JP2017101126A - 水性塗料組成物、それを用いた塗膜の形成方法及び被塗物の補修塗装方法 - Google Patents
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Abstract
Description
更に、鉄道車両の場合、ブレーキ及びパンタグラフなどから発生する金属粉が、車両表面に付着して酸化し、その状態で車両の塗膜に固着してしまう。このような酸化金属粉が塗膜に固着すると、錆が形成され、塗膜物性の低下及び塗膜外観の低下が引き起こされる。このため、鉄道車両などにおいては、金属粉を除去するために、酸性の洗浄液などを用いて汚れを除去している。また、鉄道車両は、虫の衝突及び油類などに起因する汚れが車両表面に強固に付着しており、これらの汚れを例えばアルカリ性の洗浄液を用いて除去している。
よって、鉄道車両等に用いる塗膜は、耐酸性及び耐アルカリ性のいずれも満たす耐薬品性を有し、常温で塗膜を形成できる塗料組成物から形成される必要がある。
その上、新幹線などの高速鉄道車両においては、より苛酷な環境下での走行を長時間行うため、一般的な塗膜に比べて、より優れた塗膜物性及び塗膜外観を有する塗膜が必要とされている。
例えば、新造時に形成された塗膜を有する被塗物に、補修用の塗膜を形成する場合、被塗物上に形成された塗膜に対して、補修用の塗膜が良好に付着しなければならない。また、補修用の塗料組成物は、被塗物に形成されている塗膜だけでなく、補修時において必要に応じて用いられるプライマー、パテなどに対しても良好な付着性を有することが要求される。
[1]
本発明の水性塗料組成物は、水酸基を有する樹脂を含む水性主剤(I)及び水分散性硬化剤(II)を含む水性塗料組成物であって、
前記水性主剤(I)は、水酸基価が5〜200mgKOH/gであり、酸価が5〜100mgKOH/gであり、数平均分子量が1000〜100000である水溶性又は水分散性の高分子ポリオール(a)を含み、
前記水分散性硬化剤(II)は、水分散性ポリイソシアネート(b)を含み、かつ、
前記水分散性ポリイソシアネート(b)は、ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)とイオン変性ポリイソシアネート(b−2)とを含み、及び
前記水分散性ポリイソシアネート(b)に含まれるイソシアネート基と前記高分子ポリオール(a)に含まれる水酸基との当量比(NCO/OH)が0.5〜3.0である、水性塗料組成物である。
[2]
前記ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)の含有量が、前記水性主剤(I)の樹脂固形分100質量部に対して10〜100質量部であり、
前記イオン変性ポリイソシアネート(b−2)の含有量が、前記水性主剤(I)の樹脂固形分100質量部に対して3〜50質量部であることが好ましい。
[3]
前記ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)及び前記イオン変性ポリイソシアネート(b−2)の配合質量比((b−1)/(b−2))が、10/1〜2/1であることが好ましい。
[4]
前記ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)が、アロファネート変性ポリイソシアネートであることが好ましい。
[5]
前記イオン変性ポリイソシアネート(b−2)が、スルホン酸変性ポリイソシアネートであることが好ましい。
[6]
前記水分散性硬化剤(II)は、更に、溶解度パラメータが8.0〜10.0でイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤を含むことが好ましい。
[7]
前記水性主剤(I)は、更に、溶解度パラメータが8.0〜10.0でイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤を含むことが好ましい。
[8]
前記高分子ポリオールがアクリルポリオールであることが好ましい。
[9]
本発明はまた、被塗物に、上記水性塗料組成物を塗装し、硬化させることにより、塗膜を形成する工程を含む、塗膜の形成方法も提供する。
[10]
前記被塗物が、鉄道車両であることが好ましい。
[11]
