向に付勢する付勢片(62)とからなる。該吸入弁(6)は、図6ないし図8に示すように、扁平円筒部(40)の吸入弁取り付け部(46)に懸架されて取り付けられ、板状弁体(61)が吸入流に対する下流側から吸入弁用弁座(45)に載置されて、吸い込み方向の流れのみを許容するものとなされている。
【0028】
また、吐出弁(7)(7)は、図3に示すように、吸入弁(6)(6)と同様のスイング形の弁であり、揺動軸部(70)と、板状弁体(71)と、二つの付勢片(72)とからなる。該吐出弁(7)は、図6ないし図8に示すように、扁平円筒部(40)の吐出弁取り付け部(48)に懸架されて取り付けられ、板状弁体(71)が吐出流に対する下流側から吐出弁用弁座(47)に載置されて、吐出方向の流れのみを許容するものとなされている。
【0029】
仕切り蓋体(4b)は、図3に示すように、扁平円筒部(40)の開口部を水密状態に閉塞するものであり、二つの吸入側開口(49)(49)が形成されている。即ち、仕切り蓋体(4b)は、扁平円筒部(40)の吸入弁用弁座(45a)(45b)よりも上流側の各腕状流路部(111)(111)に対応して、二つの吸入側開口(49)(49)が形成されている。従って、吸入側開口(49)から吸い込まれる浴槽水は、吸入弁(6)を介して連通孔(44)に導通されるものとなされている。また、仕切り蓋体(4b)周縁の複数箇所(本実施形態では3箇所)には、切欠き(408)(408)(408)が設けられ、これらの切欠き(408)(408)(408)が扁平円筒部(40)の案内係止溝(42)(42)(42)に連通するものとなされている。更に、仕切り蓋体(4b)の周縁部には、仕切り蓋体(4a)を扁平円筒部(40)に水密状態に固定し、かつ装置本体(4)を挟着用内嵌部材(3)に取り付けるための固定用ねじ(406)(406)(406)が挿通されるねじ挿通孔(407)(407)(407)が上記の貫通された位置決め凹部(405)(405)(405)に対応して穿設されている。
【0030】
フィルターカバー(5)は、図1及び図2に示すように、装置本体(4)に装着され、装置本体(4)の扁平円筒部(40)の浴槽側端面及び外周面を被覆するものであり、外部カバー(51)とこれと略相似形の内部カバー(52)との間にフィルター(53)を介装させてなる。
【0031】
フィルターカバー(5)は、扁平円筒部(40)に対応する円形碗状の形状をなす。フィルターカバー(5)は、その底部に大きく開口された吸い込み口(54)が形成されていると共に、周壁部(50)における装置本体(4)の吐出側開口(43)に対向する位置に単一の吐出口(55)が形成されている。この単一の吐出口(55)の大きさは、特に限定されるものではないが、後述する合流部(12)における圧力を極力低く抑えるという観点から、吐出側開口(43)の大きさと略同等に又は若干大きく設定されるのが好ましい。吸い込み口(54)には、放射状の補強桟(540)が設けられている。一方、吐出口(55)には、2本の連結桟(550)(550)が形成されている。更に、フィルターカバー(5)の周壁部(50)内面には、扁平円筒部(40)の案内係止溝(42)(42)(42)に係止される係止突起(56)(56)(56)が周方向に所定間隔で設けられている。
【0032】
フィルター(5)は、吸い込み口(54)よりも若干大きく形成された円形網状部材であり、吸い込み口(54)を通過する浴槽水の汚れを除去するものである。
【0033】
上記の構成の強制循環用浴槽接続装置(1)は、次のようにして組み立てられる。
【0034】
