JP2017099217A - 配線・配管材保持具及び配線・配管装置 - Google Patents

配線・配管材保持具及び配線・配管装置 Download PDF

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Abstract

【課題】配線・配管材をワイヤに保持するとともに構造体に対して容易に固定可能とする配線・配管材保持具を提供する。【解決手段】配線・配管材保持具100は、配線・配管材Pを保持する。配線・配管材保持具100は、構造体Wに固定するための固定部101と、配線・配管材Pを周方向に取り囲んで保持するための保持部103と、ワイヤ11を収容すべく、保持部103に保持された配線・配管材Pの長尺方向に沿って延びるように保持部103内面に凹設された収容溝117と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、配線・配管材をワイヤに保持し、構造体に対して配設するための配線・配管材保持具及び配線・配管装置に関する。
例えば、高圧架空線又は低圧配電線に加えて電柱に対して通信電線等の配線・配管材を架設すべく、電柱等に架設されたワイヤに対して該配線・配管材を保持して配線・配管するために種々の配線・配管材保持具や配線・配管装置が用いられている。
例えば、特許文献1は、支柱に支持したメッセンジャワイヤ(ワイヤ)に沿ってケーブル(配線・配管材)を架線支持するケーブルハンガを開示する。該ケーブルハンガ(5)は、所定曲げパターンの繰り返しで捲縮した1条の線材によって構成されている。この曲げパターンは、ケーブル(14)が通過できる開口を画定するケーブル挿通部(8)と、メッセンジャワイヤが通過でき、ケーブル挿通部(8)よりも小さい開口を画定するメッセンジャワイヤ挿通部(9)とにより構成し、これらのケーブル挿通部(8)相互及びメッセンジャワイヤ挿通部(9)相互は互いに平行なそれぞれの軸線の方向にそれぞれ順次に密に整列するよう捲縮する。メッセンジャワイヤ挿通部(9)にメッセンジャワイヤ(1)を挿通し、ケーブル挿通部(8)にケーブル(14)を挿通することにより、ケーブルハンガ(5)でメッセンジャワイヤ(1)に対してケーブル(14)を保持する。なお、()内に特許文献1の符号を示した。
特開平10−257656号公報
屡々、配線・配管材はメッセンジャワイヤに添設された状態で構造体の壁面に沿うように固定されて配設される。このような場合、特許文献1の如き従来の配線・配管材保持具(ケーブルハンガ)では、ワイヤに添設された配線・配管材を、張設されたワイヤに配線・配管材を吊下げ支持させることが可能であるが、張設されたワイヤから離れてさらに布設される配線・配管材を壁面等の構造体に対して支持させる際には、構造体に固定するための固定具を追加で用意する必要があった。例えば、実際の作業現場において、配線・配管材を予定外に壁面に固定する必要が生じた場合、新たな部材を手配しなければならず、作業性が大きく損なわれる恐れがあった。よって、配線・配管材の布設経路を問わず(ワイヤに沿わすのか、壁面に沿わすのかを問わず)、本配線・配管材保持具のみで配線・配管材の布設に対応することができる保持具が望まれる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、配線・配管材をワイヤに容易に保持可能であるとともに、構造体に対して容易に固定可能とする配線・配管材保持具及び配線・配管装置を提供することにある。
請求項1に記載の配線・配管材保持具は、配線・配管材を保持する配線・配管材保持具であって、
構造体に固定するための固定部と、
配線・配管材を周方向に取り囲んで保持するための保持部と、
前記ワイヤを収容すべく、前記保持部に保持された前記配線・配管材の長尺方向に沿って延びるように前記保持部内面に凹設された収容溝と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の配線・配管材保持具は、請求項1に記載の配線・配管材保持具において、前記保持部は、前記固定部の両側に延びて互いにその先端で離隔する一対の腕部と、前記一対の腕部の第1腕部の先端に回動式に連結され、前記一対の腕部の第2腕部の先端に結合可能に構成された蓋部と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の配線・配管材保持具は、請求項2に記載の配線・配管材保持具において、前記一対の腕部は、前記固定部に対向する位置まで延在していないことを特徴とする。
請求項4に記載の配線・配管材保持具は、請求項2又は3に記載の配線・配管材保持具において、前記一対の腕部で前記配線・配管材の外周のうちの半分以上且つ3/4以下の範囲を包囲し、前記一対の腕部間の対向する箇所で前記配線・配管材を仮保持するように構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の配線・配管材保持具は、請求項2から4のいずれか一項に記載の配線・配管材保持具において、前記収容溝は、前記第2腕部に設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の配線・配管材保持具は、請求項2から5のいずれか一項に記載の配線・配管材保持具において、前記蓋部の内面には、前記第2腕部の先端に結合するための係合部が形成され、
前記第2腕部の外面には、前記蓋部と前記第2腕部とが部分的に重合した状態で外方に変位して前記係合部に係合する被係合部が形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の配線・配管材保持具は、請求項6に記載の配線・配管材保持具において、前記一対の腕部が所定径の配線・配管材を保持した状態で径方向外方に変形し、前記被係合部が外方に変位することにより、前記蓋部及び前記第2腕部が部分的に重合した状態で前記係合部及び前記被係合部が係合することを特徴とする。
