JP2017103910A - モータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】基本波電流に高調波電流を重畳することにより、確実に、相電流のピーク値を抑制しつつ、モータのトルクを増大させ所望のトルクを得ることができるモータシステムを提供する。【解決手段】モータ10は、ステータ11におけるコイル13のピッチ角に対する永久磁石14の極弧角の割合PPが、無負荷鎖交磁束の基本波成分のピークと、無負荷鎖交磁束のk次高調波成分(kは自然数)のピークとが合致するように設計されており、制御部は、基本波電流にk次高調波成分に対して所定の位相差αを有するk次高調波電流を重畳した相電流をコイル13に通電して、基本波電流とk次高調波電流とによりトルクを発生させる。【選択図】 図2

Description

本発明は、鎖交磁束に高調波成分を有するモータシステムに関する。
鎖交磁束に高調波成分を有する永久磁石モータにおいて、基本波電流に高調波電流を重畳させ、高調波電流によるトルクを発生させる技術が提案されている。この技術には、基本波電流のピークと高調波電流のピークとが合致した際に、基本波電流と高調波電流とを合わせた相電流のピークが増大してしまい、モータを駆動する電力変換回路等の負担が大きくなるという問題がある。
一方、相電流のピークを抑制する技術として、特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載のブラシレスモータの駆動方法は、基本波電流のピークを抑制するように3次高調波電流を重畳させることで、相電流のピークが平坦化されるため、基本波電流の振幅を大きくすることができ、トルクを増大させることができる。
特開2006−287990号公報
鎖交磁束に高調波成分を有する永久磁石モータにおいて、相電流のピーク値を抑制しつつ、トルクを増大させるために、特許文献1に記載の方法を適用することが考えられる。しかしながら、本発明者は、モータの構造によっては、相電流のピーク値を抑制するように基本波電流に高調波電流を重畳すると、トルクが増大しないことがあり、また、トルクを増大するように基本波電流に高調波電流を重畳すると、相電流のピーク値が増大してしまうことがあるとの知見を得た。
本発明は、上記実情に鑑み、基本波電流に高調波電流を重畳することにより、確実に、相電流のピーク値を抑制しつつ、モータのトルクを増大させ所望のトルクを得ることができるモータシステムを提供することを主たる目的とする。
本発明は、複数相のコイル(13)を含むステータ(11)及び永久磁石(14)を含むロータ(12)を有し、前記コイルに鎖交する無負荷鎖交磁束に高調波成分を有するモータ(10)と、前記コイルの通電を制御する制御部(20,50)と、を備えたモータシステムであって、前記モータは、前記ステータにおける前記コイルのピッチ角に対する前記永久磁石の極弧角の割合が、前記無負荷鎖交磁束の基本波成分のピークと、前記無負荷鎖交磁束のk次高調波成分(kは自然数)のピークとが合致するように設計されており、前記制御部は、基本波電流に前記k次高調波成分に対して所定の高調波位相差を有するk次高調波電流を重畳した相電流を前記コイルに通電して、前記基本波電流と前記k次高調波電流とによりトルクを発生させる。
本発明者は、コイルのピッチ角に対する永久磁石の極弧角の割合によって、無負荷鎖交磁束の基本波成分のピークとk次高調波成分のピークとが合致する場合と、基本波成分のピークとk次高調波成分のボトムとが合致する場合とがあるとの知見を得た。さらに、本発明者は、基本波成分のピークとk次高調波成分のピークとが合致する場合には、基本波電流にk次高調成分に対して所定の位相差を有するk次高調波電流を重畳することで、相電流のピーク値を抑制しつつ、高調波電流によるトルクを増大させることができるとの知見を得た。
本発明によれば、無負荷鎖交磁束の基本波成分のピークとk次高調波成分のピークとが合致するように、コイルのピッチ角に対する永久磁石の極弧角の割合が設計される。そして、コイルに、基本波電流に無負荷鎖交磁束のk次高調波成分に対して所定の高調波位相差を有するk次高調波電流を重畳した相電流が通電され、基本波電流とk次高調波電流とによりトルクが発生する。したがって、確実に、相電流のピーク値を抑制しつつ、モータのトルクを増大させ所望のトルクを得ることができる。
