JP2017095864A - 地盤安定構造 - Google Patents

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【課題】棒状部材を支持層の深部まで到達させることを必要としないで、容易かつ確実に地盤の崩壊を抑止できる地盤安定構造を提供する。【解決手段】本発明を適用した地盤安定構造1は、地盤の崩壊を抑止するものとして設けられるものであり、地中8に埋め込まれる複数の棒状部材2と、複数の棒状部材2が連結されて地表面8aに取り付けられる支圧板7とを備える。複数の棒状部材2は、各々の上端部3が互いに離間して支圧板7に連結されて、各々の上端部3から地中8に向けて互いに接近して交差部5が形成されるとともに、交差部5から各々の下端部4が互いに離間するように設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、地盤の崩壊を抑止するものとして設けられる地盤安定構造に関する。
従来から、法面の安定化工法を施工する際の現場作業を容易にするものとして、例えば、特許文献1に開示された法面安定化工法が提案されている。また、太陽光発電用の太陽電池パネル等を設置するための基礎となるものであるが、地中に杭を打ち込み土地に設置されるものとして、例えば、特許文献2に開示された基礎構造物が提案されている。
特許文献1に開示された法面安定化工法は、ロックボルトを法面の地中に貫入させてその先端部を基礎岩盤に定着させ、該ロックボルトの地上突出部に前記支圧金物を嵌装し、この支圧金物の短管の上端から突出したロックボルトに座金を介してナットを螺合させ締め付けて当該ロックボルトに緊張力を与え、この緊張力を地盤支持力として受ける支圧金物により法面を安定化することを特徴とする。
特許文献2に開示された基礎構造物は、高さ方向に対して角度を持ち且つ互いに干渉することなく異なる方向に延びて一端が上記高さ方向の一方側の中央部周囲に開口し他端が上記高さ方向の他方側に開口する二以上の貫通孔が設けられ、上記貫通孔にそれぞれ嵌挿された杭を地中に打ち込むことで土地に設置されるものであり、碗状に形成された本体と上記本体を貫通して設けられた複数の筒体とを備えることを特徴とする。
特開平9−111761号公報 特開2014−31700号公報
ここで、特許文献1に開示された法面安定化工法は、地山の安定が損なわれて発生する斜面崩壊を防止するために、地盤の潜在的なすべり面を跨いて支持層まで到達するようにロックボルトを貫入して、このロックボルトにアンカー機能を発揮させている。そして、特許文献1に開示された法面安定化工法は、すべり面の上方のすべり層の緩みを防止するために、ロックボルトの地上突出部で支圧金物が嵌装される。
しかし、特許文献1に開示された法面安定化工法は、ロックボルトと地盤との一体化が重要であることから、例えば、ロックボルトの先端のビットに突起等を形成して摩擦抵抗、アンカー抵抗を増大させるか、支持層深部までロックボルトを挿入することが必要となる。このため、ロックボルトに突起等を形成して、又は、支持層深部までロックボルトを挿入する方法によると、施工に必要となる材料費、施工費が増大するだけでなく、斜面に重機を搬入することも困難となるため、施工そのものが難渋するおそれがある。
また、特許文献2に開示された基礎構造物は、高さ方向に対して角度を持ち且つ互いに干渉することなく異なる方向に延びる複数の杭が地中に打ち込まれるものであるが、法面の斜面崩壊を防止するためのものではない。このため、特許文献2に開示された基礎構造物は、太陽光発電用の太陽電池パネル等を設置するための基礎構造物となるものであるが、法面等の地盤の崩壊を抑止できないものとなる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、棒状部材を支持層の深部まで到達させることを必要としないで、容易かつ確実に地盤の崩壊を抑止できる地盤安定構造を提供することにある。
