JP2017091994A - 非水電解液蓄電素子 - Google Patents
非水電解液蓄電素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017091994A JP2017091994A JP2015224834A JP2015224834A JP2017091994A JP 2017091994 A JP2017091994 A JP 2017091994A JP 2015224834 A JP2015224834 A JP 2015224834A JP 2015224834 A JP2015224834 A JP 2015224834A JP 2017091994 A JP2017091994 A JP 2017091994A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- positive electrode
- carbon
- storage element
- active material
- negative electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
Abstract
Description
このような非水電解液蓄電素子としては、リチウムコバルト複合酸化物等の正極と、炭素の負極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解した非水電解液とからなり、充電時には、正極中のリチウムが脱離して負極の炭素に挿入され、放電時には負極に挿入されたリチウムが脱離して正極の複合酸化物に戻ることにより充放電されるリチウムイオン二次電池が多く使用されている。
エネルギー密度が高く、高速充放電に適した蓄電素子として、導電性高分子、炭素材料等を正極に用い、炭素等の負極、及び非水溶媒にリチウム塩を溶解した非水電解液からなり、充電時には、非水電解液中のアニオンが正極へ、カチオンが負極へ挿入され、放電時には、前記正極及び負極に挿入されたアニオン及びカチオンが電解液中へ脱離することにより充放電が行われる、いわゆるデュアルインターカレーションタイプの非水電解液蓄電素子(デュアルイオン蓄電素子)の実用化が期待されている。
このようにデュアルイオン蓄電素子において蓄電素子の持つ電気量は、非水電解液中のアニオン及びカチオンの総量に比例する。したがって、蓄電素子の蓄えるエネルギーは、正極活物質及び負極活物質に加えて、非水電解液の質量の合計に比例する。このため蓄電素子の質量エネルギー密度を高めることが難しい。リチウムイオン二次電池に通常使用される1mol/L程度のリチウム塩濃度の非水電解液を用いると、リチウムイオン二次蓄電素子に比べて大量の非水電解液が必要になる。一方、リチウム塩濃度が3mol/L程度の濃い非水電解液を用いると、蓄電素子の充放電の繰り返しに伴う容量の低下が大きいという課題がある。
しかし、いずれの発明も負極炭素活物質としての適用を想定した検討に終始しており、想定する金属不純物との反応が異なることが容易に想像できる。現に両発明の謳う効果はリチウムイオンの不純物との反応抑制による放電容量の維持であり、高電圧下におけるアニオンインターカレーション由来の劣化を想定した検討は行っていない。
1) アニオンを挿入及び脱離可能な正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解液を有する非水電解液蓄電素子であって、前記正極活物質は炭素からなり、該炭素について、燃焼イオンクロマトグラフィーで測定した際のS成分と、蛍光X線分析により検出された成分のうちICP−AESで測定した際のSi、Ni、V成分との合計量が60ppm以下であることを特徴とする非水電解液蓄電素子。
2) 前記炭素を燃焼イオンクロマトグラフィーで測定した際のS成分量が30ppm以下であることを特徴とする1)に記載の非水電解液蓄電素子。
3) 前記炭素をラマン分光法で測定した際の黒鉛化度(1360cm−1/1580cm−1)が0.010以上0.900以下であることを特徴とする1)又は2)に記載の非水電解液蓄電素子。
4) 前記炭素の比表面積が1.0m2/g以上22.0m2/g以下であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
1.正極
正極は、後述する本発明に係る正極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体上に正極活物質を有する正極材を備えた正極、などが挙げられる。
正極の形状には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば平板状などが挙げられる。
正極材は少なくとも後述する本発明に係る正極活物質を含む必要がある。該正極活物質以外の材料には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば導電助剤、バインダ、増粘剤、などが挙げられる。
本発明で用いる正極活物質は、非水溶媒系でアニオンを挿入及び脱離可能な炭素からなる。その例としては、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物、などが挙げられる。
前記炭素は粉末乃至粒子の形態を有することが好ましい。
前記炭素の黒鉛化度は非水電解液蓄電素子の使用目的に応じて適宜選択可能であるが、例えばラマン分光法で測定した際の1360cm−1と1580cm−1のピーク強度の比(1360cm−1/1580cm−1)が0.010以上0.900以下であることが好ましい。0.010以上であれば、結晶の過度な成長により充放電容量が減少することはなく、0.900以下であれば、高電圧時の反応促進によりガス発生量が増加することはない。黒鉛化度は、例えば顕微レーザーラマン分析装置によるスペクトル分析の結果から得ることが出来る。
前記炭素の比表面積は、非水電解液蓄電素子の使用目的に応じ適宜選択可能であるが、1.0m2/g以上22.0m2/g以下であることが好ましい。1.0m2/g以上であれば、非水電解液との接触面積の減少により充放電容量が減少することはなく、22.0m2/g以下であれば、非水電解液との接触面積の増加により反応が促進してガス発生量が増加することはない。炭素の比表面積は、例えばBET法による測定結果から得ることが出来る。
本発明で用いる炭素は、炭素中のS、Si、Ni、V成分の総量を60ppm以下とする必要があり、好ましくは45ppm以下である。前記総量が60ppmより多いと不純物によるガス発生反応が促進されるため、十分なガス発生抑制効果が得られない。
