JP2017100519A - 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材 - Google Patents

空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2017100519A
JP2017100519A JP2015233825A JP2015233825A JP2017100519A JP 2017100519 A JP2017100519 A JP 2017100519A JP 2015233825 A JP2015233825 A JP 2015233825A JP 2015233825 A JP2015233825 A JP 2015233825A JP 2017100519 A JP2017100519 A JP 2017100519A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carcass ply
cord
tire
carcass
cords
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015233825A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6517673B2 (ja
Inventor
祐 富高
Yu Tomitaka
祐 富高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2015233825A priority Critical patent/JP6517673B2/ja
Publication of JP2017100519A publication Critical patent/JP2017100519A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6517673B2 publication Critical patent/JP6517673B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tyre Moulding (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】カーカスプライの巻き上げ部においてコード間隔が不均等になるのを抑制する。
【解決手段】空気入りタイヤ用カーカスプライ部材6において、カーカスコード61を、その横方向両端部60A,60Bで折り返して往復しつつ縦方向Aに延びる3本のコード61A,61B,61Cを構成し、折り返し部63を底辺65Aとして、当該底辺から反対側の横方向端部60A,60Bにかけてコード間隔が減少するテーパ形状65に、コードを配設する。このカーカスプライ部材6を、カーカスプライ4がビードコア31の周りをタイヤ幅方向外側から内側へ巻き上げられてなる空気入りタイヤに用いる。
【選択図】図3

Description

本発明は、空気入りタイヤに用いられるカーカスプライ部材、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤにおいて、その内部に埋設される補強材としてのカーカスプライは、その端部がビードコアを包み込むようにタイヤ幅方向内側から外側へ巻き上げる構成が一般的である。これに対し、特許文献1には、カーカスプライをタイヤ幅方向外側から内側に巻き上げる構成が提案されている。この構成により、カーカスプライにかかる張力の分布が変更され、タイヤ剛性に寄与しやすい位置の張力が増し、操縦安定性能を向上することができる。
しかしながら、カーカスプライをタイヤ幅方向外側から内側に巻き上げる構成は、周長が狭まる方向への巻き上げであるため、巻き上げ部に皺が生じやすく、コード間隔が不均等になることにより、サイド部の剛性低下の要因となったり、巻き上げ端部にセパレーションが生じて、耐久性を低下させたりする要因となる。
ところで、特許文献2,3には、カーカスプライを構成するカーカスコードの切断端に起因するセパレーションを抑制するために、カーカスコードを、両側のビード部に配置した折り返し部を介して両者の間を往復させてなる連続コードにより構成することが知られている。しかしながら、これらの文献は、ハードコアの外面にカーカスプライなどのタイヤ構成部材を貼り付けてグリーンタイヤを成形する所謂コア製法において、カーカスコードを連続コードで構成することを開示したものである。コード同士は等間隔に平行に配置されており、そのため、上記のようにカーカスプライをタイヤ幅方向外側から内側に巻き上げる際の巻き上げ端部でのセパレーションを抑制することはできない。
特開2015−105000号公報 特開2000−301912号公報 特開2004−224072号公報
