JPH0742148A - 二重壁とその構築方法 - Google Patents
二重壁とその構築方法Info
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- JPH0742148A JPH0742148A JP21105493A JP21105493A JPH0742148A JP H0742148 A JPH0742148 A JP H0742148A JP 21105493 A JP21105493 A JP 21105493A JP 21105493 A JP21105493 A JP 21105493A JP H0742148 A JPH0742148 A JP H0742148A
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- wall
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 二重壁の剛性を高め、耐荷力を向上するこ
と。 【構成】 二重壁10を構成する両本体壁11、12と
隔壁用矢板22を地盤に打設し、隣接する隔壁用矢板2
2がそれぞれ備える継手部23の爪付継手部材25を互
いに係合し、両本体壁11、12間の中詰領域13に中
詰土砂13Aを充填し、継手部23の爪付継手部材25
が画成するコンクリート詰領域24にコンクリート24
Aを充填してなるもの。
と。 【構成】 二重壁10を構成する両本体壁11、12と
隔壁用矢板22を地盤に打設し、隣接する隔壁用矢板2
2がそれぞれ備える継手部23の爪付継手部材25を互
いに係合し、両本体壁11、12間の中詰領域13に中
詰土砂13Aを充填し、継手部23の爪付継手部材25
が画成するコンクリート詰領域24にコンクリート24
Aを充填してなるもの。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼管矢板、鋼矢板等を用
いた二重壁とその構築方法に関する。
いた二重壁とその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、締切堤や護岸として、図11
(A)に示す如くの一重壁、或いは図11(B)に示す
如くの二重壁がある。
(A)に示す如くの一重壁、或いは図11(B)に示す
如くの二重壁がある。
【0003】一重壁は、特開昭 62-291319号公報に記載
の如く、一重の本体壁を地盤に連続打設するものであ
る。この本体壁は、複数の矢板を地盤に順次連続打設
し、隣り合う矢板をそれらの継手部を介して互いに連結
してなるものである。このとき、継手部は、各矢板に設
けてある爪付継手部材の爪部を互いに係合するととも
に、それらの爪付継手部材が画成するコンクリート詰領
域にコンクリートを充填して止水性の向上を図ってい
る。
の如く、一重の本体壁を地盤に連続打設するものであ
る。この本体壁は、複数の矢板を地盤に順次連続打設
し、隣り合う矢板をそれらの継手部を介して互いに連結
してなるものである。このとき、継手部は、各矢板に設
けてある爪付継手部材の爪部を互いに係合するととも
に、それらの爪付継手部材が画成するコンクリート詰領
域にコンクリートを充填して止水性の向上を図ってい
る。
【0004】二重壁は、上述の一重壁よりも耐荷力を向
上せしめるため、該一重壁の本体壁を二重をなすように
地盤に連続打設し、それを本体壁間の中詰領域に中詰土
砂を充填してなるものである。即ち、二重壁では、力学
的に、二重をなす本体壁と中詰土砂の複合作用により、
背面からの高水圧(締切堤の場合)や高土圧(護岸の場
合)等の外力を支える。
上せしめるため、該一重壁の本体壁を二重をなすように
地盤に連続打設し、それを本体壁間の中詰領域に中詰土
砂を充填してなるものである。即ち、二重壁では、力学
的に、二重をなす本体壁と中詰土砂の複合作用により、
背面からの高水圧(締切堤の場合)や高土圧(護岸の場
合)等の外力を支える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、二重壁に
あっても、外力が大きい場合や壁高が大きい場合には、
外力に耐え切れず、壁全体が大きく変形してしまう虞れ
があり、耐荷力の向上が望まれている。
あっても、外力が大きい場合や壁高が大きい場合には、