S成分量は燃焼イオンクロマトグラフィー(燃焼IC法)により、Si、Ni、V成分量は蛍光X線分析〔X−Ray Fluorescence−analysis(XRF)〕により成分種を特定した後、該成分についてICP−AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)によるスペクトル分析を行えば得られる。
前記各成分の量は非水電解液蓄電素子の使用目的に応じて適宜選択可能であるが、例えばS成分量は30ppm以下が好ましく、更に好ましくは10ppm以下である。S成分量が30ppm以下であると、ガス発生反応を促進する成分が減るため、一層ガス発生量を抑制できる。
前記高純度処理時のハロゲンガスの種類には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、塩素、トリクロロメタン、ジクロロメタン、モノクロロメタン、フッ素、テトラフルオロメタン、トリフロオロメタン、ジフルオロメタン、モノフルオロメタン、モノクロロトリフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、テトラフルオロエタン、モノクロロエタン、モノクロロフルオロエタン、モノクロロジフルオロエタン、モノクロロトリフルオロエタン、ジクロロエタン、ジクロロモノフルオロエタン、ジクロロジフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロエタン、トリクロロモノフルオロエタン、トリクロロジフルオロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン又はその化合物が挙げられる。
不活性ガスの純度は、99.99%以上が好ましく、より好ましくは、99.999%以上、更に好ましくは、99.9999%以上である。
前記高純度処理時の焼成温度には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素の結晶性を損なわないように、炭素の黒鉛化度調整温度と同じか、それよりも低い適当な温度域を設定すると良い。好ましい温度域は500℃〜3000℃であり、更に好ましくは1000℃〜2000℃である。
バインダ及び増粘剤としては、電極作製時に使用する溶媒や電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、アクリレート系ラテックス、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、PVDF、PTFE等のフッ素系バインダ、アクリレート系ラテックス、CMCが好ましい。
導電助剤としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素質材料、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
正極集電体の材質、形状、大きさ、構造には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の材質は、導電性材料で形成され、印加される電位に対して安定であればよく、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、チタン、タンタル、などが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、アルミニウムが特に好ましい。
正極集電体の大きさは、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであればよい。
正極は、正極活物質に、必要に応じてバインダ、増粘剤、導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした正極材を、正極集電体上に塗布し乾燥することにより作製できる。
前記溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系溶媒、有機系溶媒、などが挙げられる。前記水系溶媒としては、例えば、水、アルコール、などが挙げられる。前記有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエン、などが挙げられる。
なお、正極活物質をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
負極は、負極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極集電体上に負極活物質を有する負極材を備えた負極、などが挙げられる。
負極の形状には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば平板状、などが挙げられる。
負極材は、少なくとも負極活物質を含み、必要に応じて導電助剤、バインダ、増粘剤、などを含む。
負極活物質としては、非水溶媒系でリチウムイオンを挿入及び脱離可能な物質が好ましい。その例としては、炭素質材料、酸化アンチモン錫、一酸化珪素等のリチウムを吸蔵、放出可能な金属酸化物、アルミニウム、錫、珪素、亜鉛等のリチウムと合金化可能な金属又は金属合金、リチウムと合金化可能な金属と該金属を含む合金とリチウムとの複合合金化合物、チッ化コバルトリチウム等のチッ化金属リチウム、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安全性とコストの点から炭素質材料が特に好ましい。
前記炭素質材料としては、例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物、などが挙げられる。これらの中でも、人造黒鉛、天然黒鉛が特に好ましい。
バインダ及び増粘剤としては、電極作製時に使用する溶媒や電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その例としては、前記正極用のバインダ及び増粘剤と同様のものが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、PVDF、PTFE等のフッ素系バインダ、SBR、CMCが好ましい。
導電助剤としては、前記正極用の導電助剤と同様のものが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
負極集電体の材質、形状、大きさ、構造には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の材質は、導電性材料で形成され、印加される電位に対して安定であればよく、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、などが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、銅、アルミニウムが特に好ましい。
