JP2017101786A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワンウェイクラッチの耐久性を確保しながら外径の小型化を図る。【解決手段】 ワンウェイクラッチ36は、インナー部材39およびアウター部材38間に配置された複数のローラ41が該アウター部材38側に形成された傾斜面38aに噛み込むことで駆動力を伝達可能であるため、アウター部材38および各ローラ41の位置関係が一定になることで、コネクティングロッド33から加わる荷重により各ローラ41に発生する面圧が決まる。コネクティングロッド33の引き側にあって大きい面圧が発生するローラ41が、コネクティングロッド33の押し側にあって小さい面圧が発生するローラ41より大径であるので、各ローラ41の直径を発生する面圧に見合った必要最小限の大きさとすることで、ワンウェイクラッチ36の耐久性を確保しながら、ワンウェイクラッチ36の外径の小型化を図ることができる。【選択図】 図5

Description

本発明は、車両の駆動源に接続された入力軸と、前記入力軸と平行に配置された出力軸と、前記入力軸と一体に偏心回転する偏心部材と、前記偏心部材の偏心量を変更する変速アクチュエータと、前記出力軸に揺動可能に支持された揺動リンクと、前記偏心部材および前記揺動リンクを接続するコネクティングロッドと、前記出力軸および前記揺動リンク間に配置され、前記コネクティングロッドが押し方向に移動したときに係合して引き方向に移動したときに係合解除するワンウェイクラッチとを備える車両用動力伝達装置に関する。
エンジンに接続された入力軸の回転を複数のコネクティングロッドの相互に位相が異なる往復運動に変換し、複数のコネクティングロッドの往復運動を複数のワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換するクランク式の無段変速機構において、揺動リンクの内周に配置されたワンウェイクラッチのアウター部材の径方向の肉厚を、コネクティングロッドおよび揺動リンクの接続部に近い位置と、出力軸の軸線を挟んで前記接続部と点対称となる位置とで薄肉にすることで、アウター部材の一部に応力が集中するのを防止しながら、前記接続部を出力軸の軸線に接近させてワンウェイクラッチを小型化するものが、下記特許文献1により公知である。
またワンウェイクラッチのインナー部材の外周の円周面とアウター部材の内周の傾斜面との間に複数の楔状空間を形成し、各楔状空間に直径の異なる複数のローラを配置することで、ワンウェイクラッチの係合時の荷重を複数のローラに分散し、ローラの磨耗を軽減して耐久性を高めるものが、下記特許文献2により公知である。
特開2014−177977号公報 特開平8−28597号公報
ところで、かかるクランク式の無段変速機構のワンウェイクラッチにおいて、ローラを挟むアウター部材およびインナー部材のうち、回転する出力軸と一体のインナー部材側に傾斜面を形成すると、インナー部材の傾斜面に拘束されたローラはインナー部材と共に回転するため、全てのローラの摩耗量は自動的に均一化される。しかしながら、往復揺動する揺動リンクと一体のアウター部材側に傾斜面を形成すると、アウター部材の傾斜面に拘束されたローラはインナー部材と共に回転しないため、各ローラが不均一な荷重を受けて不均一に摩耗し、ワンウェイクラッチの耐久性を低下させる問題がある。
これを図面に基づいて詳しく説明すると、図7(A)に示すように、ワンウェイクラッチ01が係合すると、外周に円弧面を有するインナー部材02と、内周に傾斜面を有するアウター部材03との間にローラ04が噛み込み、アウター部材03の傾斜面とローラ04との間に面圧P1が作用する。
また図7(B)に示すように、ワンウェイクラッチ01の係合時に、アウター部材03はコネクティングロッド05から押圧荷重Fを受けるため、この押圧荷重Fによりアウター部材の半周部分(押圧荷重Fの方向と反対側の部分)とローラ04との間に面圧P2が作用する。
図7(C)は、ワンウェイクラッチ01の係合による面圧P1と、コネクティングロッド05から押圧荷重Fによる面圧P2とを加算したトータルの面圧P3,P4を示すものであり、アウター部材01とローラ04との間に作用するトータルの面圧P3,P4が周方向の位置に応じて異なることが分かる。すなわち、アウター部材03の押圧荷重Fの方向と同じ側の半周部分とローラ04との間には小さいトータルの面圧P3が作用するが、アウター部材03の押圧荷重Fの方向と反対側の半周部分とローラ04との間には大きいトータルの面圧P4が作用する。