JP2017099266A - モータコア、およびそれを用いたモータならびに圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カシメを有する積層鋼板を用いたモータコアにおいて、各鋼板の振動を抑制し、モータの騒音に対するダンピング効果を生じさせること。
【解決手段】 モータコアである固定子コア20は、複数の鋼板10と、樹脂21と、を備える。複数の鋼板10の各々は、カシメ14および第1樹脂インサート穴15が形成されている。カシメ14の寸法は、1.0mm以上かつ5.0mm以下である。複数の鋼板10の各々は、厚さTが0.2mm以上かつ0.5mm以下である。樹脂21は、少なくとも隣接する鋼板10の隙間に位置する。
【選択図】図7
【解決手段】 モータコアである固定子コア20は、複数の鋼板10と、樹脂21と、を備える。複数の鋼板10の各々は、カシメ14および第1樹脂インサート穴15が形成されている。カシメ14の寸法は、1.0mm以上かつ5.0mm以下である。複数の鋼板10の各々は、厚さTが0.2mm以上かつ0.5mm以下である。樹脂21は、少なくとも隣接する鋼板10の隙間に位置する。
【選択図】図7
Description
本発明は、モータコア、およびそれを用いたモータならびに圧縮機に関する。
特許文献1(特開2009−72014号公報)は、モータコアの一例を開示している。モータコアは、複数の積層鋼板から構成される。積層鋼板を互いに固定するために、各鋼板はカシメと呼ばれる構造を有する。カシメとは、例えば鋼板の平面と垂直な方向に突出または湾曲した部位であり、積層状態において隣接する鋼板と嵌合する。さらに、カシメを作る過程で変形させられた鋼板の部分が特定の方向に膨張することにより、複数の積層鋼板の相互の固定がより強固になる場合もあると考えられる。
複数の積層鋼板を相互に固定するためにカシメを設けると、各鋼板は応力を受けて変形するので、隣接する鋼板の間に隙間が生じることがある。このような隙間は、各鋼板の振動の原因となり、ひいてはモータの運転中の騒音を誘発するおそれがある。この騒音を抑制するためには、モータに適切なダンピングの処置を施す必要がある。
本発明の課題は、カシメを有する積層鋼板を用いたモータコアにおいて、各鋼板の振動を抑制し、モータの騒音に対するダンピング効果を生じさせることである。
本発明の第1観点に係るモータコアは、複数の鋼板と、樹脂と、を備える。複数の鋼板の各々は、カシメおよび第1樹脂インサート穴が形成されている。カシメの寸法は、1.0mm以上かつ5.0mm以下である。複数の鋼板の各々は、厚さが0.2mm以上かつ0.5mm以下である。樹脂は、少なくとも隣接する鋼板の隙間に位置する。
この構成によれば、隣接する鋼板の隙間には樹脂が配置される。したがって、鋼板の振動が抑制される。
本発明の第2観点に係るモータコアは、第1観点に係るモータコアにおいて、鋼板の厚さが0.3mm以上かつ0.5mm以下である。
この構成によれば、鋼板の厚さは0.3mm以上かつ0.5mm以下である。したがって、モータコアに広く採用されている厚みを有する鋼板の振動が抑制される。
本発明の第3観点に係るモータコアは、第1観点または第2観点に係るモータコアにおいて、カシメの寸法が、2.5mm以上かつ5.0mm以下である。
この構成によれば、カシメの寸法は、2.5mm以上かつ5.0mm以下である。したがって、モータコアに広く採用されている寸法のカシメを有する鋼板の振動が抑制される。
本発明の第4観点に係るモータコアは、第1観点から第3観点のいずれか1つに係るモータコアにおいて、カシメが角Vカシメを含む。
この構成によれば、カシメは角Vカシメである。したがって、モータコアに採用されることが多い角Vカシメを有する鋼板の振動が抑制される。
本発明の第5観点に係るモータコアは、第1観点から第4観点のいずれか1つに係るモータコアにおいて、樹脂が、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、非晶ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、フッ素樹脂、および液晶ポリマー(LCP)、からなる群から選択される。
この構成によれば、鋼板の隙間には所定のエンジニアリング・プラスチックが配置される。したがって、複数の鋼板の固定がより強固になる。
