JP6517674B2 - 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材 - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに用いられるカーカスプライ部材、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤにおいて、その内部に埋設される補強材としてのカーカスプライは、その端部がビードコアを包み込むようにタイヤ幅方向内側から外側へ巻き上げる構成が一般的である。これに対し、特許文献1には、カーカスプライをタイヤ幅方向外側から内側に巻き上げる構成が提案されている。この構成により、カーカスプライにかかる張力の分布が変更され、タイヤ剛性に寄与しやすい位置の張力が増し、操縦安定性能を向上することができる。
しかしながら、カーカスプライをタイヤ幅方向外側から内側に巻き上げる構成は、周長が狭まる方向への巻き上げであるため、巻き上げ部に皺が生じやすく、コード間隔が不均等になることにより、サイド部の剛性低下の要因となったり、巻き上げ端部にセパレーションが生じて、耐久性を低下させたりする要因となる。
ところで、特許文献2,3には、カーカスプライを構成するカーカスコードの切断端に起因するセパレーションを抑制するために、カーカスコードを、両側のビード部に配置した折り返し部を介して両者の間を往復させてなる連続コードにより構成することが知られている。しかしながら、これらの文献は、ハードコアの外面にカーカスプライなどのタイヤ構成部材を貼り付けてグリーンタイヤを成形する所謂コア製法において、カーカスコードを連続コードで構成することを開示したものである。コード同士は平行に配置されており、交差部を持たないため、サイド部の剛性向上を図ることはできない。
特開2015−105000号公報 特開2000−301912号公報 特開2004−224072号公報
本発明は、以上の点に鑑み、耐久性の低下を抑制することができるとともに、サイド部の剛性を向上することができる空気入りタイヤ用カーカスプライ部材、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本実施形態は、第1に、タイヤ周方向に沿って配置される縦方向とタイヤ子午線方向に沿って配置される横方向とを有するシートからなり、カーカスコードをゴム被覆してなる空気入りタイヤ用カーカスプライ部材において、前記カーカスコードは、前記シートの横方向の一端部から他端部に延びる第1横方向延在部と、前記第1横方向延在部と連なり前記他端部において折り返される第1折り返し部と、前記第1折り返し部と連なり前記他端部から前記一端部に延びる第2横方向延在部と、前記第2横方向延在部と連なり前記一端部において折り返される第2折り返し部とを基本構成として、該基本構成を前記縦方向に繰り返して配設され、前記第2横方向延在部が、タイヤの一方のサイド部に配置される位置で前記第1横方向延在部と交差し、かつタイヤのもう一方のサイド部に配置される位置で次の第1横方向延在部と交差するように設けられた、空気入りタイヤ用カーカスプライ部材にある。
本実施形態は、第2に、ビードコアを含む左右一対のビードと、前記一対のビードコア間に架け渡されたカーカスプライとを備え、前記カーカスプライが前記一対のビードコアの周りをタイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側へ巻き上げられてなる空気入りタイヤであって、前記カーカスプライが上記のカーカスプライ部材で形成された、空気入りタイヤにある。
本実施形態は、第3に、ビードコアを含む左右一対のビードと、前記一対のビードコア間に架け渡されたカーカスプライとを備え、前記カーカスプライが前記一対のビードコアの周りをタイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側へ巻き上げられてなる空気入りタイヤの製造方法であって、前記カーカスプライを、上記のカーカスプライ部材を用いて形成する、空気入りタイヤの製造方法にある。
本実施形態によれば、カーカスコードを両端部で折り返した連続コードで形成するとともに、該コードの交差部をタイヤのサイド部に配置するようにしたので、サイド部の剛性を向上することができる。また、折り返し部によりコード間隔を確保したシートの横方向両端部がカーカスプライの巻き上げ部となることで、巻き上げ時にコード間隔が不均等になることを抑制することができるので、耐久性を向上することができる。