本発明は、以上の点に鑑み、カーカスプライの巻き上げ部においてコード間隔が不均等になることを抑制して、サイド部の剛性低下を抑え、耐久性を向上することができる空気入りタイヤ用カーカスプライ部材、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本実施形態は、第1に、タイヤ周方向に沿って配置される縦方向とタイヤ子午線方向に沿って配置される横方向とを有するシートからなり、カーカスコードをゴム被覆してなる空気入りタイヤ用カーカスプライ部材において、前記カーカスコードは、前記シートの横方向両端部に位置する折り返し部を介して当該両端部間を往復しつつ前記縦方向に延びる1本又は3本のコードからなり、前記折り返し部から前記シートの反対側の横方向端部にかけてコード間隔が減少するテーパ形状に前記コードが配設された、空気入りタイヤ用カーカスプライ部材にある。
本実施形態は、第2に、ビードコアを含む左右一対のビードと、前記一対のビードコア間に架け渡されたカーカスプライとを備え、前記カーカスプライが前記一対のビードコアの周りをタイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側へ巻き上げられてなる空気入りタイヤであって、前記カーカスプライが上記のカーカスプライ部材で形成された、空気入りタイヤにある。
本実施形態は、第3に、ビードコアを含む左右一対のビードと、前記一対のビードコア間に架け渡されたカーカスプライとを備え、前記カーカスプライが前記一対のビードコアの周りをタイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側へ巻き上げられてなる空気入りタイヤの製造方法であって、前記カーカスプライを、上記のカーカスプライ部材を用いて形成する、空気入りタイヤの製造方法にある。
本実施形態によれば、カーカスプライの巻き上げ部においてコード間隔が不均等になることを抑制することができるので、サイド部の剛性低下を抑え、耐久性を向上することができる。
一実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図。 図1におけるビード部周辺の拡大断面図。 (A)一実施形態に係るカーカスプライ部材を模式的に示した平面図、(B)そのIII-A部拡大図、(C)そのIII-B部拡大図。 (A)他の実施形態に係るカーカスプライ部材を模式的に示した平面図、(B)そのIV-C部拡大図。
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示す実施形態の空気入りタイヤTは、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、接地面を構成するトレッド部1と、左右一対のサイド部2とを備えてなる。
サイド部2は、タイヤ径方向内周側のビード部30と、ビード部30とトレッド部1の間に介在するサイドウォール部20とからなる。ビード部30には、ビードワイヤからなる環状のビードコア31と、ビードコア31の外周面に接合一体化されたビードフィラー32とからなるビード33が埋設されている。ビードフィラー32は、硬質ゴムからなり、先端側ほど幅狭の断面三角形状をなしている。
タイヤTには、左右一対のビードコア31間に架け渡されたカーカスプライ4が埋設されている。カーカスプライ4は、トレッド部1から両側のサイド部2に延びて、その両端部がビードコア31で巻き上げられて係止されている。そのため、カーカスプライ4は、一対のビードコア31間に跨るトロイド状の本体部41と、本体部41の両端部においてビードコア31の周りに巻き上げられた巻き上げ部42とからなる。カーカスプライ4は、カーカスコードをゴム被覆してなり、カーカスコードがタイヤ周方向に対して実質上直角になるように配設され、この例では1枚のプライからなる単層構造をなしている。
カーカスプライ4は、図2に示すように、その両端部が、ビードフィラー32のタイヤ外面側を通ってビードコア31の周りをタイヤ幅方向Xの外側から内側へ巻き上げられ、即ちターンアップされている。巻き上げ部42は、ビード33のタイヤ幅方向Xの内側において、タイヤ径方向Yの外方に延びている。この例では、巻き上げ部42の端部(タイヤ径方向Yの外方端部)43は、ビードコア31の外周面31Aを越えてビードフィラー32に至るまで延在しており、ビードフィラー32のタイヤ径方向Yの外方端32Aよりもタイヤ径方向Yの内側で終端している。
タイヤ内面には、気体バリアゴム層としてインナーライナー5が設けられている。インナーライナー5は、カーカスプライ4の内周側に配置されている。インナーライナー5は、その両端部が、ビードコア31の周りをタイヤ幅方向Xの内側から外側へ巻き上げられている。インナーライナー5の両端部は、ビードコア31の周りにおいて、ビードコア31とカーカスプライ4との間に延在している。
トレッド部1におけるカーカスプライ4の外周側には、ベルト11が配されている。ベルト11は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して一定角度で傾斜させてなる1枚又は複数枚のベルト層からなり、この例では2枚のベルト層で構成されている。ベルト11の外周側には、ベルト補強層12を介してトレッドゴム13が設けられている。
サイドウォール部20におけるカーカスプライ4のタイヤ外面側にはサイドウォールゴム21が設けられている。また、ビード部30には、ビードコア31の周りにおいて、カーカスプライ4及びインナーライナー5を被覆するように、ラバーチェーハー34が設けられている。