本発明の第6観点に係るモータコアは、第1観点から第5観点のいずれか1つに係るモータコアにおいて、カシメと第1樹脂インサート穴との離間距離が、0.3mm以上かつ3mm以下である。
この構成によれば、カシメと第1樹脂インサート穴との離間距離は、0.3mm以上かつ3mm以下である。したがって、カシメの近傍に樹脂をインサートすることができ、それによって効果的なダンピング効果を奏することができる。
本発明の第7観点に係るモータコアは、第1観点から第6観点のいずれか1つに係るモータコアにおいて、樹脂が、複数の鋼板の積層方向に延びる連続体であり、複数の積層鋼板の第1樹脂インサート穴を充填している。
この構成によれば、複数の鋼板はいずれも同一の樹脂連続体に接触する。交流磁界に起因して鋼板が振動するとき、鋼板の動きは樹脂連続体との摩擦によって制限される。これにより、振動エネルギーは熱エネルギーに変換されて散逸する。したがって、より効果的なダンピング効果が得られる。
本発明の第8観点に係るモータコアは、第1観点から第7観点のいずれか1つに係るモータコアにおいて、複数の鋼板の各々には、第2樹脂インサート穴が形成されている。
この構成によれば、カシメの近傍には少なくとも2つの樹脂インサート穴が設けられる。したがって、鋼板の隙間の空気排出が促進され、樹脂のインサートが容易になる。
本発明の第9観点に係るモータは、固定子と、回転子と、を備える。回転子は、固定子と磁気的に相互作用して回転する。固定子および回転子の少なくとも一方は、第1観点から第8観点のいずれか1つに係るモータコアを有する。
この構成によれば、モータコアを形成する鋼板の隙間には樹脂が配置される。したがって、モータの騒音が抑制される。
本発明の第10観点に係るモータは、第9観点に係るモータにおいて、固定子が、モータコアと、モータコアに設けられた複数の巻線と、を有する。
この構成によれば、樹脂は固定子を構成する鋼板の隙間に配置される。したがって、固定子に起因する騒音が抑制される。
本発明の第11観点に係るモータは、第10観点に係るモータにおいて、インバータをさらに備える。インバータは、外部から与えられる直流電圧を巻線に印加される交流電圧に変換する。インバータがPWM制御によって交流電圧の波形を変化させることにより、回転子の回転速度が変化する。
この構成によれば、インバータのPWM制御によって巻線に印加される電圧が変化する。したがって、インバータのキャリアノイズに起因する固定子の騒音が抑制される。
本発明の第12観点に係る圧縮機は、圧力容器と、流体圧縮要素と、モータと、を備える。圧力容器は、流体を吸入する吸入部および吐出する吐出部を有する。流体圧縮要素は、圧力容器の内部に設けられ、かつ流体を圧縮する。モータは、流体圧縮要素を駆動する。モータは、第8観点から第11観点のいずれか1つに係るものである。
この構成によれば、モータコアを形成する鋼板の隙間には樹脂が配置される。したがって、圧縮機の騒音が抑制される。
第1観点から第4観点および第7観点に係るモータコアによれば、鋼板の振動が抑制される。
第5観点に係るモータコアによれば、複数の鋼板の固定がより強固になる。
第6観点に係るモータコアによれば、効果的なダンピング効果を奏することができる。
第8観点に係るモータコアによれば、鋼板の隙間の空気排出が促進され、樹脂のインサートが容易になる。
第9観点から第11観点に係るモータによれば、モータが発する騒音を低減できる。
第12観点に係る圧縮機によれば、圧縮機が発する騒音を低減できる。
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧縮機200を示す。圧縮機200は、空気調和機などに搭載され、冷媒などの流体を圧縮するのに用いられる。圧縮機200は、圧力容器190を有する。圧力容器190には、外部からへ流体を取り込むための吸入管170、および外部へ流体を吐出するための吐出管180が設けられている。
(1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧縮機200を示す。圧縮機200は、空気調和機などに搭載され、冷媒などの流体を圧縮するのに用いられる。圧縮機200は、圧力容器190を有する。圧力容器190には、外部からへ流体を取り込むための吸入管170、および外部へ流体を吐出するための吐出管180が設けられている。
圧縮機の中には、モータ100および流体圧縮要素150が収容されている。モータ100は、流体圧縮要素150を駆動する動力を生み出すためのものである。流体圧縮要素150は、吸入管170から吸入された冷媒に圧力を加えるためのものである。