本発明は更に、塗膜を有する被塗物に、上記水性塗料組成物を塗装し、硬化させることにより、前記被塗物の塗装を補修する工程を含む、被塗物の補修塗装方法も提供する。
[12]
前記被塗物が、鉄道車両であることが好ましい。
<(II)水分散性硬化剤>
本発明の硬化剤(II)は、水分散性を有する水分散性硬化剤(II)である。水分散性硬化剤(II)は、所定の水分散性ポリイソシアネート(b)を含む。水分散性ポリイソシアネート(b)は、水などの水性媒体に添加したときに分離することなく分散可能なポリイソシアネート化合物である。
ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)の量が水性主剤(I)の樹脂固形分100質量部に対して10質量部未満であると、ポリイソシアネート(b)が水分散性を示さないおそれがあり、得られた塗膜の耐水性や耐薬品性が不十分であるおそれがある。また、100質量部を超えると、得られた塗膜の塗膜外観や耐水性が低下するおそれがある。
イオン変性ポリイソシアネート(b−2)の量が水性主剤(I)の樹脂固形分100質量部に対して3質量部未満であると、ポリイソシアネート(b)が水分散性を示さないおそれがあり、得られた塗膜の塗膜外観が低下するおそれがある。また、50質量部を超えると、得られた塗膜の耐水性や耐薬品性が低下するおそれがある。
ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)及びイオン変性ポリイソシアネート(b−2)の配合質量比が、10/1〜2/1の範囲を外れると、ポリイソシアネートが十分な水分散性を示さないおそれがあり、かつ得られた塗膜の塗膜外観、耐水性及び耐薬品性が低下するおそれがある。
ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)は、ポリイソシアネートをノニオン性基で変性したものである。好ましくは、ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)は、ノニオン型の親水性基で変性したポリイソシアネートである。
イオン変性ポリイソシアネート(b−2)は、ポリイソシアネートをイオン性基で変性したものである。好ましくは、イオン変性ポリイソシアネート(b−2)は、アニオン型のイオン性基で変性したポリイソシアネートである。アニオン型のイオン性基は、例えば、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ケイ酸、硫酸エステル、リン酸エステル等及びそれらの金属塩又は有機塩などが挙げられ、更に好ましくは、スルホン酸変性ポリイソシアネートである。
好ましくは、水分散性硬化剤(II)は、溶解度パラメータ(SP値)が8.0〜10.0でイソシアネート不活性な有機溶剤を含むことができる。溶解度パラメータは溶解性の尺度となるものであり、次のようにして算出される。(参考文献:SUH,CLARKE〔J.P.S.A−1,5,1671−1681(1967)〕)。
δ=(Vml 1/2δml+Vmh 1/2δmh)/(Vml 1/2+Vmh 1/2)
Vm=V1V2/(φ1V2+φ2V1)
δm=φ1δ1+φ2δ2
Vi : 溶媒の分子容(ml/mol)
φi : 濁点における各溶媒の体積分率
δi : 溶媒のSP値
ml : 低SP貧溶媒混合系
mh : 高SP貧溶媒混合系
水分散性硬化剤(II)に含まれる有機溶剤の量が10質量%未満であると、水性主剤(I)との混和性が不十分となり、得られた塗膜の塗膜外観が低下し、所望の塗膜物性が得られないおそれがある。また、有機溶剤の量が70質量%を超えると、臭気等環境への負荷が大きくなる。
本発明における水性主剤(I)は、水酸基を有する樹脂を含む。本発明における水性主剤(I)は、水酸基を有する樹脂として、水酸基価が5〜200mgKOH/gであり、酸価が5〜100mgKOH/gであり、数平均分子量が1000〜100000である高分子ポリオール(a)を含む。好ましくは、水性主剤(I)は、水溶性又は水分散性の高分子ポリオール(a)を含む。
高分子ポリオール(a)は、様々な形態のポリオール、例えば、分散型又は水溶性のポリオールであることができる。分散型のポリオールは、乳化型のポリオールであってもよい。外観良好な塗膜を形成でき、有機溶剤の使用量を低減できるという観点から水溶性又は水分散性の高分子ポリオールを使用することが好ましい。好ましい実施態様においては、水分散性の高分子ポリオールを使用することがより好ましい。本発明における水分散性の高分子ポリオールとは、例えば、上記高分子ポリオール中に含まれるカルボン酸基の一部又は全部を塩基性化合物で中和することによって、水中に分散させたものである。
