JP2017106541A - 油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動力伝達切替機構の制御性の向上を図るとともに、可変調圧デバイスの数を低減した回路構成で動力伝達切替機構を制御することが可能な油圧制御装置を提供する。
【解決手段】 油圧制御装置のクラッチ切替弁(190)は、第1ソレノイド弁(142)の作動状態において、第1の信号圧(LS1)の作動油が入力される油路(122)と第一摩擦クラッチ(61)と接続する出力側の油路(223)とを連通させ、第2の信号圧(LS2)の作動油が入力される油路(124)と第二摩擦クラッチ(62)と接続する出力側の油路(222)とを連通させ、制御圧(CR)の作動油が入力される油路(113)と第四摩擦クラッチ(64)と接続する出力側の油路(224)とを連通させる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、ベルト式無段変速機構などの無段変速機構に減速機および増速機を組み合わせた無段変速機を制御する油圧制御装置に関する。
従来、車両などに搭載される変速用の無段変速機として、ベルト式無段変速機構などの無段変速機構に減速機および増速機を組み合わせた無段変速機がある。この種の無段変速機が備えるベルト式無段変速機構は、一対のプーリに無端ベルトを巻き掛けた構成であり、減速機又は増速機は、複数のギアを噛合させたギア列を有する構成である。また、この種の無段変速機は、動力伝達経路における動力伝達の有無を切り替えるため動力伝達切替機構として、複数のクラッチを備えている。また、このような無段変速機では、無段変速機全体の変速比(レシオ)幅の拡大を図るための構成として、例えば、特許文献1には、ベルト式無段変速機構の動力(トルク)伝達方向を、一方のプーリから他方のプーリへの第1方向と、他方のプーリから一方のプーリへの第2方向とに切り替えることができるように構成された無段変速機が開示されている。
国際公開2013/175568号公報
特許文献1のように正逆二つの方向に駆動力を伝達しうる無段変速機構を備える無段変速機では、無段変速機構と最終出力機構との間に動力伝達切替機構として噛合式の締結機構(ドグクラッチ)が用いられている。このドグクラッチは、一方の回転要素上に設けた歯車と他方の回転要素上に設けた他の歯車との間で軸方向に移動可能なスリーブなどの部材を備え、スリーブなどの部材が軸方向に移動することで、一方の回転要素と他方の回転要素との係合の有無を切り替えるように構成した機構である。締結機構(ドグクラッチ)の係合関係では回転要素間の相対的な回転数が一致していることが要求される。すなわち、係合および解放を行うために、回転要素間の相対的な回転数が一致したタイミングで切替制御を行う必要があり、制御性能としては限定されたものとなる。
これに対して、上記のような動力伝達切替機構の他の構成例として、摩擦材同士を当接させることで係合する構成の摩擦クラッチがある。例えば、4つの摩擦クラッチを、高速駆動用のクラッチ、高速従動用のクラッチ、低速駆動用のクラッチ、および低速従動用のクラッチとして使用して、リニアソレノイドバルブなどの可変調圧デバイスにより各クラッチの締結、解放を行うような油圧制御も考えられる。
しかしながら、制御対象として4つの摩擦クラッチに、専用の可変調圧デバイスを使用した場合、締結機構(ドグクラッチ)に比べて制御性は良くなる一方、油圧制御装置の部品点数は増加し、回路構成の大型化により重量も増大する。また、4つの摩擦クラッチに対して、専用の可変調圧デバイスを使用した場合、コストも増大することになる。
本発明は、動力伝達切替機構の制御性の向上を図るとともに、可変調圧デバイスの数を低減した回路構成で動力伝達切替機構を制御することが可能な油圧制御装置を提供する。
上記課題を解決するため本発明の第1の側面の油圧制御装置は、
駆動源からの駆動力が入力される入力軸(13)と、
前記入力軸(13)と平行に配置される第一出力軸(14)および第二出力軸(15)と、
前記第一出力軸(14)に設けられた第一プーリ(21)、前記第二出力軸(15)に設けられた第二プーリ(22)、及び前記第一プーリ(21)と前記第二プーリ(22)に巻き掛けられた無端ベルト(23)を有する無段変速機構(20)と、
前記入力軸(13)からの入力を減速させて駆動力を前記無段変速機構(20)に伝達する第一伝達経路(51)と、
前記入力軸(13)からの入力を増速させて駆動力を前記無段変速機構(20)に伝達する第二伝達経路(52)と、
前記第一出力軸(14)または前記第二出力軸(15)からの駆動力を出力する最終出力機構(30)と、
前記入力軸(13)から前記第一伝達経路(51)への動力伝達の有無を切り替える第一摩擦クラッチ(61)と、
前記入力軸(13)から前記第二伝達経路(52)への動力伝達の有無を切り替える第二摩擦クラッチ(62)と、
前記第二プーリ(22)から前記最終出力機構(30)への動力伝達の有無を切り替える第三摩擦クラッチ(63)と、
前記第一プーリ(21)から前記最終出力機構(30)への動力伝達の有無を切り替える第四摩擦クラッチ(64)と、を有する無段変速機(1)の油圧制御装置(100)であって、
前記油圧制御装置(100)は、
油圧ポンプから供給された作動油の吐出圧に基づいて生成されたライン圧(PH)を元圧として調圧した制御圧(CR)の作動油を出力する調圧弁(146)と、
前記制御圧(CR)を元圧として調圧した第1の信号圧(LS1)の作動油を出力する第1可変調圧弁(140)と、
前記制御圧(CR)を元圧として調圧した第2の信号圧(LS2)の作動油を出力する第2可変調圧弁(141)と、
前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第1ソレノイド弁(142)と、
前記第1ソレノイド弁(142)の前記セット状態または前記作動状態により、弁体(191)の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替えるクラッチ切替弁(190)と、を備え、
前記クラッチ切替弁(190)は、前記第1ソレノイド弁(142)の前記セット状態において、
前記第1の信号圧(LS1)の作動油が入力される油路(122)と、前記第四摩擦クラッチ(64)と接続する出力側の油路(224)と、を連通させ、
前記第2の信号圧(LS2)の作動油が入力される油路(124)と、前記第三摩擦クラッチ(63)と接続する出力側の油路(221)と、を連通させ、
前記制御圧(CR)の作動油が入力される油路(119)と、前記第一摩擦クラッチ(61)と接続する出力側の油路(223)と、を連通させ、
前記クラッチ切替弁(190)は、前記第1ソレノイド弁(142)の前記作動状態において、
前記第1の信号圧(LS1)の作動油が入力される油路(122)と、前記第一摩擦クラッチ(61)と接続する出力側の油路(223)と、を連通させ、
前記第2の信号圧(LS2)の作動油が入力される油路(124)と、前記第二摩擦クラッチ(62)と接続する出力側の油路(222)と、を連通させ、
前記制御圧(CR)の作動油が入力される油路(113)と、前記第四摩擦クラッチ(64)と接続する出力側の油路(224)と、を連通させることを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第2の側面によれば、前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第2ソレノイド弁(143)と、
前記第1の信号圧(LS1)および前記第2の信号圧(LS2)を検出する油圧センサ(1702)と、
前記油圧センサ(1702)で検出された信号圧と基準油圧との比較に基づき、前記第1可変調圧弁(140)または前記第2可変調圧弁(141)に異常が発生したか否かを判定する判定処理手段(1711)と、
前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定される場合に入力される作動油の油圧(APC)により、複数の入力側の油路(101、127)のいずれか一つの油路と、前記第1可変調圧弁(140)および前記第2可変調圧弁(141)と接続する出力側の油路(108)との連通状態を切り替え可能なクラッチ解放弁(150)と、を更に備え、
前記判定処理手段(1711)により前記第1可変調圧弁(140)または前記第2可変調圧弁(141)に異常が発生したと判定された場合に、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記複数の入力側の油路とは異なる油路(128)から入力される作動油の油圧(APC)に基づいて、前記連通状態を切り替えて、
前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)との連通状態を遮断し、
前記セット状態の前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)と、前記出力側の油路(108)とを連通させることを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第3の側面によれば、前記クラッチ解放弁(150)は、前記連通状態の遮断により、前記調圧弁(146)から入力された前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断することを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第4の側面によれば、前記第2ソレノイド弁(143)が、前記セット状態を前記作動状態に切替えて前記制御圧(CR)の作動油を出力した場合、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)から入力された前記制御圧(CR)の作動油を、前記出力側の油路(108)から出力することを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第5の側面によれば、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記判定処理手段(1711)により前記第1可変調圧弁(140)または前記第2可変調圧弁(141)に異常が発生していないと判定された場合に、前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)とを連通させ、前記制御圧(CR)の作動油を前記出力側の油路(108)から出力することを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第6の側面によれば、前記クラッチ切替弁(190)は、
前記第二摩擦クラッチ(62)と接続する出力側の油路(222)から分岐した分岐油路(225)と接続する接続部(193)と、
前記出力側の油路(222)から、前記分岐油路(225)および前記接続部を介して、入力された作動油の信号圧を受ける受圧部(226)と、を有し、
前記クラッチ切替弁(190)は、
前記受圧部(226)が受ける前記信号圧による付勢力により、前記弁体(191)の位置を保持することにより前記連通状態を維持することを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第7の側面によれば、前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第3ソレノイド弁(144)と、
前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第4ソレノイド弁(145)と、
前記第3ソレノイド弁(144)の前記セット状態または前記作動状態により、弁体(181)の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替える制御圧切替弁(180)と、
前記第4ソレノイド弁(145)の前記セット状態または前記作動状態により、弁体(161)の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替えるセレクタ切替弁(160)と、を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第8の側面によれば、前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記セット状態である場合、前記制御圧切替弁(180)は、前記クラッチ解放弁(150)と接続する油路(108)から入力された作動油を、前記クラッチ切替弁(190)の入力側の油路(113)に出力することを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第9の側面によれば、前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記セット状態である場合、
前記セレクタ切替弁(160)は、
前記クラッチ解放弁(150)と接続する油路(108、111)から入力された作動油を、前記制御圧切替弁(180)と接続する油路(117)に出力し、
前記制御圧切替弁(180)は、前記セレクタ切替弁(160)と接続する油路(117)から入力された作動油を、前記クラッチ切替弁(190)の入力側の油路(119)に出力することを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第10の側面によれば、前記無段変速機(1)は、
前記入力軸(13)からの駆動力を回転方向を逆にして前記第一出力軸(14)に伝達する第三伝達経路(53)と、
前記入力軸(13)に設けられ、前記入力軸(13)からの駆動力を前記第二伝達経路(52)に伝達するか前記第三伝達経路(53)に伝達するかを選択的に切り替える前後進切替機構(70)と、を更に備え、
前記油圧制御装置(100)は、
前記セレクタ切替弁(160)から入力される作動油の信号圧の付勢力に応じて移動可能な弁体(171)を有し、前記弁体(171)の移動した位置に応じて前記前後進切替機構(70)の切り替えを制御するセレクタ機構(170)を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第11の側面によれば、前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記セット状態である場合、
前記セレクタ切替弁(160)は、
前記調圧弁(146)と接続する油路(101、102)と、第1の出力用の油路(120)とを連通させ、
前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記作動状態である場合、
前記セレクタ切替弁(160)は、
前記調圧弁(146)と接続する油路(101、102)と、第2の出力用の油路(121)とを連通させることを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第12の側面によれば、前記セレクタ機構(170)は、
前記弁体(171)が、前記第1の出力用の油路(120)から供給された作動油の制御圧(PN)に基づいて、第1の位置(D)に移動した場合、前記駆動力を前記第二伝達経路(52)に伝達する前進モードを選択し、
前記弁体(171)が、前記第2の出力用の油路(121)から供給された作動油の制御圧(PR)に基づいて、第2の位置(R)に移動した場合、前記駆動力を前記第三伝達経路(53)に伝達する後進モードを選択することを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第13の側面によれば、前記クラッチ切替弁(190)から出力された作動油の油圧および前記セレクタ切替弁(160)から出力された作動油の油圧を検出する複数の油圧スイッチ(1703)を更に備え、
前記判定処理手段(1711)は、前記複数の油圧スイッチ(1703)で検出された油圧と基準油圧との比較に基づき、前記クラッチ切替弁(190)または前記セレクタ切替弁(160)に異常が発生したか否かを判定し、
前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定された場合に、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記複数の入力側の油路とは異なる油路(128)から入力される作動油の油圧(APC)に基づいて、前記連通状態を切り替えて、
前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)との連通状態を遮断し、
前記セット状態の前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)と、前記出力側の油路(108)とを連通させることを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第14の側面によれば、前記クラッチ切替弁(190)の弁体(191)の移動情報および前記セレクタ切替弁(160)の弁体(161)の移動情報を検出する複数のストロークセンサ(1704)を更に備え、
前記判定処理手段(1711)は、前記複数のストロークセンサ(1704)で検出された移動情報と基準値との比較に基づき、前記クラッチ切替弁(190)または前記セレクタ切替弁(160)に異常が発生したか否かを判定し、
前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定された場合に、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記複数の入力側の油路とは異なる油路(128)から入力される作動油の油圧(APC)に基づいて、前記連通状態を切り替えて、
前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)との連通状態を遮断し、
前記セット状態の前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)と、前記出力側の油路(108)とを連通させることを特徴とする。
また、本発明の油圧制御装置の第15の側面によれば、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記判定処理手段(1711)により前記クラッチ切替弁(190)または前記セレクタ切替弁(160)に前記異常が発生していないと判定された場合に、前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)とを連通させ、前記制御圧(CR)の作動油を前記出力側の油路(108)から出力することを特徴とする。
本発明の第1の側面乃至第15の側面の構成によれば、動力伝達切替機構として摩擦クラッチを用いることにより制御性の向上を図ることが可能になるとともに、可変調圧デバイスの数を低減した回路構成で動力伝達切替機構を制御することが可能になる。
また、本発明の第2の側面、および第3の側面の構成によれば、フェール時に摩擦クラッチを解放状態にすることで、意図しない車両の走行を防止することが可能になる。
また、本発明の第4の側面の構成によれば、フェール状態から走行可能な状態への復帰が可能になる。
また、本発明の第6の側面によれば、第1ソレノイド弁がフェール状態になっても、HIモードからLOWモードへの切り替えを防止し、HIモードの油圧制御を維持することが可能になる。
実施形態の無段変速機のスケルトン図である。 実施形態の無段変速機の軸配置を説明するための概略側面図。 LOWモードの動力伝達経路を示した無段変速機のスケルトン図。 LOWモードの動力伝達経路を示した無段変速機の概略側面図。 HIモードの動力伝達経路を示した無段変速機のスケルトン図。 HIモードの動力伝達経路を示した無段変速機の概略側面図。 RVSモードの動力伝達経路を示した無段変速機のスケルトン図。 RVSモードの動力伝達経路を示した無段変速機の概略側面図。 実施形態に係る油圧制御装置の油圧回路の構成を示す図。 LOWモードおよびHIモードの間における動作モードの切り替えを説明する図。 LOWモードにおける油圧回路の状態を示す図。 HIモードにおける油圧回路の状態を示す図。 RVSモードにおける油圧回路の状態を示す図。 バックアップモードにおける油圧回路の状態を示す図。 (a)LOWモード、RVSモード、HIモードを説明する図、(b)バックアップモードの油圧制御を説明する図。 バックアップモードの油圧制御を説明する図。 無段変速機の油圧制御装置の制御ブロック。