カーカスプライ4を形成するカーカスプライ部材6の構成を図3に示す。カーカスプライ部材6は、タイヤ周方向に沿って配置される縦方向Aと、タイヤ子午線方向(タイヤ表面上でタイヤ周方向に直交する方向)に沿って配置される横方向Bと、を有するシート60からなり、すなわち、横方向Bを幅方向とし、縦方向Aを長さ方向とする帯状部材である。カーカスプライ部材6は、例えば有機繊維コードなどのカーカスコード61を、未加硫ゴム62で被覆してなり、カーカスコード61が未加硫ゴム62からなるシート中に埋設されている。
カーカスコード61は、シート60の横方向両端部60A,60Bに位置する折り返し部63を介して当該両端部60A,60B間を往復しつつ、シート60の縦方向Aに延びる、3本のコード61A,61B,61Cで構成されている。すなわち、カーカスコード61は3本のコード61A,61B,61Cからなり、各コードは、シート60の横方向Bに沿って延び、両端部60A,60Bにおいて途切れることなく折り返されることで、蛇行しながら縦方向Aに延びている。なお、図3(A)においては、3本のコードを区別しやすくするために、1本のコード61Aを実線で示し、残りの2本のコード61B,61Cを2種類の点線で示している。
カーカスコード61は、各コード61A,61B,61Cの横方向延在部64を横方向Bに対して傾斜させることにより、折り返し部63を底辺65Aとして、当該底辺65Aからシート60の反対側の横方向端部60A,60Bにかけてコード間隔が減少、好ましくは漸減するテーパ形状(ないしは三角形状)65に、各コード61A,61B,61Cが配設されている。詳細には、シート60の横方向一端部60Aにおける折り返し部63から横方向他端部60Bにかけてコード間隔が漸減するテーパ形状65Xと、横方向他端部60Bにおける折り返し部63から横方向一端部60Aにかけてコード間隔が漸減するテーパ形状65Yが形成されており、両者65X,65Yが縦方向Aにおいて交互に隣接配置されている。この例では、テーパ形状65は、折り返し部63を底辺とし、反対側の横方向端部に位置する後記の交差部66を頂点として、底辺から頂点に向かって漸次幅狭に形成されている。
ここで、テーパ形状65としては、横方向Bの全幅にわたってコード間隔が一定の割合で減少する形状には限定されず、例えば、コード間隔が一定の領域が部分的に存在してもよい。また、横方向延在部64とは、横方向両端部60A,60Bの折り返し部63,63間に位置して両者を連結するコード部分であり、各コード61A,61B,61Cにおいて横方向Bに延在する部分である。
3本のコード61A,61B,61Cの折り返し部63A,63B,63Cは、図3(B)に示すように、シート60の縦方向Aにおいて順次隣接配置されている。そして、上記テーパ形状65は、1本のコード61Aの折り返し部63Aと、該折り返し部63Aの両側に隣接する他の2本のコード61B,61Cの折り返し部63B,63Cから延びる2本の直線状の横方向延在部64B,64Cと、により形成されている。
また、各コード61A,61B,61Cの折り返し部63は、円弧による湾曲状に形成されている。この例では、折り返し部63は半円形状をなし、そのため、コード61A,61B,61Cは、シート60の横方向両端部60A,60BにおいてU字状に折り返されている。折り返し部63の曲率半径は、後述する横方向両端部60A,60Bでのコード間隔の1/2以上であることが好ましく、この例では1/2に設定されている。
カーカスコード61は、より詳細には、次のように構成されている。図3(A)において矢印Pで示すように、第1のコード61Aを、横方向一端部60Aから他端部60Bへ傾斜させつつ延在させ、他端部60Bで途切れることなくU字状に折り返した後、他端部60Bから一端部60Aへ傾斜させつつ延在させ、一端部60Aで途切れることなくU字状に折り返す。これを基本構成として、縦方向Aに繰り返す。横方向延在部64は、一つ前の横方向延在部64から離れる方向に傾斜しており、横方向Bに対する傾斜幅Vは、U字状をなす折り返し部63の縦方向Aでの幅Wの1/2に設定されている。
第2のコード61B及び第3のコード61Cも、第1のコード61Aと同じ基本構成を持ち、横方向一端部60Aと他端部60Bとの間を往復させるが、その際、これら第1、第2及び第3のコード61A,61B,61Cは、全て同じピッチ(即ち、波長)で、かつ、1/3ピッチずつ位相をずらして往復させる。これにより、3本のコード61A,61B,61Cの折り返し部63A,63B,63Cは、シート60の縦方向Aにおいて隙間なく隣接配置されている。
また、コード61A,61B,61Cは、シート60の横方向両端部60A,60Bにおいて交差しており、この例では、図3(B)に示すように、互いに隣接する折り返し部63の両端部においてコード61A,61B,61Cが交差している。このように、コードが交差した状態でゴム被覆されることにより、交差部66では2本のコードが一体のコードとなるので、横方向両端部60A,60Bでのコード間隔は、U字状をなす折り返し部63の縦方向Aでの幅(コード中心間距離)Wとなる。なお、交差部66は、必ずしも折り返し部63に設定しなくてもよい。例えば、縦方向Aにおいて互いに隣接する折り返し部63間に隙間を設けて近接させてもよく、その場合、交差部66は横方向延在部64に設定される。但し、交差部66はシート60の横方向両端部60A,60Bに設けられるものであるため、折り返し部63間に隙間を設けて近接させる場合でも、そのコード中心間距離Fは、上記折り返し部63の幅Wの1/5以下であることが好ましい。