即ち、まず挟着用外嵌部材(2)と挟着用内嵌部材(3)との間に浴槽(B)の側壁(W)を挟み込んでこれらを浴槽(B)に取り付ける。即ち、浴槽(B)の側壁(W)に形成された貫通口(H)の周縁部に挟着用外嵌部材(2)のフランジ部(21)を浴槽(B)の外側からパッキン(8)を介してあてがい、この状態で浴槽(B)の内側から挟着用内嵌部材(3)の筒体(30)をパッキン(9)を介して浴槽(B)の貫通口(H)に挿通すると共に、筒体(30)のねじ山(32)を外嵌部材(2)のねじ溝(22)に螺着して、外嵌部材(2)及び内嵌部材(3)の両フランジ(21)(31)間にパッキン(8)(9)を介して浴槽貫通口(H)の周縁部を挟み込んでこれら(2)(3)を浴槽(B)に取り付ける。
【0035】
次に、3本の固定用ねじ(406)(406)(406)により装置本体(4)を挟着用内嵌部材(3)に位置決めして取り付ける。即ち、仕切り蓋体(4b)を流路形成体(4a)に適正に組み付けて装置本体(4)を組み立て、該装置本体の(4)の吐出側開口(43)が浴槽内で斜め下方向に開口するように位置決め凸部(300)…と位置決め凹部(405)…との最適の組合せを選択し、これらを嵌合して装置本体(4)を挟着用内嵌部材(3)に組み付ける。このとき、装置本体(4)の円管状部(41)は、挟着用外嵌部材(2)の内円筒部(20)に挿入され、円管状部(41)の外周面が内円筒部(20)の内周面に嵌合される。この状態で、固定用ねじ(406)(406)(406)を仕切り蓋体(4b)のねじ挿通孔(407)(407)(407)及び扁平円筒部(40)の貫通された位置決め凹部(405a)(405a)(405a)を介して対応する位置決め凸部(300)(300)(300)のねじ孔(301)(301)(301)に螺着する。これにより、装置本体(4)は、仕切り蓋体(4b)と流路形成体(4a)が水密状態に組み付けられた態様で、挟着用内嵌部材(3)に強固に固定される。
【0036】
続いて、フィルターカバー(5)を装置本体(4)に取り付ける。即ち、フィルターカバー(5)の係止突起(56)(56)(56)を装置本体(4)における仕切り蓋体(4b)の切欠き(408)(408)(408)を介して扁平円筒部(40)の案内係止溝(42)(42)(42)に差し込み、奥まで差し込んだ状態でフィルターカバー(5)を装置本体(4)に対して相対的に回転させる。これにより、L字状の案内係止溝(42)(42)(42)に係止突起(56)(56)(56)が係止され、フィルターカバー(5)を装置本体(4)に取り付けることができる。なお、この係止突起(56)及び案内係止溝(42)の個数は、限定されるものではない。ただ、フィルターカバー(5)を安定して装置本体(4)に取り付ける観点から、3個以上の係止突起(56)及び案内係止溝(42)を設けるのが好ましい。
【0037】
而して、この強制循環用浴槽接続装置(1)は、図2及び図9に示すように、内部に第1流路(10a)と第2流路(10b)が形成される。
【0038】
即ち、第1流路(10a)は、熱源機に接続される往き配管路及び戻り配管路のうちのいずれか一方に配管接続口(24a)を介して連通接続され、図2に示すように、配管接続管(23a)、貫通孔(25a)を介して、内円筒部(20)外周面と挟着用外嵌部材(2)の内周面及び挟着用内嵌部材(3)の筒体(30)内周面により囲まれた空間に連通され、更に連通孔(44a)を介して浴槽側流路部分(11a)に連通されている。第1流路(10a)は、この浴槽側流路部分(11a)において二つの流路に分岐され、一方の流路は吸入弁(6)、吸入側開口(49)を介して吸い込み口(54)に連通され、他方の流路は吐出弁(7)、共通の吐出側開口(43)を介して、単一の吐出口(55)に連通されている。
【0039】
一方、第2流路(10b)は、往き配管路及び戻り配管路のうちの他方に配管接続口(24b)を介して連通接続され、図2に示すように、配管接続管(23b)、貫通孔(25b)を介して、内円筒部(20)及び円管状部(41)の内側空間に連通され、更に扁平円筒部(40)の中央部に形成された連通孔(44b)を介して浴槽側流路部分(11b)に連通されている。第2流路(10b)は、この浴槽側流路部分(11b)において、第1流路(10a)と同様に、二つの流路に分岐され、一方の流路は吸入弁(6)、吸入側開口(49)を介して吸い込み口(54)に連通され、他方の流路は吐出弁(7)、共通の吐出側開口(43)を介して、単一の吐出口(55)に連通されている。