以下、図1〜図17に基づいて本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
[無段変速機の構成]
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態に係る無段変速機の構成を説明する。図1は、無段変速機1のスケルトン図である。図2は、無段変速機1の軸配置を説明するための概略側面図である。図2は、軸とギアの配置を概念的に示したものであり、軸方向から無段変速機1を見た場合の概略を示す。
図1に示すように、車両に搭載される無段変速機1は、エンジンである駆動源Eのクランクシャフト11と入力軸13との間にトルクコンバータ12が設置されている。車両の発進時の半クラッチ制御は、トルクコンバータ12により行う。無段変速機1は、駆動源Eからトルクコンバータ12を介して接続された入力軸13と、入力軸13に対して平行に配置された第一出力軸14と第二出力軸15とを備える。
図1及び図2に示すように、入力軸13は、駆動源Eからの駆動力が入力される主入力軸13Aと、主入力軸13Aと回転中心が同じであり第一摩擦クラッチ61を介して連結される中空の第一副入力軸13Bと、主入力軸13Aと回転中心が同じであり第二摩擦クラッチ62を介して連結される第二副入力軸13Cと、から構成される。第二副入力軸13Cは、第一副入力軸13Bの内部を貫通している。
第一出力軸14と第二出力軸15との間には、無段変速機構20が配設されている。無段変速機構20は、第一出力軸14に設けられた第一プーリ21と、第二出力軸15に設けられた第二プーリ22と、第一プーリ21と第二プーリ22との間に巻き掛けられた無端ベルト23(金属ベルト)とを備える。第一プーリ21および第二プーリ22のそれぞれの溝幅は油圧によって相互に増減可能に構成されている。第一プーリ21および第二プーリ22の溝幅の増減により、第一出力軸14および第二出力軸15の間の変速比は連続的に変化する。第一プーリ21は、第一出力軸14の内側軸14Aに固定された第一固定プーリ21Aと、第一固定プーリ21Aに対して接近・離間可能な第一可動プーリ21Bとで構成される。また、第二プーリ22は、第二出力軸15に固定された第二固定プーリ22Aと、第二固定プーリ22Aに対して接近・離間可能な第二可動プーリ22Bとで構成される。
入力軸13と第一出力軸14との間には、入力軸13からの入力を減速させて駆動力を無段変速機構20に伝達する第一伝達経路51が配設される。第一伝達経路51は、入力軸13に配設される第一伝達駆動ギア51Aと、第一出力軸14の外周軸14Bに配設される第一伝達従動ギア51Bとを有する。第一伝達駆動ギア51Aと第一伝達従動ギア51Bとのギア比は1よりも大きい。そのため、第一伝達経路51は、入力軸13からの駆動力を減速させて伝達する減速ギア列として機能する。
入力軸13と第二出力軸15との間には、入力軸13からの入力を増速させて駆動力を無段変速機構20に伝達する第二伝達経路52が配設される。第二伝達経路52は、入力軸13に配設される第二伝達駆動ギア52Aと、第二出力軸15に配設される第二伝達従動ギア52Bとを有する。第二伝達駆動ギア52Aと第二伝達従動ギア52Bとのギア比は1よりも小さい。そのため、第二伝達経路52は、入力軸13からの駆動力を増速させて無段変速機構20に伝達する増速ギア列として機能する。
入力軸13と第一出力軸14との間には、入力軸13からの駆動力の回転方向を逆転させて第一出力軸14に伝達する第三伝達経路53が配設される。第三伝達経路53は、入力軸13に配設される第三伝達駆動ギア53Aと、第一出力軸14に配設される第三伝達従動ギア53Cと、第三伝達駆動ギア53Aと第三伝達従動ギア53Cとの間に配設される第三伝達アイドルギア53Bを有する。第三伝達アイドルギア53Bはアイドル軸17上に支持されている。第三伝達アイドルギア53Bがあることによって、第三伝達経路53は、駆動力の回転方向を逆転させて伝達するギア列として機能する。
第一出力軸14と第二出力軸15との間には、第二出力軸15からの駆動力を第一出力軸14に伝達する中間伝達経路54が配設される。中間伝達経路54は、第二出力軸15に配設される中間伝達駆動ギア54Aと、第一出力軸14に配設される中間伝達従動ギア54Cと、中間伝達駆動ギア54Aと中間伝達従動ギア54Cとの間に配設される中間伝達アイドルギア54Bとを有する。中間伝達アイドルギア54Bはアイドル軸18上に支持されている。ここで、図1において、中間伝達アイドルギア54Bと中間伝達従動ギア54Cは隣接していないが、実際には、図2に示すように、中間伝達アイドルギア54Bと中間伝達従動ギア54Cとは互いに隣接し、これらは互いに噛合(係合)している。なお、本実施形態では、中間伝達駆動ギア54Aから中間伝達従動ギア54Cへの駆動力を伝達する中間伝達部材として中間伝達アイドルギア54Bを用いたが、必ずしもギアを用いる必要はない。例えば、第二出力軸15と第一出力軸14との間にチェーンを掛け渡すことで駆動力を伝達する構成でもよい。
入力軸13と同軸には、前後進切替機構70が配設される。前後進切替機構70は、入力軸13からの駆動力を第二伝達経路52に伝達するか、第三伝達経路53に伝達するかを選択的に切り替えるように構成されている。入力軸13の第二副入力軸13Cには、第二伝達駆動ギア52A及び第三伝達駆動ギア53Aが相対回転自在に支持されており、前後進切替機構70のスリーブ71を中立位置から図中左に動かすと、第二伝達駆動ギア52Aと入力軸13の第二副入力軸13Cとが結合し、駆動力が入力軸13から第二伝達経路52側に伝達される。一方、前後進切替機構70のスリーブ71を中立位置から図中右に動かすと、第三伝達駆動ギア53Aと入力軸13の第二副入力軸13Cとが結合し、駆動力が入力軸13から第三伝達経路53側に伝達される。
第一出力軸14の下流側には、第一出力軸14へ伝達された駆動力が出力される最終出力機構30が配設される。最終出力機構30は、第一出力軸14上に配設される最終駆動ギア31と、この最終駆動ギア31に噛み合う最終従動ギア32が外周に形成されたディファレンシャルギア33と、ディファレンシャルギア33で配分された駆動力を図示しない左右の駆動輪に伝達するための駆動軸35とを備える。なお、本実施形態では、第二出力軸15から最終出力機構30のディファレンシャルギア33への駆動力は、中間伝達経路54を経由して第一出力軸14に伝達された後に最終出力機構30へ伝達されるように構成しているが、これに限るものではない。したがって、例えば、他の例として、中間伝達経路54を介さず、第二出力軸15に最終駆動ギアを配設して、第二出力軸15の駆動力を最終出力機構30へ伝達するように構成してもよい。
次に、図1を用いて、無段変速機1内の動力伝達経路における動力伝達の有無を切り替えるための動力伝達切替機構の配置構成について説明する。本実施形態の無段変速機1では、動力伝達切替機構として4つの摩擦クラッチを用いている。具体的には、入力軸13から第一伝達経路51への動力伝達の有無を切り替える第一摩擦クラッチ61を入力軸13と同軸上に備え、入力軸13から第二伝達経路52への動力伝達の有無を切り替える第二摩擦クラッチ62を入力軸13と同軸上に備え、第二プーリ22から最終出力機構30への動力伝達の有無を切り替える第三摩擦クラッチ63を第二出力軸15と同軸上に備え、第一プーリ21から最終出力機構30への動力伝達の有無を切り替える第四摩擦クラッチ64を第一出力軸14と同軸上に備える。
詳細には、第一摩擦クラッチ61は、入力軸13と第一副入力軸13Bとの間に設けられている。第二摩擦クラッチ62は、入力軸13と第二副入力軸13Cとの間に設けられている。第三摩擦クラッチ63は、第二出力軸15上の第二固定プーリ22Aと中間伝達駆動ギア54Aとの間に設けられている。第四摩擦クラッチ64は、第一出力軸14上の第三伝達従動ギア53Cと第一固定プーリ21Aとの間に設けられている。
第一摩擦クラッチ61及び第二摩擦クラッチ62は、入力軸13と同軸上で且つ無段変速機構20よりも駆動源Eに近い側に配設される。また、第三摩擦クラッチ63は、第二プーリ22よりも駆動源Eに近い側に配設され、第四摩擦クラッチ64は、第一プーリ21よりも駆動源Eから遠い側に配設される。
次に、上記構成の無段変速機1において各変速モードにおける動力伝達経路について説明する。
(LOWモード(低速モード))
まず、無段変速機1でLOWモード(低速モード)を設定する場合を説明する。図3及び図4は、LOWモードの動力伝達経路を示す図である。LOWモードでは、第一摩擦クラッチ61(LOWモード駆動クラッチ:LRCL)が締結される。一方、第二摩擦クラッチ62(HIモード駆動クラッチ:HRCL)が解放される。このため、駆動源Eから主入力軸13Aに伝達された駆動力は、第一摩擦クラッチ61を介して第一副入力軸13Bに伝達され、第二摩擦クラッチ62の下流側にある第二副入力軸13Cには伝達されない。また、LOWモードでは、第三摩擦クラッチ63(LOWモード従動クラッチ:LNCL)は締結され、第四摩擦クラッチ64(HIモード従動クラッチ:HNCL)は解放される。
この結果、図3及び図4に示すように、駆動源Eの駆動力は、クランクシャフト11→トルクコンバータ12→主入力軸13A→第一副入力軸13B→第一伝達駆動ギア51A→第一伝達従動ギア51B→第一出力軸14→第一プーリ21→無端ベルト23→第二プーリ22→第二出力軸15→中間伝達駆動ギア54A→中間伝達アイドルギア54B→中間伝達従動ギア54C→第一出力軸14→最終駆動ギア31→最終従動ギア32→ディファレンシャルギア33→駆動軸35の経路で駆動輪に伝達される。
(HIモード(高速モード))
次に、無段変速機1においてHIモード(高速モード)を設定する場合を説明する。図5及び図6は、HIモードの動力伝達経路を示す図である。HIモードでは、第一摩擦クラッチ61(LOWモード駆動クラッチ:LRCL)が解放される。一方、第二摩擦クラッチ62(HIモード駆動クラッチ:HRCL)が締結される。このため、駆動源Eから主入力軸13Aに伝達された駆動力は、第二摩擦クラッチ62を介して第二副入力軸13Cに伝達され、第一摩擦クラッチ61の下流側にある第一副入力軸13Bには伝達されない。また、HIモードでは、第三摩擦クラッチ63(LOWモード従動クラッチ:LNCL)は解放され、第四摩擦クラッチ64(HIモード従動クラッチ:HNCL)が締結される。また、前後進切替機構70のスリーブ71をHI側(図中左)に動かして、第二副入力軸13Cと第二伝達駆動ギア52Aとを係合させる。
この結果、図5及び図6に示すように、駆動源Eの駆動力は、クランクシャフト11→トルクコンバータ12→主入力軸13A→第二副入力軸13C→第二伝達駆動ギア52A→第二伝達従動ギア52B→第二出力軸15→第二プーリ22→無端ベルト23→第一プーリ21→第一出力軸14→最終駆動ギア31→最終従動ギア32→ディファレンシャルギア33→駆動軸35の経路で駆動輪に伝達される。
(RVSモード(後進モード))
次に、無段変速機1においてRVSモード(後進モード)を設定する場合を説明する。図7及び図8は、RVSモードの動力伝達経路を示す図である。RVSモードでは、第一摩擦クラッチ61(LOWモード駆動クラッチ:LRCL)が解放される。一方、第二摩擦クラッチ62(HIモード駆動クラッチ:HRCL)が締結される。このため、駆動源Eから主入力軸13Aに伝達された駆動力は、第二摩擦クラッチ62を介して第二副入力軸13Cに伝達され、第一摩擦クラッチ61の下流側にある第一副入力軸13Bには伝達されない。また、RVSモードでは、第三摩擦クラッチ63(LOWモード従動クラッチ:LNCL)および第四摩擦クラッチ64(HIモード従動クラッチ:HNCL)が解放される。また、前後進切替機構70のスリーブ71をRVS側(図中右)に動かして、第二副入力軸13Cと第三伝達駆動ギア53Aとを係合させる。
この結果、図7及び図8に示すように、駆動源Eの駆動力は、クランクシャフト11→トルクコンバータ12→主入力軸13A→第二副入力軸13C→第三伝達駆動ギア53A→第三伝達アイドルギア53B→第三伝達従動ギア53C→第一出力軸14→最終駆動ギア31→最終従動ギア32→ディファレンシャルギア33→駆動軸35の経路で駆動輪に伝達される。このように、本実施形態のRVSモードによれば、無段変速機構20を用いることがない。
以上の構成により、本実施形態の無段変速機1によれば、入力軸13、第一出力軸14、第二出力軸15の3軸構成において、4つのクラッチのうち、第一摩擦クラッチ61と第二摩擦クラッチ62とを入力軸13と同軸上に配置しつつ、第三摩擦クラッチ63を第二出力軸15と同軸上に、また、第四摩擦クラッチ64を第一出力軸14と同軸上にそれぞれ配置した。このように、動力伝達切替機構(締結要素)を全て差回転吸収機能を有する摩擦クラッチとすることで、動力伝達切替機構の前後に差回転がある状態でも動力伝達の有無の切り替えが行えるようになる。そして、4つの摩擦クラッチを各軸上に分散して配置することで、3軸構成の無段変速機1の内部のスペースを効率よく利用することができ、摩擦クラッチを用いつつも軸数は従来のままで、且つ軸方向の全長増加を防止することができる。
また、図1などに示すように、第一出力軸14には、第一プーリ21を挟んで、駆動源Eに近い側である一方側に第一伝達従動ギア51Bが配設され、駆動源Eから遠い側である他方側に第四摩擦クラッチ64が配設されている。そして、第二出力軸15には、第二プーリ22を挟んで、一方側に第三摩擦クラッチ63が配設され、他方側に第二伝達従動ギア52Bが配設される。第三摩擦クラッチ63と第四摩擦クラッチ64とが、無段変速機構20を挟んで、軸方向の一方側と他方側に配設される。また、第一伝達従動ギア51Bと第二伝達従動ギア52Bとが、無段変速機構20を挟んで、軸方向の一方側と他方側に配設されることとなる。このように、無段変速機構20を挟んで、軸方向の一方側と他方側に同種の部材が互い違いに配設されることで、より一層、軸方向の空間を有効に活用することができ、摩擦クラッチを用いつつも軸数は従来のままで、且つ、軸方向の全長増加(無段変速機1の大型化)を防止することができる。
また、前後進切替機構70は、入力軸13の回転を増速させる第二伝達経路52と、入力軸13の回転を逆回転させる第三伝達経路53とを切り替えるように構成されている。これにより、従来のように、前後進切替機構が、入力軸の回転を減速させる経路と逆回転させる経路とを切り替える場合と比較して、本実施形態の構成は、前後進切替時に前後進切替機構70が吸収する慣性が小さくなる。このため、差回転がある状態でも前後進切替動作を行いやすくなる。よって、前後進の切り替えを伴う制御の応答性が向上する。
また、入力軸13の下流側を第一副入力軸13Bと第二副入力軸13Cの二重構造とすることにより、第一摩擦クラッチ61と第二摩擦クラッチ62とを効率よく配置することができる。さらに、第一摩擦クラッチ61及び第二摩擦クラッチ62は、入力軸13の軸上で、且つ、無段変速機構20よりも駆動源Eに近い側に配設されることとする。このように、同軸上に配設される複数の摩擦クラッチ(第一摩擦クラッチ61、第二摩擦クラッチ62)をより効率よく配置することで、無段変速機構20の周囲の空間を確保することができる。
また、第二出力軸15からの駆動力を第一出力軸14に伝達する中間伝達経路54を有することで、LOWモード、HIモード、RVSモードによらず、出力が最終的に第一出力軸14に集中する。このため、第一出力軸14のみに最終駆動ギア31を設ければ、最終的な出力が可能となる。
[油圧制御装置100の構成]
次に、無段変速機における変速機構および前後進切替機構を制御する油圧制御装置100の構成を説明する。
(制御ブロック図)
図17は無段変速機1の油圧制御装置100の制御ブロック図である。油圧制御装置100の制御ブロック図において、検出部1701は、油圧回路の作動油の油圧を検出する。検出部1701は、例えば、油圧センサ1702や油圧スイッチ1703を含む。油圧回路の複数の油圧センサ1702は、例えば、後述する第1リニアソレノイドバルブ140、および第2リニアソレノイドバルブ141から出力される作動油の油圧(信号圧LS1、LS2)を検出する。また、油圧スイッチ1703は、油圧回路の油路を流れる作動油の油圧を検出する。例えば、油圧回路の複数の油圧スイッチ1703は、後述するクラッチ切替弁190から出力された作動油の油圧およびセレクタ切替弁160から出力された作動油の油圧を検出することが可能である。
検出部1701は、更に、各種センサ1704を含む。各種センサ1704には、油圧回路を構成する各種弁などの機器、無段変速機1やその駆動源に設けられる各種のセンサが含まれる。各種センサ1704には、例えば、ストロークセンサ、入力回転センサ、出力回転センサ、前後進シフトポジションセンサ、フットブレーキセンサ等が含まれる。ストロークセンサは、後述する油圧回路を構成する各種弁の弁体の変位量を示す移動情報を検出する。例えば、複数のストロークセンサは、後述するクラッチ切替弁190の弁体191の移動情報およびセレクタ切替弁160の弁体161の移動情報を検出することが可能である。尚、ストロークセンサが検出する各種弁の弁体は、上記のセレクタ切替弁160、クラッチ切替弁190切替弁に限定されるものではなく、後述の各種弁の弁体の移動情報を検出するように配置可能である。入力回転センサは入力軸の回転を検出するセンサである。出力回転センサは、出力軸(例えば、第一出力軸、第二出力軸、最終出力機構等)の回転を検出するセンサであり、検知対象は出力部材自体であってもよいが、出力部材の回転が伝達される軸等、他の部位でもよい。前後進シフトポジションセンサは運転者が選択した前進モードまたは後進モードを検知する。フットブレーキセンサはブレーキペダルに対する運転者の操作の有無を検知する。
油圧制御部1710は、判定処理部1711および制御部1712を有する。判定処理部1711は、検出部1701の検出結果に基づいて、無段変速機1の状態を判定する。判定処理部1711は、油圧スイッチ1703により検出された油圧と基準油圧との比較に基づき、油圧に異常が発生したか否かを判定することが可能である。また、判定処理部1711は、油圧センサ1702で検出された信号圧と基準油圧との比較に基づき、後述する第1可変調圧弁(140)または第2可変調圧弁(141)に異常が発生したか否かを判定することが可能である。また、判定処理部1711は、ストロークセンサで検出されたストローク(移動情報)とストロークの基準値との比較に基づき、クラッチ切替弁190またはセレクタ切替弁160に異常が発生したか否かを判定することが可能である。
制御部1712は、判定処理部1711の判定結果に基づいて、アクチュエータ1720を制御する。ここで、アクチュエータ1720には、ソレノイド弁1721、および可変調圧弁1722が含まれる。ソレノイド弁1721には、後に説明する、第1ソレノイド弁(SOL A)142、第2ソレノイド弁(SOL B)143、第3ソレノイド弁(SOL C)144、および第4ソレノイド弁(SOL D)145が含まれる。また、可変調圧弁1722には、後に説明する、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140、および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141が含まれる。
(油圧回路の構成)
図9は、実施形態に係る油圧制御装置100の油圧回路の構成を示す図である。油圧制御装置100は、油圧回路の構成として、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141、第1ソレノイド弁(SOL A)142、第2ソレノイド弁(SOL B)143、第3ソレノイド弁(SOL C)144、第4ソレノイド弁(SOL D)145、CRバルブ(調圧弁)146、およびクラッチ解放弁150、セレクタ切替弁160、セレクタ機構170、制御圧切替弁180およびクラッチ切替弁190を有する。以下、油圧回路の構成を説明する。