縦方向Aにおいて隣接する2本のコードの間隔は、上述したテーパ形状65の配設により、横方向Bにおける一方の端部から反対側の端部に向かって漸減し、当該反対側の端部で交差部66によりゼロとなる。そのため、横方向Bの両端部60A,60Bでのコード間隔は、横方向Bの中央部でのコード間隔よりも広く、当該中央でのコード間隔の1.5〜2.5倍であることが好ましく、より好ましくは2倍である。この例では、横方向Bの両端部でのコード間隔が上記の幅Wであるため、図3(C)に示すように、横方向Bの中央でのコード間隔はW/2となっている。
本実施形態に係る空気入りタイヤTの製造方法は、カーカスプライ4を形成するカーカスプライ部材として、上記のカーカスプライ部材6を用いること以外は、公知の方法により製造することができる。例えば、特開2014−125120号公報に開示されているように、タイヤ成型ドラム上にインナーライナーを貼り付け、インナーライナー上にビードを載置し、その上にカーカスプライ部材を貼り付け、更にサイドウォールゴム等を貼り付けた後に、カーカスプライ部材の両端部をビードの内周側に折り返して、一次成形体を作製する。その際、カーカスプライ部材6は、上記縦方向Aをタイヤ周方向に配置し、横方向Bをタイヤ子午線方向になるようにして、インナーライナー上に貼り付ければよい。その後、この一次成形体を径方向に拡張させた後、ベルト及びトレッドゴムを貼り付け、ついで、カーカスプライ部材の両端部をビードの内側に巻き上げて圧着させる。このようにして得られたグリーンタイヤを加硫成形することにより、空気入りタイヤが得られる。
以上よりなる本実施形態によれば、カーカスコード61を、シート60の横方向両端部60A,60Bで折り返しながら連続するコード61A,61B,61Cで構成したことにより、張力分布を均一にして、剛性向上に寄与することができる。
また、カーカスコード61を、上記のようなテーパ形状65に配設したことにより、横方向Bの中央部ではコード間隔が狭く、横方向Bの両端部ではコード間隔が広くなっている。このようなコード配設を持つカーカスプライ部材6を用いてタイヤTを作製すると、トレッド部1に配される横方向Bの中央部では、拡張によりコード間隔が広くなり、サイド部2に配される横方向Bの両端部では、コード間隔が狭くなるので、タイヤTになったときに、その全体でコード間隔が均等化され、剛性向上につながる。
また、カーカスプライ4をタイヤ幅方向Xの外側から内側へ巻き上げる構造では、巻き上げによりコードが寄ることで、コード間隔が密になりすぎて皺が生じやすいが、本実施形態によれば、カーカスプライ部材6において横方向Bの両端部のコード間隔を広くしたことにより、巻き上げ時の皺を生じにくくして、巻き上げ部42でコード間隔が不均等になることを抑制することができ、耐久性を向上することができる。また、巻き上げ部42でコード間隔が均等化されることにより、サイド部2の剛性低下の要因を減らすことができる。
また、カーカスプライ部材6においてコード61A,61B,61Cの折り返し部63が湾曲状に形成されたことにより、タイヤ成形時の巻き上げ時に、横方向Bの両端部でコード同士が近づこうとしたとき、折り返し部63はその円弧が外側に伸びるように扁平化した形状に変形することで、湾曲形状を維持したままコード間隔を狭めることが可能である。そのため、コード間隔を等間隔のままで狭めることができるので、上記の剛性及び耐久性向上効果を高めることができる。
上記実施形態では、カーカスコード61を3本のコード61A,61B,61Cで構成したが、1本のコード61Dで構成することもできる。図4は、その一例を示したものである。
図4に示すカーカスプライ部材6Aでは、カーカスコード61は、シート60の横方向両端部60A,60Bに位置する折り返し部63を介して当該両端部60A,60B間を往復しつつ、縦方向Aに延びる、1本のコード61Dで構成されている。コード61Dは、その横方向延在部64を横方向Bに対して傾斜させることにより、折り返し部63を底辺65Aとして、当該底辺65Aからシート60の反対側の横方向端部60A,60Bにかけてコード間隔が漸減するテーパ形状65に配設されている。詳細には、横方向一端部60Aにおける折り返し部63を底辺とするテーパ形状65Xと、横方向他端部60Bにおける折り返し部63を底辺とするテーパ形状65Yとが、上記縦方向Aにおいて交互に隣接配置されている。この例では、テーパ形状65は、折り返し部63を底辺とし、反対側の横方向端部に位置する後記の当接部67を頂点として、底辺から頂点に向かって漸次幅狭に形成されている。
コード61Dの折り返し部63は、図4(B)に示すように、縦方向Aにおいて順次隣接配置されており、上記テーパ形状65は、湾曲状の折り返し部63と、当該折り返し部63から延びる2本の直線状の横方向延在部64,64と、により形成されている。
