JP2017094556A - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高いガスバリア性と、高温高湿下や耐候試験後においても高い層間密着性を有するガスバリア性フィルムを提供する。【解決手段】ガスバリア性フィルム5は、高分子フィルム基材1の少なくとも一方の面に、無機物と有機物からなるアンカーコート層2と、無機酸化物層3と、有機物または無機物を含む有機物からなるオーバーコート層4とがこの順序で積層されてなる。アンカーコート層が、水酸基を有するアクリル樹脂と、イソシアネート樹脂と、イソシアネート基を有するシランカップリング剤またはその加水分解物とが結合した樹脂からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性及び密着性に優れたフィルムに関する
ガスバリア性フィルムは、ハードディスクや半導体モジュールなどの精密電子部品類、太陽電池のバックシート、有機ELや電子ペーパーなどのエレクトロニクス部材、食品や医薬品等の包装分野、あるいは非包装分野で酸素および水蒸気を遮断する必要がある部材に広く用いられている。
精密電子部品類の包装用途においては、金属部分の腐食、絶縁不良などを防止するために包装材料を透過する酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性を備える包装体が求められている。特に、食品包装においては蛋白質や油脂などの酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが必要である。また、ガスバリアフィルムには、有機ELや電子ペーパーなどの素子にバリア性やフレキシブル性を付与するなどの応用が期待される。さらに、無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品類においては有効成分の変質を抑制し、効能を維持することが必要である。
そのため、従来から温度、湿度などに影響されないアルミニウムなどの金属箔やアルミニウム蒸着フィルムあるいは、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などの樹脂フィルムやこれらの樹脂をラミネートまたはコーティングしたプラスチックフィルムなどが好んで用いられてきた。
しかし、ガスバリア性樹脂フィルムやガスバリア性樹脂をコーティングしたフィルムは、温度依存性が大きく、高温下で高いガスバリア性を維持できない。さらに、使用後のPVDCやPANなどは廃棄、焼却の際に有害物質が発生する原因となる可能性を有していた。
アルミニウムなどの金属箔やアルミニウム蒸着フィルムを用いた包装材料は、ガスバリア性には優れるが、レトルト耐性がなく、不透明であるため、包装材料を透過して内容物を識別することが難しいだけではなく、使用後の廃棄の際に不燃物として処理しなければならない点や、金属探知機による異物検査や、電子レンジでの加熱処理が出来ない点などの欠点を有していた。
また、これらの欠点を克服した包装用材料として、最近では酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどの無機酸化物を透明な基材フィルム上に蒸着したガスバリア性フィルムが上市されている。これらのガスバリア性蒸着フィルムは金属蒸着フィルムほどではないが、酸素、水蒸気などのガス遮断性を有していることが知られている。しかし、これらの無機酸化物蒸着フィルムにおいても、高いガスバリア性と高温高湿下(85℃85%RH)や耐候試験後の層間の密着強度については未だ不十分である。
上記の課題を解決する手段として、特開2015−051520号公報に記載の技術がある。
特開2015−051520号公報
本発明は、高いガスバリア性と、高温高湿下や耐候試験後においても高い層間密着性を有するガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
本発明に係るガスバリアフィルムは、基材の少なくとも一方の面に、無機物と有機物からなるアンカーコート層と、無機酸化物層と、有機物または無機物を含む有機物からなるオーバーコート層とがこの順序で配置されており、アンカーコート層が、水酸基を有するアクリル樹脂と、イソシアネート樹脂と、イソシアネート基を有するシランカップリング剤またはHO/Si比が3以上7以下であるその加水分解物とが結合した樹脂からなり、アクリル樹脂とイソシアネート樹脂との配合比がNCO/OH比で0.5以上4.0以下であることを特徴とする。
本発明によれば、高いガスバリア性と、高温高湿下や耐候試験後においても高い層間密着性を有するガスバリア性フィルムを提供できる。
本発明の一実施形態によるガスバリア性フィルムの断面図 本発明の一実施形態によるラミネートガスバリア性フィルムの断面図
以下に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明のガスバリア性フィルムを説明する断面図である。ガスバリア性フィルムは、高分子フィルム基材1の上にアンカーコート層2、無機酸化物層3、オーバーコート層4をこの順に積層してなる。
高分子フィルム基材1は、特に制限を受けるものではなく公知のものを使用することが出来る。例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)ポリエステル系(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド系、(ナイロン―6、ナイロン―66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)などの高分子のフィルム基材が挙げられるが、特に限定されない。
高分子フィルム基材1として、透明フィルムを用いることは、大量生産に適するため好ましい。また、厚みに関しては、特に制限を受けるものではなく、ガスバリア性フィルムを形成する蒸着加工などの加工性を考慮すると、実用的には6μm以上188μm以下の範囲が好ましい。
アンカーコート層2は、水酸基を有するアクリル樹脂と、イソシアネート樹脂と、シランカップリング剤またはその加水分解物とが結合した樹脂からなる。
