JP2016091652A - 非水電解液蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量でかつ優れたサイクル特性を有する非水電解液蓄電素子の提供。【解決手段】(1)アニオンを挿入及び脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入及び脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水電解液とを有し、前記正極活物質として、三次元網目構造の細孔を有する難黒鉛化性炭素を用いる非水電解液蓄電素子。(2)前記難黒鉛化性炭素のBET比表面積が50〜1700m2/gで、細孔容積が0.2〜2.3mL/gである(1)に記載の非水電解液蓄電素子。【選択図】なし

Description

本発明は、アニオンを挿入及び脱離可能な正極と、カチオンを挿入及び脱離可能な負極を有する非水電解液蓄電素子に関する。
近年、携帯機器の小型化、高性能化に伴い高いエネルギー密度を持つ非水電解液蓄電素子の特性が向上し普及しており、より大容量で安全性に優れた非水電解液蓄電素子の開発も進められ、電気自動車等への搭載も始まっている。
上記非水電解液蓄電素子としては、リチウムコバルト複合酸化物等の正極と、炭素の負極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解させた非水電解液とからなり、充電時には、正極中のリチウムが脱離して負極の炭素に挿入され、放電時には負極に挿入されたリチウムが脱離して正極の複合酸化物に戻ることにより充放電されるリチウムイオン二次電池が多く使用されている。
一方、蓄電素子がハイブリット自動車等に使用される場合には、瞬時に大電流の出力が可能であることが必須であり、更には回生エネルギーで充電できることが望ましく、エネルギー密度よりも高速充放電特性が重要である。そこで化学反応を必要とせず高速で充放電可能な電気二重層キャパシタが使用されている。しかしリチウムイオン蓄電素子と比較すると、エネルギー密度は数10分の1であり、十分な容量を確保するためには重い蓄電素子が必要となり、自動車に積載した場合には燃費向上を妨げていた。
そこで、エネルギー密度が高く高速充放電に適した蓄電素子として、導電性高分子や炭素質材料などからなる正極と、炭素等の負極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解させた非水電解液とからなり、充電時には、非水電解液中のアニオンが正極へ、カチオンが負極へ挿入され、放電時には、前記正極及び負極に挿入されたアニオン及びカチオンが電解液中へ脱離することにより充放電が行われる、いわゆるデュアルインターカレーションタイプの非水電解液蓄電素子の実用化が期待されている。
リチウム塩としてLiPFを用いた場合には、下記反応式に示すように、非水電解液中から正極にPF が挿入され、負極にLiが挿入されることにより充電が行われ、正極からPF が、負極からLiが非水電解液へ脱離することにより放電が行われる。
Figure 2016091652
アニオンを吸蔵・放出する活物質としては、特許文献1〜3のように黒鉛が知られている。特許文献1には、正極活物質として黒鉛を用い、充電終止電圧をリチウム参照極に対して5.3〜5.6Vとすることにより、高容量が得られる二次電池が提案されている。特許文献2には、フッ素化処理した難黒鉛化性炭素を正極に使用することにより、高負荷放電特性に優れた電池が提案されている。特許文献3には、ホウ素化黒鉛を正極に使用することにより、サイクル特性に優れた二次電池が提案されている。しかし、本発明者らの検討によれば、正極に黒鉛を用いた場合、高容量と優れたサイクル特性を両立することができない。
本発明は、従来技術の問題点を解決し、高容量でかつ優れたサイクル特性を有する非水電解液蓄電素子の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) アニオンを挿入及び脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入及び脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水電解液とを有し、前記正極活物質として、三次元網目構造の細孔を有する難黒鉛化性炭素を用いることを特徴とする非水電解液蓄電素子。
本発明によれば、正極へのアニオンの挿入量を増加させることができるため、高容量でかつ優れたサイクル特性を有する非水電解液蓄電素子を提供できる。
本発明の非水電解液蓄電素子の一例の概略図である。 実施例9と実施例10の充放電の繰り返しにおける放電容量の推移を示す図である。 実施例9の2サイクル目、50サイクル目、100サイクル目の放電曲線を示す図である。 実施例10の2サイクル目、50サイクル目、100サイクル目の放電曲線を示す図である。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、その実施の形態には次の2)の発明も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記難黒鉛化性炭素のBET比表面積が50〜1700m/gで、細孔容積が0.2〜2.3mL/gである1)に記載の非水電解液蓄電素子。
<<非水電解液蓄電素子>>
本発明の非水電解液蓄電素子は、正極と負極と非水電解液とを有し、必要に応じてセパレータ等のその他の部材を有する。その一例の概略図を図1に示す。なお、非水電解液は電池外装缶内全体に広がっている。該非水電解液蓄電素子としては、例えば、非水電解液二次電池、非水電解液キャパシタ、などが挙げられる。
本発明者らは、正極にアニオンを蓄えるタイプの電極を用いた非水電解液蓄電素子において、正極活物質として用いる炭素質材料の種類や構造について鋭意検討した結果、三次元網目構造の細孔を有する炭素質材料を用いると、イオンが炭素質材料内部まで充填されるため高容量化できることを見出した。
しかし、アニオンのサイズがリチウムイオン等のカチオンと比較して大きいため、炭素質材料として黒鉛を用いた場合には、アニオンの黒鉛層間への挿入及び脱離により黒鉛の結晶構造の崩壊が促進され、繰り返し充放電後に容量の低下が起こる。そこで、本発明では、三次元網目構造の細孔を有する炭素質材料として、イオンの挿入及び脱離の際に結晶構造が変化し難い難黒鉛化性炭素を用いることにした。その結果、結晶構造の崩壊が抑制され、高容量で、かつ充放電の繰り返しによる容量低下を抑制することが可能となった。
次に、本発明の非水電解液蓄電素子の各構成部材について説明する。
1.正極
正極は、正極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば正極集電体上に正極活物質を有する正極材を備えたものなどが挙げられる。
正極の形状には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば平板状などが挙げられる。
1−1.正極材
正極材としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アニオンを挿入及び脱離可能な正極活物質を少なくとも含み、必要に応じてバインダ、増粘剤、導電助剤などを含む。