アウター部材03側に傾斜面を有するワンウェイクラッチ01では、ローラ04がアウター部材03に拘束されてインナー部材02と共に回転することがないため、大きなトータルの面圧P4を受けるローラ04が早期に摩耗し、これがワンウェイクラッチ01の耐久性を低下させる原因となる問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ワンウェイクラッチの耐久性を確保しながら外径の小型化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、車両の駆動源に接続された入力軸と、前記入力軸と平行に配置された出力軸と、前記入力軸と一体に偏心回転する偏心部材と、前記偏心部材の偏心量を変更する変速アクチュエータと、前記出力軸に揺動可能に支持された揺動リンクと、前記偏心部材および前記揺動リンクを接続するコネクティングロッドと、前記出力軸および前記揺動リンク間に配置され、前記コネクティングロッドが押し方向に移動したときに係合して引き方向に移動したときに係合解除するワンウェイクラッチとを備える車両用動力伝達装置であって、前記ワンウェイクラッチは、インナー部材およびアウター部材間に配置された複数のローラが該アウター部材側に形成された傾斜面に噛み込むことで駆動力を伝達可能であり、前記複数のローラは前記コネクティングロッドの引き側にあるものが押し側にあるものより大径であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記ワンウェイクラッチが伝達する駆動力が最大になったとき、前記コネクティングロッドおよび前記揺動リンクの連結点と前記出力軸の軸線とを結ぶ境界線に対し、前記コネクティングロッドの引き側にある前記ローラが押し側にある前記ローラより大径であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記ローラは少なくとも三つの直径を有しており、前記境界線から前記コネクティングロッドの引き側に最も離れた位置にある前記ローラが最大径であり、前記境界線から前記コネクティングロッドの押し側に最も離れた位置にある前記ローラが最小径であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
なお、実施の形態の偏心ディスク19は本発明の偏心部材に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、偏心部材が入力軸と一体に偏心回転すると、偏心部材に一端を接続されたコネクティングロッドが往復運動し、コネクティングロッドの他端が接続された揺動リンクが往復揺動する。揺動リンクがコネクティングロッドの押し方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合し、揺動リンクがコネクティングロッドの引き方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合解除することで、入力軸の回転が変速されて出力軸に伝達される。変速アクチュエータで偏心部材の偏心量を変化させると、コネクティングロッドの往復ストロークが変化して動力伝達装置の変速比が変更される。
ワンウェイクラッチは、インナー部材およびアウター部材間に配置された複数のローラが該アウター部材側に形成された傾斜面に噛み込むことで駆動力を伝達可能であるため、アウター部材および各ローラの位置関係が一定になることで、コネクティングロッドから加わる荷重により各ローラに発生する面圧が決まる。コネクティングロッドの引き側にあって大きい面圧が発生するローラが、コネクティングロッドの押し側にあって小さい面圧が発生するローラより大径であるので、各ローラの直径を発生する面圧に見合った必要最小限の大きさとすることで、ワンウェイクラッチの耐久性を確保しながら、ワンウェイクラッチの外径の小型化を図ることができる。
また請求項2の構成によれば、ワンウェイクラッチが伝達する駆動力が最大になったとき、コネクティングロッドおよび揺動リンクの連結点と出力軸の軸線とを結ぶ境界線に対し、コネクティングロッドの引き側にあるローラが押し側にあるローラより大径であるので、直径の異なる複数のローラを的確に配置して面圧を均一化し、ワンウェイクラッチの信頼性を高めることができる。
また請求項3の構成によれば、ローラは少なくとも三つの直径を有しており、境界線からコネクティングロッドの引き側に最も離れた位置にあるローラが最大径であり、境界線からコネクティングロッドの押し側に最も離れた位置にあるローラが最小径であるので、周方向の異なる位置に配置された複数のローラの面圧を均一化してワンウェイクラッチの信頼性を一層高めることができるだけでなく、コネクティングロッドから加えられる荷重に対する各ローラの面圧の最適化が可能になる。