一実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図。 図1におけるビード部周辺の拡大断面図。 (A)一実施形態に係るカーカスプライ部材を模式的に示した平面図、(B)そのIII-A部拡大図。 ビード部周辺におけるカーカスプライの本体部のコード配列を模式的に示した側面図。 ビード部周辺におけるカーカスプライの巻き上げ部のコード配列を模式的に示した側面図。
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示す実施形態の空気入りタイヤTは、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、接地面を構成するトレッド部1と、左右一対のサイド部2とを備えてなる。
サイド部2は、タイヤ径方向内周側のビード部30と、ビード部30とトレッド部1の間に介在するサイドウォール部20とからなる。ビード部30には、ビードワイヤからなる環状のビードコア31と、ビードコア31の外周面に接合一体化されたビードフィラー32とからなるビード33が埋設されている。ビードフィラー32は、硬質ゴムからなり、先端側ほど幅狭の断面三角形状をなしている。
タイヤTには、左右一対のビードコア31間に架け渡されたカーカスプライ4が埋設されている。カーカスプライ4は、トレッド部1から両側のサイド部2に延びて、その両端部がビードコア31で巻き上げられて係止されている。そのため、カーカスプライ4は、一対のビードコア31間に跨るトロイド状の本体部41と、本体部41の両端部においてビードコア31の周りに巻き上げられた巻き上げ部42とからなる。カーカスプライ4は、カーカスコードをゴム被覆してなり、カーカスコードがタイヤ周方向に対して実質上直角になるように配設され、この例では1枚のプライからなる単層構造をなしている。
カーカスプライ4は、図2に示すように、その両端部が、ビードフィラー32のタイヤ外面側を通ってビードコア31の周りをタイヤ幅方向Xの外側から内側へ巻き上げられ、即ちターンアップされている。巻き上げ部42は、ビード33のタイヤ幅方向Xの内側において、タイヤ径方向Yの外方に延びている。この例では、巻き上げ部42の端部である巻き上げ端部(タイヤ径方向Yの外方端部)43は、ビードコア31の外周面31Aを越えてビードフィラー32に至るまで延在しており、ビードフィラー32のタイヤ径方向Yの外方端32Aよりもタイヤ径方向Yの内側で終端している。
タイヤ内面には、気体バリアゴム層としてインナーライナー5が設けられている。インナーライナー5は、カーカスプライ4の内周側に配置されている。インナーライナー5は、その両端部が、ビードコア31の周りをタイヤ幅方向Xの内側から外側へ巻き上げられている。インナーライナー5の両端部は、ビードコア31の周りにおいて、ビードコア31とカーカスプライ4との間に延在している。
トレッド部1におけるカーカスプライ4の外周側には、ベルト11が配されている。ベルト11は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して一定角度で傾斜させてなる1枚又は複数枚のベルト層からなり、この例では2枚のベルト層で構成されている。ベルト11の外周側には、ベルト補強層12を介してトレッドゴム13が設けられている。
サイドウォール部20におけるカーカスプライ4のタイヤ外面側にはサイドウォールゴム21が設けられている。また、ビード部30には、ビードコア31の周りにおいて、カーカスプライ4及びインナーライナー5を被覆するように、ラバーチェーハー34が設けられている。
カーカスプライ4を形成するカーカスプライ部材6の構成を図3に示す。カーカスプライ部材6は、タイヤ周方向に沿って配置される縦方向Aと、タイヤ子午線方向(タイヤ表面上でタイヤ周方向に直交する方向)に沿って配置される横方向Bと、を有するシート60からなり、すなわち、横方向Bを幅方向とし、縦方向Aを長さ方向とする帯状部材である。カーカスプライ部材6は、例えば有機繊維コードなどのカーカスコード61を、未加硫ゴム62で被覆してなり、カーカスコード61が未加硫ゴム62からなるシート中に埋設されている。