(1)正極活物質
正極活物質としては、三次元網目構造の細孔を有する難黒鉛化性炭素を用いる。ここで三次元網目構造とは、一つ一つの細孔が三次元的に繋がった構造を言う。また難黒鉛化性炭素は、熱硬化性樹脂等を出発材料とし、これに熱処理を施すことにより得られる。出発材料の例としては、ポリイミド、フェノール樹脂、ピッチ系の材料等が挙げられる。
前記三次元網目構造の細孔を有する難黒鉛化性炭素において、メソ孔は必須であるが、ミクロ孔は必須ではない。したがって、ミクロ孔は存在していても存在していなくても良い。なお、本発明では、細孔径が2nm未満のものをミクロ孔、細孔径が2〜50nmのものをメソ孔と称することにする。
前記難黒鉛化性炭素のBET比表面積は50〜1700m/g程度が好ましく、より好ましくは、50〜1100m/gである。50m/g程度以上であれば、十分な量の細孔が形成され、イオンの挿入が十分に行われ、高い容量を得ることができる。また、1700m/g程度以下であれば、細孔を形成している炭素壁が薄くなって、イオンの挿入及び脱離を繰り返しているうちに炭素質壁の形状が保てなくなり、サイクル特性が低下するようなことはない。
前記メソ孔は、開気孔であって気孔部分が連続するような構成であることが望ましい。このような構成であれば、イオンが円滑に移動する。
前記難黒鉛化性炭素のBJH法で測定した細孔容積は0.2〜2.3mL/g程度が好ましく、より好ましくは0.2〜1.7mL/gである。0.2mL/g程度以上であれば、メソ孔の連結部が閉じて独立した細孔になることは稀であり、イオンの移動が阻害されることもなく高い容量を得ることができる。一方、2.3mL/g程度以下であれば、炭素が嵩高くなって電極としての密度を低下させ、単位体積当たりの容量を低下させてしまうようなことはない。また、細孔を形成している炭素質壁が薄くなって、イオンの挿入及び脱離を繰り返しているうちに炭素質壁の形状が保てなくなり、サイクル特性が低下するようなこともない。
(2)バインダ及び増粘剤
バインダ及び増粘剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、アクリレート系ラテックス、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、PVDF、PTFE等のフッ素系バインダ、アクリレート系ラテックス、CMCが好ましい。
(3)導電助剤
導電助剤としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素質材料などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
1−2.正極集電体
正極集電体の材質、形状、大きさ、構造には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の材質は、導電性材料で形成され、印加される電位に対して安定であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、チタン、タンタル、などが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、アルミニウムが特に好ましい。
正極集電体の形状には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の大きさは、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
1−3.正極の作製方法
正極は、正極活物質に、必要に応じてバインダ、増粘剤、導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした正極材を正極集電体上に塗布し乾燥することにより製造することができる。前記溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系溶媒、有機系溶媒などが挙げられる。前記水系溶媒としては、例えば、水、アルコール、などが挙げられる。前記有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエン、などが挙げられる。
なお、前記正極活物質を、そのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形してペレット電極とすることもできる。
2.負極
負極は、負極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば負極集電体上に負極活物質を有する負極材を備えたものなどが挙げられる。
負極の形状には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば平板状などが挙げられる。
2−1.負極材
負極材は、負極活物質を少なくとも含み、必要に応じてバインダ、増粘剤、導電助剤などを含む。
(1)負極活物質
負極活物質としては、少なくとも非水溶媒系でカチオンを吸蔵及び脱離する物質であれば特に制限はない。カチオンとしてはリチウムイオンが汎用されており、対応する負極活物質としては、炭素質材料、酸化アンチモン錫、一酸化珪素等のリチウムを吸蔵、放出可能な金属酸化物、アルミニウム、錫、珪素、亜鉛等のリチウムと合金化可能な金属又は金属合金、リチウムと合金化可能な金属と該金属を含む合金とリチウムとの複合合金化合物、チッ化コバルトリチウム等のチッ化金属リチウムなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安全性とコストの点から、炭素質材料が特に好ましい。
前記炭素質材料としては、例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物、などが挙げられる。これらの中でも、人造黒鉛、天然黒鉛が特に好ましい。
(2)バインダ及び増粘剤
バインダ及び増粘剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、アクリレート系ラテックス、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、PVDF、PTFE等のフッ素系バインダ、SBR、CMCが好ましい。
(3)導電助剤
導電助剤としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素質材料などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2−2.負極集電体
負極集電体の材質、形状、大きさ、構造には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の材質は、導電性材料で形成されたもので、印加される電位に対して安定であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、などが挙げられる。これらの中でもステンレススチール、銅、アルミニウムが特に好ましい。