第1発明に係る地盤安定構造は、地盤の崩壊を抑止するものとして設けられる地盤安定構造であって、地中に埋め込まれる複数の棒状部材と、複数の前記棒状部材が連結されて地表面に取り付けられる支圧板とを備え、複数の前記棒状部材は、各々の上端部が互いに離間して前記支圧板に連結されて、各々の前記上端部から地中に向けて互いに接近して交差部が形成されるとともに、前記交差部から各々の下端部が互いに離間するように設けられることを特徴とする。
第2発明に係る地盤安定構造は、第1発明において、複数の前記棒状部材は、地盤のすべり層と支持層との境界となるすべり面と略一致する位置に、又は、前記すべり面より深い位置に、前記交差部が配置されることを特徴とする。
第3発明に係る地盤安定構造は、第1発明又は第2発明において、複数の前記棒状部材は、3本以上の前記棒状部材が地中に埋め込まれるとともに、3本以上の前記棒状部材が互いに接近して前記交差部が形成されることを特徴とする。
第4発明に係る地盤安定構造は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、複数の前記棒状部材は、前記交差部で互いに接触するように設けられることを特徴とする。
第5発明に係る地盤安定構造は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、複数の前記棒状部材は、各々に鋼管が用いられて、前記鋼管の表面に凸状の突起部及び凹状の窪み部の何れか一方又は両方が形成されることを特徴とする。
第6発明に係る地盤安定構造は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記支圧板は、前記棒状部材が挿通される複数の挿通孔が形成されて、各々の前記棒状部材の前記上端部から前記下端部までの傾斜角度、及び、各々の前記棒状部材の埋め込む方向に合わせて、各々の前記挿通孔の内面が傾斜して形成されることを特徴とする。
第7発明に係る地盤安定構造は、第1発明〜第6発明の何れかにおいて、前記支圧板は、地表面に取り付けられる支圧面から突出して突出部が形成されることを特徴とする。
第1発明〜第7発明によれば、複数の棒状部材に交差部を形成して、各々の棒状部材の上端部及び下端部を拡開させるのみで、棒状部材に突起等の複雑な加工を実施することなく、また、棒状部材を支持層の深部まで到達させることを必要としないで、引抜力及びすべり層の浮き上がりに抵抗するものとして、施工に必要となる材料費、施工費を抑制しながら、容易かつ確実に地盤の斜面崩壊を抑止することが可能となる。
第1発明〜第7発明によれば、各々の棒状部材が所定の傾斜角度で傾斜して、各々の棒状部材が互いに異なる方向に延びることで、複数の棒状部材が樹木根系のように地盤に絡みつくものとなり、地盤の拘束度を高めることが可能となる。
特に、第2発明によれば、複数の棒状部材が略鼓形状に形成されて、すべり面と略一致する位置に、又は、すべり面より深い位置に交差部が配置されるため、支持層の深部まで棒状部材の下端部を根入れする必要がないものとなり、また、複数の棒状部材の上向きの略錘台形状の傾斜面で引抜力に抵抗するとともに、複数の棒状部材の下向きの略錘台形状の傾斜面ですべり層の浮き上がりに抵抗することが可能となる。
特に、第3発明、第4発明によれば、各々の棒状部材に引抜力が作用したときに、複数の棒状部材が交差部で互いに接触した状態となり、各々の棒状部材が傾斜した状態を維持するため、地表面に対して略直交する方向への棒状部材の変形が抑止されて、各々の棒状部材に確実に曲げが発生することで、棒状部材そのものの曲げ剛性により引抜力に対して抵抗することが可能となる。
特に、第5発明によれば、各々の棒状部材となる鋼管の表面に凸状の突起部及び凹状の窪み部の何れか一方又は両方が形成されることで、各々の棒状部材と地盤との間の周面摩擦力を向上させることが可能となる。
特に、第6発明によれば、支圧板の挿通孔の内面が、棒状部材の傾斜角度及び埋め込む方向に合わせて、所定の傾斜角度及び方向で傾斜して形成されることで、挿通孔の内面がガイド機能を発揮するものとなり、棒状部材の傾斜角度及び埋め込む方向の調整が困難な法面等の施工現場においても、棒状部材を様々な異なる方向に正確に施工して、所定の位置に交差部を容易かつ確実に配置することが可能となる。