外力に耐え切れず、壁全体が大きく変形してしまう虞れ
があり、耐荷力の向上が望まれている。
【0006】尚、二重壁において、両本体壁間の中詰領
域の両側に薄物隔壁を設けて該中詰領域を区切り、中詰
土砂が中詰作業過程でその中詰領域の両側にこぼれ落ち
るのを防止するものがある。このとき、薄物隔壁は両本
体壁間に架け渡されるものの、薄物であって、二重壁の
剛性を高める如くの構成を一切備えず、二重壁の耐荷力
を向上するものではない。
域の両側に薄物隔壁を設けて該中詰領域を区切り、中詰
土砂が中詰作業過程でその中詰領域の両側にこぼれ落ち
るのを防止するものがある。このとき、薄物隔壁は両本
体壁間に架け渡されるものの、薄物であって、二重壁の
剛性を高める如くの構成を一切備えず、二重壁の耐荷力
を向上するものではない。
【0007】本発明は、二重壁の剛性を高め、耐荷力を
向上することを目的とする。
向上することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、中詰領域を挟んで二重をなす本体壁を地盤に連続打
設し、両本体壁間の中詰領域に中詰土砂を充填してなる
二重壁において、両本体壁間に架け渡される隔壁を有
し、該隔壁は複数の隔壁用矢板を地盤に連続打設してな
り、各隔壁用矢板は隣接する隔壁用矢板と互いに連結す
る継手部を備え、該継手部はコンクリート詰領域を画成
する少なくとも2枚の爪付継手部材と、該コンクリート
詰領域に充填されるコンクリートとの付着強度を増す突
状部とを備え、隣接する隔壁用矢板がそれぞれ備える継
手部の爪付継手部材を互いに係合するとともに、それら
の爪付継手部材が画成するコンクリート詰領域にコンク
リートを充填して前記隔壁を形成してなるよにしたもの
である。
は、中詰領域を挟んで二重をなす本体壁を地盤に連続打
設し、両本体壁間の中詰領域に中詰土砂を充填してなる
二重壁において、両本体壁間に架け渡される隔壁を有
し、該隔壁は複数の隔壁用矢板を地盤に連続打設してな
り、各隔壁用矢板は隣接する隔壁用矢板と互いに連結す
る継手部を備え、該継手部はコンクリート詰領域を画成
する少なくとも2枚の爪付継手部材と、該コンクリート
詰領域に充填されるコンクリートとの付着強度を増す突
状部とを備え、隣接する隔壁用矢板がそれぞれ備える継
手部の爪付継手部材を互いに係合するとともに、それら
の爪付継手部材が画成するコンクリート詰領域にコンク
リートを充填して前記隔壁を形成してなるよにしたもの
である。
【0009】請求項2に記載の本発明は、請求項1記載
の二重壁の構築方法であって、両本体壁と隔壁用矢板を
地盤に打設し、隣接する隔壁用矢板がそれぞれ備える継
手部の爪付継手部材を互いに係合し、両本体壁間の中詰
領域に中詰土砂を充填して爪付継手部材の係合部に引張
力を発生させ、上記継手部の爪付継手部材が画成するコ
ンクリート詰領域にコンクリートを充填して該継手部を
固めるようにしたものである。
の二重壁の構築方法であって、両本体壁と隔壁用矢板を
地盤に打設し、隣接する隔壁用矢板がそれぞれ備える継
手部の爪付継手部材を互いに係合し、両本体壁間の中詰
領域に中詰土砂を充填して爪付継手部材の係合部に引張
力を発生させ、上記継手部の爪付継手部材が画成するコ
ンクリート詰領域にコンクリートを充填して該継手部を
固めるようにしたものである。
【0010】
【作用】本発明は、二重をなす両本体壁間に高強度の隔
壁を設け、これによって二重壁の剛性を高め、耐荷力を
向上したものである。
壁を設け、これによって二重壁の剛性を高め、耐荷力を
向上したものである。
【0011】即ち、本発明の二重壁では、複数の隔壁用
矢板を地盤に連続打設して隔壁とし、隣接する隔壁用矢
板を互いに継手部にて連結するとともに、両本体壁間の
中詰領域に中詰土砂を充填した。
矢板を地盤に連続打設して隔壁とし、隣接する隔壁用矢
板を互いに継手部にて連結するとともに、両本体壁間の
中詰領域に中詰土砂を充填した。
【0012】このとき、隔壁の抵抗挙動について考察す
ると、隔壁は外力によってその矢板の継手部で剪断変形
を生じ、その最大抵抗剪断力は継手部の剪断強度に依存
しており、継手部が剪断によるずれ(滑り)を生ずる限
界まで外力を支持することができ、それ以上の外力に対
しては大きく変形し剛性向上のための隔壁としての機能
