JP2017093029A - インバータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インバータの出力電圧に含まれる基本波成分の振幅及び位相のずれを抑制できるインバータの制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、インバータを構成する上,下アームスイッチの接続点と上記接続点に接続されるモータジェネレータとの間に流れる電流の流通方向であって、パルスパターンに基づいて定まるスイッチング状態の切り替え時における上記流通方向を判別する。制御装置は、上記スイッチング状態の切り替えが指示される位相βを、電気角速度ωeと、判別された電流流通方向とに基づいて補正する。制御装置は、補正された位相αに基づいて、上,下アームスイッチを交互にオン操作する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、インバータの制御装置に関する。
この種の制御装置としては、下記特許文献1に見られるように、上,下アームスイッチのそれぞれのスイッチングパターンが規定された時系列パターンであるパルスパターンに基づいて、上,下アームスイッチを交互にオン操作するものが知られている。ここで、インバータの上下アームの短絡を防止するために、上,下アームスイッチの双方が同時にオンされることを回避するデッドタイムが設定されている。
パルスパターンに基づいて上,下アームスイッチを操作する場合、例えばインバータに接続された電動機の回転速度が上昇することにより、パルスパターンによって指示される最小パルス幅がデッドタイム以下となり得る。この場合、デッドタイム以下となるパルス幅を有するパルスが消失し、パルスパターンが指示するスイッチングパターンを実現することができず、インバータの出力電圧に含まれる基本波成分の振幅及び位相のそれぞれが想定した値からずれる懸念がある。
そこで下記特許文献1には、上,下アームスイッチのオン操作期間の最小値がデッドタイム以上となるようにパルスパターンを生成する技術が記載されている。これにより、パルスの消失を防止し、インバータの出力電圧に含まれる基本波成分の振幅及び位相のそれぞれが想定した値からずれることを抑制している。
特許第4858597号公報
インバータは、損失や電磁騒音の管理のため、スイッチング周波数を負荷の動作状態によって変化させるのが一般的である。このため、パルスパターンでのインバータ駆動において、生成するパルスの時間当たりのスイッチング回数や変調方法の切替えを行った場合、上記特許文献1記載の技術によりパルスの消失を防止したとしても、切替前後でのスイッチング回数が急変する。その結果、インバータの出力電圧に含まれる基本波成分の振幅及び位相のそれぞれが設計時に想定した値からずれることとなる。
本発明は、インバータの出力電圧に含まれる基本波成分の振幅及び位相のそれぞれが想定した値からずれることを抑制できるインバータの制御装置を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、上アームスイッチ(Sup〜Swp)及び下アームスイッチ(Sun〜Swn)の直列接続体を備えるインバータ(20)に適用され、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチの双方が同時にオンされることを回避するデッドタイムを設定しつつ前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチを交互にオン操作するインバータの制御装置において、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチのそれぞれのスイッチングパターンが規定された時系列パターンであるパルスパターンを複数種記憶するパターン記憶部(30)と、前記パターン記憶部に記憶されている複数種の前記パルスパターンの中から対象となるパルスパターンを選択するパターン選択部(30)と、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチの接続点と前記接続点に接続される負荷(10)との間に流れる電流の流通方向であって、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチのスイッチング状態が前記パターン選択部により選択された前記パルスパターンに基づいて切り替えられる場合における前記流通方向を判別する方向判別部(30)と、前記パターン選択部により選択された前記パルスパターンに基づいて定まる前記スイッチング状態の切り替えが指示される位相を、前記インバータの出力電圧に含まれる基本波成分の電気角速度と、前記方向判別部により判別された流通方向とに基づいて補正する位相補正部(30)と、前記位相補正部により補正された位相に基づいて、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチを交互にオン操作する操作部(30)と、を備える。
上アームスイッチ及び下アームスイッチの接続点と、上記接続点に接続される負荷との間に流れる電流の流通方向に応じて、パルスパターンによって指示されるパルス幅に対して実際のパルス幅がずれる。このずれ量は、上記電流の流通方向に加えて、インバータを構成するスイッチ及びスイッチの駆動回路それぞれの遅れ時間に依存する。
そこで上記発明は、上アームスイッチ及び下アームスイッチのスイッチング状態が選択されたパルスパターンに基づいて切り替えられる場合における電流の流通方向を判別する方向判別部を備えている。そして、位相補正部により、選択されたパルスパターンに基づいて定まるスイッチング状態の切り替えが指示される位相を、方向判別部により判別された流通方向と、インバータの出力電圧に含まれる基本波成分の電気角速度とに基づいて補正する。ここで、電気角速度を補正に用いるのは、上記遅れ時間の影響を位相の補正に反映させる場合において、時間を位相に変換する際に電気角速度が影響するためである。上記発明によれば、パルスパターンによって指示されるパルス幅に対する実際のパルス幅のずれ量を低減することができる。これにより、上記基本波成分の振幅及び位相のそれぞれが想定した値からずれることを抑制することができる。