第1実施形態に係るモータシステムの概略構成を示す図。 永久磁石モータの1/4断面図。 鎖交磁束の基本波成分のピークと3次高調波成分のピークとが合致する場合における、(a)基本波電流及び3次高調波電流、(b)相電流を示す図。 鎖交磁束の基本波成分のピークと3次高調波成分のボトムとが合致する場合における、(a)基本波電流及び3次高調波電流、(b)相電流を示す図。 (a)コイルと磁石との位置関係を示す図。(b)(a)で示す位置関係におけるU相の鎖交磁束を示す図。 (a)コイルと磁石との位置関係を示す図。(b)図5(a)及び図6(a)で示す位置関係におけるU相の鎖交磁束を示す図。 (a)コイルと磁石との位置関係を示す図。(b)U相の鎖交磁束波形を示す図。 (a)コイルのピッチ角に対する極弧角の割合を減少させた場合のコイルと磁石との位置関係を示す図。(b)U相の鎖交磁束波形を示す図。 (a)ピークがあまり潰れていない鎖交磁束波形、(b)(a)の鎖交磁束波形に含まれる高調波成分を示す図。 (a)ピークが潰れている鎖交磁束波形、(b)(a)の鎖交磁束波形に含まれる高調波成分を示す図。 (a)ピークがかなり潰れている鎖交磁束波形、(b)(a)の鎖交磁束波形に含まれる高調波成分を示す図。 (a)コイルピッチ角に対する極弧角と鎖交磁束のn次高調波の振幅との関係を示す図。(b)コイルピッチ角に対する極弧角と鎖交磁束のn次高調波の位相との関係を示す図。(c)コイルピッチ角に対する極弧角と、鎖交磁束の基本波成分及び高調波成分との関係を示す模式図。 (a)コイルと磁石の位置関係を示す断面図。(b)(a)の位置関係における鎖交磁束波形と基本波成分と3次高調波成分を示す図。 (a)コイルと磁石の位置関係を示す断面図。(b)(a)の位置関係における鎖交磁束波形と基本波成分と3次高調波成分を示す図。 第2実施形態に係る3相モータの2セットのコイルの空間的な位置関係を示す図。 第2実施形態に係る3相モータの2セットのコイルの空間的な位置関係を示す図。
以下、モータシステムを具現化した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各実施形態に係るモータシステムは、車両に搭載されるシステムを想定している。なお、以下の各実施形態において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
まず、本実施形態に係るモータシステムの構成について、図1及び図2を参照して説明する。本実施形態に係るモータシステムは、モータ10、インバータ20、電源40、平滑コンデンサ31,32、及び制御装置50を備える。
モータ10は、3相のコイル13u,13v,13wを含むステータ11と、S極及びN極の永久磁石14S,14Nを含むロータ12と、を有する3相の永久磁石モータである。永久磁石14Sと永久磁石14Nは、ロータ12の円周上で、S極とN極の磁極が均等に交互に発生するように配置されている。図2では、ロータ12の円周上で、S極の磁性を発生するS極部と、N極の磁性を発生するN極部とは、それぞれ2個の永久磁石14S,14Nで構成されているが、それぞれ1つの永久磁石から構成されていてもよいし、3つ以上の永久磁石から構成されていてもよい。以下では、コイル13u,13v,13wを総称してコイル13と言うとともに、永久磁石14S,14Nを総称して永久磁石14と言う。本実施形態に係るモータ10は、ハイブリッド車両や電気自動車の走行駆動源となるモータである。
また、モータ10は、鎖交磁束を大きくするように、各相のコイル13が、1極のティースに直接巻かれた集中巻モータとするとよい。これに対して、分布巻モータは、コイル13が複数のティースに渡って巻かれている。モータ10は、各永久磁石14がロータ12に埋め込まれた埋込磁石モータでもよいし、各永久磁石14がロータ12の表面に設置された表面磁石モータでもよい。図2では、埋込磁石モータの例を示している。
ここでは、図2に示すように、ステータ11の円周上におけるコイル13の巻幅、すなわち、ロータ12の回転軸を中心として、コイル13の巻幅方向の第1端から第2端までの角度を、コイル13のピッチ角(コイルピッチ角)と称する。また、ロータ12の円周上において、N極部を構成する永久磁石14Nの幅、すなわち、ロータ12の回転軸を中心として、永久磁石14Nの第1端から第2端までの角度を極弧角と称する。複数の永久磁石14Nを並べてN極部を構成している場合は、図2に示すように、ロータ12の回転軸を中心として、一方の端にある永久磁石14Nの第1端から他方の端にある永久磁石14Nの第2端までの角度が極弧角となる。永久磁石14Sの極弧角についても同様である。なお、ロータ12の円周上における永久磁石14Nの極弧角と永久磁石14Sの極弧角は等しい。以下において、コイル13のピッチ角に対する極弧角の割合を、割合PPと称する。
ロータ12が回転することにより、ステータ11の各相のコイル13を鎖交する無負荷鎖交磁束は、磁極位置の変化に対して理想的には正弦波の波形となるが、実際には、鎖交磁束には、基本波成分λbの正弦波に高調波成分が重畳されたものとなることが多い。モータ10は、各相のコイル13に鎖交する無負荷鎖交磁束に高調波成分を有するモータである。なお、無負荷鎖交磁束はモータ10に負荷が接続されていない状態での鎖交磁束であるが、以下では無負荷鎖交磁束を省略して鎖交磁束と称する。
インバータ20は、モータ10を駆動する公知の3相インバータである。インバータ20の各相のスイッチング素子がオンオフされることにより、モータ10の各相のコイル13に相電流が通電する。電源40は、インバータ20に直流電力を供給する電源である。平滑コンデンサ31,32は、電源40とインバータ20との間において、電源40の正極端子と負極端子との間に直列に接続されており、インバータ20に入力される直流電力を安定させる。