を果たさない。具体的には、図3(A)に示す如くに、
隔壁に作用する外力をP、隔壁底面あるいは根入れ部で
の抵抗力をFとするとき、外力Pに対して反力Fを得る
ためには、隔壁用矢板の継手部が剪断力Sを分担できな
ければならない。
ると、隔壁は外力によってその矢板の継手部で剪断変形
を生じ、その最大抵抗剪断力は継手部の剪断強度に依存
しており、継手部が剪断によるずれ(滑り)を生ずる限
界まで外力を支持することができ、それ以上の外力に対
しては大きく変形し剛性向上のための隔壁としての機能
を果たさない。具体的には、図3(A)に示す如くに、
隔壁に作用する外力をP、隔壁底面あるいは根入れ部で
の抵抗力をFとするとき、外力Pに対して反力Fを得る
ためには、隔壁用矢板の継手部が剪断力Sを分担できな
ければならない。
【0013】隔壁の全高H、全幅B、外力Pの作用点の
高さhとし、図3(B)でO点回りのモーメントを考え
ると、Ph=BS、S=Ph/Bである。各継手部の剪
断抵抗力Srsは、摩擦力のみを考えた場合、継手部間
の垂直力T、摩擦係数fとすると、Srs=TfHであ
り、Srs<Sであれば継手部はずれる。
高さhとし、図3(B)でO点回りのモーメントを考え
ると、Ph=BS、S=Ph/Bである。各継手部の剪
断抵抗力Srsは、摩擦力のみを考えた場合、継手部間
の垂直力T、摩擦係数fとすると、Srs=TfHであ
り、Srs<Sであれば継手部はずれる。
【0014】即ち、本発明者は、二重壁に剛性向上のた
めの隔壁を設けるに際し、例えば前述した特開昭 62-29
1319号公報に記載の一重壁の矢板連設におけるような継
手部を単に連結する如くを採用するのみでは、高々継手
部がずれ始めるまでの外力に対してしか隔壁が有効に機
能し得ないことの知見を得たのである。
めの隔壁を設けるに際し、例えば前述した特開昭 62-29
1319号公報に記載の一重壁の矢板連設におけるような継
手部を単に連結する如くを採用するのみでは、高々継手
部がずれ始めるまでの外力に対してしか隔壁が有効に機
能し得ないことの知見を得たのである。
【0015】そこで、本発明にあっては、下記、の
如くにより、両隔壁の継手部に高い剪断強度を確保し、
ずれ変形を防止できるようにしたものである。
如くにより、両隔壁の継手部に高い剪断強度を確保し、
ずれ変形を防止できるようにしたものである。
【0016】隔壁を構成する隔壁用矢板の継手部にコ
ンクリートを詰めるとともに、コンクリートとの付着強
度を増す突状部を設けることにより、継手部の剪断強度
を向上せしめた。
ンクリートを詰めるとともに、コンクリートとの付着強
度を増す突状部を設けることにより、継手部の剪断強度
を向上せしめた。
【0017】隔壁用矢板の継手部には、剪断力以外に
引張力、圧縮力が作用するが、それら如何なる力が作用
しても、引張力は爪付継手部材にて安定担持させ、圧縮
力はコンクリートにて安定担持させることにより、継手
部材の爪部を常に引張力を伝達する如くに噛み合いさせ
てその爪部の摩擦力とコンクリートの剪断力により高い
剪断強度を確保可能とした。本発明では、継手部に作用
する引張力により充填コンクリートが破壊して継手部の
剪断強度が低下する懸念を、二重壁ゆえの中詰土砂の存
在、更にこの中詰土砂をコンクリート充填に先行施工す
ることで回避したのである。即ち、コンクリート充填前
に、両本体壁間に中詰土砂を充填した段階で、隔壁の連
設方向には引張力が導入され、この引張力により継手部
材の爪部間にはあそびがほとんどなくなり、爪部はそれ
らの接触により引張力を伝達する状態となる。この状態
で、コンクリートを充填し、継手部を固める。従って、
その後、隔壁に引張力が作用すると、その引張力は爪部
を介して伝達され、引張に弱いコンクリートに引張力が
作用することを防止できる。一方、隔壁に作用する圧縮
力は爪部間にあそびを生じさせる方向に作用するが、こ
の圧縮力はコンクリートが担持し、爪部間にあそびを生
じさせることなく、爪部の接触状態を維持せしめる。こ
れによって、継手部の高剪断強度を高い信頼度で保持可
能とする。
引張力、圧縮力が作用するが、それら如何なる力が作用
しても、引張力は爪付継手部材にて安定担持させ、圧縮
力はコンクリートにて安定担持させることにより、継手
部材の爪部を常に引張力を伝達する如くに噛み合いさせ
