JP2017094668A - 成形金型 - Google Patents

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【課題】強度を確保しつつ、温度分布を均一に制御する成形金型を提供する。
【解決手段】
成形金型は、コア型10およびキャビティ型を備える。コア型10は、外壁から閉方向に突出する少なくとも1つの凸部および内部に冷却媒体が流入出可能に形成されるコア冷却流路40を有し、開閉方向に移動可能である。キャビティ型は、閉方向に凹む少なくとも1つの凹部を有し、型閉じ時にコア型10との間に成形空間が形成される。コア冷却流路40は、複数のコア支柱601〜604および複数のコア支柱601〜604の間に冷却媒体が流通可能な複数のコア冷却孔64を含む。これにより、成形金型の強度が確保でき、凹凸にコア冷却流路40を確保することができる。凹凸にコア冷却流路40を確保することができるため、凹凸から冷却流路に伝達する熱量の差を小さくすることが可能となるため、温度を均一に制御することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、プラスチック射出成形、鋳造、鍛造、プレス成形等によって、成形品を成形するときに用いられる成形金型に関する。
従来、成形金型によって成形される成形品の温度分布を制御するために、特許文献1に記載のように、成形金型内に冷却流路を設け、液体もしくは気体の冷却媒体を冷却流路に通して温度制御を行う場合がある。
特開2003−305725号公報
特許文献1の構成では、成形金型が開閉することによって形成される成形空間の温度を均一にするため、成形金型に大きな穴の冷却流路を形成し、冷却流路内に仕切板を設けている。しかしながら、成形金型の比較的小さな凹凸に冷却流路を形成する場合、凹凸に薄肉部が形成され、強度が確保できず、成形するときに凹凸が変形してしまう虞がある。このため、温度制御が必要な成形空間から遠距離に穴を設けて、冷却流路が形成されている。
冷却流路が成形空間から距離が遠くなるとき、成形金型内部および凹凸から冷却流路を通過する冷却媒体に伝達する熱量に差が生じ、成形金型の温度分布が不均一になってしまう。成形金型の温度分布が不均一になるとき、成形品にバリが発生し、成形品の寸法バラツキが大きくなり、品質に悪影響を及ぼす虞がある。
本発明は、上述の問題に鑑みて創作されたものであり、その目的は、成形金型の強度を確保しつつ、成形金型の温度分布を均一に制御する成形金型を提供することにある。
本発明は、プラスチック射出成形、鋳造、鍛造、プレス成形等によって、成形品を成形するときに用いられる成形金型である。
成形金型は、コア型(10)およびキャビティ型(30)を備える。
コア型は、外壁(11)から閉方向に突出する少なくとも1つの凸部(12)および内部に冷却媒体が流入出可能に形成されるコア冷却流路(40)を有し、開閉方向に移動可能である。
キャビティ型は、閉方向に凹む少なくとも1つの凹部(32)を有し、型閉じ時にコアとの間に成形空間(50)形成する。
コア冷却流路は、複数のコア支柱(601〜604)およびコア支柱の間に冷却媒体が流通可能な複数のコア冷却孔(64、82、86)を含む。
本発明では、コア冷却流路が複数のコア支柱を含むため、コア支柱が支持材となり、成形金型の強度が確保できる。また、成形金型の強度が確保できるため、凹凸にコア冷却流路を確保することができ、凹凸から冷却流路に伝達する熱量の差を小さくすることができる。伝達する熱量差が小さくすることができるため、温度を均一に制御することができる。
本発明の第1実施形態における成形金型の断面図。 本発明の第1実施形態におけるコアの斜視図。 図1のIII−III断面図。 本発明の第1実施形態におけるキャビティの斜視図。 図1のV−V断面図。 本発明の第2実施形態におけるコア冷却流路の断面図。 本発明の第2実施形態におけるキャビティ冷却流路の断面図。 その他実施形態の冷却流路の断面図。 (a)比較例1のコアの断面図、(b)比較例2のコアの断面図。