制御装置50は、CPU、ROM、RAM及びI/O等から構成されたマイクロコンピュータである。制御装置50は、インバータ20の各スイッチング素子のオンオフを制御して、モータ10の出力トルクが指令トルクとなるように、各相のコイル13に相電流の通電を制御する。指令トルクは、上位の制御装置がドライバのアクセル操作等に応じて算出し、制御装置50へ送信する。本実施形態では、制御装置50及びインバータ20が制御部に相当する。
本モータシステムは、鎖交磁束の高調波成分を利用してモータトルクTrを増大させるものである。具体的には、本モータシステムは、基本波電流ibに高調波電流を重畳した相電流を各相のコイル13に通電して、基本波電流ibによるトルクを発生させるとともに、高調波電流によるトルクを発生させて、出力されるモータトルクTrを増大させるものである。k次高調波電流は、基本波電流の周波数のk倍の周波数を有する電流である。特に、本実施形態に係るモータシステムは、高調波電流のうち3次高調波電流ihを基本波電流ibに重畳させて、モータトルクTrを増大させるものである。以下では、重畳させる高調波電流を3次高調波電流ihとした例について示す。
ここで、本発明者は、モータ10の構造によって鎖交磁束の分布が変化し、鎖交磁束の分布によっては、モータトルクTrが増大するように基本波電流ibに3次高調波電流ihを重畳すると、相電流のピーク値が増大して、インバータ20等への負担が増大するとの知見を得た。また、本発明者は、鎖交磁束の分布によっては、相電流のピーク値を抑制するように基本波電流ibに3次高調波電流ihを重畳すると、モータトルクTrが増大しないことがあるとの知見を得た。これらのことから、本発明者は、確実に相電流のピーク値を抑制しつつモータトルクTrを増大させるためには、所定の鎖交磁束の分布となるようにモータ10を設計し、且つ、所定の電流制御をする必要があるとの知見を得た。以下に詳細を説明する。
<ケース1>
まず、鎖交磁束の3次高調波成分λhの分布が、鎖交磁束の基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのピークとが合致する分布となっている場合について説明する。この場合の3次高調波成分λhは、式(1)のように表される。また、3次高調波電流ihは、式(2)のように表される。λ3は3次高調波成分λhの振幅であり、θは、電気角で表されたロータ12の回転位置である。また、i3は3次高調波電流ihの振幅であり、αは、鎖交磁束の3次高調波成分λhとの位相差を表す電気角である。なお、位相差αが高調波位相差に相当する。
さらに、モータトルクTrは、式(3)のように表される。Wmは磁気随伴エネルギであり、Pは極数である。また、id,iqは、それぞれ、基本波電流のd軸成分とq軸成分を表す。また、λd,λqは、それぞれ、3相のコイル13の鎖交磁束を合成したものの基本波成分のd軸成分とq軸成分を表す。
式(3)の第1項が基本波電流によるトルクを表し、第2項が高調波電流によるトルクを表す。Wmは、Wm=λh×ihである。式(3)に式(1)及び式(2)を代入して計算すると、3次高調波電流ihによるトルクTrhは、式(4)のように表される。
式(4)の第1項の3/2Pλ3i3sinαは、回転位置θによって変動しない平均トルクTraを表し、第2項の−3/2Pλ3i3sin(6θ+α)は、回転位置θによって変動するトルクリップルTrrを表す。基本波電流ibに3次高調波電流ihを重畳しない場合と比較して、基本波電流ibに3次高調波電流ihを重畳したことにより、平均トルクTraの分だけモータトルクTrは増大する。
ここで、式(4)から位相差α=90°のときに、3次高調波電流ihによる平均トルクTraが最大となることがわかる。平均トルクTraの最大値は3/2Pλ3i3となる。また、位相差α=90°のときの3次高調波電流ihによるトルクリップルTrrは、−3/2Pλ3i3sin6θとなる。
図3(a)に、3次高調波成分λhの分布が、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのピークとが合致する分布となっており、且つ、3次高調波成分λhと3次高調波電流ihとの位相差αが90°の場合における、3相の基本波電流ib及び3次高調波電流ihを示す。この場合、基本波電流ibのピークと3次高調波電流ihのボトムとが合致するようになる。さらに、図3(a)に示す基本波電流ibに3次高調波電流ihを重畳した相電流を図3(b)に実線で示す。基本波電流ibのピーク値に3次高調波電流ihのボトム値を重畳させ、十分に小さくなった基本波電流ibの振幅に3次高調波電流ihのピーク値を重畳させるため、相電流のピーク値が基本波電流ibのピーク値と同程度に抑制されている。
すなわち、ケース1の場合、平均トルクTraを最大にしつつ、相電流のピーク値を抑制できる。
<ケース2>
