JP2024043187A - 回転電機の制御装置、回転電機の制御プログラム - Google Patents

回転電機の制御装置、回転電機の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】3レベルインバータを用いて回転電機を制御する制御装置において、複数通りの出力電圧のパルスパターンからその時に応じたパルスパターンを選択する方法を提供する。【解決手段】制御装置(40)は、直流を3レベルの電位の交流相電圧に変換する3レベルインバータ(20)を用いて回転電機(10)を制御する。制御装置は、3レベルインバータから回転電機へ出力する出力電圧を、同一の変調率を実現可能な複数通りのパルスパターンに切り替え可能な変調部(40i)と、回転電機及び3レベルインバータの少なくとも一方の状態に応じて、変調部が切り替えるパルスパターンを選択する選択部(40j)と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、3レベルインバータを用いて回転電機を制御する制御装置に関する。
従来、直流を3レベルの電位の交流相電圧に変換する電力変換器を備え、電動機への出力電圧を発生する手段として、過変調モードと1パルスモードとを有する制御装置がある(特許文献1参照)。過変調モードでは、出力相電圧の基本波のゼロクロス付近でのみ変調を行い、変調を停止する部分では変調波に応じた極性の電圧を連続して出力している。1パルスモードでは、出力電圧の半周期内に単一極性の電圧パルスを1個出力している。そして、特許文献1に記載の制御装置は、特定の位相で1パルスモードと過変調モードの間の移行を行っている。
特許第2923727号公報
ところで、3レベルインバータを用いて回転電機を制御する制御装置では、中間レベルの出力電圧を出力することができるため、同一の変調率を実現可能な出力電圧のパルスパターンが複数通り存在する。特許文献1に記載の制御装置では、1パルスモードと過変調モードとの間の移行を行う位相を調整しているものの、同一の変調率を実現可能な複数通りのパルスパターンからその時に応じたパルスパターンを選択する方法について考慮していない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、3レベルインバータを用いて回転電機を制御する制御装置において、複数通りの出力電圧のパルスパターンからその時に応じたパルスパターンを選択する方法を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、
直流を3レベルの電位の交流相電圧に変換する3レベルインバータ(20)を用いて回転電機(10)を制御する制御装置(40)であって、
前記3レベルインバータから前記回転電機へ出力する出力電圧を、同一の変調率を実現可能な複数通りのパルスパターンに切り替え可能な変調部(40i)と、
前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態に応じて、前記変調部が切り替える前記パルスパターンを選択する選択部(40j)と、
を備える。
上記構成によれば、回転電機の制御装置は、直流を3レベルの電位の交流相電圧に変換する3レベルインバータを用いて回転電機を制御する。
ここで、3レベルインバータを用いて回転電機を制御する制御装置では、中間レベルの出力電圧を出力することができるため、同一の変調率を実現可能な出力電圧のパルスパターンが複数通り存在する。変調部は、前記3レベルインバータから前記回転電機へ出力する出力電圧を、同一の変調率を実現可能な複数通りのパルスパターンに切り替え可能である。そして、選択部は、前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態に応じて、前記変調部が切り替える前記パルスパターンを選択する。したがって、目標の変調率を実現する場合に、複数通りの出力電圧のパルスパターンからその時に応じたパルスパターンを選択することができる。
第2の手段では、前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態は、前記回転電機の回転速度及びトルクで定まる状態である。こうした構成によれば、選択部は、前記回転電機の回転速度及びトルクで定まる状態に応じて、前記変調部が切り替える前記パルスパターンを適切に選択することができる。
第3の手段では、前記選択部は、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態において、前記回転電機又は前記3レベルインバータの損失が他のパルスパターンでの前記損失よりも小さいパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、複数通りのパルスパターンにより同一の変調率を実現可能な場合に、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態においては、前記回転電機又は前記3レベルインバータの損失を減少させることを優先することができる。なお、回転電機のトルクは、相対的に低トルクから高トルクまでに分類することができる。
3レベルインバータを構成するスイッチング素子をオンオフする回数が少ないほど、スイッチング素子におけるスイッチング損失が減少する。しかし、出力電圧の半周期内に出力するパルス数を少なくすると、回転電機に流れる電流の歪が大きくなり回転電機における鉄損が大きくなる。一方、回転電機の回転速度が高いほど、回転電機に流れる電流に歪が生じにくくなり回転電機における鉄損が小さくなる。
そこで、第4の手段では、前記選択部は、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態において、前記回転電機の回転速度が高いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が少ないパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、回転電機における鉄損を抑制しつつ、3レベルインバータを構成するスイッチング素子におけるスイッチング損失を減少させることができる。