請求項8に記載の配線・配管材保持具は、請求項6又は7に記載の配線・配管材保持具において、前記収容溝は、前記第2腕部から外方に屈折した一対の側壁と、前記一対の側壁を連結する底壁とからなり、前記ワイヤを前記収容溝に収容した状態で前記一対の側壁が互いに離隔し、前記被係合部が外方に変位可能であることを特徴とする。
請求項9に記載の配線・配管材保持具は、請求項6から8のいずれか一項に記載の配線・配管材保持具において、前記被係合部を外方に変位させるための変位部材と、
前記第2腕部から外方に屈折した一対の側壁と、前記一対の側壁を連結する底壁とからなり、前記変位部材を圧入可能な圧入凹部と、を備え、
前記変位部材が前記圧入凹部に圧入された状態で前記一対の側壁が互いに離隔し、前記被係合部が外方に変位可能であることを特徴とする。
請求項10に記載の配線・配管装置は、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の配線・配管材保持具と、前記配線・配管材保持具の収容溝に収容されたワイヤと、を備え、前記収容溝は前記ワイヤの外径よりも細幅に形成され、前記ワイヤによって前記収容溝が幅方向に押し広げられていることを特徴とする。
請求項11に記載の配線・配管材保持具は、請求項10に記載の配線・配管装置において、前記収容溝の深さは、前記ワイヤの径よりも小さく、保持した配線・配管材に前記ワイヤが当接するように構成されている。
請求項1に記載の配線・配管材保持具によれば、固定部、保持部及び収容溝が配線・配管材保持具に設けられ、収容溝が配線・配管材の長尺方向に沿って延びるように保持部内面に凹設されている。これにより、本発明の配線・配管材保持具は、張設されたワイヤに配線・配管材を吊下げ支持させることが可能であるとともに、張設されたワイヤから離れてさらに布設される配線・配管材を壁面等の構造体に対して支持することも可能である。よって、配線・配管材の布設経路を問わず(ワイヤに沿わすのか、壁面に沿わすのかを問わず)、本配線・配管材保持具のみで配線・配管材の布設に対応することができる。
請求項2に記載の配線・配管材保持具によれば、請求項1の発明の効果に加えて、固定部を挟んで両側に延びる一対の腕部先端を蓋部で閉塞可能である。すなわち、配線・配管材を第1及び第2腕部先端に定められた開口を介して挿入し、蓋部を回動させて第2腕部先端に結合することにより、保持部で環状を形成して配線・配管材を簡単に包囲及び保持することができる。
請求項3に記載の配線・配管材保持具によれば、請求項2の発明の効果に加えて、一対の腕部が固定部の対向する位置まで延在していない。すなわち、固定部に挿通されるビスの軸心の仮想延長線上に一対の腕部が延在していない。これにより、固定部をビスで構造体に固定するときに腕部がビスの進行の邪魔になることを防ぎ、ビス打ち付け時の作業性を確保することができる。
請求項4に記載の配線・配管材保持具によれば、請求項2又は3の発明の効果に加えて、一対の腕部先端の間の開口を通して配線・配管材を保持部内に配置することができ、尚且つ、配線・配管材の外周のうちの半分以上且つ3/4以下の範囲を包囲するので、蓋部を閉めない状態であっても、一対の腕部間の対向する箇所で配線・配管材を安定的に仮保持することができる。
請求項5に記載の配線・配管材保持具によれば、請求項2から4のいずれかの発明の効果に加えて、蓋部が第1蓋部の先端に回動式に連結されているとともに、収容溝が第2腕部に設けられている。これにより、ワイヤを収容溝に収容した状態で、蓋部を回動させたときに、第2腕部が変形することを防ぎ、ワイヤが抜け出ることを抑えることができる。
請求項6に記載の配線・配管材保持具によれば、請求項2から5のいずれかの発明の効果に加えて、第2腕部先端と蓋部先端とを結合すべく、蓋部の内面には係合部が形成され、且つ、第2腕部の外面には該係合部に係合する被係合部が形成されている。そして、蓋部及び第2腕部が部分的に重合したとき、被係合部が初期位置にある場合には係合部と被係合部とが係合しない。他方、被係合部が初期位置から外方に変位した場合に蓋部内面の係合部と第2腕部外面の被係合部とが係合可能である。すなわち、被係合部を選択的に外方に変位させたときに、蓋部によるロックを有効にすることができる。これにより、不必要に蓋部が一対の腕部を閉鎖することが防止され、その使用勝手が改善する。
請求項7に記載の配線・配管材保持具によれば、請求項6の発明の効果に加えて、所定径の配線・配管材を一対の腕部で保持したときに、配線・配管材が腕部内面に当接して被係合部が外方に変位させられることで、蓋部内面の係合部及び第2腕部外面の被係合部が互いに係合可能となる。すなわち、配線・配管材を保持部に保持する前のロックが不要な初期状態で、蓋部が一対の腕部を閉鎖することが防止される。そして、配線・配管材を保持部に保持し、蓋部によるロックが必要なタイミングで、蓋部で一対の腕部を閉鎖することができる。
請求項8に記載の配線・配管材保持具によれば、請求項6又は7の発明の効果に加えて、収容溝にワイヤを収容することによって被係合部が外方に変位させられることで、保持する配線・配管材の径に関わらず、蓋部内面の係合部及び第2腕部外面の被係合部が互いに係合可能となる。すなわち、ワイヤを収容溝に収容すれば、蓋部を第2腕部にロック可能となるので、保持部の内径よりも小さい配線・配管材であっても対応可能である。
請求項9に記載の配線・配管材保持具によれば、請求項6から8の発明のいずれかの効果に加えて、圧入凹部に変位部材を収容することによって被係合部が外方に変位させられることで、保持する配線・配管材の径に関わらず、蓋部内面の係合部及び第2腕部外面の被係合部が互いに係合可能となる。すなわち、変位部材を圧入凹部に圧入すれば、蓋部を第2腕部にロック可能となるので、保持部の内径よりも小さい配線・配管材であっても対応可能である。