カーカスコード(以下、単にコードということがある。)61は、シート60の横方向両端部60A,60Bで折り返しながら縦方向Aに延びる1本の連続コードで構成されている。カーカスコード61は、シート60の横方向Bの一端部60Aから他端部60Bに延びる第1横方向延在部63と、第1横方向延在部63と連なり他端部60Bにおいて折り返される第1折り返し部64と、第1折り返し部64と連なり他端部60Bから一端部60Aに延びる第2横方向延在部65と、第2横方向延在部65と連なり一端部60Aにおいて折り返される第2折り返し部66とを基本構成として、該基本構成を縦方向Aに繰り返して配設されている。第1折り返し部64は、第2横方向延在部65が第1横方向延在部63と交差するように設けられ、第2折り返し部66は、次の第1横方向延在部63が上記第2横方向延在部65と交差するように設けられている。これにより、第2横方向延在部65は、タイヤTの一方のサイド部2(他端部60Bが配される側のサイド部)に配置される位置で同一周期の第1横方向延在部63と交差し、かつ、タイヤTのもう一方のサイド部2(一端部60Aが配される側のサイド部)に配置される位置で次の周期の第1横方向延在部63と交差するように設けられている。
詳細には、図3(A)において矢印Pで示すように、第1横方向延在部63は、横方向Bの一端部60Aから他端部60Bにかけて、横方向Bに対して傾斜しながら直線状に延在している。そして、他端部60Bにおいて、コード61は第1折り返し部64により途切れることなく折り返される。第1折り返し部64では、第1横方向延在部63における縦方向Aでの進行方向に対して戻る方向(即ち、進行方向後方)にコード61を折り返す。折り返し後、第2横方向延在部65が、上記他端部60Bから一端部60Aにかけて、横方向Bに対して傾斜しながら直線状に延在する。第2横方向延在部65は、第1横方向延在部63と交差するように、一端部60A側ほど、第1横方向延在部63の縦方向Aでの進行方向と同じ方向に進行するように傾斜している。そして、一端部60Aにおいて、コード61は第2折り返し部66により途切れることなく折り返される。第2折り返し部66では、第2横方向延在部65における縦方向Aでの進行方向に対して戻る方向(即ち、進行方向後方)にコード61を折り返す。そのため、折り返し後の次の周期の第1横方向延在部63が上記第2横方向延在部65と交差するようになる。以上の第1横方向延在部63と第1折り返し部64と第2横方向延在部65と第2折り返し部66とを基本構成として、該基本構成を縦方向Aに順次繰り返すことにより、カーカスコード61が形成されている。
シート60の横方向一端部60Aにおいて、第2折り返し部66は、図3(B)に示すように、縦方向Aにおいて順次隣接配置されており、この例では隙間なく隣接配置されている。同様に、横方向他端部60Bにおいて、第1折り返し部64は、縦方向Aにおいて順次隣接配置されており、この例では隙間なく隣接配置されている。
第1折り返し部64及び第2折り返し部66は、それぞれ円弧による湾曲状に形成されており、この例では半円形状をなしている。これら折り返し部64,66の曲率半径は、後述する横方向両端部60A,60Bでのコード間隔W0の1/2以上であることが好ましく、この例では1/2に設定されている。
図3(A)に示すように、カーカスコード61では、シート60の横方向Aの中央部60Cを挟んだその両側に、第1横方向延在部63と第2横方向延在部65との交差部67が形成されている。そして、シート60の横方向両端部60A,60Bでは、第1及び第2折り返し部64,66をそれぞれ底辺とし、上記両側の交差部67,67をそれぞれ頂点として、底辺から頂点に向かってコード間隔が漸減するテーパ形状(ないし三角形状)68が形成されている。また、シート60の横方向中央部60Cでは、上記両側の交差部67,67の間で、一端部60A側に向かってコード間隔が漸減するテーパ形状69Xと他端部60B側に向かってコード間隔が漸減するテーパ形状69Yとが形成され、両者69X,69Yが縦方向Aにおいて交互に隣接配置されている。