出力電圧の5次高調波及び7次高調波が大きくなると、回転電機に流れる電流の歪が大きくなり回転電機における鉄損が大きくなる。一方、回転電機の回転速度が低いほど、回転電機に流れる電流に歪が生じやすくなり回転電機における鉄損が大きくなる。パルスパターンを変えることにより、同一の変調率であっても5次高調波及び7次高調波を小さくすることができる点に、本願発明者は着目した。
そこで、第5の手段では、前記選択部は、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態において、前記回転電機の回転速度が低いほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、回転電機における鉄損が大きくなる時ほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択して、鉄損を減少させることができる。
回転電機の回転速度が低いほど回転電機で発生する騒音が目立ちやすくなる。一方、出力電圧の半周期内に出力するパルス数が多いほど、回転電機に流れる電流の歪が小さくなり回転電機で発生する騒音が小さくなる。
そこで、第6の手段では、前記選択部は、前記回転電機の回転速度が低いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が多いパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、回転電機で発生する騒音が目立ちやすくなる時ほど、回転電機で発生する騒音を小さくすることができる。
回転電機の回転速度が低いほど回転電機で発生する騒音が目立ちやすくなる。さらに、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が大きくなると、回転電機に流れる電流の歪が大きくなり回転電機で発生する騒音が大きくなる。
そこで、第7の手段では、前記選択部は、前記回転電機の回転速度が低いほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、回転電機で発生する騒音が目立ちやすくなる時ほど、回転電機で発生する騒音を小さくすることができる。
第8の手段では、前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態は、前記3レベルインバータに印加される直流電圧又は前記3レベルインバータへ流れる直流電流である。こうした構成によれば、選択部は、前記3レベルインバータに印加される直流電圧又は前記3レベルインバータへ流れる直流電流に応じて、前記変調部が切り替える前記パルスパターンを適切に選択することができる。
電源から回転電機までの回路の特性により、回転電機の特定の回転速度帯において3レベルインバータへ流れる直流電流に共振が生じることがある。複数通りのパルスパターンにより同一の変調率を実現可能な場合に、回転電機の特定の回転速度帯においてパルスパターンを変えることにより直流電流に共振が生じることを避けることができる点に、本願発明者は着目した。
そこで、第9の手段では、前記選択部は、前記回転電機の各回転速度帯において、前記3レベルインバータへ流れる直流電流に共振が生じないパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、3レベルインバータへ流れる直流電流に共振が生じることを避けつつ、目標の変調率を実現することができる。
出力電圧の5次高調波及び7次高調波が大きいほど、3レベルインバータへ流れる直流電流に共振が生じやすくなる。複数通りのパルスパターンにより同一の変調率を実現可能な場合に、パルスパターンを変えることにより5次高調波及び7次高調波を小さくすることができる点に、本願発明者は着目した。
そこで、第10の手段では、前記選択部は、前記3レベルインバータへ流れる直流電流が閾値よりも大きい場合に、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が他のパルスパターンでの前記5次高調波及び前記7次高調波よりも小さいパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、3レベルインバータへ流れる直流電流に共振が生じて直流電流が閾値よりも大きくなる場合に、3レベルインバータへ流れる直流電流に共振が生じることを抑制することができる。
第11の手段では、前記3レベルインバータ及び前記回転電機の少なくとも一方の状態は、前記3レベルインバータを構成するスイッチング素子の温度である。こうした構成によれば、選択部は、前記3レベルインバータを構成するスイッチング素子の温度に応じて、前記変調部が切り替える前記パルスパターンを適切に選択することができる。
第12の手段では、前記選択部は、前記3レベルインバータを構成するスイッチング素子の温度が高いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が少ないパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、前記3レベルインバータを構成するスイッチング素子の温度が高いほどスイッチング素子におけるスイッチング損失を減少させることができ、スイッチング素子の温度が過剰に高くなることを抑制することができる。
モータジェネレータの制御装置及び周辺構成を示すブロック図。 パルスパターンを示す図。 変調マップを示す模式図。 バッテリ電流優先領域を示すNT特性図。 素子温度優先領域を示すNT特性図。 損失優先領域を示すNT特性図。 騒音優先領域を示すNT特性図。 パルスパターンの選択方法を示すフローチャート。
以下、車両(例えば、ハイブリッド車や電気自動車)の車載主機である3相回転電機(回転電機)を制御する制御装置に具現化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、車両は、モータジェネレータ10、インバータ20、バッテリ(図示略)、及びモータジェネレータ10を制御対象とする制御装置40を備えている。3相回転電機としてのモータジェネレータ10は、車載主機であり、図示しない駆動輪と動力伝達可能とされている。本実施形態では、モータジェネレータ10として、Y結線された永久磁石同期機を用いている。