(CRバルブ(調圧弁))
CRバルブ146(調圧弁)は、油圧ポンプから供給された作動油の吐出圧に基づいて生成されたライン圧(PH)を元圧として調圧した制御圧(CR)の作動油を出力する。不図示のレギュレータバルブには、駆動源Eにより駆動される油圧ポンプによってオイルタンクから汲み上げた作動油が圧送され、レギュレータバルブは、油圧ポンプから圧送された作動油の吐出圧をライン圧PHに調圧してCRバルブ146に供給する。
CRバルブ146は、レギュレータバルブから供給された作動油のライン圧PHを減圧して、制御圧CRを生成する。CRバルブ146は、生成した制御圧CRの作動油を、油路101を介してクラッチ解放弁150に供給する。また、CRバルブ146は、制御圧CRの作動油を、油路101から分岐した油路102を介してセレクタ切替弁160に供給する。更に、CRバルブ146は、制御圧CRの作動油を、油路103〜106を介して第1ソレノイド弁(SOL A)〜第4ソレノイド弁(SOL D)に供給する。
(第1ソレノイド弁〜第4ソレノイド弁)
第1ソレノイド弁(SOL A)〜第4ソレノイド弁(SOL D)は、CRバルブ146(調圧弁)から制御圧CRの作動油を入力し、セット状態で制御圧CRの作動油の出力を遮断し、作動状態で制御圧CRの作動油を出力するように構成されている。具体的には、第1ソレノイド弁(SOL A)〜第4ソレノイド弁(SOL D)は、ソレノイドへの通電によりスプールバルブが開閉するように構成されている。第1ソレノイド弁(SOL A)〜第4ソレノイド弁(SOL D)が、例えば、常時閉(ノーマルクローズ)タイプである場合、ソレノイドへの通電によりスプールバルブは開状態(作動状態)になり(ON状態)、ソレノイドへの通電を停止することにより、スプールバルブは閉状態(セット状態)になる(OFF状態)。以下の説明において、第1ソレノイド弁(SOL A)〜第4ソレノイド弁(SOL D)は、常時閉(ノーマルクローズ)タイプとして説明する。
ソレノイドへの通電によりスプールバルブが開くと、ソレノイド弁に入力用のポートから入力された作動油が出力用のポートから出力される。本実施形態では、第1ソレノイド弁(SOL A)〜第4ソレノイド弁(SOL D)に入力される作動油の油圧を制御圧CRとする。各ソレノイドから出力される作動油の油圧を明示的に区別するため、第1ソレノイド弁(SOL A)から出力される作動油の圧力を「ソレノイド圧(SA)」として表記し、第2ソレノイド弁(SOL B)から出力される作動油の圧力を「ソレノイド圧(SB)」として表記する。また、第3ソレノイド弁(SOL C)から出力される作動油の圧力を「ソレノイド圧(SC)」として表記し、第4ソレノイド弁(SOL D)から出力される作動油の圧力を「ソレノイド圧(SD)」として表記する。各ソレノイド圧は制御圧CRと実質的に同一の油圧である。
図11に示すように、LOWモード状態において、第1ソレノイド弁(SOL A)は、スプールバルブが閉じたセット状態(OFF状態)であり、第1ソレノイド弁(SOL A)は作動油をクラッチ切替弁190に出力しない。
一方、図12に示すように、HIモード状態において、第1ソレノイド弁(SOL A)は、ソレノイドへの通電によりスプールバルブが開いた作動状態(ON状態)となり、第1ソレノイド弁(SOL A)はソレノイド圧(SA)の作動油を、油路126を介してクラッチ切替弁190に出力する。
図11に示すLOWモード状態の油圧回路および図12に示すHIモード状態の油圧回路において、第2ソレノイド弁(SOL B)〜第4ソレノイド弁(SOL D)は、スプールバルブが閉じたセット状態(OFF状態)であり、第2ソレノイド弁(SOL B)〜第4ソレノイド弁(SOL D)の出力用のポートから作動油は出力されていない。
(クラッチ解放弁150)
図17の制御ブロック図で説明したように、判定処理部1711は、油圧スイッチ1703により検出された油圧と基準油圧との比較に基づき、油圧に異常が発生したか否かを判定する。例えば、判定処理部1711は、油圧スイッチ1703で検出された油圧と基準油圧との比較に基づき、後述するクラッチ切替弁190またはセレクタ切替弁160に異常が発生したか否かを判定する。また、判定処理部1711は、油圧センサ1702で検出された信号圧と基準油圧との比較に基づき、後述する第1可変調圧弁(140)または第2可変調圧弁(141)に異常が発生したか否かを判定する。クラッチ解放弁150は、判定処理部1711により異常が発生したと判定される場合に入力される作動油の油圧(APC)により、複数の入力側の油路(101、127)のいずれか一つの油路と、第1リニアソレノイドバルブ140および第2リニアソレノイドバルブ141等と接続する出力側の油路108との連通状態を切り替え可能である。図9、図11〜図14に示すように、出力側の油路108は、油路110、108を介して第1リニアソレノイドバルブ140および第2リニアソレノイドバルブ141と接続する他に、セレクタ切替弁160および制御圧切替弁180と接続している。
クラッチ解放弁150の弁体151は、弾性部材(バネ)152により、紙面の左側から右側に向けて付勢されている。また、クラッチ解放弁150には、油路128と接続する接続部153が設けられている。油圧APCの作動油は、判定処理部1711の判定の結果に基づいて、油路128からクラッチ解放弁150に入力される。接続部153の位置に対応する弁体151の側面部には、段差を有する受圧部155が形成されている。受圧部155が、油路128から入力された作動油の油圧(APC)により付勢されると、受圧部155に作用する付勢力は、弁体151を紙面の右側から左側に向けて付勢する。油圧(APC)による付勢力が弾性部材(バネ)152による付勢力より大きくなった場合、弁体151は、油圧(APC)に基づく付勢力と弾性部材(バネ)152に基づく付勢力との差分の付勢力に応じて、紙面の右側から左側に向けて移動して、入力側の油路と出力側の油路との連通状態が切り替えられる。
判定処理部1711により油圧(信号圧)に異常が発生していないと判定された場合、複数の入力側の油路(101、127)とは異なる油路128に油圧APCの作動油は入力されない。この場合、クラッチ解放弁150は、弾性部材(バネ)152による弁体151の移動により、CRバルブ146(調圧弁)から作動油を入力するための油路101と出力側の油路108とを連通させ、制御圧CRの作動油を出力側の油路108から出力する。すなわち、クラッチ解放弁150は、CRバルブ146から油路101を介して入力された制御圧CRの作動油を、油路108を介して制御圧切替弁180に出力する。また、クラッチ解放弁150は、制御圧CRの作動油を油路108から分岐した油路111を介してセレクタ切替弁160に出力する。更に、クラッチ解放弁150は、制御圧CRの作動油を油路108から分岐した油路109を介して、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140に出力する。また、クラッチ解放弁150は、制御圧CRの作動油を油路108から分岐した油路110を介して、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141に出力する。
一方、判定処理部1711の判定の結果に基づいて、油圧(信号圧)に異常が発生したと判定された場合に、制御部1712は、クラッチ解放弁150に、油路128を介して、油圧APCの作動油を入力するように油圧回路を制御する。クラッチ解放弁150は、油路128から入力される作動油の油圧APCに基づいて、油路の連通状態を切り替える。連通状態の切り替えにより、クラッチ解放弁150は、CRバルブ146(調圧弁)から作動油を入力するための油路101と、出力側の油路108との連通状態を遮断する。クラッチ解放弁150は、連通状態の遮断により、CRバルブ146(調圧弁)から入力された制御圧CRの作動油の出力を遮断する。
また、クラッチ解放弁150は、油路の連通状態を切り替えることにより、セット状態の第2ソレノイド弁(SOL B)143と接続する入力側の油路127と、出力側の油路108とを連通させる。尚、油路127と出力側の油路108とが連通しても、第2ソレノイド弁(SOL B)143が、出力ゼロのセット状態である場合は、第2ソレノイド弁(SOL B)143から制御圧CRの作動油は出力されない。
制御部1712の制御により、第2ソレノイド弁(SOL B)143の状態がセット状態から作動状態になると、第2ソレノイド弁(SOL B)143は、ソレノイド圧(SB)の作動油を、油路127を介してクラッチ解放弁150に出力する。油路127を介してソレノイド圧(SB)の作動油がクラッチ解放弁150に入力されると、クラッチ解放弁150は、制御圧CRの作動油を、出力側の油路108から出力する。尚、入出力の制御圧を明示的に区別するため、第2ソレノイド弁(SOL B)143から出力される作動油の制御圧をソレノイド圧(SB)として示している。この制御圧は、クラッチ解放弁150の入力ポート側に入力される作動油の制御圧を示している。また、クラッチ解放弁150の出力ポート側から出力される作動油の制御圧をCRとして示している。ソレノイド圧(SB)および制御圧CRは実質的に同一の制御圧である。
(セレクタ切替弁160)
セレクタ切替弁160は、第4ソレノイド弁(SOL D)145のセット状態(OFF状態)または作動状態(ON状態)により、弁体161の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替える。セレクタ切替弁160の弁体161は、弾性部材(バネ)162により、紙面の左側から右側に向けて付勢されている。第4ソレノイド弁(SOL D)145からのソレノイド圧(SD)の作動油がセレクタ切替弁160に供給されていないセット状態では、弾性部材(バネ)162による弁体161の移動により、セレクタ切替弁160の入力側の油路102とセレクタ切替弁160の出力側の油路120とが連通する。また、セレクタ切替弁160の入力側の油路111とセレクタ切替弁160の出力側の油路117とが連通する。
第4ソレノイド弁(SOL D)145の状態がセット状態(OFF状態)である場合に、セレクタ切替弁160は、クラッチ解放弁150から油路111を介して入力された制御圧CRの作動油を、油路117を介して制御圧切替弁180に出力する。図9、図11〜図14に示す油圧制御装置100の構成では、入出力の制御圧を明示的に区別するため、セレクタ切替弁160の入力ポート側の制御圧をCRとして示し、出力ポート側の制御圧をCR’’’として示しているが両者は実質的に同一の制御圧である。
また、第4ソレノイド弁(SOL D)145のセット状態(OFF状態)において、油路102と油路120とが連通状態になった場合に、セレクタ切替弁160は、油路102を介して入力された制御圧CRの作動油を、油路120を介して、セレクタ機構170に出力する(制御圧PN)。
制御部1712の制御により、第4ソレノイド弁(SOL D)145の状態がセット状態から作動状態になると、ソレノイド圧(SD)の作動油がセレクタ切替弁160に供給される。ソレノイド圧(SD)による付勢力が弾性部材(バネ)162による付勢力よりも大きくなると、弁体161は、ソレノイド圧(SD)に基づく付勢力と弾性部材(バネ)162に基づく付勢力との差分の付勢力に応じて、紙面の右側から左側に移動する。弁体161の移動により、セット状態で連通していた油路の接続関係は切替られ、セレクタ切替弁160の入力側の油路102とセレクタ切替弁160の出力側の油路121とが連通する。また、セレクタ切替弁160の入力側の油路115とセレクタ切替弁160の出力側の油路120とが連通する。
第4ソレノイド弁(SOL D)145の作動状態(ON状態)において、油路115と油路120とが連通状態になった場合に、セレクタ切替弁160は、油路115を介して入力された制御圧CR’の作動油を、油路120を介して、セレクタ機構170に出力する(制御圧PN)。ここで、セレクタ切替弁160から出力される作動油の制御圧PNは、油路102を介して入力された作動油の制御圧CR、CR’と実質的に同一である。
また、第4ソレノイド弁(SOL D)145の作動状態(ON状態)において、油路102と油路121とが連通状態になった場合、セレクタ切替弁160は、油路102を介して入力された制御圧CRの作動油を、油路121を介して、セレクタ機構170に出力する(制御圧PR)。ここで、セレクタ切替弁160から出力される作動油の制御圧PRは、油路102を介して入力された作動油の制御圧CRと実質的に同一である。
(セレクタ機構170)
セレクタ機構170は、セレクタ切替弁160から入力される作動油の信号圧の付勢力に応じて移動可能な弁体171を有し、弁体171の移動した位置に応じて前後進切替機構70の切り替えを制御する。セレクタ機構170は、作動油の信号圧により付勢された弁体171の位置に応じて前進モードまたは後進モードの切替えを行う。セレクタ機構170は、弁体171が、第1の出力用の油路120から供給された作動油の制御圧PNに基づいて、第1の位置(D)に移動した場合、駆動力を第二伝達経路52に伝達する前進モードを選択する。また、セレクタ機構170は、弁体171が、第2の出力用の油路121から供給された作動油の制御圧PRに基づいて、第2の位置(R)に移動した場合、駆動力を第三伝達経路53に伝達する後進モードを選択する。セレクタ機構170による前進モードまたは後進モードの切替えにより前後進切替機構70のスリーブ71は移動する。
セレクタ機構170の弁体171が紙面の右側に位置する状態では、前後進切替機構70は後進モード(R)を選択した状態になる。セレクタ機構170により後進モード(R)が選択された状態になると、前後進切替機構70のスリーブ71はRVS側(図1の右側)に移動して、第二副入力軸13Cと第三伝達駆動ギア53Aとを係合させる。
一方、セレクタ機構170の弁体171が紙面の左側に位置する状態では、前後進切替機構70は、前進モード(D)を選択した状態になる。セレクタ機構170により前進モード(D)が選択された状態になると、例えば、HIモードの場合、前後進切替機構70のスリーブ71はHI側(図1の左側)に移動して、第二副入力軸13Cと第二伝達駆動ギア52Aとを係合させる。図9に示す油圧制御装置100の構成では、前後進切替機構70のセレクタ機構170の弁体171は油路120から供給(入力)された作動油の制御圧PNにより付勢され、紙面の右側から左側に移動し、前進モード(D)を選択した状態になる。セレクタ機構170の動作による前進モード(D)または後進モード(R)の切替については、RVSモードの説明で詳細に説明する。
(制御圧切替弁180)
制御圧切替弁180は、第3ソレノイド弁(SOL C)144のセット状態(OFF状態)または作動状態(ON状態)により、弁体181の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替える。制御圧切替弁180の弁体181は、弾性部材(バネ)182により、紙面の左側から右側に向けて付勢されている。第3ソレノイド弁(SOL C)144からのソレノイド圧(SC)の作動油が制御圧切替弁180に供給されていないセット状態では、弾性部材(バネ)182による弁体181の移動により、油路108と油路113とが連通し、油路117と油路119とが連通する。
制御圧切替弁180は、クラッチ解放弁150から油路108を介して入力された制御圧CRの作動油を、制御圧CR´の作動油として油路113に出力する。制御圧切替弁180から出力された制御圧CR´の作動油は油路113を介してクラッチ切替弁190に入力される。図9、図11〜図14に示す油圧制御装置100の構成では、入出力の制御圧を明示的に区別するため、制御圧切替弁180の第1入力ポート側(油路108)の制御圧をCRとして示し、第1出力ポート側(油路113)の制御圧をCR´として示しているが両者は実質的に同一の制御圧である。また、制御圧切替弁180は、制御圧CR´の作動油を油路113から分岐した油路115を介してセレクタ切替弁160に出力する。
セレクタ機構170の弁体171が前進モード(D)に対応した位置(第1の位置(D))にある状態で、常時閉(ノーマルクローズ)タイプの第4ソレノイド弁(SOL D)145がフェール状態になり、第4ソレノイド弁(SOL D)145からソレノイド圧(SD)の作動油が出力されると、セレクタ切替弁160の弁体161はソレノイド圧(SD)により付勢される。ソレノイド圧(SD)による付勢力が弾性部材(バネ)162による付勢力よりも大きくなると、弁体161は、ソレノイド圧(SD)に基づく付勢力と弾性部材(バネ)162に基づく付勢力との差分の付勢力に応じて、紙面の右側から左側に移動する。弁体161の移動により、セレクタ切替弁160の入力側の油路102と出力側の油路120との連通状態は遮断される。また、油路111と油路117との連通状態も遮断される。一方、弁体161の移動により、セレクタ切替弁160の入力側の油路102と出力側の油路121とが連通した状態になり、セレクタ切替弁160は、油路102から入力された制御圧CRの作動油を油路121から出力する(制御圧PR)。制御圧PRの作動油は油路121を介してセレクタ機構170に入力され、制御圧PRは弁体171を紙面の左側から右側に向けて付勢する。制御圧PRは、前進モード(D)に対応した位置(第1の位置(D))にある弁体171を後進モード(R)に対応した位置(第2の位置(R))に向けて付勢するように作用する。
また、弁体161の移動により、セレクタ切替弁160の入力側の油路115と出力側の油路120とは連通状態になり、セレクタ切替弁160は、油路115から入力された制御圧CR´の作動油を、出力側の油路120から出力する(制御圧PN)。制御圧PNの作動油は油路120を介してセレクタ機構170に入力され、制御圧PNは弁体171を紙面の右側から左側に向けて付勢する。
ここで、作動油の制御圧の関係は、制御圧CR´(油路115)≒PN(油路120)、制御圧CR(油路102)≒PR(油路121)、制御圧CR(油路102)≒CR´(油路115)であるため、弁体171の左右に作用する制御圧PRと制御圧PNとは、実質的に等しくなる。すなわち、両者の関係は、制御圧PR(油路121)≒制御圧PN(油路120)となる。
弁体171の右側面(第1側面)の受圧面積(S1)は、左側面(第2側面)の受圧面積(S2)より大きく構成されている。このため、制御圧PN≒制御圧PRの関係を有する作動油が、油路120および油路121を介して、セレクタ機構170に入力された場合、弁体171の右側面(第1側面)に作用する制御圧PNに基づく付勢力(F1)は、弁体171の左側面(第2側面)に作用する制御圧PRに基づく付勢力(F2)より大きくなり、弁体171は、付勢力の差分(F1−F2)に基づいて、紙面の右側から左側に付勢される。
第4ソレノイド弁(SOL D)145が作動状態(ON状態)のフェール状態になった場合に、油路102から入力された作動油の出力先は油路120から油路121に切り替えられ、油路121からセレクタ機構170に入力された作動油の制御圧PRは、弁体171を第2の位置(R)に移動させるように作用する。この場合でも、セレクタ切替弁160は、入力側の油路115と出力側の油路120とを連通状態にして、油路120から制御圧PNの作動油をセレクタ機構170に供給する。制御圧PNの作動油が供給されることにより、弁体171は、制御圧PNに基づく付勢力(F1)および制御圧PRに基づく付勢力(F2)の差分(F1−F2)に基づいて、紙面の右側から左側に付勢される。第4ソレノイド弁(SOL D)145が作動状態(ON状態)のフェール状態になった場合であっても、油路115および油路120を介した信号圧PNの作動油の供給により、弁体171の位置は、前進モード(D)に対応した位置(第1の位置(D))に維持される。
