JP5986480B2 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5986480B2
JP5986480B2 JP2012240904A JP2012240904A JP5986480B2 JP 5986480 B2 JP5986480 B2 JP 5986480B2 JP 2012240904 A JP2012240904 A JP 2012240904A JP 2012240904 A JP2012240904 A JP 2012240904A JP 5986480 B2 JP5986480 B2 JP 5986480B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carcass
tire
side edge
carcass cord
layer portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012240904A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014091336A (ja
Inventor
隆志 石橋
隆志 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2012240904A priority Critical patent/JP5986480B2/ja
Publication of JP2014091336A publication Critical patent/JP2014091336A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5986480B2 publication Critical patent/JP5986480B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)

Description

本発明は、カーカスを改良した空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
近年、車両の高出力化に伴い、空気入りタイヤには、トレッド部及びサイドウォール部の耐久性の向上が要求されている。このため、例えば、図13に示されるように、カーカスプライeの折返し部fの外端を、サイドウォール部c又はショルダ部dまで伸ばしたハイターンアップ構造のカーカスEを具えた空気入りタイヤa(下記特許文献1参照)が提案されている。
このような空気入りタイヤaは、トレッド部b及びサイドウォール部cの剛性及び耐久性を向上させる。しかしながら、このような空気入りタイヤaは、カーカスプライeの折返し部fの外端が、発熱量の多いショルダ部dに接近している。このため、熱による折返し部fのセパレーションが発生し易くなるという問題があった。また、ハイターンアップ構造のためにカーカスプライのコード材料の量が増加し、タイヤ重量が大きくなるという問題があった。
他方、空気入りタイヤaには、トレッド部bの剛性を高めるため、トレッド部bの内部かつカーカスEの外側にベルト層Gが設けられている。該ベルト層Gは、通常、複数のベルトプライgからなり、かつ、各ベルトプライg、gのベルトコードが互いに交差するように重ね合わされて構成されている。
しかしながら、このようなベルト層Gは、タイヤ半径方向最外側のベルトプライのベルトコードが、その全面に亘って同一方向に傾斜配列されているため、プライステアフォースが大となって、車両流れを発生させるなど、特に高速での操縦安定性を低下させるという問題があった。
このようなプライステアフォースを低減するために、例えば、図14に示されるように、ベルトコードがネット状に編成されたベルト層hを用いた空気入りタイヤ(特許文献2参照)が提案されている。しかしながら、このようなベルト層hであっても、その内側に配されたカーカスプライのカーカスコードの傾斜方向の影響を受け、プライステアフォースの低減については十分ではなかった。また、このようなベルト層hは、タイヤ軸方向の端部に各ベルトコードの切断端iが現れるため、ショルダー部付近のベルト層hの拘束力が低下し、ひいては高速耐久性が低下するという問題があった。
特開2004−352174号公報 特開平5−139113号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出されたもので、両端部が連なった内層部及び外層部を有するカーカスプライに、タイヤ赤道に対して互いに逆向きかつ同じ角度で配列された第1カーカスコード及び第2カーカスコードを、螺旋移動させて配することを基本として、タイヤ重量の増加を抑制しつつ耐久性を向上させ、かつ、プライステアフォースを低減させうる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち、請求項1記載の発明は、一対のビード部に夫々配されたビードコア間をトロイド状にのびるカーカスを具えた空気入りタイヤであって、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記カーカスは、タイヤ内腔側で前記一対のビードコア間に跨る内層部と、該内層部のタイヤ外面側で前記一対のビードコア間に跨る外層部と、前記内層部と前記外層部とを一方