JP5545177B2 - 回転電機を用いた駆動システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に搭載され、ロータ巻線に電流を流してロータを回転させ、所望のトルクを得る回転電を用いた駆動システムに関する。
従来、回転電機として特許文献1及び2に記載のものが有る。特許文献1の回転電機は、ロータの周方向複数個所に、永久磁石が周方向に隣り合うもの同士で着磁方向が異なるように配置され、ロータの周方向複数個所に位置するインダクタンスが低いd軸磁路にロータ巻線が配置されている。更に、ロータ巻線に整流用の半導体素子としての一方向ダイオード又は他方向ダイオードがそれぞれ並列に接続されており、ロータ巻線に誘導電流を流すことにより、ロータ巻線が巻装された磁極部のうち、ロータの周方向に隣り合う磁極部の磁気特性が互いに異なるようにする。そして、永久磁石の磁化方向と、永久磁石に対しロータの周方向に一致する磁極部の磁化方向とを一致させるようになっている。
特許文献2のかご型誘導回転電機は、固定子巻線を各々極数の異なる第1及び第2の巻線より形成し、且つ回転子導体数を第1及び第2の巻線の極数の平均数となし、それを周方向に平等間隔配置するように構成されている。この構成において、第1及び第2の巻線の何れか一方の巻線(例えば第1の巻線)に交流電源を、他方の巻線(例えば第2の巻線)に可変抵抗を接続し、2次抵抗制御により可変速運転を可能としている。
特開2009−142120号公報 特開昭60−32556号公報
しかし、上記の特許文献1の回転電機においては、ロータに整流用の半導体素子を設ける構成となっているので、ロータ回転時にその遠心力で半導体素子が外れる可能性があり耐遠心強度の信頼性が低いという問題がある。
特許文献2の回転電機においては、2次抵抗制御、即ち2次側の巻線のみの周波数制御なので、2次側に誘導される電流周波数を最適に制御できない。つまり、2次側の短絡導体である可変抵抗に流れる電流は実際のトルクにはならないので、ロータ回転時のトルクを上げることができない。言い換えれば、2次銅損を減少させ、モータ効率を向上させることができないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、耐遠心強度の信頼性を高く維持しながら、モータ効率を向上させることができる回転電を用いた駆動システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項に記載の発明は、回転軸に結合された円筒状の積層電磁鋼板によるロータコアの外周面が磁気的に凹凸構造となり、この凹凸構造の各々の凸部に、軸方向に沿って当該軸方向両端まで延びる溝が形成され、この溝に2次導体が挿入され、2次導体同士が当該ロータコアの軸方向端部で電気的に接続された2次短絡回路が配設されたロータと、前記ロータの外周に所定ギャップ離されて配置され、各々極数の異なる第1の多相巻線と第2の多相巻線とが巻装されたステータと、前記第1及び第2の多相巻線に各々異なる周波数の多相電力を供給する駆動装置とを備え、前記駆動装置は、前記第1の多相巻線に供給する多相電力の周波数である第1の周波数と、前記第2の多相巻線に供給する電力の周波数である第2の周波数との比を、当該第1及び第2の多相巻線の極数比に近づけ、前記2次短絡回路に低周波の誘導電流を発生させる第1の制御と、前記第1及び第2の多相巻線の極数比から遠ざけ、前記2次短絡回路に高周波の誘導電流を発生させる第2の制御と、を行うことを特徴とする。
この構成によれば、駆動装置から第1及び第2の多相巻線に各々異なる周波数の多相電力を供給すると、ロータの2次短絡回路に誘導電流が発生し、この誘導電流が流れることで、ロータの磁気的な凹凸構造に基づくリラクタンストルクと同方向の誘導トルクが発生するので、効果的なトルク付勢ができる。また、誘導トルクだけで全トルクを発生させる誘導機としての回転電機と比較して、2次電流を減らすことができ、これにより2次銅損が減少するのでモータ効率を向上させることができる。
また、第1の制御の場合、第1及び第2の周波数の比が、極数比に近づくと2次短絡回路に低周波数の誘導電流が発生する。第2の制御の場合、第1及び第2の周波数の比が、極数比から遠ざかると高周波数の誘導電流が発生する。このように第1及び第2の周波数の比を制御パラメータとすることで、所望周波数の2次電流を2次短絡回路に誘導することができる。つまり、回転電機が高負荷では周波数比を極数比から遠ざけることで高い周波数の大電流を誘導できる。低負荷では周波数比を極数比に近づけることで低い周波数で小電流を誘導できるので、2次銅損を低減させることができる。
請求項に記載の発明は、前記ロータに前記誘導電流が流れない場合のリラクタンストルクと、前記誘導電流が流れた際に発生する誘導トルクとの和である全トルクにおいて、前記誘導電流が流れている際に前記リラクタンストルクの占める割合が40%〜70%となるように、前記ロータコアの前記凹凸構造の凸部と凹部との占有比率を定めたことを特徴とする。この構成によれば、全トルクの40%〜70%をリラクタンストルクで分担するので、トルク性能を犠牲にすることなく、誘導電流である2次電流の総量を効果的に減らすことができ、これによって2次銅損が減少し、モータ効率を更に向上させることが出来る。言い換えれば、全トルクの高いところで回転電機を回すことが出来る。
