JP2014141777A - 地中鋼製壁構造および地中鋼製壁構造の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】盛土1に、2列の地中鋼製壁3,3が平行に、かつ下端が地盤の支持層12に達するようにして設けられ、互いに対向する地中鋼製壁3,3間に、鋼製隔壁5が地中鋼製壁3,3とほぼ直角に設けられ、鋼製隔壁5は、上下の長さが地中鋼製壁3より短くかつ、下端が地中鋼製壁3の下端より上方に位置するようにして設けられている。したがって、地震等の際に地盤に液状化現象が生じて、盛土内において、土が地中鋼製壁3の連続方向に流動しようとしても、これを鋼製隔壁5によって規制できるとともに、それと直角方向への土の流動を地中鋼製壁3によって規制できる。このように、盛土内において土の流動を規制できるので、盛土1の沈下を抑制できる。
【選択図】図1
Description
例えば、堤防の地震対策としては、堤防法尻(法面下端部)を鋼矢板で締め切る補強工法が適用されることが多いが、鋼矢板は液状化地盤の流動化による変形抑制を抑制する目的で設置されており、堤防自体を補強するものではない。
そのため、想定外の集中豪雨などで急激に水位が上昇することによる浸透破壊や、越水による破堤を防止する目的で、堤体内に鋼矢板を設置し複合構造とする研究が行われている。
この構造によれば、地震時に堤体の沈下を抑制し、さらに、遮水性に優れる鋼矢板が堤体の高さを確保することにより、高水時の浸透破壊と越水による破堤を防止できるので、堤防の補強として効果的な構造である。
また、前記従来の技術では、タイロッドの設置のために、堤防の天端に対して掘削と埋戻しが必要となり、施工面で非常に手間を要するという問題がある。
さらに、河川堤防の場合は、堤防天端を掘削することは堤防高さを低くすることであり、一時的ではあるが洪水等に対する治水機能を低下させることとなる。
加えて、鋼矢板の頭部をタイロッドで結合した構造では、地震の際等に発生する地盤の液状化現象によって、堤防の土が沈下した場合に、対向する鋼矢板どうしが外側に膨らむようにようにして変形するおそれがある。鋼矢板の変形量をさらに抑制しようとすれば、タイロッドを2段に設置することも考えられる。しかし、この場合は、既存の斜面を大きく掘削するか、斜面下端で水平方向にボーリング削孔をするなどによってタイロッドを設置する必要があり、施工面では大幅に手間がかかることになる。
互いに対向する前記地中鋼製壁間に、鋼製隔壁が当該地中鋼製壁とほぼ直角に設けられ、
前記鋼製隔壁は、上下の長さが前記地中鋼製壁より短く、かつ、下端が前記地中鋼製壁の下端より上方に位置するようにして設けられていることを特徴とする。
ここで、前記地中鋼製壁は、その下端部が地盤の支持層に達するようにして設けられていてもよいし、当該支持層の上の液状化層(液状化することが懸念される層)まで達するようにして設けられてもよい。
また、鋼製隔壁は、上下の長さが地中鋼製壁より短く、かつ、下端が前記地中鋼製壁の下端より上方に位置するようにして設けられているので、施工も容易である。
つまり、鋼製隔壁は盛土の上面(天端)または傾斜地盤の上面である傾斜面から打ち込むことによって設置でき、従来のタイロッド設置の場合と異なり、堤防上面や傾斜面に対する掘削と埋戻しが不必要であり、しかも鋼製隔壁は上下の長さが地中鋼製壁より短く、かつ、下端が地中鋼製壁の下端より上方に位置するので、打ち込み長さ(深さ)も短くてすむ。したがって、従来に比して施工が容易となる。
つまり、盛土や傾斜地盤の場合、傾斜面と平地盤の境界となる傾斜面(盛土の場合は法面)の下端付近が最も変形が大きくなる傾向にあるので、鋼製隔壁の下端を、傾斜面の下端より深いところ位置するまで挿入することによって、傾斜面の下端の水平方向の変形を抑制することができ、十分な補強効果を得ることができる。
また、鋼製隔壁の上下の長さを適宜設定することによって、タイロッドを複数段設置するのと同等またはそれ以上の補強効果を得ることができるとともに、鋼製隔壁は打ち込み(打設)によって設置でき、従来のような傾斜面等の掘削も不必要なので、施工も容易となる。