無段変速機の縦断面図。(第1の実施の形態) 図1の2−2線断面図。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの正面図および断面図。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの偏心量と変速比との関係を示す図。(第1の実施の形態) ワンウェイクラッチの正面図。(第1の実施の形態) ワンウェイクラッチの正面図。(第2の実施の形態) ワンウェイクラッチのローラに作用する面圧の説明図。(比較例)
第1の実施の形態
以下、図1〜図5に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1〜図3に示すように、自動車用のクランク式の無段変速機Tのミッションケース11の一対の側壁11a,11bに入力軸12および出力軸13が相互に平行に支持されており、エンジンEに接続された入力軸12の回転が6個の伝達ユニット14…、出力軸13および図示せぬディファレンシャルギヤを介して図示せぬ駆動輪に伝達される。中空に形成された入力軸12の内部に、その入力軸12と軸線Lを共有する変速軸15が7個のニードルベアリング16…を介して相対回転可能に嵌合する。
6個の伝達ユニット14…の構造は実質的に同一構造であるため、以下、一つの伝達ユニット14を代表として構造を説明する。
伝達ユニット14は変速軸15の外周面に設けられたピニオン17を備えており、このピニオン17は入力軸12に形成した開口12a(図2参照)から露出する。ピニオン17を挟むように、入力軸12の外周に軸線L方向に2分割された円板状の偏心カム18がスプライン結合される。偏心カム18の中心O1は入力軸12の軸線Lに対して距離dだけ偏心している。また6個の伝達ユニット14…の6個の偏心カム18…は、その偏心方向の位相が相互に60°ずつずれている。
偏心カム18の外周面には、円板状の偏心ディスク19の軸線L方向両端面に形成した一対の偏心凹部19a,19aが、一対のニードルベアリング20,20を介して回転自在に支持される。偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム18の中心O1)は距離dだけずれている。すなわち、入力軸12の軸線Lおよび偏心カム18の中心O1間の距離dと、偏心カム18の中心O1および偏心ディスク19の中心O2間の距離dとは同一である。
軸線L方向に2分割された偏心カム18の割り面の外周には、その偏心カム18の中心O1と同軸に一対の三日月状のガイド部18a,18aが設けられており、偏心ディスク19の一対の偏心凹部19a,19aの底部間を連通させるように形成されたリングギヤ19bの歯先が、偏心カム18のガイド部18a,18aの外周面に摺動可能に当接する。そして変速軸15のピニオン17が、入力軸12の開口12aを通して偏心ディスク19のリングギヤ19bに噛合する。
入力軸12の右端側はボールベアリング21を介してミッションケース11の右側の側壁11aに直接支持される。また入力軸12の左端側に位置する1個の偏心カム18に一体に設けた筒状部18b(図1参照)が、ボールベアリング22を介してミッションケース11の左側の側壁11bに支持されており、その偏心カム18の内周にスプライン結合された入力軸12の左端側はミッションケース11に間接的に支持される。
入力軸12に対して変速軸15を相対回転させて無段変速機Tの変速比を変更する変速アクチュエータ23は、モータ軸24aが軸線Lと同軸になるようにミッションケース11に支持された電動モータ24と、電動モータ24に接続された遊星歯車機構25とを備える。遊星歯車機構25は、電動モータ24にニードルベアリング26を介して回転自在に支持されたキャリヤ27と、モータ軸24aに固定されたサンギヤ28と、キャリヤ27に回転自在に支持された複数の2連ピニオン29…と、中空の入力軸12の軸端(厳密には、前記1個の偏心カム18の筒状部18b)にスプライン結合された第1リングギヤ30と、変速軸15の軸端にスプライン結合された第2リングギヤ31とを備える。各2連ピニオン29は大径の第1ピニオン29aと小径の第2ピニオン29bとを備えており、第1ピニオン29aはサンギヤ28および第1リングギヤ30に噛合し、第2ピニオン29bは第2リングギヤ31に噛合する。
コネクティングロッド33は、大端部33a、ロッド部33b,33bおよび小端部33cを備えるもので、大端部33aがローラベアリング32を介して偏心ディスク19の外周に支持される。
出力軸13はミッションケース11の一対の側壁11a,11bに一対のボールベアリング34,35で支持されており、その外周にワンウェイクラッチ36が設けられる。ワンウェイクラッチ36は、コネクティングロッド33の小端部33cにピン37を介して枢支された揺動リンク42と、揺動リンク42の内周に固定されたリング状のアウター部材38と、アウター部材38の内部に配置されて出力軸13に固定されたリング状のインナー部材39と、アウター部材38の内周面とインナー部材39の外周面との間に形成された楔状の空間に配置されて複数個のスプリング40…で付勢された複数個のローラ41…とを備える。