請求項3に記載の発明は、前記ロータコアの前記凹凸構造の凸部と凹部との総和に対する当該凸部の占める割合を表す突極比は、0.4〜0.65であることを特徴とする。この構成によれば、ロータのトルクを犠牲にすることなく、全トルクの40%〜70%をリラクタンストルクで分担できる。従って、2次銅損が減少するので、モータ効率を更に向上させることができる。
請求項に記載の発明は、前記駆動装置は、前記第1及び第2の多相巻線に供給する多相電力の周波数と、前記ロータの回転数に同期する同期周波数との差が大きくなる又は小さくなる方向に制御することを特徴とする。
この構成によれば、ステータの多相巻線に供給する周波数と、ロータの回転数に同期する同期周波数との差(周波数差)を制御パラメータとすることで、低回転又は高回転において所望周波数の2次電流を2次短絡回路に誘導できる。つまり、回転電機が高負荷では周波数差を大きくすることで高い周波数の大電流を誘導できる。低負荷では周波数差を小さくすることで低い周波数で小電流を誘導できるので、2次銅損を低減させることができる。
請求項に記載の発明は、前記駆動装置は、前記第1及び第2の多相巻線に供給される多相電力の各々異なる周波数の和に比例させた速度で前記ロータの回転数を制御することを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2の多相巻線が生成する合成磁界の基本波周波数に同期されてロータ回転数が制御されるので、リラクタンストルクを発生させることができる。
本発明の第1実施形態に係る回転電機の構成を模式的に示す軸方向断面図である。 第1実施形態の回転電機を用いた駆動システムにおいてステータに巻装される第1及び第2の3相巻線を模式的に示す図である。 回転電機のロータの2極モデル図である。 回転電機を軸方向から見た場合の1/4軸方向平面図である。 図3の矢印Y1方向からロータコアの側面側を見た際の2次短絡回路の等価図である。 ロータコアの凸部と凹部との突極比を説明するための2極モデル図である。 ロータコアの突極比を表す1/4軸方向平面図である。 回転電機のロータに誘導トルクが発生する動作を説明するためのフローチャートである。 回転電機のステータに発生する変調波磁束を説明するための波形図である。 ステータに発生した変調波磁束がロータの2次短絡導体と鎖交する様子を示す図である。 ステータの変調波磁束がロータの2次短絡導体と鎖交した際に誘起される電圧及び電流の波形図である。 ロータに発生する誘導トルク並びにリラクタンストルクを示す図である。 ロータの突極比と、リラクタンストルク及び誘導トルクとの関係図である。 第1及び第2の3相巻線の各極数の磁界を加算する重畳磁界を説明するための波形図である。 8極の基本波変調波で振幅変調して8極の変調磁界が生成される様態を説明するための波形図である。 基本周波数比と交番周波数比との関係図である。 基本周波数比を変えて所望周波数の電流を誘導する説明のためのロータ回転数とロータ交番周波数との関係図である。 基本周波数差と交番周波数比との関係図である。 本発明の第2実施形態に係る回転電機を用いた駆動システムの直列3相巻線の構成を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書中の全図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適時省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る回転電機の構成を模式的に示す軸方向断面図である。図1に示す回転電機(モータ)10は、略有底筒状のハウジング1と、ハウジング1に軸受け2を介して回転自在に支承される回転軸3に機械的に結合され、トルク伝達可能に固定されたロータ4と、ハウジング1の内部でロータ4を所定ギャップ離れて包囲する位置でハウジング1に固定されたステータ5とを備えている。
ステータ5は、積層電磁鋼板により成るステータコア5aの内径側に第1の3相巻線(多相巻線)7−1、外径側に第2の3相巻線(多相巻線)7−2が巻装されている。第1及び第2の3相巻線7−1,7−2は各々極数P1,P2が異なり、本例では第1の3相巻線7−1は極数P1が10極、第2の3相巻線7−2は極数P2が6極となっているとする。以降、第1及び第2の3相巻線7−1,7−2を、ステータ2重巻線7とも称す。
図2に一点鎖線で示すように第1の3相巻線7−1の3相端末U1,V1,W1には、第1の基本周波数f1の3相電力を供給する第1のインバータ(駆動装置)11−1が接続され、二点鎖線で示す第2の3相巻線7−2の3相端末U2,V2,W2には、第2の基本周波数f2の3相電力を供給する第2のインバータ11−2が接続されている。つまり、各々独立した第1及び第2の3相巻線7−1,7−2には、各々異なる基本周波数f1,f2の3相電力が別々に供給されるようになっている。