また、対向する地中鋼製壁の、前記鋼製隔壁が係合する部位に、ハット形鋼矢板、U形鋼矢板、Z形鋼矢板、直線形鋼矢板、H形鋼矢板、継手構造を有する鋼板と連結可能な係合部(継手)を形成しておくことによって、鋼製隔壁の両側端部を対向する地中鋼製壁に容易に係合できる。
次に、互いに対向する地中鋼製壁間に、上下の長さが前記地中鋼製壁より短い鋼製隔壁を、前記地中鋼製壁とほぼ直角になるように、かつ、下端が前記地中鋼製壁の下端より上方に位置するようにして、前記盛土の上面(天端)または前記傾斜地盤の傾斜面から打ち込んで設けることを特徴とする。
また、鋼製隔壁は、上下の長さが地中鋼製壁より短く、かつ、下端が地中鋼製壁の下端より上方に位置するようにして、盛土の上面または前記傾斜地盤の傾斜面から打ち込んで設けるので、従来のタイロッド設置の場合と異なり、堤防上面や傾斜面に対する掘削と埋戻しが不必要であり、しかも鋼製隔壁は上下の長さが地中鋼製壁より短く、かつ、下端が地中鋼製壁の下端より上方に位置するので、打ち込み長さ(深さ)も短くてすむので、施工が容易となる。
また、鋼製隔壁の上下の長さを適宜設定することによって、タイロッドを複数段設置するのと同等またはそれ以上の補強効果を得ることができるとともに、鋼製隔壁を打ち込み(打設)によって設置しているので、従来のような傾斜面等の掘削も不必要なく、施工も容易となる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る地中鋼製壁構造を示すもので、(a)は横断面図、(b)は平面図である。
地中鋼製壁3は、盛土からなる堤防1の天端1aの高さ位置より少し下から基礎地盤11の下側の支持層12まで根入れされている。また、地中鋼製壁3を構成する鋼矢板2としては、地震による土圧や水圧が当該鋼矢板2に作用しても、倒壊しないだけの断面性能を有するものが適用される。
鋼矢板2としては、ハット形鋼矢板、U形鋼矢板、Z形鋼矢板、直線形鋼矢板、H形鋼矢板等が好適に使用され、これらが複数壁状に連結されることによって、地中鋼製壁3が構築されている。
鋼製隔壁5を、その上端が地中鋼製壁3の上端より所定長さだけ低くして設ける場合、鋼製隔壁5の上端を堤防1の天端1aより約1m程度下げて設けるのが好ましい。このように、鋼製隔壁5の上端を堤防1の天端1aより下げて設けることによって、想定外の集中豪雨などで急激に水位が上昇して、越水により堤防の天端1aがある程度浸食されても、鋼製隔壁5が表面に現れることがないので、堤防天端の交通を妨げることがないという利点がある。
また、鋼製隔壁5は、図1(b)に示すように、堤防1の連続方向(図1(b)において上下方向)に、所定間隔(例えば10m程度)で設けられているが、この間隔は堤防1の規模等によって適宜設定される。図1(b)では、隣り合う鋼製隔壁5,5どうしの間隔は一定となっているが、堤防の部位によっては間隔を長くしたり、短くしてもよい。
また、鋼製隔壁5の下端が、法尻1dより深い所定位置で、より法面1bの下端に近い位置とすることが、十分な補強効果を得られる中で、最も鋼製隔壁5で使用する鋼矢板2の量が少なく、経済性のうえからも好ましい。
この場合、例えば、地中鋼製壁3の鋼製隔壁5を係合すべき部位に、鋼製隔壁5を構成する鋼矢板6の継手と係合するような継手を形成しておけばよい。この継手としては、鋼矢板6を堤防1の天端1aから打ち込んで堤防1に挿入する際に、当該鋼矢板6の継手が上方から係合可能でかつ、水平方向に離れないような形状とする。例えば、鋼矢板6の継手が断面略C字形の場合、これに係合するような断面略C字形や棒状の継手とすればよい。
このようにして、鋼製隔壁5の両側端部が対向する地中鋼製壁3,3に係合することによって、当該地中鋼製壁3,3は鋼製隔壁5によって連結され、地中鋼製壁3,3が外側に膨らむのを防止している。
鋼矢板6を打ち込む場合、その下端が地中鋼製壁3の下端より上方に位置するようして打ち込むことによって、施工された鋼製隔壁5の下端は地中鋼製壁3の下端より上方に位置することになる。また、鋼矢板6の打ち込み長さおよび位置は、当該鋼矢板6の下端が法尻1dより深い所定位置で、より法面1bの下端(法尻1d)に近い位置とする。