特に、第7発明によれば、支圧板の支圧面から突出して突出部が形成されて、支圧板の支圧面を地表面に当接させた状態で、各々の突出部が地表面の近傍まで埋め込まれることで、棒状部材を支圧板の挿通孔の上方から挿通する前段階で、支圧板を地表面に押し付けて、各々の突出部で支圧板を地表面に仮固定できるため、支圧板及び棒状部材の位置決めを容易にすることが可能となる。
本発明を適用した地盤安定構造が設けられる法面を示す斜視図である。 本発明を適用した地盤安定構造を示す斜視図である。 本発明を適用した地盤安定構造を示す正面図である。 本発明を適用した地盤安定構造を示す平面図である。 本発明を適用した地盤安定構造の支圧板を示す拡大正面図である。 (a)は、本発明を適用した地盤安定構造ですべり面と略一致する位置に配置される交差部を示す正面図であり、(b)は、そのすべり面より深い位置に配置される交差部を示す正面図である。 (a)は、本発明を適用した地盤安定構造で棒状部材に作用する引抜力を示す正面図であり、(b)は、その棒状部材に発生する曲げを示す正面図である。 (a)は、従来のロックボルトに作用する引抜力を示す正面図であり、(b)は、その引抜力で引き抜かれるロックボルトを示す正面図である。 (a)は、本発明を適用した地盤安定構造で上向きの略錘台形状の傾斜面で引抜力に抵抗する棒状部材を示す正面図であり、(b)は、その下向きの略錘台形状の傾斜面ですべり層の浮き上がりに抵抗する棒状部材を示す正面図である。 (a)は、本発明を適用した地盤安定構造で3本の棒状部材が交差部で互いに接触する前の状態を示す平面図であり、(b)は、その3本の棒状部材が交差部で互いに接触した後の状態を示す平面図である。 (a)は、本発明を適用した地盤安定構造で表面が略平滑状に形成された棒状部材を示す拡大正面図、(b)は、その突起部が形成された棒状部材を示す拡大正面図、(c)は、その窪み部が形成された棒状部材を示す拡大正面図である。
以下、本発明を適用した地盤安定構造1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した地盤安定構造1は、地盤の崩壊を抑止するものとして設けられるものであり、図1に示すように、例えば、法面等の傾斜した地盤の斜面崩壊を抑止するために、法面等の複数箇所に設けられるものとなる。
本発明を適用した地盤安定構造1は、図2に示すように、法面等の地盤において、地中8に埋め込まれる複数の棒状部材2と、複数の棒状部材2が連結されて地表面8aに取り付けられる支圧板7とを備える。
複数の棒状部材2は、図3に示すように、例えば、呼び径を25mm〜100mm程度、長さを5m〜20m程度とした鋼管20が各々に用いられる。また、複数の棒状部材2は、棒鋼等が各々に用いられてもよい。複数の棒状部材2は、各々の上端部3から下端部4まで連続して、各々の鋼管20が略直線状に延びて形成される。
複数の棒状部材2は、各々の上端部3が地表面8aから突出して設けられるとともに、各々の下端部4が所定の深さまで到達するように地中8に埋め込まれて設けられる。複数の棒状部材2は、地表面8aに対する垂直方向から所定の傾斜角度θで、各々の上端部3から下端部4まで傾斜して略直線状に延びるものとなる。
複数の棒状部材2は、各々の鋼管20が所定の傾斜角度θで傾斜して、各々の鋼管20が互いに異なる方向に延びる。複数の棒状部材2は、各々の鋼管20が互いに異なる方向に延びるものの、各々の鋼管20の傾斜角度θが互いに略同一となるものであるが、これに限らず、各々の鋼管20の傾斜角度θが互いに異なるものであってもよい。
複数の棒状部材2は、各々の上端部3が互いに離間して支圧板7に連結されて、各々の上端部3から地中8に向けて傾斜して延びることで、複数の棒状部材2が互いに接近した交差部5が形成される。複数の棒状部材2は、さらに、交差部5から地中8の深部8bに向けて傾斜して延びることで、各々の下端部4が互いに離間するように設けられる。