また、高分子ポリオールの酸価は5〜100mgKOH/g、好ましくは10〜50mgKOH/gである。酸化が5mgKOH/g未満の場合、高分子ポリオールの水分散性が低下するおそれがあり、また、100mgKOH/gを超える場合は、得られた塗膜の耐水性が低下するおそれがある。
更に、高分子ポリオールの数平均分子量は1000〜100000であり、好ましくは2000〜50000であり、特に好ましくは3000〜10000である。数平均分子量が1000未満の場合、十分な塗膜強度が得られない恐れがあり、また、100000を超える場合は、塗料の粘度が高くなりすぎ、得られた塗膜の外観が低下するおそれがある。
なお、本明細書における酸価及び水酸基価は、それぞれ固形分酸価、固形分水酸基価を表し、いずれもJIS K 0070に記載される公知の方法によって測定することができる。また、本明細書における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いたスチレンホモポリマー換算の数平均分子量を意味する。
例えば、重合開始剤には、ラジカル重合開始剤として当該技術分野において既知の開始剤を使用できる。例えば、重合開始剤は、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシド及びクメンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸及びアゾイソブチロニトリルなどの有機アゾ化合物などが挙げられる。
有機溶剤の溶解度パラメータ(SP値)が8.0未満の場合及び10.0を超える場合は、塗料組成物における水性主剤(I)と水分散性硬化剤(II)との混和性が低下し、塗膜が十分に硬化せず、所望の塗膜外観及び塗膜物性が得られないおそれがある。
上記溶解度パラメータの値の近い有機溶剤同士は親和性が高く、相互に溶解しあう性質を有するため、所望により水性主剤(I)に用いる有機溶剤と、硬化剤(II)に含まれる有機溶剤は、同一又は性質の近似した有機溶剤であることが好ましい。
本発明は、更に、塗膜の形成方法を提供し、この方法は、被塗物に本発明の水性塗料組成物を塗装し、硬化させることにより、塗膜を形成する工程を含む。
本発明は、更に、被塗物の補修塗装方法を提供する。本発明における被塗物の補修塗装方法は、被塗物に、本発明の水性塗料組成物を塗装し、硬化させ、塗膜を形成することにより、被塗物表面の塗膜を補修する工程を含む。更に好ましくは、本発明における被塗物の補修塗装方法は、塗膜、例えば、下塗り層、中塗り層、上塗り層などを有する被塗物表面の塗装を補修する工程を含む。
実施例1〜8及び比較例1〜8において、塗料組成物を調製し、形成した塗膜の物性を評価した。表1に示した組成を有する主剤及び硬化剤を、実施例1〜8及び比較例1〜8において使用した。主剤及び硬化剤の各原料は、以下のものを使用した。
<水性主剤(I)>
DISPERBYK−190:BYK Chemie社製、分散剤
SN デフォーマー 777:サンノプコ株式会社製、消泡剤
TIPAQUE CR97:石原産業株式会社製、顔料(酸化チタン)
バーノック WD−551:DIC社製、高分子ポリオール(アクリルディスパージョン:酸価(20)、水酸基価(100)、分子量(4600))
BAYHYDROL XP2470:住化バイエルウレタン社製、高分子ポリオール(アクリルディスパージョン:酸価(20)、水酸基価(129)、分子量(4300))
BYK−346:BYK Chemie社製、表面調整剤
DBDG(ジブチルジグリコール):有機溶剤(溶解度パラメータ(8.4))
EDGAC(エチルジグリコールアセテート):有機溶剤(溶解度パラメータ(9.5))
ニトロベンゼン:有機溶剤(溶解度パラメータ(10.7))
ジイソブチルケトン:有機溶剤(溶解度パラメータ(7.8))
<水分散性硬化剤(II)>
バイヒジュール(登録商標)304:住化バイエルウレタン株式会社製、ノニオン変性ポリイソシアネート(親水性ポリエーテルをHDIトリマーに付加させ生成したウレタン基に、更にHDIトリマーを付加させてアロファネート基を導入したものであって、ノニオン型の親水性基を有し、更にイソシアネート鎖にアロファネート基を導入したアロファネート変性ポリイソシアネート)