アンカーコート層2のアクリル樹脂として、2種類以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーから共重合されものを使用できる。(メタ)アクリル酸エステルモノマーは特に制限を受けるものではなく、公知のものを使用することができる。例えば、メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、プロピルアクリレート(PA)、ブチルアクリレート(BA)、シクロヘキシルアクリレート(CHA)、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、プロピルメタクリレート(PMA)、ブチルメタクリレート(BMA)、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ヒドロキシブチルメタクリレート(HBMA)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)などが挙げられるが、特に限定されない。層間の密着性を維持するためには、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートの群から1つ以上選択することが好ましい。また、ヒドロキシル基やカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを用いることにより、イソシアネートと反応し、層間密着力を向上させることができる。
アンカーコート層2のイソシアネート樹脂としては、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソサネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等の各種ジイソシアネート、及びそれらの各種変性物、及びそれらを多官能化したダイマー体、アダクト体、アロファネート体、トリマー体、カルボジイミドアダクト体、ビウレット体、またそれらの重合物、及び多価アルコールを付加した重合物が挙げられる。特に基材との密着性や紫外線による黄変の影響が少ないヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートが好ましい。
アンカーコート層2のアクリル樹脂が水酸基を有する場合、NCO/OHがモル比で0.5以上4.0以下であることが好ましい。NCO/HO比が0.5未満では十分な密着性が得られない恐れがあり、4.0を超えるとロール・ツー・ロールで塗工した際に硬化不足によりバリア性が低下する恐れがある。
アンカーコート層2のシランカップリング剤としては、分子内にイソシアヌレート基を有するシランカップリング剤を使用する。シランカップリング剤に代えて、シランカップリング剤の加水分解物を使用しても良い。分子内にイソシアヌレート基を有するシランカップリング剤の例として、トリス‐(3‐トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。シランカップリング剤は市販されているものを使用することができる。例えば「X−12−965P」、「KBM−9659」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
アンカーコート層2のシランカップリング剤は耐候性を向上させるために加水分解した方が好ましい。加水分解した場合、生成したシラノール基がイソシアネート樹脂と反応し耐候性を向上させることができる。また、加水分解がさらに進行するとアクリル樹脂の水酸基と縮合し耐候性を向上させることができる。シランカップリング剤を加水分解する場合、HO/Siのモル比は3〜7の範囲が好ましい。HO/Si比が3未満では加水分解が不十分で耐久試験後の密着性やバリア性が得られない恐れがある。また、HO/Si比が7を超える場合、アクリル樹脂、イソシアネート樹脂と均一な膜が得られず十分な層間密着性やバリア性が得られない恐れがある。
シランカップリング剤またはその加水分解物は、(メタ)アクリル樹脂に対して1.0〜30質量%の割合で添加することが好ましい。1.0wt%未満や30wt%を超える場合、十分な層間密着性やバリア性が得られない恐れがある。
アンカーコート層2の硬化膜のガラス転移温度Tgは40℃以上150℃以下が好ましい。アンカーコート層2の硬化膜のガラス転移温度Tgが40℃未満では耐久性が低く、十分な層間密着性が得られない恐れがある。また、アンカーコート層2の硬化膜のガラス転移温度Tgが150℃以上では折り曲げ、引張りなどの外的要因により、膜に亀裂が生じ、バリア性が低下する恐れがある。
アンカーコート層2の厚みは、通常1〜10,000nm、好ましくは50〜200nmである。膜厚が10,000nmを超える場合、膜の内部応力により基材フィルム又はシートから剥離し易くなり、1nm未満になると、膜厚が均一にならない可能性がある。また、フィルムへの塗膜の接着性を向上させるため、塗工前に基材フィルムの表面に化学処理、放電処理などを施してもよい。コーティング方式はバーコーター、ナイフコート、ダイコート、(リバース)グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷などが挙げられるが特に限定されない。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
無機酸化物層3の成膜手段としては、真空蒸着方式のうち、電子ビームやレーザービーム等による加熱蒸着法が好ましく用いられ、特に電子ビーム加熱蒸着法が、成膜速度や無機酸化物蒸着用材料への昇温降温が短時間で行える点で有効である。
無機酸化物層3に用いる金属は珪素、アルミニウム、チタン、スズ、亜鉛、インジウム、マグネシウムの群から一つ若しくは複数から選択される。
蒸発した蒸着用材料によってアンカーコート層2の表面上に形成される無機酸化物層3の厚さは、一般的には5nm以上300nm以下の範囲内が望ましく、さらに好ましくは10nm以上150nm以下で、その値は適宜選択される。
ただし、無機酸化物層3の厚みが5nm未満であると均一な膜が得られないことや、十分なバリア性能を発揮できない場合がある。また、膜厚が300nmを超える場合は、膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引張りなどの外的要因により、膜に亀裂が生じる恐れがある。
オーバーコート層4は、硬く脆い無機酸化物膜3を保護し、擦れや屈曲によるクラックの発生を防止するために設けられ、水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物を含有した成分からなる。オーバーコート層4は、水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有するコーティング液を無機酸化物層3の上に塗工し、乾燥させることにより形成される。