モータジェネレータ10には、インバータ20を介してバッテリ(電源)が電気的に接続されている。バッテリは、例えば百V以上となる端子間電圧を有する蓄電池である。バッテリとしては、例えば、リチウムイオン蓄電池や、ニッケル水素蓄電池を用いることができる。
インバータ20は、中性点クランプ型の周知の3レベルインバータである。インバータ20は、スイッチング素子、コンデンサ、クランプダイオード等を備えている。スイッチング素子として、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いることができ、より具体的にはIGBTを用いることができる。
車両は、電圧センサ(図示略)、相電流センサ51、バッテリ電流センサ(図示略)、及び回転角センサ52を備えている。電圧センサ(電圧検出部)は、バッテリの端子間電圧を電源電圧Vhとして検出する。相電流センサ51(相電流検出部)は、モータジェネレータ10に流れる各相電流(3相固定座標系における電流)を検出する。バッテリ電流センサは、バッテリからインバータ20へ流れるバッテリ電流を検出する。なお、相電流センサ51は、3相の電流のうち少なくとも2相の電流を検出できればよい。回転角センサ52(回転角検出部)は、モータジェネレータ10の回転角θを検出し、例えばレゾルバを用いることができる。
各センサの検出値は、制御装置40に入力される。制御装置40(少なくとも1つの処理部)は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェース等を備えるコンピュータにより構成されており、制御装置40が備える各部40b~40jの各機能はCPUが各部40b~40jの各機能に対応するアプリケーション(制御プログラム)を実行することにより実現される。制御装置40は、モータジェネレータ10の制御量(本実施形態では、トルク)をその指令値(指令トルクT*)に制御すべく、インバータ20の各スイッチング素子を操作する。中性点の電位を0とすると、各スイッチング素子の操作により、インバータ20は、互いに異なる3つの電位「Vh/2」,「0」,「-Vh/2」のいずれかをモータジェネレータ10の各相に出力する。
速度検出部40bは、回転角センサ52によって検出された回転角θに基づき算出した電気角θeに基づいて、モータジェネレータ10の電気角速度ω(ひいてはモータジェネレータ10の回転速度N)を算出する。
2相変換部40cは、相電流センサ51によって検出された相電流と、電気角θeとに基づいて、3相固定座標系におけるU相電流,V相電流,W相電流を、2相回転座標系(dq座標系)におけるd軸電流Idr及びq軸電流Iqrに変換する。
指令電流設定部40dは、指令トルクT*に基づいて、指令トルクT*を実現するためのd,q軸指令電流Id*,Iq*を設定する。
d軸偏差算出部40eは、d軸指令電流Id*からd軸電流Idrを減算した値として、d軸電流偏差ΔIdを算出する。q軸偏差算出部40fは、q軸指令電流Iq*からq軸電流Iqrを減算した値として、q軸電流偏差ΔIqを算出する。
電流制御器40gは、d軸電流偏差ΔIdに基づいて、d軸電流Idrをd軸指令電流Id*にフィードバック制御するための操作量として、d軸指令電圧Vd*を算出する。また、電流制御器40gは、q軸電流偏差ΔIqに基づいて、q軸電流Iqrをq軸指令電流Iq*にフィードバック制御するための操作量として、q軸指令電圧Vq*を算出する。なお、上記フィードバック制御は、例えば比例積分制御とすればよい。
指令電圧設定部40hは、3相固定座標系におけるU,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*を設定する。U,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*は、電気角で位相が互いに120°ずつずれた波形となる。詳しくは、指令電圧設定部40hは、まず、d,q軸指令電圧Vd*,Vq*、及び電圧センサによって検出された電源電圧Vhに基づいて、変調率Mrを算出する。変調率Mrは、dq座標系におけるインバータ20の出力電圧ベクトルの振幅である電圧振幅を、電源電圧Vhで規格化した値である。本実施形態では、下式に基づいて、変調率Mrを算出する。「^」は、べき乗を表し、「Vd^2」はVdの2乗である。
Mr={√(2/3)√(Vd^2+Vq^2)}×100/(Vh/2)
指令電圧設定部40hは、変調率Mrが第1規定値(本実施形態では、100)以下であると判断した場合、正弦波駆動制御(PWM変調)を行うためのU,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*を設定する。この場合、U,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*は、電気角で位相が互いに120°ずつずれた正弦波となる。なお本実施形態において、U,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*は、電源電圧Vhで規格化された値とする。このため、U,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*の振幅は1となる。
指令電圧設定部40hは、変調率Mrが第1規定値よりも高いと判断した場合、過変調制御を行う。図2に示すように、過変調制御は、5パルスパターン等の複数パルスパターン、1’パルスパターン、及び1パルスパターンを含んでいる。詳しくは、指令電圧設定部40hは、変調率Mrが第1規定値よりも高くてかつ第2規定値(本実施形態では、127)よりも低いと判断した場合、複数パルスパターン又は1’パルスパターンを行うためのU,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*を設定する。複数パルスパターン及び1’パルスパターンについては、後に詳述する。