モータ制御システムの全体構成図。 モータ制御のブロック図。 パルスパターンの一例を示す図。 上,下アームの操作信号の生成手法を示す図。 電流流通方向に応じてパルス幅がずれる一例を示す図。 電流流通方向の定義を示す図。 出力電圧の基本波成分の振幅及び位相のずれ量の推移を示す図。 パルスパターン補正部の処理内容を示すブロック図。 電流流通方向、スイッチング状態の切り替えモード、及びインバータの出力電圧の関係を示す図。 電流流通方向と切り替えモードとに応じた位相補正量を示す図。 パルスパターンの補正処理の手順を示すフローチャート。 電流流通方向が正方向の場合における補正処理の一例を示すタイムチャート。 電流流通方向が負方向の場合における補正処理の一例を示すタイムチャート。 電流流通方向と切り替えモードとに応じた時比率補正量を示す図。 時比率の補正処理の手順を示すフローチャート。 電流流通方向が正方向の場合における時比率の補正処理の一例を示すタイムチャート。 電流流通方向が負方向の場合における時比率の補正処理の一例を示すタイムチャート。
以下、本発明に係る制御装置を車載主機として3相回転電機を備える車両(例えば、電気自動車やハイブリッド車)に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、モータ制御システムは、モータジェネレータ10、3相インバータ20、及びモータジェネレータ10を制御対象とする制御装置30を備えている。本実施形態において、モータジェネレータ10は、車載主機であり、そのロータが図示しない駆動輪に機械的に接続されている。本実施形態では、モータジェネレータ10として、同期機を用いており、より具体的には永久磁石埋込型のものを用いている。
モータジェネレータ10は、インバータ20を介して、直流電源としてのバッテリ21に接続されている。バッテリ21の出力電圧は、例えば百V以上である。なお、バッテリ21及びインバータ20の間には、インバータ20の入力電圧を平滑化する平滑コンデンサ22が設けられている。
ちなみに、バッテリ21の出力電圧を昇圧してインバータ20に出力する昇圧コンバータが制御システムに備えられる場合、昇圧コンバータが直流電源に相当する。
インバータ20は、上アームスイッチSup,Svp,Swpと下アームスイッチSun,Svn,Swnとの直列接続体を3組備えている。上記直列接続体は、バッテリ21に並列接続されている。U相上,下アームスイッチSup,Sunの接続点には、モータジェネレータ10のU相が接続されている。V相上,下アームスイッチSvp,Svnの接続点には、モータジェネレータ10のV相が接続されている。W相上,下アームスイッチSwp,Swnの接続点には、モータジェネレータ10のW相が接続されている。ちなみに本実施形態では、各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、より具体的には、IGBTを用いている。そして、各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnには、各フリーホイールダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが逆並列に接続されている。
モータ制御システムは、さらに、モータジェネレータ10に流れる各相電流のうち、少なくとも2相分の電流を検出する相電流検出部を備えている。本実施形態において、相電流検出部は、モータジェネレータ10のV相に流れる電流を検出するV相電流検出部23Vと、W相に流れる電流を検出するW相電流検出部23Wとを含む。また、モータ制御システムは、バッテリ21の出力電圧をインバータ20の電源電圧VINVとして検出する電圧検出部24、及びモータジェネレータ10の電気角θeを検出する角度検出部25を備えている。なお、角度検出部25としては、例えばレゾルバを用いることができる。
制御装置30は、マイコンを主体として構成され、モータジェネレータ10の出力トルクを指令トルクTrq*にフィードバック制御すべく、インバータ20を操作する。詳しくは、制御装置30は、インバータ20を構成する各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnをオンオフ操作すべく、上記各種検出部の検出値に基づいて、各操作信号gUp,gUn,gVp,gVn,gWp,gWnを生成し、生成した各操作信号gUp,gUn,gVp,gVn,gWp,gWnを各スイッチに対応する各駆動回路Drに対して出力する。ここで、上アーム側の操作信号gUp,gVp,gWpと、対応する下アーム側の操作信号gUn,gVn,gWnとは、互いに相補的な信号となっている。すなわち、上アームスイッチと、対応する下アームスイッチとは、交互にオン状態とされる。なお、指令トルクTrq*は、例えば、制御装置30の外部に設けられた制御装置であって、制御装置30よりも上位の制御装置から出力される。
続いて、図2を用いて、制御装置30の行う上記操作信号の生成に関する処理について説明する。
トルク制御部31は、指令トルクTrq*と、V,W相電流検出部23V,23Wにより検出されたV,W相電流IV,IWと、角度検出部25により検出された電気角θeとに基づいて、インバータ20の出力電圧ベクトルの位相指令値φと、出力電圧ベクトルの振幅指令値Vnとを算出する。振幅指令値Vnは、図2に示すように、dq座標系における出力電圧ベクトルのd軸成分であるd軸電圧Vdの2乗値とq軸成分であるq軸電圧Vqの2乗値との和の平方根として定義される。