【0040】
即ち、分岐後の吐出側における第1流路(10a)と第2流路(10b)とは、共通の単一の吐出口(55)に連通されていると共に、単一の吐出口(55)の上流側近傍位置における合流部(12)が設けられ、該合流部(12)で合流され、僅かな共通流路を経て直ちに単一の吐出口(55)に連通される。
【0041】
次に、この強制循環用浴槽接続装置(1)の機能について説明する。
【0042】
この強制循環用浴槽接続装置(1)は、本実施形態では、次のような浴槽システムに用いられる。即ち、浴槽システムは、浴槽(B)と熱源機とを備える。熱源機は、追い焚き機能と共に、ダブル搬送方式の給湯機能を有し、これらの機能が切り替えられて用いられる。また、熱源機には、浴槽水を熱源機に送るための往き配管路と、加熱後の入浴適温水を浴槽に送るための戻り配管路が連通接続されている。往き配管路及び戻り配管路の他端は、浴槽の側壁に取り付けられた本実施形態の強制循環用浴槽接続装置(1)に連通接続され、浴槽と熱源機間を連通させて強制循環用ポンプの駆動により浴槽水を循環しうるものとなされている。また、この浴槽システムは、浴槽内の湯水温度を検知するための温度センサーと、浴槽内の水位を検知するための水位センサーが備えられている。
【0043】
この浴槽システムにおいて強制循環用浴槽接続装置(1)の第1流路(10a)に往き配管路が連通接続され、第2流路(10b)に戻り配管路が連通接続された場合における追い焚き動作について説明する。
【0044】
強制循環用ポンプの駆動により第1流路(10a)が負圧状態となり、第1流路(10a)の吐出弁(7)が閉塞されると共に、吸入弁(6)が開放され、図6に示すように、吸い込み口(54)を介して第1流路(10a)の吸入側開口(49)から浴槽水が強制的に吸い込まれる。この吸い込まれた浴槽水は、往き配管路を介して熱源機へ供給され、熱源機により入浴適温よりやや高めにまで加熱された後、戻り配管路を介して、浴槽接続装置(1)の第2流路(10b)に流れ込む。この第2流路(10b)は加圧状態となっているので、第2流路(10b)の吸入弁(6)が閉塞されると共に、吐出弁(7)が開放され、図6に示すように、第2流路(10b)に流れ込んだ加熱水は吐出弁(7)を介して単一の吐出口(55)から浴槽(B)内に吐出される。
【0045】
逆に、第1流路(10a)に往き配管路が連通接続され、第2流路(10b)に戻り配管路が連通接続された場合にも、同様に、吸い込み口(54)を介して第2流路(10b)の吸入側開口(49)から装置本体(4)内に浴槽水が吸い込まれて、熱源機を介して第1流路(10a)に流れ込み、図7に示すように、第1流路(10a)の吐出弁(7)を介して単一の吐出口(55)から浴槽(B)内に吐出される。
【0046】
従って、この強制循環用浴槽接続装置(1)によれば、第1流路(10a)及び第2流路(10b)のいずれの流路に往き配管路及び戻り配管路のいずれの配管路を接続しても、戻り水を単一の吐出口(55)から吐出することができるので、従来の無極性タイプの浴槽接続装置と同様に、施工利便性の向上及び誤接続による浴槽攪拌性能の低下を防止することができる。即ち、例えば第1流路は往き配管路に、第2流路は戻り配管路に接続しなければならないといったように浴槽攪拌性能の維持のため接続態様が予め定められた浴槽接続装置と比較して、接続の際の確認作業を要さず、施工利便性が向上されると共に、誤接続により吸い込み口から適温水が吐出されて浴槽攪拌性能が低下するといった事態を防止することができる。
【0047】
