JP2017106264A - 床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な下地構造に対応でき、剥がしやすい床材を提供する。【解決手段】略長方形状の板状基材2と、この板状基材の表面2aに取着された表面材10とを有した床材1であって、前記該板状基材の両側短辺20,20に対に形成され隣接して設置される床材と実結合される雌雄実部3,4と、前記板状基材の裏面2bの短手方向に切り込まれ、長手方向に間隔を空けて複数並んで形成された切り込み溝5と、前記板状基材の両側長辺に形成された治具差込凹部6とを有していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、略長方形状の板状基材と、この板状基材の表面に取着された表面材とを有した床材に関する。
この種の床材は、床下地の上に敷設した後、リフォーム時に一枚単位で剥がしやすく、張り替えが容易なものが求められる。例えば下記特許文献1に開示されている床材は、基板部と、該基板部の左右上部に水平に突設された左係止部及び右係止部とからなり、断面略T字形で、且つ木口が合いじゃくり構造とされているので、損傷した床材のみを部分的に容易に取り替えることができる。
特開2007−154626号公報
ところで例えば床下に電気配線等を配設する空間を備えたいわゆるフリーアクセスフロアのような若干不安定さがある下地構造の上に、仕上げ材として敷設される床材の場合、多少不陸があっても床材と床材の接合部分に段差が生じないものが求められる。よって、このようなフリーアクセスフロアの仕上げ材としては、タイルカーペットやポリ塩化ビニル等の合成樹脂材からなるタイル等が用いられることが多い。
本発明は、このような問題を考慮して提案されたもので、その目的は、様々な下地構造に対応でき、剥がしやすい床材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の床材は、略長方形状の板状基材と、この板状基材の表面に取着された表面材とを有した床材であって、前記該板状基材の両側短辺に対に形成され隣接して設置される床材と実結合される雌雄実部と、前記板状基材の裏面の短手方向に切り込まれ、長手方向に間隔を空けて複数並んで形成された切り込み溝と、前記板状基材の両側長辺に形成された治具差込凹部とを有していることを特徴とする。
本発明の床材によれば、上述の構成となっているため、様々な下地構造に対応でき、剥がしやすい床材とすることができる。
本発明の一実施形態に係る床材を模式的に示す説明図であり、(a)は床材を短辺側からみた場合の模式的斜視図、(b)は(a)のX部拡大図である。 同床材を敷設した状態を模式的に示す説明図であり、(a)は同床材を短辺側からみた場合の断面図、(b)は床材を長辺側からみた場合の側面図である。 同床材の施工過程を模式的に示す説明図であり、施工状態を示す平面図でもある。
以下に、本発明の一実施形態に係る床材の例について、添付図面をもとに説明する。
本実施形態に係る床材1は、略長方形状の板状基材2と、板状基材2の表面2aに取着された表面材10とを有している。また床材1は、隣接して設置される床材1と実結合される雌雄実部3,4と、板状基材2の裏面2bに形成された切り込み溝5と、板状基材2の両側長辺21,21に形成された治具差込凹部6とを有している。雌雄実部3,4は、板状基材2の両側短辺20,20に対に形成され隣接して設置される床材と実結合される。切り込み溝5は、板状基材2の裏面2bの短手方向に切り込まれ、長手方向に間隔を空けて複数並んで形成されている。治具差込凹部6は、板状基材2の両側長辺21,21に形成されている。
さらに詳しく説明する。床材1は略長方形の平板状とされ、本実施形態では、図3に示すように一方向に長尺とされている。この床材1の長さ寸法や幅寸法、厚さ寸法等は、特に限定されない。例えば、床材1を長さ寸法が600mm〜1200mm程度、幅寸法が100mm〜200mm程度、厚さ寸法が3mm〜30mm程度とされたものとしてもよいし、上記よりもさらに小さい寸法としてもよい。また床材1を長さ寸法が1500mm〜2000mm程度、幅寸法が250mm〜500mm程度とされた長尺板状体としてもよい。