請求項10に記載の配線・配管装置によれば、請求項6から9の発明のいずれかの効果を配線・配管装置として発揮することができる。さらに、ワイヤによって収容溝が幅方向に押し広げられていることにより、保持する配線・配管材の径に関わらず、蓋部及び第2腕部が部分的に重合した状態で係合部及び被係合部が係合することが可能である。
請求項11に記載の配線・配管装置によれば、請求項10の発明の効果に加え、保持した配線・配管材に収容溝内のワイヤが当接するので、ワイヤと配線・配管材と長尺方向にずれることなく、互いに安定的に固定することが可能となる。
本発明の一実施形態の配線・配管材保持具の概略斜視図。 図1の配線・配管材保持具の(a)平面図、(b)側面図、(c)正面図、(d)背面図及び(e)底面図。 図2の配線・配管材保持具のA−A断面図。 図1の配線・配管材保持具の第1の変形状態を示す概略図。 図1の配線・配管材保持具の第2の変形状態を示す概略図。 図1の配線・配管材保持具の第3の変形状態を示す概略図。 本実施形態の配線・配管材保持具によって構築された配線・配管構造の概略斜視図。 図7の配線・配管構造の概略平面図。 図8の配線・配管構造の(a)B−B断面図及び(b)C−C断面図。 図7の配線・配管構造を構築する方法であって、配線・配管材をワイヤに対して添設させるように配線・配管材保持具を設置する各工程を示す模式図。 図7の配線・配管構造を構築する方法であって、配線・配管材を壁面に沿わせるように配線・配管材保持具を設置する各工程を示す模式図。 本実施形態の配線・配管材保持具によって構築された、別例の配線・配管構造の概略断面図。 本実施形態の配線・配管材保持具によって構築された、別例の配線・配管構造の概略断面図。 本発明の変形例の配線・配管材保持具の断面図。 本発明の変形例の配線・配管材保持具でワイヤ及び配線・配管材を保持した状態を示す断面図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
本発明の一実施形態の配線・配管材保持具100は、架設されたワイヤ11に配線・配管材Pを添設した状態で保持し、及び/又は、ワイヤ11及び配線・配管材Pを構造体に沿わせて固定する用途に用いられる。本実施形態では、配線・配管材Pが長尺の波付可撓管であり、ワイヤ11が金属線に合成樹脂を被覆した線材であるが、本発明はこれに限定されない。また、本発明の配線・配管装置は、ワイヤ11と、配線・配管材保持具100とから構成された、配線・配管材Pを配設するための装置である。
図1乃至図3を参照して、本実施形態の配線・配管材保持具100の構成を説明する。図1は、本実施形態の配線・配管材保持具100の斜視図である。図2(a)〜(e)は、該配線・配管材保持具100の平面図、側面図、正面図、背面図及び底面図である。図3は、該配線・配管材保持具100のA−A断面図である。
図1〜図3に示すとおり、配線・配管材保持具100は、2つの円弧が組み合わさって形成された合成樹脂製の帯状体である。そして、該配線・配管材保持具100は、構造体に固定するための固定部101と、該固定部101に連設され、配線・配管材Pを周方向に取り囲んで保持するための保持部103と、ワイヤ11を収容すべく、保持部103に保持された配線・配管材Pの長尺方向に沿って延びるように保持部103内面に凹設された収容溝117と、を備える。
固定部101は、円弧状の保持部103から外方にコ字状に後退するように形成されている。該固定部101は平板状の壁部からなり、その略中心にビスを貫通して構造体に固定するためのビス孔101aが形成されている。固定部101がコ字状に後退していることにより、ビス孔101aを貫通するビスSの頭が、保持された配線・配管材P外面に干渉することが防止される(図9(b)参照)。つまり、保持部103の内面に、相対的に細幅のワイヤー用溝(収容溝117)と、相対的に太幅のビス頭収容溝(固定部101)がそれぞれ形成されている。
保持部103は、固定部101の両側に延びて互いにその先端で離隔する一対の腕部105,107と、該一対の腕部の第1腕部105の先端に形成されたヒンジ部111と、該ヒンジ部111を介して第1腕部105に回動式に連結された蓋部109と、一対の腕部の第2腕部107内面に凹設されたワイヤ11を収容するための収容溝117と、を備えてなる。第1腕部105及び第2腕部107は、保持部103全体として外方に弾性的に撓み変形可能に構成されている。そして、蓋部109が第2腕部107に結合することにより、保持部103で配線・配管材Pを包囲して保持することができる。
第1腕部105は、図2(b)及び図3において、固定部101の一方側(右回り方向)で、外方に凸面を有する円弧として延在している。第1腕部105は、C1を中心とする円の円弧である。本実施形態では、固定部101を始点とした第1腕部105の円弧長さは、その中心角が90度よりも小さくなるよう定められている。換言すると、第1腕部105の先端(ヒンジ部111の位置)は、保持する配線・配管材Pの軸心を通るとともにビスの軸心Lと直交する平面よりも固定部101側に位置する。すなわち、図3に示すように、ビス軸心の仮想延長線L上に第1腕部105が延在していない。そして、第1腕部105の先端には、蓋部109を回動式に連結するためのヒンジ部111が形成されている。