また、この浴槽システムにおいて、例えば強制循環用浴槽接続装置(1)の第1流路(10a)に往き配管路が連通接続され、第2流路(10b)に戻り配管路が連通接続された場合における給湯動作について説明する。
【0048】
この浴槽システムは、ダブル搬送方式の給湯手段を備えており、追い焚き機能から給湯機能に切り替えられた場合には、次のようにして給湯される。即ち、強制ポンプの駆動により上水管から供給された常温水が、熱源機に供給され、熱源機により入浴適温以上の高温に加熱される。この高温の加熱水は、図9に示すように、戻り配管路を介して浴槽接続装置(1)の第2流路(10b)に送られる。一方、往き配管路には上水管が連通接続されており、図9に示すように、上水管から供給された常温水が往き配管路を介して第1流路(10a)に送られる。このとき、第1及び第2流路(10a)(10b)は共に加圧状態になり、両流路(10a)(10b)の吸入弁(6)(6)は共に閉塞される一方、両流路の吐出弁(7)(7)は開放される。第1流路(10a)を流れる常温水と第2流路(10b)を流れる高温の加熱水は、図8に示すように、各吐出弁(7)(7)の下流側における単一の吐出口(55)の上流側近傍位置に設けられた合流部(12)で合流されて、直ちに単一の吐出口(55)から吐出される。
【0049】
このように強制循環用浴槽接続装置(1)は、いわゆるダブル搬送方式の給湯に好適に用いることができる。即ち、この浴槽接続装置(1)によれば、第1流路(10a)と第2流路(10b)とが単一の吐出口(55)に連通されているので、いわゆるダブル搬送方式の給湯がなされる場合に、第1流路(10a)から吐出される常温水と、第2流路(10b)から吐出される高温の加熱水とが混合されながら、単一の吐出口(55)から浴槽内に供給される。このため、高温の加熱水のみが直接浴槽内に吐出されることがないので、安全性が向上される。また、高温の加熱水と常温水が混合されながら浴槽内に吐出されるので、浴槽内の温度を均一に保ちながら給湯することができる。このため、温度センサーにより浴槽内の湯水温度を正確に検知することができるので、湯水温度を的確に制御することができる。しかも、単一の吐出口(55)の上流側近傍位置に合流部(12)が設けられているので、加熱水と常温水は合流後直ちに単一の吐出口(55)を介して吐出される。このため、合流後の水圧が極端に高くなることもなく、加熱水と常温水の吐水圧が相互に干渉され難いので、加熱水と常温水の混合比率を一定に保つことができ、所望温度の入浴適温水を得ることができる。
【0050】
逆に、第1流路(10a)に戻り配管路が接続され、第2流路(10b)に往き配管路が接続された場合にも、同様に、単一の吐出口(55)の直前の合流部(12)で高温の加熱水と常温水が合流され、直ちに単一の吐出口(55)から吐出される。従って、第1流路(10a)に往き配管路が接続され、第2流路(10b)に戻り配管路が接続された場合と同様にダブル搬送方式の給湯における安全性が向上され、浴槽内の温度を均一に保ちながら給湯することができる。しかも、加熱水と常温水の合流後における水圧が極端に高くなることもなく、両吐水圧が相互に干渉され難いので、加熱水と常温水の混合比率を一定に保つことができ、所望温度の入浴適温水を得ることができる。
【0051】
また、本実施形態の強制循環用浴槽接続装置(1)によれば、第1及び第2流路(10a)(10b)の各浴槽側流路部分(11a)(11b)を仕切る隔壁(402)が吐出側開口(43)から内方に退入して形成されてることにより、前記合流部(12)が装置本体(4)内に形成されてなるので、部材間継ぎ目等による乱流等の発生を可及的に抑制してスムーズな合流を可能にする。このため、両流路(10a)(10b)からの吐出圧が相互により干渉され難くなる。また、装置本体(4)内の吐出側開口(43)の上流側近傍から単一の吐出口(55)の下流側近傍にかけて加熱水と常温水とを効率的に混合することができる。
【0052】