オーバーコート層4の厚みは、通常1〜6,000nm、好ましくは5〜600nmである。膜厚が6,000nmを超える場合、膜の内部応力により基材フィルム又はシートから剥離し易くなり、5nm未満になると、十分なバリア性が発現しない可能性がある。また、フィルムへの塗膜の接着性を向上させるため、塗工前に基材フィルムの表面に化学処理、放電処理などを施してもよい。オーバーコート層4の塗工方式としては、アンカーコート層1と同様に通常のコーティング方法を用いることができる。バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷などが挙げられるが特に限定されない。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリビニルピロリドン樹脂(PVP)などを用いることができ、これらを単独あるいは複数組み合わせて用いてもよい。
アルコキシシランとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどを用いることができる。また、アルコキシシランの加水分解生成物としては、メタノールなどのアルコールにアルコキシシランを溶解し、その溶液に塩酸などの酸の水溶液を添加し、加水分解反応させることにより調製したものが挙げられる。
また、無機酸化物層3との密着性を上げるために、シランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するもの、トリス‐(3‐ トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられ、これらのシランカップリング剤を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
図2は、本発明の一実施形態によるラミネートガスバリア性フィルムの断面図である。ラミネートガスバリア性フィルム8は、図1のガスバリア性フィルム5の両面に、接着剤層6を介してラミネート樹脂層7を設けたものである。
接着剤層6の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエステル、ポリカーボネートポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリブタジエン、ワックス、カゼイン、又はそれらの混合物を主成分として含有した、無溶剤型、溶剤型、水性型、又は熱溶融型接着剤を使用することができる。
接着剤層6の塗工方式としては、アンカーコート層1と同様に通常のコーティング方法を用いることができる。バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷などが挙げられるが特に限定されない。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15μm以上200μm以下の範囲である。
ラミネート樹脂層7の材料としては、その用途に応じて選択され、例えば精密電子部品の包装袋として使用される場合には、袋を密閉するためにヒートシール性を有する樹脂層が好適に使用される。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、これらの金属架橋物、又はポリ乳酸樹脂などの生分解性樹脂を使用することができる。
また、産業資材の部材として使用される場合には、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、真空断熱材、EL用基板、カラーフィルター等の用途特性に応じた樹脂フィルム層が使用され、例えば、ポリエチレンテレフタテート、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、セルローストリアセテート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、など高温高湿で長期間使用可能な樹脂を使用することができる。ラミネート樹脂層7の厚さは、一般的には10μm以上500μmの範囲内である。
ラミネート樹脂層7とガスバリア性フィルム5との貼り合わせには、例えば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、又は押出しラミネート法を利用することができる。例えば、押出しラミネート法を利用した場合には、接着剤層6は省略することも可能である。
なお、接着剤層6を介してラミネート樹脂層7は、図1のガスバリア積層フィルム5の片面にのみ設けてもよい。
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。
<実施例1>
<アンカーコート溶液>
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/メタクリル酸(MMA)/メチルアクリレート(MA)の割合をモル比で12/58/30(OH価:67mgKOH/g)として共重合させた(メタ)アクリル樹脂に、HO/Si比が4になるように0.1mol/Lの塩酸で加水分解させたX−12−965P(信越化学工業(株))を(メタ)アクリル樹脂に対して13wt%添加し、アクリル樹脂のOH基に対してイソシアネート樹脂としてタケネートD−110N(三井化学(株))をNCO/OH比が2.0になるように調整し固形分1%とした塗液を16μmのPET上にバーコーター#3で塗工し120℃で1分乾燥させ、厚み0.025μmの膜を形性した。得られた膜を60℃で2日間硬化させ、ウレタン膜を得た。
<無機酸化物層の積層工程>
蒸着材料の無機酸化物は金属珪素と二酸化珪素を用い、O/Si比が1.61になるように混合した。金属珪素は50μm以下の径を有する粉末が95%以上のものを使用し、二酸化珪素には結晶構造を95%含み、50μm以下の径を有する粉末が95%以上のものを使用した。次に、電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置により、電子銃から放出する電子ビームを蒸着用材料に照射し蒸発させ、アンカーコート層上に厚み30nmの酸化珪素膜を形成した。
<オーバーコート溶液>
(1)テトラエトキシシランを0.02mol/Lの塩酸で加水分解した。
(2)けん化度99%、重合度2300のPVAの5wt%水溶液を調製した。