側の前記ビードコアのタイヤ半径方向内側で連ねる一方側縁と、前記内層部と前記外層部とを他方側の前記ビードコアのタイヤ半径方向内側で連ねる他方側縁とを有するカーカスプライからなり、前記カーカスプライは、タイヤ赤道に対して角度θで傾斜して配列された複数の第1カーカスコードからなる第1カーカスコード群と、タイヤ赤道に対して前記第1カーカスコード群とは逆向きかつ同じ角度θで傾斜して配列された複数の第2カーカスコードからなる第2カーカスコード群とを具え、前記第1カーカスコード群は、前記内層部を前記他方側縁から前記一方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、かつ前記一方側縁で折り返されて前記外層部を前記他方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、しかも前記他方側縁で折り返されて前記内層部に至る第1の螺旋移動を繰り返すとともに、前記第2カーカスコード群は、前記内層部を前記一方側縁から前記他方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、かつ前記他方側縁で折り返されて前記外層部を前記一方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、しかも前記一方側縁で折り返され、前記内層部に至る第2の螺旋移動を繰り返し、前記第1カーカスコード及び前記第2カーカスコードは、夫々両端部が接着された無端状であることを特徴とする空気入りタイヤ。
また、請求項2記載の発明は、前記第1カーカスコードの前記両端部の位置と、前記第2カーカスコードの前記両端部との位置とが、タイヤ赤道に対して線対称で配されている請求項1記載の空気入りタイヤである。
また、請求項3記載の発明は、前記カーカスプライは、継ぎ目を有することなくタイヤ周方向に連続するジョイントレスプライからなる請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また、請求項4記載の発明は、前記第1カーカスコード及び第2カーカスコードは、タイヤ赤道に関して線対称で配されている請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また、請求項5記載の発明は、前記カーカスは、前記第1カーカスコード群と前記第2カーカスコード群とが前記内層部及び外層部で夫々編成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また、請求項6記載の発明は、一対のビード部に夫々配されたビードコア間をトロイド状にのびるカーカスを具えた空気入りタイヤの製造方法であって、中心軸に対して傾斜角度βで螺旋巻きされる複数の第1カーカスコードからなる第1カーカスコード群と、該第1カーカスコード群とは逆向きかつ同一の傾斜角度βで螺旋巻きされる複数の第2カーカスコードからなる第2カーカスコード群とを、互いに編成することにより断面が環状に連続するネット体を成形するネット体成形工程と、前記ネット体を折りたたむことにより長尺かつ断面が偏平な偏平環状体を成形する偏平環状体成形工程と、前記偏平環状体を断面トロイド状に成形してカーカスを成形するカーカス成形工程とを含み、前記ネット体成形工程において、前記第1カーカスコード及び前記第2カーカスコードは、夫々両端部が接着された無端状に形成されることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
また、請求項7記載の発明は、前記ネット体は、前記螺旋巻きの中心軸が環状に連続するドーナツ形状である請求項6記載の空気入りタイヤの製造方法である。
本発明の空気入りタイヤは、カーカスが、タイヤ内腔側で一対のビードコア間に跨る内層部と、該内層部のタイヤ外面側で一対のビードコア間に跨る外層部と、この内層部及び外層部を一方側及び他方側のビードコアのタイヤ半径方向内側で連ねる一方側縁及び他方側縁とを有するカーカスプライからなる。
また、本発明の空気入りタイヤは、カーカスプライが、タイヤ赤道に対して角度θで傾斜して配列された複数の第1カーカスコードからなる第1カーカスコード群と、タイヤ赤道に対して第1カーカスコード群とは逆向きかつ同じ角度θで傾斜して配列された複数の第2カーカスコードからなる第2カーカスコード群とを具える。第1カーカスコード群は、内層部を他方側縁から一方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、かつ一方側縁で折り返されて外層部を他方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、しかも他方側縁で折り返されて内層部に至る第1の螺旋移動を繰り返す。さらに、第2カーカスコード群は、内層部を一方側縁から他方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、かつ他方側縁で折り返されて外層部を一方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、しかも一方側縁で折り返され、内層部に至る第2の螺旋移動を繰り返す。