より詳細には、図4(A)において矢印Pで示すように、コード61Dを、横方向一端部60Aから他端部60Bへ傾斜させつつ延在させ、他端部60Bで途切れることなくU字状に折り返した後、他端部60Bから一端部60Aへ傾斜させつつ延在させ、一端部60Aで途切れることなくU字状に折り返す。これを基本構成として、縦方向Aに繰り返す。横方向延在部64は、一つ前の横方向延在部64に近づく方向に傾斜しており、横方向Bに対する傾斜幅Vは、U字状をなす折り返し部63の縦方向Aでの幅Wの1/2に設定されている。これにより、コード61Dの折り返し部63は、シート60の縦方向Aにおいて隙間なく隣接配置されている。
また、シート60の横方向両端部60A,60Bにおいて、縦方向Aに互いに隣接するコード61Dが当接しており、この例では、図4(B)に示すように、互いに隣接する折り返し部63間で互いのコード61Dが当接することにより当接部67が形成されている。なお、コード61Dは、必ずしも当接していなくてもよく、縦方向Aにおいて互いに隣接する折り返し部63間に隙間を設けて近接させてもよい。但し、隣接する折り返し部63間のコード中心間距離Fは、上記折り返し部63の幅Wの1/5以下であることが好ましい。
図4に示す実施形態でも、コード61Dを上記の通りのテーパ形状65に配設したことにより、横方向Bの中央部ではコード間隔が狭く、横方向Bの両端部ではコード間隔が広くなっているので、タイヤTになったときに、その全体でコード間隔を均等化することができ、剛性向上につながる。また、カーカスプライ4をタイヤ幅方向Xの外側から内側へ巻き上げる構造において、巻き上げ時の皺を生じにくくして、巻き上げ部42でコード間隔が不均等になることを抑制することができるので、耐久性を向上できるとともに、サイド部2の剛性低下の要因を減らすことができる。図4に示す実施形態において、その他の構成及び効果は、上記の図1〜3で示す実施形態と同様であり、説明は省略する。
なお、上記実施形態では、コード61A,61B,61C,61Dの横方向延在部64においてコードを往復過程ともに横方向Bに対して傾斜して設けたが、往復過程のいずれか一方のみを傾斜させ、他方は横方向Bに平行に延在させてもよい。但し、往復過程ともに傾斜させた方が方向性をなくすことができ、好ましい。
上記実施形態の効果を示すために、実施例1,2及び比較例1,2の乗用車用空気入りラジアルタイヤ(サイズ:195/65R15)を試作した。実施例1のタイヤは、図1〜3に示す実施形態のタイヤである(折り返し部63の縦方向Aでの幅W=1.2mm)。実施例2のタイヤは、図4に示す実施形態のタイヤである(折り返し部63の縦方向Aでの幅W=1.2mm)。比較例1のタイヤは、カーカスプライ部材として、多数本のコードを平行に引き揃えたもの(横方向両端部にコードの切断端を持つもの)を1枚用いて(コードの打ち込み密度=28本/25mm)、該カーカスプライ部材をビードコアの周りでタイヤ幅方向内側から外側へ巻き上げた構造のタイヤである。比較例2のタイヤは、比較例1と同様のカーカスプライ部材を、実施例1と同様に、ビードコアの周りでタイヤ幅方向外側から内側へ巻き上げた構造のタイヤである。いずれの例も、その他の構成は同じ構成とした。
これらの各タイヤについて、操縦安定性と耐久性と縦剛性と横剛性を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・操縦安定性:各タイヤを装着したテスト車両(国産2Lセダン)を速度100km/hでの実車走行により、運転者が乾燥路にて、操縦安定性の官能評価を行ない、比較例1の官能評価を100とした指数で評価した。当該指数が大きいほど操縦安定性が良好であることを示す。
・耐久性:FMVSS139に準拠した試験方法により、タイヤが故障するまでの走行距離を測定し、比較例1の測定結果を100として指数で評価した。当該指数が大きいほど耐久性に優れていることを示す。
・縦剛性:50t剛性試験機を用いて、垂直方向に基準負荷に対して所定の負荷を増減させたときのタイヤの縦撓み量を測定し、その増減させた負荷量を縦撓み量で除した値を算出した。評価結果は、比較例1の結果を100とした指数で表示し、当該指数が大きいほど縦剛性が高いことを示す。
・横剛性:50t剛性試験機を用いて、タイヤに基準負荷をかけた状態で、基準負荷の30%の横方向の力を更にタイヤにかけて横撓み量を測定し、その横方向の力を横撓み量で除した値を作出した。評価結果は、比較例1の測定結果を100とした指数で表示し、当該指数が大きいほど横剛性が高いことを示す。
Figure 2017100519
結果は、表1に示す通りである。比較例1に対し、カーカスプライの巻き上げ構造をタイヤ幅方向外側から内側の巻き上げに変更した比較例2では、操縦安定性は向上したものの、巻き上げ部に皺が入り、コード間隔が不均等になったことにより、耐久性に劣っており、また、縦横剛性の向上効果も小さいものであった。これに対し、実施例1,2では、カーカスプライをタイヤ幅方向外側から内側に巻き上げた構成において、カーカスコードを上記実施形態のように連続したコードでかつコード間隔を変えたテーパ形状の配設にしたことにより、耐久性を向上することができ、また、縦剛性及び横剛性が向上して、操縦安定性が顕著に改善されていた。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