図1に示すロータ4は、積層電磁鋼板により成るロータコア4aに、第1及び第2の3相巻線7−1,7−2に電流が流れた際に電磁誘導作用によって電流が流れる導線や導体バー等の2次導体8が巻装されている。ロータコア4aは、図3の一例である2極モデルに示すように、ステータ5の内周面(ステータ内周面)5bとの対向ギャップG1が小さい凸部4bをロータ磁極方向であるd軸上に対向状態に有し、d軸と直交するq軸上にステータ内周面5bとの対向ギャップG2が大きい凹部4cを対向状態に有している。つまり、凸部4bではギャップG1が小さいのでロータ4とステータ5間で磁束の通りが良く(換言すれば、磁気抵抗が小さく)、凹部4cではギャップG2が大きいので磁束の通りが悪く(換言すれば、磁気抵抗が大きく)なっている。このようにロータ4は、磁束が通り易い部分(凸部4b)と、磁束が通り難い部分(凹部4c)とを有している。
なお、このロータ4の磁束が通り易い部分と、磁束が通り難い部分とを実現するためには、必ずしも凸部4b及び凹部4cでステータ5とのギャップGを変えなくても、ロータ4の外周が一定の円周であっても、ロータコア4aの巻線に電流を流したり流さなかったりすることで、磁気抵抗が大きくなったり、小さくなったりすることを利用しても良い。
また、ロータコア4aは、各凸部4bの外周面に、軸方向に沿って並列且つ分離した凹状のロータ溝(図示せず)が形成され、これらロータ溝に2次導体8a〜8dが挿入され、各2次導体同士(8aと8b、8cと8d)がロータコア4aの軸方向の端部で電気的に接続されている。この接続によって2次短絡導体8T1及び8T2が形成され、これによって2次短絡回路8Tが構成されている。
この実際の状態を、図4の軸方向から見た回転電機10の1/4軸方向平面図に示す。この図4に示す凹部4cを挟んで隣接する凸部4bに形成された2次導体同士が、ロータコア4aの軸方向端部で電気的に接続され、この接続によって図5(a)の等価図に示すように凹部4cを中心とした同心状に複数の2次短絡導体8T1,8T2が形成され、これにより2次短絡回路8Tが構成されている。
即ち、図5(a)は2次短絡回路8Tを矢印Y1方向(図3参照)からロータコア4aの側面側を見た際の等価図であり、ロータ凹部4cを中心として2次短絡導体8T1,8T2が同心状に配設された様子を示す。この他、図5(b)に示すように2次短絡導体8T1,8T2を交差状に配設してもよい。但し、交差状に配設する場合、交差部分は離間等によって絶縁状態とする。
なお、図4に示すステータ5には、所定数のスロット5sを介して内径側に10極の第1の3相巻線7−1と、外形側に6極の第2の3相巻線7−2とが巻装された様子も示した。
また、図6にロータコア4aの周回面における凸部4bと凹部4cとの面積の比率(占有比率)を表す突極比θd/θpの関係を説明するための2極モデル図を示す。ここで、θp=πは1極分(凸部4bと凹部4cの合計)の角度、θdは凸部4bの角度である。この突極比θd/θpは、例えば図7の8極ロータ4では、凸部4bの極弧角θd=19°、1極分の角度θp=45°としてあり、これによって突極比θd/θpが0.42となっている。なお、突極比θd/θp=1は、凹部4cが無く凸部4bのみの場合、即ちロータコア4aの外周が円形の場合である。
但し、上記のロータコア4aの物理的な凹凸構造は、磁気的に凹凸構造と言い換えることができるが、この磁気的な凹凸構造としては、ロータコア4aの外周面が円周状であっても、凸部4bに対応する部分がステータ5との磁気抵抗が小さくなる材料で構成されていてもよい。又は凹部4cに対応する部分が磁気抵抗が大きくなる材料で構成されていてもよい。更には、凹部4cに対応する部分の内部に複数層のスリットが設けられていても良い。
次に、このような構成の回転電機10を用いた駆動システムにおいて、2次短絡回路8Tに電流を誘導し、この誘導電流により誘導トルクTcが発生する動作を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS1において、ステータ5で磁束を振幅変調する。これは、ステータ5の第1及び第2の3相巻線7−1,7−2に、第1及び第2インバータ11−1,11−2から各々異なる基本周波数f1,f2の3相電力を個別に供給することにより行う。この供給により第1及び第2の3相巻線7−1,7−2において極数の異なる2種類の磁束が重畳され、ステータ5には振幅(強度)が刻々と変化する図9に波形で示すような変調波磁束φmが発生する。但し、図9に示す波形φmは、変調波磁束φmに対応する波形であるため同一符号が付してある。φsはロータ4の極数や回転数に応じた磁束に対応する基本波、φは基本波φsと変調波φmとを乗算した合成波である。