第2腕部107は、図2(b)及び図3において、固定部101の他方側(左回り方向)で、外方に凸面を有する円弧として延在している。第2腕部107は、C1を中心とする円上に延びる円弧であり、第1腕部105と同心円上に延在している。本実施形態では、固定部101を始点とした第2腕部107の円弧長さは、その中心角が180度よりも小さくなるよう定められている。すなわち、図3に示すように、ビス軸心の仮想延長線L上に第2腕部107が延在していない。そして、第1腕部105の中心角と第2腕部107の中心角との合計が180度以上となるように定められることが好ましい。これにより、第1腕部105と第2腕部107とで配線・配管材Pの外周のうちの半分以上を包囲して、配線・配管材Pを一対の腕部105,107の対向する箇所で仮保持可能である。他方、第1腕部105先端と第2腕部107先端との間の開口より、配線・配管材Pを導入可能とすべく、第1腕部105の中心角と第2腕部107の中心角との合計が270度以下となるように定められることが好ましい。換言すると、一対の腕部105,107は、配線・配管材Pの外周のうちの半分以上且つ3/4以下の範囲を包囲するように構成されることが好ましい。また、第2腕部107の略中央内面には、ワイヤ11を収容するための収容溝117が凹設されている。そして、第2腕部107の先端外面には、蓋部109が結合するための被係合部115が形成されている。さらに、第2腕部107の内面には、その幅方向中央において、配線・配管材Pの溝に係合するための所定長の突条119が周(円弧)方向に沿って突出形成されている。
蓋部109は、図2(b))及び図3において、ヒンジ部111を介した第1腕部105の一方側(右回り方向)で外方に凸面を有する円弧として延在している。蓋部109は、C1と離隔するC2を中心とする円上に位置する円弧であり、一対の腕部105,107と同心円上に延在していない。中心C2は、第1腕部105と第2腕部107との間の開口近傍に位置している。本実施形態では、蓋部109の曲率半径は、第1腕部105及び第2腕部107の曲率半径と等しい。ヒンジ部111は、第2腕部107及び蓋部109よりも肉薄に形成され、所定長で直線状に延びている。つまり、ヒンジ部111は、第2腕部107及び蓋部109を所定距離で隔てて回動式に連結している。そして、該ヒンジ部111が弾性変形することにより、蓋部109が回動可能である。該蓋部109は、開口を開放する初期形態において、その先端が外方に膨らむように配置されており、ビス軸心の仮想延長線L上に延在していない。すなわち、図2(d)に示すように、ビス孔101aが側方に臨んでいるので、固定部101を構造体に固定する際、ビスの軸方向に干渉しない。また、蓋部109先端の内面には、係合部113が設けられている。さらに、蓋部109の内面には、その幅方向中央において、配線・配管材Pの溝に係合するための所定長の突条119が周(円弧)方向に沿って突出形成されている。
係合部113は、蓋部109先端の内面において、外方に後退して、その先端で内方に突出するように形成されている。つまり、係合部113は、内面から後退した凹所113bと、該凹所113b先端から内面側に突出する係合爪113aを有している。係合爪113aは、一対の矩形状の突起であり、その双方が周方向にずれるように形成されている。係合爪113aは、蓋部109の基端側において、垂直な係合面を有し、反対側で傾斜している。他方、被係合部115は、第2腕部107の先端近傍において、その外面に凹設されている。つまり、被係合部115は、内面側に凹んだ係合溝115aを有している。係合溝115aは、一対の矩形状の凹所であり、その双方が周方向にずれるように形成されている。係合溝115aは、第1腕部105の先端側において、垂直な係合面を有し、反対側で傾斜している。すなわち、係合爪113a及び係合溝115aは互いに相補的な凹凸関係にあり、且つ、第2腕部107の先端(係合溝115aから相対的に突出した部分)が凹所113bに収容可能である。よって、第2腕部107と蓋部109とを部分的に重合させた状態で、係合爪113aを係合溝115aに重ね合わせることが可能である。後述するとおり、被係合部115が外方に変位した状態で、係合爪113aの係合面と係合溝115aの係合面とが互いに係合することにより、第2腕部115と蓋部117とが結合される。
収容溝117は、第2腕部107の周方向の略中央で、その内面に凹設されている。収容溝117は、第2腕部107の幅方向(周方向に直交する方向)に亘って延びる溝であり、所定径のワイヤ11を収容可能に形成されている。すなわち、収容溝117は、配線・配管材Pを保持部103で保持した状態で、配線・配管材Pの長尺方向とワイヤ11の長尺方向とを合致させるようにワイヤ11を収容可能に構成されている。収容溝117は、第2腕部107から外方に屈折した一対の側壁117aと、該一対の側壁117aを連結する底壁117bとから定められる。そして、一対の側壁117aは、互いに離隔する方向に弾性変形可能である。本実施形態では、収容溝117の幅は、収容するワイヤ11の外径よりも細溝に形成されている。また、収容溝117は、保持部103で保持した配線・配管材Pにワイヤ11が当接するように、ワイヤ11の径よりも浅く形成されている。しかしながら、ワイヤ11の径より深くして配線・配管材Pとワイヤ11との間に隙間ができるように吊下げ支持させるように変更してもよい。
本実施形態の配線・配管材保持具100において、保持部103が(外方に弾性変形していない)初期状態にある場合、蓋部109及び第2腕部107を部分的に重合させたとしても、係合部113及び被係合部115が互いに係合しない。図4に示すように、蓋部109を回動させて係合部113を被係合部115の外方に配置したとき、係合爪113aと係合溝115aとが互いに離隔した位置関係にある。そのため、係合爪113a及び係合溝115aの係合面が当接することなく、両者は周方向に係止されず、自由に移動可能である。なぜなら、ヒンジ部111によって、蓋部109が第2腕部107から離隔して配置されているため、閉塞時の蓋部109の円弧の中心C2’がC1から腕部105,107の反対側に離隔し、蓋部109が一対の腕部105,107とともに略真円を形成できないからである。