(2)モータ100の構成
図2は、前述のモータ100の断面を示す模式図である。モータ100は、固定子50、回転子80、およびシャフト90を有する。固定子50は、前述の圧力容器190に固定されている。回転子80は、固定子50の空洞に回転可能に配置されている。シャフト90は、回転子80に固定されている。回転子80は、固定子50と磁気的に相互作用することによって、シャフト90とともに中心軸Aの周りに回転する。この磁気的な相互作用を行うために、固定子50は巻線40を有し、回転子80は永久磁石82を有している。
図2は、前述のモータ100の断面を示す模式図である。モータ100は、固定子50、回転子80、およびシャフト90を有する。固定子50は、前述の圧力容器190に固定されている。回転子80は、固定子50の空洞に回転可能に配置されている。シャフト90は、回転子80に固定されている。回転子80は、固定子50と磁気的に相互作用することによって、シャフト90とともに中心軸Aの周りに回転する。この磁気的な相互作用を行うために、固定子50は巻線40を有し、回転子80は永久磁石82を有している。
固定子50は、巻線40の他に、積層された複数の鋼板10からなる固定子コア20、および固定子コア20の上面および下面にそれぞれ設置された樹脂製の上側インシュレータ30Aおよび下側インシュレータ30Bを有する。巻線40は、固定子コア20、上側インシュレータ30A、および下側インシュレータ30Bに一緒に巻きつけられた導線からなる。
回転子80は、永久磁石82の他に、積層鋼板からなる回転子コア81、および回転子コア81の上面および下面に設置された2枚の端板83を有する。永久磁石82は、回転子コア81に形成された貫通孔に挿入されており、端板83によって拘束されている。
モータ100の実際の使用においては、巻線40は、例えば、図示しないインバータによって駆動される。インバータはPWM制御に用いられ、外部から与えられる直流電圧を、巻線40に印加される交流電圧に変換する。このPWM制御においてインバータが交流電圧の波形を変化させることにより、回転子80の回転速度が変化する。
(3)固定子コア20の構成の概略
図3に示す固定子コア20の平面図には、最上部に配置された鋼板10が見えている。固定子コア20は、例えば、3相のモータ100の固定子50に、6個の極を形成する。
図3に示す固定子コア20の平面図には、最上部に配置された鋼板10が見えている。固定子コア20は、例えば、3相のモータ100の固定子50に、6個の極を形成する。
固定子コア20は、全体として、回転子80を設置するための空洞Rを有する円筒形状である。各鋼板10は、外縁をなす円環部12と、円環部12から中心軸Aに向かって突出する6個のティース11と、各ティース11の先端に位置する係合部13を有する。ティース11は、導線を巻きつけることによって巻線40を形成するためのものである。
鋼板10の6つのティース11の根元には、カシメ14、第1樹脂インサート穴15、および、第2樹脂インサート穴16が形成されている。カシメ14とは、当該鋼板10を隣接する鋼板10と結合させるために、少なくとも中心軸Aの延出方向、すなわち図3の紙面に垂直な方向に変形させられた箇所である。
図4は、カシメ14の周辺箇所の拡大図である。カシメ14は、第1樹脂インサート穴15と第2樹脂インサート穴の間に位置している。カシメ14および第1樹脂インサート穴15は離間距離Sだけ離れている。カシメ14は、寸法Dを有する。
(4)固定子コア20の製造方法
図5は、図3におけるV−V線に沿った断面図であり、カシメ14によって結合された鋼板10の積層体を示している。
図5は、図3におけるV−V線に沿った断面図であり、カシメ14によって結合された鋼板10の積層体を示している。
カシメ14は、台形に近いV形状を有している。本明細書では、V形状、台形形状、または台形に近いV形状を有するカシメ14を「角Vカシメ」と呼ぶ。カシメ14は図中の下方向に変形させられている。隣接する鋼板10のカシメ14どうしの干渉、あるいはその他の原因により、隣接する鋼板10の間には隙間Gが生じている。
図6は、図3におけるVI−VI線に沿った断面図であり、図5と同じく、カシメ14によって結合された鋼板10の積層体を示している。各々の鋼板10における第1樹脂インサート穴15および第2樹脂インサート穴は、同じ位置に整列している。これにより、複数の鋼板10からなる積層体の厚み全体にわたる貫通孔が形成されている。