ステータ5で変調波磁束φmが発生すると、ステップS2において、その変調波磁束φmが図10に矢印kφmで示すように、ロータ4の2次短絡導体8T1,8T2と鎖交する。この鎖交により2次短絡回路8Tには、図11に示すように、鎖交分kΦmの時間変化率に相当する電圧Ec=−d/dt×(kφm)が誘起される。この誘起電圧Ecにより2次短絡回路8Tに誘導電流Ic=Ec/Zcが発生する。但し、Zcは2次短絡回路8Tのインピーダンスである。
誘導電流Icが発生すると、ステップS3において、図12に示すようにロータ4に誘導トルクTcが発生する。これは、図11に示したように誘導電流Icと変調波磁束φmとは共に振幅(強度)が時々刻々と変化するが、互いの位相が逆方向であるため、両方の積に比例する誘導トルクTcが一定方向となり、図12に示すように、誘導電流Icが0の場合に凹凸構造に基づき発生するリラクタンストルクTrと同方向の誘導トルクTcを発生することになる。
ここで、ロータ4の突極比θd/θpと、リラクタンストルクTr及び誘導トルクTcとの関係を図13に示し、その説明を行う。
ロータ4においてリラクタンストルクTrは、図13に示すように、突極比θd/θp=0.5付近(0.4〜0.6)で最大となる。一方、誘導トルクTcは、ロータ4の2次短絡導体8Tの数が多く、誘導電流Icを増やすことができる突極比θd/θpが大であるほど大きくなる。リラクタンストルクTrと誘導トルクTcの総和である全トルクΣTqは、図13に示すように、突極比=0.7付近まで増加し、更に突極比θd/θpが大きくなると、リラクタンストルクTrの減少のため、頭打ちになって減少する。
突極比θd/θp=0.4付近では誘導トルクTcは小さめだが、リラクタンストルクTrが大きいため、比較的大きな全トルクΣTqの大部分(約70%)をリラクタンストルクTrで分担できる。この様子をリラクタンストルク分担率Tr/ΣTqの線上の点で示す。突極比θd/θp=0.65付近ではリラクタンストルクTrがやや減少するが、誘導トルクTcが大きくなるため、全トルクΣTqが増加する。この時、全トルクΣTqの約40%をリラクタンストルクTrで分担できる。
このように突極比=0.4〜0.65付近に設定すれば、トルクを犠牲にすることなく、全トルクΣTqの40%〜70%をリラクタンストルクTrで分担できる。その結果、誘導トルクTcだけで全トルクΣTqを発生させる誘導機としての回転電機10に対し、2次電流の総量を減らすことができ、これにより2次銅損が減少し、モータ効率が向上する。
次に、前述した変調波磁束φmを発生させる変調磁界が、極数P1(=10極)の第1の3相巻線7−1と極数P2(=6極)の第2の3相巻線7−2を備えたステータ5で実現できることを、図14及び図15を参照して説明する。
図14は、第1の3相巻線7−1が作る極数P1(=10極)の磁界F1と、第2の3相巻線7−2が作る極数P2(=6極)の磁界F2とが加算された際の重畳磁界F1+F2を表す。この重畳磁界F1+F2は、振幅がmp1〜mp8で示すように極毎に異なる8極の重畳磁界となっている。ここで、磁極F1は下式(1)、磁極F2は下式(2)、重畳磁界F1+F2は下式(3)で表される。
=Fa1・sin(P1p・θ−ωt) …(1)
=Fa2・sin(P2p・θ−ωt) …(2)
ΣF=Fa1・sin(P1p・θ−ωt)
+Fa2・sin(P2p・θ−ωt) …(3)
但し、Fa1は図14に示すに磁界F1の振幅、Fa2は磁界F2の振幅である。これら磁界F1の振幅Fa1と、磁界F2の振幅Fa2とは近い方が良い。θはロータ4の機械角、P1p,P2pは極対数(ここではP1が10極なのでP1pは5、P2が6極なのでP2pは3)、ω1t,ω2tはP1p,P2pの電流位相である。
また、磁界F1,F2の強度が等しい場合、Fa1=Fa2を条件とする三角関数の式の変形により、重畳磁界F+Fが基本波Fと変調波Fの積で表されることを下式(4)に示す。基本波Fは下式(5)、変調波Fは下式(6)で表される。
ΣF=F×F …(4)
=F・sin(P・θ−ωt) …(5)
但し、F1=F2=Fとする。
=2・cos(P・θ−ωt) …(6)
ここで、基本波Fでは、P1p=5、P2p=3なので下式(7)によって極対数P=4となり、下式(8)で表す角周波数ωの回転磁界{上式(5)に対応}を発生する。
一方、変調波Fでは、下式(9)によって極対数P=1となり、下式(10)で示す角周波数ωであり、上記の基本波Fの振幅{=磁界振幅:上式(6)に対応}を変調する。
=(P1p+P2p)/2=4 …(7)
ω=(ω+ω)/2 …(8)
=(P1p−P2p)/2=1 …(9)
ω=(ω−ω)/2 …(10)
ここで、図3に示す重畳磁界F1+F2の波形の振幅が不規則であるが、mp1〜mp8で示すように8極となっていることを、図15を参照して説明する。図15は、8極の基本波Fを変調波Fで振幅変調(基本波Fと変調波Fとの積)とすることにより8極の変調磁界Fs×Fmが生成される様態を示す。なお、基本波Fはsin波、変調波Fはcos波である。
図15において、変調磁界Fs×Fmの振幅の上限と下限は、8極の基本波Fsの振幅の上下限と一致しているので8極であることが分かる。また、変調磁界Fs×Fmは、重畳磁界F1+F2と波形が一致しているので、重畳磁界F1+F2が8極であることが証明される。