更に、制御圧切替弁180は、セレクタ切替弁160から油路117を介して入力された制御圧CR’’’の作動油を、制御圧CR’’の作動油として油路119に出力する。制御圧切替弁180から出力された制御圧CR’’の作動油は、油路119を介してクラッチ切替弁190に入力される。入出力の制御圧を明示的に区別するため、制御圧切替弁180の第2入力ポート側(油路117)の制御圧をCR’’’として示し、第2出力ポート側(油路119)の制御圧をCR’’として示しているが両者は実質的に同一の制御圧である。
(リニアソレノイドバルブ(可変調圧弁))
本実施形態の油圧制御装置100は、2つのリニアソレノイドバルブ(第1リニアソレノイドバルブ140、第2リニアソレノイドバルブ141)により4つの摩擦クラッチ(第一摩擦クラッチ61、第二摩擦クラッチ62、第三摩擦クラッチ63、第四摩擦クラッチ64)の締結と解放を制御する。
第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140は、制御圧CRを元圧として調圧した第1の信号圧LS1の作動油を出力する。第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140は、ソレノイドへの通電量に応じた付勢力がスプールバルブに作用するように構成されており、付勢力に基づくスプールバルブの移動に従い作動油の油圧を調圧することが可能である。第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140は、入力側の油路109から入力された作動油の制御圧CRに基づいて通電量に応じた信号圧LS1の作動油を生成し、生成した信号圧LS1の作動油を、出力側の油路122を介してクラッチ切替弁190に出力する。
また、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141は、制御圧CRを元圧として調圧した第2の信号圧LS2の作動油を出力する。第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141は、ソレノイドへの通電量に応じた付勢力がスプールバルブに作用するように構成されており、付勢力に基づくスプールバルブの移動に従い作動油の油圧を調圧することが可能である。第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141は、入力側の油路110から入力された作動油の制御圧CRに基づいて通電量に応じた信号圧LS2の作動油を生成し、生成した信号圧LS2の作動油を、出力側の油路124を介してクラッチ切替弁190に出力する。
(クラッチ切替弁190)
次に、クラッチ切替弁190の構成について説明する。先に説明した第1ソレノイド弁(SOL A)142は、CRバルブ146(調圧弁)から制御圧CRの作動油を入力し、セット状態で制御圧CRの作動油の出力を遮断し、作動状態で制御圧CRの作動油を出力する。クラッチ切替弁190は、第1ソレノイド弁(SOL A)142のセット状態(OFF状態)または作動状態(ON状態)により、弁体191の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替える。
クラッチ切替弁190は、第1ソレノイド弁(SOL A)のON/OFFにより、作動油の入力側の油路と作動油の出力側の油路との連通状態を切替える。クラッチ切替弁190の弁体191は、弾性部材(バネ)192により、紙面の右側から左側に向けて付勢されている。第1ソレノイド弁(SOL A)からのソレノイド圧(SA)の作動油がクラッチ切替弁190に供給されていないセット状態では、弾性部材(バネ)192による弁体191の移動により、油路124と油路221とが連通し、油路119と油路223とが連通し、油路122と油路224とが連通した状態になる。
すなわち、第1ソレノイド弁(SOL A)142のセット状態において、クラッチ切替弁190は、第1の信号圧LS1の作動油が入力される油路122と、第四摩擦クラッチ64と接続する出力側の油路224と、を連通させる。
また、クラッチ切替弁190は、第2の信号圧LS2の作動油が入力される油路124と、第三摩擦クラッチ63と接続する出力側の油路221と、を連通させる。そして、クラッチ切替弁190は、制御圧CRの作動油が入力される油路119と、第一摩擦クラッチ61と接続する出力側の油路223とを連通させる。
一方、第1ソレノイド弁(SOL A)142からのソレノイド圧(SA)の作動油がクラッチ切替弁190に供給された作動状態では、弁体191にはソレノイド圧(SA)による付勢力が作用する。ソレノイド圧(SA)による付勢力が弾性部材(バネ)192による付勢力より大きくなると、ソレノイド圧(SA)に基づく付勢力と弾性部材(バネ)192に基づく付勢力との差分の付勢力に基づいて、弁体191は紙面の左側から右側に移動する。ソレノイド圧(SA)による弁体191の移動により、油路124と油路222とが連通し、油路122と油路223とが連通し、油路113と油路224とが連通した状態になる。
すなわち、第1ソレノイド弁(SOL A)142の作動状態において、クラッチ切替弁190は、第1の信号圧LS1の作動油が入力される油路122と、第一摩擦クラッチ61と接続する出力側の油路223と、を連通させる。また、クラッチ切替弁190は、第2の信号圧LS2の作動油が入力される油路124と、第二摩擦クラッチ62と接続する出力側の油路222と、を連通させる。そして、クラッチ切替弁190は、制御圧(CR)の作動油が入力される油路113と、第四摩擦クラッチ64と接続する出力側の油路224と、を連通させる。
(油圧制御装置100の動作)
次に、油圧制御装置100が実行する油圧制御について説明する。油圧制御装置100は、制御部1712の制御の下、無段変速機1のLOWモード(低速モード)、HIモード(高速モード)、およびRVSモード(後進モード)に対応した油圧制御を実行する。更に、油圧制御装置100は、油圧回路を構成する機器等(例えば、クラッチ切替弁190や第1リニアソレノイドバルブ140、または第2リニアソレノイドバルブ141等)に異常が発生したフェール時に対応したバックアップモードの油圧制御を実行する。油圧制御装置100は、油圧回路内に設けられている油圧センサ1702や油圧スイッチ1703により、油圧の異常が検出された場合、制御部1712の制御の下、バックアップモードの油圧制御を実行する。
図10は、LOWモード(低速モード)およびHIモード(高速モード)の間で動作モードの切り替えを行う場合において、4つの摩擦クラッチと、各摩擦クラッチに出力(供給)する油圧(信号圧(LS1、2)、制御圧CR)の関係を示す図である。4つの摩擦クラッチは、図1で説明した、第一摩擦クラッチ61、第二摩擦クラッチ62、第三摩擦クラッチ63、および第四摩擦クラッチ64である。図10において、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)は、第一摩擦クラッチ61を示し、HIモード駆動クラッチ(HRCL)は、第二摩擦クラッチ62を示す。また、LOWモード従動クラッチ(LNCL)は、第三摩擦クラッチ63を示し、HIモード従動クラッチ(HNCL)は、第四摩擦クラッチ64を示す。
図10に示すLOWモード1001は、LOWモードにおける4つの摩擦クラッチの締結・解放状態を示している。LOWモード1001からHIモード1007に動作モードの切り替えを行う場合に、油圧制御装置100の制御部1712は、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141を制御して、従動用のクラッチ(LNCL、HNCL)の持替えを行うクラッチ持替コントロール1(1002)の油圧制御を実行する。
クラッチ持替コントロール1(1002)における油圧制御により、4つの摩擦クラッチの締結・解放状態は、過渡モード1(1003)に示す状態になる。
また、油圧制御装置100の制御部1712は、第1ソレノイド弁(SOL A)142を制御して、4つの摩擦クラッチの締結・解放状態を維持しつつクラッチ切替弁190の入力側の油路と出力側の油路との連通状態の切替えを行う油路切替コントロール1004の油圧制御を実行する。
油路切替コントロール1004の油圧制御により、4つの摩擦クラッチの締結・解放状態は、過渡モード2(1005)に示す状態になる。
また、油圧制御装置100の制御部1712は、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141を制御して、駆動用のクラッチ(LRCL、HRCL)の持替えを行うクラッチ持替コントロール2(1006)の油圧制御を実行する。
クラッチ持替コントロール2(1006)における油圧制御により、4つの摩擦クラッチの締結・解放状態は、HIモード1007に示す状態になる。
図10では、LOWモード1001からHIモード1007に切り替えを行う場合を例として、LOWモード1001→クラッチ持替コントロール1(1002)→過渡モード1(1003)→油路切替コントロール1004→過渡モード2(1005)→クラッチ持替コントロール2(1006)→HIモード1007の順番で各動作モードを切り替える例を示している。HIモード1007からLOWモード1001に切り替えを行う場合、HIモード1007→クラッチ持替コントロール2(1006)→過渡モード2(1005)→油路切替コントロール1004→過渡モード1(1003)→クラッチ持替コントロール1(1002)→LOWモード1001の順番で各動作モードを切り替えればよい。尚、動作モードの切り替えにおいて、素早い変速が要求される場合等は、過渡モード1、2の何れか一方のみを経由して変速しても良い。
(LOWモード1001)
図11は、図10のLOWモード1001における油圧回路の状態を示す図である(LOWモード状態)。図11に示す油圧回路では、第1ソレノイド弁(SOL A)142〜第4ソレノイド弁(SOL D)145の出力はゼロである(セット状態)。図11において、ハッチングは、連通した油路を流れる作動油の流れを示すものである。
LOWモード状態において、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141は作動油の信号圧としてLS2を生成し、油路124を介してクラッチ切替弁190に出力する(LS2(ON))。クラッチ切替弁190は、油路124から入力された信号圧LS2の作動油を、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63に対して油路221を介して出力する。第三摩擦クラッチ63は、作動油の信号圧LS2に基づいて締結される。図10のLOWモード1001では、クラッチ切替弁190がLOWモード従動クラッチ(LNCL)に出力する作動油の油圧をLS2(ON)として示している。
また、クラッチ切替弁190は、油路119から入力された制御圧CR’’(=CR)の作動油を、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61に対して油路223を介して出力する。第一摩擦クラッチ61は、作動油の制御圧CR’’(=CR)に基づいて締結される。図10のLOWモード1001では、クラッチ切替弁190がLOWモード駆動クラッチ(LRCL)に出力する作動油の油圧をCRとして示している。
また、LOWモード1001において、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140は、生成する信号圧を信号圧LS1=ゼロとする(LS1(OFF))。クラッチ切替弁190の入力側の油路122と出力側の油路224とは連通しているが、クラッチ切替弁190の入力側の作動油の信号圧がゼロとなるため、出力側の作動油の信号圧もLS1=ゼロとなる。油路224は、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64と接続しているが、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140の出力側の作動油の信号圧はLS1=ゼロとなるため、第四摩擦クラッチ64は解放される。図10のLOWモード1001では、HIモード従動クラッチ(HNCL)に対応する油圧をLS1(OFF)として示している。
油路222は、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62と接続しているが、油路222とクラッチ切替弁190の入力側の油路とは非連通状態となり、油路222はケース内にて大気開放となる。作動油はクラッチ切替弁190に入力されず、クラッチ切替弁190から作動油は出力されないため、第二摩擦クラッチ62は解放される。図10のLOWモード1001では、HIモード駆動クラッチ(HRCL)に対応する油圧を「×」印で示している。
以上説明したように、LOWモード1001において、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は、作動油の制御圧CR’’(=CR)に基づいて締結された状態になり、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は、作動油の信号圧LS2(ON)により締結された状態になる。HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62およびHIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は解放される。
(クラッチ持替コントロール1(1002)における油圧制御)
クラッチ持替コントロール1(1002)において、油圧制御装置100の制御部1712は、従動用のクラッチ(LNCL、HNCL)の持替え、すなわち、従動用のクラッチの締結、解放の切り替えを行う。すなわち、クラッチ持替コントロール1(1002)において、油圧制御装置100の制御部1712は、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141のON・OFF状態の切り替えを行う。
図10のLOWモード1001では、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140から出力される作動油の信号圧はLS1=ゼロ(LS1(OFF))であるが、クラッチ持替コントロール1(1002)において、油圧制御装置100の制御部1712は、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140をON状態にする。すなわち、OFF状態からON状態への切り替えに基づいて、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140は作動油の信号圧としてLS1を生成し、油路122を介してクラッチ切替弁190に出力する(LS1(ON))。クラッチ切替弁190は、油路122から入力された信号圧LS1の作動油を、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64に対して油路224を介して出力する。第四摩擦クラッチ64は、作動油の信号圧LS1に基づいて締結される。
また、LOWモード状態では、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141から出力される作動油の信号圧はLS2(LS2(ON))であるが、クラッチ持替コントロール1(1002)において、油圧制御装置100の制御部1712は、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141をOFF状態にする。すなわち、ON状態からOFF状態への切り替えに基づいて、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141は作動油の信号圧をLS2=ゼロとする(LS2(OFF))。
クラッチ切替弁190の入力側の油路124と出力側の油路221とは連通しているが、クラッチ切替弁190の入力側の作動油の信号圧がゼロとなるため、出力側の作動油の信号圧もLS2=ゼロとなる。油路221は、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63と接続しているが、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141の出力側の作動油の信号圧はLS2=ゼロとなるため、第三摩擦クラッチ63は解放される。
クラッチ持替コントロール1(1002)において、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は、作動油の制御圧CR’’(=CR)に基づいて締結された状態は維持される。また、クラッチ持替コントロール1(1002)において、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62が解放された状態は維持される。
また、クラッチ持替コントロール1(1002)において、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141のON・OFF状態の切り替えにより、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は解放された状態になり、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は締結された状態になる。
(過渡モード1(1003))
クラッチ持替コントロール1(1002)における油圧制御により、4つの摩擦クラッチの締結・解放状態は、図10の過渡モード1(1003)に示す状態になる。LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は、作動油の制御圧CR’’(=CR)に基づいて締結された状態になる。図10の過渡モード1(1003)では、クラッチ切替弁190がLOWモード駆動クラッチ(LRCL)に出力する作動油の油圧をCRとして示している。
また、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は解放された状態になり、図10の過渡モード1(1003)では、LOWモード従動クラッチ(LNCL)に対応する油圧制御の状態をLS2(OFF)として示している。また、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62は解放された状態であり、図10の過渡モード1(1003)では、HIモード駆動クラッチ(HRCL)に対応する油圧制御の状態を大気開放を示す「×」印で示している。
また、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は作動油の信号圧LS1に基づいて締結された状態になり、図10の過渡モード1(1003)では、クラッチ切替弁190がHIモード従動クラッチ(HNCL)に出力する作動油の油圧をLS1(ON)として示している。
(油路切替コントロール1004の油圧制御)
油路切替コントロール1004では、4つの摩擦クラッチの締結・解放状態を維持しつつクラッチ切替弁190の入力側の油路と出力側の油路との連通状態の切替えを行う。
先に説明したLOWモード1001、クラッチ持替コントロール1(1002)および過渡モード1(1003)において、第1ソレノイド弁(SOL A)142はセット状態であり、クラッチ切替弁190の入力側の油路124と出力側の油路221とが連通し、入力側の油路119と出力側の油路223とが連通し、入力側の油路122と出力側の油路224とが連通した状態である。
油圧制御装置100の制御部1712は、油路切替コントロール1004において、第1ソレノイド弁(SOL A)142を制御して、第1ソレノイド弁(SOL A)142のスプールバルブを開状態(作動状態:ON状態)にする。