指令電圧設定部40hは、変調率Mrが第2規定値であると判断した場合、1パルスパターンを行うためのU,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*を設定する。1パルスパターンは、中性点の電位を0とすると、破線で示すように、1電気角周期において半周期にわたって「Vh/2」の1つのパルスを出力し、残り半周期にわたって「-Vh/2」の1つのパルスを出力する相電圧波形である。なお、相電圧(出力電圧)の「Vh/2」,「-Vh/2」に対応する各相指令電圧Vu,Vv,Vwとして、「1」,「-1」を設定する。
変調器40i(変調部)は、U,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、各スイッチング素子の操作信号を生成する。例えば、指令電圧の0を基準として、0~1の範囲をとる第1キャリア信号Sig1(具体的には、三角波信号)と、-1~0の範囲をとる第2キャリア信号Sig2(具体的には、三角波信号)とが搬送波として用いられる。各キャリア信号Sig1,Sig2は、周波数が同一である。また、各キャリア信号Sig1,Sig2は、最小値となるタイミングが同期しており、最大値となるタイミングも同期している。そして、第1キャリア信号Sig1又は第2キャリア信号Sig2との大小比較により、各スイッチング素子の操作信号が生成される。
続いて、複数パルスパターン及び1’パルスパターンについて説明する。複数パルスパターン及び1’パルスパターンは、相電圧として、「Vh/2」、「0」、及び「-Vh/2」を含んでいる。1’パルスパターンは、1電気角周期において半周期内に「Vh/2」の1つのパルスと「0」を出力し、残り半周期内に「-Vh/2」の1つのパルスと「0」を出力する相電圧波形である。5パルスパターンは、1電気角周期において半周期内に「Vh/2」の5つのパルスと「0」を出力し、残り半周期内に「-Vh/2」の5つのパルスと「0」を出力する相電圧波形である。すなわち、n(nは複数)パルスパターンは、1電気角周期において半周期内に「Vh/2」のn個のパルスと「0」を出力し、残り半周期内に「-Vh/2」のn個のパルスと「0」を出力する相電圧波形である。図2に示す5(複数)パルスパターン及び1’パルスパターンでは、前半周期のパルスパターンと後半周期のパルスパターンとが点対称になっている。これらのパルスパターンを実現する方法は、例えば特許文献1、特開2016-220325号公報等に記載された方法を援用することができる。
さらに、変調器40iは、1’パルスパターンにおいて、「Vh/2」の1つのパルスの位相、及び「-Vh/2」の1つのパルスの位相を変更することにより、同一の変調率を実現可能な複数通りの1’パルスパターンに切り替え可能である。例えば、「Vh/2」の1つのパルスと「-Vh/2」の1つのパルスとを同位相ずらしたり、「Vh/2」の1つのパルスと「-Vh/2」の1つのパルスとを互いに反対位相に同じ量ずらしたりすることができる。
また、変調器40iは、半周期内のパルス数nとしてパルス数n=3,5,7,・・・(3以上の奇数の自然数)に切り替えつつ、同一(目標)の変調率を実現可能である。
さらに、変調器40iは、nパルスパターンにおいて、「Vh/2」のn個のパルスの位相及び幅、並びに「-Vh/2」のn個のパルスの位相及び幅を変更することにより、同一の変調率を実現可能な複数通りのnパルスパターンに切り替え可能である。例えば、「Vh/2」のn個のパルスと「-Vh/2」のn個のパルスとを同位相ずらしたり、「Vh/2」のn個のパルスと「-Vh/2」のn個のパルスとを互いに反対位相に同じ量ずらしたりすることができる。「Vh/2」のn個のパルスのうち一部のパルスの位相と「-Vh/2」のn個のパルスのうち一部のパルスの位相とを同位相ずらしたり、「Vh/2」のn個のパルスのうち一部のパルスの位相と「-Vh/2」のn個のパルスのうち一部のパルスの位相とを互いに反対位相に同じ量ずらしたりすることもできる。「Vh/2」のn個のパルスのうち一部のパルスの位相のみをずらしたり、「-Vh/2」のn個のパルスのうち一部のパルスの位相のみをずらしたりすることもできる。また、「Vh/2」のn個のパルスのうち一部のパルスの幅を広げ、パルスの幅を広げた合計と残りのパルスの幅を狭めた合計とを等しくすることができる。「-Vh/2」のn個のパルスのうち一部のパルスの幅を広げ、パルスの幅を広げた合計と残りのパルスの幅を狭めた合計とを等しくすることもできる。それらの際に、「Vh/2」のn個のパルスと「-Vh/2」のn個のパルスとを同様に変更したり、一方のみを変更したりすることができる。
上記のように、変調器40iは、同一の変調率を実現しつつ、1’パルスパターンにおいて、「Vh/2」の1つのパルスの位相及び「-Vh/2」の1つのパルスの位相を変更したり、nパルスパターンにおいて、パルス数nを変更したり、「Vh/2」のn個のパルスの位相及び幅、並びに「-Vh/2」のn個のパルスの位相及び幅を変更したりすることにより、出力電圧の5次高調波及び7次高調波を小さくすることができる。バッテリからモータジェネレータ10までの回路特性、及びその時のモータジェネレータ10及びインバータ20の状態において、どのパルスパターンにより出力電圧の5次高調波及び7次高調波を小さくすることができるかは、予め実験やシミュレーションにより取得しておくことができる。そして、出力電圧の5次高調波及び7次高調波を小さくすることにより、バッテリからインバータ20までの回路においてLC共振が生じにくくすることができる。
図3は、変調マップを示す模式図である。変調選択部40j(選択部)は、同図の変調マップを備えており、変調率Mrに応じて変調方式を選択する。変調選択部40jは、指令トルクT*、モータジェネレータ10の電気角速度ω、及び検出されたバッテリ電流を入力する。上述したように、変調選択部40jは、変調率Mrが第1規定値(本実施形態では、100)以下であると判断した場合、正弦波駆動制御(PWM変調)を選択する。