てその爪部の摩擦力とコンクリートの剪断力により高い
剪断強度を確保可能とした。本発明では、継手部に作用
する引張力により充填コンクリートが破壊して継手部の
剪断強度が低下する懸念を、二重壁ゆえの中詰土砂の存
在、更にこの中詰土砂をコンクリート充填に先行施工す
ることで回避したのである。即ち、コンクリート充填前
に、両本体壁間に中詰土砂を充填した段階で、隔壁の連
設方向には引張力が導入され、この引張力により継手部
材の爪部間にはあそびがほとんどなくなり、爪部はそれ
らの接触により引張力を伝達する状態となる。この状態
で、コンクリートを充填し、継手部を固める。従って、
その後、隔壁に引張力が作用すると、その引張力は爪部
を介して伝達され、引張に弱いコンクリートに引張力が
作用することを防止できる。一方、隔壁に作用する圧縮
力は爪部間にあそびを生じさせる方向に作用するが、こ
の圧縮力はコンクリートが担持し、爪部間にあそびを生
じさせることなく、爪部の接触状態を維持せしめる。こ
れによって、継手部の高剪断強度を高い信頼度で保持可
能とする。
【0018】
【実施例】図1は本発明が適用された二重壁の一例を示
す模式図、図2は隔壁の第1実施例を示す模式図、図3
は隔壁の抵抗挙動を示す模式図、図4は本発明の耐荷力
向上効果を示す線図、図5は隔壁の第2実施例を示す模
式図、図6は隔壁の第3実施例を示す模式図、図7は隔
壁の第4実施例を示す模式図、図8は隔壁の第5実施例
を示す模式図、図9は隔壁の第6実施例を示す模式図、
図10は隔壁の第7実施例を示す模式図、図11は一重
壁と二重壁とを示す模式図である。
す模式図、図2は隔壁の第1実施例を示す模式図、図3
は隔壁の抵抗挙動を示す模式図、図4は本発明の耐荷力
向上効果を示す線図、図5は隔壁の第2実施例を示す模
式図、図6は隔壁の第3実施例を示す模式図、図7は隔
壁の第4実施例を示す模式図、図8は隔壁の第5実施例
を示す模式図、図9は隔壁の第6実施例を示す模式図、
図10は隔壁の第7実施例を示す模式図、図11は一重
壁と二重壁とを示す模式図である。
【0019】(第1実施例)(図1〜図4) 二重壁10は、図1に示す如く、例えば護岸を構成する
ものであり、陸側本体壁11と海側本体壁12とを、中
詰領域13となる一定の間隔を介して、地盤に深く連続
打設し、両本体壁11、12間の中詰領域13に中詰土
砂13Aを充填可能としている。陸側本体壁11の背面
には裏込土14が埋立てられる。
ものであり、陸側本体壁11と海側本体壁12とを、中
詰領域13となる一定の間隔を介して、地盤に深く連続
打設し、両本体壁11、12間の中詰領域13に中詰土
砂13Aを充填可能としている。陸側本体壁11の背面
には裏込土14が埋立てられる。
【0020】尚、本体壁11、12は、多数の鋼管矢
板、鋼矢板等の本体壁用矢板15をそれらの継手部16
により互いに連結して構築される。このとき、継手部1
6は、各本体壁用矢板15に設けてある爪付継手部材の
爪部を互いに係合するとともに、それらの爪付継手部材
が画成するコンクリート爪領域にコンクリート等を充填
して止水性の向上を図るものであっても良い。また、本
体壁11、12は、矢板の連続体に限らず、鉄筋コンク
リートの連続壁にて構築されるものであっても良い。
板、鋼矢板等の本体壁用矢板15をそれらの継手部16
により互いに連結して構築される。このとき、継手部1
6は、各本体壁用矢板15に設けてある爪付継手部材の
爪部を互いに係合するとともに、それらの爪付継手部材
が画成するコンクリート爪領域にコンクリート等を充填
して止水性の向上を図るものであっても良い。また、本
体壁11、12は、矢板の連続体に限らず、鉄筋コンク
リートの連続壁にて構築されるものであっても良い。
【0021】然るに、二重壁10にあっては、護岸延長
方向に一定の間隔をなす複数位置において、両本体壁1
1、12間に架け渡される隔壁21を有する。隔壁21
は、図1に示す如く、複数の隔壁用矢板22を地盤に連
続打設して構築される。
方向に一定の間隔をなす複数位置において、両本体壁1
1、12間に架け渡される隔壁21を有する。隔壁21
は、図1に示す如く、複数の隔壁用矢板22を地盤に連
続打設して構築される。
【0022】隔壁用矢板22は、図2に示す如く、鋼管
矢板からなり、隣接する矢板22を互いに連結する継手