図7は、図5および図6に示した積層体に、樹脂21をインサートした状態を示す。液状の樹脂21は、高圧によって第1樹脂インサート穴15および第2樹脂インサート穴からインサートされ、隣接する鋼板10の間の隙間Gに浸透する。その後、樹脂21は固化する。その結果、固化した樹脂21は、隣接する鋼板10の隙間Gに位置するとともに、各鋼板10の第1樹脂インサート穴15および第2樹脂インサート穴を充填するように複数の鋼板10の積層方向に延びる連続体である。これにより、隣接する鋼板10が振動に起因して相対的に動いてしまうことが抑制される。加えて、交流磁界に起因して鋼板10が振動するとき、鋼板10の動きは連続体である樹脂21との摩擦によって制限される。これにより、振動エネルギーは熱エネルギーに変換されて散逸する。その結果、騒音が抑制される。
図8は、図7と比較してさらに多くの量の樹脂21を使用することにより、カシメ14の領域全体を含む広い範囲にわたって複数の鋼板10が固定されている状態を示す。樹脂21の量の増加により、騒音に対するさらに大きなダンピング効果が得られる場合もあると考えられる。
樹脂21の注入量を調整することによって、固定子コアの共振周波数を変えることもできる。
(5)各種設計パラメータ
(5−1)カシメ14の種類および寸法D(図4、図5)
カシメ14は角Vカシメであり、その寸法Dは2.5以上かつ5.0mm以下である。
(5−1)カシメ14の種類および寸法D(図4、図5)
カシメ14は角Vカシメであり、その寸法Dは2.5以上かつ5.0mm以下である。
(5−2)鋼板10の厚さT(図5)
鋼板10の厚さTは0.2以上かつ0.5mm以下である。好ましくは、厚さTは0.25以上かつ0.5mm以下である。さらに好ましくは、厚さTは0.3mm以上かつ0.5mm以下である。
鋼板10の厚さTは0.2以上かつ0.5mm以下である。好ましくは、厚さTは0.25以上かつ0.5mm以下である。さらに好ましくは、厚さTは0.3mm以上かつ0.5mm以下である。
(5−3)樹脂21の種類およびインサート圧力(図7、図8)
樹脂21は、いわゆるエンジニア・プラスチックと呼ばれるものであり、例えば以下に列挙する材料である:ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、非晶ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、フッ素樹脂、および液晶ポリマー(LCP)。
樹脂21は、いわゆるエンジニア・プラスチックと呼ばれるものであり、例えば以下に列挙する材料である:ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、非晶ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、フッ素樹脂、および液晶ポリマー(LCP)。
エンジニア・プラスチックは高い粘度を有するので、インサートの際に樹脂21に印加される圧力は10MPa以上であることが好ましい。これにより、樹脂21が鋼板10の隙間Gへ到達できる。
(5−4)離間距離S(図4)
カシメ14と第1樹脂インサート穴15の間の離間距離Sは、0.3mm以上かつ3mm以下である。カシメ14と第2樹脂インサート穴16の間の離間距離についても同様である。
カシメ14と第1樹脂インサート穴15の間の離間距離Sは、0.3mm以上かつ3mm以下である。カシメ14と第2樹脂インサート穴16の間の離間距離についても同様である。
(6)特徴
(6−1)
隣接する鋼板10の隙間Gには樹脂21が配置される。したがって、鋼板10の振動が抑制される。
(6−1)
隣接する鋼板10の隙間Gには樹脂21が配置される。したがって、鋼板10の振動が抑制される。
(6−2)
鋼板10の厚さTを0.3mm以上かつ0.5mm以下と設定すれば、固定子コア20に広く採用されている厚みを有する鋼板の振動が抑制される。
鋼板10の厚さTを0.3mm以上かつ0.5mm以下と設定すれば、固定子コア20に広く採用されている厚みを有する鋼板の振動が抑制される。
(6−3)
カシメ14の寸法Dは、2.5mm以上かつ5.0mm以下である。したがって、固定子コア20に広く採用されている寸法Dのカシメ14を有する鋼板10の振動が抑制される。