複数の棒状部材2は、各々の上端部3が互いに離間するとともに、地中8で互いに接近して交差部5が形成されて、交差部5から地表面8aに向けて略直線状に拡開する。複数の棒状部材2は、交差部5から地表面8aに向けて略直線状に拡開することで、交差部5と上端部3との間の範囲が、下方に頂点が配置される下向きの略錘台形状となる。
複数の棒状部材2は、互いに接近して交差部5が形成されるとともに、各々の下端部4が互いに離間して、交差部5から地中8の深部8bに向けて略直線状に拡開する。複数の棒状部材2は、交差部5から地中8の深部8bに向けて略直線状に拡開することで、交差部5と下端部4との間の範囲が、上方に頂点が配置される上向きの略錘台形状となる。
複数の棒状部材2は、交差部5と上端部3との間の範囲が下向きの略錘台形状となるとともに、交差部5と下端部4との間の範囲が上向きの略錘台形状となることで、交差部5が最も幅狭となった略鼓形状に形成されるものとなる。このとき、複数の棒状部材2は、地中8で略鼓形状に形成されて、交差部5より上方に下向きの傾斜面5aが形成されるとともに、交差部5より下方に上向きの傾斜面5bが形成される。
複数の棒状部材2は、2本以上の鋼管20が地中8に埋め込まれて、特に、3本以上の鋼管20が地中8に埋め込まれて、3本以上の鋼管20が互いに接近して交差部5が形成されることが望ましい。ここで、複数の棒状部材2は、例えば、3本の鋼管20が埋め込まれる場合に、3本全部の鋼管20が接近して交差部5が形成されることが望ましいが、3本のうちの一部となる2本の鋼管20のみが接近して交差部5が形成されてもよい。
複数の棒状部材2は、互いに離間した各々の上端部3から地中8に向けて互いに接近して、図4に示すように、特に、交差部5で互いに接触するように設けられる。複数の棒状部材2は、これに限らず、交差部5で互いに接近するものの、互いに接触させることなく、多少の隙間が形成されるように、互いの鋼管20を離間させて設けられてもよい。
支圧板7は、例えば、3本の棒状部材2が埋め込まれる場合に、略三角形に形成された鋼材等が用いられる。支圧板7は、略三角形等に形成されるとともに、特に、各々の隅部の近傍で、各々の棒状部材2の上端部3が支圧板7に連結されることで、各々の棒状部材2の上端部3が互いに離間したものとなる。
支圧板7は、図5に示すように、略三角形の鋼材等を板厚方向に貫通等させることで、棒状部材2の上端部3が挿通される複数の挿通孔70が形成される。支圧板7は、例えば、3本の棒状部材2が埋め込まれる場合に、棒状部材2の数量に合わせて3箇所に挿通孔70が形成されて、各々の棒状部材2の上端部3が各々の挿通孔70に挿通される。
支圧板7は、特に、略三角形の鋼材等を板厚方向に貫通させて挿通孔70が形成される場合に、各々の挿通孔70の内面70aが、地表面8aに対する垂直方向から所定の傾斜角度θ及び方向で傾斜したものとなる。このとき、支圧板7は、各々の棒状部材2の傾斜角度θ及び埋め込む方向に合わせて、各々の挿通孔70の内面70aが、所定の傾斜角度θ及び方向で傾斜して形成される。
支圧板7は、略平坦状等に形成された下面の支圧面7aが、地表面8aに当接するように取り付けられる。支圧板7は、支圧面7aから下方に向けて突出して、複数の略矩形状等の突出部71が形成される。このとき、支圧板7は、下面の支圧面7aを地表面8aに当接させた状態で、各々の突出部71が地表面8aの近傍まで地中8に埋め込まれる。
支圧板7は、例えば、各々の棒状部材2の上端部3で周方向に延びる溝切部3aが形成されて、棒状部材2の両側方から溝切部3aに一対の連結部材30が嵌合されることで、挿通孔70の上方で棒状部材2の上端部3が挟み込まれて固定される。支圧板7は、各々の棒状部材2の上端部3が、一対の連結部材30で挟み込まれて連結されるものとなる。
本発明を適用した地盤安定構造1は、図6に示すように、法面等の傾斜した地盤の斜面崩壊を抑止するために設けられる。本発明を適用した地盤安定構造1は、特に、法面等の傾斜した地盤において、地盤の地表面8a側のすべり層81と深部8b側の支持層82との境界となるすべり面80を跨ぐように、複数の棒状部材2が地中8に埋め込まれる。