また、鋼製隔壁5は堤防(盛土)1の天端1aから打ち込むことによって設置でき、従来のタイロッド設置の場合と異なり、堤防1の上面(天端)1aに対する掘削と埋戻しが不必要であり、しかも鋼製隔壁5は上下の長さが地中鋼製壁3より短く、かつ、下端が地中鋼製壁3の下端より上方に位置するので、打ち込み長さも短くてすむ。したがって、従来に比して施工が容易となる。
つまり、堤防1の場合、法面1bと平地盤の境界となる法面下端付近が最も変形が大きくなる傾向にあるので、鋼製隔壁5の下端を、法面下端(法尻1d)より深いところに位置するまで挿入することによって、傾斜面の下端の水平方向の変形を抑制することができ、十分な補強効果を得ることができる。
また、鋼製隔壁5の上下の長さ、つまり鋼製隔壁5を構成する鋼矢板6の上下長さを適宜設定することによって、タイロッドを複数段設置するのと同等またはそれ以上の補強効果を得ることができるとともに、鋼製隔壁5は鋼矢板6の打ち込み(打設)によって設置でき、従来のような傾斜面等の掘削も不必要なので、施工も容易となる。
また、対向する地中鋼製壁3,3の鋼製隔壁5が係合する部位に、鋼矢板6と連結可能な係合部(継手)を形成しておくことによって、鋼製隔壁5の両側端部を対向する地中鋼製壁3,3に容易に係合できる。
従来の地中鋼製壁3,3の上端部をタイロッドで結合した構造では、地震等の際に地盤に液状化現象が生じた場合に、地中鋼製壁3,3の下端が「八」の字のように水平方向に締切り外側へ変形する挙動が見られるが、本実施の形態のように地中鋼製壁3,3間に鋼製隔壁5を設け、継手係合させる場合は地中鋼製壁3,3の水平方向の変形を抑えることができるので、従来に比して、堤防(盛土)1の沈下抑制が非常に効果的となる。
本変形例によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができるが、地中鋼製壁3の上下の長さが短く、打ち込み長さ(深さ)も小さいので、その分施工が容易となる。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る地中鋼製壁構造を示すもので、(a)は盛土の両側の地盤の高さが等しい場合、(b)は盛土の両側の地盤の高さが異なる場合の横断面図である。
鋼製隔壁5は、第1の実施の形態における鋼矢板6より上下の長さが短い鋼矢板6を壁状に連結することによって構成され、その下端は盛土からなる堤防1の法尻1dより上方に位置するようにして、堤防1の天端1aから打ち込まれている。また、鋼製隔壁5の両側端部は、対向する地中鋼製壁3,3に、第1の実施の形態の場合と同様にして係合されている。また、鋼製隔壁5は前記第1の実施の形態と同様にして施工する。
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る地中鋼製壁構造を示すもので、(a)は盛土の両側の地盤の高さが等しい場合、(b)は盛土の両側の地盤の高さが異なる場合の横断面図である。
鋼製隔壁5は、第1の実施の形態における鋼矢板6より上下の長さが長い鋼矢板6を壁状に連結することによって構成され、その下端は地盤11の下側の支持層12まで根入れされている。また、鋼製隔壁5は前記第1の実施の形態と同様にして施工する。
図4は、本発明の第4の実施の形態に係る地中鋼製壁構造を示すものであり、当該実施の形態では盛土の両側の地盤の高さが異なっている。
図4(a)に示す例では、堤防(盛土)1の両側の法尻1d,1dを結ぶ線分(破線で示す)に沿って、鋼製隔壁5の下端が揃えられている。したがって、鋼製隔壁5を構成する鋼矢板6は、図4(a)において、一方(左方)の法尻1dから他方(右方)の法尻1dに向かうにしたがって上下の長さが徐々に短くなっている。
図4(b)に示す例では、図4(a)に示すものと同様に、堤防(盛土)1の両側の法尻1d,1dを結ぶ線分(破線で示す)は水平に対して傾斜しているが、鋼製隔壁5を構成する鋼矢板6は全て上下の長さが等しくなっている。また、これら鋼矢板6は全てその下端が、盛土からなる堤防1の法尻1dより深いところに位置するようにして、堤防1の天端1aから打ち込まれている。なお、他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、共通部分には同一符号を付してその説明を省略する。