また、本実施形態の回転電機10を用いた駆動システムにおいては、第1及び第2インバータ11−1,11−2が第1及び第2の3相巻線7−1,7−2に供給する3相電力の基本周波数f1,f2の比を変えて、所望周波数fsの電流を2次短絡回路8Tに誘導させることができるようになっている。
この際の動作を、図16を参照して説明する。図16は変調磁界Fs×Fmの式から導出した基本周波数f1,f2の比(横軸)と、2次短絡回路8Tと鎖交する交番磁界の周波数比である交番周波数比(縦軸)との関係を示すものである。
図16に示す縦軸の交番周波数比は、ロータ4が1回転(r/sec)当り2次短絡回路8Tに鎖交する交番磁界のサイクル数であり、横軸の基本周波数比f2/f1が極数比(P2/P1=6/10=0.6)と同じ場合(点fp9の場合)に、交番周波数比が0となる。基本周波数比f2/f1が、極数比P2/P1=0.6から小さくなる方向へ離れるほど交番周波数比は大きくなる。基本周波数比f2/f1と交番周波数比との関係を線C1で示した。
例えば、線C1の点fp5において基本周波数比f2/f1=0.33で交番周波数比=1となり、点fp2においてf2/f1=0で交番周波数比=3、点fp1においてf2/f1=−0.28で交番周波数比=6となり、基本周波数比f2/f1が0.6以下では小さくなるほど交番周波数比が大きくなっている。但し、f2/f1=0の場合、f2=0であり、第2の3相巻線7−2が作る磁界は回転しない(静止状態)。また、f2/f1=−0.28の場合、第2の3相巻線7−2が作る磁界の回転方向は第1の3相巻線7−1が作る磁界の回転方向と逆方向となる。また、基本周波数比f2/f1が、極数比P2/P1=0.6よりも大きい場合の1.0(点fp10)では交番周波数比は1となる。
このように基本周波数比f2/f1を極数比P2/P1=0.6から遠ざけることで、高い周波数の電流を2次短絡回路8Tに誘導させることができる。一方、基本周波数比f2/f1を、極数比P2/P1=0.6に近づけることで、低い周波数の電流を2次短絡回路8Tに誘導させることができる。
また、回転電機10の負荷状態をモータ電流値や電流指令値(又はトルク指令値)より推定する手段(図示せず)を駆動システムに組合せて構成し、この構成によって負荷状態を確認して、高負荷では基本周波数比f2/f1を極数比P2/P1から当該極数比よりも小さい方向に遠ざけ、高い周波数の大電流を誘導する。これによってトルクTcを増大することができる。一方、低負荷では周波数比f2/f1を極数比P2/P1(=0.6)に近づけ、低い周波数の小電流を誘導する。これによって2次銅損を低減(発熱を低減)させることができる。
更に、車載搭載時の慣性走行等の極低負荷では、周波数比f2/f1を極数比P2/P1と一致させることで、2次短絡回路8Tに対する交番磁界を無くし、2次銅損が無いリラクタンスモータとして作動させることができる。
次に、このように基本周波数f1,f2の比を変えて、所望周波数fsの電流を2次短絡回路8Tに誘導させる制御内容を、ロータ回転数Nrに応じたロータ交番周波数fsの制御に応用する場合について図17を参照して説明する。但し、ロータ交番周波数fsとは、2次短絡回路8Tに1秒間に何回磁束の振幅が交差するかを表すものであり、1秒間に1回磁束の振幅が交差すれば1Hzで表される。
図17は横軸のロータ回転数Nrに応じた縦軸のロータ交番周波数fsを制御する際の図である。この制御には、破線枠で示す高負荷用切替制御swH及び低負荷用切替制御swL、矢印swULで示すロータ交番周波数fs=0の極低負荷用切替制御がある。また、ロータ回転数Nrに対するロータ交番周波数fsの関係は、各斜線k1〜k8及び横軸と略同じ線k9で示される。これら線k1〜k9は、図16に示した点fp1〜fp9に対応しており、例えば点fp1に対応する基本周波数比f2/f1=−0.28で交番周波数比6とした際に、線k1の特性が得られる。
まず、高負荷用切替制御swHは、ロータ回転数Nrが高回転数するまで交番周波数比を高く設定し、2次短絡回路8Tに高い周波数(例えばロータ交番周波数fs=40〜75Hz)の大電流を誘導し、誘導トルクTcを増大させる制御である。
例えば、車両駆動時にロータ回転数Nrを上げる際に、基本周波数比f2/f1を点fp1の位置として交番周波数比を6と高く設定し、これによってswH破線枠内の線k1で示すロータ交番周波数fs=40〜75Hzとなるようにする。その後、ロータ回転数Nrが上がるに応じて、ロータ交番周波数fsが40〜75Hzで維持されるように、基本周波数比f2/f1を点fp2、fp3の位置に順次切り替えることで交番周波数比を切り替える。これによって、ロータ回転数Nrが上がってもロータ交番周波数fsが40〜75Hzを維持するので、2次短絡回路8Tに40〜75Hzの大電流が誘導され、誘導トルクTcを高い値で維持することができる。