複数の棒状部材2は、地中8の所定の位置に交差部5が配置される。このとき、複数の棒状部材2は、図6(a)に示すように、すべり面80の近傍のすべり層81側、若しくは、すべり面80の近傍の支持層82側、又は、すべり面80と厳密に一致する位置で、すべり面80と略一致する位置に、交差部5が配置されるものとなる。
複数の棒状部材2は、すべり面80の近傍であれば、すべり面80より地表面8a側のすべり層81に交差部5が配置されてもよいが、これに限らず、図6(b)に示すように、すべり面80より深部8b側の支持層82に交差部5が配置されてもよい。このとき、複数の棒状部材2は、すべり面80より深い位置に、交差部5が配置されるものとなる。
本発明を適用した地盤安定構造1は、図7に示すように、地盤のすべり層81と支持層82との境界となるすべり面80を跨ぐように、略鼓形状に形成された複数の棒状部材2が埋め込まれる。このとき、本発明を適用した地盤安定構造1は、略鼓形状に形成された複数の棒状部材2が、各々の下端部4を支持層82まで根入れしたものとなる。
複数の棒状部材2は、図7(a)に示すように、地表面8aに対する垂直方向の引抜力Pが作用したときに、棒状部材2の上端部3から下端部4までの範囲で、各々の棒状部材2が地盤との間で周面摩擦力Fを発揮して、引抜力Pに対して抵抗するものとなる。また、複数の棒状部材2は、各々の上端部3から下端部4まで傾斜して略直線状に延びることで、図7(b)に示すように、棒状部材2に曲げMが発生するものとなる。
これに対して、従来の法面安定化工法のロックボルト9は、図8に示すように、地表面8aに対して略直交するように地中8に埋め込まれる。このため、従来のロックボルト9は、図8(a)に示すように、ロックボルト9が曲がらず、地表面8aに対する垂直方向で真っ直ぐに引抜力Pが作用することで、地盤との間の周面摩擦力Fのみにより引抜力Pに抵抗する必要があるものとなる。
従来のロックボルト9は、地盤との周面摩擦力Fのみにより引抜力Pに抵抗するものであり、支持層82の深部8bまでロックボルト9を挿入しないと、図8(b)に示すように、ロックボルト9が引き抜かれるおそれがある。このため、従来のロックボルト9は、施工に必要となる材料費、施工費が増大するだけでなく、法面等の傾斜した地盤に重機を搬入することも困難となるため、施工そのものが難渋するおそれがあった。
本発明を適用した地盤安定構造1は、図7に示すように、各々の棒状部材2が地盤との間で周面摩擦力Fを発揮するとともに、棒状部材2に曲げMが発生することで、棒状部材2そのものの曲げ剛性により、引抜力Pに対して抵抗するものとなる。このとき、本発明を適用した地盤安定構造1は、地盤との周面摩擦力Fのみにより引抜力Pに抵抗するものと比較して、大きなアンカー抵抗を発揮するものとなり、支持層82の深部8bまで棒状部材2の下端部4を根入れする必要がないものとなる。
本発明を適用した地盤安定構造1は、図9に示すように、複数の棒状部材2が略鼓形状に形成されるため、交差部5と上端部3との間が下向きの略錘台形状に形成されるとともに、交差部5と下端部4との間が上向きの略錘台形状に形成される。このとき、本発明を適用した地盤安定構造1は、すべり面80と略一致する位置に、又は、すべり面80より深い位置に交差部5が配置されることで、上向きの傾斜面5bが支持層82に形成されるとともに、下向きの傾斜面5aがすべり層81に形成される。
本発明を適用した地盤安定構造1は、図9(a)に示すように、上向きの傾斜面5bが支持層82に形成されることで、棒状部材2に摩擦抵抗力と支圧抵抗力が発生し、上向きの傾斜面5bが支持層82に係止されて引抜力Pに対して抵抗するものとなる。また、本発明を適用した地盤安定構造1は、図9(b)に示すように、すべり層81がすべり面80に沿って滑動Sするときに浮き上がろうとする。このとき、本発明を適用した地盤安定構造1は、下向きの傾斜面5aがすべり層81に形成されることで、棒状部材2に摩擦抵抗力と支圧抵抗力が発生し、滑動Sするすべり層81が下向きの傾斜面5aに係止されて、すべり層81の浮き上がりに対して抵抗するものとなる。