次に、3次高調波成分λhの分布が、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのボトムが合致する分布となっている場合について説明する。この場合の3次高調波成分λhは、式(5)のように表される。3次高調波電流ihは、式(2)のように表される。
この場合の3次高調波電流ihによるトルクTrhは、式(6)のように表される。
式(6)の第1項の−3/2Pλ3i3sinαが、3次高調波電流ihによる平均トルクTraを表し、第2項の3/2Pλ3i3sin(6θ+α)が、3次高調波電流ihによるトルクリップルTrrを表す。式(6)から、位相差α=270°のときに、平均トルクTraが最大の3/2Pλ3i3となり、トルクリップルTrrが−3/2Pλ3i3となる。
図4(a)に、3次高調波成分λhの分布が、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのボトムが合致する分布となっており、且つ、3次高調波成分λhと3次高調波電流ihとの位相差αが270°の場合における、3相の基本波電流ib及び3次高調波電流ihを示す。この場合、基本波電流ibのピークと3次高調波電流ihのピークとが合致するようになる。さらに、図4(a)に示す基本波電流ibに3次高調波電流ihを重畳した相電流を図4(b)に示す。基本波電流ibのピークに3次高調波電流ihのピークを重畳させるため、相電流のピーク値が基本波電流ibのピーク値と比べて、3次高調波電流ihのピーク値の分増大している。
一方、ケース2において、相電流のピーク値を抑制するように、基本波電流ibのピークと3次高調波電流ihのボトムを合致させようとすると、位相差αは180°又は0°となる。位相差αを180°又は0°とした場合、平均トルクTraは0となり、モータトルクTrは増大しない。
すなわち、ケース2の場合、平均トルクTraを最大にしようとすれば、相電流のピーク値が増大し、相電流のピーク値を抑制しようとすれば、平均トルクTraが0となる。
以上から、高調波電流ihによって、モータトルクTrを増大させつつ相電流のピーク値を抑制するためには、3次高調波成分λhの分布が、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのピークとが合致する分布となっていることが必要であることがわかる。さらに、3次高調波成分λhと3次高調波電流ihとの位相差αを所定の位相差とすることが必要であることがわかる。
次に、どのようにして、3次高調波成分λhの分布を、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのピークとが合致する分布にするかが問題となる。ここで、本発明者は、コイル13のピッチ角に対する極弧角の割合PPを調整することで、3次高調波成分λhの分布を適切な分布にすることができるとの知見を得た。以下に、割合PPと3次高調波成分λhの分布との関係について説明する。
図5〜図7に、コイルピッチ角>極弧角の場合、すなわち割合PP<1の場合における、ロータ12の位置に対するU相の鎖交磁束の変化を示す。図5〜図7では、ステータ11において、U相のコイル13uの巻幅方向における第1端から第2端までの領域を領域Ra、コイル13uの第2端から第1端までの領域を領域Rbとする。図5(a)は、ステータ11のU相のコイル13uの巻幅方向における第1端の位置に、ロータ12のN極部の第1端の位置がある状態を示す。図5(b)は、図5(a)の位置におけるU相の鎖交磁束を示す。図6(a)は、ロータ12が図5(a)の位置から領域Rbの方向へ移動した状態を示す。図6(b)は、図5(a)及び図6(a)の位置におけるU相の鎖交磁束を示す。
さらに、図7(a)は、ロータ12が図6(a)の位置から領域Rbの方向へ移動して、コイル13uの巻幅方向における第2端の位置に、ロータ12のN極部の第2端の位置がある状態を示す。また、図7(b)は、U相の鎖交磁束の波形を示す。図5(b)〜図7(b)において、図5(a)の位置におけるU相の鎖交磁束をΦA、図6(a)の位置におけるU相の鎖交磁束をΦB、図7(a)の位置におけるU相の鎖交磁束をΦCと示している。
N極部がコイル13uのピッチ間内である領域Ra内に完全に入っている状態では、鎖交磁束は変化しないため、鎖交磁束ΦA,ΦB,ΦCは同じ大きさとなっている。よって、N極部が領域Ra内に完全に入っている間は、鎖交磁束がフラットな領域となる。N極部の一部が領域Rb内に入ると、領域Raと領域Rbとではコイル13uの巻線方向が逆なため、鎖交磁束が減少していく。そして、N極部の半分が領域Raに入り、残りの半分が領域Rbに入った状態になると、鎖交磁束は0となる。そして、領域Rbに入るN極部の部分が多くなるにつれて、鎖交磁束ΦA,ΦB,ΦCとは反対方向の鎖交磁束が大きくなっていく。さらに、N極部が領域Rbに完全に入ると、鎖交磁束ΦA,ΦB,ΦCと反対方向で同じ大きさの鎖交磁束ΦD,ΦE,ΦFとなり、鎖交磁束がフラットな領域となる。この鎖交磁束の波形は、基本波成分λbに3次高調波成分λhを含む高調波成分が重畳した波形である。