バイヒジュール(登録商標)3100:住化バイエルウレタン株式会社製、ノニオン変性ポリイソシアネート(ポリエーテル変性ポリイソシアネート)
バイヒジュール(登録商標)XP2655:住化バイエルウレタン株式会社製、イオン変性ポリイソシアネート(HDIトリマーにスルホン酸塩基を付加し導入したもの)
バイヒジュール(登録商標)XP2547:住化バイエルウレタン株式会社製、イオン変性ポリイソシアネート
DBDG(ジブチルジグリコール):有機溶剤(溶解度パラメータ(8.4))
EDGAC(エチルジグリコールアセテート):有機溶剤(溶解度パラメータ(9.5))
ニトロベンゼン:有機溶剤(溶解度パラメータ(10.7))
ジイソブチルケトン:有機溶剤(溶解度パラメータ(7.8))
厚さ0.8mm、70×150mmサイズのJIS G 3141(SPCC〜SD)冷間圧延鋼板を溶剤脱脂した後に、溶剤型プライマー塗料として、主剤としてユニエポック30プライマーNC(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製)を、硬化剤としてユニエポック30プライマー硬化剤(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製)を含む塗料組成物を、ディスパーを用いて混合し、乾燥膜厚が30〜50μmとなるように、スプレーガンを用いて塗装し、23℃にて1日間乾燥させた。次に、この冷間圧延鋼板上のプライマー塗膜の表面に、サーフェーサー(中塗り)塗料として、主剤としてnaxBESノンサンプラサフHS(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製)を、硬化剤としてnaxBESノンサンプラサフハードナーHS(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製)を含む塗料組成物を、ディスパーを用いて混合し、乾燥膜厚が40〜50μmとなるようにスプレーガンを用いて塗装し、23℃にて1日間乾燥させた。更に、上塗り塗料として、実施例1、3〜8又は比較例1〜8において調製した水性主剤(I)及び水分散性硬化剤(II)を所定の配合にてディスパーを用いて混合し、上記サーフェーサー塗膜の表面に、乾燥膜厚が30〜50μmとなるようにスプレーガンを用いて塗装し、60℃で1時間乾燥させた。
塗膜の製造例1と同様にして、冷間圧延鋼板上にプライマー塗膜及びサーフェーサー(中塗り)塗膜を形成させた。更に、上塗り塗料として、実施例1において調製した水性主剤(I)及び水分散性硬化剤(II)を所定の配合にてディスパーを用いて混合し、上記サーフェーサー塗膜の表面に、乾燥膜厚が30〜50μmとなるようにスプレーガンを用いて塗装し、23℃にて1日間乾燥させた(実施例2)。
塗膜の製造例1と同様にして、冷間圧延鋼板上にプライマー塗膜及びサーフェーサー(中塗り)塗膜を形成させた。更に、上塗り塗料として、主剤としてnax マイティラック G−II KB(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製)を、硬化剤としてnax マイティラック G−II ハードナー(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製)を含む塗料組成物を、ディスパーを用いて混合し、上記サーフェーサー塗膜の表面に、乾燥膜厚が40〜50μmとなるようにスプレーガンを用いて塗装した。その後、60℃にて1時間間乾燥させ、複層塗膜を有する試験片を作成した。
得られた塗膜に関する物性を、以下の基準に基づいて評価した。
評価項目
(塗膜外観)
塗膜の外観を目視で観察して、以下の基準に基づいて評価した。
5:塗料のレベリングが良く塗膜が均一で異常なし
4:塗料のレベリングは良いが塗膜がやや均一
3:塗料のレベリングが若干悪く塗膜がやや均一
2:塗料のレベリングが悪く塗膜が不均一
1:塗料のレベリングが著しく悪く塗膜が不均一
(光沢)
得られた塗膜の光沢値(60°光沢値)を、多角度光沢計GS−4K(スガ試験機社製)により測定し、以下の基準に基づいて評価した。
5:光沢値が80°以上
4:光沢値が70°以上80未満
3:光沢値が60°以上70未満
2:光沢値が50°以上60未満
1:光沢値が50°未満
(鉛筆硬度)