本実施形態において、トルク制御部31は、V,W相電流IV,IW及び電気角θeに基づいて算出されたモータジェネレータ10の推定トルクTeを指令トルクTrq*にフィードバック制御するための操作量として、振幅指令値Vn及び位相指令値φを算出する。
速度算出部32は、電気角θeに基づいて、モータジェネレータ10の電気角速度ωeを算出する。
PWM制御部40は、上記操作信号gUp,gUn,gVp,gVn,gWp,gWnの元になる信号であるPWM信号gu,gv,gwを生成する。そして、デッドタイム生成部33は、PWM信号gu,gv,gwとその論理反転信号との論理反転タイミング同士をデッドタイムTdeadだけ離間させる処理を行うことで、上記操作信号gUp,gUn,gVp,gVn,gWp,gWnを生成する。また、PWM制御部40は、出力電圧ベクトルの変調率Mrに応じて、三角波比較PWM制御、及びパルスパターン制御のいずれかを選択してPWM信号gu,gv,gwを生成する。
まず、三角波比較PWM制御について説明する。Duty算出部41は、位相指令値φ、振幅指令値Vn、及び電圧検出部24により検出された電源電圧VINVに基づいて、正弦波状のU,V,W相指令時比率DT1u,DT1v,DT1wを算出する。U,V,W相指令時比率DT1u,DT1v,DT1wは、位相が電気角で互いに120°ずつずれている。Duty算出部41は、まず、位相指令値φ及び振幅指令値Vnに基づいて、正弦波状のU,V,W相指令電圧VU,VV,VWを算出する。Duty算出部41は、算出したU,V,W相指令電圧VU,VV,VWを電源電圧VINVで規格化することにより、U,V,W相指令時比率DT1u,DT1v,DT1wを算出する。
Duty補正部42は、U,V,W相指令時比率DT1u,DT1v,DT1wにデッドタイム補償処理(時比率補正量ΔDを用いた補正処理)を施すことにより、U,V,W相補正時比率DT2u,DT2v,DT2wを算出する。なお、Duty補正部42については、後に詳述する。
第1変調器43は、Duty補正部42から出力されたU,V,W相補正時比率DT2u,DT2v,DT2wと、キャリア信号CSとの大小比較に基づくPWM処理により、PWM信号gu,gv,gwを生成する。本実施形態に係るキャリア信号CSは、両縁変調方式の三角波信号であり、具体的には、増加速度と減少速度とが互いに等しい2等辺三角形状の信号である。上記増加速度,低下速度は、例えば、電気角の単位変化量あたりのキャリア信号CSの増加量,低下量によって定量化される。本実施形態に係るキャリア信号CSは、その最小値が0となり、その最大値が1となる信号である。
続いて、パルスパターン制御について説明する。同期数設定部44は、電気角速度ωe及び同期数テーブルに基づいて、同期数Nを算出する。この算出処理は、キャリア信号CSの1周期の整数倍と1電気角周期とを一致させる同期式三角波比較PWM制御の考え方も用いてパルスパターンを生成しているためになされるものである。同期数テーブルは、複数の電気角速度領域のそれぞれと同期数Nとが予め関係付けられた情報である。本実施形態において、各電気角速度領域と関係付けられた同期数Nとして、「3,6,9,12,15,…」というように3の倍数を例示した。各同期数3,6,9,12,15,…と関係付けられた電気角速度領域の上限閾値ω3,ω6,ω9,ω12,ω15…は、ω(N)=2π×fcmax/Nに設定されている。なお、fcmaxは、キャリア信号CSの上限周波数を示す。
パルスパターン選択部45は、同期数設定部44から出力された同期数Nと、振幅指令値Vnとに基づいて、1電気角周期に渡るスイッチングパターンであるパルスパターンを選択する。パルスパターンは、同期数N及び振幅指令値Vnと関係付けられて予めパターン記憶部45aに記憶されている。
パルスパターンは、図3に示すように、上アームスイッチをオン操作してかつ下アームスイッチをオフ操作することを指示するオン指示信号と、上アームスイッチをオフ操作してかつ下アームスイッチをオン操作することを指示するオフ指示信号とのそれぞれが電気角θeと関係付けられた情報である。本実施形態では、オン,オフ指示信号として互いに論理値の異なる信号を用いており、具体的には、オン指示信号として論理Hの信号を用い、オフ指示信号として論理Lの信号を用いている。本実施形態において、パターン記憶部45aには、パルスパターンとして、オン指示信号及びオフ指示信号のうちいずれか一方から他方への切り替えを指示する電気角が記憶されている。図3には、オン指示信号及びオフ指示信号のうちいずれか一方から他方への切り替えを指示する電気角として、β0,β1,β2,β3,β4を例示した。ちなみに、パルスパターンは、振幅指令値Vnに代えて、変調率Mrと関係付けられていてもよい。
パルスパターン選択部45は、同期数Nと振幅指令値Vnとに基づいて、該当する1つのパルスパターンを選択する。そして、パルスパターン選択部45は、選択したパルスパターンのうち、オン指示信号及びオフ指示信号のいずれか一方から他方への切り替えを指示する電気角であって、電気角θe及び位相指令値φの加算値に該当する電気角を選択してスイッチング位相βとして出力する。
パルスパターン補正部46は、パルスパターン選択部45から出力されたスイッチング位相βにデッドタイム補償処理(位相補正量Δβを用いた補正処理)を施すことにより、補正位相αを出力する。なお、パルスパターン補正部46の処理については、後に詳述する。
第2変調器47は、電気角θe及び位相指令値φの加算値と、パルスパターン補正部46から出力された補正位相αとに基づいて、PWM信号gu,gv,gwを生成する。