次に、図8に、図5〜7よりも極弧角を小さくした場合、すなわち割合PPを小さくした場合におけるロータ12の位置に対するU相の鎖交磁束の変化を示す。図8(a)は、図5(a)に対応する位置関係を示す。図8(b)は、図8(a)に示す割合PPの場合におけるU相の鎖交磁束波形を実線で示し、図7(b)に示す鎖交磁束波形を破線で示す。図8(b)に示すように、極弧角を小さくした分だけ鎖交磁束の大きさが小さくなり、鎖交磁束波形の山と谷が潰れて、鎖交磁束のフラット領域が広がっている。このように、コイルピッチ角に対する極弧角の割合PPを小さくするほど、鎖交磁束波形の山と谷が潰れて、鎖交磁束のフラット領域が広がる。
鎖交磁束の基本波成分λbは、割合PPが変化しても一定の波形となる。よって、割合PPの変化に伴い鎖交磁束波形が変化しているのは、割合PPの変化に伴い鎖交磁束波形の高調波成分が変化しているためである。
図9(a)〜図11(a)に、山と谷があまり潰れていない鎖交磁束波形、ある程度潰れている鎖交磁束波形、かなり潰れている鎖交磁束波形を示す。図9(b)〜図11(b)に、図9(a)〜図11(a)の鎖交磁束波形に対応した3次高調波成分λhの波形を示す。図9(a)のように鎖交磁束波形のフラット領域が狭い場合は、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのピークとが合致し、3次高調波成分λhの振幅が比較的大きくなっている。
また、図10(a)のように鎖交磁束波形のフラット領域の広さが中程度の場合は、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのピークとが合致し、3次高調波成分λhの振幅が比較的小さくなっている。また、図11(a)のように鎖交磁束波形のフラット領域が広い場合は、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのボトムとが合致し、3次高調波成分のλhの振幅が比較的大きくなっている。図11(b)には、図11(a)に対応する3次高調波成分λhを実線で示し、図9(a)に対応する3次高調波成分λhを破線で示している。図11(b)で示すように、鎖交磁束波形の山と谷があまり潰れていない場合とかなり潰れている場合とでは、3次高調波成分λhの位相が半周期すなわち60°ずれている。
図12に、割合PPに対する3次高調波成分λhの変化をまとめたものを示す。図12(a)は、割合PPに対する3次高調波成分λhの振幅の変化を示す。図12(b)は、ある位相を基準とした、割合PPに対する3次高調波成分λhの位相の変化を示す。図12(c)は、割合PPに対する基本波成分λ及び3次高調波成分λhの波形のイメージを示す。図12(a)及び図12(b)は、3次高調波成分λhに限らずk次高調波成分(kは自然数)でも同様の関係になる。
図12(b)に示すように、割合PPが0.5より小さい場合と0.5より大きい場合とでは、n次高調波の位相が半周期ずれている。そして、割合PPが0.5よりも小さい場合は、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのボトムとが合致し、割合PPが0.5よりも大きい場合は、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのピークとが合致している。
図13(a)に、割合PPを0.5よりも小さく設計した場合のモータ10の1/4断面図を示し、図13(b)に、図13(a)に対応する鎖交磁束、基本波成分λb、及び3次高調波成分λhを示す。また、図14(a)に、割合PPを1に設計した場合におけるモータ10の1/4断面図を示し、図14(b)に、図14(a)に対応する鎖交磁束、基本波成分λb、及び3次高調波成分λhを示す。
これらから、基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのピークとが合致するように、モータ10を割合PPが0.5よりも大きくなるように設計する。そして、このように設計したモータ10のコイル13に、基本波電流ibに3次高調波成分λhに対して90°の位相差を有する3次高調波電流ihを重畳した相電流を通電させればよい。特に、割合PPを1とするように設計すると、3次高調波成分λhの振幅λ3を最大にすることができるため、割合PPを1未満にする場合よりも、平均トルクTraを大きくすることができる。よって、モータ10を全節巻モータとして設計するとよい。
また、3相のコイル13の中性点は、平滑コンデンサ31と平滑コンデンサ32同士の間に接続する。n相(nは自然数)のコイルに、n×j(jは自然数)次の高調波電流を重畳させた相電流を流そうとすると、n相の相電流の総和が0にならないので、n相のコイルとは別の電流経路がないと、n相のコイルに相電流を流すことができない。よって、3相のコイル13とは別の電流経路がないと、3相のコイル13に3次高調波電流ihを重畳させた相電流を流すことができない。これに対して、3相のコイル13の中性点を平滑コンデンサ31,32同士の間に接続することにより、中性点から平滑コンデンサ31,32間への電流経路が形成される。そのため、3相のコイル13に3次高調波電流ihを重畳させた相電流を流すことができる。