制御部1712の制御に基づいて、第1ソレノイド弁(SOL A)142からソレノイド圧(SA)の作動油がクラッチ切替弁190に供給される。ソレノイド圧(SA)による付勢力が弾性部材(バネ)192による付勢力より大きくなると、ソレノイド圧(SA)に基づく付勢力と弾性部材(バネ)192に基づく付勢力との差分の付勢力に応じた弁体191の移動によりクラッチ切替弁190は、作動油の入力側の油路と出力側の油路との連通状態を切替える。第1ソレノイド弁(SOL A)142からのソレノイド圧(SA)の作動油がクラッチ切替弁190に供給された作動状態では、ソレノイド圧(SA)の付勢力による弁体191の移動により、油路124と油路222とが連通し、油路122と油路223とが連通し、油路113と油路224とが連通した状態になる。
(信号圧LS1の出力先の変更(LRCLの締結状態の維持))
クラッチ切替弁190の入力側の油路と出力側の油路との連通状態の切り替えにより油路122から入力された信号圧LS1(ON)の作動油の出力先は油路224から油路223へと切り替えられる。ここで、油路224は、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64と接続しており、油路223はLOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61と接続している。連通状態の切り替えにより、油路223の作動油の信号圧はLS1(ON)となり、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は締結される。
先に説明したクラッチ持替コントロール1(1002)および過渡モード1(1003)においては、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は、作動油の制御圧CR’’(=CR)に基づいて締結された状態であり、油路切替コントロール1004により油路が切替えられても、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61の締結状態は維持される。
(信号圧LS2の出力先の変更(HRCLの解放状態の維持))
クラッチ切替弁190の入力側の油路と出力側の油路との連通状態の切り替えにより油路124から入力された信号圧LS2(OFF)の作動油の出力先は油路221から油路222へと切り替えられる。ここで、油路221はLOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63と接続しており、油路222はHIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62と接続している。連通状態の切り替えにより、油路222の作動油の信号圧はLS2=ゼロ(LS2(OFF))となり、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62は解放される。
先に説明したクラッチ持替コントロール1(1002)および過渡モード1(1003)において、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62は解放された状態であり、油路切替コントロール1004により油路が切替えられても、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62の解放状態は維持される。
(制御圧CRの出力先の変更(HNCLの締結状態の維持))
また、クラッチ切替弁190の入力側の油路と出力側の油路との連通状態の切り替えにより、油路119と油路223との間は非連通状態となり、油路113と油路224とが連通した状態になる。油路113から入力された制御圧CR´の作動油は油路224から出力される。油路224は、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64と接続しており、HIモード従動クラッチ(HNCL)に制御圧CR´(=CR)の作動油が供給され、第四摩擦クラッチ64は締結される。
先に説明したクラッチ持替コントロール1(1002)および過渡モード1(1003)においては、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は、作動油の信号圧LS1に基づいて締結された状態であり、油路切替コントロール1004により油路が切替えられても、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64の締結状態は維持される。
(油路221の連通状態(LNCLの解放状態の維持))
また、クラッチ切替弁190の入力側の油路と出力側の油路との連通状態の切り替えにより、クラッチ切替弁190の出力側の油路221と連通する入力側の油路は存在せず、油路221から作動油は出力されない。このため、油路221と接続しているLOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は解放状態となる。
先に説明したクラッチ持替コントロール1(1002)および過渡モード1(1003)においては、第2リニアソレノイドバルブ141の信号圧をLS2=ゼロ(LS2(OFF))とすることで、LOWモード従動クラッチ(LNCL)は解放された状態であり、油路切替コントロール1004により油路が切替えられても、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63の解放状態は維持される。
(過渡モード2(1005))
油路切替コントロール1004の油圧制御により、4つの摩擦クラッチの締結・解放状態は、図10の過渡モード2(1005)に示す状態になる。
LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は、油路切替コントロール1004による油路の切替えにより、作動油の信号圧LS1(ON)に基づいて締結される。先に説明したクラッチ持替コントロール1(1002)および過渡モード1(1003)においても、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は、作動油の制御圧CR’’(=CR)に基づいて締結された状態であり、油路切替コントロール1004により油路が切替えられても、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61の締結状態は維持される。図10の過渡モード2(1005)では、クラッチ切替弁190がLOWモード駆動クラッチ(LRCL)に出力する作動油の油圧をLS1(ON)として示している。
また、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は、油路切替コントロール1004による油路の切替えにより、解放された状態になる。先に説明したクラッチ持替コントロール1(1002)および過渡モード1(1003)においても、第2リニアソレノイドバルブ141の信号圧をLS2=ゼロ(LS2(OFF))とすることで、LOWモード従動クラッチ(LNCL)は解放された状態であり、油路切替コントロール1004により油路が切替えられても、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63の解放状態は維持される。図10の過渡モード2(1005)では、LOWモード従動クラッチ(LNCL)に対応する油圧制御の状態を、大気開放を示す「×」印で示している。
また、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62は、油路切替コントロール1004において、第2リニアソレノイドバルブ141の信号圧をLS2=ゼロ(LS2(OFF))とすることで、第二摩擦クラッチ62は解放された状態になる。
先に説明したクラッチ持替コントロール1(1002)および過渡モード1(1003)においても、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62は、解放された状態であり、油路切替コントロール1004により油路が切替えられても、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62の解放状態は維持される。図10の過渡モード2(1005)では、HIモード駆動クラッチ(HRCL)に対応する油圧制御の状態をLS2(OFF)として示している。
また、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は、油路切替コントロール1004による油路の切替えにより、制御圧CR´(=CR)の作動油が供給されることにより締結される。
先に説明したクラッチ持替コントロール1(1002)および過渡モード1(1003)においても、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は、作動油の信号圧LS1に基づいて締結された状態であり、油路切替コントロール1004により油路が切替えられても、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64の締結状態は維持される。図10の過渡モード2(1005)では、HIモード従動クラッチ(HNCL)に対応する油圧制御の状態をCRとして示している。
(クラッチ持替コントロール2(1006)における油圧制御)
クラッチ持替コントロール2(1006)において、油圧制御装置100の制御部1712は、駆動用のクラッチ(LRCL、HRCL)の持替え、すなわち、駆動用のクラッチの締結、解放の切り替えを行う。すなわち、クラッチ持替コントロール2(1006)において、油圧制御装置100の制御部1712は、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141のON・OFF状態の切り替えを行う。
制御部1712がクラッチ持替コントロール2(1006)の油圧制御を実行する場合に、図9の油圧回路では、油路切替コントロール1004の油圧制御により第1ソレノイド弁(SOL A)142からソレノイド圧(SA)の作動油が、油路126を介してクラッチ切替弁190に供給された作動状態になっている。
先に説明した、図10の過渡モード2(1005)の状態では、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141から出力される作動油の信号圧はLS2=ゼロ(LS2(OFF))であるが、クラッチ持替コントロール2(1006)において、油圧制御装置100の制御部1712は、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141をON状態にする。すなわち、OFF状態からON状態への切り替えに基づいて、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141は作動油の信号圧としてLS2を生成し、油路124を介してクラッチ切替弁190に出力する(LS2(ON))。クラッチ切替弁190は、油路124から入力された信号圧LS2の作動油を、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62に対して油路222を介して出力する。第二摩擦クラッチ62は、作動油の信号圧LS2に基づいて締結される。
また、図10の過渡モード2(1005)の状態では、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140から出力される作動油の信号圧はLS1(LS1(ON))であるが、クラッチ持替コントロール2(1006)において、油圧制御装置100の制御部1712は、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140をOFF状態にする。すなわち、ON状態からOFF状態への切り替えに基づいて、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140は作動油の信号圧をLS1=ゼロとする(LS1(OFF))。
クラッチ切替弁190の入力側の油路122と出力側の油路223とは連通しているが、クラッチ切替弁190の入力側の作動油の信号圧がゼロとなるため、出力側の作動油の信号圧もLS1=ゼロとなる。油路223は、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61と接続しているが、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140の出力側の作動油の信号圧はLS1=ゼロとなるため、第一摩擦クラッチ61は解放される。
また、クラッチ持替コントロール2(1006)において、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は、作動油の制御圧CR’(=CR)に基づいて締結される。先の過渡モード2(1005)の状態で、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は作動油の制御圧CR’(=CR)に基づいて締結されており、クラッチ持替コントロール2(1006)において、第四摩擦クラッチ64の締結状態は維持される。図10のHIモード1007では、クラッチ切替弁190がHIモード従動クラッチ(HNCL)に出力する作動油の油圧をCRとして示している。
更に、クラッチ持替コントロール2(1006)において、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は解放状態である。先に説明した過渡モード2(1005)においても、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は解放された状態であり、第三摩擦クラッチ63の解放状態は維持される。
(HIモード1007)
図12は、図10のHIモード1007における油圧回路の状態を示す図である(HIモード状態)。図12に示す油圧回路では、油路切替コントロール1004の油圧制御により第1ソレノイド弁(SOL A)142からソレノイド圧(SA)の作動油が、油路126を介してクラッチ切替弁190に供給された作動状態になっている。また、図12の油圧回路において、第2ソレノイド弁(SOL B)143〜第4ソレノイド弁(SOL D)145の出力はゼロである(セット状態)。また、図12において、ハッチングは、連通した油路を流れる作動油の流れを示すものである。
先に説明した、クラッチ持替コントロール2(1006)の油圧制御により、4つの摩擦クラッチの締結・解放状態は、図10のHIモード1007に示す状態になる。
図12において、クラッチ切替弁190の出力側の油路223は、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61と接続しているが、クラッチ持替コントロール2(1006)の油圧制御により、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140の出力側の作動油の信号圧はLS1=ゼロとなるため、第一摩擦クラッチ61は解放された状態になる。図10のHIモード1007では、LOWモード駆動クラッチ(LRCL)に対応する油圧をLS1(OFF)として示している。
図12において、クラッチ切替弁190の出力側の油路221は、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63と接続しているが、クラッチ切替弁190の入力側の油路と出力側の油路221とは接続していないため、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は解放される。先に説明した過渡モード2(1005)においても、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は、解放状態であり、クラッチ持替コントロール2(1006)により、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141のON・OFF状態の切り替えが行われた場合でも、LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63の解放状態は維持される。図10のHIモード1007では、LOWモード従動クラッチ(LNCL)に対応する油圧を「×」印で示している。
図12において、クラッチ切替弁190の出力側の油路222は、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62と接続している。クラッチ持替コントロール2(1006)の油圧制御により、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141が生成した信号圧LS2の作動油を、クラッチ切替弁190は、入力側の油路124から入力する。そして、クラッチ切替弁190は、油路124から入力された信号圧LS2の作動油を、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62に対して油路222を介して出力する。HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62は、信号圧LS2(ON)により締結された状態になる。図10のHIモード1007では、クラッチ切替弁190がHIモード駆動クラッチ(HRCL)に出力する作動油の油圧をLS2(ON)として示している。
また、図12において、クラッチ切替弁190の出力側の油路224は、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64と接続している。クラッチ切替弁190は、入力側の油路113から制御圧CR’の作動油を入力し、油路113から入力された制御圧CR’の作動油を、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64に対して油路224を介して出力する。HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は、作動油の制御圧CR’(=CR)により締結された状態になる。先に説明した過渡モード2(1005)においても、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は、作動油の制御圧CR’’(=CR)に基づいて締結された状態であり、クラッチ持替コントロール2(1006)により、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141のON・OFF状態の切り替えが行われた場合でも、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64の締結状態は維持される。図10のHIモード1007では、クラッチ切替弁190がHIモード従動クラッチ(HNCL)に出力する作動油の油圧をCRとして示している。
図12に示す油圧回路において、クラッチ切替弁190の出力側の油路222から分岐した油路225は、クラッチ切替弁190の接続部193と接続する。出力側の油路222から分岐した信号圧LS2の作動油は、油路225を介してクラッチ切替弁190に戻される。接続部193の位置に対応する弁体191の側面部には、段差を有する受圧部226が形成されている。受圧部226が、油路225から入力された作動油の油圧により付勢されると、受圧部226に作用する付勢力は、弁体191を紙面の左側から右側に向けて付勢する。油路225から入力された作動油の油圧に基づく付勢力は、弁体191の位置を保持するように作用する(セルフロック機能)。このセルフロック機能については、後のバックアップモード2で、詳細に説明する。
(RVSモード(後進モード)状態での動作)
次に、油圧制御装置100によるRVSモード(後進モード)の油圧制御について説明する。図13は、RVSモード(後進モード)における油圧回路の状態を示す図である。図13に示す油圧回路では、第2ソレノイド弁(SOL B)143の出力はゼロである(セット状態)。