セレクタ48は、第1変調器43から出力されたPWM信号gu,gv,gwと、第2変調器47から出力されたPWM信号gu,gv,gwとのうち、いずれか一方のPWM信号を選択してデッドタイム生成部33に出力する。セレクタ48は、基本的には、変調率Mrが閾値以下の場合、第1変調器43から出力されたPWM信号gu,gv,gwを選択し、変調率Mrが閾値よりも大きい場合、第2変調器47から出力されたPWM信号gu,gv,gwを選択する。なお、変調率Mrは、振幅指令値Vnを電源電圧VINVで規格化した値として算出されればよい。また、上記閾値は、三角波比較PWM制御を行う変調率の上限値に設定されている。
デッドタイム生成部33は、セレクタ48から出力されたPWM信号gu,gv,gwに基づいて、各操作信号gUp,gUn,gVp,gVn,gWp,gWnを生成する。以下、U相を例にして説明する。デッドタイム生成部33は、まず、図4に示すように、U相PWM信号guの論理反転信号を生成する。デッドタイム生成部33は、U相PWM信号guにおいて論理Lから論理Hへの切り替えタイミングをデッドタイムTdeadだけ遅らせた信号をU相上アームスイッチSupを操作する操作信号gUpとして生成する。デッドタイム生成部33は、上記論理反転信号において論理Lから論理Hへの切り替えタイミングをデッドタイムTdeadだけ遅らせた信号をU相下アームスイッチSunを操作する操作信号gUnとして生成する。本実施形態に係る操作信号は、論理Hによってオンを指示し、論理Lによってオフを指示する。
続いて、制御装置30にパルスパターン補正部46及びDuty補正部42を設けた理由について説明する。
デッドタイムTdeadが設定されることにより、力率等、インバータ20の動作状態に応じて、1電気角周期に存在するパルス幅が増減する。具体的には、図5に示すように、インバータ20とモータジェネレータ10との間の電流流通方向によって、パルス幅が増減する。また、インバータ20のスイッチング状態の変化方向、並びに駆動回路Dr及び上,下アームスイッチそれぞれの遅れ時間によっても、パルス幅が増減する。パルス幅の増減により、インバータ20の出力電圧に含まれる基本波成分の振幅及び位相のそれぞれが設計時に想定した値に対して減少又は増加する。
ここで本実施形態では、電流流通方向が図6に示すように定義されている。詳しくは、図6(a)に示すように、上アームスイッチのエミッタ及び下アームスイッチのコレクタの接続点から、モータジェネレータ10のコイルへと向かう相電流Ipの流通方向が正方向と定義されている。また、図6(b)に示すように、コイルから上記接続点へと向かう相電流Ipの流通方向が負方向と定義されている。
デッドタイムTdeadに起因した基本波成分の振幅及び位相のそれぞれの想定値に対する誤差は、定常状態であればトルク制御部31におけるフィードバッグ制御により吸収される。しかしながら、三角波比較PWM制御からパルスパターン制御への切替や、パルスパターン制御時の同期数Nの切替に伴う上記誤差の急変時においては、その誤差の急変がインバータ20の出力電圧の瞬時の変動となって表れる。その結果、モータジェネレータ10のトルク変動が発生する。図7には、時刻t1において制御モード又は同期数Nの切替が行われた場合の基本波成分の振幅、基準となる基本波成分からの位相ずれ量Δφ、及びモータジェネレータ10の出力トルクの推移を示した。図7(a)において、ΔVは振幅の誤差を示し、Maは基準となる基本波成分(例えば、設計時に想定した基本波成分)の振幅を示す。
こうした問題を解決すべく、制御装置30にパルスパターン補正部46及びDuty補正部42を設ける。
まず、パルスパターン補正部46について説明する。パルスパターン補正部46は、パルスパターン選択部45から出力されたスイッチング位相βに位相補正量Δβを加算することにより、補正位相αを算出する。
図8に、パルスパターン補正部46のブロック図を示す。スイッチング状態判別部46aは、入力されたスイッチング位相βに基づいて、スイッチング位相βにおけるスイッチング状態の切り替えモードが、オフ指示信号からオン指示信号に切り替えられるオン切り替えモード、及びオン指示信号からオフ指示信号に切り替えられるオフ切り替えモードのうちいずれであるかを判別する。
電流方向判別部46bは、スイッチング位相βと、V,W相電流IV,IWとに基づいて、スイッチング位相βにおける電流流通方向が正方向であるか負方向であるかを判別する。
位相補正量算出部46cは、スイッチング状態判別部46aにより判別された切り替えモード、電流方向判別部46bにより判別された流通方向、電気角速度ωe、及び時間記憶部46dの記憶情報に基づいて、位相補正量Δβを算出する。時間記憶部46dには、ターンオン遅延時間Tdon、ターンオフ遅延時間Tdoff、及びデッドタイムTdeadが記憶されている。ターンオン遅延時間Tdon及びターンオフ遅延時間Tdoffは、駆動回路Dr及びスイッチの特性により生じる遅延時間である。U相を例にして説明すると、ターンオン遅延時間Tdonは、例えば、操作信号gUpがオン指示(論理H)に切り替えられてから、スイッチSupのゲート電圧が上昇してオン側規定電圧(例えば、スイッチがオフからオンに切り替えられるスレッショルド電圧Vth)に到達するまでの時間として定義されている。また、ターンオフ遅延時間Tdoffは、例えば、操作信号gUpがオフ指示(論理L)に切り替えられてから、スイッチSupのゲート電圧が低下してオフ側規定電圧(例えば、上記スレッショルド電圧Vth)に到達するまでの時間として定義されている。
図9に示すように、スイッチング状態の切り替えモードと、電流流通方向とに応じて、操作信号の切り替えタイミングに対するインバータ20の実際の出力電圧の推移が変化する。この点に鑑み、位相補正量算出部46cは、図10に示すように位相補正量Δβを算出する。詳しくは、位相補正量算出部46cは、相電流Ipの流通方向が正方向であって、かつ、オン切り替えモードである場合、位相補正量Δβを下式(eq1)に基づいて算出する。
Δβ=−ωe×(Tdead+Tdon) … (eq1)
位相補正量算出部46cは、相電流Ipの流通方向が負方向であって、かつ、オン切り替えモードである場合、位相補正量Δβを下式(eq2)に基づいて算出する。