ここで、3次高調波電流ihの振幅が大きすぎると、図3(b)に破線で示すように、基本波電流ibに3次高調波電流ihのピーク値を重畳させた位置における相電流の値が、増大してしまうことになる。そこで、3次高調波電流ihの振幅を、基本波電流の振幅の1/3以下とする。
矩形波をフーリエ変換すると、矩形波の振幅を1とした場合、1次成分すなわち基本波成分の係数は1となり、k次成分の係数は1/kとなる。よって、k次高調波電流の振幅を基本波電流の振幅の1/k以下とすれば、基本波電流にk次高調波電流を重畳させた場合に、相電流の絶対値の最大値を基本波電流の絶対値の最大値以下にすることができる。よって、制御装置50は、基本波電流に重畳させる3次高調波電流の振幅を、基本波電流の振幅の1/3以下にする。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
・基本波成分λbのピークと3次高調波成分λhのピークとが合致するように、コイルピッチ角に対する永久磁石の極弧角の割合PPが設計される。そして、コイル13に、基本波電流ibに3次高調波成分λhの位相に対して電気角90°の位相差を有する3次高調波電流ihを重畳した相電流が通電される。これにより、基本波電流ibと3次高調波電流ihとによりトルクが発生する。その際、確実に、相電流のピーク値を抑制しつつ、モータトルクを増大させることができる。
・位相差αを電気角90°にすることにより、相電流のピーク値を抑制しつつ、3次高調波成分による平均トルクTraを最大にすることができる。ひいては、相電流のピーク値を抑制しつつ、モータトルクを増大させることができる。
・3次高調波電流ihの振幅を、基本波電流ibの振幅の1/3以下にすることにより、基本波電流ibに3次高調波電流ihを重畳させた相電流のピーク値を基本波電流ibのピーク値以下にすることができる。
・3相のコイル13の中性点を電源側の平滑コンデンサ31,32の間に接続することにより、3次高調波電流ihを基本波電流ibに重畳した相電流をコイル13に流すことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るモータシステムについて、第1実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態に係るモータ10は、3相のコイル13を複数セット有する多相モータである。
第1実施形態では、鎖交磁束の基本波成分λbの分布が適切な分布になるようにモータ10を設計し、基本波電流ibに基本波成分λbに対して電気角90°の位相差を有する3次高調波電流ihを重畳した相電流を通電して、平均トルクTraを最大にした。この場合、式(4)で示すように、トルクリップルTrrも増大する。トルクリップルTrrは騒音の要因となるため、増大することは望ましくない。そこで、第2実施形態では、3相のコイル13を複数セットにし、複数のセット間でトルクリップルTrrを打消し合うようにした。以下、詳細を説明する。
モータ10が、3相のコイル13をmセット(mは2以上の自然数)有するモータの場合は、各セットにおける所定相のコイル13を、セットごとに、空間的に(180/(m×3))°ずつずらして配置する。
例えば、モータ10が3相のコイル13を2セット有する場合は、図15に示すように、各相のコイル13を30°ずつずらして配置する。また、モータ10が3相のコイル13を3セット有する場合は、図16に示すように、各相のコイル13を20°ずつずらして配置する。モータ10がn相(nは自然数)のコイルをmセット有する場合は、各相のコイルを空間的に(180/(m×n))°ずつずらして配置する。なお、図示していないが、モータシステムは、モータ10が3相のコイル13を複数セット有する場合には、セットごとに3相のインバータ20を有する。本実施形態では、重畳する高調波電流の次数kを、n×p(pは自然数)とする。
そして、セットごとに、電気角((180×p)/m)°の位相差ずつずらしたk次高調波電流を基本波電流に重畳すると、第1実施形態と同様に、鎖交磁束のk次成分とk次高調波電流との位相差が90°のときに、平均トルクTraが最大になるとともに、トルクリップルTrrが0になる。なお、基本波電流ibは各セットで同位相である。以下、モータ10が3相のコイル13を2セット有し、3次高調波電流を重畳する場合と、モータ10が3相のコイル13を3セット有し、3次高調波電流を重畳する場合を例に挙げて説明する。また、((180×p)/m)°がセット間位相差に相当する。
<3相2セットモータ>
3相のコイル13の2セットをA系統とB系統とする。A系統の3次高調波電流ih_AとB系統の3次高調波電流ih_Bとのセット間位相差は、p=1,m=2で90°となる。A系統の3次高調波成分λh_A及び3次高調波電流ih_Aを、式(1)及び式(2)のように表すと、B系統の3次高調波成分λh_B及び3次高調波電流ih_Bは、次の式(7)及び式(8)のように表される。