次に、低負荷用切替制御swLは、交番周波数比を低く設定し、低めの周波数(ロータ交番周波数fs=20〜30Hz)の小電流を2次短絡回路8Tに誘導し、2次銅損を低減させる制御である。
例えば、上記の高負荷用切替制御swHであれば、図17に示すようにロータ回転数Nrが2500(r/min)付近では、交番周波数比を点fp4の位置としてロータ交番周波数fsをswH破線枠内の線k4で示す40〜75Hzとしていたが、低負荷用切替制御swLでは点fp6の位置と交番周波数比を低くする。これによってロータ交番周波数fsは、swL破線枠内の線k6で示す20〜30Hzとなる。その後、ロータ回転数Nrが上がるに応じて、ロータ交番周波数fsが20〜30Hzで維持されるように、基本周波数比f2/f1を点fp7、fp8の位置に順次切り替えることで交番周波数比を切り替える。これによって、ロータ回転数Nrが上がってもロータ交番周波数fsが低周波数の20〜30Hzを維持するので、2次短絡回路8Tに20〜30Hzの小電流が誘導され、これによって2次銅損が低減する。
次に、極低負荷用切替制御swULは、交番周波数比を0に設定し、ロータ交番周波数fs=0Hzのリラクタンスモータ作動状態とすることで、2次銅損を無くす制御である。即ち、基本周波数比f2/f1を極数比P2/P1=0.6と同等として交番周波数比を0とする。この場合、2次短絡回路8Tには電流が誘導されないので、回転電機10がリラクタンスモータとして作動し、これによって2次銅損が無くなる。
このような構成の第1実施形態の回転電機10は、回転軸3に結合された円筒状のロータ4と、このロータ4の外周に所定ギャップ離されて配置されたステータ5とを有し、ステータ5は、各々極数の異なる第1及び第2の3相巻線7−1,7−2が巻装され、ロータ4は、積層電磁鋼板によるロータコア4aの外周面が磁気的に凹凸構造となっており、この凹凸構造の各々の凸部4bに、軸方向に沿って当該軸方向両端まで延びる溝が形成され、この溝に2次導体8が挿入され、2次導体8同士がロータコア4aの軸方向端部で電気的に接続された2次短絡回路8Tが配設されている。
また、回転電機10を用いた駆動システムとしては、第1及び第2の3相巻線7−1,7−2に各々異なる周波数の多相電力を供給する第1及び第2インバータ11−1,11−2を備え、第1及び第2インバータ11−1,11−2に各々異なる周波数の多相電力を供給して、2次短絡回路8Tに誘導電流Icを発生させるようにした。
この構成によって、ロータ4の2次短絡回路8Tに誘導電流Icが発生して流れることで、ロータ4の磁気的な凹凸構造に基づくリラクタンストルクTrと同方向の誘導トルクTcが発生するので、効果的なトルク付勢ができる。また、誘導トルクTcだけで全トルクΣTqを発生させる誘導機としての回転電機と比較して、2次電流を減らすことができ、これにより2次銅損が減少するのでモータ効率を向上させることができる。また、従来例のような半導体素子等を装着しないので耐遠心強度の信頼性を高く維持することが出来る。
また、凹凸構造は、ロータコア4aの外周面に軸方向に沿って両端まで延びる凹部4c及び凸部4bが、当該外周面の周方向に交互に形成されて成る。この構成によって、ロータ4とステータ5間のギャップが、凸部4bでは小さくなるのでロータ4とステータ5間の磁束の通りが良く磁気抵抗が小となる。凹部4cでは大きくなるので磁束の通りが悪く磁気抵抗が大きくなる。
また、ロータ4に誘導電流Icが流れない場合のリラクタンストルクTrと、誘導電流Icが流れた際に発生する誘導トルクTcとの和である全トルクΣTqにおいて、誘導電流Icが流れている際にリラクタンストルクTrの占める割合が40%〜70%となるように、凹凸構造の凸部4bと凹部4cとの占有比率を定めた。
この構成によって、全トルクΣTqの40%〜70%をリラクタンストルクTrで分担するので、トルク性能を犠牲にすることなく、誘導電流Icである2次電流の総量を効果的に減らすことができ、これによって2次銅損が減少し、モータ効率を更に向上させることが出来る。言い換えれば、全トルクΣTqの高いところで回転電機を回すことが出来る。
また、凹凸構造の凸部4bと凹部4cとの総和に対する当該凸部4bの占める割合を表す突極比を、0.4〜0.65とした。この構成によって、ロータ4のトルクを犠牲にすることなく、全トルクΣTqの40%〜70%をリラクタンストルクTrで分担できる。従って、2次銅損が減少するので、モータ効率を更に向上させることが出来る。
また、2次短絡回路8Tは、凹凸構造における個々の凸部4bに、軸方向に沿って当該軸方向両端まで延びる溝が周方向に分離して複数形成され、これら溝に2次導体8が挿入され、これら2次導体8が凹部4cを挟んで隣合う凸部4bの2次導体8とロータコア4aの軸方向端部で電気的に接続されて成る。