カシメ14の寸法Dは、2.5mm以上かつ5.0mm以下である。したがって、固定子コア20に広く採用されている寸法Dのカシメ14を有する鋼板10の振動が抑制される。
(6−4)
カシメ14は角Vカシメである。したがって、固定子コア20に採用されることが多い角Vカシメを有する鋼板10の振動が抑制される。
カシメ14は角Vカシメである。したがって、固定子コア20に採用されることが多い角Vカシメを有する鋼板10の振動が抑制される。
(6−5)
鋼板10の隙間Gには所定のエンジニアリング・プラスチックが配置される。したがって、複数の鋼板10の固定がより強固になる。
鋼板10の隙間Gには所定のエンジニアリング・プラスチックが配置される。したがって、複数の鋼板10の固定がより強固になる。
(6−6)
カシメ14と第1樹脂インサート穴15との離間距離は、0.3mm以上かつ3mm以下である。したがって、カシメ14の近傍に樹脂21をインサートすることができ、それによって効果的なダンピング効果を奏することができる。
カシメ14と第1樹脂インサート穴15との離間距離は、0.3mm以上かつ3mm以下である。したがって、カシメ14の近傍に樹脂21をインサートすることができ、それによって効果的なダンピング効果を奏することができる。
(6−7)
複数の鋼板はいずれも同一の樹脂連続体に接触する。交流磁界に起因して鋼板が振動するとき、鋼板の動きは樹脂連続体との摩擦によって制限される。これにより、振動エネルギーは熱エネルギーに変換されて散逸する。したがって、より効果的なダンピング効果が得られる。
複数の鋼板はいずれも同一の樹脂連続体に接触する。交流磁界に起因して鋼板が振動するとき、鋼板の動きは樹脂連続体との摩擦によって制限される。これにより、振動エネルギーは熱エネルギーに変換されて散逸する。したがって、より効果的なダンピング効果が得られる。
(6−8)
カシメ14の近傍には第1樹脂インサート穴15、および第2樹脂インサート穴16が設けられる。したがって、鋼板の隙間の空気排出が促進され、樹脂のインサートが容易になる。
カシメ14の近傍には第1樹脂インサート穴15、および第2樹脂インサート穴16が設けられる。したがって、鋼板の隙間の空気排出が促進され、樹脂のインサートが容易になる。
(6−9)
固定子コア20を形成する鋼板10の隙間Gには樹脂21が配置される。したがって、モータ100の騒音が抑制される。
固定子コア20を形成する鋼板10の隙間Gには樹脂21が配置される。したがって、モータ100の騒音が抑制される。
(6−10)
樹脂21は固定子50を構成する鋼板10の隙間Gに配置される。したがって、固定子50に起因する騒音が抑制される。
樹脂21は固定子50を構成する鋼板10の隙間Gに配置される。したがって、固定子50に起因する騒音が抑制される。
(6−11)
インバータのPWM制御によって巻線40に印加される電圧が変化する。したがって、インバータのキャリアノイズに起因する固定子50の騒音が抑制される。
インバータのPWM制御によって巻線40に印加される電圧が変化する。したがって、インバータのキャリアノイズに起因する固定子50の騒音が抑制される。
(6−12)
固定子コア20を形成する鋼板10の隙間Gには樹脂21が配置される。したがって、圧縮機200の騒音が抑制される。
固定子コア20を形成する鋼板10の隙間Gには樹脂21が配置される。したがって、圧縮機200の騒音が抑制される。
(7)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、互いに矛盾のない範囲で、複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、互いに矛盾のない範囲で、複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。
(7−1)カシメ14の種類および寸法D
上述の実施形態では、カシメ14は角Vカシメ(rectangular & V-shaped interlock:図9A)である。これに代えて、カシメ14は、角平カシメ(rectangular & flat interlock:図9B)、丸Vカシメ(round & V-shaped interlock:図9C)、丸平カシメ(round & flat interlock:図9D)、スキューカシメ(skew interlock:図9E)などの、他の種類のカシメであってよい。