A系統の3次高調波電流ib_AによるトルクTrh_Aは式(4)のように表され、B系統の3次高調波電流ib_BによるトルクTrh_Bは、次の式(9)のように表される。そして、A系統のトルクTrh_AとB系統のトルクTrh_Bを合成した合成トルクTrh_Tは、式(10)のように表される。
式(10)から、位相差α=90°のときに、平均トルクTraは最大となるとともに、トルクリップルTrrは0となる。また、平均トルクTraは、3相のコイル13を2セットにしたことにより、1セットのときに比べて2倍となっている。すなわち、3次高調波電流ih_AによるトルクリップルTrrと3次高調波電流ih_BによるトルクリップルTrrとが相殺して、合成トルクTrh_Tは、平均トルクTra_A+平均トルクTra_Bとなる。
よって、A系統及びB系統のそれぞれで、第1実施形態で示したような割合PPとなるようにモータ10を設計するとともに、A系統のコイル13とB系統のコイル13とを各相で空間的に30°ずらして配置する。さらに、各系統において、3次高調波成分λh_A,λh_Bの位相に対して、3次高調波電流ih_A,ih_Bの位相を90°ずらすとともに、A系統の3次高調波電流ih_Aの位相に対してB系統の3次高調波電流ih_Bの位相を90°ずらす。このようにすることにより、平均トルクTraを最大にするとともに、トルクリップルTrrを0にすることができる。
<3相3セットモータ>
3相のコイル13の3セットをA系統、B系統及びC系統とする。A系統の3次高調波電流ih_Aに対するB系統の3次高調波電流ih_Bのセット間位相差は、p=1,m=3で60°、3次高調波電流ih_Bに対するC系統の3次高調波電流ih_Cのセット間位相差は60°となる。A系統の3次高調波成分λh_A及び3次高調波電流ih_Aを、式(1)及び式(2)のように表すと、B系統の3次高調波成分λh_B及び3次高調波電流ih_Bは、次の式(11)及び式(12)のように表される。また、C系統の3次高調波成分λh_C及び3次高調波電流ih_Cは、次の式(13)及び式(14)のように表される。
A系統の3次高調波電流ib_AによるトルクTrh_Aは式(4)のように表され、B系統の3次高調波電流ib_BによるトルクTrh_Bは、次の式(15)のように表される。また、C系統の3次高調波電流ib_CによるトルクTrh_Cは、次の式(16)のように表される。そして、A系統のトルクTrh_AとB系統のトルクTrh_BとC系統のトルクTrh_Cを合成した合成トルクTrh_Tは、式(17)のように表される。
式(17)から、位相差α=90°のときに、平均トルクTraは最大となるとともに、トルクリップルTrrは0となる。
よって、A系統、B系統及びC系統のそれぞれで、第1実施形態で示したような割合PPとなるようにモータ10を設計するとともに、A系統とB系統とC系統のコイル13を各相で空間的に30°ずらして配置する。さらに、各系統において、3次高調波成分λh_A,λh_B,λh_Cの位相に対して、3次高調波電流ih_A,ih_B,ih_Cの位相を90°ずらす。そして、3次高調波電流ih_Aの位相に対して3次高調波電流ih_Bの位相を120°ずらし、3次高調波電流ih_Bの位相に対して3次高調波電流ih_Cの位相を120°ずらす。このようにすることにより、平均トルクTraを最大にするとともに、トルクリップルTrrを0にすることができる。
なお、第1実施形態で述べたように、3相のコイル13に3次高調波電流ihを重畳させた相電流を流そうとすると、3相のコイル13とは別の電流経路が必要である。3相のコイル13が2セット以上ある場合は、各セットの中性点同士を接続すれば電流経路ができるので、中性点と平滑コンデンサ31,32の間とを接続する必要はない。例えば、3相のコイル13が3セットあり、そのうちの2セットは中性点同士が接続されており、残りの1セットは中性点が他のセットの中性点と接続されていない場合は、残りの1セットの中性点は、平滑コンデンサ31,32の間に接続する必要がある。
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、更に以下の効果を奏する。
・モータ10を3相のコイル13をmセット有する多相モータとし、セットごとに、各相のコイル13を、空間的に180/(m×3)°ずつずらして配置する。さらに、セットごとに、3次高調波電流ihの位相が、180/m°ずつずらされる。これにより、セット間で3次高調波電流ihによるトルクリップルTrrを相殺して、3次高調波電流ihによるトルクリップルTrrを0にすることができる。
・各セットの中性点を全て互いに接続する場合は、中性点同士を接続した接続線が3相のコイル13とは別の電流経路となるので、どのような次数の高調波電流ihを基本波電流ibに重畳させても、相電流を3相のコイル13に流すことができる。
(他の実施形態)