このような空気入りタイヤは、カーカスプライの内層部と外層部とが、ビードコアのタイヤ半径方向内側で連なっているため、従来の折返し部の端部がサイドウォール部及びトレッド部に現れない。このため、少ないコード材料でカーカスコードの動きを抑制することができ、かつ、カーカスプライの端部を起点としたセパレーションが抑制される。このため、タイヤ重量の増加を抑制しつつ、耐久性が向上する。
さらに、タイヤ赤道に対して逆向きかつ同じ角度で傾斜して配列された第1カーカスコード群及び第2カーカスコード群が、内層部及び外層部に配される。これにより、カーカスプライ全面に亘って、2方向の向きを有するカーカスコードが傾斜配列される。このため、プライステアフォースが低減し、車両流れを減じて高速での操縦安定性が向上する。
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示す断面図である。 図1のカーカスの斜視図である。 図2のカーカスの部分斜視図である。 図2のカーカスの平面展開図である。 編成されたカーカスコード群の拡大図である。 ネット体の斜視図である。 他の実施形態のネット体の部分斜視図である。 偏平環状体の斜視図である。 端部同士がジョイントされた偏平環状体の斜視図である。 ドーナツ形状のネット体の側面図及び断面図である。 図9のネット体で成形された偏平環状体の側面図及び断面図である。 カーカス成形工程の説明図である。 他の実施形態の空気入りタイヤの断面図である。 従来の空気入りタイヤの一例を示す断面図である。 従来のベルト層の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は本実施形態の空気入りタイヤ1の正規状態におけるタイヤ軸を含むタイヤ子午線断面図である。
ここで、正規状態とは、タイヤを正規リム(図示省略)にリム組みし、かつ、正規内圧を充填した無負荷の状態とする。以下、特に言及しない場合、タイヤの各部の寸法等はこの正規状態で測定された値とする。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とする。さらに「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、一対のビード部4A、4Bに夫々配されたビードコア5A、5B間をトロイド状にのびるカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7と、ビードコア5からタイヤ半径方向外方に向かって先細状にのびるビードエーペックスゴム8とが設けられており、本実施形態では、乗用車用の空気入りタイヤが示される。
ビードエーペックスゴム8は、カーカス6に沿ってビードコア5からタイヤ半径方向外方に向かって先細状にのびる断面略三角形状であり、ビード部4を補強する。
ベルト層7は、ベルトコードがタイヤ赤道Cに対して例えば10〜40°の小角度で傾けて配列されたタイヤ半径方向内外2枚のベルトプライ7A、7Bからなる。ベルト層7は、例えば、ベルトプライ7A、7Bのベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わされて構成される。
カーカス6は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至りトロイド状をなす。また、カーカス6は、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、タイヤ内腔側で一対のビードコア5A、5B間に跨る内層部10と、該内層部10のタイヤ外面側で一対のビードコア5A、5B間に跨る外層部11とを有するカーカスプライ6Aからなる。さらに、カーカスプライ6Aは、内層部10と外層部11とを一方側のビードコア5Aのタイヤ半径方向内側で連ねる一方側縁12と、内層部10と外層部11とを他方側のビードコア5Bのタイヤ半径方向内側で連ねる他方側縁13とを有する。
図2は本実施形態のカーカスの斜視図である。図3(a)には、カーカスプライ6Aの部分斜視図が示される。また、図3(b)には、カーカスプライ6Aの平面展開図が示される。図3(b)は、タイヤ周方向Aにのびるカーカスプライ6Aを、タイヤ周方向Aの任意の位置でタイヤ軸方向Bに切断し、該切断した一端を0°、他端を360°としてトレッド部2を平面に展開し、かつ、一方側縁12及び他方側縁13を平面の両外側に展開した平面展開図である。即ち、図3(b)は、トレッド部、サイドウォール部、ビード部を断面略直線状に展開しており、図3(b)の上下方向がタイヤ周方向Aとなり、左右方向がタイヤ軸方向Bとなる。また、図3(b)は、外層部11側からみた図であり、カーカスコードが内層部10を通る場合は破線で、外層部11を通る場合は実線で夫々表されている。
図3(a)に示されるように、カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道Cに対して角度θで傾斜して配列された複数の第1カーカスコード22からなる第1カーカスコード群20と、タイヤ赤道Cに対して前記第1カーカスコード群20とは逆向きかつ同じ角度θで傾斜して配列された複数の第2カーカスコード23からなる第2カーカスコード群21とを具える。従って、第1カーカスコード群20の第1カーカスコード22と、第2カーカスコード群21の第2カーカスコード23とは、互いに交差する。