T…空気入りタイヤ、2…サイド部、31…ビードコア、33…ビード
4…カーカスプライ、42…巻き上げ部
6…カーカスプライ部材、60…シート、60A,60B…シートの横方向端部
61…カーカスコード、61A,61B,61C,61D…コード
63…折り返し部、64…横方向延在部、65…テーパ形状、65A…底辺、
A…縦方向、B…横方向

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に沿って配置される縦方向とタイヤ子午線方向に沿って配置される横方向とを有するシートからなり、カーカスコードをゴム被覆してなる空気入りタイヤ用カーカスプライ部材において、
    前記カーカスコードは、前記シートの横方向両端部に位置する折り返し部を介して当該両端部間を往復しつつ前記縦方向に延びる1本又は3本のコードからなり、前記折り返し部から前記シートの反対側の横方向端部にかけてコード間隔が減少するテーパ形状に前記コードが配設された、
    空気入りタイヤ用カーカスプライ部材。
  2. 前記カーカスコードが3本のコードからなり、前記3本のコードの折り返し部が前記シートの縦方向において順次隣接配置され、前記テーパ形状が、1本のコードの折り返し部と、該折り返し部の両側に隣接する他の2本のコードの折り返し部から延びる横方向延在部と、により形成された、請求項1に記載の空気入りタイヤ用カーカスプライ部材。
  3. 前記コードの折り返し部が湾曲状に形成された請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ用カーカスプライ部材。
  4. ビードコアを含む左右一対のビードと、前記一対のビードコア間に架け渡されたカーカスプライとを備え、前記カーカスプライが前記一対のビードコアの周りをタイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側へ巻き上げられてなる空気入りタイヤであって、
    前記カーカスプライが請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーカスプライ部材で形成された、空気入りタイヤ。
  5. ビードコアを含む左右一対のビードと、前記一対のビードコア間に架け渡されたカーカスプライとを備え、前記カーカスプライが前記一対のビードコアの周りをタイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側へ巻き上げられてなる空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記カーカスプライを請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーカスプライ部材を用いて形成する、空気入りタイヤの製造方法。
JP2015233825A 2015-11-30 2015-11-30 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材 Active JP6517673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015233825A JP6517673B2 (ja) 2015-11-30 2015-11-30 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015233825A JP6517673B2 (ja) 2015-11-30 2015-11-30 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017100519A true JP2017100519A (ja) 2017-06-08
JP6517673B2 JP6517673B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=59015865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015233825A Active JP6517673B2 (ja) 2015-11-30 2015-11-30 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6517673B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09156310A (ja) * 1995-12-08 1997-06-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JPH09315108A (ja) * 1996-05-30 1997-12-09 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2000219008A (ja) * 1999-01-29 2000-08-08 Bridgestone Corp 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP2003252006A (ja) * 2002-03-01 2003-09-09 Yokohama Rubber Co Ltd:The 中間材及びその製造方法と複合材