床材1の板状基材2の表面2a(上面)は、図1(a)に示すように薄いシート状の表面材10を積層した構成としている。表面材としては、天然木材(銘木)を加工等して形成された突板等の単板や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙やオレフィン系等の合成樹脂系フィルム、石材、ガラス材等としてもよい。また表面材10は、熱着色処理された突板(WAT突板)でフローコーターやロールコーター等によって塗装が施されたものとしてもよい。なお、図例では、板状基材2の表面2a(上面)を、平坦面状とした例を示しているが、表面2a側に化粧溝等が設けられたものとしてもよい。
板状基材2としては、木質系材料や、合成樹脂系材料、無機系材料、金属系材料等から形成されたものとしてもよく、複数種の材料から形成されたものとしてもよい。例えば、板状基材2を合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板、パーティクルボード等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やHDF(高密度繊維板)等の木質繊維板などの木質系ボードから形成されたものとしてもよいし、木質系プラスチックボードとしてもよい。板状基材2の両側短辺20,20には、対になるように雌雄実部3、4が形成されており、図2(b)に示すように短辺20の一側端部には、凹状の雌実部3が形成されている。雌実部3の形状は、図例に限定されないが、雄実部4の形状に応じて形成され、要は雄実部4を受け入れ実結合可能な形状であればよい。また図1(a)及び図2(b)に示すように短辺20の他側端部には、凸状の雄実部4が形成されている。雄実部4の形状も図例のもののように、基部より先側が細い形状の凸状に限定されないが、床材1を施工する際に実結合しやすい形状が望ましい。
板状基材2の裏面2bには、裏面2bから表面2aに向けて短手方向に切り込み形成され、長手方向に適宜間隔を空けて複数並んで形成された切り込み溝5が形成されている。切り込み溝5の溝幅も特に限定されるものではないが、例えば1mm〜5mm程度としてもよい。また切り込み溝5の切り込み深さは、板状基材2が折れて破損することがなく且つ、撓みが生じるように設定して形成されており、例えば裏面2bから表面2aに向かって板状基材2の厚みの1/3以上になるように形成されている。図に示す切り込み溝5は、その切り込み深さが裏面2bから表面2aに向かって板状基材2の厚みの2/3以上になるように形成されている。切り込み溝5と切り込み溝5との間隔は特に限定されるものではなく、例えば板状基材2の長手方向に5mm〜50mmの間隔としてもよい。図1(b)において、50は切り込み溝5の切り込み底部、51は切り込み溝5の切り込み開口を示している。具体的には、図1(b)に示すように切り込み溝5の切り込み底部50が、板状基材2の裏面2bから治具差込凹部6の形成部位より板状基材2の表面2a側の位置、言い換えると治具差込凹部6の上方端部と板状基材2の表面2aの間の位置まで切り込まれている。このように切り込み溝5が板状基材2の裏面2b側だけでなく、板状基材2の両端面にまで切り込まれているものとすれば、床材1としてある程度の剛性を保ちながら、可撓性を有したものとすることができる。よって、床材1は板状基材2の表面2a側で一枚につながっており、表裏のいずれの方向にも撓ませることができる。
板状基材2の両側長辺21,21には、治具差込凹部6が形成されている。図に示す治具差込凹部6は、長辺21の全長に亘って形成されている。治具差込凹部6の形状は、図例のものは、断面略倒U字状に湾曲した形状としているが、これに限定されるものではない。例えば、治具差込凹部6の角が略直角状とした凹状であってもよいし、治具差込凹部6の開口側から治具差込凹部6の底にかけて次第に狭くなるような傾斜状であってもよい。要は、治具差込凹部6は、床材1を剥がす際に床材1と床材1との間に挿入される治具9が挿入しやすく、治具9が係止されやすい形状であればよい。治具差込凹部6の開口寸法は、特に限定されないが、例えば1.5mm〜3.0mm程度としてもよく、治具差込凹部6の奥行寸法は、0.5mm以上が望ましい。このように治具差込凹部6を長辺21の全長に亘って形成されたものとすれば、床材1を剥がす際に挿入される治具9(図2参照)を板状基材2の長辺21のどこからでも挿入できる。
治具差込凹部6は、図例のように長辺21の全長に亘って形成されているものに限定されず、適宜間隔空けて設けるようにしてもよいし、板状基材2の長辺21の略中央部位に一箇所設けるようにしてもよい。この場合は、治具差込凹部6に治具9を挿入する際は、長辺21の略中央部位を狙って差し込めばよく、板状基材2に対する治具差込凹部6の加工領域を狭めることができる。