本発明を適用した地盤安定構造1は、図7に示すように、複数の棒状部材2が略鼓形状に形成されることで、支持層82の深部8bまで棒状部材2の下端部4を根入れする必要がないものとなる。また、本発明を適用した地盤安定構造1は、図9に示すように、複数の棒状部材2の上向きの傾斜面5bで引抜力Pに抵抗するとともに、複数の棒状部材2の下向きの傾斜面5aですべり層81の浮き上がりに抵抗する。
これにより、本発明を適用した地盤安定構造1は、複数の棒状部材2に交差部5を形成して、各々の棒状部材2の上端部3及び下端部4を拡開させるのみで、棒状部材2に突起等の複雑な加工を実施することなく、また、棒状部材2を支持層82の深部8bまで到達させることを必要としないで、引抜力P及びすべり層81の浮き上がりに抵抗するものとして、施工に必要となる材料費、施工費を抑制しながら、容易かつ確実に地盤の斜面崩壊を抑止することが可能となる。
また、本発明を適用した地盤安定構造1は、図7、図9に示すように、各々の棒状部材2が所定の傾斜角度θで傾斜して、各々の棒状部材2が互いに異なる方向に延びることで、複数の棒状部材2が樹木根系のように地盤に絡みつくものとなる。これにより、本発明を適用した地盤安定構造1は、複数の棒状部材2が樹木根系のように地盤に絡みつくことで、地盤の拘束度を高めることが可能となる。
本発明を適用した地盤安定構造1は、特に、複数の棒状部材2が交差部5で互いに接触するように設けられることが望ましい。また、本発明を適用した地盤安定構造1は、複数の棒状部材2が交差部5で互いに接触しない状態で設けられても、3本以上の棒状部材2が互いに接近することで交差部5が形成されることが望ましい。
このとき、各々の棒状部材2は、引抜力Pが作用したときに地表面8aに対して略直交する方向に変形しようとするものの、複数の棒状部材2が交差部5で互いに接触することで、所定の傾斜角度θで傾斜した状態が維持される。また、各々の棒状部材2は、図10(a)に示すように、3本以上の棒状部材2が交差部5で互いに接触しない状態から、地表面8aに対して略直交する方向に変形することで、図10(b)に示すように、複数の棒状部材2が交差部5で互いに接触する状態となり、傾斜した状態が維持される。
このため、本発明を適用した地盤安定構造1は、複数の棒状部材2が交差部5で互いに接触して、棒状部材2が傾斜した状態を維持することで、地表面8aに対して略直交する方向への棒状部材2の変形が抑止されて、棒状部材2に確実に曲げMが発生する。これにより、本発明を適用した地盤安定構造1は、棒状部材2に確実に曲げMが発生することで、棒状部材2そのものの曲げ剛性により、引抜力Pに対して抵抗することが可能となる。
ここで、本発明を適用した地盤安定構造1は、図5に示すように、支圧板7を板厚方向に貫通させて挿通孔70が形成されて、挿通孔70の上方から棒状部材2が挿通される。また、本発明を適用した地盤安定構造1は、棒状部材2の傾斜角度θ及び埋め込む方向に合わせて、支圧板7の挿通孔70の内面70aが傾斜して形成される。そして、本発明を適用した地盤安定構造1は、図6に示すように、すべり面80と略一致する位置等に交差部5が配置されるものとなるように、各々の棒状部材2の傾斜角度θ及び埋め込む方向が設定される。
これにより、本発明を適用した地盤安定構造1は、図5、図6に示すように、支圧板7の挿通孔70の内面70aが、棒状部材2の傾斜角度θ及び埋め込む方向に合わせて、所定の傾斜角度θ及び方向で傾斜して形成されることで、挿通孔70の内面70aがガイド機能を発揮するものとなり、棒状部材2の傾斜角度θ及び埋め込む方向の調整が困難な法面等の施工現場においても、棒状部材2を様々な異なる方向に正確に施工して、すべり面80と略一致する位置等の所定の位置に交差部5を容易かつ確実に配置することが可能となる。
また、本発明を適用した地盤安定構造1は、支圧板7の支圧面7aから突出して突出部71が形成される。そして、本発明を適用した地盤安定構造1は、支圧板7の支圧面7aを地表面8aに当接させた状態で、支圧板7の各々の突出部71が地表面8aの近傍まで地中8に埋め込まれる。これにより、本発明を適用した地盤安定構造1は、棒状部材2を支圧板7の挿通孔70の上方から挿通する前段階で、支圧板7を地表面8aに押し付けて、各々の突出部71で支圧板7を地表面8aに仮固定できるため、支圧板7及び棒状部材2の位置決めを容易にすることが可能となる。