以下、本発明の実施形態による成形金型1を図面に基づいて説明する。複数の実施形態の説明において、第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明する。また、「本実施形態」という場合、第1〜第3実施形態を包括する。これらの実施形態の成形金型は、例えば、プラスチック射出成形に用いられる。また、冷却媒体として、冷却水が用いられる。
(第1実施形態)
図1に示すように、成形金型1はコア型10およびキャビティ型30を備える。
コア型10は、キャビティ型30に向かって開閉方向に移動可能で、キャビティ型30と開閉可能であり、凸部12およびコア冷却流路60を有する。コア型10は、例えば、ステンレス鋼や高炭素クロム軸受鋼等の金属で形成されている。
図2に示すように、凸部12は、外壁11から閉方向に突出し、凸部端面121および凸部奥行端面122を含む。凸部端面121は円弧状に形成され、凸部奥行端面122は三角形形状に形成されている。凸部12は、奥行方向に向かって開閉方向の断面が円弧状から三角形形状に変化する三次元形状に形成されている。
コア冷却流路60は、コア入口流路61からコア出口流路62に向かって、冷却水が流入出可能に形成されている。コア冷却流路60の外側面63は、凸部12の凸部内側面123に沿って、奥行方向に向かって開閉方向の断面が円弧状から三角形形状に変化するように形成されている。また、コア冷却流路60および凸部12の間に薄肉部65が形成されている。
図3に示すように、コア冷却流路60は、複数のコア支柱601〜604を含む。また、コア冷却流路60は、複数のコア支柱601〜604が等間隔に設けられ、周期的に配列する格子状に形成されている。図中においてコア支柱は誇張して記載している。
コア支柱601〜604は、コア型10と同一材料を用いて円柱状に形成され、互いに交差して連結している。複数のコア支柱601〜604が互いに直交して連結していることによって、複数のコア冷却孔64が形成されている。
コア冷却孔64は、コア支柱601〜604の側面611〜614によって形成され、中央でくびれている立体形状であり、冷却水が流通可能な連通孔である。
キャビティ型30は、コア型10と同様の金属で形成され、型閉じ時にコア型10との間に成形空間50を形成する。また、キャビティ型30は、凹部32およびキャビティ冷却流路40を有する。
成形空間50は、キャビティ型30をコア型10が閉じるときに形成され、成形品の形状をなす空間である。成形空間50に溶融材料が流動可能に形成されている。溶融材料は、例えば、ポリカーボネートやポリフタルアミド等のプラスチックが用いられる。
図4に示すように、凹部32は、コア型10の閉方向に凹み、凹部端面321および凹部奥行端面322を含む。凹部端面321は、円弧状に形成され、凹部奥行端面322は三角形形状に形成されている。凹部32は、奥行方向に向かって開閉方向の断面が円弧状から三角形形状に変化する三次元形状に形成されている。
キャビティ冷却流路40は、キャビティ入口流路41からキャビティ入口流路42に向かって、冷却水が流入出可能に形成されている。キャビティ冷却流路40の外側面43は、凹部32の凹部内側面323に沿って、奥行方向に向かって開閉方向の断面が円弧状から三角形形状に変化するように形成されている。
図5に示すように、キャビティ冷却流路40は、複数のキャビティ支柱401〜404および複数のキャビティ冷却孔44を含む。また、キャビティ冷却流路40は、複数のキャビティ支柱401〜404が等間隔に設けられ、周期的に配列する格子状に形成されている。図中においてキャビティ支柱は誇張して記載している。
キャビティ支柱401〜404は、キャビティ型30と同一材料を用いて直方体の多角柱状に形成され、互いに交差して連結されている。複数のキャビティ支柱401〜404が互いに直交していることによって、複数のキャビティ冷却孔44が形成されている。
キャビティ冷却孔44は、キャビティ支柱401〜404の側面411〜414によって形成され、四角柱状の多角柱形状で、冷却水が流通可能な連通孔である。
(作用)
本実施形態の成形金型1の作用について説明する。