部23を備える。継手部23は、コンクリート詰領域2
4を画成する2枚の爪付継手部材25、25と、コンク
リート詰領域24に充填されるコンクリート24Aとの
付着強度を増す突起部材26(突状部)を備える。爪付
継手部材25は隔壁を矢板22の外面に溶接等にて取着
され、突起部材26は両爪付継手部材25、25間で矢
板22の外面に溶接等にて取着されて設けられる。
矢板からなり、隣接する矢板22を互いに連結する継手
部23を備える。継手部23は、コンクリート詰領域2
4を画成する2枚の爪付継手部材25、25と、コンク
リート詰領域24に充填されるコンクリート24Aとの
付着強度を増す突起部材26(突状部)を備える。爪付
継手部材25は隔壁を矢板22の外面に溶接等にて取着
され、突起部材26は両爪付継手部材25、25間で矢
板22の外面に溶接等にて取着されて設けられる。
【0023】即ち、二重壁10にあっては、隣接する隔
壁用矢板22がそれぞれ備える継手部23の爪付継手部
材25の爪部25Aをそれらの打設時に互いに差込係合
するとともに、それらの爪付継手部材25が画成するコ
ンクリート詰領域24にコンクリート24Aを充填して
隔壁21を形成する。
壁用矢板22がそれぞれ備える継手部23の爪付継手部
材25の爪部25Aをそれらの打設時に互いに差込係合
するとともに、それらの爪付継手部材25が画成するコ
ンクリート詰領域24にコンクリート24Aを充填して
隔壁21を形成する。
【0024】然るに、二重壁10は、下記(1) 〜(3) の
手順で構築される。 (1) 両本体壁11、12の隔壁用矢板15を地盤に連続
打設し、且つ隔壁21を隔壁用矢板22を地盤に連続打
設する。このとき、隣接する隔壁用矢板22がそれぞれ
備える継手部23の爪付継手部材25を互いに係合す
る。
手順で構築される。 (1) 両本体壁11、12の隔壁用矢板15を地盤に連続
打設し、且つ隔壁21を隔壁用矢板22を地盤に連続打
設する。このとき、隣接する隔壁用矢板22がそれぞれ
備える継手部23の爪付継手部材25を互いに係合す
る。
【0025】(2) 両本体壁11、12間の中詰領域13
に中詰土砂13Aを充填して爪付継手部材25の係合部
(爪部25A間)に引張力を発生させる。このとき、隔
壁21のコンクリート詰領域24に土砂が侵入すること
を防止する。
に中詰土砂13Aを充填して爪付継手部材25の係合部
(爪部25A間)に引張力を発生させる。このとき、隔
壁21のコンクリート詰領域24に土砂が侵入すること
を防止する。
【0026】(3) 隔壁21のコンクリート詰領域24に
コンクリート24Aを充填して継手部23を固める。
コンクリート24Aを充填して継手部23を固める。
【0027】尚、隔壁21の継手部23は、本体壁1
1、12と隔壁21との架け渡し接合部にも同様に設け
られる。
1、12と隔壁21との架け渡し接合部にも同様に設け
られる。
【0028】以下、本実施例の作用について説明する。 隔壁21を構成する隔壁用矢板22の継手部23にコ
ンクリート24Aを詰めるとともに、コンクリート24
Aとの付着強度を増す突起部材26を設けることによ
り、継手部23の剪断強度を向上せしめる。
ンクリート24Aを詰めるとともに、コンクリート24
Aとの付着強度を増す突起部材26を設けることによ
り、継手部23の剪断強度を向上せしめる。
【0029】コンクリート24Aの充填前に、両本体
壁11、12間に中詰土砂13Aを充填した段階で、隔
壁21の連接方向には引張力が導入され、この引張力に
より継手部材25の爪部25A間にはあそびがほとんど
なくなり、爪部25Aはそれらの結束により引張力を伝
達する状態となる。この状態で、コンクリート24Aを
充填し、継手部23を固める。従って、その後、隔壁2
1に引張力が作用すると、その引張力は爪部25Aを介
して伝達され、引張に弱いコンクリート24Aに引張力
が作用することを防止できる。一方、隔壁21に作用す
る圧縮力は爪部25Aの間にあそびを生じさせる方向に
作用するが、この圧縮力はコンクリート24Aが担持
し、爪部25Aの間にあそびを生じさせることなく、爪
部25Aの接触状態を維持せしめるものとなる。即ち、
隔壁用矢板22の継手部23には、剪断力以外に引張
力、圧縮力が作用するが、それは如何なる力が作用して