本発明を適用した地盤安定構造1は、図11(a)に示すように、各々の棒状部材2となる鋼管20の表面20aが略平滑状に形成されるほか、図11(b)、図11(c)に示すように、鋼管20の表面20aに突起部21又は窪み部22が形成されてもよい。
このとき、複数の棒状部材2は、各々に鋼管20が用いられて、鋼管20の表面20aに凸状の突起部21及び凹状の窪み部22の何れか一方又は両方が形成される。棒状部材2は、例えば、図11(b)に示すように、鋼管20の表面20aで周方向に設けられた溶接ビードで、略円形状又は略螺旋状等の突起部21が形成される。また、棒状部材2は、例えば、図11(c)に示すように、鋼管20の表面20aで周方向に設けられたディンプルで、略円形状又は略螺旋状等の窪み部22が形成される。
これにより、本発明を適用した地盤安定構造1は、複数の棒状部材2の鋼管20の表面20aに凸状の突起部21及び凹状の窪み部22の何れか一方又は両方が形成されることで、各々の棒状部材2と地盤との間の周面摩擦力Fを向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
1 :地盤安定構造
2 :棒状部材
20 :鋼管
20a :表面
21 :突起部
22 :窪み部
3 :上端部
3a :溝切部
30 :連結部材
4 :下端部
5 :交差部
5a :下向きの傾斜面
5b :上向きの傾斜面
7 :支圧板
7a :支圧面
70 :挿通孔
70a :内面
71 :突出部
8 :地中
8a :地表面
8b :深部
80 :すべり面
81 :すべり層
82 :支持層

Claims (7)

  1. 地盤の崩壊を抑止するものとして設けられる地盤安定構造であって、
    地中に埋め込まれる複数の棒状部材と、複数の前記棒状部材が連結されて地表面に取り付けられる支圧板とを備え、
    複数の前記棒状部材は、各々の上端部が互いに離間して前記支圧板に連結されて、各々の前記上端部から地中に向けて互いに接近して交差部が形成されるとともに、前記交差部から各々の下端部が互いに離間するように設けられること
    を特徴とする地盤安定構造。
  2. 複数の前記棒状部材は、地盤のすべり層と支持層との境界となるすべり面と略一致する位置に、又は、前記すべり面より深い位置に、前記交差部が配置されること
    を特徴とする請求項1記載の地盤安定構造。
  3. 複数の前記棒状部材は、3本以上の前記棒状部材が地中に埋め込まれるとともに、3本以上の前記棒状部材が互いに接近して前記交差部が形成されること
    を特徴とする請求項1又は2記載の地盤安定構造。
  4. 複数の前記棒状部材は、前記交差部で互いに接触するように設けられること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の地盤安定構造。
  5. 複数の前記棒状部材は、各々に鋼管が用いられて、前記鋼管の表面に凸状の突起部及び凹状の窪み部の何れか一方又は両方が形成されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の地盤安定構造。
  6. 前記支圧板は、前記棒状部材が挿通される複数の挿通孔が形成されて、各々の前記棒状部材の前記上端部から前記下端部までの傾斜角度、及び、各々の前記棒状部材の埋め込む方向に合わせて、各々の前記挿通孔の内面が傾斜して形成されること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の地盤安定構造。
  7. 前記支圧板は、地表面に取り付けられる支圧面から突出して突出部が形成されること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の地盤安定構造。
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