JP2004122626A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Bridgestone Corp カーカスコードの貼付け装置およびタイヤの製造方法
JP2011079460A (ja) * 2009-10-08 2011-04-21 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09156310A (ja) * 1995-12-08 1997-06-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JPH09315108A (ja) * 1996-05-30 1997-12-09 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2000219008A (ja) * 1999-01-29 2000-08-08 Bridgestone Corp 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP2003252006A (ja) * 2002-03-01 2003-09-09 Yokohama Rubber Co Ltd:The 中間材及びその製造方法と複合材
JP2004122626A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Bridgestone Corp カーカスコードの貼付け装置およびタイヤの製造方法
JP2011079460A (ja) * 2009-10-08 2011-04-21 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6517673B2 (ja) 2019-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105764712A (zh) 充气轮胎
JP2016088338A (ja) 空気入りタイヤ
JP7298622B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6445870B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6720539B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2011005946A (ja) 空気入りタイヤ
JP2013060075A (ja) 空気入りタイヤ
JP6816543B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2011126077A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5993636B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5770847B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
US11305585B2 (en) Pneumatic tire
JP6363904B2 (ja) 二輪自動車用タイヤ
JP6822170B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2017193194A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006272992A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP4997861B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP6324877B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP7126968B2 (ja) 二輪車用タイヤ
JP6517673B2 (ja) 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材
JP6517674B2 (ja) 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材
JP6850124B2 (ja) 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材
WO2018034060A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2006111215A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006335235A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6517673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250