Δβ=−ωe×Tdoff … (eq2)
位相補正量算出部46cは、相電流Ipの流通方向が正方向であって、かつ、オフ切り替えモードである場合、位相補正量Δβを上式(eq2)に基づいて算出する。また、位相補正量算出部46cは、相電流Ipの流通方向が負方向であって、かつ、オフ切り替えモードである場合、位相補正量Δβを上式(eq1)に基づいて算出する。
図11を用いて、本実施形態に係るスイッチング位相βの補正処理について説明する。この処理は、パルスパターン補正部46を構成するスイッチング状態判別部46a、電流方向判別部46b、位相補正量算出部46c及び時間記憶部46d等の協働により、例えば所定の処理周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、パルスパターン選択部45から出力された次回の処理周期のスイッチング位相βを取得する。なお本実施形態では、処理周期毎に1つのスイッチング位相βを取得し、このスイッチング位相βに対して都度補正を行う例を説明するがこれに限らない。例えば、時間的に連続する複数のスイッチング位相βをまとめて取得し、これらスイッチング位相βに対して、予想される相電流Ipの流通方向から複数の位相補正量Δβを算出し、補正処理を行ってもよい。
続くステップS11では、次回のスイッチング位相βにおけるスイッチング状態の切り替えモードが、オン切り替えモードであるかオフ切り替えモードであるかを判別する。
続くステップS12では、次回のスイッチング位相βにおける相電流Ipの流通方向が正方向であるか負方向であるかを判別する。
続くステップS13では、スイッチング位相βにおける相電流Ipの流通方向が正方向であるか否かを判定する。ステップS13において正方向であると判定した場合には、ステップS14に進み、次回のスイッチング位相βにおいてオフ切り替えモードからオン切り替えモードへと切り替えられるか否かを判定する。
ステップS14において肯定判定した場合には、ステップS15に進み、上式(eq1)に基づいて位相補正量Δβを算出する。
ステップS14において否定判定した場合には、次回のスイッチング位相βにおいてオン切り替えモードからオフ切り替えモードへと切り替えられると判定し、ステップS16に進む。ステップS16では、上式(eq2)に基づいて位相補正量Δβを算出する。
ステップS13において否定判定した場合には、ステップS17に進み、相電流Ipの流通方向が負方向であるか否かを判定する。ステップS17において負方向であると判定した場合には、ステップS18に進み、次回のスイッチング位相βにおいてオフ切り替えモードからオン切り替えモードへと切り替えられるか否かを判定する。
ステップS18において肯定判定した場合には、ステップS19に進み、上式(eq2)に基づいて位相補正量Δβを算出する。一方、ステップS18において否定判定した場合には、次回のスイッチング位相βにおいてオン切り替えモードからオフ切り替えモードへと切り替えられると判定し、ステップS20に進む。ステップS20では、上式(eq1)に基づいて位相補正量Δβを算出する。
ステップS17において否定判定した場合には、ステップS21に進み、位相補正量Δβを0とする。
ステップS15,S16,S19,S20,S21の処理が完了した場合には、ステップS22に進み、スイッチング位相βに位相補正量Δβを加算することにより補正位相αを算出する。続くステップS23では、算出した補正位相αを第2変調器47に対して出力する。
続いて、本実施形態に係る補正処理の具体例をU相を例にして説明する。まず、図12を用いて、相電流Ipの流通方向が正方向の場合の補正処理について説明する。ここで、図12(a)は補正処理を行わない場合のPWM信号guの推移を示し、図12(b)は補正処理を行う場合のPWM信号guの推移を示す。図12(c)は補正処理を行う場合のインバータ20の出力電圧(U相電圧)の推移を示す。
図示される例では、パルスパターンに基づくスイッチング位相β1に位相補正量「−ωe(Tdead+Tdon)」が加算されることにより、補正位相α1が算出される。このため、PWM信号のオン指示信号への切り替えタイミングが、デッドタイムTdead及びターンオン遅延時間Tdonの加算値だけ早められる。その後、パルスパターンに基づくスイッチング位相β2に位相補正量「−ωe×Tdoff」が加算されることにより、補正位相α2が算出される。このため、PWM信号のオフ指示信号への切り替えタイミングが、ターンオフ遅延時間Tdoffだけ早められる。
続いて、図13を用いて、相電流Ipの流通方向が負方向の場合の補正処理について説明する。なお、図13(a)〜図13(c)は、先の図12(a)〜図12(c)に対応している。
図示される例では、パルスパターンに基づくスイッチング位相β1に位相補正量「−ωe×Tdoff」が加算されることにより、補正位相α1が算出される。このため、PWM信号のオン指示信号への切り替えタイミングが、ターンオフ遅延時間Tdoffだけ早められる。その後、パルスパターンに基づくスイッチング位相β2に位相補正量「−ωe(Tdead+Tdon)」が加算されることにより、補正位相α2が算出される。このため、PWM信号のオフ指示信号への切り替えタイミングが、デッドタイムTdead及びターンオン遅延時間Tdonの加算値だけ早められる。
続いて、Duty補正部42について説明する。なお本実施形態において、Duty補正部42については、先の図8に示したブロック図の図示を省略する。