この構成によって、凸部4b当り、周方向に複数個に分散して配置された溝の各々に2次導体8を配設したので、1つの溝部に1つの2次導体8を配設した場合に比べ、ロータコア4a凸部4bの磁気飽和による有効磁束量の低下を抑え、2次短絡回路8Tに誘導される2次電流の総和を増加することができ、これによって大きな誘導トルクTcを発生することができる。言い換えれば、1ループの2次短絡回路8Tよりも、複数ループの2次短絡回路8Tの方がロータ4のトルクを大きくすることができ、例えば2000ATの1つの2次短絡回路8Tよりも、1000ATの2つの2次短絡回路8Tの方がトルクが大きくなる。
特に、2次短絡回路8Tは、凹凸構造における個々の凸部4bに、軸方向に沿って当該軸方向両端まで延びる溝が周方向に分離して複数形成され、これら溝に2次導体8が挿入され、これら2次導体8が凹部4cを挟んで隣合う凸部4bの2次導体8と、当該凹部4cを中心として同心状の複数の導体回路となるように、ロータコア4aの軸方向端部で電気的に接続されて成る。
この構成によれば、凹部4cを中心とした同心状の複数の2次短絡回路8Tを形成したので、2次短絡回路8Tのロータコア4a端部の交差箇所を無くすことができる。これによって2次短絡回路8Tの導体長を短縮できるので、製作を容易とすることができ、材料コストを削減することができる。また、ロータコア4a凸部4bの磁気飽和による有効磁束量の低下を抑え、2次短絡回路8Tに誘導される2次電流の総和を増加して誘導トルクTcを発生するといった性能を更に向上させることが出来る。
また、凸部4bの数として定義するロータ4の極数は、第1及び第2の3相巻線7−1,7−2が通電時に生成する各々極数の異なる磁界を合成した合成磁界と同じ極数とする。
この構成によって、ロータ4の極数を第1及び第2の3相巻線が通電時に生成する各々極数P1,P2の異なる磁界を合成した合成磁界と同じ極数(P1+P2)/2としたので、ロータ4の磁気的凹凸構造にもとづくリラクタンストルクTrを効果的に発生することができる。
また、第1及び第2インバータ11−1,11−2は、第1の3相巻線7−1に供給する3相電力の第1の基本周波数f1と、第2の3相巻線7−2に供給する3相電力の第2の基本周波数f2との比(基本周波数比)を、第1及び第2の3相巻線7−1,7−2の極数比P2/P1に近づける第1の制御と、極数比P2/P1から遠ざける第2の制御を行うようにした。
これによって、第1の制御の場合、第1及び第2の基本周波数比f2/f1が、極数比P2/P1に近づくと2次短絡回路8Tに低周波数の誘導電流Icが発生する。また、第2の制御の場合、極数比P2/P1から遠ざかると高周波数の誘導電流Icが発生する。このように基本周波数比f2/f1を制御パラメータとすることで、所望周波数の2次電流を2次短絡回路8Tに誘導することができる。つまり、回転電機10が高負荷では基本周波数比f2/f1を極数比P2/P1から遠ざけることで高い周波数の大電流を誘導できる。低負荷では基本周波数比f2/f1を極数比P2/P1に近づけることで低い周波数で小電流を誘導できるので、2次銅損を低減させることができる。
また、第1及び第2インバータ11−1,11−2は、第1及び第2の3相巻線7−1,7−2に供給される3相電力の各々異なる周波数f1、f2の和に比例させた速度でロータ4の回転数を制御するようにしても良い。これによって、第1及び第2の3相巻線7−1,7−2が生成する合成磁界の基本波周波数(f1+f2)/2に同期されてロータ4の回転数が制御されるので、同期外れを起こさずにリラクタンストルクTrを発生させることができる。
この他、上記の基本周波数比に代え、周波数差で制御するようにしても良い。この場合、インバータ11が、第1及び第2の3相巻線7−1,7−2に供給する3相電力の周波数f1(又はf2)と、ロータ4の回転数に同期する同期周波数f10(又はf20)との差が、大きくなる方向又は小さくなる方向に制御する。
この際の制御を図18を参照して説明する。図18はロータ回転数Nr=1000r/minにおける基本周波数f1(又はf2)と同期周波数f10(又はf20)との周波数差を横軸に示し、2次短絡回路8Tと鎖交する交番磁界の交番周波数比を縦軸に示したものである。また、周波数差と交番周波数比との関係を線C2で示し、線C2上に点fd1,fd2,fd3,fd5,fd9,fd10で各周波数差を示した。
交番周波数比は、点fd9で示すように周波数差がf1−f10=83.3−83.3の場合に0となり、点fd5,fd3,fd2,fd1の順に、周波数差(f1−f10)が大きいほど交番周波数比が大きくなる。例えば、周波数差(f1−f10)が16.7Hz、50Hz、100Hzの順に、点fd5,fd2,fd1で示すように交番周波数比が1、3、6と大きくなる。
ここで周波数差(f1−f10)=133.3−83.3=50Hzでは基本周波数f2=0であり、第2の3相巻線7−2の作る磁界は回転しない(静止状態)。一方、周波数差(f1−f10)=183.3−83.3=100Hzでは基本周波数f2=−50Hzであり、第2の3相巻線7−2の作る磁界の回転方向が第1の3相巻線7−1の作る磁界の回転方向と逆方向となる。
このように周波数差を大きくすることで低回転においても高い周波数の電流を2次短絡回路8Tに誘導させることができる。一方、周波数差を小さくすることで高回転においても低い周波数の電流を2次短絡回路8Tに誘導させることができる。