そして、被係合部115が初期位置から外方に変位した場合に蓋部109内面の係合部113と第2腕部107外面の被係合部115とが係合可能となる。例えば、図5に示すように、第1腕部105及び第2腕部107の曲率半径よりも若干大きい所定径の配線・配管材Pを保持した場合、第1腕部105及び第2腕部107が保持部103全体として径方向外方に膨出するように弾性的に撓み変形する。この撓み変形により、被係合部115が図4の初期位置から外方に変位する。つまり、一対の腕部105,107による円弧が拡がるように変形するため、その中心C1が図4におけるC2’側に移動する。その結果、図8に示すように、蓋部109及び第2腕部107を部分的に重合させた状態で、一対の腕部105,107と蓋部109とで真円に近い環状体を形成し、係合溝115aに係合爪113aが収容されて、係合部113及び被係合部115が互いに係合する。
また、本実施形態の配線・配管材保持具100において、所定径の配線・配管材Pを保持する以外にも、被係合部115を初期位置から外方に変位させることが可能である。すなわち、図6に示すように、収容溝117にワイヤ11を圧入させることによっても、第2腕部107を撓み変形させ、被係合部115を外方に変位させることができる。より詳細には、収容溝117に、その幅よりも大径のワイヤ11を圧入することにより、一対の側壁117aが互いに離隔する方向に弾性的に変形する。そして、第2腕部107が拡径するように撓み変形し、被係合部115が相対的に外方に変位する。その結果、図8に示すように、蓋部109及び第2腕部107を部分的に重合させた状態で、一対の腕部105,107と蓋部109とで真円に近い環状体を形成し、係合溝115aに係合爪113aが収容されて、係合部113及び被係合部115が互いに係合する。
次に、図7乃至図9を参照して、本実施形態の配線・配管材保持具100でワイヤ11及び配線・配管材Pを添設して保持するとともに、ワイヤ11から離れて構造体である壁面に配線・配管材Pを沿わせて固定した配線・配管構造10を説明する。図7は、本実施形態の配線・配管構造10の概略斜視図(構造体を描写せず)である。図8は、該配線・配管構造10の概略平面図である。図9は、配線・配管構造10の断面図である。
図7及び図8に示すように、配線・配管材Pの布設経路の一部において、架設されたワイヤ11に対して、複数の配線・配管材保持具100を介して波付管である配線・配管材Pが添設されている。つまり、配線・配管材Pは、ワイヤ11の長軸方向に沿って延びるように、配線・配管材保持具100によって保持されている。そして、配線・配管材Pの布設経路の別の箇所において、ワイヤ11から離れた位置では、複数の配線・配管材保持具100が固定部101を介して構造体の壁面Wに固定されることにより、配線・配管材Pが壁面Wに沿って配設されている。
より詳細には、図9(a)に示すように、ワイヤ11に沿った布設経路に配設された配線・配管材保持具100において、環状の保持部103によって配線・配管材P外周が包囲されることにより、配線・配管材Pがワイヤ11に対して保持されている。このとき、突条119が配線・配管材Pの凹部に配置されることにより、配線・配管材Pが長尺方向にずれることが規制されている。また、収容溝117には、ワイヤ11が圧入された状態で収容されている。収容溝117の幅及び深さは、ワイヤ11の径よりも小さい。それ故、ワイヤ11は、その被覆部分が収容溝117内で変形するとともに、その一部が収容溝117から突出し、配線・配管材P外面に当接している。このように、配線・配管材Pとワイヤ11が接触することにより、両者の間に摩擦力が生じ、互いに対してずれることが防止される。
また、該配線・配管構造10において、配線・配管材P外面が腕部105,107内面に当接するとともに、収容溝117内にワイヤ11が圧入されることにより、一対の腕部105,107が撓み変形して、第2腕部107先端の被係合部115が径方向外方に変位している。そして、該被係合部115に蓋部109先端の係合部113が係合することにより、蓋部109が第2腕部107に結合し、一対の腕部105,107間の開口を閉塞している。より具体的には、保持部103全体(一対の腕部105,107及び蓋部109)が略同心円上に整列し、係合爪113aが係合溝115内に収容されている。そして、係合爪113aの垂直面と係合溝115aの垂直面とが互いに係合し、係合爪113aが係合溝115a内で係止されている。このように、係合爪113aと係合溝115aとが係合した状態では、周方向のベクトル成分を含む蓋部109の動きが規制されるので、蓋部109は外方へ回動することができない。すなわち、係合爪113a(蓋部109)が係合溝117から離脱することが規制された状態で蓋部109が第2腕部107に安定的にロックされている。当該ロックは、係合部115を外方に弾性変形させて係合を解かない限り、解除されることはない。このようにして、配線・配管材保持具100が配線・配管材Pをワイヤ11に沿って保持している。
他方、図9(b)に示すように、ワイヤ11から離れた構造体の壁面W近傍の布設経路では、各配線・配管材保持具100が、固定部101のビス孔101aを介してビスSによって壁面に固定されている。平面状の固定部101外面が壁面Wに面接触し、固定部101が壁面Wに安定的に固定されている。また、固定部101内面が腕部105,107内面から外方に後退しているので、ビスSの頭部が配線・配管材P外面に当接することなく配置されている。
そして、環状の保持部103によって配線・配管材P外周が包囲されることにより、配線・配管材Pがワイヤ11及び壁面Wに対して保持されている。このとき、突条119が配線・配管材Pの凹部に配置されることにより、配線・配管材Pが長尺方向にずれることが規制されている。また、該配線・配管構造10において、配線・配管材P外面が腕部105,107内面に当接することにより、一対の腕部105,107が撓み変形して、第2腕部107先端の被係合部115が径方向外方に変位している。そして、該被係合部115に蓋部109先端の係合部113が係合することにより、蓋部109が第2腕部107に結合し、一対の腕部105,107間の開口を閉塞している。このようにして、配線・配管材保持具100が配線・配管材Pを壁面Wに沿わせて保持している。