Duty補正部42は、U,V,W相指令時比率DT1u,DT1v,DT1wに時比率補正量ΔDを加算することにより、U,V,W相補正時比率DT2u,DT2v,DT2wを算出する。ここで、時比率補正量ΔDは、スイッチング状態の切り替えモードと、指令時比率との大小比較タイミングにおけるキャリア信号CSの変化状態とに応じて変化する。この点に鑑み、Duty補正部42は、図14に示すように時比率補正量ΔDを算出する。詳しくは、Duty補正部42は、相電流Ipの流通方向が正方向であって、かつ、指令時比率がキャリア信号CSの下りと比較される場合(すなわち、オン切り替えモードである場合)、時比率補正量ΔDを下式(eq3)に基づいて算出する。なお、下式(eq3)において、fcはキャリア信号CSの周波数を示す。
ΔD=2×fc×(Tdead+Tdon) … (eq3)
Duty補正部42は、相電流Ipの流通方向が負方向であって、かつ、指令時比率がキャリア信号CSの下りと比較される場合、時比率補正量ΔDを下式(eq4)に基づいて算出する。
ΔD=2×fc×Tdoff … (eq4)
Duty補正部42は、相電流Ipの流通方向が正方向であって、かつ、指令時比率がキャリア信号CSの上りと比較される場合(すなわち、オフ切り替えモードである場合)、時比率補正量ΔDを下式(eq5)に基づいて算出する。
ΔD=−2×fc×Tdoff … (eq5)
Duty補正部42は、相電流Ipの流通方向が負方向であって、かつ、指令時比率がキャリア信号CSの上りと比較される場合、時比率補正量ΔDを下式(eq6)に基づいて算出する。
ΔD=−2×fc×(Tdead+Tdon) … (eq6)
なお、時比率補正量ΔDの算出において、ターンオフ遅延時間Tdoff、ターンオン遅延時間Tdon、及びデッドタイムTdeadは、時間記憶部46dに記憶されている値が用いられる。
図15に、本実施形態に係る指令時比率の補正処理について説明する。この処理は、Duty補正部42によって例えば所定の処理周期で繰り返し実行される。なお図15では、説明の便宜上、各相を示すU〜Wの符号u〜wを図2のように指令時比率に付していない。
この一連の処理では、まずステップS30において、次回の処理周期における指令時比率DT1をDuty算出部41から取得する。
続くステップS31では、取得した指令時比率DT1が100%又は0%のいずれかであるか否かを判定する。
ステップS31において否定判定した場合、ステップS32に進み、次回の処理周期における相電流Ipの流通方向が正方向であるか否かを判定する。なお、電流流通方向の判別は、パルスパターン補正部46で説明した手法と同様の手法で行えばよい。
ステップS32において正方向であると判定した場合には、ステップS33に進み、次回の処理周期の指令時比率DT1がキャリア信号CSの下りと大小比較されるか否かを判定する。
ステップS33において肯定判定した場合には、ステップS34に進み、上式(eq3)に基づいて時比率補正量ΔDを算出する。一方、ステップS33において否定判定した場合には、指令時比率DT1がキャリア信号CSの上りと大小比較されると判定し、ステップS35に進む。ステップS35では、上式(eq5)に基づいて時比率補正量ΔDを算出する。
ステップS32において否定判定した場合には、ステップS36に進み、相電流Ipの流通方向が負方向であるか否かを判定する。ステップS36において負方向であると判定した場合には、ステップS37に進み、次回の処理周期の指令時比率DT1がキャリア信号CSの上りと大小比較されるか否かを判定する。
ステップS37において肯定判定した場合には、ステップS38に進み、上式(eq4)に基づいて時比率補正量ΔDを算出する。一方、ステップS37において否定判定した場合には、指令時比率DT1がキャリア信号CSの下りと大小比較されると判定し、ステップS39に進む。ステップS39では、上式(eq6)に基づいて時比率補正量ΔDを算出する。
ステップS31において100%,0%であると判定した場合、又はステップS36において否定判定した場合には、ステップS40に進み、時比率補正量ΔDを0とする。
ステップS34,S35,S38,S39,S40の処理が完了した場合には、ステップS41に進み、指令時比率DT1に時比率補正量ΔDを加算することにより補正時比率DT2を算出する。続くステップS42では、算出した補正時比率DT2を第1変調器43に対して出力する。
続いて、本実施形態に係る指令時比率の補正処理の具体例を、U相を例にして説明する。まず、図16を用いて、相電流Ipの流通方向が正方向の場合の補正処理について説明する。ここで、図16(a)は補正処理を行わない場合のPWM信号guの推移を示し、図16(b)は補正処理を行う場合のPWM信号guの推移を示す。図16(c)は補正処理を行う場合のインバータ20の出力電圧の推移を示す。
図示される例では、U相指令時比率DT1uに時比率補正量「2×fc(Tdead+Tdon)」が加算されることにより、U相補正時比率DT2uが算出される。このため、PWM信号のオン指示信号への切り替えタイミングが、デッドタイムTdead及びターンオン遅延時間Tdonの加算値だけ早められる。その後、U相指令時比率DT1uに時比率補正量「−2×fc×Tdoff」が加算されることにより、U相補正時比率DT2uが算出される。このため、PWM信号のオフ指示信号への切り替えタイミングが、ターンオフ遅延時間Tdoffだけ早められる。
続いて、図17を用いて、相電流Ipの流通方向が負方向の場合の補正処理について説明する。なお、図17(a)〜図17(c)は、先の図16(a)〜図16(c)に対応している。
図示される例では、U相指令時比率DT1uに時比率補正量「2×fc×Tdoff」が加算されることにより、U相補正時比率DT2uが算出される。このため、PWM信号のオン指示信号への切り替えタイミングが、ターンオフ遅延時間Tdoffだけ早められる。その後、U相指令時比率DT1uに時比率補正量「−2×fc×(Tdead+Tdon)」が加算されることにより、U相補正時比率DT2uが算出される。このため、PWM信号のオフ指示信号への切り替えタイミングが、デッドタイムTdead及びターンオフ遅延時間Tdoffの加算値だけ早められる。