交差部67では、コードが交差した状態でゴム被覆されることにより一体のコードとなるので、交差部67でのコード間隔W1は、図3(A)に示すように、縦方向Aに隣接する2つの交差部67,67間の間隔となる。また、シート60の横方向両端部60A,60Bでは、第1及び第2折り返し部64,66間でコード61が互いに当接ないし近接しており、この状態でゴム被覆されることにより一体のコードとなるので、図3(B)に示すように、横方向両端部60A,60Bでのコード間隔W0は、折り返し部64,66の縦方向Aでの幅となる。かかる横方向両端部60A,60Bでのコード間隔W0は、交差部67でのコード間隔W1の0.7〜1.4倍であることが好ましく、この例では1倍に設定されている。
一方、シート60の横方向中央部60Cでは、上記のように、漸減方向が逆向きのテーパ形状69X及び69Yが互い違いに配設されているので、コード間隔が交差部67でのコード間隔W1よりも狭くなっており、詳細には、横方向中心位置でのコード間隔W2が交差部67でのコード間隔W1の1/2になっている。
本実施形態のタイヤTでは、上記カーカスプライ部材6の左右の交差部67,67が、左右のサイド部2にそれぞれ配置される。また、カーカスプライ部材6の横方向中央部60Cがトレッド部1に配設され、横方向両端部60A,60Bが左右のビードコア31の周りをタイヤ幅方向Xの外側から内側へ巻き上げられて巻き上げ部42が形成される。
この例では、左右の交差部67,67は、それぞれ左右のビードフィラー32の径方向外方端32Aの近傍に配置されている。詳細には、該径方向外方端32Aから、そのタイヤ径方向Yにおける両側に、ビードフィラー高さHの1/3の範囲E内で、配置されることが好ましい(図2及び図4参照)。すなわち、タイヤ径方向Yにおいて、交差部67の位置は、ビードフィラー32の径方向外方端32Aを中心としてその上下H/3の範囲E内に入るように設定される。この例では、図4に示すように、交差部67は、ビードフィラー32の径方向外方端32Aに一致させて設けられている。
また、カーカスプライ4の巻き上げ端部43が、ビードフィラー32の径方向外方端32Aよりもタイヤ径方向Yの内側であって、かつ、タイヤ径方向Yにおいて交差部67の位置からビードフィラー高さHの1/10以上離されて配置されていることが好ましい(図2〜5参照)。巻き上げ端部43は、交差部67よりもタイヤ径方向Yの内側に配置されていることが好ましく、この例では、ビードコア31の外周面31Aからビードフィラー高さHの1/2までの高さの範囲内に位置するように設定されている。
本実施形態に係る空気入りタイヤTの製造方法は、カーカスプライ4を形成するカーカスプライ部材として、上記のカーカスプライ部材6を用いること以外は、公知の方法により製造することができる。例えば、特開2014−125120号公報に開示されているように、タイヤ成形ドラム上にインナーライナーを貼り付け、インナーライナー上にビードを載置し、その上にカーカスプライ部材を貼り付け、更にサイドウォールゴム等を貼り付けた後に、カーカスプライ部材の両端部をビードの内周側に折り返して、一次成形体を作製する。その際、カーカスプライ部材6は、上記縦方向Aをタイヤ周方向に配置し、横方向Bをタイヤ子午線方向になるようにして、インナーライナー上に貼り付ければよい。その後、この一次成形体を径方向に拡張させた後、ベルト及びトレッドゴムを貼り付け、ついで、カーカスプライ部材の両端部をビードの内側に巻き上げて圧着させる。このようにして得られたグリーンタイヤを加硫成形することにより、空気入りタイヤが得られる。
以上よりなる本実施形態によれば、カーカスコード61を、シート60の横方向両端部60A,60Bで折り返しながら連続するコードで構成したことにより、張力分布を均一にして、剛性向上に寄与することができる。
また、カーカスコード61を、上記のように交差部67を持つように折り返して、交差部67がタイヤTのサイド部2に位置するように設定したので、そのタガ効果によりサイド部2の剛性を向上することができる。
また、カーカスプライ部材6は、その横方向中央部60Cでコード間隔が狭く、その両側の交差部67がある位置ではコード間隔が広くなっているが、タイヤTの成形時に、トレッド部1に配される横方向中央部60Cでは、拡張によりコード間隔が広がり、サイド部2に配される交差部67付近ではコード間隔が狭まる。これにより、サイド部2でのコード間隔が密になるので、この点からもサイド部2の剛性を向上させることができる。