また、図4(b)に示す実施の形態では、鋼製隔壁5の下端が低い方の法尻1dより深いところに位置しているので、図4(a)に示すものに比して、若干施工費用がかかるものの、補強効果が高いという利点がある。
(第5の実施の形態)
図5は、本発明の第5の実施の形態に係る地中鋼製壁構造を示すものである。前記第1〜第4の実施の形態では、2列の地中鋼製壁3,3間に鋼製隔壁5を設ける例について説明したが、本実施の形態では3列の地中鋼製壁3・・・間に鋼製隔壁5を設けている。なお、図1に示すものと共通の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
隣り合う地中鋼製壁3,3間には、第1の実施の形態と同様にして、鋼製隔壁5が設けられている。
また、基礎地盤11とその下側の支持層12との境界が水平面に対して傾いている場合、支持層12に近い側の地中鋼製壁3および鋼製隔壁5の上下の長さを短くできるので、その分、地中鋼製壁3および鋼製隔壁5の材料費および施工費を軽減できる。
図6は、本発明の第6の実施の形態に係る地中鋼製壁構造を示すものである。第1〜第5の形態では、堤防(盛土)1を地中鋼製壁構造によって補強する場合を例にとって説明したが、本実施の形態では、傾斜地盤を地中鋼製壁構造によって補強する場合の例である。
すなわちまず、傾斜地盤10の上面は水平面に対して傾斜する傾斜面10aとなっており、この傾斜面10aの下端部近傍に、鋼矢板2が傾斜面10aの傾斜方向と平面視において直交する方向に連続して打設されてなる2列の地中鋼製壁13,13が互いに平行に設けられている。
地中鋼製壁13,13は、傾斜面10aの傾斜方向に離間して設けられ、当該傾斜面10aの傾斜方向上側に位置する地中鋼製壁13を構成する鋼矢板2は、その上端を傾斜面10aとほぼ等しくなるようにして、基礎地盤11の下側の支持層12まで根入れされている。
また、傾斜面10aの傾斜方向下側に位置する地中鋼製壁3を構成する鋼矢板2は、傾斜面10aより上方に突出するようにして基礎地盤11の下側の支持層12まで根入れされている。
また、地中鋼製壁13を構成する鋼矢板2としては、第1〜第5の実施の形態と同様に、地震による土圧や水圧が当該鋼矢板2に作用しても、倒壊しないだけの断面性能を有するものが適用される。
鋼矢板2としては、ハット形鋼矢板、U形鋼矢板、Z形鋼矢板、直線形鋼矢板、H形鋼矢板等が好適に使用され、これらが複数壁状に連結されることによって、地中鋼製壁13が構築されている。
また、鋼製隔壁15は、上端を傾斜面10aの傾斜方向上側に位置する地中鋼製壁13の上端とほぼ等しくして設けられている。鋼製隔壁15は第1の実施の形態と同様に、複数の鋼矢板6を壁状に連結することによって構成されている。
また、鋼製隔壁15は、上端を傾斜面10aの上面に揃えて設けられている。鋼製隔壁15は図6(a)に示すものと同様に、複数の鋼矢板6を壁状に連結することによって構成されているが、当該鋼矢板6はその上端が水平に揃えられておらず、傾斜面10aに揃えられている。
また、鋼製隔壁15は傾斜地盤10の傾斜面10aから打ち込むことによって設置でき、従来のタイロッド設置の場合と異なり、傾斜面に対する掘削と埋戻しが不必要であり、しかも鋼製隔壁15は上下の長さが地中鋼製壁13より短く、かつ、下端が地中鋼製壁13の下端より上方に位置するので、打ち込み長さも短くてすむ。したがって、従来に比して施工が容易となる。
つまり、傾斜地盤10の場合、傾斜面10aと平地盤の境界となる法面下端付近が最も変形が大きくなる傾向にあるので、鋼製隔壁15の下端を、法面下端(傾斜面10aの下端)より深いところ位置するまで挿入することによって、傾斜面10aの下端の水平方向の変形を抑制することができ、十分な補強効果を得ることができる。
また、鋼製隔壁15の上下の長さ、つまり鋼製隔壁15を構成する鋼矢板6の上下長さを適宜設定することによって、タイロッドを複数段設置するのと同等またはそれ以上の補強効果を得ることができるとともに、鋼製隔壁15は鋼矢板6の打ち込み(打設)によって設置でき、従来のような傾斜面等の掘削も不必要なので、施工も容易となる。