続いて、図10及び図11を参照して、図7及び図8の配線・配管構造10を構築する方法を説明する。図10は、ワイヤ11側の布設経路に配線・配管材Pを配設する方法を示す。図11は、壁面W側の布設経路に配線・配管材Pを配設する方法を示す。
ワイヤ11側の布設経路において、図10(a)に示すように、張設したワイヤ11を保持部103内側に(一対の腕部105,107間の)開口を介して導入するように、配線・配管材保持具100を移動させる。そして、配線・配管材保持具100を操作してワイヤ11を収容溝117に圧入する。他の配線・配管材保持具100についても同様の操作を行い、複数の配線・配管材保持具100を1本のワイヤ11を保持した状態で任意の間隔で仮固定する。
次に、図10(b)に示すように、ワイヤ11に仮保持された配線・配管材保持具100の対向する腕部105、107の間に、配線・配管材Pを導入する。一対の腕部105,107間の(蓋部109によって開放された)開口が配線・配管材Pの径よりも小さいので、導入時に腕部105,107を外方に弾性変形させる。そして、配線・配管材保持具100を腕部105,107間に収容すると、腕部105,107が弾性復帰し、該配線・配管材保持具100を腕部105,107の対面する箇所で仮保持することができる。各配線・配管材保持具100についても同様の操作を行うことで、ワイヤ11及び配線・配管材Pを壁面Wに沿って仮保持させる。
図10(b)のように配線・配管材Pを仮保持した状態では、図5、6で説明したとおり、配線・配管材Pの保持及び/又はワイヤ11の圧入によって、被係合部115が外方に変位している。そして、図10(c)に示すように、ヒンジ部111を軸として蓋部109を回動させ、係合部113を被係合部115に係合させることで、蓋部109先端を第2腕部107先端に結合する。なお、収容溝117が第2腕部107に設けられていることにより、蓋部109を回動させたときに、第2腕部107の変形が回避され、ワイヤ11が収容溝117から抜け出ることが抑えられる。各配線・配管材保持具100において、配線・配管材Pを保持部103で包囲することにより、配線・配管材Pをワイヤ11に沿って配設することができる。なお、ここで説明した方法は、一例にすぎず、当業者であれば、各工程の順序を入れ替え、又は、状況に応じて不要な工程を省略又は変更することも可能である。
他方、壁面W側の布設経路において、図11(a)に示すように、壁面Wに宛がうように配線・配管材保持具100を把持する。そして、配線・配管材保持具100を壁面Wに宛がった状態で、ビスSをビス孔101aに打ち込んで固定部101を壁面Wに固定する。このとき、ビス孔101aが壁面Wの正面に臨んでいるので、ビスSを真っ直ぐに打ち込むことができる。他の配線・配管材保持具100についても同様の操作を行い、複数の配線・配管材保持具100を任意の間隔で壁面Wに固定する。
次に、図11(b)に示すように、壁面Wに固定された配線・配管材保持具100の対向する腕部105、107の間に、配線・配管材Pを導入する。一対の腕部105,107間の(蓋部109によって開放された)開口が配線・配管材Pの径よりも小さいので、導入時に腕部105,107を外方に弾性変形させる。そして、配線・配管材保持具100を腕部105,107間に収容すると、腕部105,107が弾性復帰し、該配線・配管材保持具100を腕部105,107の対面する箇所で仮保持することができる。各配線・配管材保持具100についても同様の操作を行うことで、ワイヤ11及び配線・配管材Pを壁面Wに沿って仮保持させる。
図11(b)のように配線・配管材Pを仮保持した状態では、図5で説明したとおり、配線・配管材Pの保持によって、被係合部115が外方に変位している。そして、図11(c)に示すように、ヒンジ部111を軸として蓋部109を回動させ、係合部113を被係合部115に係合させることで、蓋部109先端を第2腕部107先端に結合する。各配線・配管材保持具100において、配線・配管材Pを保持部103で包囲することにより、配線・配管材Pを壁面Wに沿わせて配設することができる。なお、ここで説明した方法は、一例にすぎず、当業者であれば、各工程の順序を入れ替え、又は、状況に応じて不要な工程を省略又は変更することも可能である。
上記配線・配管構造10では、配線・配管材Pの半径が一対の腕部105,107の曲率半径よりも大きいが、本実施形態の配線・配管材保持具100(配線・配管装置)は、図12(a),(b)に示すように、より小さい径の配線・配管材P’を保持することにも用いることができる。図12(a)は、ワイヤ11側布設経路における配線・配管構造10’の断面を示し、図12(b)は、壁面W側布設経路における配線・配管構造10’の断面を示している。このような場合、ワイヤ11(ワイヤ11側布設経路)又は変位部材120(壁面W側布設経路)が収容溝117に圧入されることにより、被係合部115が外方に変位し、蓋部109が第2腕部107に結合可能となる。該変位部材120は、圧入凹部としての収容溝117を側方に押し広げるように変形可能であれば、その材料は問わない。例えば、変位部材120は、金属製の円柱片であってもよく、または、硬質のワイヤであってもよい。あるいは、上記実施形態の配線・配管材Pを用いた場合、配線・配管材Pの保持によって被係合部115が外方に変位するので、収容溝117の幅よりも小径のワイヤを収容溝117に収容してもよい。