また、カーカスプライ4をタイヤ幅方向Xの外側から内側へ巻き上げる構造では、巻き上げによりコードが寄ることで、コード間隔が密になりすぎて皺が生じやすいが、本実施形態によれば、カーカスプライ部材6において横方向両端部60A,60Bに折り返し部64,66を設けてコード間隔を広くしたことにより、巻き上げ時の皺を生じにくくして、巻き上げ部42でコード間隔が不均等になることを抑制することができ、耐久性を向上することができる。また、巻き上げ部42でコード間隔が均等化されることにより、サイド部2の剛性低下の要因を減らすことができる。
また、カーカスプライ部材6においてカーカスコード61の折り返し部64,66が湾曲状に形成されたことにより、タイヤ成形時の巻き上げ時に、横方向両端部60A,60Bでコード同士が近づこうとしたとき、折り返し部64,66はその円弧が外側に伸びるように扁平化した形状に変形することで、湾曲形状を維持したままコード間隔を狭めることが可能である(図5参照)。そのため、コード間隔を等間隔のままで狭めることができるので、上記の剛性及び耐久性向上効果を高めることができる。
また、交差部67をビードフィラー32の径方向外方端32A近傍に配置させたことにより、剛性変化の大きいビードフィラー32の径方向外方端32A付近が交差部67によって補強させることになるため、剛性変化を低減することができる。
また、カーカスプライ4の巻き上げ端部43を、ビードフィラー32の径方向外方端32Aよりも内側で、かつ交差部67から所定間隔以上離して設けたことにより、剛性変化点を合致させないようにして、耐久性の向上効果を高めることができる。
なお、上記実施形態では、カーカスコード61の第1及び第2横方向延在部63,65の双方を横方向Bに対して傾斜して設けたが、いずれか一方のみを傾斜させ、他方は横方向Bに平行に延在させてもよい。但し、往復過程ともに傾斜させた方が方向性をなくすことができ、好ましい。
また、上記実施形態では、第1及び第2横方向延在部63,65を直線状に形成したが、必ずしも直線状でなくてもよく、例えば、曲線状に形成したり、部分的に傾斜角度を変更したり、あるいは部分的に湾曲部を設けたりしてもよい。それにより、交差部67の位置を調整することも可能である。
上記実施形態の効果を示すために、実施例1及び比較例1,2の乗用車用空気入りラジアルタイヤ(サイズ:195/65R15)を試作した。実施例1のタイヤは、図1〜5に示す実施形態のタイヤである(W1=W0=1.2mm)。比較例1のタイヤは、カーカスプライ部材として、多数本のコードを平行に引き揃えたもの(横方向両端部にコードの切断端を持つもの)を1枚用いて(コードの打ち込み密度=28本/25mm)、該カーカスプライ部材をビードコアの周りでタイヤ幅方向内側から外側へ巻き上げた構造のタイヤである。比較例2のタイヤは、比較例1と同様のカーカスプライ部材を、実施例1と同様に、ビードコアの周りでタイヤ幅方向外側から内側へ巻き上げた構造のタイヤである。いずれの例も、その他の構成は同じ構成とした。
これらの各タイヤについて、操縦安定性と耐久性と縦剛性と横剛性を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・操縦安定性:各タイヤを装着したテスト車両(国産2Lセダン)を速度100km/hでの実車走行により、運転者が乾燥路にて、操縦安定性の官能評価を行ない、比較例1の官能評価を100とした指数で評価した。当該指数が大きいほど操縦安定性が良好であることを示す。
・耐久性:FMVSS139に準拠した試験方法により、ドラム試験機でタイヤが故障するまでの走行距離を測定し、比較例1の測定結果を100として指数で評価した。当該指数が大きいほど耐久性に優れていることを示す。
・縦剛性:50t剛性試験機を用いて、垂直方向に基準負荷に対して所定の負荷を増減させたときのタイヤの縦撓み量を測定し、その増減させた負荷量を縦撓み量で除した値を算出した。評価結果は、比較例1の結果を100とした指数で表示し、当該指数が大きいほど縦剛性が高いことを示す。
・横剛性:50t剛性試験機を用いて、タイヤに基準負荷をかけた状態で、基準負荷の30%の横方向の力を更にタイヤにかけて横撓み量を測定し、その横方向の力を横撓み量で除した値を作出した。評価結果は、比較例1の測定結果を100とした指数で表示し、当該指数が大きいほど横剛性が高いことを示す。
Figure 0006517674