また、モータの負荷状態をモータ電流値や電流指令値(又はトルク指令値)より推定する手段(図示せず)を駆動システムに組合わせて構成し、この構成により負荷状態を確認し、高負荷では周波数差を大きくすることで、高い周波数の大電流を誘導し、トルクTcを増大できる。一方、低負荷では周波数差を小さくすることで、低い周波数の小電流を誘導し、2次銅損を低減させることができる。
更に、車両を慣性走行させる等の極低負荷では、周波数差を零とすることで2次短絡回路8Tに対する交番磁界を無くし、2次銅損が無いリラクタンスモータとして作動させることができる。また、周波数差から算出した交番周波数比を用いることで、図17を参照して説明したと同様の切替制御を行うことが可能である。
(第2実施形態)
図19は、本発明の第2実施形態に係る回転電機を用いた駆動システムの直列3相巻線の構成を模式的に示す図である。
図19に示す第2実施形態の回転電機10−1が第1実施形態の回転電機10と異なる第1の点は、第1実施形態のステータ2重巻線7である第1の3相巻線7−1と第2の3相巻線7−2とを、同じ相毎に接続部Uc,Vc,Wcで直列に接続した直列3相巻線70をステータ5に巻装したことにある。第2の点は、直列3相巻線70の端末U,V,Wに、1つの基本周波数f1の3相電力を供給するインバータ11を接続したことにある。
このような構成において、インバータ11から基本周波数f1の電力を直列3相巻線70に供給することにより、図16に点fp10で示す基本周波数比f1/f2=1.0(f1=f2)の場合と同様の交番周波数比=1となる。この交番周波数比(ロータ1回転当りの2次交番磁界のサイクル数)=1.0で、ロータ回転数Nrに比例した2次電流を誘導することができる。つまり、2次電流の周波数は、ロータ回転数Nrに比例するが、低回転でも十分な2次電流を誘導することができる。
10,10−1 回転電機
1 ハウジング
2 軸受け
3 回転軸
4 ロータ
4a ロータコア
5 ステータ
5a ステータコア
7 ステータ2重巻線
7−1 第1の3相巻線
7−2 第2の3相巻線
8a〜8d 2次導体
8T 2次短絡回路
8T−1,8T−2 2次短絡導体
11−1 第1のインバータ
11−2 第2のインバータ
70 直列3相巻線

Claims (5)

  1. 回転軸に結合された円筒状の積層電磁鋼板によるロータコアの外周面が磁気的に凹凸構造となり、この凹凸構造の各々の凸部に、軸方向に沿って当該軸方向両端まで延びる溝が形成され、この溝に2次導体が挿入され、2次導体同士が当該ロータコアの軸方向端部で電気的に接続された2次短絡回路が配設されたロータと、
    前記ロータの外周に所定ギャップ離されて配置され、各々極数の異なる第1の多相巻線と第2の多相巻線とが巻装されたステータと、
    前記第1及び第2の多相巻線に各々異なる周波数の多相電力を供給する駆動装置と
    を備え
    前記駆動装置は、前記第1の多相巻線に供給する多相電力の周波数である第1の周波数と、前記第2の多相巻線に供給する電力の周波数である第2の周波数との比を、
    当該第1及び第2の多相巻線の極数比に近づけ、前記2次短絡回路に低周波の誘導電流を発生させる第1の制御と、
    前記第1及び第2の多相巻線の極数比から遠ざけ、前記2次短絡回路に高周波の誘導電流を発生させる第2の制御と、
    を行うことを特徴とする回転電機を用いた駆動システム。
  2. 前記ロータに前記誘導電流が流れない場合のリラクタンストルクと、前記誘導電流が流れた際に発生する誘導トルクとの和である全トルクにおいて、前記誘導電流が流れている際に前記リラクタンストルクの占める割合が40%〜70%となるように、前記ロータコアの前記凹凸構造の凸部と凹部との占有比率を定めたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機を用いた駆動システム。
  3. 前記ロータコアの前記凹凸構造の凸部と凹部との総和に対する当該凸部の占める割合を表す突極比は、0.4〜0.65であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機を用いた駆動システム。
  4. 前記駆動装置は、前記第1及び第2の多相巻線に供給する多相電力の周波数と、前記ロータの回転数に同期する同期周波数との差が大きくなる又は小さくなる方向に制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機を用いた駆動システム。
  5. 前記駆動装置は、前記第1及び第2の多相巻線に供給される多相電力の各々異なる周波数の和に比例させた速度で前記ロータの回転数を制御することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の回転電機を用いた駆動システム。
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