図5に示すように、ワンウェイクラッチ21のインナー部材39の外周面は、出力軸13の軸線Loを中心とする円周面39aで構成されるが、アウター部材38の内周面はローラ41…の個数(実施の形態では10個)と等しい数の傾斜面38a…を備えており、インナー部材39の円周面39aおよびアウター部材38の傾斜面38a…間にローラ41…を保持する10個の楔状空間が形成される。インナー部材39の外周面は円周面39aであるため、ローラ41…はインナー部材39の外周面に対して自由に相対移動可能であるが、アウター部材38の傾斜面38a…は楔状空間を区画するため、ローラ41…はアウター部材38の対応する傾斜面38a…上に拘束される。
図5におけるラインL1は、図中右側の移動するコネクティングロッド33が揺動リンク42を押圧してワンウェイクラッチ36が係合する行程において、ローラ41が楔状空間に噛み込む瞬間のアウター部材38の位置を示している。ローラ41が楔状空間に噛み込んだ後、コネクティングロッド33が更に押し込まれると、インナー部材39の円周面39a、アウター部材38の傾斜面38a…およびローラ41…が弾性変形することにより、ローラ41…がインナー部材39の円周面39aおよびアウター部材38の傾斜面38a…に更に強く噛み込み、アウター部材38からインナー部材39への駆動力の伝達が行われる。図5におけるラインL2は、ワンウェイクラッチ36が伝達する駆動力が最大になったときのアウター部材38の位置を示すもので、ラインL1およびラインL2の成す角度αは最大トーション角と定義される。最大トーション角αは数度程度である。
最大トーション角αが発生するラインL2を境界線とすると、図7で既に説明したように、境界線L2よりもコネクティングロッド33の引き側(入力軸12側)ではローラ41…の面圧が大きくなり、境界線L2よりもコネクティングロッド33の押し側(反入力軸12側)ではローラ41…の面圧が小さくなる。本実施の形態では、ワンウェイクラッチ36の10個のローラ41のうち、境界線L2よりもコネクティングロッド33の引き側に位置して大きい面圧を受ける5個のローラ41…が大径とされ、境界線L2よりもコネクティングロッド33の押し側に位置して小さい面圧を受ける5個のローラ41…が小径とされる。
次に、無段変速機Tの一つの伝達ユニット14の作用を説明する。
図2および図4(A)〜図4(D)から明らかなように、入力軸12の軸線Lに対して偏心ディスク19の中心O2が偏心しているとき、エンジンEによって入力軸12が回転するとコネクティングロッド33の大端部33aが軸線Lまわりに偏心回転することで、コネクティングロッド33が往復運動する。
その結果、コネクティングロッド33が往復運動する過程で図中右側に押されると、揺動リンク42と共にアウター部材38が図2において反時計方向に揺動し、スプリング40…に付勢されたローラ41…がアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間に噛み込み、アウター部材38およびインナー部材39がローラ41…を介して結合されることで、ワンウェイクラッチ36が係合してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達される。逆にコネクティングロッド33が往復運動する過程で図中左側に引かれると、揺動リンク42と共にアウター部材38が図2において時計方向に揺動し、ローラ41…がスプリング40…を圧縮しながらアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間から押し出され、アウター部材38およびインナー部材39が相互にスリップすることで、ワンウェイクラッチ36が係合解除してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達されなくなる。
このようにして、入力軸12が1回転する間に、入力軸12の回転が所定時間だけ出力軸13に伝達されるため、入力軸12が連続回転すると出力軸13は間欠回転する。6個の伝達ユニット14…の偏心ディスク19…の偏心量εは全て同一であるが、偏心方向の位相が相互に60°ずつずれているため、6個の伝達ユニット14…が入力軸12の回転を交互に出力軸13に伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。