図3(b)に示されるように、第1カーカスコード群20の各カーカスコード22は、例えば、0°の位置を起点として、内層部を一方側縁12に向かってタイヤ周方向にのび、かつ一方側縁12で折り返されて外層部を他方側縁13に向かってタイヤ周方向にのび、しかも他方側縁13で折り返されて内層部10に至る第1の螺旋移動を繰り返す。
同様に、第2カーカスコード群21の各カーカスコード23は、0°の位置を起点として、内層部を他方側縁13に向かってタイヤ周方向にのび、かつ他方側縁13で折り返されて外層部を一方側縁12に向かってタイヤ周方向にのび、しかも一方側縁12で折り返されて内層部10に至る第1の螺旋移動とは逆向きの第2の螺旋移動を繰り返す。
このようなカーカスプライ6Aを有する空気入りタイヤ1は、内層部10と外層部11とが、一方側縁12及び他方側縁13で連なっているため、カーカスプライの端部が、サイドウォール部3及びトレッド部2に現れない。このため、少ないコード材料でカーカスコード22、23の動きを抑制することができ、図13に示されるような従来の空気入りタイヤと比較して、タイヤ重量の増加を抑制しつつ、トレッド部2及びサイドウォール部3を補強することができる。また、このようなカーカスプライ6Aは、カーカスプライの端部を起点としたセパレーションが効果的に抑制され、耐久性が向上する。さらに、このようなカーカスプライ6Aは、タイヤ成形時のカーカスコードの位置を固定するため、ユニフォミティを向上させ、かつ、品質のばらつきを小さくする。
カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道Cに対して逆向きかつ同じ角度で傾斜して配列された第1カーカスコード群20及び第2カーカスコード群21が、タイヤ外面側に配されている外層部11を通る。このため、外層部11全面に亘って2方向の向きを有するカーカスコードが傾斜配列され、プライステアフォースが低減し、車両流れを減じて高速での操縦安定性が向上する。
カーカスプライ6Aは、継ぎ目を有することなくタイヤ周方向に連続するジョイントレスプライからなるのが望ましい。これにより、タイヤ損傷が効果的に抑制される。
第1カーカスコード群20及び第2カーカスコード群21は、タイヤ周方向に1周だけ巻回するカーカスコードが複数配されることで形成されていても良く、一本のカーカスコードがタイヤ周方向に複数回巻回して形成されていても良い。
第1カーカスコード群20と第2カーカスコード群21とは、内層部10及び外層部11で夫々編成されていることが望ましい。即ち、図4に示されるように、第1カーカスコード22が外側となる交点24aと、第2カーカスコード23が外側となる交点24bとが、交互に配されることが望ましい。このような第1カーカスコード群20及び第2カーカスコード群21は、一方のカーカスコード群が傾斜配列されていることによるプライステアフォースの発生を、他方のカーカスコード群が傾斜配列されていることによるプライステアフォースにより打ち消すことができる。このため、車両流れがより一層低減し、優れた直進安定性が発揮されうる。
第1カーカスコード22及び第2カーカスコード23は、夫々両端部が接着された無端状であるのが望ましい。このような第1カーカスコード22及び第2カーカスコード23は、カーカスコードの端部がタイヤ損傷の起点となるのを確実に防止しうる。
第1カーカスコード22及び第2カーカスコード23は、タイヤ赤道Cに関して線対称で配されていることが望ましい。即ち、角度θのみならず、各カーカスコードのエンズも同一であることが望ましい。さらに、第1カーカスコード22の始端部及び終端部の位置と、第2カーカスコード23の始端部及び終端部の位置とが線対称で配されていることがより望ましい。これにより、プライステアフォースの打ち消し効果がさらに向上して優れた直進安定性が発揮され、かつ、タイヤのユニフォミティが向上しうる。
第1カーカスコード22及び第2カーカスコード23のタイヤ赤道Cに対する角度θ(図3(a)に示す)は、小さくなると、トレッド部2のタイヤ軸方向の剛性が低下して、コーナリングフォースが低下するおそれがあり、大きくなると、カーカスコードの巻回数量が大きくなって、タイヤ重量が増加するおそれがある。このため、角度θは、好ましくは70°以上、より好ましくは75°以上であり、好ましくは85°以下、より好ましくは80°以下である。
カーカスコード22、23は、本実施形態では、有機繊維コードが用いられている。該有機繊維コードとしては、例えば、ナイロン、ポリエステル、アラミド、レーヨン等が挙げられる。これらの有機繊維コードは、乗り心地性の向上、軽量化、及び、転がり抵抗の低減に役立つ。
カーカスコード22、23の総繊度fが小さくなると、トレッド部2の剛性が低下するおそれがあり、大きくなると、タイヤ重量が大きくなって燃費性能が低下するおそれがある。このため、カーカスコード22、23の総繊度fは、好ましくは1200dtex以上、より好ましくは1300dtex以上であり、また、好ましくは1600dtex以下、より好ましくは1500dtex以下である。
本発明の空気入りタイヤ1は、プライステアフォースを低減し、車両流れを減じて特に高速での操縦安定性を向上させる。この作用効果をより一層発揮させるため、図14に示されるように、ベルト層7は、ベルトコードがネット状に編成されるのが望ましい。