以上説明したように、本実施形態では、パルスパターン制御において、相電流の流通方向と、スイッチング状態の切り替えモードとに基づいて、スイッチング位相βを補正するための位相補正量Δβを算出した。また、三角波比較PWM制御において、相電流の流通方向と、指令時比率と比較されるキャリア信号の変化状態とに基づいて、指令時比率を補正するための時比率補正量ΔDを算出した。制御モード及び同期数Nに応じた適正なPWM信号を生成することができる。これにより、三角波比較PWM制御からパルスパターン制御に切り替えられたり、パルスパターン制御において同期数Nが切り替えられたりする場合であっても、インバータ20の出力電圧に含まれる基本波成分の振幅及び位相のそれぞれが設計時に想定した値からずれることを抑制することができる。その結果、制御モードや同期数Nの切り替え前後におけるモータジェネレータ10のトルク変動を的確に抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・相電流Ipの流通方向の判別手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、以下に説明する手法であってもよい。指令トルクTrq*に基づいて、実際のトルクを指令トルクTrq*とするためのd,q軸指令電流を設定する指令電流設定部を制御装置30に備える。この構成において、設定されたd,q軸指令電流と電気角θeとに基づいて、3相固定座標系におけるU,V,W相指令電流を算出し、算出したU,V,W相指令電流に基づいて、相電流Ipの流通方向が正方向であるか負方向であるかを判別してもよい。
また、上述したものに限らず、インバータ20の出力電圧ベクトル、dq座標系においてモータジェネレータ10に流れる電流ベクトルと出力電圧ベクトルとのなす角度(力率角)、及び電気角に基づいて、相電流Ipの流通方向を判別するものであってもよい。これは、出力電圧ベクトル、力率角及び電気角に基づいて、3相固定座標系におけるU,V,W相電流を把握可能なことに基づく手法である。
・上記実施形態では、パルスパターン制御において、スイッチング状態の切り替えモードと、相電流Ipの流通方向とに基づいて位相補正量Δβを算出したがこれに限らない。例えば、切り替えモードを用いることなく、相電流Ipの流通方向に基づいて位相補正量Δβを算出してもよい。この構成は、オン切り替えモード及びオフ切り替えモードのうち、例えばオン切り替えモードの場合に限って位相補正量Δβを算出するときに採用すればよい。
・パターン記憶部45aに記憶されるパルスパターンとしては、1電気角周期に渡る時系列パターンに限らず、例えば、1/4電気角周期に渡る時系列パターンであってもよい。これは、1/4電気角周期のパルスパターンから1電気角周期のパルスパターンを復元可能なように、1/4電気角周期のパルスパターンを生成可能なことに鑑みたものである。
・第1変調器43において用いられるキャリア信号としては、両縁変調方式のものに限らず、例えば前縁変調方式や後縁変調方式のものであってもよい。
・インバータとしては、3相インバータに限らず、例えば、上アームスイッチ及び下アームスイッチの直列接続体を2組備えるとともに、各スイッチに逆並列接続されたフリーホイールダイオードを備えるフルブリッジ回路であってもよい。
・インバータに電気的に接続される負荷であるモータジェネレータとしては、永久磁石埋込型のものに限らず、例えば巻線界磁型のものであってもよい。また、モータジェネレータとしては、同期機に限らず、例えば誘導機であってもよい。さらに、上記負荷としては、回転電機に限らない。
・上記実施形態では、ターンオン遅延時間Tdon及び、ターンオフ遅延時間Tdoffを考慮した補正処理を行っているが、各遅延時間Tdon,Tdoffが小さい場合は各遅延時間Tdon,Tdoffを0に近似し、デッドタイムTdeadのみを使用した補正処理を行ってもよい。
10…モータジェネレータ、20…インバータ、30…制御装置。

Claims (5)

  1. 上アームスイッチ(Sup〜Swp)及び下アームスイッチ(Sun〜Swn)の直列接続体を備えるインバータ(20)に適用され、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチの双方が同時にオンされることを回避するデッドタイムを設定しつつ前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチを交互にオン操作するインバータの制御装置において、
    前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチのそれぞれのスイッチングパターンが規定された時系列パターンであるパルスパターンを複数種記憶するパターン記憶部(30)と、
    前記パターン記憶部に記憶されている複数種の前記パルスパターンの中から対象となるパルスパターンを選択するパターン選択部(30)と、
    前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチの接続点と前記接続点に接続される負荷(10)との間に流れる電流の流通方向であって、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチのスイッチング状態が前記パターン選択部により選択された前記パルスパターンに基づいて切り替えられる場合における前記流通方向を判別する方向判別部(30)と、
    前記パターン選択部により選択された前記パルスパターンに基づいて定まる前記スイッチング状態の切り替えが指示される位相を、前記インバータの出力電圧に含まれる基本波成分の電気角速度と、前記方向判別部により判別された流通方向とに基づいて補正する位相補正部(30)と、
    前記位相補正部により補正された位相に基づいて、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチを交互にオン操作する操作部(30)と、を備えるインバータの制御装置。