更に、本実施形態の強制循環用浴槽接続装置(1)によれば、第1及び第2流路(10a)(10b)の各浴槽側流路部分(11a)(11b)を仕切る隔壁(402)の吐出側端部壁面の所定領域が吐出側開口(43)に向かうにつれて他方の流路側に傾斜する傾斜誘導壁面(403)として形成されてなるので、一方の流れが他方の流れ方向に拡散され、各流れの交差領域が拡大する。このため、加熱水と常温水の混合効率が向上される。
【0053】
更にまた、本実施形態の強制循環用浴槽接続装置(1)によれば、第1流路の吐出側端部における隔壁(402)に対向する側壁部が第1流路(10a)の吐出流方向を第2流路(10b)の吐出流方向に指向せしめる案内壁部(404)として形成されているので、各流れの交差領域がより一層拡大する。従って、加熱水と常温水の混合効率がより一層向上される。
【0054】
そして、浴槽内に一定以上の湯水が溜まった後、温度センサーにより浴槽内の湯水温度が検知されて、その結果により高温加熱水又は常温上水のどちらか一方が吐出され、所望温度の湯を張ることができる。
【0055】
なお、以上にこの発明の一実施形態である強制循環用浴槽接続装置について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0057】
また、上記実施形態では、装置本体(4)の案内壁部(404)は、扁平円筒部(40)の周壁部(400)延出させて形成されているが、案内壁部(404)の構成はこれに限られるものではなく、例えば第1及び第2流路における吐出側開口の上流側近傍位置にフィンを突出形成し、これにより各流路の吐出流方向を他の流路の吐出流方向に指向せしめるものであっても良く、相応の効果を得ることができる。
【0058】
その他、部材構成、各部材間の係合構造、各部材の形状、大きさ等、細部構成についての種々の設計変更も可能であることは言うまでもない。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、この発明にかかる強制循環用浴槽接続装置は、第1流路と第2流路のそれぞれに吸入弁と吐出弁が設けられ、前記第1流路と第2流路とが単一の吐出口に連通され、しかも該単一の吐出口の上流側近傍位置に合流部が設けられ、前記第1流路からの流れと前記第2流路からの流れが該合流部で合わさって前記単一の吐出口から吐出されるように構成されているので、ダブル搬送方式の給湯手段を備えた浴槽システムに好適に用いることができる。
【0060】
即ち、この発明にかかる強制循環用浴槽接続装置は、いわゆるダブル搬送方式の給湯がなされる場合に、高温の加熱水と常温水が混合されながら単一の吐出口から浴槽内に供給されるので、安全性が向上される。また、浴槽内の温度を均一に保ちながらダブル搬送による給湯をすることができ、湯水温度の制御を的確に行うことができる。しかも、第1流路と第2流路の合流部が単一の吐出口の上流側近傍に設けられているので、加熱水と常温水は合流後直ちに単一の吐出口を介して吐出される。このため、合流直前の第1及び第2流路からの吐水圧が相互に干渉され難く、各流路から吐出された加熱水と常温水の混合比率を一定に保つことができ、所望温度の入浴適温水を浴槽内に供給することができる。また、第1及び第2流路の各流路に吸入弁と吐出弁が設けられているので、無極性タイプの強制循環用浴槽接続装置として機能すると共に、いわゆるダブル搬送方式の給湯において加熱水と常温水を単一の吐出口から吐出させることができる。
【0061】
本発明において、前記第1流路及び前記第2流路における浴槽側流路部分は筒状の装置本体内の空間が仕切られて形成され、これらの二つの浴槽側流路部分を仕切る隔壁が前記装置本体の周壁部に設けられた吐出側開口から内方に退入して形成されてなる場合には、装置本体内に合流部を形成することができるという利点がある。従って、いわゆるダブル搬送方式の給湯をする場合に部材間継ぎ目等による乱流等の発生を可及的に抑制して加熱水と常温水のスムーズな合流を可能にすると共に、装置本体内の吐出側開口の上流側近傍から吐出口の下流側近傍にかけて加熱水と常温水とを効率的に混合することができる。