負極集電体の大きさは、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであればよい。
負極は、負極活物質に、必要に応じてバインダ及び増粘剤、導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした負極材を、負極集電体上に塗布し乾燥することにより作製できる。
前記溶媒としては、前記正極の作製方法の場合と同様のものを用いることができる。
また、負極活物質にバインダ及び増粘剤、導電剤等を加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、蒸着、スパッタ、メッキ等の手法で負極集電体上に負極活物質の薄膜を形成することもできる。
非水電解液は、非水溶媒に電解質塩を溶解させた電解液である。
非水溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好適である。
前記非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒が用いられ、低粘度な溶媒が好ましい。これらの中でも電解質塩の溶解力が高い点から、鎖状カーボネートが好ましい。
前記鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、フルオロエチルカーボネート(FEC)などが挙げられる。これらの中でもDMCが好ましい。
DMCの含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非水溶媒全体の70質量%以上が好ましく、83質量%以上がより好ましい。含有量が70質量%以上であれば、残りの溶媒として誘電率が高い環状物質(環状カーボネートや環状エステル等)を用い、かつ3M以上の高濃度の非水電解液を作製したときでも粘度が高くなりすぎることはなく、非水電解液の電極への浸み込みやイオン拡散の点で不具合を生じることもない。
前記環状カーボネートのECと、鎖状カーボネートのDMCを組み合わせた混合溶媒を用いる場合の混合割合には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、質量比(EC:DMC)で、3:10〜1:99が好ましく、3:10〜1:20がより好ましい。
前記環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(γBL)、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、などが挙げられる。
前記鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル〔酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等〕、ギ酸アルキルエステル〔ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等〕、などが挙げられる。
前記環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、などが挙げられる。
前記鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、などが挙げられる。
電解質塩としてはリチウム塩が好ましいが、非水溶媒に溶解し高いイオン伝導度を示すものであれば特に制限はない。リチウム塩の例としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、塩化リチウム(LiCl)、ホウ弗化リチウム(LiBF4)、六弗化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド〔LiN(CF3SO2)2〕、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド〔LiN(C2F5SO2)2〕、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素電極中へのアニオンの吸蔵量の大きさの観点から、LiPF6が特に好ましい。
電解質塩の濃度には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非水溶媒中に、0.5〜6mol/Lが好ましく、電池容量と出力の両立の点から、2〜4mol/Lがより好ましい。
セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために正極と負極の間に設けられる。
セパレータの材質、形状、大きさ、構造には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
セパレータの材質としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜などが挙げられる。これらの中でも、電解液保持の観点から気孔率50%以上のものが好ましい。
セパレータの形状は、微多孔(マイクロポア)を有する薄膜タイプよりも、不織布系の方が気孔率が高いため好ましい。セパレータの厚みは、短絡防止と電解液保持の観点から20μm以上が好ましい。
セパレータの大きさは、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであればよい。
セパレータの構造は、単層構造でも積層構造でもよい。
本発明の非水電解液蓄電素子は、正極、負極及び非水電解液と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより作製できる。更に、必要に応じて電池外装缶等の他の構成部材を用いることも可能である。
非水電解液蓄電素子を組み立てる方法には特に制限はなく、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
本発明の非水電解液蓄電素子の形状には特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から用途に応じて適宜選択することができる。その例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ、などが挙げられる。
本発明の非水電解液蓄電素子としては、例えば、非水電解液二次電池、非水電解液キャパシタ、などが挙げられる。
本発明の非水電解液蓄電素子は各種用途に用いることができる。その例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラなどが挙げられる。
<正極活物質の高純度処理>