また、対向する地中鋼製壁13,13の鋼製隔壁15が係合する部位に、鋼矢板6と連結可能な係合部(継手)を形成しておくことによって、鋼製隔壁15の両側端部を対向する地中鋼製壁13,13に容易に係合できる。
図7は、本発明の第7の実施の形態に係る地中鋼製壁構造を示すものである。図7(a)および(b)に示すように、本実施の形態では、鋼製隔壁15の上下の長さが第6の実施の形態における鋼製隔壁15に比して短くなっていおり、その他の構成は第6の実施の形態と同様であるので、共通部分には同一符号を付してその説明を省略する。
鋼製隔壁15は、第6の実施の形態における鋼矢板6より上下の長さが短い鋼矢板6を壁状に連結することによって構成され、その下端は傾斜地盤10の傾斜面10aの下端より上方に位置するようにして、傾斜面10aから打ち込まれている。また、鋼製隔壁15の両側端部は、対向する地中鋼製壁13,13に、第6の実施の形態の場合と同様にして係合されている。また、鋼製隔壁15は前記第1の実施の形態と同様にして施工する。
図8は本発明の第8の実施の形態に係る地中鋼製壁構造を示すものである。図8(a)および(b)に示すように、本実施の形態では、鋼製隔壁15の上下の長さが第6の実施の形態における鋼製隔壁15に比して長くなっていおり、その他の構成は第6の実施の形態と同様であるので、共通部分には同一符号を付してその説明を省略する。
鋼製隔壁15は、第6の実施の形態における鋼矢板6より上下の長さが長い鋼矢板6を壁状に連結することによって構成され、その下端は地盤11の下側の支持層12まで根入れされている。また、鋼製隔壁15は前記第6の実施の形態と同様にして施工する。
図9は本発明の第9の実施の形態に係る地中鋼製壁構造を示すものである。図9(a)および(b)に示すように、3列の地中鋼製壁13・・・が平行にかつ、かつ下端が地盤の支持層12に達するようにして設けられている。
隣り合う地中鋼製壁13,13には、第6の実施の形態と同様にして、鋼製隔壁15が設けられている。
また、基礎地盤11とその下側の支持層12との境界が水平面に対して傾いている場合、支持層12に近い側の地中鋼製壁13および鋼製隔壁15の上下の長さを短くできるので、その分、地中鋼製壁13および鋼製隔壁15の材料費および施工費を軽減できる。
1d 法尻
2 鋼矢板
3,13 地中鋼製壁
5,15 鋼製隔壁
6 鋼矢板
10 傾斜地盤
10a 傾斜面
Claims (6)
- 盛土や傾斜地盤に、複数列の地中鋼製壁が平行に設けられた地中鋼製壁構造であって、
互いに対向する前記地中鋼製壁間に、鋼製隔壁が当該地中鋼製壁とほぼ直角に設けられ、
前記鋼製隔壁は、上下の長さが前記地中鋼製壁より短く、かつ、下端が前記地中鋼製壁の下端より上方に位置するようにして設けられていることを特徴とする地中鋼製壁構造。 - 前記鋼製隔壁の下端が、前記盛土の法尻または前記傾斜地盤の傾斜面の下端より深いところに位置していることを特徴とする請求項1に記載の地中鋼製壁構造。
- 前記鋼製隔壁は、その両側端部が対向する前記地中鋼製壁に係合していることを特徴とする請求項1または2に記載の地中鋼製壁構造。
- 前記鋼製隔壁は、ハット形鋼矢板、U形鋼矢板、Z形鋼矢板、直線形鋼矢板、H形鋼矢板、継手構造を有する鋼板のいずれかを、複数壁状に連結して構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の地中鋼製壁構造。
- 盛土や傾斜地盤に、複数列の地中鋼製壁を平行に設け、
次に、互いに対向する地中鋼製壁間に、上下の長さが前記地中鋼製壁より短い鋼製隔壁を、前記地中鋼製壁とほぼ直角になるように、かつ、下端が前記地中鋼製壁の下端より上方に位置するようにして、前記盛土の上面または前記傾斜地盤の傾斜面から打ち込んで設けることを特徴とする地中鋼製壁構造の施工方法。 - 前記鋼製隔壁を前記盛土の上面または前記傾斜地盤の傾斜面から打ち込むとともに、当該鋼製隔壁の両側端部を対向する前記地中鋼製壁に係合していくことを特徴とする請求項5に記載の地中鋼製壁構造の施工方法。
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