上述の実施形態では、カシメ14は角Vカシメ(rectangular & V-shaped interlock:図9A)である。これに代えて、カシメ14は、角平カシメ(rectangular & flat interlock:図9B)、丸Vカシメ(round & V-shaped interlock:図9C)、丸平カシメ(round & flat interlock:図9D)、スキューカシメ(skew interlock:図9E)などの、他の種類のカシメであってよい。
角平カシメおよび丸平カシメの寸法Dは1.0以上かつ5.0mm以下であることが好ましい。丸Vカシメの寸法Dは3.0以上かつ5.0mm以下であることが好ましい。
(7−2)樹脂21の配置
上述の実施形態では、固化した樹脂21は、隣接する鋼板10の隙間Gに位置するとともに、各鋼板10の第1樹脂インサート穴15および第2樹脂インサート穴を充填している。これに代えて、固化した樹脂21は、隣接する鋼板10の隙間Gに位置して鋼板10の上下面を固定するのみであり、第1樹脂インサート穴15および第2樹脂インサート穴を充填していなくともよい。あるいは、固化した樹脂21は、各鋼板10の第1樹脂インサート穴15および第2樹脂インサート穴の一方または両方のみ充填してそれらの穴の内壁を固定するのみであり、隣接する鋼板10の隙間Gに位置していなくともよい。
上述の実施形態では、固化した樹脂21は、隣接する鋼板10の隙間Gに位置するとともに、各鋼板10の第1樹脂インサート穴15および第2樹脂インサート穴を充填している。これに代えて、固化した樹脂21は、隣接する鋼板10の隙間Gに位置して鋼板10の上下面を固定するのみであり、第1樹脂インサート穴15および第2樹脂インサート穴を充填していなくともよい。あるいは、固化した樹脂21は、各鋼板10の第1樹脂インサート穴15および第2樹脂インサート穴の一方または両方のみ充填してそれらの穴の内壁を固定するのみであり、隣接する鋼板10の隙間Gに位置していなくともよい。
(7−3)回転子コア81
上述の実施形態では、カシメ14および樹脂21を設けられるものは固定子コア20である。これに代えて、カシメ14および樹脂21を回転子コア81に設けてもよい。あるいは、カシメ14および樹脂21を固定子コア20および回転子コア81の両方に設けてもよい。
上述の実施形態では、カシメ14および樹脂21を設けられるものは固定子コア20である。これに代えて、カシメ14および樹脂21を回転子コア81に設けてもよい。あるいは、カシメ14および樹脂21を固定子コア20および回転子コア81の両方に設けてもよい。
(7−4)極の数
上述の実施形態では、固定子50の極の数は6個である。これに代えて、極の数は6以外の数であってもよい。
上述の実施形態では、固定子50の極の数は6個である。これに代えて、極の数は6以外の数であってもよい。
<第2実施形態>
(1)構成
本発明の第2実施形態に係る圧縮機は、固定子コアの構造が第1実施形態と異なっている。図10に示す固定子コア20Aの平面図には、最上部に配置された鋼板10が見えている。
(1)構成
本発明の第2実施形態に係る圧縮機は、固定子コアの構造が第1実施形態と異なっている。図10に示す固定子コア20Aの平面図には、最上部に配置された鋼板10が見えている。
鋼板10の6つのティース11の根元には、カシメ14、第1樹脂インサート穴15が形成されている。第1樹脂インサート穴15は、カシメ14よりも径方向外方に配置されている。第1実施形態の第2樹脂インサート穴16に相当する穴は存在しない。
(2)特徴
この構成によれば、第1樹脂インサート穴15が、カシメ14よりも径方向外方に配置される。ティース11の間を延びる磁束は、第1樹脂インサート穴15が配置されているエリアを通過しない。したがって、第1樹脂インサート穴15が磁束を妨げにくいので、モータのエネルギー効率が向上する。
この構成によれば、第1樹脂インサート穴15が、カシメ14よりも径方向外方に配置される。ティース11の間を延びる磁束は、第1樹脂インサート穴15が配置されているエリアを通過しない。したがって、第1樹脂インサート穴15が磁束を妨げにくいので、モータのエネルギー効率が向上する。
(3)変形例
(3−1)第1樹脂インサート穴15の位置
図11に示す固定子コア20A’は、本発明の第2実施形態の変形例に係る圧縮機に搭載される。固定子コア20A’は、第1樹脂インサート穴15のが、カシメ14よりも径方向内方に配置されている点において、第2実施形態に係る固定子コア20Aと異なっている。