変調選択部40jは、変調率Mrが第1規定値よりも高くてかつ第2規定値(本実施形態では、127)よりも低いと判断した場合、1’パルスパターン又はnパルスパターンを選択する。1’パルスパターンにより同一(目標)の変調率を実現する際に、「Vh/2」の1つのパルスの位相及び「-Vh/2」の1つのパルスの位相が異なる複数通りの1’パルスパターンから、いずれか1つの1’パルスパターンを選択することができる。また、nパルスパターンにより同一(目標)の変調率を実現する際に、パルス数nの異なる複数通りのnパルスパターンから、いずれか1つのnパルスパターンを選択することができる。また、パルス数nが等しい複数のnパルスパターンにより同一(目標)の変調率を実現する際に、「Vh/2」のn個のパルスの位相及び幅、並びに「-Vh/2」のn個のパルスの位相及び幅が異なる複数通りのnパルスパターンから、いずれか1つのnパルスパターンを選択することができる。例えば、3パルスパターンにより同一(目標)の変調率を実現する際に、「Vh/2」の3個のパルスの位相及び幅、並びに「-Vh/2」の3個のパルスの位相及び幅が異なる複数通りの3パルスパターン(1),(2),(3)・・・(n)から、いずれか1つの3パルスパターンを選択することができる。
変調選択部40jは、変調率Mrが第2規定値である場合、1パルスパターンを選択する。
図4~7に示すように、変調選択部40jは、その時のモータジェネレータ10及びインバータ20の状態に応じて、変調器40iが切り替えるパルスパターンを選択する。
図4に示すように、変調選択部40jは、一点鎖線で示す電源電圧Vhが低い場合は実線で示す電源電圧Vhが高い場合よりも低い回転速度Nで、過変調制御を実行する(図5~7も同様)。バッテリからモータジェネレータ10までの回路の特性により、モータジェネレータ10の特定の回転速度帯においてインバータ20へ流れる直流電流に共振が生じることがある。複数通りのパルスパターンにより同一の変調率を実現可能な場合に、モータジェネレータ10の特定の回転速度帯においてパルスパターンを変えることにより直流電流に共振が生じることを避けることができる点に、本願発明者は着目した。具体的には、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が大きいほど、インバータ20へ流れる直流電流に共振が生じやすくなる。複数通りのパルスパターンにより同一の変調率を実現可能な場合に、パルスパターンを変えることにより5次高調波及び7次高調波を小さくすることができる点に、本願発明者は着目した。
そこで、矩形の枠(バッテリ電流優先領域)で示すように、バッテリからインバータ20までの回路のLC共振によりトルクT(バッテリ電流)が急増する(閾値よりも大きい)場合に、変調選択部40jは、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が他のパルスパターンでの5次高調波及び7次高調波よりも小さいパルスパターンを選択する。また、変調選択部40jは、モータジェネレータ10の各回転速度帯において、インバータ20へ流れる直流電流に共振が生じない(生じにくい)パルスパターンを選択してもよい。この選択は、インバータ20へ流れる直流電流に共振が生じることを予測して行ってもよいし、共振が生じる兆候が生じた場合に行ってもよい。
図5に示すように、インバータ20を構成するスイッチング素子の温度が所定温度よりも高い場合、矩形の枠(素子温度優先領域)で示すように、変調選択部40jは全領域においてパルス数が少ないパルスパターンを選択する。具体的には、変調選択部40jは、スイッチング素子の温度が高いほどパルス数が少ないパルスパターンを選択する。
出力電圧の5次高調波及び7次高調波が大きくなると、モータジェネレータ10に流れる電流の歪が大きくなりモータジェネレータ10における鉄損が大きくなる。一方、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほど、モータジェネレータ10に流れる電流に歪が生じやすくなりモータジェネレータ10における鉄損が大きくなる。パルスパターンを変えることにより、同一の変調率であっても5次高調波及び7次高調波を小さくすることができる点に、本願発明者は着目した。
そこで、図6に矩形の枠(損失優先領域)で示すように、変調選択部40jは、モータジェネレータ10のトルクTが低トルクから中トルクの状態において、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択する。なお、モータジェネレータ10のトルクTは、相対的に低トルクから高トルクまでに分類することができる。
また、インバータ20を構成するスイッチング素子をオンオフする回数が少ないほど、スイッチング素子におけるスイッチング損失が減少する。しかし、出力電圧の半周期内に出力するパルス数を少なくすると、モータジェネレータ10に流れる電流の歪が大きくなりモータジェネレータ10における鉄損が大きくなる。一方、モータジェネレータ10の回転速度Nが高いほど、モータジェネレータ10に流れる電流に歪が生じにくくなりモータジェネレータ10における鉄損が小さくなる。
そこで、図6に矩形の枠(損失優先領域)で示すように、変調選択部40jは、モータジェネレータ10のトルクが低トルクから中トルクの状態において、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほどパルス数が多いパルスパターンを選択してもよい、すなわちモータジェネレータ10の回転速度Nが高いほどパルス数が少ないパルスパターンを選択してもよい。
このように、変調選択部40jは、モータジェネレータ10のトルクが低トルクから中トルクの状態において、モータジェネレータ10又はインバータ20の損失が他のパルスパターンでの損失よりも少ないパルスパターンを選択する。
また、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほどモータジェネレータ10で発生する騒音が目立ちやすくなる。一方、出力電圧の半周期内に出力するパルス数が多いほど、モータジェネレータ10に流れる電流の歪が小さくなりモータジェネレータ10で発生する騒音が小さくなる。そこで、図7に示すように、変調選択部40jは、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほどパルス数が多いパルスパターンを選択する。