結果は、表1に示す通りである。比較例1に対し、カーカスプライの巻き上げ構造をタイヤ幅方向外側から内側の巻き上げに変更した比較例2では、操縦安定性は向上したものの、巻き上げ部に皺が入り、コード間隔が不均等になったことにより、耐久性に劣っており、また、縦横剛性の向上効果も小さいものであった。これに対し、実施例1では、カーカスプライをタイヤ幅方向外側から内側に巻き上げた構成において、カーカスコードを1本の連続したコードで交差部を設けて該交差部がサイド部に位置するように設けたことにより、耐久性を向上することができ、また、縦剛性及び横剛性が向上して、操縦安定性が顕著に改善されていた。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
T…空気入りタイヤ、2…サイド部、31…ビードコア、
32…ビードフィラー、32A…径方向外方端、33…ビード
4…カーカスプライ、42…巻き上げ部、43…巻き上げ端部
6…カーカスプライ部材、60…シート、60A,60B…シートの横方向端部
61…カーカスコード、63…第1横方向延在部、64…第1折り返し部
65…第2横方向延在部、66…第2折り返し部、67…交差部
A…縦方向、B…横方向、X…タイヤ幅方向、Y…タイヤ径方向
H…ビードフィラー高さ

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に沿って配置される縦方向とタイヤ子午線方向に沿って配置される横方向とを有するシートからなり、カーカスコードをゴム被覆してなる空気入りタイヤ用カーカスプライ部材において、
    前記カーカスコードは、前記シートの横方向の一端部から他端部に延びる第1横方向延在部と、前記第1横方向延在部と連なり前記他端部において折り返される第1折り返し部と、前記第1折り返し部と連なり前記他端部から前記一端部に延びる第2横方向延在部と、前記第2横方向延在部と連なり前記一端部において折り返される第2折り返し部とを基本構成として、該基本構成を前記縦方向に繰り返して配設され、
    前記第2横方向延在部が、タイヤの一方のサイド部に配置される位置で前記第1横方向延在部と交差し、かつタイヤのもう一方のサイド部に配置される位置で次の第1横方向延在部と交差するように設けられた、
    空気入りタイヤ用カーカスプライ部材。
  2. 前記第1折り返し部及び第2折り返し部が湾曲状に形成された、請求項1に記載の空気入りタイヤ用カーカスプライ部材。
  3. ビードコアを含む左右一対のビードと、前記一対のビードコア間に架け渡されたカーカスプライとを備え、前記カーカスプライが前記一対のビードコアの周りをタイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側へ巻き上げられてなる空気入りタイヤであって、
    前記カーカスプライが請求項1又は2に記載のカーカスプライ部材で形成された、空気入りタイヤ。
  4. 前記第1横方向延在部と前記第2横方向延在部との交差部が、前記ビードコアの外周側に設けられたビードフィラーの径方向外方端から、そのタイヤ径方向における両側に、ビードフィラー高さの1/3の範囲内で、配置された、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカスプライの巻き上げ端部が、前記ビードフィラーの径方向外方端よりもタイヤ径方向内側であって、かつタイヤ径方向において前記交差部の位置から前記ビードフィラー高さの1/10以上離されて配置された、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. ビードコアを含む左右一対のビードと、前記一対のビードコア間に架け渡されたカーカスプライとを備え、前記カーカスプライが前記一対のビードコアの周りをタイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側へ巻き上げられてなる空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記カーカスプライを請求項1又は2に記載のカーカスプライ部材を用いて形成する、空気入りタイヤの製造方法。
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