  2. 前記パターン選択部により選択された前記パルスパターンに基づいて定まる前記スイッチング状態の切り替えモードが、前記上アームスイッチがオフ操作からオン操作に切り替えられてかつ前記下アームスイッチがオン操作からオフ操作に切り替えられるオン切り替えモード、及び前記上アームスイッチがオン操作からオフ操作に切り替えられてかつ前記下アームスイッチがオフ操作からオン操作に切り替えられるオフ切り替えモードのうちいずれであるかを判別するモード判別部(30)を備え、
    前記位相補正部は、前記電気角速度、前記方向判別部により判別された流通方向、及び前記モード判別部により判別された切り替えモードに基づいて、前記スイッチング状態の切り替えが指示される位相を補正する請求項1に記載のインバータの制御装置。
  3. 前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチのターンオン遅延時間及びターンオフ遅延時間をそれぞれ記憶する時間記憶部(30)を備え、
    前記接続点から前記負荷へと向かう電流流通方向が正方向と定義され、前記負荷から前記接続点へと向かう電流流通方向が負方向と定義されており、
    前記位相補正部は、
    前記方向判別部により電流流通方向が前記正方向であると判別されて、かつ、前記モード判別部により前記切り替えモードが前記オン切り替えモードであると判別された場合、前記電気角速度、前記時間記憶部に記憶されている前記ターンオン遅延時間、及び前記デッドタイムに基づいて、前記スイッチング状態の切り替えが指示される位相を早めるように該位相を補正する第1位相補正部と、
    前記方向判別部により電流流通方向が前記負方向であると判別されて、かつ、前記モード判別部により前記切り替えモードが前記オン切り替えモードであると判別された場合、前記電気角速度と、前記時間記憶部に記憶されている前記ターンオフ遅延時間とに基づいて、前記スイッチング状態の切り替えが指示される位相を早めるように該位相を補正する第2位相補正部と、
    前記方向判別部により電流流通方向が前記正方向であると判別されて、かつ、前記モード判別部により前記切り替えモードが前記オフ切り替えモードであると判別された場合、前記電気角速度と、前記時間記憶部に記憶されている前記ターンオフ遅延時間とに基づいて、前記スイッチング状態の切り替えが指示される位相を早めるように該位相を補正する第3位相補正部と、
    前記方向判別部により電流流通方向が前記負方向であると判別されて、かつ、前記モード判別部により前記切り替えモードが前記オフ切り替えモードであると判別された場合、前記電気角速度、前記時間記憶部に記憶されている前記ターンオン遅延時間、及び前記デッドタイムに基づいて、前記スイッチング状態の切り替えが指示される位相を早めるように該位相を補正する第4位相補正部と、を含む請求項2に記載のインバータの制御装置。
  4. 正弦波状の指令信号とキャリア信号との大小比較に基づくパルス幅変調により、PWM信号を生成する第1信号生成部(30)と、
    前記パターン選択部により選択された前記パルスパターンに基づいて、PWM信号を生成する第2信号生成部(30)と、
    前記第1信号生成部及び前記第2信号生成部のうちいずれをPWM信号の供給源とするかを選択する供給源選択部(30)と、
    前記供給源選択部により前記第1信号生成部が選択された場合、前記キャリア信号の周波数と、前記デッドタイムとに基づいて、前記第1信号生成部において用いられる前記指令信号を補正する指令信号補正部(30)と、を備え、
    前記位相補正部は、前記供給源選択部により前記第2信号生成部が選択された場合、前記第2信号生成部において用いられる前記パルスパターンにおける前記位相を補正し、
    前記操作部は、前記供給源選択部により選択された供給源により生成されたPWM信号に基づいて、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチを交互にオン操作する請求項3に記載のインバータの制御装置。
  5. 前記キャリア信号は、両縁変調方式の三角波信号であり、
    前記指令信号と大小比較される前記キャリア信号が、低下している状態及び増加している状態のうちいずれであるかを判別する状態判別部(30)を備え、
    前記指令信号補正部は、
    前記方向判別部により電流流通方向が前記正方向であると判別されて、かつ、前記状態判別部により前記低下している状態であると判別された場合、前記キャリア信号の周波数、前記時間記憶部に記憶されている前記ターンオン遅延時間、及び前記デッドタイムに基づいて、前記指令信号を補正する第1指令補正部と、
    前記方向判別部により電流流通方向が前記負方向であると判別されて、かつ、前記状態判別部により前記低下している状態であると判別された場合、前記キャリア信号の周波数と、前記時間記憶部に記憶されている前記ターンオフ遅延時間とに基づいて、前記指令信号を補正する第2指令補正部と、
    前記方向判別部により電流流通方向が前記正方向であると判別されて、かつ、前記状態判別部により前記増加している状態であると判別された場合、前記キャリア信号の周波数と、前記時間記憶部に記憶されている前記ターンオフ遅延時間とに基づいて、前記指令信号を補正する第3指令補正部と、
    前記方向判別部により電流流通方向が前記負方向であると判別されて、かつ、前記状態判別部により前記増加している状態であると判別された場合、前記キャリア信号の周波数、前記時間記憶部に記憶されている前記ターンオン遅延時間、及び前記デッドタイムに基づいて、前記指令信号を補正する第4指令補正部と、を含む請求項4に記載のインバータの制御装置。
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