また、図12に示されるように、ベルト層7は、タイヤ半径方向に2層となったベルトプライのタイヤ軸方向の端部が連なる偏平環状体であるのが望ましい。さらに、ベルト層7は、タイヤ赤道に対して互いに逆向きかつ同じ角度で配された第1ベルトコード及び第2ベルトコードが、偏平螺旋移動させながらタイヤ周方向に配されるのが望ましい。このようなベルト層7は、内層ベルトプライ7i及び外層ベルトプライ7o両方でベルトコードがネット状に編成され、プライステアフォースをより一層低減しうる。
次に、上述のような空気入りタイヤの製造方法の例が図面に基づき説明される。
図5は、カーカスプライ6Aを成形するためのネット体25を示す斜視図である。本実施形態では、先ず、中心軸CAに対して螺旋角度βで螺旋巻きされる複数の第1カーカスコード22からなる第1カーカスコード群20と、該第1カーカスコード群20とは逆向きかつ同一の傾斜角度βで螺旋巻きされる複数の第2カーカスコード23からなる第2カーカスコード群21とを、互いに編成することにより断面が環状に連続するネット体25を成形するネット体成形工程が行われる。本実施形態のネット体25は、螺旋巻きの中心軸CAが直線状にのびる円筒形状である。
ネット体25の内部には、一対のビード部材26が挿入される。ビード部材26は、例えば、ビードコア5、ビードエーペックスゴム8を含む。ビード部材26は、ネット体の長さ方向に中心軸CAと平行にのびる。図6に示されるように、ネット体25は、ビード部材26の周囲にカーカスコード22、23が螺旋巻きされることにより成形されても良い。
次に、図7に示されるように、ネット体25を中心軸CAに沿って偏平に折りたたむことにより、長尺かつ断面が偏平な偏平環状体27を成形する偏平環状体成形工程が行われる。偏平環状体27は、2層に重なったシート状となり、その幅方向の両端が、一方側縁12及び他方側縁13となる。ネット体25の内部に配された一対のビード部材26は、偏平環状体15の幅方向の両側に配される。ビード部材26は、例えば、一方側縁12又は他方側縁13の幅方向内側にビードコア5が配され、さらにその幅方向内側に、ビードエーペックスゴム8が配される。
図8に示されるように、偏平環状体27は、長さ方向の端部27s、27e同士がジョイントされて円筒状になる。この継ぎ目28は、タイヤ損傷の起点となり易い。このため、図9に示されるように、ネット体25は、螺旋巻きの中心軸CAが環状に連続するドーナツ形状に成形されても良い。図10に示されるように、このようなドーナツ形状のネット体25は、中心軸CAに沿って折りたたまれ、周方向に継ぎ目の無い円筒状の偏平環状体27が成形される。このため、継ぎ目を有することなくタイヤ周方向に連続するジョイントレスプライが成形されうる。
次に、偏平環状体27を断面トロイド状に成形してカーカス6を成形するカーカス成形工程が行われる。カーカス成形工程は、例えば、円筒状の偏平環状体27の内側に配された円筒状のフォーマ30で行われる。図11に示されるように、フォーマ30は、一方側縁12及び他方側縁13を把持したビード把持部31A、31Bを、フォーマ30の軸方向内方Cに向かって互いに接近させ、かつ、フォーマ本体32の中央部32cをフォーマ30の半径方向外方Dに向かって膨張させることにより、偏平環状体27を断面トロイド状に成形する。これにより、図2に示されるカーカス6が成形される。
以上、本発明の空気入りタイヤ及びその製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施しうるのはいうまでもない。
図1の基本構造をなす乗用車用空気入りタイヤ(185/60R14)が試作された。また、比較例として、図13に示されるハイターンアップ構造のカーカスプライを有する空気入りタイヤが試作された。各試供タイヤについて、タイヤ重量、ユニフォミティ及び耐久性が評価された。また、各試供タイヤがテスト車両に装着され、直進安定性、操縦安定性及びステアリングレスポンスが実車走行にて評価された。各テスト方法は以下の通りである。
<タイヤ重量>
タイヤ1本当たりの重量が測定された。結果は、比較例1を100とする指数であり、数値が小さいほどタイヤ重量が小さいことを示す。
<ユニフォミティ>
各試供タイヤについて、タイヤユニフォミティ試験機を用い、JASO C607:2000の「自動車用タイヤのユニフォミティー試験方法」に準拠して、回転時のタイヤ半径方向の力の変動成分であるラジアルフォースバリエーションRFVが測定された。結果は、比較例1を100とする指数であり、数値が小さい程、ユニフォミティが良好であることを示す。
<耐久性>
各試供タイヤを下記の条件にてドラム上で走行させ、損傷が生じるまでの走行距離が測定された。結果は、比較例1を100とした指数であり、数値が大きいほど耐久性が高いことを示す。
装着リム:14×5.5J
内圧:180kPa
縦荷重:4.66kN
速度:80km/h
ドラム直径:1.7m
<直進安定性、操縦安定性、ステアリングレスポンス>
下記の条件にて試作タイヤがテスト車両に装着され、乾燥アスファルト路面のテストコースを走行した際の、直進安定性、操縦安定性及びステアリングレスポンスが、ドライバーの官能評価により評価された。結果は、比較例1を50点とする100点法で表示され、数値が大きい程良好である。
装着リム:同上
内圧:200kPa
テスト車両:排気量1500ccの前輪駆動車
タイヤ装着位置:全輪
テスト結果を表1に示す。