コア型10がキャビティ型30に向かって閉方向に移動し、コア型10がキャビティ型30を閉じる。コア型10がキャビティ型30を閉じることによって、成形空間50が形成される。キャビティ冷却流路40およびコア冷却流路60を流れる冷却水ならびに図示はしないがヒータによって、コア型10およびキャビティ型30の温度が制御されている。コア型10およびキャビティ型30の熱が成形空間50に伝達されることによって、成形空間50の温度が制御される。
成形空間50に、溶融材料が注入され、注入された溶融材料が成形空間50に沿って成形される。成形された成形品が冷却され、コア型10がキャビティ型30を型開きするとき、冷却固化した成形品がコア型10に密着され、成形品が完成する。成形品が完成したとき、次の成形へと切り替える。
(効果)
従来では、図9(a)に示すように、比較例1のコア型108では、凸部102と離れて入口流路104から出口流路105に向かって冷却水が流れる冷却流路103が形成されている。このため、コア型108内部および凸部102から冷却流路103に伝達する熱量に差が生じるため、コア型108内の温度が不均一になってしまう。
また、図9(b)に示すように、比較例2のコア118では、凸部112内に仮想線Iで示す仮想冷却流路116を形成する場合、凸部112および仮想冷却流路116の間に薄肉部117が形成される。薄肉部117が形成されることによって、凸部112の強度は確保できず、凸部112および仮想冷却流路116は変形しやすくなってしまう。
(1)しかしながら、本実施形態では、コア冷却流路60は、周期的に配列する格子状の複数のコア支柱601〜604を含む。複数のコア支柱601〜604を含むことによって、コア支柱601〜604が支持材となり、薄肉部65の強度が確保でき、成形金型1の強度が向上する。また、薄肉部65の強度が確保できるため、凸部12にコア冷却流路60が確保される。このため、凸部12から冷却流路を通過する冷却媒体に伝達する熱量の差を小さくすることができる。伝達する熱量差が小さくすることができるため、温度を均一に制御することができる。
(2)コア冷却流路60は、凸部12に沿って形成されている。これにより、凸部12の内側面123からコア冷却流路60までの距離が一定になるため、コア型10内の伝達する熱量差が小さくなり、コア型10の温度を更に均一にすることができる。
(3)また、複数のコア支柱601〜604を有することによって、コア冷却流路60が冷却水と接触する表面積が増加するため、コア冷却流路60の放熱効果が向上する。放熱効果が向上することで、成形金型1が冷却しやすくなる。
(4)キャビティ冷却流路40においても、凹部32に沿って形成され、周期的に配列する格子状のキャビティ支柱401〜404を有するため、コア冷却流路60と同様の効果を奏する。
(第2実施形態)
第2実施形態の構成では、コア支柱およびキャビティ支柱の形態を除き、第1実施形態の構成と同様である。
図6に示すように、コア冷却流路80は、周期的に配列する複数のコア支柱801〜806を有する。コア支柱801〜806は、複数の支柱が接合された接合体で、複数のコア支柱801〜806によって、複数のコア冷却孔82が形成されている。
複数のコア冷却孔82は、正六角柱状に形成され、冷却水が流通可能な連通孔である。複数のコア冷却孔82が形成されていることによって、コア冷却流路80は、複数の孔を有するハニカム構造に形成されている。
図7に示すように、キャビティ冷却流路90は、等間隔に設けられ、周期的に配列する複数のキャビティ支柱901〜910を有する。キャビティ支柱901〜910は、キャビティ冷却流路90の内側面91から突出するように形成されている。キャビティ支柱901〜905およびキャビティ支柱906〜910は互いに対向している。突出するキャビティ支柱901〜910によって、キャビティ冷却流路90はフィン形状に形成されている。また、キャビティ冷却流路90は、キャビティ支柱901〜910によってフィン形状に形成されていることで剛性が高まる。第2実施形態において、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、コア冷却流路80がハニカム構造のため、周方向の応力が分散しやすくなるため、周方向の圧力に強くなる。
(その他の実施形態)