(3−1)第1樹脂インサート穴15の位置
図11に示す固定子コア20A’は、本発明の第2実施形態の変形例に係る圧縮機に搭載される。固定子コア20A’は、第1樹脂インサート穴15のが、カシメ14よりも径方向内方に配置されている点において、第2実施形態に係る固定子コア20Aと異なっている。
この構成によれば、モータの騒音に対するダンピング効果がより強まる場合がある。
(3−2)その他
第1実施形態の各変形例を、本実施形態に適用してもよい。
第1実施形態の各変形例を、本実施形態に適用してもよい。
<第3実施形態>
(1)構成
本発明の第3実施形態に係る圧縮機は、固定子コアの構造が第1実施形態と異なっている。図12に示す固定子コア20Bの平面図には、最上部に配置された鋼板10が見えている。
(1)構成
本発明の第3実施形態に係る圧縮機は、固定子コアの構造が第1実施形態と異なっている。図12に示す固定子コア20Bの平面図には、最上部に配置された鋼板10が見えている。
鋼板10の6つのティース11の根元には、カシメ14が形成されている。円環部12における隣接するティース11の間には、第1樹脂インサート穴15が形成されている。第1実施形態の第2樹脂インサート穴16に相当する穴は存在しない。
図13は、鋼板10の積層体に、樹脂21をインサートした状態を示す。液状の樹脂21は、高圧によって第1樹脂インサート穴15からインサートされ、隣接する鋼板10の間の隙間Gに浸透し、その後固化する。固化した樹脂21は、隣接する鋼板10の隙間Gに位置するとともに、各鋼板10の第1樹脂インサート穴15を充填するように複数の鋼板の積層方向に延びる連続体である。
隙間Gは、カシメ14の形成以外の要因によって生じていてもよい。例えば、鋼板10の製造プロセスには、打ち抜きによって第1樹脂インサート穴15を形成するステップが含まれる。このとき、鋼板10に加わる力によって、鋼板10には変形部Bが生じる。隣接する鋼板10の隙間Gは、この変形部Bによって形成されてもよい。
(2)特徴
この構成によれば、円環部12における隣接するティース11の間に、第1樹脂インサート穴15が形成されている。これにより、モータの騒音に対するダンピング効果がより強まる場合がある。
この構成によれば、円環部12における隣接するティース11の間に、第1樹脂インサート穴15が形成されている。これにより、モータの騒音に対するダンピング効果がより強まる場合がある。
(3)変形例
第1実施形態の各変形例を、本実施形態に適用してもよい。
第1実施形態の各変形例を、本実施形態に適用してもよい。
<第4実施形態>
(1)構成
本発明の第4実施形態に係る圧縮機は、固定子コアの構造が第1実施形態と異なっている。図14に示す固定子コア20Cの平面図には、最上部に配置された鋼板10が見えている。
(1)構成
本発明の第4実施形態に係る圧縮機は、固定子コアの構造が第1実施形態と異なっている。図14に示す固定子コア20Cの平面図には、最上部に配置された鋼板10が見えている。
鋼板10の6つのティース11の根元には、カシメ14が形成されている。それぞれのティース11には、第1樹脂インサート穴15が形成されている。第1実施形態の第2樹脂インサート穴16に相当する穴は存在しない。
液状の樹脂21は、高圧によって第1樹脂インサート穴15からインサートされ、隣接する鋼板10の間の隙間Gに浸透し、その後固化する。隙間Gが形成される要因は、例えば、第3実施形態と同様に、鋼板10の打ち抜きによって生じる変形部Bである。
(2)特徴
この構成によれば、それぞれのティース11には、第1樹脂インサート穴15が形成されている。これにより、モータの騒音に対するダンピング効果がより強まる場合がある。
この構成によれば、それぞれのティース11には、第1樹脂インサート穴15が形成されている。これにより、モータの騒音に対するダンピング効果がより強まる場合がある。
(3)変形例
第1実施形態の各変形例を、本実施形態に適用してもよい。
第1実施形態の各変形例を、本実施形態に適用してもよい。
10 :鋼板
11 :ティース
12 :円環部
13 :係合部
14 :カシメ
15 :第1樹脂インサート穴
16 :第2樹脂インサート穴
20、20A、20A’、20B,20C :固定子コア
30A :上側インシュレータ
30B :下側インシュレータ