Figure 0005986480
テストの結果、実施例のタイヤは比較例のタイヤと比較して、直進安定性、操縦安定性、ステアリングレスポンスが向上しつつ、耐久性が有意に向上していることが確認できる。
1 空気入りタイヤ
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
10 内層部
11 外層部
12 一方側縁
13 他方側縁
20 第1カーカスコード群
21 第2カーカスコード群
22 第1カーカスコード
23 第2カーカスコード

Claims (7)

  1. 一対のビード部に夫々配されたビードコア間をトロイド状にのびるカーカスを具えた空気入りタイヤであって、
    タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記カーカスは、タイヤ内腔側で前記一対のビードコア間に跨る内層部と、該内層部のタイヤ外面側で前記一対のビードコア間に跨る外層部と、前記内層部と前記外層部とを一方側の前記ビードコアのタイヤ半径方向内側で連ねる一方側縁と、前記内層部と前記外層部とを他方側の前記ビードコアのタイヤ半径方向内側で連ねる他方側縁とを有するカーカスプライからなり、
    前記カーカスプライは、タイヤ赤道に対して角度θで傾斜して配列された複数の第1カーカスコードからなる第1カーカスコード群と、タイヤ赤道に対して前記第1カーカスコード群とは逆向きかつ同じ角度θで傾斜して配列された複数の第2カーカスコードからなる第2カーカスコード群とを具え、
    前記第1カーカスコード群は、前記内層部を前記他方側縁から前記一方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、かつ前記一方側縁で折り返されて前記外層部を前記他方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、しかも前記他方側縁で折り返されて前記内層部に至る第1の螺旋移動を繰り返すとともに、
    前記第2カーカスコード群は、前記内層部を前記一方側縁から前記他方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、かつ前記他方側縁で折り返されて前記外層部を前記一方側縁に向かってタイヤ周方向に対して傾斜してのび、しかも前記一方側縁で折り返され、前記内層部に至る第2の螺旋移動を繰り返し、
    前記第1カーカスコード及び前記第2カーカスコードは、夫々両端部が接着された無端状であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1カーカスコードの前記両端部の位置と、前記第2カーカスコードの前記両端部との位置とが、タイヤ赤道に対して線対称で配されている請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスプライは、継ぎ目を有することなくタイヤ周方向に連続するジョイントレスプライからなる請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1カーカスコード及び第2カーカスコードは、タイヤ赤道に関して線対称で配されている請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカスは、前記第1カーカスコード群と前記第2カーカスコード群とが前記内層部及び外層部で夫々編成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 一対のビード部に夫々配されたビードコア間をトロイド状にのびるカーカスを具えた空気入りタイヤの製造方法であって、
    中心軸に対して傾斜角度βで螺旋巻きされる複数の第1カーカスコードからなる第1カーカスコード群と、該第1カーカスコード群とは逆向きかつ同一の傾斜角度βで螺旋巻きされる複数の第2カーカスコードからなる第2カーカスコード群とを、互いに編成することにより断面が環状に連続するネット体を成形するネット体成形工程と、
    前記ネット体を折りたたむことにより長尺かつ断面が偏平な偏平環状体を成形する偏平環状体成形工程と、
    前記偏平環状体を断面トロイド状に成形してカーカスを成形するカーカス成形工程とを含み、
    前記ネット体成形工程において、前記第1カーカスコード及び前記第2カーカスコードは、夫々両端部が接着された無端状に形成されることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記ネット体は、前記螺旋巻きの中心軸が環状に連続するドーナツ形状である請求項6記載の空気入りタイヤの製造方法。
JP2012240904A 2012-10-31 2012-10-31 空気入りタイヤ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5986480B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012240904A JP5986480B2 (ja) 2012-10-31 2012-10-31 空気入りタイヤ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012240904A JP5986480B2 (ja) 2012-10-31 2012-10-31 空気入りタイヤ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014091336A JP2014091336A (ja) 2014-05-19