正極活物質用の炭素粉末A〔D50:10.0μm、黒鉛化度:0.081、d(002):3.35Å、比表面積:17.0m2/g)〕を、黒鉛坩堝に入れた後、焼成炉に導入した。次いで炉内を1気圧(1.01325×105Pa)のアルゴン雰囲気とし、1000℃まで昇温した後、ジクロロジフルオロメタンを供給し、1000Paに減圧して12時間処理を行い、高純度処理した炭素粉末を得た。
この炭素粉末の物性及び成分の測定と確認を、次の各装置により行った。結果を表3−1、表3−2に示す。
・D50の測定:LA−950(島津製作所社製)
・黒鉛化度の測定:NRS−1000(日本分光社製)
・d(002)の測定:X′Pert PRO(Philips社製)
・比表面積の測定:TristarII(micrometrics社製)
・不純物Sの成分量の測定:AQF−100(三菱化学アナリテック社製)
・不純物Si、Ni、Vの成分の確認:ZSX Primus(リガク社製)
・検出された成分の成分量の測定:SPS5100型(エスアイアイ・ナノテクノロ
ジー社製)
前記高純度処理した炭素粉末を正極活物質とし、導電助剤のアセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)、バインダのアクリレート系ラテックス(TRD202A:JSR社製)、増粘剤のカルボキシルメチルセルロース(ダイセル2200:ダイセル化学工業社製)を、固形分の質量比で100:7.5:3.0:3.8になるように混合し、水を加えて適切な粘度に調整してスラリーを得た。このスラリーを、ドクターブレードを用いて厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布した。乾燥後の目付け量(塗工された正極中の炭素活物質粉末の質量)の平均は10mg/cm2であった。これを直径16mmに打ち抜いて正極とした。
前記正極、セパレータ2枚、及び負極を150℃で4時間真空乾燥した後、乾燥アルゴングローブボックス中で、非水電解液と合わせて2032型コインセルを組み立てた。
セパレータには、ガラス濾紙(GA100、ADVANTEC社製)を直径16mmに打ち抜いたものを用い、負極には、厚さ1mmの金属リチウム箔(本城金属社製)を直径16mmに打ち抜いたものを用い、非水電解液には、EC:DMC:FEC=2:96:2の混合物(キシダ化学社製)を溶媒とする2mol/LのLiPF6溶液を400μL用いた。
上記蓄電素子を25℃の恒温槽中に保持し、表1に示す条件で充放電試験を実施した。充放電試験には1024B−7V0.1A−4(エレクトロフィールド社製)の自動蓄電素子評価装置を使用し、基準電流値は2.0mAとした。
充電を基準電流値にした際の1回目の放電から放電容量を1サイクル目として測定し、10サイクル繰り返し充放電後の放電容量を測定し、1C放電容量とした。結果を表4に示す。また、表1に示す条件での放電容量の値の変化を図1に示す。
前記正極、前記負極を直径18mmに打ち抜き、150℃で24時間真空乾燥した後、乾燥アルゴングローブボックス中でガス発生測定用セルを組み立てた。セパレータにはガラス濾紙(GA100:ADVANTEC社製)を直径18mmに打ち抜いたものを3枚用い、非水電解液には、EC:DMC:FEC=2:96:2の混合物(キシダ化学社製)を溶媒とする2mol/LのLiPF6溶液を600μL用いた。
上記ガス発生測定セルを40℃の恒温槽中に保持し、以下の条件でガス発生測定試験を実施した。充放電試験には1024B−7V0.1A−4(エレクトロフィールド社製)の自動蓄電素子評価装置を使用した。恒温槽で5時間静置した後のガス発生量を0μLとし、基準電流値を2.0mAとした。表2に示す条件で充放電評価を行い、評価後のガス発生量を測定した。結果を表4に示す。また、表2に示す条件でのガス発生量の推移を、図2に示す。なお、表2の左端欄のサイクル数は、各段の条件で順次充放電試験を行った際のサイクル数を意味する。
元となる炭素粉末の種類と処理条件を、表3−1の実施例2〜25の各欄に示すようにした点以外は、実施例1と同様にして高純度処理した炭素粉末を得た。表中の「アルゴン配合比率」の欄の数値は、1000℃まで昇温した後、ジクロロジフルオロメタンと共に供給したアルゴンの割合(%)である。これらの炭素粉末について、実施例1と同様にして測定したD50、黒鉛化度、d(002)、比表面積、及び不純物(S、Si、Ni、V)の成分量を表3−1、表3−2に示す。
なお、炭素粉末B〜Iの詳細は次のとおりである。
・炭素粉末B(D50:10.1μm、黒鉛化度:0.109、
d(002):3.36Å、比表面積:15.8m2/g)
・炭素粉末C(D50:10.5μm、黒鉛化度:0.296、
d(002):3.35Å、比表面積:18.1m2/g)
・炭素粉末D(D50:9.9μm、黒鉛化度:0.310、
d(002):3.35Å、比表面積16.3m2/g)
・炭素粉末E(D50:10.0μm、黒鉛化度:0.966、
d(002):3.35Å、比表面積20.3m2/g)
・炭素粉末F(D50:11.2μm、黒鉛化度:0.071、
d(002):3.35Å、比表面積:0.8m2/g)
・炭素粉末G(D50:11.0μm、黒鉛化度:0.082、
d(002):3.35Å、比表面積:1.0m2/g)
・炭素粉末H(D50:9.6μm、黒鉛化度:0.074、
d(002):3.35Å、比表面積:22.0m2/g)
・炭素粉末I(D50:9.4μm、黒鉛化度:0.087、
d(002):3.35Å、比表面積:22.2m2/g)
また、正極活物質として上記各炭素粉末を用いた点以外は実施例1と同様にして正極を作製し、これらを用いて作製した各非水電解液蓄電素子及びガス発生測定セルについて、放電容量及びガス発生量を測定した。結果を表4に示す。
正極活物質として炭素粉末A〜Dを高純度処理せずに用いた点以外は、実施例1と同様にして比較例1〜4の各正極を作製した。炭素粉末A〜Dの物性及び不純物(S、Si、Ni、V)の成分量を表3−2に示す。
また、炭素粉末A〜Dを用いて各非水電解液蓄電素子及びガス発生測定セルを作製し、放電容量及びガス発生量を測定した。結果を表4に示す。更に、比較例1の蓄電素子について、前記表1に示す条件での放電容量の値の変化を図1に、比較例1のガス発生測定セルについて、表2に示す条件でのガス発生量の推移を図2に示す。
これに対し、比較例に係る高純度処理を行っていない炭素粉末は、本発明で規定する不純物の成分量を満たさず、これを用いて作製した比較例の各非水電解液蓄電素子は、放電容量は実施例と差が無いものの、炭素内の不純物による反応を抑制できないため、ガス発生量が増加した。
このように、本発明の非水電解液蓄電素子は、高い放電容量を有し、かつ、充放電時のガス発生量が少ないという優れた特性を有するものである。