油圧制御装置100の制御部1712は、第1ソレノイド弁(SOL A)142、第3ソレノイド弁(SOL C)144、および第4ソレノイド弁(SOL D)145を制御して、スプールバルブを開状態(ON)にする(作動状態)。第1ソレノイド弁(SOL A)142からソレノイド圧(SA)の作動油がクラッチ切替弁190に供給されると、ソレノイド圧(SA)の付勢力による弁体191の移動により、クラッチ切替弁190の入力側の油路と出力側の油路との連通状態は切替えられる。この連通状態の切り替えは、図10〜図12で説明したとおりである。
(第3ソレノイド弁(SOL C)144の制御)
第3ソレノイド弁(SOL C)144は、CRバルブ146(調圧弁)から制御圧CRの作動油を入力し、セット状態で制御圧CRの作動油の出力を遮断し、作動状態でソレノイド圧(SC)(≒制御圧CR)の作動油を出力する。制御部1712の制御により、第3ソレノイド弁(SOL C)144からソレノイド圧(SC)の作動油が制御圧切替弁180に供給される。ソレノイド圧(SC)による付勢力が弾性部材(バネ)182による付勢力より大きくなると、ソレノイド圧(SC)に基づく付勢力と弾性部材(バネ)182に基づく付勢力との差分の付勢力に応じた弁体181の移動により制御圧切替弁180は、作動油の入力側の油路と出力側の油路との連通状態を切替える。
第3ソレノイド弁(SOL C)144からのソレノイド圧(SC)の作動油が制御圧切替弁180に供給されていないセット状態では、油路108と油路113とが連通し、油路117と油路119とが連通した状態になる。
油路108から制御圧切替弁180に入力された制御圧CRの作動油は、油路113を介して制御圧CR´の作動油として、制御圧切替弁180から出力され、クラッチ切替弁190に供給される。また、油路117から制御圧切替弁180に入力された制御圧CR’’’の作動油は、油路119を介して制御圧CR’’の作動油として制御圧切替弁180から出力され、クラッチ切替弁190に供給される。入出力の制御圧を明示的に区別するため、制御圧切替弁180の入力ポート側の制御圧をCR、CR’’’として示し、出力ポート側の制御圧をCR’、 CR’’として示しているが、これらは実質的に同一の制御圧である。
第3ソレノイド弁(SOL C)144からのソレノイド圧(SC)の作動油が制御圧切替弁180に供給された作動状態では、ソレノイド圧(SC)の付勢力による弁体181の移動により、制御圧切替弁180の入力側の油路117と出力側の油路119の連通状態および制御圧切替弁180の入力側の油路108と出力側の油路113の連通状態は遮断される。ソレノイド圧(SC)の付勢力による弁体181の移動により、油路108と油路119とが連通した状態になる。油路108から制御圧切替弁180に入力された制御圧CRの作動油は、油路119を介して、制御圧CR’’の作動油として制御圧切替弁180から出力され、クラッチ切替弁190に供給される。
(第4ソレノイド弁(SOL D)145の制御)
第4ソレノイド弁(SOL D)145は、CRバルブ146(調圧弁)から制御圧CRの作動油を入力し、セット状態で制御圧CRの作動油の出力を遮断し、作動状態でソレノイド圧(SD)(≒制御圧CR)の作動油を油路129から出力する。制御部1712の制御により、第4ソレノイド弁(SOL D)145からソレノイド圧(SD)の作動油が、油路129からセレクタ切替弁160に供給される。ソレノイド圧(SD)による付勢力が弾性部材(バネ)162による付勢力より大きくなると、ソレノイド圧(SD)に基づく付勢力と弾性部材(バネ)162に基づく付勢力との差分の付勢力に応じた弁体161の移動によりセレクタ切替弁160は、作動油の入力側の油路と出力側の油路との連通状態を切替える。
第4ソレノイド弁(SOL D)145からのソレノイド圧(SD)の作動油がセレクタ切替弁160に供給されていないセット状態では、油路111と油路117とが連通し、油路102と油路120とが連通した状態になる。
油路111からセレクタ切替弁160に入力された制御圧CRの作動油は、油路117を介して制御圧CR’’’の作動油として、セレクタ切替弁160から出力され、制御圧切替弁180に供給される。また、油路102からセレクタ切替弁160に入力された制御圧CRの作動油は、油路120を介して制御圧PNの作動油としてセレクタ切替弁160から出力され、セレクタ機構170に供給される。入出力の制御圧を明示的に区別するため、セレクタ切替弁160の入力ポート側の制御圧をCRとして示し、油路120と接続している出力ポート側の制御圧をPNとして示しているが両者は実質的に同一の制御圧である。
第4ソレノイド弁(SOL D)145からのソレノイド圧(SD)の作動油がセレクタ切替弁160に供給された作動状態では、ソレノイド圧(SD)の付勢力による弁体161の移動により、セレクタ切替弁160の入力側の油路102と出力側の油路120の連通状態は遮断される。また、ソレノイド圧(SD)の付勢力による弁体161の移動により、油路111と油路117との連通状態も遮断される。
一方、第4ソレノイド弁(SOL D)145の作動状態において、セレクタ切替弁160の入力側の油路102と出力側の油路121とが連通した状態になる。油路102からセレクタ切替弁160に入力された制御圧CRの作動油は、油路121を介して、制御圧PRの作動油としてセレクタ切替弁160から出力され、セレクタ機構170に供給される。ここで、入出力の制御圧を明示的に区別するため、セレクタ切替弁160の入力ポート側の制御圧をCRとして示し、油路121と接続している出力ポート側の制御圧をPRとして示しているが両者は実質的に同一の制御圧である。
第4ソレノイド弁(SOL D)145の作動状態(ON状態)において、セレクタ切替弁160の入力側の油路115と出力側の油路120とは連通した状態になる。しかしながら、第3ソレノイド弁(SOL C)144が作動状態(ON状態)となり、制御圧切替弁180の出力側の油路113と入力側の油路108との連通状態は遮断されている。このため、制御圧切替弁180から油路113に作動油は出力されず、油路113から分岐している油路115にも制御圧切替弁180から作動油は出力されない。セレクタ切替弁160の入力側の油路115と出力側の油路120とが連通した状態となった場合でも、油路120から作動油は出力されない。
(セレクタ機構170の動作)
セレクタ機構170は、セレクタ切替弁160から入力される作動油の信号圧の付勢力に応じて移動可能な弁体171を有し、弁体171の移動した位置に応じて前後進切替機構70の切り替えを制御する。油路120から制御圧PNの作動油が、セレクタ機構170に入力されると、セレクタ機構170の弁体171は、作動油の制御圧PNにより付勢され、紙面の右側から左側に移動する。セレクタ機構170の弁体171が紙面の左側に位置する状態では、前後進切替機構70は、前進モード(D)を選択した状態になる。
一方、油圧制御装置100の制御部1712が第4ソレノイド弁(SOL D)145を制御して、スプールバルブを開状態(ON)にすると(作動状態)、セレクタ切替弁160に接続する入力側の油路と出力側の油路との連通状態が切り替えられる。連通状態の切り替えにより、セレクタ切替弁160の入力側の油路102と連通する出力側の油路は、油路120から油路121に切り替えられる。出力側の油路の切り替えにより、油路121から制御圧PRの作動油がセレクタ機構170に入力される。セレクタ機構170の弁体171は、作動油の制御圧PRにより付勢され、紙面の左側から右側に移動する。セレクタ機構170の弁体171が紙面の右側に位置する状態では、前後進切替機構70は、後進モード(R)を選択した状態になる。セレクタ機構170により後進モード(R)が選択された状態になると、前後進切替機構70のスリーブ71はRVS側(図1の右側)に移動して、第二副入力軸13Cと第三伝達駆動ギア53Aとを係合させる。これにより、RVSモード(後進モード)状態への移行が完了する。
図15(a)は、LOWモード、RVSモード、HIモードを説明する図であり、各動作モードにおけるソレノイド弁の状態(ソレノイド状態)、クラッチ圧の状態、セレクタ機構170に供給される制御圧(セレクタ圧)およびセレクタ機構170の弁体171の位置の関係を示している。
(LOWモード1501)
LOWモード1501は、先に説明した図10のLOWモード1001および図11の油圧回路の状態に対応する。LOWモード1501において、第1ソレノイド弁(SOL A)142、第3ソレノイド弁(SOL C)144、および第4ソレノイド弁(SOL D)145の出力はゼロである(図15(a)では、出力ゼロのセット状態を「×」印で示している)。
LOWモード1501において、各摩擦クラッチに供給される圧力(クラッチ圧)の関係は、図10のLOWモード1001で示したようになる。LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は、作動油の制御圧CR’’(=CR)に基づいて締結された状態である。HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62は解放された状態である(図15(a)では、解放状態を「×」印で示している)。LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は作動油の信号圧LS2(ON)に基づいて締結された状態である。HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は、作動油の信号圧がLS1=ゼロとなるため、解放された状態である(LS1(OFF))。
LOWモード1501において、セレクタ機構170に供給される制御圧(セレクタ圧)はPNであり、セレクタ機構170の弁体171の位置は、前進モード(D)に対応した位置となる(FWD)。
(HIモード1503)
HIモード1503は、先に説明した図10のHIモード1007および図12の油圧回路の状態に対応する。HIモード1503において、第1ソレノイド弁(SOL A)142は作動状態(ON状態)になり(図15(a)では、作動状態(ON状態)を「○」印で示している)、第3ソレノイド弁(SOL C)144、および第4ソレノイド弁(SOL D)145の出力はゼロである(図15(a)では、出力ゼロのセット状態を「×」印で示している)。
HIモード1503において、各摩擦クラッチに供給される圧力(クラッチ圧)の関係は、図10のHIモード1007で示したようになる。LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は、作動油の信号圧がLS1=ゼロとなるため、解放された状態である(LS1(OFF))。HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62は、作動油の信号圧LS2(ON)に基づいて締結された状態である。LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は解放された状態である(図15(a)では、解放状態を「×」印で示している)。HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は、作動油の制御圧CR’(=CR)に基づいて締結された状態である。
HIモード1503において、セレクタ機構170に供給される制御圧(セレクタ圧)はPNであり、セレクタ機構170の弁体171の位置は、前進モード(D)に対応した位置となる(FWD)。
(RVSモード1502)
RVSモード1502は、先に説明した図13の油圧回路の状態に対応する。RVSモード1502において、第1ソレノイド弁(SOL A)142、第3ソレノイド弁(SOL C)144、および第4ソレノイド弁(SOL D)145は作動状態(ON状態)になる(図15(a)では、作動状態(ON状態)を「○」印で示している)。
RVSモード1502において、各摩擦クラッチに供給される圧力(クラッチ圧)の関係は、以下のようになる。LOWモード駆動クラッチ(LRCL)として機能する第一摩擦クラッチ61は、作動油の信号圧がLS1=ゼロとなるため、解放された状態である(LS1(OFF))。HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62は、作動油の信号圧LS2(ON)に基づいて締結された状態である。LOWモード従動クラッチ(LNCL)として機能する第三摩擦クラッチ63は解放された状態である(図15(a)では、解放状態を「×」印で示している)。
第3ソレノイド弁(SOL C)144を作動状態(ON状態)にすることにより、制御圧切替弁180の連通状態が切り替えられ、油路113から制御圧CR’(=CR)の作動油が出力されなくなる。このため、油路113介してクラッチ切替弁190に入力される作動油の制御圧CR’(=CR)はゼロになり、HIモード従動クラッチ(HNCL)として機能する第四摩擦クラッチ64は解放された状態である(図15(a)では、解放状態を「×」印で示している)。
RVSモード1502において、セレクタ機構170に供給される制御圧(セレクタ圧)はPRであり、セレクタ機構170の弁体171の位置は、後進モード(R)に対応した位置となる(RVS)。
(バックアップモード状態での動作)
(バックアップモード1(APC入力によるクラッチ解放))
次に、油圧制御装置100の制御部1712によるバックアップモードの油圧制御について説明する。図14は、バックアップモードにおける油圧回路の状態を示す図である。図14に示す油圧回路において、第2ソレノイド弁(SOL B)143の出力はゼロである(セット状態)。尚、図14に示す油圧回路において、第1ソレノイド弁(SOL A)142、第3ソレノイド弁(SOL C)144、および第4ソレノイド弁(SOL D)145は、作動状態(ON状態)を示しているが、作動状態に限定されるものではなく、出力ゼロのセット状態であってもよい。
油圧制御装置100の判定処理部1711が、油圧センサ1702、または油圧スイッチ1703の検出結果に基づいて、油圧の異常(フェール状態)を検出した場合、制御部1712は、バックアップモードの油圧制御として、クラッチ解放弁150に、油路128を介して、油圧APCの作動油を入力するように油圧回路を制御する。油圧APCは、例えば、可動プーリ(第一可動プーリ21B、第二可動プーリ22B)のプーリ幅を制御するために必要とされる油圧を、通常使用する圧力値を超えて、昇圧可能な最大圧力まで昇圧した圧力である。
クラッチ解放弁150には、油路128と接続する接続部153が設けられており、接続部153の位置に対応する弁体151の側面部には、段差を有する受圧部155が形成されている。受圧部155が、油路128から入力された作動油の油圧APCにより付勢されると、受圧部155に作用する付勢力は、弁体151を紙面の右側から左側に向けて付勢する。
クラッチ解放弁150の弁体151は弾性部材(バネ)152により、紙面の左側から右側に向けて付勢されている状態であるが、受圧部155が油圧APCにより付勢され、油圧APCによる付勢力が弾性部材(バネ)152による付勢力より大きくなった場合、油圧APCに基づく付勢力と弾性部材(バネ)152に基づく付勢力との差分の付勢力に基づいて、弁体151は紙面の右側から左側に向けて移動して、クラッチ解放弁150の入力側の油路と出力側の油路との連通状態が切り替えられる。
弁体151の移動により、クラッチ解放弁150の入力側の油路101と出力側の油路108との連通状態は遮断される。クラッチ解放弁150の入力側の油路101と出力側の油路108との連通状態が遮断されることにより、クラッチ解放弁150の出力側の油路108から作動油は出力されなくなり、制御圧切替弁180を経由してクラッチ切替弁190に入力される作動油の制御圧CR’、CR’’(=CR)はゼロになる。また、2つのリニアソレノイドバルブ(第1リニアソレノイドバルブ140、第2リニアソレノイドバルブ141)における元圧(制御圧CR)がゼロとなるため、信号圧LS1、LS2もゼロになり、4つの摩擦クラッチ(第一摩擦クラッチ61、第二摩擦クラッチ62、第三摩擦クラッチ63、第四摩擦クラッチ64)は解放状態になる。
図15(b)は、バックアップモードの油圧制御を説明する図であり、フェールモードの状態おけるソレノイド弁の状態、クラッチ圧の状態、セレクタ機構170に供給される制御圧(セレクタ圧)およびセレクタ機構170の弁体171の位置の関係を示している。図15(b)のフェールモード1504は、制御部1712がバックアップモードの油圧制御を実行することにより、他の動作モード(LOWモード、HIモード、RVSモード)の状態から切替えられる動作モードである。
フェールモード1504において、第2ソレノイド弁(SOL B)143は、出力ゼロのセット状態である(図15(b)では、「×」印で示している)。制御部1712は、油圧APCの作動油を供給するための油圧機器を制御して、油路128を介してクラッチ解放弁150に油圧APCの作動油を供給するためのバックアップモードの油圧制御を実行することが可能である。制御部1712がバックアップモードの油圧制御を実行することにより、クラッチ解放弁150には、油圧APCが入力される。先に説明したように、油圧APCは、例えば、可動プーリを制御するために必要とされる油圧を、通常使用する圧力値を超えて、昇圧可能な最大圧力まで昇圧した圧力であり、図15(b)では、油圧APCの値をMAXとして示している。
油圧APCがクラッチ解放弁150に入力されることにより、2つのリニアソレノイドバルブ(第1リニアソレノイドバルブ140、第2リニアソレノイドバルブ141)に対する元圧(制御圧CR)がゼロとなるため、4つの摩擦クラッチ(第一摩擦クラッチ61、第二摩擦クラッチ62、第三摩擦クラッチ63、第四摩擦クラッチ64)は解放状態になる。図15(b)では、各摩擦クラッチに供給される圧力(クラッチ圧)の関係として、解放状態を「×」印で示している。
フェールモード1504において、4つの摩擦クラッチは解放状態になるが、油路102を介してセレクタ機構170に入力される制御圧CRは遮断されていない。制御部1712は、第4ソレノイド弁(SOL D)144をセット状態(OFF状態)または作動状態(ON状態)に制御することで、制御圧PNまたは制御圧PRの出力を制御することができる。セレクタ機構170に供給される制御圧(セレクタ圧)およびセレクタ機構170の弁体171の位置は、第4ソレノイド弁(SOL D)144の動作状態に基づいて制御可能である。制御圧(セレクタ圧)および弁体171の位置を特定しなくても、フェールモード1504の油圧制御を実行することは可能である。このため、図15(b)では、制御圧(セレクタ圧)および弁体171の位置を具体的に特定しない不定状態として「−」印を示している。
フェールモード1504において、油圧回路内に設けられている油圧センサ1702や油圧スイッチ1703により、油圧の異常(フェール状態)が検出された場合、4つの摩擦クラッチを解放状態にすることで、摩擦クラッチのインターロックを防止することが可能になる。これにより、意図しない車両の走行(異走)を防止することが可能になる。
(フェール状態からの復帰)
(油圧APCの制御が可能な場合のフェール状態からの復帰)
先に説明したバックアップモードの油圧制御において、制御部1712は、油圧APCの作動油を供給するための油圧機器を制御して、油圧APCの作動油をクラッチ解放弁150に供給することにより図15(b)に示すようなフェールモード1504の状態することができる。制御部1712の制御の下にフェールモード1504の状態にした場合、制御部1712は油圧APCを減圧するよう油圧機器を制御することにより、フェールモード1504の状態から復帰させることができる。
フェールモード1504の状態で、クラッチ解放弁150の弁体151は、油圧APCに基づく付勢力と弾性部材(バネ)152に基づく付勢力との差分の付勢力に基づいて、紙面の右側から左側に向けて付勢されている。油圧APCを減圧するように制御部1712が油圧機器を制御して、油圧APCによる付勢力が弾性部材(バネ)152による付勢力より小さくなった場合、弾性部材(バネ)152に基づく付勢力と油圧APCに基づく付勢力との差分の付勢力に基づいて、弁体151は紙面の左側から右側に向けて移動して、クラッチ解放弁150の入力側の油路101と出力側の油路108とが連通した状態に切り替えられる。