(i)凸部および凹部は、多角柱形状、円柱形状、または、楕円柱形状の三次元形状でもよい。凸部および凹部の形状に問わず、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(ii)コア冷却流路に、直方体形状の多角柱状のコア支柱を有してもよい。また、内側面に円柱状の片持ち梁のコア支柱を有しても良い。第1実施形態と同様の効果を奏する。
(iii)キャビティ冷却流路に、円柱形状のキャビティ支柱を格子状に有してもよい。また、キャビティ冷却流路をハニカム構造としてもよい。
(iv)図8に示すように、ハニカム構造は、コア冷却流路84のコア冷却孔86は、正六角形状ではなく、複数のコア支柱811〜814の接合体によって形成される円形状であってもよい。第1実施形態と同様の効果を奏する。
(v)コア支柱およびキャビティ支柱は、円柱状または多角柱状といった形状に限定されない。また、コア冷却孔およびキャビティ冷却孔の形状は、円柱状または多角柱状といった形状に限定されない。コア支柱、キャビティ支柱、コア冷却孔、および、キャビティ冷却孔の形状を問わず、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(vi)本発明の成形金型では、プラスチック成形に限らず、鋳造、鍛造、または、プレス成形による成形を用いてもよい。
(vii)冷却媒体として冷却オイルまたは冷却ガスを用いてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10 ・・・コア型、
11 ・・・外壁、
12 ・・・凸部、
30 ・・・キャビティ型、
32 ・・・凹部、
40 ・・・コア冷却流路、
50 ・・・成形空間、
601〜604 ・・・コア支柱、
64、82、86 ・・・コア冷却孔。

Claims (12)

  1. 外壁(11)から閉方向に突出する少なくとも1つの凸部(12)および内部に冷却媒体が流入出可能に形成されるコア冷却流路(60)を有し、開閉方向に移動可能なコア型(10)と、
    閉方向に凹む少なくとも1つの凹部(32)を有し、型閉じ時に前記コア型との間に成形空間(50)を形成するキャビティ型(30)と、
    を備え、
    前記コア冷却流路は、複数のコア支柱(601〜604)および前記コア支柱間に前記冷却媒体が流通可能な複数のコア冷却孔(64、82、86)を含む成形金型。
  2. 前記コア冷却流路は、前記凸部に沿って形成されている請求項1に記載の成形金型。
  3. 複数の前記コア支柱は、円柱状で、互いに交差し周期的に配列する請求項1または2に記載の成形金型。
  4. 複数の前記コア支柱は、多角柱状で、周期的に配列する請求項1または2に記載の成形金型。
  5. 前記コア冷却流路は、複数の前記コア冷却孔が多角柱状もしくは円柱状に形成されるハニカム構造である請求項1または2に記載の成形金型。
  6. 前記コア冷却流路は、前記コア冷却流路内において複数の前記コア支柱が突出するフィン形状である請求項1または2に記載の成形金型。
  7. 前記キャビティ型は、前記冷却媒体が流入出可能に形成されるキャビティ冷却流路(40)を有し、
    前記キャビティ冷却流路は、複数のキャビティ支柱(401〜404)および前記キャビティ支柱間に前記冷却媒体が流通可能な複数のキャビティ冷却孔(44)を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の成形金型。
  8. 前記キャビティ冷却流路は、前記凹部に沿って形成されている請求項7に記載の成形金型。
  9. 複数の前記キャビティ支柱は、円柱状で、互いに交差し周期的に配列する請求項7または8に記載の成形金型。
  10. 複数の前記キャビティ支柱は、多角柱状で、周期的に配列する請求項7または8に記載の成形金型。
  11. 前記キャビティ冷却流路は、複数の前記キャビティ冷却孔が多角柱状もしくは円柱状に形成されるハニカム構造である請求項7または8に記載の成形金型。
  12. 前記キャビティ冷却流路は、前記キャビティ冷却流路内において複数の前記キャビティ支柱が突出するフィン形状である請求項7または8に記載の成形金型。
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