さらに、本実施形態の配線・配管材保持具100は、図13に示すように、ワイヤ11を収容溝117に収容した状態で、壁面Wに固定されてもよい。すなわち、配線・配管材保持具100が保持部103内に配線・配管材Pとワイヤ11の両方を互いに添設した状態で保持し、且つ、固定部101を介して該配線・配管材保持具100を構造体に固定することができる。したがって、本実施形態の配線・配管材保持具100は、配線・配管材Pのワイヤ11への保持と構造体Wに対する固定を一体的に行うことが可能である。
以下、本発明に係る一実施形態の配線・配管材保持具100(及び、ワイヤ11と配線・配管材保持具100とからなる配線・配管装置)の作用効果について説明する。
本実施形態の配線・配管材保持具100によれば、固定部101、保持部103及び収容溝117が配線・配管材保持具100に一体的に設けられ、収容溝117が配線・配管材Pの長尺方向に沿って延びるように保持部103内面に凹設されている。また、保持部103は、固定部101を挟んで両側に延びる一対の腕部105,107と、ヒンジ部111を介して第1腕部105に回動式に連結された蓋部109とからなり、一対の腕部105,107先端を蓋部109で閉塞可能である。すなわち、配線・配管材Pを第1及び第2腕部105,107先端に定められた開口を介して挿入し、蓋部109を回動させて第2腕部107先端に結合することにより、保持部103で環状を形成して配線・配管材Pを簡単に包囲することができる。したがって、本実施形態の配線・配管材保持具100は、ワイヤ11に対して配線・配管材Pを容易に添設させること可能であり、且つ、ワイヤ11が延設されていない箇所においても、配線・配管材Pを壁面W(構造体)に簡単に布設可能である。それ故、布設箇所に応じて、異なる種類の保持具を使い分ける必要性を排除し、配線・配管材保持具100のみで種々の布設経路に対応することが可能である。よって、本実施形態の配線・配管材保持具100は、配線・配管材Pの配設作業における利便性を著しく向上させるものである。
また、本実施形態の配線・配管材保持具100によれば、蓋部109の内面には、係合部113が形成され、且つ、第2腕部107の外面には、該係合部113に係合し、蓋部109と第2腕部107とを結合する被係合部115が形成されている。そして、蓋部109及び第2腕部107が部分的に重合したとき、被係合部115が初期位置にある場合には係合部113と被係合部115とが係合しない。これにより、配線・配管材保持具100を取り付ける前の不必要なタイミングで、蓋部109が閉じてロックされることが防止される。すなわち、作業者は、配線・配管材保持具100の使用時にロック解除する手間を省ける。そして、被係合部115が初期位置から外方に変位した場合に蓋部109内面の係合部113と第2腕部107外面の被係合部115とが係合可能である。特には、所定径の配線・配管材Pを一対の腕部105,107で保持したとき、配線・配管材Pが腕部105,107内面に当接して被係合部115が外方に変位させられることで、蓋部109内面の係合部113及び第2腕部107外面の被係合部115が互いに係合可能となる。そして、配線・配管材Pが小径である場合であっても、収容溝117に(溝幅よりも大きい)ワイヤ11又は変位部材120を圧入することによって被係合部115が外方に変位させられることで、保持する配線・配管材の径に関わらず、蓋部109内面の係合部113及び第2腕部107外面の被係合部115が互いに係合可能となる。すなわち、ワイヤ11及び/又は配線・配管材Pを配線・配管材保持具100内に配置した、蓋部109を閉塞する直前の状態において、蓋部109によるロックを有効にすることができる。これにより、蓋部109を閉塞することが不必要なタイミングで、蓋部109が一対の腕部107を閉鎖することが防止され、その使用勝手が改善する。
さらに、本実施形態の配線・配管材保持具100は、蓋部109が重合によって係合するタイプであり、外側に閉じるロック機構(113,115)が突出しないため、全体に丸型形状に構成できて、余計な突出がなく、落ち葉が引っ掛かるといった不具合もない。すなわち、本実施形態の配線・配管材保持具100は、シンプルですっきりした形状を有している。
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形例を取り得る。以下、本発明の変形例を説明する。なお、各変形例において、三桁で示される構成要素において下二桁が共通する構成要素は、説明がない限り、同一又は類似の特徴を有し、その説明を一部省略する。
(1)上記実施形態では、配線・配管材は波付管であるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明の配線・配管材は、波無し可撓管やケーブルをも含む概念である。そして、配線・配管材が波無しの可撓管やケーブルであっても、配線・配管材を配線・配管材保持具で周方向に包囲することにより、構造体に対してワイヤとともに配線・配管材を配設である。
(2)本発明の配線・配管材保持具は、上記実施形態の形状に限定されない。例えば、図14(a)の配線・配管材保持具200は、固定部201と、一対の腕部205,207及び第1腕部205に回動式に連結された蓋部209からなる保持部203と、ワイヤを収容するための収容溝217とを備える。上記実施形態の配線・配管材保持具100と異なり、配線・配管材保持具200では、収容溝217が第1腕部205内面に凹設されている。また、図14(b)の配線・配管材保持具300は、固定部301と、一対の腕部305,307及び第1腕部305に回動式に連結された蓋部309からなる保持部303と、ワイヤを収容するための収容溝317とを備える。該配線・配管材保持具300は、上記実施形態の配線・配管材保持具100と比べて、一対の腕部305,307の長さの比率を変更したものである。すなわち、本発明の配線・配管材保持具は、その技術的範囲の下で種々の形状で具現化することが可能である。