このとき、偏心ディスク19の偏心量εが大きいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが大きくなって出力軸13の1回の回転角が増加し、無段変速機Tの変速比が小さくなる。逆に、偏心ディスク19の偏心量εが小さいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが小さくなって出力軸13の1回の回転角が減少し、無段変速機Tの変速比が大きくなる。そして偏心ディスク19の偏心量εがゼロになると、入力軸12が回転してもコネクティングロッド33が移動を停止するために出力軸13は回転せず、無段変速機Tの変速比が最大(無限大)になる。
入力軸12に対して変速軸15が相対回転しないとき、つまり入力軸12および変速軸15が同一速度で回転するとき、無段変速機Tの変速比は一定に維持される。入力軸12および変速軸15を同一速度で回転させるには、入力軸12と同速度で電動モータ24を回転駆動すれば良い。その理由は、遊星歯車機構25の第1リングギヤ30は入力軸12に接続されて該入力軸12と同一速度で回転するが、それと同一速度で電動モータ24を駆動するとサンギヤ28および第1リングギヤ30が同一速度で回転するため、遊星歯車機構25はロック状態になって全体が一体に回転する。その結果、一体に回転する第1リングギヤ30および第2リングギヤ31に接続された入力軸12および変速軸15は一体化され、相対回転することなく同速度で回転するからである。
入力軸12の回転数に対して電動モータ24の回転数を増速あるいは減速すると、入力軸12に結合された第1リングギヤ30と電動モータ24に接続されたサンギヤ28とが相対回転するため、キャリヤ27が第1リングギヤ30に対して相対回転する。このとき、相互に噛合する第1リングギヤ30および第1ピニオン29aの歯数比と、相互に噛合する第2リングギヤ31および第2ピニオン29bの歯数比とが僅かに異なるため、第1リングギヤ30に接続された入力軸12と第2リングギヤ31に接続された変速軸15とが相対回転する。
このようにして入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、各伝達ユニット14のピニオン17にリングギヤ19bを噛合させた偏心ディスク19の偏心凹部19a,19aが、入力軸12と一体の偏心カム18のガイド部18a,18aに案内されて回転し、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが変化する。
図4(A)は変速比が最小の状態(変速比:TD)を示すもので、このとき入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは、入力軸12の軸線Lから偏心カム18の中心O1までの距離dと、偏心カム18の中心O1から偏心ディスク19の中心O2までの距離dとの和である2dに等しい最大値になる。入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が相対回転することで、図4(B)および図4(C)に示すように、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは最大値の2dから次第に減少して変速比が増加する。入力軸12に対して変速軸15が更に相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が更に相対回転することで、図4(D)に示すように、ついには入力軸12の軸線Lに偏心ディスク19の中心O2が重なり合って偏心量εがゼロになり、変速比が最大(無限大)の状態(変速比:UD)になって出力軸13に対する動力伝達が遮断される。
さて、コネクティングロッド33が往復運動して出力軸13に駆動力を伝達するとき、コネクティングロッド33の押し行程でワンウェイクラッチ36が係合し、コネクティングロッド33の引き行程でワンウェイクラッチ36が係合解除する。コネクティングロッド33の押し行程でワンウェイクラッチ36が係合するとき、境界線L2よりもコネクティングロッド33の引き側にある5個のローラ41…には、ワンウェイクラッチ01の係合による面圧と、コネクティングロッド33の押圧荷重による面圧とを加算した大きな面圧が作用するが、その5個のローラ41…は大径に形成されているため、必要な耐久性を確保しながら大きな面圧を支持することができる。
一方、境界線L2よりもコネクティングロッド33の押し側にある5個のローラ41…には、ワンウェイクラッチ01の係合による面圧から、コネクティングロッド33の押圧荷重による面圧を減算した小さな面圧が作用するため、その5個のローラ41…は小径に形成しても必要な耐久性を確保することができる。