JP5986480B2 true JP5986480B2 (ja) 2016-09-06

Family

ID=50935756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012240904A Expired - Fee Related JP5986480B2 (ja) 2012-10-31 2012-10-31 空気入りタイヤ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5986480B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6850124B2 (ja) * 2016-12-27 2021-03-31 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ及びそのカーカスプライ部材

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR773599A (fr) * 1933-08-11 1934-11-21 Perfectionnements aux pneumatiques
JPH05139113A (ja) * 1991-11-21 1993-06-08 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP4170821B2 (ja) * 2003-05-30 2008-10-22 住友ゴム工業株式会社 空気入りラジアルタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014091336A (ja) 2014-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4089787B1 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP5887338B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6907820B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP6249525B2 (ja) 二輪自動用空気入りタイヤ
JP4410469B2 (ja) 空気入りタイヤ、及びその製造方法
JP4912668B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP2013035540A (ja) 二輪自動車用タイヤ
JP6018740B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2007161027A (ja) 空気入りタイヤ
JP6458120B2 (ja) 二輪自動車用空気入りタイヤ
JP5417393B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP6710995B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5986480B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP6805884B2 (ja) 二輪自動用空気入りタイヤ
JP4456380B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP2009051417A (ja) 空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤのバンド形成方法
JP4463753B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP3923832B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5714978B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6001514B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009143332A (ja) 二輪自動車用タイヤ
JP5680881B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2005247061A (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP4410545B2 (ja) 自動二輪車用タイヤの製造方法
JP2799131B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5986480

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees