JP2017095188A - 乗客コンベア - Google Patents

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Abstract

【課題】手摺り駆動スプロケットの直径を変化させて手摺りベルトの走行速度を調整できる乗客コンベアを提供する。
【解決手段】乗客コンベア10の手摺りベルト38を駆動させる手摺り駆動スプロケット100が、円板型のスプロケット本体102と、スプロケット本体102の外周に嵌合したゴム製の円環部材106とを有し、この手摺り駆動スプロケット100を外周から押圧する押圧部材70の押圧力によって、手摺り駆動スプロケット100の直径を変化させ、手摺りベルト38の走行速度を調整する。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアの手摺りベルトは、手摺り駆動スプロケットによって駆動し、この手摺り駆動スプロケットは、踏段を駆動させる主駆動スプロケットと同期して回転している。手摺りベルトの走行速度は、踏段と同期するように手摺り駆動スプロケットの回転数及び直径が設定されている。
特開2002−167153号公報
しかし、乗客コンベアを設置する現地において、手摺り駆動スプロケットの回転数や直径を変化させることができず手摺りベルトの走行速度を調整できないという問題点があった。
そこで本発明の実施形態は、上記問題点に鑑み、手摺り駆動スプロケットの直径を変化させて手摺りベルトの走行速度を調整できる乗客コンベアを提供することを目的とする。
本発明の実施形態は、建屋に支持アングルによって支持されるトラスと、前記トラスの一端部に設けられた機械室と、前記トラス内の長手方向に沿って配され、かつ、無端状に連結された複数の踏段と、前記踏段の左右両側に立設された欄干と、前記欄干の上部を走行する無端状の手摺りベルトと、前記機械室内に配され、前記踏段を駆動させるための左右一対の主駆動スプロケットと、前記主駆動スプロケットと同期して回転し、前記手摺りベルトが掛け渡された手摺り駆動スプロケットと、前記手摺り駆動スプロケットを径内方向に押圧する押圧部材と、を有し、前記手摺り駆動スプロケットの外周に弾性体よりなる円環部材が設けられている、乗客コンベアである。
本発明の一実施形態を示すエスカレータの側面から見た説明図。 手摺り駆動スプロケットと押圧部材の側面図。 図2におけるA−A線断面図。
以下、本発明の一実施形態のエスカレータ10を図1〜図4に基づいて説明する。
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の構造について、図1に基づいて説明する。図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
エスカレータ10の枠組みであるトラス12が、建屋1の上階と下階に跨がって支持アングル2,3を用いて支持されている。
トラス12の上端部にある上階側の機械室14内部には、踏段30を走行させる駆動装置18、左右一対の主駆動スプロケット24,24、左右一対の手摺り駆動スプロケット100,100が設けられている。この駆動装置18は、モータ20と、減速機と、この減速機の出力軸に取り付けられた出力スプロケットと、この出力スプロケットにより駆動する駆動チェーン22と、モータ20の回転を停止させ、かつ、停止状態を保持するディスクブレーキとを有している。この駆動チェーン22により左右一対の主駆動スプロケット24,24が回転する。左右一対の主駆動スプロケット24,24と左右一対の手摺り駆動スプロケット100,100とは、不図示の連結ベルトにより連結されて同期して回転する。また、上階側の機械室14内部には、モータ20やディスクブレーキなどを制御する制御部50が設けられている。
トラス12の下端部にある下階側の機械室16内には、左右一対の従動スプロケット26,26が設けられている。上階側の左右一対の主駆動スプロケット24,24と下階側の左右一対の従動スプロケット26,26との間には、左右一対の無端の踏段チェーン28,28が掛け渡されている。左右一対の踏段チェーン28,28には、複数の踏段30が等間隔で取り付けられている。モータ20が回転すると踏段30の前輪301は、トラス12に固定された不図示の案内レールを走行し、後輪302はトラス12に固定された案内レール25を走行する。
トラス12の左右両側には、左右一対の欄干36,36が立設されている。この欄干36の上部に手摺りレール39が設けられ、この手摺りレール39に沿って無端状の手摺りベルト38が移動する。欄干36の上階側の正面下部には上階側の正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には下階側の正面スカートガード42が設けられ、正面スカートガード40,42から手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48がそれぞれ突出している。
欄干36の側面下部には、スカートガード44が設けられ、左右一対のスカートガード44,44の間を踏段30が走行する。上下階のスカートガード44の内側面には、操作盤52,56、スピーカ54,58がそれぞれ設けられている。
手摺りベルト38は、上階側のインレット部46から正面スカートガード40内に侵入し、案内ローラ群64を介して手摺り駆動スプロケット100に掛け渡され、その後、案内ローラ群66を介してスカートガード44内を移動し、下階側のインレット部46から正面スカートガード42外に表れる。そして、手摺りベルト38は、手摺り駆動スプロケット100が主駆動スプロケット24と共に回転することにより踏段30と同期して移動する。また、回転する手摺り駆動スプロケット100に走行する手摺りベルト38を押圧するための押圧部材70を有する。
上階側の左右一対のスカートガード44,44の乗降口であって、機械室14の天井面には、上階側の乗降板32が水平に設けられている。下階側の左右一対のスカートガード44,44の乗降口であって、機械室16の天井面には、下階側の乗降板34が水平に設けられている。上階側の乗降板32の先端には櫛歯状のコム60が設けられ、このコム60に踏段30が侵入する。また、下階側の乗降板34の先端にも櫛歯状のコム62が設けられている。
(2)手摺り駆動スプロケット100の構造
次に、手摺り駆動スプロケット100の構造について図2と図3に基づいて説明する。なお、手摺り駆動スプロケット100は、「シーブ」とも呼ぶ。
左右一対の手摺り駆動スプロケットは、スプロケット本体102、回転軸104、円環部材106とより構成されている。
手摺り駆動スプロケット100の金属製のスプロケット本体102は円板型であって、その中心に水平な回転軸104が貫通している。回転軸104には、他方の手摺り駆動スプロケット100が同軸に取り付けられている。円板型のスプロケット本体102の外周部には、ゴム製の円環部材106が嵌合している。円環部材106の径方向の厚みは、2cm程度であり、押圧力を受けると1cm程度に縮む。手摺り駆動スプロケット100の下外周部には、手摺りベルト38の内側が架け渡されている。
手摺り駆動スプロケット100の下側外周部には、上記したように押圧部材70が配されている。押圧部材70は、円弧型の基台72に複数の押圧ローラ74が所定間隔毎に回転自在に配され、全ての押圧ローラ74が、手摺り駆動スプロケット100の下外周部に架け渡された手摺りベルト38を外方から径内方向(中心方向)に押圧する。
円弧型の基台72の下端部は、トラス12に固定され、基台72の上端部は、バネ支持部材78を介してトラス12に固定されている。バネ支持部材78は、コイルバネ80、雄ネジ棒82、固定端84及び移動端86、ナット88とより構成されている。図2に示すように、バネ支持部材78の雄ネジ棒82の下端が基台72の上端部に固定され、雄ネジ棒82の上端に移動端86が嵌合し、移動端86には縮む方向に付勢力を有するコイルバネ80の上端が固定されている。コイルバネ80の下端には固定端84が固定され、この固定端84は、トラス12に固定されている。移動端86が、ナット88の締め付け具合によって雄ネジ棒82に沿って移動し、コイルバネ80の付勢力が変化する。これにより、基台72の複数の押圧ローラ74が手摺り駆動スプロケット100の径内方向へ押圧する力を調整できる。
手摺り駆動スプロケット100の上階側には、上記したように案内ローラ群64がトラス12に設けられている。案内ローラ群64は、円弧型の基台92に複数の案内ローラ92が回転自在に配され、インレット部46から手摺り駆動スプロケット100の下外周部に手摺りベルト38を案内する。
手摺り駆動スプロケット100の下階側には、上記したように案内ローラ群66がトラス12に設けられている。案内ローラ群92は、円弧型の基台94に複数の案内ローラ96が回転自在に配され、手摺り駆動スプロケット100の下外周部から引き出された手摺りベルト38を下階側に向かって案内する。
(3)手摺り駆動スプロケット100の動作状態
手摺り駆動スプロケット100の動作状態について説明する。手摺り駆動スプロケット100が回転すると、押圧部材70によって手摺り駆動スプロケット100に押圧された手摺りベルト38が走行する。この場合に、手摺り駆動スプロケット100の直径(シーブ径)が大きくなれば、その外周部における回転速度が早くなり、手摺りベルト38の走行速度が早くなる。手摺り駆動スプロケット100の直径(シーブ径)が小さくなれば、その外周部における回転速度が遅くなり、手摺りベルト38の走行速度が遅くなる。本実施形態では、手摺り駆動スプロケット100の外周部にはゴム製の円環部材106が設けられているため、押圧部材70の押圧ローラ74による押圧力が強くなれば円環部材106がより押圧され、押圧された分だけ手摺り駆動スプロケット100の直径が小さくなる。この押圧力は、バネ支持部材78のナット88の締め付け具合によって変化する。
作業者は、手摺りベルト38の走行速度を上げたい場合には、バネ支持部材78のナット88を緩めて、押圧部材70による押圧力を弱くし、手摺り駆動スプロケット100の直径を大きくして回転速度を早くし、手摺りベルト38の走行速度を上げる。
作業者は、手摺りベルト38の走行速度を下げたい場合には、バネ支持部材78のナット88を締め付けて、押圧部材70による押圧力を強くし、手摺り駆動スプロケット100の直径を小さくして回転速度が遅くし、手摺りベルト38の走行速度も下げる。
なお、上記説明は、左右一対の手摺り駆動スプロケット100の一方についてのみ説明したが、他方も踏段60と手摺りベルト38との間に走行速度に差がある場合には、同じように調整できる。また、踏段60と手摺りベルト38との走行速度が同じ場合には、片側の手摺り駆動スプロケット100については調整する必要がない。
(4)効果
本実施形態によれば、バネ支持部材のナット88を調整して、押圧部材70の押圧力を調整することにより、円環部材106の径方向の形状が変化し、手摺り駆動スプロケット100の直径が変化する。そのため、手摺り駆動スプロケット100の外周部における回転速度が調整でき、それに伴い手摺りベルト38の走行速度を調整できる。
また、案内ローラ群64と、案内ローラ群66とによって手摺りベルト38を手摺り駆動スプロケット100の下外周部に案内できるため、押圧部材70の押圧効果をより確実にできる。
(5)変更例
上記実施形態では、円環部材はゴム製であったが、これに代えて、弾性力を有するものであればよく、例えば、空気タイヤなどであってもよい。
また、上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10・・・エスカレータ、12・・・トラス、70・・・押圧部材、78・・・バネ支持部材、80・・・コイルバネ、100・・・手摺り駆動スプロケット、102・・・スプロケット本体、104・・・回転軸、106・・・円環部材
本発明の実施形態は、建屋に支持アングルによって支持されるトラスと、前記トラスの一端部に設けられた機械室と、前記トラス内の長手方向に沿って配され、かつ、無端状に連結された複数の踏段と、前記踏段の左右両側に立設された欄干と、前記欄干の上部を走行する無端状の手摺りベルトと、前記機械室内に配され、前記踏段を駆動させるための左右一対の主駆動スプロケットと、前記主駆動スプロケットと同期して回転し、前記手摺りベルトが掛け渡された手摺り駆動スプロケットと、前記手摺りベルトを挟んで前記手摺り駆動スプロケットを径内方向に押圧する押圧部材と、を有し、前記手摺り駆動スプロケットの外周に弾性体よりなり、押圧力を受けると径内方向に縮む円環部材が設けられ、前記押圧部材は、基台と、前記基台に回転自在に設けられ、前記手摺りベルトを挟んで前記手摺り駆動スプロケットを径内方向に押圧する複数の押圧ローラとを有し、前記基台の一端が前記トラスに固定され、前記基台の他端がコイルバネを介して前記トラスに固定され、調整手段によって前記コイルバネの付勢力を調整して、複数の前記押圧ローラによる前記円環部材への押圧力を変化させ、前記手摺り駆動スプロケットの直径を変化させる、乗客コンベアである。
手摺りベルト38は、上階側のインレット部46から正面スカートガード40内に侵入し、案内ローラ群64を介して手摺り駆動スプロケット100に掛け渡され、その後、案内ローラ群66を介してスカートガード44内を移動し、下階側のインレット部4から正面スカートガード42外に表れる。そして、手摺りベルト38は、手摺り駆動スプロケット100が主駆動スプロケット24と共に回転することにより踏段30と同期して移動する。また、回転する手摺り駆動スプロケット100に走行する手摺りベルト38を押圧するための押圧部材70を有する。

Claims (10)

  1. 建屋に支持アングルによって支持されるトラスと、
    前記トラスの一端部に設けられた機械室と、
    前記トラス内の長手方向に沿って配され、かつ、無端状に連結された複数の踏段と、
    前記踏段の左右両側に立設された欄干と、
    前記欄干の上部を走行する無端状の手摺りベルトと、
    前記機械室内に配され、前記踏段を駆動させるための左右一対の主駆動スプロケットと、
    前記主駆動スプロケットと同期して回転し、前記手摺りベルトが掛け渡された手摺り駆動スプロケットと、
    前記手摺り駆動スプロケットを径内方向に押圧する押圧部材と、
    を有し、
    前記手摺り駆動スプロケットの外周に弾性体よりなる円環部材が設けられている、
    乗客コンベア。
  2. 前記手摺り駆動スプロケットは、
    円板型のスプロケット本体と、
    前記スプロケット本体の外周に嵌合した前記円環部材と、
    を有する請求項1に記載の乗客コンベア。
  3. 前記押圧部材は、
    基台と、
    前記基台に回転自在に設けられた押圧ローラと、
    を有する請求項1に記載の乗客コンベア。
  4. 前記基台は、円弧型である、
    請求項3に記載の乗客コンベア。
  5. 前記基台の一端が前記トラスに固定され、
    前記基台の他端が弾性体を介して前記トラスに固定されている、
    請求項4に記載の乗客コンベア。
  6. 前記弾性体は、縮む方向に付勢力を有するコイルバネである、
    請求項5に記載の乗客コンベア。
  7. 前記コイルバネの付勢力を調整できる調整手段を有する、
    請求項6に記載の乗客コンベア。
  8. 前記円環部材が、ゴム製である、
    請求項1に記載の乗客コンベア。
  9. 前記手摺りベルトを、前記手摺り駆動スプロケットの外周部に案内する複数の第1案内ローラを有し、
    複数の前記第1案内ローラが円弧型の第1案内基台に回転自在に固定されている、
    請求項1に記載の乗客コンベア。
  10. 前記手摺りベルトを、前記手摺り駆動スプロケットの外周部から前記欄干の外方に案内する複数の第2案内ローラを有し、
    複数の前記第2案内ローラが円弧型の第2案内基台に回転自在に固定されている、
    請求項1に記載の乗客コンベア。
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