Claims (4)
- アニオンを挿入及び脱離可能な正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解液を有する非水電解液蓄電素子であって、前記正極活物質は炭素からなり、該炭素について、燃焼イオンクロマトグラフィーで測定した際のS成分と、蛍光X線分析により検出された成分のうちICP−AESで測定した際のSi、Ni、V成分との合計量が、60ppm以下であることを特徴とする非水電解液蓄電素子。
- 前記炭素を燃焼イオンクロマトグラフィーで測定した際のS成分量が30ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記炭素をラマン分光法で測定した際の黒鉛化度(1360cm−1/1580cm−1)が0.010以上0.900以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記炭素の比表面積が1.0m2/g以上22.0m2/g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015224834A JP2017091994A (ja) | 2015-11-17 | 2015-11-17 | 非水電解液蓄電素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015224834A JP2017091994A (ja) | 2015-11-17 | 2015-11-17 | 非水電解液蓄電素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017091994A true JP2017091994A (ja) | 2017-05-25 |
Family
ID=58768183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015224834A Pending JP2017091994A (ja) | 2015-11-17 | 2015-11-17 | 非水電解液蓄電素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017091994A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019029077A (ja) * | 2017-07-26 | 2019-02-21 | トヨタ自動車株式会社 | 水系デュアルイオン二次電池 |
JP2020064971A (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | Tdk株式会社 | 電気二重層キャパシタ用活物質、電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタ |
JP2022529549A (ja) * | 2020-03-27 | 2022-06-23 | 寧徳新能源科技有限公司 | 負極活物質及びそれを用いた電気化学デバイス及び電子設備 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008205485A (ja) * | 2003-12-05 | 2008-09-04 | Masayuki Yoshio | 黒鉛を用いた電気二重層キャパシタ用正電極及び電気二重層キャパシタ |
JP2009043747A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | ハイブリットキャパシタおよびその製造方法 |
WO2011102473A1 (ja) * | 2010-02-19 | 2011-08-25 | 株式会社インキュベーション・アライアンス | 炭素材料及びその製造方法 |
US20120081838A1 (en) * | 2010-09-30 | 2012-04-05 | Energ2 Technologies, Inc. | Enhanced packing of energy storage particles |
JP2012532088A (ja) * | 2009-07-01 | 2012-12-13 | エナジーツー・テクノロジーズ・インコーポレイテッド | 超高純度の合成炭素材料 |
JP2013058442A (ja) * | 2011-09-09 | 2013-03-28 | Ricoh Co Ltd | 非水電解液二次電池 |
JP2013191827A (ja) * | 2012-02-13 | 2013-09-26 | Nissin Electric Co Ltd | 蓄電デバイス |
WO2014034859A1 (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-06 | 株式会社クレハ | リチウムイオンキャパシタ負極用炭素質材料及びその製造方法 |
JP2017522417A (ja) * | 2014-03-14 | 2017-08-10 | エナジーツー・テクノロジーズ・インコーポレイテッドEnerg2 Technologies, Inc. | 無溶媒中におけるゾル−ゲル重合のための新規方法、及びゾル−ゲル重合由来の可変炭素構造の作製 |
-
2015
- 2015-11-17 JP JP2015224834A patent/JP2017091994A/ja active Pending
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008205485A (ja) * | 2003-12-05 | 2008-09-04 | Masayuki Yoshio | 黒鉛を用いた電気二重層キャパシタ用正電極及び電気二重層キャパシタ |
JP2009043747A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | ハイブリットキャパシタおよびその製造方法 |
JP2012532088A (ja) * | 2009-07-01 | 2012-12-13 | エナジーツー・テクノロジーズ・インコーポレイテッド | 超高純度の合成炭素材料 |
WO2011102473A1 (ja) * | 2010-02-19 | 2011-08-25 | 株式会社インキュベーション・アライアンス | 炭素材料及びその製造方法 |
US20120081838A1 (en) * | 2010-09-30 | 2012-04-05 | Energ2 Technologies, Inc. | Enhanced packing of energy storage particles |