JIS K 5600 5−4による。
(付着性)
試験片の塗膜に、カッターにより1mmの間隔で縦横11本ずつの切れ目を入れ、その上にセロハンテープ(登録商標)(ニチバン社製)を貼付してはがし、100個のマス目のうち、残存したマス目の数をカウントした(碁盤目試験)。なお、100/100は、塗膜のはく離面積が0%である場合を示し、例えば、90/100は、塗膜のはく離面積が10%である場合を示し、50/100は、塗膜のはく離面積が50%である場合を示す。
(耐チッピング性)
飛石試験機(GRAVEL CHIPPING TEST INSTRUMENT JA−400:スガ試験機社製)にて、ショット材が90°の角度で当たるような所定の位置に試験片(試験時の試験片の温度は0℃)をセットし、ショット材50g(JIS A 5001(道路用砕石)で規定する7号砕石(3〜5mm))を吹付エアー圧0.2Mpaで吹き付けた。試験終了後、室温で、ショット材を吹き付けた部分にセロハンテープ(登録商標)(ニチバン社製)を貼付してはがし、塗膜のハガレの有無を目視で観察した。評価基準は以下のとおりである。
5:塗膜異常(ハガレ)なし
4:塗膜の一部に直径1mm未満のハガレ有
3:塗膜の一部に直径1mm以上2mm未満のハガレ有
2:塗膜の一部に直径2mm以上のハガレ有
1:塗膜の全面にハガレ有
(耐水性)
試験片を20℃の水中に168時間浸漬した後、塗膜の外観を目視で観察した。評価基準は以下のとおりである。
5:塗膜異常(フクレ)の発生がない
4:塗膜の一部に直径1mm未満のフクレ有
3:塗膜の一部に直径1mm以上2mm未満のフクレ有
2:塗膜の一部に直径2mm以上のフクレ有
1:塗膜の全面に2mm以上のフクレ有
(耐酸性)
試験片を、3%硫酸水溶液に、23℃にて72時間浸漬した後、塗膜の外観を目視観察した。評価基準は以下のとおりである。
5:塗膜異常(フクレ)の発生がない
4:塗膜の一部に直径1mm未満のフクレ有
3:塗膜の一部に直径1mm以上2mm未満のフクレ有
2:塗膜の一部に直径2mm以上のフクレ有
1:塗膜の全面に2mm以上のフクレ有
(耐アルカリ性)
試験片を、3%水酸化ナトリウム水溶液に、23℃にて72時間浸漬した後、塗膜の外観を目視で観察した。評価基準は以下のとおりである。
5:塗膜異常(フクレ)の発生がない
4:塗膜の一部に直径1mm未満のフクレ有
3:塗膜の一部に直径1mm以上2mm未満のフクレ有
2:塗膜の一部に直径2mm以上のフクレ有
1:塗膜の全面に2mm以上のフクレ有
(耐候性)(促進耐候性)
JIS K 5600−7−7記載のキセノンランプ法に従い、スーパーキセノンウェザーメーターSX2−75(スガ試験機社製)を用いて促進耐候性試験を実施した。試験時間500時間後の塗膜の60°光沢値を、多角度光沢計GS−4K(スガ試験機社製)により測定し、試験前の60°光沢値に対する変化率(光沢保持率)で評価した。評価基準は以下のとおりである。
5:光沢保持率が80%以上
4:光沢保持率が60%以上80%未満
3:光沢保持率が40%以上60%未満
2:光沢保持率が20%以上40%未満
1:光沢保持率が20%未満
(耐食性)(SST、塩水噴霧)
各試験片に、基材に達するようにカッターナイフで長さ10cmのクロスカット傷を入れ、JIS K 5600−7−1(JIS Z 2371)記載の耐中性塩水噴霧性試験法に従い、塩水噴霧試験機ST-11L(スガ試験機社製)で240時間、塩水噴霧試験を行い、クロスカット部からの錆及びフクレの発生を、目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
5:錆及びフクレの発生がない
4:クロスカット部から1mm未満の錆又はフクレ有
3:クロスカット部から1mm以上2mm未満の錆又はフクレ有
2:クロスカット部から2mm以上の錆又はフクレ有
1:全面に錆及びフクレ有
(旧塗膜に対する物性評価)
新造時に形成された塗膜が劣化した場合を想定して、塗膜の製造例3で得られた試験片を、20℃の水中に168時間浸漬した後、23℃にて1日間乾燥させ、劣化した塗膜(旧塗膜)を作成した。
この試験片に、実施例1〜8又は比較例1〜8において調製した水性主剤(I)及び水分散性硬化剤(II)を所定の配合にてディスパーを用いて混合し、乾燥膜厚が30〜50μmとなるようにスプレーガンを用いて塗装し、各試験片を、実施例1〜8又は比較例1〜8と同じ乾燥条件で乾燥させたものを試験に供した。