も、引張力は爪付継手部材25にて安定担持され、圧縮
力はコンクリート24Aにて安定担持されるものとな
り、継手部材25の爪部25Aは常に引張力を伝達する
如くに噛み合いさせてその爪部25Aの摩擦力とコンク
リート24Aの剪断力により高い剪断強度を確保する。
壁11、12間に中詰土砂13Aを充填した段階で、隔
壁21の連接方向には引張力が導入され、この引張力に
より継手部材25の爪部25A間にはあそびがほとんど
なくなり、爪部25Aはそれらの結束により引張力を伝
達する状態となる。この状態で、コンクリート24Aを
充填し、継手部23を固める。従って、その後、隔壁2
1に引張力が作用すると、その引張力は爪部25Aを介
して伝達され、引張に弱いコンクリート24Aに引張力
が作用することを防止できる。一方、隔壁21に作用す
る圧縮力は爪部25Aの間にあそびを生じさせる方向に
作用するが、この圧縮力はコンクリート24Aが担持
し、爪部25Aの間にあそびを生じさせることなく、爪
部25Aの接触状態を維持せしめるものとなる。即ち、
隔壁用矢板22の継手部23には、剪断力以外に引張
力、圧縮力が作用するが、それは如何なる力が作用して
も、引張力は爪付継手部材25にて安定担持され、圧縮
力はコンクリート24Aにて安定担持されるものとな
り、継手部材25の爪部25Aは常に引張力を伝達する
如くに噛み合いさせてその爪部25Aの摩擦力とコンク
リート24Aの剪断力により高い剪断強度を確保する。
【0030】上記、により、二重壁10にあって
は、隔壁21の継手部23に高い剪断強度を確保でき、
図3(B)に示した如くの継手部23における剪断によ
るぶれ変形を防止し、結果として高い剛性を得て、水
圧、土圧等の外力に対する耐荷力を向上し得る。
は、隔壁21の継手部23に高い剪断強度を確保でき、
図3(B)に示した如くの継手部23における剪断によ
るぶれ変形を防止し、結果として高い剛性を得て、水
圧、土圧等の外力に対する耐荷力を向上し得る。
【0031】図4は、二重壁の模型実験で得た、外力P
に対する二重壁頭部の変位δを示す線図である。Aは隔
壁を備えない二重壁、Bはずれが生じる低剪断強度の隔
壁を備えた二重壁、Cは本発明のずれが生じない高剪断
強度を隔壁を備えた二重壁である。本発明により、耐荷
力が格段に向上し得ることが認められる。
に対する二重壁頭部の変位δを示す線図である。Aは隔
壁を備えない二重壁、Bはずれが生じる低剪断強度の隔
壁を備えた二重壁、Cは本発明のずれが生じない高剪断
強度を隔壁を備えた二重壁である。本発明により、耐荷
力が格段に向上し得ることが認められる。
【0032】(第2実施例)(図5) 第2実施例が第1実施例と異なる点は、突起部材26を
爪付継手部材25の内面に取着したことのみにある。
爪付継手部材25の内面に取着したことのみにある。
【0033】(第3実施例)(図6) 第3実施例が第1実施例と異なる点は、隔壁用矢板22
としてH形鋼矢板31を用いたことにある。この隔壁用
矢板22では、そのフランジ部31Aを爪付継手部材2
5とし、ウエブ部31Bの両面に突起部材26を被着し
た。
としてH形鋼矢板31を用いたことにある。この隔壁用
矢板22では、そのフランジ部31Aを爪付継手部材2
5とし、ウエブ部31Bの両面に突起部材26を被着し
た。
【0034】(第4実施例)(図7) 第4実施例が第1実施例と異なる点は、隔壁用矢板22
として箱状鋼矢板41を用いたことにある。この隔壁用
矢板22では、そのフランジ部41Aの端部を爪付継手
部材25とし、そのウエブ部41Bの外面に突起部材2
6を被着した。
として箱状鋼矢板41を用いたことにある。この隔壁用
矢板22では、そのフランジ部41Aの端部を爪付継手
部材25とし、そのウエブ部41Bの外面に突起部材2
6を被着した。
【0035】この箱状鋼矢板41を用いた隔壁用矢板2
2は、当該矢板22の板幅が大きくでき、一定長の隔壁
21を構成する矢板22間の継手数が少なくなり、施工
上の信頼性を向上できる。
2は、当該矢板22の板幅が大きくでき、一定長の隔壁
21を構成する矢板22間の継手数が少なくなり、施工
上の信頼性を向上できる。
【0036】(第5実施例)(図8) 第5実施例が第1実施例と異なる点は、隔壁用矢板22
の突起部材26に対応する鋼材として、矢板22の表面