JP2013058442A (ja) * | 2011-09-09 | 2013-03-28 | Ricoh Co Ltd | 非水電解液二次電池 |
JP2013191827A (ja) * | 2012-02-13 | 2013-09-26 | Nissin Electric Co Ltd | 蓄電デバイス |
WO2014034859A1 (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-06 | 株式会社クレハ | リチウムイオンキャパシタ負極用炭素質材料及びその製造方法 |
JP2017522417A (ja) * | 2014-03-14 | 2017-08-10 | エナジーツー・テクノロジーズ・インコーポレイテッドEnerg2 Technologies, Inc. | 無溶媒中におけるゾル−ゲル重合のための新規方法、及びゾル−ゲル重合由来の可変炭素構造の作製 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019029077A (ja) * | 2017-07-26 | 2019-02-21 | トヨタ自動車株式会社 | 水系デュアルイオン二次電池 |
US10644358B2 (en) | 2017-07-26 | 2020-05-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Aqueous dual-ion secondary battery |
JP2020064971A (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | Tdk株式会社 | 電気二重層キャパシタ用活物質、電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタ |
JP2022529549A (ja) * | 2020-03-27 | 2022-06-23 | 寧徳新能源科技有限公司 | 負極活物質及びそれを用いた電気化学デバイス及び電子設備 |
JP7190030B2 (ja) | 2020-03-27 | 2022-12-14 | 寧徳新能源科技有限公司 | 負極活物質及びそれを用いた電気化学デバイス及び電子設備 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5758753B2 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
WO2017047213A1 (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
KR101732292B1 (ko) | 비수 전해액 축전 소자 | |
JP6669229B2 (ja) | 炭素質材料、及び電極 | |
JP6617817B2 (ja) | 多孔質炭素、及び電極 | |
JP2009295465A (ja) | リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法 | |
JP2014130719A (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
JP2016173985A (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
US9893356B2 (en) | Cathode active material for nonaqueous electrolyte secondary battery, nonaqueous electrolyte secondary battery, and method of producing cathode active material for nonaqueous electrolyte secondary battery | |
JP2016091652A (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
JP2017091994A (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
JP2017033913A (ja) | 正極活物質及びその製造方法、並びに蓄電素子 | |
JP2016167443A (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
JP2016046042A (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
JP2018152158A (ja) | 非水系蓄電素子の運転方法 | |
JP2017228513A (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
US10297828B2 (en) | Non-aqueous electrolyte storage element including positive electrode having solid electrolyte interface material on surface of carbon material | |
JP2019164986A (ja) | 正極、非水系蓄電素子及び正極合材用塗布液 | |
JP2016081801A (ja) | 正極用電極、非水電解液蓄電素子 | |
JP2018041636A (ja) | 蓄電素子 | |
JP6967473B2 (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
JP2018148018A (ja) | 非水系蓄電素子 | |
JP2017220332A (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
JP2017010798A (ja) | 非水電解液蓄電素子 | |
JP6476944B2 (ja) | 非水電解液蓄電素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181009 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190717 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190723 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20191205 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200204 |