(3)上記実施形態では、配線・配管材Pの保持及びワイヤ11の圧入の少なくともいずれかによって、被係合部115を外方に変位させるように構成されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明の配線・配管材保持具は、少なくとも、配線・配管材のワイヤへの保持と構造体に対する固定を一体的に行うことが可能であればよく、上記構成を省略してもよい。あるいは、本発明の配線・配管材保持具は、被係合部を外方に変位させるための変位部材と、収容溝とは別の任意な位置で腕部内面に設けられた、変位部材を圧入可能な圧入凹部とを備えてもよい。この場合、圧入凹部は、第2腕部から外方に屈折した一対の側壁と、一対の側壁を連結する底壁とからなる。そして、変位部材が圧入凹部に圧入された状態で一対の側壁が互いに離隔し、被係合部が外方に変位可能に構成される。すなわち、配線・配管材やワイヤが小径の場合であっても、別途、変位部材及び圧入凹部を設けることにより、上記実施形態と同様に、被係合部を外方に変位させることが可能である。なお、変位部材は、ワイヤや柱体であってもよく、その形状は任意に選択され得る。
(4)本発明の配線・配管材保持具において、ヒンジ部と収容溝とを一体的に構成してもよい。例えば、図15に示す配線・配管材保持具400のように、腕部405内面に形成された収容溝417に隣接して蓋部409を設け、収容溝417を介して該蓋部409を回動式に腕部405に連結してもよい。この場合、収容溝417の底壁を肉薄に形成したことで、該底壁が、蓋部409を回動式に連結するヒンジ部411として機能する。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
10 配線・配管構造
11 ワイヤ
100 配線・配管材保持具
101 固定部
101a ビス孔
103 保持部
105 第1腕部(一対の腕部)
107 第2腕部(一対の腕部)
109 蓋部
111 ヒンジ部
113 係合部
113a 係合爪
113b 凹所
115 被係合部
115a 係合溝
117 収容溝
117a 側壁
117b 底壁
119 突条
120 変位部材
P 配線・配管材
S ビス
W 壁面(構造体)

Claims (11)

  1. 配線・配管材を保持する配線・配管材保持具であって、
    構造体に固定するための固定部と、
    配線・配管材を周方向に取り囲んで保持するための保持部と、
    前記ワイヤを収容すべく、前記保持部に保持された前記配線・配管材の長尺方向に沿って延びるように前記保持部内面に凹設された収容溝と、を備えることを特徴とする配線・配管材保持具。
  2. 前記保持部は、前記固定部の両側に延びて互いにその先端で離隔する一対の腕部と、前記一対の腕部の第1腕部の先端に回動式に連結され、前記一対の腕部の第2腕部の先端に結合可能に構成された蓋部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材保持具。
  3. 前記一対の腕部は、前記固定部に対向する位置まで延在していないことを特徴とする請求項2に記載の配線・配管材保持具。
  4. 前記一対の腕部で前記配線・配管材の外周のうちの半分以上且つ3/4以下の範囲を包囲し、前記一対の腕部間の対向する箇所で前記配線・配管材を仮保持するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の配線・配管材保持具。
  5. 前記収容溝は、前記第2腕部に設けられていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の配線・配管材保持具。
  6. 前記蓋部の内面には、前記第2腕部の先端に結合するための係合部が形成され、
    前記第2腕部の外面には、前記蓋部と前記第2腕部とが部分的に重合した状態で外方に変位して前記係合部に係合する被係合部が形成されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の配線・配管材保持具。
  7. 前記一対の腕部が所定径の配線・配管材を保持した状態で径方向外方に変形し、前記被係合部が外方に変位することにより、前記蓋部及び前記第2腕部が部分的に重合した状態で前記係合部及び前記被係合部が係合することを特徴とする請求項6に記載の配線・配管材保持具。
  8. 前記収容溝は、前記第2腕部から外方に屈折した一対の側壁と、前記一対の側壁を連結する底壁とからなり、前記ワイヤを前記収容溝に収容した状態で前記一対の側壁が互いに離隔し、前記被係合部が外方に変位可能であることを特徴とする請求項6又は7に記載の配線・配管材保持具。
  9. 前記被係合部を外方に変位させるための変位部材と、
    前記第2腕部から外方に屈折した一対の側壁と、前記一対の側壁を連結する底壁とからなり、前記変位部材を圧入可能な圧入凹部と、を備え、
    前記変位部材が前記圧入凹部に圧入された状態で前記一対の側壁が互いに離隔し、前記被係合部が外方に変位可能であることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の配線・配管材保持具。
  10. 請求項6乃至9のいずれか一項に記載の配線・配管材保持具と、
    前記配線・配管材保持具の収容溝に収容されたワイヤと、を備え
    前記収容溝は前記ワイヤの外径よりも細幅に形成され、前記ワイヤによって前記収容溝が幅方向に押し広げられていることを特徴とする配線・配管装置。
  11. 前記収容溝の深さは、前記ワイヤの径よりも小さく、保持した配線・配管材に前記ワイヤが当接するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の配線・配管装置。
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