に凹凸はなく突状部51Aを備えたものである。
の突起部材26に対応する鋼材として、矢板22の表面
に凹凸はなく突状部51Aを備えたものである。
【0037】突状部51Aは、鎬鋼板51の表面模様に
て形成できる。
て形成できる。
【0038】(第6実施例)(図9) 第6実施例が第1実施例と異なる点は、隔壁21の継手
部23に確保すべき強度が小さくても足りるとき、各矢
板22の高さ方向における一部にのみ継手部23を設け
ることとしたものである。
部23に確保すべき強度が小さくても足りるとき、各矢
板22の高さ方向における一部にのみ継手部23を設け
ることとしたものである。
【0039】尚、この場合には、継手部23を構成する
爪付継手部材25の下端部に、コンクリート爪領域24
の底部を閉塞してコンクリート24Aのもれを防止する
ゴムシート等の閉塞板を設ける。
爪付継手部材25の下端部に、コンクリート爪領域24
の底部を閉塞してコンクリート24Aのもれを防止する
ゴムシート等の閉塞板を設ける。
【0040】(第7実施例)(図10) 第7実施例が第1実施例と異なる点は、隔壁21の頭部
に、各隔壁用矢板22を剛結する鉄筋コンクリート製等
の頂盤61を設けたものである。頂盤61は、継手部2
3における剪断ぶれ変形をより完全に防止する。
に、各隔壁用矢板22を剛結する鉄筋コンクリート製等
の頂盤61を設けたものである。頂盤61は、継手部2
3における剪断ぶれ変形をより完全に防止する。
【0041】尚、本発明の実施において、継手部に設け
るコンクリート付着のための突状部の継手部高さ方向の
設置本数、コンクリート強度は、隔壁に期待される剪断
強度に応じて選定される。
るコンクリート付着のための突状部の継手部高さ方向の
設置本数、コンクリート強度は、隔壁に期待される剪断
強度に応じて選定される。
【0042】また、本発明の実施において、隔壁を構成
する矢板は、鋼管矢板、鋼矢板等に限らず、コンクリー
ト製等の他の構成からなるものであっても良い。
する矢板は、鋼管矢板、鋼矢板等に限らず、コンクリー
ト製等の他の構成からなるものであっても良い。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、二重壁
の剛性を高め、耐荷力を向上することができる。
の剛性を高め、耐荷力を向上することができる。
【図1】図1は本発明が適用された二重壁の一例を示す
模式図である。
模式図である。
【図2】図2は隔壁の第1実施例を示す模式図である。
【図3】図3は隔壁の抵抗挙動を示す模式図である。
【図4】図4は本発明の耐荷力向上効果を示す線図であ
る。
る。
【図5】図5は隔壁の第2実施例を示す模式図である。
【図6】図6は隔壁の第3実施例を示す模式図である。
【図7】図7は隔壁の第4実施例を示す模式図である。
【図8】図8は隔壁の第5実施例を示す模式図である。
【図9】図9は隔壁の第6実施例を示す模式図である。
【図10】図10は隔壁の第7実施例を示す模式図であ
る。
る。
【図11】図11は一重壁と二重壁とを示す模式図であ
る。
る。
10 二重壁 11、12 本体壁 13 中詰領域 13A 中詰土砂 21 隔壁 22 隔壁用矢板 23 継手部 24 コンクリート詰領域 24A コンクリート 25 詰付継手部材 26 突起部材(突状部)
Claims (2)
- 【請求項1】 中詰領域を挟んで二重をなす本体壁を地
盤に連続打設し、両本体壁間の中詰領域に中詰土砂を充
填してなる二重壁において、 両本体壁間に架け渡される隔壁を有し、 該隔壁は複数の隔壁用矢板を地盤に連続打設してなり、 各隔壁用矢板は隣接する隔壁用矢板と互いに連結する継
手部を備え、 該継手部はコンクリート詰領域を画成する少なくとも2
枚の爪付継手部材と、該コンクリート詰領域に充填され
るコンクリートとの付着強度を増す突状部とを備え、 隣接する隔壁用矢板がそれぞれ備える継手部の爪付継手
部材を互いに係合するとともに、それらの爪付継手部材
が画成するコンクリート詰領域にコンクリートを充填し
て前記隔壁を形成してなることを特徴とする二重壁。 - 【請求項2】 請求項1記載の二重壁の構築方法であっ
て、 両本体壁と隔壁用矢板を地盤に打設し、隣接する隔壁用
矢板がそれぞれ備える継手部の爪付継手部材を互いに係
合し、 両本体壁間の中詰領域に中詰土砂を充填して爪付継手部