また、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほどモータジェネレータ10で発生する騒音が目立ちやすくなる。さらに、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が大きくなると、モータジェネレータ10に流れる電流の歪が大きくなりモータジェネレータ10で発生する騒音が大きくなる。そこで、図7に示すように、変調選択部40jは、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択してもよい。
また、モータジェネレータ10のトルクTが大きいほどバッテリ電流が大きくなり、モータジェネレータ10に流れる電流に歪みが生じた場合に騒音が大きくなる。そこで、図7に示すように、変調選択部40jは、モータジェネレータ10のトルクTが大きいほど、パルス数が多いパルスパターンを選択してもよい。また、変調選択部40jは、モータジェネレータ10のトルクTが大きいほど、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択してもよい。
図8は、パルスパターンの選択方法を示すフローチャートである。この一連の処理は、制御装置40の変調選択部40jにより所定の周期で繰り返し実行される。
まず、バッテリ電流優先領域であるか否か判定する(S10)。バッテリ電流優先領域は、図4に矩形の枠で示す領域である。この判定において、バッテリ電流優先領域であると判定した場合(S10:YES)、図4を参照して説明したようにバッテリ電流優先の処置を行う(S11)。
S10の判定において、バッテリ電流優先領域でないと判定した場合(S10:NO)、インバータ20を構成するスイッチング素子の温度が所定温度よりも高いか否か判定する(S12)。この判定において、スイッチング素子の温度が所定温度よりも高いと判定した場合(S12:YES)、図5を参照して説明したように素子温度優先の処置を行う(S13)。
S12の判定において、スイッチング素子の温度が所定温度よりも高くないと判定した場合(S12:NO)、損失優先領域であるか否か判定する(S14)。損失優先領域は、図6に矩形の枠で示す領域である。この判定において、損失優先領域であると判定した場合(S14:YES)、図6を参照して説明したように損失優先の処置を行う(S15)。
S14の判定において、損失優先領域でないと判定した場合(S14:NO)、図7を参照して説明したように騒音優先の処置を行う(S16)。その後、この一連の処理を終了する。すなわち、同一(目標)の変調率を実現する際の優先順位が高い順に、バッテリ電流優先の処置、素子温度優先の処置、損失優先の処置、騒音優先の処置になっている。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・インバータ20を用いてモータジェネレータ10を制御する制御装置40では、中間レベルの出力電圧を出力することができるため、同一の変調率を実現可能な出力電圧のパルスパターンが複数通り存在する。変調器40iは、インバータ20からモータジェネレータ10へ出力する出力電圧を、同一の変調率を実現可能な複数通りのパルスパターンに切り替え可能である。そして、変調選択部40jは、モータジェネレータ10及びインバータ20の少なくとも一方の状態に応じて、変調器40iが切り替えるパルスパターンを選択する。したがって、目標の変調率を実現する場合に、複数通りの出力電圧のパルスパターンからその時に応じたパルスパターンを選択することができる。
・モータジェネレータ10及びインバータ20の少なくとも一方の状態は、モータジェネレータ10の回転速度N及びトルクTで定まる状態である。こうした構成によれば、変調選択部40jは、モータジェネレータ10の回転速度N及びトルクTで定まる状態に応じて、変調器40iが切り替えるパルスパターンを適切に選択することができる。
・変調選択部40jは、モータジェネレータ10のトルクTが低トルクから中トルクの状態において、モータジェネレータ10又はインバータ20の損失が他のパルスパターンでの損失よりも小さいパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、複数通りのパルスパターンにより同一の変調率を実現可能な場合に、モータジェネレータ10のトルクTが低トルクから中トルクの状態においては、モータジェネレータ10又はインバータ20の損失を減少させることを優先することができる。
・変調選択部40jは、モータジェネレータ10のトルクTが低トルクから中トルクの状態において、モータジェネレータ10の回転速度Nが高いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が少ないパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、モータジェネレータ10における鉄損を抑制しつつ、インバータ20を構成するスイッチング素子におけるスイッチング損失を減少させることができる。
・変調選択部40jは、モータジェネレータ10のトルクTが低トルクから中トルクの状態において、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、モータジェネレータ10における鉄損が大きくなる時ほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択して、鉄損を減少させることができる。
・変調選択部40jは、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほど、またモータジェネレータ10のトルクTが大きいほど、出力電圧の半周期内に出力するパルス数が多いパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、モータジェネレータ10で発生する騒音が目立ちやすくなる時ほど、モータジェネレータ10で発生する騒音を小さくすることができる。
・変調選択部40jは、モータジェネレータ10の回転速度Nが低いほど、またモータジェネレータ10のトルクTが大きいほど、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、モータジェネレータ10で発生する騒音が目立ちやすくなる時ほど、モータジェネレータ10で発生する騒音を小さくすることができる。