クラッチ解放弁150の入力側の油路101と出力側の油路108とが連通した状態になると、クラッチ解放弁150の出力側の油路108から作動油が出力されるようになり、制御圧切替弁180を経由してクラッチ切替弁190に、制御圧CR’、CR’’(=CR)の作動油が入力される。また、2つのリニアソレノイドバルブ(第1リニアソレノイドバルブ140、第2リニアソレノイドバルブ141)に、元圧(制御圧CR)の作動油が供給されるため、制御部1712の制御(クラッチ持替コントロール1、2)の下に、2つのリニアソレノイドバルブは、信号圧LS1、LS2を生成する。また、制御部1712の制御(油路切替コントロール)の下に、切替えられた油路から供給される作動油の油圧(信号圧LS1、LS2、制御圧CR’、CR’’(=CR))に基づいて、4つの摩擦クラッチ(第一摩擦クラッチ61、第二摩擦クラッチ62、第三摩擦クラッチ63、第四摩擦クラッチ64)は所定の動作モードに対応した締結、解放状態に復帰する。4つの摩擦クラッチが所定の動作モードに対応した締結、解放状態に復帰することにより、車両は移動可能な状態になる。
(油圧APCの制御ができない場合のフェール状態からの復帰)
油圧APCの作動油を供給するための油圧機器がフェール状態になると、制御部1712の制御によらずに、油圧APCの作動油が油路128を介してクラッチ解放弁150に供給され、図15(b)に示すフェールモード1504の状態になる場合が生じ得る。以下の説明では、油圧APCの作動油を供給するための油圧機器がフェール状態になり、制御部1712の制御によらずに油圧APCが供給されることにより生じた、図15(b)に示すフェールモード1504の状態から車両を移動可能な状態に復帰させるリカバリの油圧制御について説明する。油圧APCの作動油の入力により、クラッチ解放弁150は、連通状態を切り替えて、入力側の油路127と、出力側の油路108とを連通させる。図15(b)に示す状態では、第2ソレノイド弁(SOL B)143が、出力ゼロのセット状態であり、第2ソレノイド弁(SOL B)143から制御圧CRの作動油は出力されない。
リカバリの油圧制御を実行する場合、油圧制御装置100の制御部1712は、第2ソレノイド弁(SOL B)143の状態をセット状態から作動状態に切替える。第2ソレノイド弁(SOL B)143が制御圧CRの作動油を出力すると、クラッチ解放弁150は、2ソレノイド弁(SOL B)143と接続する入力側の油路127から入力された制御圧CRの作動油を、出力側の油路108から出力する。
また、クラッチ解放弁150は、制御圧CRの作動油を油路108から分岐した油路111を介してセレクタ切替弁160に出力する。セレクタ切替弁160および制御圧切替弁180に対して、制御圧CRの作動油が出力(供給)されることにより、制御圧切替弁180を経由してクラッチ切替弁190に入力される作動油の油圧はゼロの状態から制御圧CR’、CR’’(=CR)に復帰する。
更に、クラッチ解放弁150は、制御圧CRの作動油を油路108から分岐した油路109を介して、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140に出力する。また、クラッチ解放弁150は、制御圧CRの作動油を油路108から分岐した油路110を介して、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141に出力する。第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141に、油圧制御の元圧となる制御圧CRが入力されることにより、制御部1712の制御(クラッチ持替コントロール1、2)の下に、2つのリニアソレノイドバルブは、信号圧LS1、LS2を生成する。また、制御部1712の制御(油路切替コントロール)の下に、切替えられた油路から供給される作動油の油圧(信号圧LS1、LS2、制御圧CR’、CR’’(=CR))に基づいて、4つの摩擦クラッチ(第一摩擦クラッチ61、第二摩擦クラッチ62、第三摩擦クラッチ63、第四摩擦クラッチ64)は所定の動作モードに対応した締結、解放状態に復帰する。4つの摩擦クラッチが所定の動作モードに対応した締結、解放状態に復帰することにより、車両は移動可能な状態になる。
油圧制御装置100の制御部1712は、各種センサ1704に含まれる、入力回転センサ、出力回転センサ、前後進シフトポジションセンサ、フットブレーキセンサ等の検出結果に基づいて、LOWモード、HIモード、またはRVSモードの走行であるか判定し、判定結果に基づいて、リニアソレノイドバルブおよびソレノイド弁を制御することが可能である。
制御部1712の制御に基づいて、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141により生成された信号圧(LS1、LS2)は、クラッチ切替弁190に入力される。また、第1ソレノイド弁142、第3ソレノイド弁144、および第4ソレノイド弁145の状態は、LOWモード、HIモード、またはRVSモードの走行であるかの判定結果に基づいて、セット状態または作動状態に制御される。以上説明したリカバリの油圧制御により、図15(b)のフェールモード1504の状態から、図15(a)に示すような各動作モードで走行可能な状態への復帰が可能になる。
(バックアップモード2(クラッチ切替弁のセルフロック機能))
次に、クラッチ切替弁190のセルフロック機能(位置保持機能)について説明する。図16は、バックアップモードの油圧制御を説明する図であり、各動作モードにおけるソレノイド弁の状態(ソレノイド状態)、クラッチ圧の状態、セレクタ機構170に供給される制御圧(セレクタ圧)およびセレクタ機構170の弁体171の位置の関係を示している。図16のHIモード1601では、図12のHIモードにおける油圧回路に示すように、第1ソレノイド弁(SOL A)142からソレノイド圧(SA)の作動油が、油路126を介してクラッチ切替弁190に供給された作動状態になっている。この状態で、第1ソレノイド弁(SOL A)142の異常(フェール状態)により、ソレノイド圧(SA)の作動油が出力されなくなると、出力がゼロとなるセット状態と同様の状態なる。すなわち、HIモード1601で走行中の状態からLOWモード1602の走行状態に移行することになる。HIモード1601のオーバドライブ(OD)レシオで走行中からLOWモード1602のレシオ側にレシオが急変すると、強力なエンジンブレーキが作用する車両状態になる。
本実施形態の油圧制御装置100は、HIモード1601において、第1ソレノイド弁(SOL A)142がフェール状態になっても、クラッチ切替弁190から出力する作動油の信号圧により弁体191を付勢することで、弁体191の位置を保持するセルフロック機能(位置保持機能)を有する。
図12に示すように、クラッチ切替弁190の出力側の油路222から分岐した油路225(分岐油路)は、クラッチ切替弁190の接続部193と接続する。接続部193の位置に対応する弁体191の側面部には、段差を有する受圧部226が形成されている。受圧部226が、油路225から入力された作動油の油圧により付勢されると、受圧部226に作用する付勢力は、弁体191を紙面の左側から右側に向けて付勢する。油路225から入力された作動油の油圧に基づく付勢力はソレノイド圧(SA)に基づく付勢力と同じ方向に作用し、油路225から入力された作動油の油圧に基づく付勢力は、弁体191の位置を保持するように作用する。図12に示すHIモード状態では、ソレノイド圧(SA)の作動油が、油路126を介してクラッチ切替弁190に供給された作動状態になっている。弁体191は、弾性部材(バネ)192により、紙面の右側から左側に向けて付勢された状態であるが、ソレノイド圧(SA)による付勢力が弾性部材(バネ)192による付勢力より大きくなった場合に、弁体191はソレノイド圧(SA)による付勢力と弾性部材(バネ)192に基づく付勢力との差分に基づいて紙面の左側から右側に移動する。
図12に示すHIモードの油圧回路において、信号圧LS2の作動油がクラッチ切替弁190から油路222に出力され、信号圧LS2の作動油が油路225を介して接続部193に戻される。油路225から入力された作動油の油圧(信号圧LS2)に基づく付勢力は、ソレノイド圧(SA)と重畳して、弁体191を紙面の左側から右側に向けて付勢する。
HIモード1601の状態において、第1ソレノイド弁(SOL A)142が、例えば瞬断してフェール状態になっても、作動油の信号圧LS2により弁体191を付勢することで、弁体191の位置を保持することができる。クラッチ切替弁190は、受圧部226が受ける信号圧LS2による付勢力により、弁体191の位置を保持することによりクラッチ切替弁190の連通状態を維持する。これにより、HIモードで走行中の状態で、第1ソレノイド弁142がフェール状態になっても、HIモード1601からLOWモード1602への切り替えを防止し、HIモードの油圧制御を維持することが可能になる。
尚、HIモード駆動クラッチ(HRCL)として機能する第二摩擦クラッチ62と接続している油路222は、LOWモード1001(図10)および過渡モード1(1003:図10)の状態で、クラッチ切替弁190の入力側の油路とは非連通状態となり、油路222はケース内にて大気開放となる。このため、セルフロック機能は作用しない。
また、図10に示す油路切替コントロール1004によりクラッチ切替弁190の入力側の油路と出力側の油路の連通状態を切替えた場合であっても、過渡モード2(1004:図10)の状態で、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141の信号圧LS2はゼロとなるため(LS2(OFF))、セルフロック機能は作用しない。
クラッチ持替コントロール2(1006)により、第1リニアソレノイドバルブ(第1可変調圧弁)140および第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141の動作が切替えられると、第2リニアソレノイドバルブ(第2可変調圧弁)141は作動油の信号圧としてLS2を生成し(LS2(ON))、クラッチ切替弁190は油路222を介して、信号圧LS2の作動油を出力する(HIモード1007:図10)。信号圧LS2の作動油は、油路222から分岐した油路225を介してクラッチ切替弁190に戻される。油路225から入力された作動油の油圧(信号圧LS2)に基づく付勢力は、弁体191の位置を保持するように作用する。このようにセルフロック機能はHIモードにおいてのみ作用する。HIモードで作用するセルフロック機能により、HIモードで走行中の状態で、第1ソレノイド弁142がフェール状態になっても、HIモード1601からLOWモード1602への切り替えを防止し、HIモードの油圧制御を維持することが可能になる。
[実施形態のまとめ]
構成1.本実施形態の油圧制御装置(100)は、以下の構成を備える。すなわち、駆動源からの駆動力が入力される入力軸(13)と、
前記入力軸(13)と平行に配置される第一出力軸(14)および第二出力軸(15)と、
前記第一出力軸(14)に設けられた第一プーリ(21)、前記第二出力軸(15)に設けられた第二プーリ(22)、及び前記第一プーリ(21)と前記第二プーリ(22)に巻き掛けられた無端ベルト(23)を有する無段変速機構(20)と、
前記入力軸(13)からの入力を減速させて駆動力を前記無段変速機構(20)に伝達する第一伝達経路(51)と、
前記入力軸(13)からの入力を増速させて駆動力を前記無段変速機構(20)に伝達する第二伝達経路(52)と、
前記第一出力軸(14)または前記第二出力軸(15)からの駆動力を出力する最終出力機構(30)と、
前記入力軸(13)から前記第一伝達経路(51)への動力伝達の有無を切り替える第一摩擦クラッチ(61)と、
前記入力軸(13)から前記第二伝達経路(52)への動力伝達の有無を切り替える第二摩擦クラッチ(62)と、
前記第二プーリ(22)から前記最終出力機構(30)への動力伝達の有無を切り替える第三摩擦クラッチ(63)と、
前記第一プーリ(21)から前記最終出力機構(30)への動力伝達の有無を切り替える第四摩擦クラッチ(64)と、を有する無段変速機(1)の油圧制御装置(100)であって、
前記油圧制御装置(100)は、
油圧ポンプから供給された作動油の吐出圧に基づいて生成されたライン圧(PH)を元圧として調圧した制御圧(CR)の作動油を出力する調圧弁(146)と、
前記制御圧(CR)を元圧として調圧した第1の信号圧(LS1)の作動油を出力する第1可変調圧弁(140)と、
前記制御圧(CR)を元圧として調圧した第2の信号圧(LS2)の作動油を出力する第2可変調圧弁(141)と、
前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第1ソレノイド弁(142)と、
前記第1ソレノイド弁(142)の前記セット状態または前記作動状態により、弁体(191)の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替えるクラッチ切替弁(190)と、を備え、
前記クラッチ切替弁(190)は、前記第1ソレノイド弁(142)の前記セット状態において、
前記第1の信号圧(LS1)の作動油が入力される油路(122)と、前記第四摩擦クラッチ(64)と接続する出力側の油路(224)と、を連通させ、
前記第2の信号圧(LS2)の作動油が入力される油路(124)と、前記第三摩擦クラッチ(63)と接続する出力側の油路(221)と、を連通させ、
前記制御圧(CR)の作動油が入力される油路(119)と、前記第一摩擦クラッチ(61)と接続する出力側の油路(223)と、を連通させ、
前記クラッチ切替弁(190)は、前記第1ソレノイド弁(142)の前記作動状態において、
前記第1の信号圧(LS1)の作動油が入力される油路(122)と、前記第一摩擦クラッチ(61)と接続する出力側の油路(223)と、を連通させ、
前記第2の信号圧(LS2)の作動油が入力される油路(124)と、前記第二摩擦クラッチ(62)と接続する出力側の油路(222)と、を連通させ、
前記制御圧(CR)の作動油が入力される油路(113)と、前記第四摩擦クラッチ(64)と接続する出力側の油路(224)と、を連通させることを特徴とする。
構成2.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)は、前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第2ソレノイド弁(143)と、
前記第1の信号圧(LS1)および前記第2の信号圧(LS2)を検出する油圧センサ(1702)と、
前記後述する判定処理手段(1711)と、
前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定された場合に入力される作動油の油圧(APC)により、複数の入力側の油路(101、127)のいずれか一つの油路と、前記第1可変調圧弁(140)および前記第2可変調圧弁(141)と接続する出力側の油路(108)との連通状態を切り替え可能なクラッチ解放弁(150)と、を更に備え、
前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定された場合に、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記複数の入力側の油路とは異なる油路(128)から入力される作動油の油圧(APC)に基づいて、前記連通状態を切り替えて、
前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)との連通状態を遮断し、
前記セット状態の前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)と、前記出力側の油路(108)とを連通させることを特徴とする。
構成3.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記クラッチ解放弁(150)は、前記連通状態の遮断により、前記調圧弁(146)から入力された前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断することを特徴とする。
構成4.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記第2ソレノイド弁(143)が、前記セット状態を前記作動状態に切替えて前記制御圧(CR)の作動油を出力した場合、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)から入力された前記制御圧(CR)の作動油を、前記出力側の油路(108)から出力することを特徴とする。
構成5.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記判定処理手段(1711)により前記第1可変調圧弁(140)または前記第2可変調圧弁(141)に異常が発生していないと判定された場合に、前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)とを連通させ、前記制御圧(CR)の作動油を前記出力側の油路(108)から出力することを特徴とする。
構成6.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記クラッチ切替弁(190)は、
前記第二摩擦クラッチ(62)と接続する出力側の油路(222)から分岐した分岐油路(225)と接続する接続部(193)と、
前記出力側の油路(222)から、前記分岐油路(225)および前記接続部を介して、入力された作動油の信号圧を受ける受圧部(226)と、を有し、
前記クラッチ切替弁(190)は、
前記受圧部(226)が受ける前記信号圧による付勢力により、前記弁体(191)の位置を保持することにより前記連通状態を維持することを特徴とする。
構成7.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第3ソレノイド弁(144)と、
前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第4ソレノイド弁(145)と、
前記第3ソレノイド弁(144)の前記セット状態または前記作動状態により、弁体(181)の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替える制御圧切替弁(180)と、
前記第4ソレノイド弁(145)の前記セット状態または前記作動状態により、弁体(161)の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替えるセレクタ切替弁(160)と、を更に備えることを特徴とする。
構成8.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記セット状態である場合、
前記制御圧切替弁(180)は、前記クラッチ解放弁(150)と接続する油路(108)から入力された作動油を、前記クラッチ切替弁(190)の入力側の油路(113)に出力することを特徴とする。
構成9.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記セット状態である場合、
前記セレクタ切替弁(160)は、
前記クラッチ解放弁(150)と接続する油路(108、111)から入力された作動油を、前記制御圧切替弁(180)と接続する油路(117)に出力し、
前記制御圧切替弁(180)は、前記セレクタ切替弁(160)と接続する油路(117)から入力された作動油を、前記クラッチ切替弁(190)の入力側の油路(119)に出力することを特徴とする。
構成10.前記無段変速機(1)は、
前記入力軸(13)からの駆動力を回転方向を逆にして前記第一出力軸(14)に伝達する第三伝達経路(53)と、
前記入力軸(13)に設けられ、前記入力軸(13)からの駆動力を前記第二伝達経路(52)に伝達するか前記第三伝達経路(53)に伝達するかを選択的に切り替える前後進切替機構(70)と、を更に備え、