(3)(2)の溶液に(1)の溶液をSiO/PVA=65/35となる割合で加え、オーバーコート層溶液とした。無機酸化物層上にバーコーター#5にて塗工し、120℃で2分乾燥させ、0.3μmのオーバーコート層を形成した。
<ガスバリア性フィルムへのラミネート樹脂層積層工程>
オーバーコート層が積層されたガスバリア性積層フィルムの両面に、5g/mのポリウレタン系接着剤を介して厚さ50μmの耐加水分解PET(東レ製、X10S)をドライラミネート法により積層し、図2に示した積層構造のラミネートガスバリア性フィルムを得た。
<実施例2>
NCO/OH比を2.5とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<実施例3>
O/Si比を5とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<実施例4>
加水分解させたX−12−965P(信越化学工業(株))を(メタ)アクリル樹脂に対して17wt%添加した以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
以下に本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
シランカップリング剤またはその加水分解物を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<比較例2>
NCO/OH比を0.4とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<比較例3>
O/Si比を1とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
上記実施例1〜4及び比較例1〜3のガスバリア性フィルムについて、以下の方法で水蒸気透過率、層間密着力を測定評価した。
<水蒸気バリア性について>
実施例1〜4及び比較例1〜3のガスバリア性蒸着フィルムの水蒸気バリア性を、モダンコントロール社製の水蒸気透過度測定装置(MOCON PERMATRAN 3/33)を用いて40℃90%RHの雰囲気で測定した。
<層間密着性について>
層間密着力は、上述したラミネートガスバリア性フィルム(図2)を用いて評価した。具体的には、ラミネートガスバリア性フィルムを、耐湿熱試験85℃85%RH(エスペック(株)製PR−4J)で1000時間処理と、耐候性試験装置((株)東洋精機製作所製アトラス・ウェザオメータCi4000)で500時間処理した後の層間密着力を評価した。耐候性試験条件はブラックスタンダード温度65℃、試験槽温度40℃、相対湿度50%RH、放射照度60W/m、散水ありで行った。試験片を10mm巾の短冊状に切り出し、その端部を一部剥離させ、引っ張り試験機((株)島津製作所製AGS−500NX)により、4条件、すなわち、300mm/min.の速度でT型、180度剥離、界面に水を付けた状態でT型、180度剥離を行い、4条件のうち層間密着力が1N以上であった測定結果が4つの場合を○、3つを△、2つ以下を×とした。
次の表1は前記測定結果を示している。
Figure 2017094556
<評価>
表1のように、実施例1〜4は良好な水蒸気透過度と耐湿熱、耐候試験後の密着性を示した。比較例1は水蒸気透過度と湿熱試験後の密着性は良好な結果を示したが、耐光試験後の密着性が低かった。比較例2は水蒸気透過度は良好な結果を示したが、湿熱試験、耐候試験後に密着性が低かった。比較例3は水蒸気透過度が低く、湿熱試験、耐候試験後の密着性も低かった。
本発明は、水蒸気などの種々のガスに対する高ガスバリア性と、高温高湿下、耐候性における層間密着性に優れたガスバリア性フィルムとして利用でき、ガスバリア性や封止が求められる分野に幅広く適用できる。
1 高分子フィルム基材
2 アンカーコート層
3 無機酸化物層
4 オーバーコート層
5 ガスバリア性フィルム
6 接着剤層
7 ラミネート樹脂層
8 ラミネートガスバリア性フィルム

Claims (7)

  1. 基材の少なくとも一方の面に、無機物と有機物からなるアンカーコート層と、無機酸化物層と、有機物または無機物を含む有機物からなるオーバーコート層とがこの順序で配置されており、
    前記アンカーコート層が、水酸基を有するアクリル樹脂と、イソシアネート樹脂と、イソシアヌレート基を有するシランカップリング剤またはHO/Si比が3以上7以下であるその加水分解物とが結合した樹脂からなり、
    アクリル樹脂とイソシアネート樹脂との配合比がNCO/OH比で0.5以上4.0以下であることを特徴とする、ガスバリア性フィルム。
  2. 前記シランカップリング剤またはその加水分解物が、前記アクリル樹脂の水酸基または前記イソシアネート樹脂のイソシアネート基の少なくともどちらかと反応する官能基を含むことを特徴とする、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記アンカーコート層の厚みが1nm以上10,000nm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記無機酸化物層はSiOであり、X=1.5以上1.8以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記無機酸化物層の膜厚が10nm以上150nm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記オーバーコート層は、水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  7. 前記オーバーコート層の厚みが5nm以上600nm以下であることを特徴とする、求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
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JP2013202822A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性積層フィルム
JP2014195953A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 東京インキ株式会社 ガスバリア性積層体

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