板状基材2の裏面2bには、樹脂製、ゴム製等の軟質の薄状シート材7が貼着されている。樹脂製のものとしては、例えばオレフィン系等の合成樹脂系フィルムとしてもよい。薄状シート材7は、切り込み溝5の切り込み開口51を塞ぐように貼り付けられており、切り込み溝5により与えられる可撓性に追従しながらも、床材1を施工する際に施工しやすいものとすることができる。
次に図2、図3等を参照しながら、床材1を用いた施工例について説明する。なお、図2では、床材1を剥がす際に用いる治具9を2点鎖線で示している。また図2(b)では、床材1を剥がす際に生じる床材1の撓みを2点鎖線で示している。ここで用いられる治具9は図例の形状のものに限定されるものではなく、ドライバー等であってもよい。なお、図2では表面材10及び薄状シート材7の図示、図3では表面材10の図示は省略している。
図例の床下地8は、床下に電気配線等を配設する空間を備えたいわゆるフリーアクセスフロアの例を示しており、床材1は床下地8の上にフローリングの仕上げ材として敷設されている。床下地8は例えば500mm×500mmの略正方形状のタイルパネルで構成され、スチール製や樹脂材製等で形成されている。このような床下地8の上に床材1の短辺20,20同士を実結合させ、床材1が敷設される。床材1の裏面に、例えばリフォーム用床材接着剤として汎用されている接着剤や両面テープを塗布或いは貼着し施工してもよい。このフリーアクセスフロアのような若干不安定な下地構造に対して、従来の木質系床材を施工すると、荷重により床下地が沈むと床材の一方が沈んで他方が跳ね上がったり、がたつきや段差が生じる。しかし本実施形態の床材1によれば、床材1の短辺20,20同士は実結合され、且つ複数の切り込み溝5を有しているので板状基材2が適度に撓み、上述のような跳ね上がりや段差の発生を防止することできる。また本実施形態の床材1によれば、床材1を敷設する施工時に、床材1を撓ませることができるので、隣合う床材1,1同士の実結合がしやすいという効果も奏する。
一方、床下地8に施工した床材1を一枚単位で剥がす場合は、図2(b)に示すように床材1の長辺21の略中央あたりに治具9を差込み、差し込んだ治具9を図2(a)に示すように治具差込凹部6に係止させる。そしてその後、上方に治具9を引き上げれば、床材1は図2(b)の2点鎖線で示すように長手方向の中央部分を起点にしてアーチ状に撓みが生じ、容易に床材1が剥がすことができる。このように本実施形態の床材1によれば、板状基材の長辺に治具差込凹部6が形成されているので、床材1を剥がす際に治具9を引っ掛けやすく、床材1を一枚単位で剥がしやすい。また本実施形態に係る床材1のように切り込み底部50が、治具差込凹部6の形成部位より板状基材2の表面2a側まで切り込まれているものとすれば、床材1を剥がす際に、床材1がしなり易く剥がしやすい。
以上、本実施形態に係る床材1の形状、構成等は図例に限定されるものではない。また以上では、フリーアクセスフロアの床下地8の上に敷設する例を説明したが、それに限定されるものではない。さらに床材1の施工例として、接着剤等によって床下地8に対して固定する例を説明したが、これに限定されず、釘やねじ等の止め具で固定してもよいし、床下地8に対しては固定せずに置敷施工される置敷床材としてもよい。また床材1を剥がす際には、治具9を複数用いて床材1を剥がすようにしてもよい。
1 床材
2 板状基材
2a 表面
2b 裏面
20 短辺
21 長辺
3 雌実部
4 雄実部
5 切り込み溝
6 治具差込凹部
9 治具
10 表面材

Claims (3)

  1. 略長方形状の板状基材と、この板状基材の表面に取着された表面材とを有した床材であって、
    前記板状基材の両側短辺に対に形成され隣接して設置される床材と実結合される雌雄実部と、前記板状基材の裏面の短手方向に切り込まれ、長手方向に間隔を空けて複数並んで形成された切り込み溝と、前記板状基材の両側長辺に形成された治具差込凹部とを有していることを特徴とする床材。
  2. 請求項1において、
    前記治具差込凹部が、前記長辺の全長に亘って形成されていることを特徴とする床材。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記切り込み溝が、前記板状基材の裏面から前記治具差込凹部の形成部位より前記板状基材の表面側の位置まで切り込まれていることを特徴とする床材。

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