(旧塗膜上に形成した塗膜の付着性)
試験片の塗膜に、カッターにより1mmの間隔で縦横11本ずつの切れ目を入れ、その上にセロハンテープ(登録商標)(ニチバン社製)を貼付してはがし、100個のマス目のうち、残存したマス目の数をカウントした(碁盤目試験)。なお、100/100は、塗膜のはく離面積が0%である場合を示し、例えば、80/100は、塗膜のはく離面積が20%である場合を示し、50/100は、塗膜のはく離面積が50%である場合を示す。
試験片を20℃の水中に168時間浸漬した後、塗膜の外観を目視で観察した。評価基準は以下のとおりである。
5:塗膜異常(フクレ)の発生がない
4:塗膜の一部に直径1mm未満のフクレ有
3:塗膜の一部に直径1mm以上2mm未満のフクレ有
2:塗膜の一部に直径2mm以上のフクレ有
1:塗膜の全面に2mm以上のフクレ有
Claims (12)
- 水酸基を有する樹脂を含む水性主剤(I)及び水分散性硬化剤(II)を含む水性塗料組成物であって、
前記水性主剤(I)は、水酸基価が5〜200mgKOH/gであり、酸価が5〜100mgKOH/gであり、数平均分子量が1000〜100000である水溶性又は水分散性の高分子ポリオール(a)を含み、
前記水分散性硬化剤(II)は、水分散性ポリイソシアネート(b)を含み、かつ、
前記水分散性ポリイソシアネート(b)は、ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)とイオン変性ポリイソシアネート(b−2)とを含み、及び
前記水分散性ポリイソシアネート(b)に含まれるイソシアネート基と前記高分子ポリオール(a)に含まれる水酸基との当量比(NCO/OH)が0.5〜3.0である、水性塗料組成物。 - 前記ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)の含有量が、前記水性主剤(I)の樹脂固形分100質量部に対して10〜100質量部であり、
前記イオン変性ポリイソシアネート(b−2)の含有量が、前記水性主剤(I)の樹脂固形分100質量部に対して3〜50質量部である、
請求項1に記載の水性塗料組成物。 - 前記ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)及び前記イオン変性ポリイソシアネート(b−2)の配合質量比((b−1)/(b−2))が、10/1〜2/1である、請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
- 前記ノニオン変性ポリイソシアネート(b−1)が、アロファネート変性ポリイソシアネートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
- 前記イオン変性ポリイソシアネート(b−2)が、スルホン酸変性ポリイソシアネートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
- 前記水分散性硬化剤(II)は、更に溶解度パラメータが8.0〜10.0でイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
- 前記水性主剤(I)は、更に溶解度パラメータが8.0〜10.0でイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
- 前記高分子ポリオールがアクリルポリオールである請求項1〜7のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
- 被塗物に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の水性塗料組成物を塗装し、硬化させることにより、塗膜を形成する工程を含む、塗膜の形成方法。
- 前記被塗物が、鉄道車両である、請求項9に記載の塗膜の形成方法。
- 塗膜を有する被塗物に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の水性塗料組成物を塗装し、硬化させることにより、前記被塗物の塗装を補修する工程を含む、被塗物の補修塗装方法。
- 前記被塗物が、鉄道車両である、請求項11に記載の被塗物の補修塗装方法。
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