前記油圧制御装置(100)は、
前記セレクタ切替弁(160)から入力される作動油の信号圧の付勢力に応じて移動可能な弁体(171)を有し、前記弁体(171)の移動した位置に応じて前記前後進切替機構(70)の切り替えを制御するセレクタ機構(170)を更に備えることを特徴とする。
構成11.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記セット状態である場合、
前記セレクタ切替弁(160)は、
前記調圧弁(146)と接続する油路(101、102)と、第1の出力用の油路(120)とを連通させ、
前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記作動状態である場合、
前記セレクタ切替弁(160)は、
前記調圧弁(146)と接続する油路(101、102)と、第2の出力用の油路(121)とを連通させることを特徴とする。
構成12.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記セレクタ機構(170)は、
前記弁体(171)が、前記第1の出力用の油路(120)から供給された作動油の制御圧(PN)に基づいて、第1の位置(D)に移動した場合、前記駆動力を前記第二伝達経路(52)に伝達する前進モードを選択し、
前記弁体(171)が、前記第2の出力用の油路(121)から供給された作動油の制御圧(PR)に基づいて、第2の位置(R)に移動した場合、前記駆動力を前記第三伝達経路(53)に伝達する後進モードを選択することを特徴とする。
構成13.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)は、前記クラッチ切替弁(190)から出力された作動油の油圧および前記セレクタ切替弁(160)から出力された作動油の油圧を検出する複数の油圧スイッチ(1703)を更に備え、
前記判定処理手段(1711)は、前記複数の油圧スイッチ(1703)で検出された油圧と基準油圧との比較に基づき、前記クラッチ切替弁(190)または前記セレクタ切替弁(160)に異常が発生したか否かを判定し、
前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定された場合に、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記複数の入力側の油路とは異なる油路(128)から入力される作動油の油圧(APC)に基づいて、前記連通状態を切り替えて、
前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)との連通状態を遮断し、
前記セット状態の前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)と、前記出力側の油路(108)とを連通させることを特徴とする。
構成14.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)は、前記クラッチ切替弁(190)の弁体(191)の移動情報および前記セレクタ切替弁(160)の弁体(161)の移動情報を検出する複数のストロークセンサ(1704)を更に備え、
前記判定処理手段(1711)は、前記複数のストロークセンサ(1704)で検出された移動情報と基準値との比較に基づき、前記クラッチ切替弁(190)または前記セレクタ切替弁(160)に異常が発生したか否かを判定し、
前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定された場合に、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記複数の入力側の油路とは異なる油路(128)から入力される作動油の油圧(APC)に基づいて、前記連通状態を切り替えて、
前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)との連通状態を遮断し、
前記セット状態の前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)と、前記出力側の油路(108)とを連通させることを特徴とする。
構成15.上記の実施形態に係る油圧制御装置(100)において、前記クラッチ解放弁(150)は、
前記判定処理手段(1711)により前記クラッチ切替弁(190)または前記セレクタ切替弁(160)に前記異常が発生していないと判定された場合に、前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)とを連通させ、前記制御圧(CR)の作動油を前記出力側の油路(108)から出力することを特徴とする。
上記の構成1乃至構成15によれば、動力伝達切替機構として摩擦クラッチを用いることにより制御性の向上を図るとともに、可変調圧デバイスの数を低減した回路構成で動力伝達切替機構を制御することが可能になる。
また、上記の構成2および構成3によれば、フェール時に摩擦クラッチを解放状態にすることで、意図しない車両の走行を防止することが可能になる。
また、上記の構成4によれば、構成によれば、フェール状態から走行可能な状態への復帰が可能になる。
また、上記の構成6によれば、第1ソレノイド弁がフェール状態になっても、HIモードからLOWモードへの切り替えを防止し、HIモードの油圧制御を維持することが可能になる。
1:無段変速機、61:第一摩擦クラッチ、62:第二摩擦クラッチ、
63:第三摩擦クラッチ、64:第四摩擦クラッチ、70:前後進切替機構

Claims (15)

  1. 駆動源からの駆動力が入力される入力軸(13)と、
    前記入力軸(13)と平行に配置される第一出力軸(14)および第二出力軸(15)と、
    前記第一出力軸(14)に設けられた第一プーリ(21)、前記第二出力軸(15)に設けられた第二プーリ(22)、及び前記第一プーリ(21)と前記第二プーリ(22)に巻き掛けられた無端ベルト(23)を有する無段変速機構(20)と、
    前記入力軸(13)からの入力を減速させて駆動力を前記無段変速機構(20)に伝達する第一伝達経路(51)と、
    前記入力軸(13)からの入力を増速させて駆動力を前記無段変速機構(20)に伝達する第二伝達経路(52)と、
    前記第一出力軸(14)または前記第二出力軸(15)からの駆動力を出力する最終出力機構(30)と、
    前記入力軸(13)から前記第一伝達経路(51)への動力伝達の有無を切り替える第一摩擦クラッチ(61)と、
    前記入力軸(13)から前記第二伝達経路(52)への動力伝達の有無を切り替える第二摩擦クラッチ(62)と、
    前記第二プーリ(22)から前記最終出力機構(30)への動力伝達の有無を切り替える第三摩擦クラッチ(63)と、
    前記第一プーリ(21)から前記最終出力機構(30)への動力伝達の有無を切り替える第四摩擦クラッチ(64)と、を有する無段変速機(1)の油圧制御装置(100)であって、
    前記油圧制御装置(100)は、
    油圧ポンプから供給された作動油の吐出圧に基づいて生成されたライン圧(PH)を元圧として調圧した制御圧(CR)の作動油を出力する調圧弁(146)と、
    前記制御圧(CR)を元圧として調圧した第1の信号圧(LS1)の作動油を出力する第1可変調圧弁(140)と、
    前記制御圧(CR)を元圧として調圧した第2の信号圧(LS2)の作動油を出力する第2可変調圧弁(141)と、
    前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第1ソレノイド弁(142)と、
    前記第1ソレノイド弁(142)の前記セット状態または前記作動状態により、弁体(191)の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替えるクラッチ切替弁(190)と、を備え、
    前記クラッチ切替弁(190)は、前記第1ソレノイド弁(142)の前記セット状態において、
    前記第1の信号圧(LS1)の作動油が入力される油路(122)と、前記第四摩擦クラッチ(64)と接続する出力側の油路(224)と、を連通させ、
    前記第2の信号圧(LS2)の作動油が入力される油路(124)と、前記第三摩擦クラッチ(63)と接続する出力側の油路(221)と、を連通させ、
    前記制御圧(CR)の作動油が入力される油路(119)と、前記第一摩擦クラッチ(61)と接続する出力側の油路(223)と、を連通させ、
    前記クラッチ切替弁(190)は、前記第1ソレノイド弁(142)の前記作動状態において、
    前記第1の信号圧(LS1)の作動油が入力される油路(122)と、前記第一摩擦クラッチ(61)と接続する出力側の油路(223)と、を連通させ、
    前記第2の信号圧(LS2)の作動油が入力される油路(124)と、前記第二摩擦クラッチ(62)と接続する出力側の油路(222)と、を連通させ、
    前記制御圧(CR)の作動油が入力される油路(113)と、前記第四摩擦クラッチ(64)と接続する出力側の油路(224)と、を連通させる
    ことを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第2ソレノイド弁(143)と、
    前記第1の信号圧(LS1)および前記第2の信号圧(LS2)を検出する油圧センサ(1702)と、
    前記油圧センサ(1702)で検出された信号圧と基準油圧との比較に基づき、前記第1可変調圧弁(140)または前記第2可変調圧弁(141)に異常が発生したか否かを判定する判定処理手段(1711)と、
    前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定された場合に入力される作動油の油圧(APC)により、複数の入力側の油路(101、127)のいずれか一つの油路と、前記第1可変調圧弁(140)および前記第2可変調圧弁(141)と接続する出力側の油路(108)との連通状態を切り替え可能なクラッチ解放弁(150)と、を更に備え、
    前記判定処理手段(1711)により前記第1可変調圧弁(140)または前記第2可変調圧弁(141)に異常が発生したと判定された場合に、前記クラッチ解放弁(150)は、
    前記複数の入力側の油路とは異なる油路(128)から入力される作動油の油圧(APC)に基づいて、前記連通状態を切り替えて、
    前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)との連通状態を遮断し、
    前記セット状態の前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)と、前記出力側の油路(108)とを連通させることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記クラッチ解放弁(150)は、前記連通状態の遮断により、前記調圧弁(146)から入力された前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断することを特徴とする請求項2に記載の油圧制御装置。
  4. 前記第2ソレノイド弁(143)が、前記セット状態を前記作動状態に切替えて前記制御圧(CR)の作動油を出力した場合、前記クラッチ解放弁(150)は、
    前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)から入力された前記制御圧(CR)の作動油を、前記出力側の油路(108)から出力することを特徴とする請求項2または3に記載の油圧制御装置。
  5. 前記クラッチ解放弁(150)は、
    前記判定処理手段(1711)により前記第1可変調圧弁(140)または前記第2可変調圧弁(141)に異常が発生していないと判定された場合に、前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)とを連通させ、前記制御圧(CR)の作動油を前記出力側の油路(108)から出力することを特徴とする請求項2に記載の油圧制御装置。
  6. 前記クラッチ切替弁(190)は、
    前記第二摩擦クラッチ(62)と接続する出力側の油路(222)から分岐した分岐油路(225)と接続する接続部(193)と、
    前記出力側の油路(222)から、前記分岐油路(225)および前記接続部を介して、入力された作動油の信号圧を受ける受圧部(226)と、を有し、
    前記クラッチ切替弁(190)は、
    前記受圧部(226)が受ける前記信号圧による付勢力により、前記弁体(191)の位置を保持することにより前記連通状態を維持する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の油圧制御装置。
  7. 前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第3ソレノイド弁(144)と、
    前記調圧弁(146)から前記制御圧(CR)の作動油を入力し、セット状態で前記制御圧(CR)の作動油の出力を遮断し、作動状態で前記制御圧(CR)の作動油を出力する第4ソレノイド弁(145)と、
    前記第3ソレノイド弁(144)の前記セット状態または前記作動状態により、弁体(181)の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替える制御圧切替弁(180)と、
    前記第4ソレノイド弁(145)の前記セット状態または前記作動状態により、弁体(161)の位置を移動させて、複数の入力側の油路と複数の出力側の油路との連通状態を切り替えるセレクタ切替弁(160)と、
    を更に備えることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の油圧制御装置。
  8. 前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記セット状態である場合、
    前記制御圧切替弁(180)は、前記クラッチ解放弁(150)と接続する油路(108)から入力された作動油を、前記クラッチ切替弁(190)の入力側の油路(113)に出力する
    ことを特徴とする請求項7に記載の油圧制御装置。
  9. 前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記セット状態である場合、
    前記セレクタ切替弁(160)は、
    前記クラッチ解放弁(150)と接続する油路(108、111)から入力された作動油を、前記制御圧切替弁(180)と接続する油路(117)に出力し、
    前記制御圧切替弁(180)は、前記セレクタ切替弁(160)と接続する油路(117)から入力された作動油を、前記クラッチ切替弁(190)の入力側の油路(119)に出力する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の油圧制御装置。
  10. 前記無段変速機(1)は、
    前記入力軸(13)からの駆動力を回転方向を逆にして前記第一出力軸(14)に伝達する第三伝達経路(53)と、
    前記入力軸(13)に設けられ、前記入力軸(13)からの駆動力を前記第二伝達経路(52)に伝達するか前記第三伝達経路(53)に伝達するかを選択的に切り替える前後進切替機構(70)と、を更に備え、
    前記油圧制御装置(100)は、
    前記セレクタ切替弁(160)から入力される作動油の信号圧の付勢力に応じて移動可能な弁体(171)を有し、前記弁体(171)の移動した位置に応じて前記前後進切替機構(70)の切り替えを制御するセレクタ機構(170)を更に備えることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の油圧制御装置。
  11. 前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記セット状態である場合、
    前記セレクタ切替弁(160)は、
    前記調圧弁(146)と接続する油路(101、102)と、第1の出力用の油路(120)とを連通させ、
    前記第3ソレノイド弁(144)および前記第4ソレノイド弁(145)が前記作動状態である場合、
    前記セレクタ切替弁(160)は、
    前記調圧弁(146)と接続する油路(101、102)と、第2の出力用の油路(121)とを連通させることを特徴とする請求項10に記載の油圧制御装置。
  12. 前記セレクタ機構(170)は、
    前記弁体(171)が、前記第1の出力用の油路(120)から供給された作動油の制御圧(PN)に基づいて、第1の位置(D)に移動した場合、前記駆動力を前記第二伝達経路(52)に伝達する前進モードを選択し、
    前記弁体(171)が、前記第2の出力用の油路(121)から供給された作動油の制御圧(PR)に基づいて、第2の位置(R)に移動した場合、前記駆動力を前記第三伝達経路(53)に伝達する後進モードを選択する
    ことを特徴とする請求項11に記載の油圧制御装置。
  13. 前記クラッチ切替弁(190)から出力された作動油の油圧および前記セレクタ切替弁(160)から出力された作動油の油圧を検出する複数の油圧スイッチ(1703)を更に備え、
    前記判定処理手段(1711)は、前記複数の油圧スイッチ(1703)で検出された油圧と基準油圧との比較に基づき、前記クラッチ切替弁(190)または前記セレクタ切替弁(160)に異常が発生したか否かを判定し、
    前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定された場合に、前記クラッチ解放弁(150)は、
    前記複数の入力側の油路とは異なる油路(128)から入力される作動油の油圧(APC)に基づいて、前記連通状態を切り替えて、
    前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)との連通状態を遮断し、
    前記セット状態の前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)と、前記出力側の油路(108)とを連通させることを特徴とする請求項7に記載の油圧制御装置。
  14. 前記クラッチ切替弁(190)の弁体(191)の移動情報および前記セレクタ切替弁(160)の弁体(161)の移動情報を検出する複数のストロークセンサ(1704)を更に備え、
    前記判定処理手段(1711)は、前記複数のストロークセンサ(1704)で検出された移動情報と基準値との比較に基づき、前記クラッチ切替弁(190)または前記セレクタ切替弁(160)に異常が発生したか否かを判定し、
    前記判定処理手段(1711)により前記異常が発生したと判定された場合に、前記クラッチ解放弁(150)は、
    前記複数の入力側の油路とは異なる油路(128)から入力される作動油の油圧(APC)に基づいて、前記連通状態を切り替えて、
    前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)との連通状態を遮断し、
    前記セット状態の前記第2ソレノイド弁(143)と接続する入力側の油路(127)と、前記出力側の油路(108)とを連通させることを特徴とする請求項13に記載の油圧制御装置。
  15. 前記クラッチ解放弁(150)は、
    前記判定処理手段(1711)により前記クラッチ切替弁(190)または前記セレクタ切替弁(160)に前記異常が発生していないと判定された場合に、前記調圧弁(146)から前記作動油を入力するための油路(101)と、前記出力側の油路(108)とを連通させ、前記制御圧(CR)の作動油を前記出力側の油路(108)から出力することを特徴とする請求項13または14に記載の油圧制御装置。
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