・各実施形態において、3次高調波成分λhに対する3次高調波電流ihの位相差αを90°としたが、90°付近の所定値としてもよい。このようにしても、平均トルクTraを最大にすることはできないが、ある程度大きくして、モータトルクを増大させることができる。
・第2実施形態において、セットごとに、3次高調波電流ihの位相を、((180×p)/m)°ずつずらしたが、((180×p)/m)°ずつずらさなくてもよい。セットごとに3次高調波電流ihの位相を少しでもずらせば、各セットのトルクリプルの一部が打ち消し合い、ずらさない場合よりもトルクリップルTrrを低減することができる。
・基本波電流ibに重畳する高調波電流は3次に限らない。基本波電流ibに、奇数の次数の高調波電流を重畳する場合も、3次高調波電流ihを重畳する場合と同様にして、相電流のピーク値を抑制しつつ、モータトルクを増大させることができる。また、トルクリップルTrrを抑制することができる。さらに、基本波電流ibに、複数の次数の高調波電流、例えば3次高調波電流と5次高調波電流を重畳してもよい。
・モータ10は、3相のコイル13を1セット又は複数セット備えたものに限らず、3相以外のn相のコイルを1セット又は複数セット備えたものでもよい。なお、n相のコイルの場合、重畳する高調波電流の次数kがnの倍数の場合には、n相のコイルとは別の電流経路がないと相電流を流せないので、別の電流経路を作る。
・モータ10は、インナーロータ型に限らずアウターロータ型でもよい。
・モータ10は、集中巻モータに限らず分布巻モータでもよい。
10…モータ、11…ステータ、12…ロータ、13…コイル、14…永久磁石、20…インバータ、50…制御装置。

Claims (11)

  1. 複数相のコイル(13)を含むステータ(11)及び永久磁石(14)を含むロータ(12)を有し、前記コイルに鎖交する無負荷鎖交磁束に高調波成分を有するモータ(10)と、前記コイルの通電を制御する制御部(20,50)と、を備えたモータシステムであって、
    前記モータは、前記ステータにおける前記コイルのピッチ角に対する前記永久磁石の極弧角の割合が、前記無負荷鎖交磁束の基本波成分のピークと、前記無負荷鎖交磁束のk次高調波成分(kは自然数)のピークとが合致するように設計されており、
    前記制御部は、基本波電流に前記k次高調波成分に対して所定の高調波位相差を有するk次高調波電流を重畳した相電流を前記コイルに通電して、前記基本波電流と前記k次高調波電流とによりトルクを発生させる、モータシステム。
  2. 前記kは奇数であり、
    前記k次高調波電流の周波数は、前記基本波電流の周波数の奇数倍である請求項1に記載のモータシステム。
  3. 前記高調波位相差は電気角90度である請求項1又は2に記載のモータシステム。
  4. 前記制御部は、前記k次高調波電流の振幅を、前記基本波電流の振幅の(1/前記k)以下とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータシステム。
  5. 前記モータは、n相(nは自然数)の前記コイルをmセット(mは2以上の自然数)有する多相モータであり、
    各セットにおける所定相の前記コイルは、前記セットごとに、空間的に180/(前記m×前記n)度ずつずれて配置されており、
    前記制御部は、前記k次高調波電流を、前記セットごとに、所定のセット間位相差ずつ位相をずらして、前記基本波電流に重畳する請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータシステム。
  6. 前記kは前記n×p(pは自然数)であり、
    前記所定のセット間位相差は、電気角(180×前記p/前記m)度である請求項5に記載のモータシステム。
  7. 前記モータは、n相(nは自然数)の前記コイルを1セット有するモータであり、
    前記n相の前記コイルの中性点は、前記モータシステムの電源(40)の端子間に直列に接続されたコンデンサ(31,32)同士の間に接続される請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータシステム。
  8. 前記mセットの前記コイルの中性点うち、他の前記中性点と接続されていない前記中性点は、前記モータシステムの電源(40)の端子間に直列に接続されたコンデンサ(31,32)同士の間に接続される請求項5又は6に記載のモータシステム。
  9. 前記モータは、n相(nは自然数)の前記コイルをmセット(mは2以上の自然数)有する多相モータであり、
    各セットの前記コイルの中性点を全て互いに接続する請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータシステム。
  10. 前記モータは集中巻モータである請求項1〜9のいずれか1項に記載のモータシステム。
  11. 前記モータは全節巻モータである請求項1〜10のいずれか1項に記載のモータシステム。
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