仮に、従来のワンウェイクラッチのように、全てのローラの直径を等しくする場合には、最も大きな面圧に耐え得るようにローラの直径を設定する必要があり、小さい面圧しか作用しないローラの直径が過大になることで、その分だけワンウェイクラッチ36の外径が増加する問題がある。しかしながら、本実施の形態によれば、作用する面圧に応じてローラ41…の直径を異ならせることにより、必要な耐久性を確保しながらワンウェイクラッチ36の外径を小型化することができる。
また、仮にインナー部材39側に傾斜面を設けると、出力軸13と共にインナー部材39が回転することでローラ41…の円周方向位置も変化してしまい、ローラ41…の直径を異ならせた意味がなくなるが、本実施の形態によれば、アウター部材38側に傾斜面38aを設けたことで、ローラ41…の円周方向位置を一定にして上記問題を解決することができる。
第2の実施の形態
次に、図6に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態は、境界線Lよりも引き側に位置する5個のローラ41…を大径とし、境界線Lよりも押し側に位置する5個のローラ41…を小径としているが、第2の実施の形態は、10個のローラ41…の直径を、それに作用する面圧の大きさに応じて異ならせたものである。すなわち、境界線L2から引き側に最も離れて最も大きな面圧が作用するローラ41が最大径とされ、境界線L2から押し側に最も離れて最も小さな面圧が作用するローラ41が最小径とされ、それらの間に位置するローラ41…の直径が最大径から最小径に向けて段階的に変化させられる。
これにより、各ローラ41…の直径を作用する面圧に応じた必要最小限の大きさに設定し、ワンウェイクラッチ36の外径を可及的に小型化することができる。
なお、第2の実施の形態において、各ローラ41…の直径の種類は任意であり、少なくとも3種類の直径を備えれば良い。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、ワンウェイクラッチ36のローラ41…の数は実施の形態の10個に限定されるものではない。
12 入力軸
13 出力軸
19 偏心ディスク(偏心部材)
23 変速アクチュエータ
33 コネクティングロッド
36 ワンウェイクラッチ
38 アウター部材
38a 傾斜面
39 インナー部材
41 ローラ
42 揺動リンク
E エンジン(駆動源)
Lo 出力軸の軸線
L2 境界線

Claims (3)

  1. 車両の駆動源(E)に接続された入力軸(12)と、
    前記入力軸(12)と平行に配置された出力軸(13)と、
    前記入力軸(12)と一体に偏心回転する偏心部材(19)と、
    前記偏心部材(19)の偏心量を変更する変速アクチュエータ(23)と、
    前記出力軸(13)に揺動可能に支持された揺動リンク(42)と、
    前記偏心部材(19)および前記揺動リンク(42)を接続するコネクティングロッド(33)と、
    前記出力軸(13)および前記揺動リンク(42)間に配置され、前記コネクティングロッド(33)が押し方向に移動したときに係合して引き方向に移動したときに係合解除するワンウェイクラッチ(36)とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記ワンウェイクラッチ(36)は、インナー部材(39)およびアウター部材(38)間に配置された複数のローラ(41)が該アウター部材(38)側に形成された傾斜面(38a)に噛み込むことで駆動力を伝達可能であり、前記複数のローラ(41)は前記コネクティングロッド(33)の引き側にあるものが押し側にあるものより大径であることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記ワンウェイクラッチ(36)が伝達する駆動力が最大になったとき、前記コネクティングロッド(33)および前記揺動リンク(42)の連結点と前記出力軸(13)の軸線(Lo)とを結ぶ境界線(L2)に対し、前記コネクティングロッド(33)の引き側にある前記ローラ(41)が押し側にある前記ローラ(41)より大径であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記ローラ(41)は少なくとも三つの直径を有しており、前記境界線(L2)から前記コネクティングロッド(33)の引き側に最も離れた位置にある前記ローラ(41)が最大径であり、前記境界線(L2)から前記コネクティングロッド(33)の押し側に最も離れた位置にある前記ローラ(41)が最小径であることを特徴とする、請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
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