・モータジェネレータ10及びインバータ20の少なくとも一方の状態は、インバータ20へ流れるバッテリ電流(直流電流)である。こうした構成によれば、変調選択部40jは、インバータ20へ流れるバッテリ電流に応じて、変調器40iが切り替えるパルスパターンを適切に選択することができる。
・変調選択部40jは、モータジェネレータ10の各回転速度帯において、インバータ20へ流れるバッテリ電流に共振が生じないパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、インバータ20へ流れるバッテリ電流に共振が生じることを避けつつ、目標の変調率を実現することができる。
・変調選択部40jは、インバータ20へ流れるバッテリ電流が閾値よりも大きい場合に、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が他のパルスパターンでの5次高調波及び7次高調波よりも小さいパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、インバータ20へ流れるバッテリ電流に共振が生じてバッテリ電流が閾値よりも大きくなる場合に、インバータ20へ流れるバッテリ電流に共振が生じることを抑制することができる。
・インバータ20及びモータジェネレータ10の少なくとも一方の状態は、インバータ20を構成するスイッチング素子の温度である。こうした構成によれば、変調選択部40jは、インバータ20を構成するスイッチング素子の温度に応じて、変調器40iが切り替えるパルスパターンを適切に選択することができる。
・変調選択部40jは、インバータ20を構成するスイッチング素子の温度が高いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が少ないパルスパターンを選択する。こうした構成によれば、インバータ20を構成するスイッチング素子の温度が高いほどスイッチング素子におけるスイッチング損失を減少させることができ、スイッチング素子の温度が過剰に高くなることを抑制することができる。
・上記のようにパルスパターンを適切に選択することにより、モータジェネレータ10の高効率化、機器や回路の破損抑制、騒音低減等を図ることができる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・バッテリ電流優先の処置、素子温度優先の処置、損失優先の処置、及び騒音優先の処置において、同一(目標)の変調率を実現する際の優先順位を変更することもできる。
・バッテリからインバータ20までの回路のLC共振によりバッテリに印加される直流電圧が急増する(閾値よりも大きい)場合に、変調選択部40jは、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が他のパルスパターンでの5次高調波及び7次高調波よりも小さいパルスパターンを選択してもよい。
・変調選択部40jは、制御装置40の処理負荷を低減させることを目的として、モータジェネレータ10の回転速度Nが高いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が少ないパルスパターンを選択してもよい。
・変調選択部40jは、モータジェネレータ10の目標回転速度及び目標トルクの少なくとも一方が変化した時等の応答性が要求される時に、出力電圧の半周期内に出力するパルス数が他のパルスパターンでのパルス数よりも多いパルスパターンを選択してもよい。こうした構成によれば、モータジェネレータ10の応答性が要求される場合に、応答性を向上させることができる。
・変調選択部40jは、モータジェネレータ10及びインバータ20のEMC(ElectroMagnetic Compatibility)の悪化を抑制することを目的として、出力電圧のパルスパターンを選択してもよい。
・特許文献1に記載された方法により、パルスパターンを切り替える位相(タイミング)を調整してもよい。
・インバータ20は、中性点クランプ型の3レベルインバータに限らず、T型の3レベルインバータ等を採用することもできる。
・制御装置40が制御する回転電機として、モータジェネレータ10に代えて、モータを採用することもできる。制御装置40が制御する回転電機は、車両の車載主機(Eアクスル、インホイールモータ等)に用いられるモータに限らず、車載補機(電動パワーステアリング、電動ファン、ポンプ)に用いられるモータであってもよい。また、制御装置40が制御する回転電機は、車両に搭載されるモータに限らず、電動飛行機、電動船舶、鉄道、ロボット、エレベータ等に搭載されるモータであってもよい。
・本開示に記載の制御装置40及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能(命令)を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御装置40及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御装置40及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
なお、上記の各変更例を組み合わせて実施することもできる。
以下、上述した実施形態及び変更例から抽出される特徴的な構成を記載する。
[構成1]
直流を3レベルの電位の交流相電圧に変換する3レベルインバータ(20)を用いて回転電機(10)を制御する制御装置(40)であって、
前記3レベルインバータから前記回転電機へ出力する出力電圧を、同一の変調率を実現可能な複数通りのパルスパターンに切り替え可能な変調部(40i)と、
前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態に応じて、前記変調部が切り替える前記パルスパターンを選択する選択部(40j)と、
を備える回転電機の制御装置。
[構成2]