【0062】
また、上記の隔壁が内方に退入して形成された浴槽接続装置において、前記隔壁の吐出側端部壁面の所定領域が前記吐出側開口に向かうにつれて他方の流路側に傾斜する傾斜誘導壁面に形成されてなる場合には、ダブル搬送方式の給湯において一方の流れが傾斜誘導壁面に従って他方の流れ方向に拡散され、各流れの交差領域が拡大し、このため加熱水と常温水の混合効率が向上されるという利点がある。
【0063】
この発明の隔壁が内側に退入して形成された浴槽接続装置において、第1流路と第2流路の少なくともいずれか一方の吐出側端部に一方の吐出流方向を他方の吐出流方向に指向せしめる案内壁部が形成されてなる場合には、いわゆるダブル搬送方式の給湯において各流れの交差領域がより一層拡大するという利点がある。従って、加熱水と常温水の混合効率がより一層向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である強制循環用浴槽接続装置を分離状態で示す斜視図である。
【図2】同強制循環用浴槽接続装置が浴槽の側壁部に取り付けられた状態で示す断面図である。
【図3】装置本体を分離して示す斜視図である。
【図4】装置本体の流路形成体を示す平面図である。
【図5】装置本体の流路形成体を示す背面図である。
【図6】第1流路に往き配管路を連通接続し、第2流路に戻り配管路を接続した場合における装置本体の扁平円筒部内の循環湯水の流動軌跡を示す説明図である。
【図7】第1流路に戻り配管路を連通接続し、第2流路に往き配管路を接続した場合における装置本体の扁平円筒部内の循環湯水の流動軌跡を示す説明図である。
【図8】ダブル搬送方式による給湯状態における装置本体の扁平円筒部内の湯水の流動軌跡を示す説明図である。
【図9】ダブル搬送方式による給湯状態におけるこの発明の実施形態にかかる強制循環装置内の湯水の流動軌跡を示す説明図である。
【符号の説明】
1…強制循環用浴槽接続装置
10a…第1流路
10b…第2流路
4…装置本体
5…フィルターカバー
6…吸入弁
7…吐出弁
12…合流部
11a…浴槽側流路部分
11b…浴槽側流路部分
43…吐出側開口
55…吐出口
402…隔壁
403…傾斜誘導壁面
404…案内壁部

Claims (1)

  1. 熱源機に接続される往き配管路及び戻り配管路のうちのいずれか一方に連通接続される第1流路と、他方に連通接続される第2流路とを備え、
    前記第1及び第2流路は、それぞれ吸い込み方向の流れのみを許容する吸入弁を介して吸い込み口に連通されると共に、吐出方向の流れのみを許容する吐出弁を介して吐出口に連通されてなる強制循環用浴槽接続装置において、
    前記第1流路と第2流路とが単一の吐出口に連通されると共に、
    該単一の吐出口の上流側近傍位置に合流部が設けられ、
    前記第1流路からの流れと前記第2流路からの流れが該合流部で合わさって前記単一の吐出口から吐出されるように構成されてなり、
    前記第1流路及び前記第2流路における浴槽側流路部分は筒状の装置本体内の空間が仕切られて形成され、これらの二つの浴槽側流路部分を仕切る隔壁が前記装置本体の周壁部に設けられた吐出側開口から内方に退入して形成されることにより、前記装置本体内に前記合流部が形成され、
    前記隔壁の吐出側端部壁面の所定領域が前記吐出側開口に向かうにつれて他方の流路側に傾斜する傾斜誘導壁面に形成され、
    第1流路と第2流路の少なくともいずれか一方の吐出側端部に一方の吐出流方向を他方の吐出流方向に指向せしめる案内壁部が形成されてなることを特徴とする強制循環用浴槽接続装置。
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