40 :巻線
50 :固定子
80 :回転子
81 :回転子コア
82 :永久磁石
83 :端板
90 :シャフト
100 :モータ
150 :流体圧縮要素
170 :吸入管
180 :吐出管
190 :圧力容器
200 :圧縮機
A :中心軸
D :寸法
G :隙間
R :空洞
S :離間距離
11 :ティース
12 :円環部
13 :係合部
14 :カシメ
15 :第1樹脂インサート穴
16 :第2樹脂インサート穴
20、20A、20A’、20B,20C :固定子コア
30A :上側インシュレータ
30B :下側インシュレータ
40 :巻線
50 :固定子
80 :回転子
81 :回転子コア
82 :永久磁石
83 :端板
90 :シャフト
100 :モータ
150 :流体圧縮要素
170 :吸入管
180 :吐出管
190 :圧力容器
200 :圧縮機
A :中心軸
D :寸法
G :隙間
R :空洞
S :離間距離
Claims (12)
- 寸法(D)1.0mm以上かつ5.0mm以下のカシメ(14)および第1樹脂インサート穴(15)が形成されている厚さ(T)0.2mm以上かつ0.5mm以下の複数の鋼板(10)と、
少なくとも隣接する前記鋼板の隙間(G)に位置する樹脂(21)と、
を備えるモータコア(20、20A、20A’、20B,20C)。 - 前記鋼板の前記厚さは0.3mm以上かつ0.5mm以下である、
請求項1に記載のモータコア。 - 前記カシメの前記寸法は、2.5mm以上かつ5.0mm以下である、
請求項1または請求項2に記載のモータコア。 - 前記カシメは角Vカシメ(14)を含む、
請求項1から3のいずれか1つに記載のモータコア。 - 前記樹脂は、
ポリアセタール(POM)、
ポリアミド(PA)、
ポリカーボネート(PC)、
変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、
超高分子量ポリエチレン(UHPE)、
シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、
非晶ポリアリレート(PAR)、
ポリサルフォン(PSF)、
ポリエーテルサルフォン(PES)、
ポリフェニレンスルファイド(PPS)、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、
ポリイミド(PI)、
ポリエーテルイミド(PEI)、
フッ素樹脂、および
液晶ポリマー(LCP)、
からなる群から選択される、
請求項1から4のいずれか1つに記載のモータコア。 - 前記カシメと前記第1樹脂インサート穴との離間距離(S)は、0.3mm以上かつ3mm以下である、
請求項1から5のいずれか1つに記載のモータコア(20、20A、20A’)。 - 前記樹脂は、前記複数の鋼板の積層方向に延びる連続体であり、前記複数の積層鋼板の前記第1樹脂インサート穴を充填している、
請求項1から6のいずれか1つに記載のモータコア。 - 複数の前記鋼板の各々には、第2樹脂インサート穴(16)が形成されている、
請求項1から7のいずれか1つに記載のモータコア。 - 固定子(50)と、
前記固定子と磁気的に相互作用して回転する回転子(80)と、
を備え、
前記固定子および前記回転子の少なくとも一方は、
請求項1から8のいずれか1つに記載のモータコア、
を有する、モータ(100)。 - 前記固定子は、
前記モータコアと、
前記モータコアに設けられた複数の巻線(40)と、
を有する、
請求項9に記載のモータ。 - 外部から与えられる直流電圧を前記巻線に印加される交流電圧に変換するインバータ、
をさらに備え、
前記インバータがPWM制御によって前記交流電圧の波形を変化させることにより、前記回転子の回転速度が変化する、
請求項10に記載のモータ。 - 流体を吸入する吸入部および吐出する吐出部を有する圧力容器(190)と、
前記圧力容器の内部に設けられ、かつ前記流体を圧縮する流体圧縮要素(150)と
前記流体圧縮要素を駆動する請求項9から11のいずれか1つに記載のモータと、
を備える、圧縮機(200)。
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JP2014054044A (ja) | ステータ及びこのステータを備えた回転電機 |
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