材の係合部に引張力を発生させ、 上記継手部の爪付継手部材が画成するコンクリート詰領
域にコンクリートを充填して該継手部を固めることを特
徴とする二重壁の構築方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21105493A JPH0742148A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | 二重壁とその構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21105493A JPH0742148A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | 二重壁とその構築方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0742148A true JPH0742148A (ja) | 1995-02-10 |
Family
ID=16599630
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21105493A Pending JPH0742148A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | 二重壁とその構築方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0742148A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008223291A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-09-25 | Jfe Engineering Kk | 護岸一体ラーメン橋梁及びその施工方法 |
| JP2014141777A (ja) * | 2013-01-22 | 2014-08-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 地中鋼製壁構造および地中鋼製壁構造の施工方法 |
| CN104631433A (zh) * | 2015-01-13 | 2015-05-20 | 金天德 | 箱形钢板咬合连续墙结构体系与施工工艺 |
| JP2015124563A (ja) * | 2013-12-27 | 2015-07-06 | 前田建設工業株式会社 | 箱型鋼矢板及びこれを用いた地下貯留タンク |
| JP2017078265A (ja) * | 2015-10-19 | 2017-04-27 | 新日鐵住金株式会社 | 岸壁・護岸構造および岸壁・護岸の構築方法 |
-
1993
- 1993-08-04 JP JP21105493A patent/JPH0742148A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008223291A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-09-25 | Jfe Engineering Kk | 護岸一体ラーメン橋梁及びその施工方法 |
| JP2014141777A (ja) * | 2013-01-22 | 2014-08-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 地中鋼製壁構造および地中鋼製壁構造の施工方法 |
| JP2015124563A (ja) * | 2013-12-27 | 2015-07-06 | 前田建設工業株式会社 | 箱型鋼矢板及びこれを用いた地下貯留タンク |
| CN104631433A (zh) * | 2015-01-13 | 2015-05-20 | 金天德 | 箱形钢板咬合连续墙结构体系与施工工艺 |
| JP2017078265A (ja) * | 2015-10-19 | 2017-04-27 | 新日鐵住金株式会社 | 岸壁・護岸構造および岸壁・護岸の構築方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020827 |