前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態は、前記回転電機の回転速度及びトルクで定まる状態である、構成1に記載の回転電機の制御装置。
[構成3]
前記選択部は、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態において、前記回転電機又は前記3レベルインバータの損失が他のパルスパターンでの前記損失よりも少ないパルスパターンを選択する、構成1又は2に記載の回転電機の制御装置。
[構成4]
前記選択部は、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態において、前記回転電機の回転速度が高いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が少ないパルスパターンを選択する、構成1~3のいずれか1つに記載の回転電機の制御装置。
[構成5]
前記選択部は、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態において、前記回転電機の回転速度が低いほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択する、構成1~3のいずれか1つに記載の回転電機の制御装置。
10…モータジェネレータ、20…インバータ、40…制御装置、40i…変調器、40j…変調選択部。

Claims (13)

  1. 直流を3レベルの電位の交流相電圧に変換する3レベルインバータ(20)を用いて回転電機(10)を制御する制御装置(40)であって、
    前記3レベルインバータから前記回転電機へ出力する出力電圧を、同一の変調率を実現可能な複数通りのパルスパターンに切り替え可能な変調部(40i)と、
    前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態に応じて、前記変調部が切り替える前記パルスパターンを選択する選択部(40j)と、
    を備える回転電機の制御装置。
  2. 前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態は、前記回転電機の回転速度及びトルクで定まる状態である、請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記選択部は、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態において、前記回転電機又は前記3レベルインバータの損失が他のパルスパターンでの前記損失よりも少ないパルスパターンを選択する、請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記選択部は、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態において、前記回転電機の回転速度が高いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が少ないパルスパターンを選択する、請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記選択部は、前記回転電機のトルクが低トルクから中トルクの状態において、前記回転電機の回転速度が低いほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択する、請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記選択部は、前記回転電機の回転速度が低いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が多いパルスパターンを選択する、請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  7. 前記選択部は、前記回転電機の回転速度が低いほど出力電圧の5次高調波及び7次高調波が小さいパルスパターンを選択する、請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  8. 前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態は、前記3レベルインバータに印加される直流電圧又は前記3レベルインバータへ流れる直流電流である、請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  9. 前記選択部は、前記回転電機の各回転速度帯において、前記3レベルインバータへ流れる直流電流に共振が生じないパルスパターンを選択する、請求項1又は8に記載の回転電機の制御装置。
  10. 前記選択部は、前記3レベルインバータへ流れる直流電流が閾値よりも大きい場合に、出力電圧の5次高調波及び7次高調波が他のパルスパターンでの前記5次高調波及び前記7次高調波よりも小さいパルスパターンを選択する、請求項1又は8に記載の回転電機の制御装置。
  11. 前記3レベルインバータ及び前記回転電機の少なくとも一方の状態は、前記3レベルインバータを構成するスイッチング素子の温度である、請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  12. 前記選択部は、前記3レベルインバータを構成するスイッチング素子の温度が高いほど出力電圧の半周期内に出力するパルス数が少ないパルスパターンを選択する、請求項1又は11に記載の回転電機の制御装置。
  13. 直流を3レベルの電位の交流相電圧に変換する3レベルインバータを用いて回転電機を制御する制御プログラムであって、
    少なくとも1つの処理部(40)に、
    前記3レベルインバータから前記回転電機へ出力する出力電圧を、同一の変調率を実現可能な複数通りのパルスパターンに切り替え可能とさせ、
    前記回転電機及び前記3レベルインバータの少なくとも一方の状態に応じて、切り替える前記パルスパターンを選択させる、回転電機の制御プログラム。
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