負極集電体の形状には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の大きさは、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
2−3.負極の作製方法
負極は、負極活物質に、必要に応じてバインダ、増粘剤、導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした負極材を負極集電体上に塗布し乾燥することにより製造することができる。前記溶媒としては、前記正極の作製方法の場合と同様の溶媒を用いることができる。
また、負極活物質にバインダ、増粘剤、導電剤等を加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、蒸着、スパッタ、メッキ等の手法で負極集電体上に負極活物質の薄膜を形成することもできる。
3.非水電解液
非水電解液は、非水溶媒に電解質塩を溶解した電解液である。
3−1.非水溶媒
非水溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好適である。
前記非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒が用いられ、低粘度な溶媒が好ましい。これらの中でも、電解質塩の溶解力が高い点から、鎖状カーボネートが好ましい。
前記鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)などが挙げられる。これらの中でも、DMCが好ましい。
前記DMCの含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記非水溶媒に対して70重量%以上が好ましく、83重量%以上がより好ましい。含有量が70重量%未満であると、残りの溶媒が誘電率の高い環状物質(環状カーボネートや環状エステル等)である場合には、誘電率の高い環状物質の量が増えるため、3M以上の高濃度の非水電解液を作製したときに粘度が高くなりすぎ、非水電解液の電極への染み込みや、イオン拡散の点で不具合を生じることがある。
前記環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などが挙げられる。
前記環状カーボネートとしてEC、前記鎖状カーボネートとしてDMCを組み合わせた混合溶媒を用いる場合、ECとDMCの混合割合には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記非水溶媒としては、必要に応じて、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒、などを用いることができる。
前記環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、などが挙げられる。
前記鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル〔酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等〕、ギ酸アルキルエステル〔ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等〕などが挙げられる。
前記環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、などが挙げられる。
前記鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、などが挙げられる。
3−2.電解質塩
電解質塩としては非水溶媒に溶解し、高いイオン伝導度を示すものであれば特に制限はないが、リチウム塩が好ましい。その例としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、塩化リチウム(LiCl)、ホウ弗化リチウム(LiBF)、六弗化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド〔LiN(CSO〕、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド〔LiN(CFSO〕、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素電極中へのアニオンの吸蔵量の大きさの観点から、LiPFが特に好ましい。
電解質塩の濃度には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記非水溶媒中に0.5〜6mol/Lが好ましく、電池容量と出力の両立の点から、2〜4mol/Lがより好ましい。
4.セパレータ
セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために正極と負極の間に設けられる。
セパレータの材質、形状、厚み、大きさ、構造には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
セパレータの材質としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜などが挙げられる。これらの中でも、電解液保持の観点から気孔率50%以上のものが好ましい。
セパレータの形状は、微多孔(マイクロポア)を有する薄膜タイプよりも、気孔率が高い不織布系の方が好ましい。
セパレータの厚みは、短絡防止と電解液保持の観点から20μm以上が好ましい。
セパレータの大きさは、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
セパレータの構造は、単層構造でも積層構造でもよい。
5.非水電解液蓄電素子の製造方法
本発明の非水電解液蓄電素子は、正極、負極、及び非水電解液と、必要に応じて用いられるセパレータを、適切な形状に組み立てることにより製造できる。更に、必要に応じて電池外装缶等の他の構成部材を用いることも可能である。組み立て方法としては特に制限はなく、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
本発明の非水電解液蓄電素子の形状には特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。その例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ、などが挙げられる。
6.用途
本発明の非水電解液蓄電素子の用途には特に制限はない。その例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質として炭素A(難黒鉛化性炭素系クノーベル:東洋炭素社製)、導電助剤としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)、バインダとしてアクリレート系ラテックス(TRD202A:JSR社製)、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース(ダイセル1270:ダイヤル化学工業社製)を、固形分の重量比で100:7.5:3.0:4.5になるように混合し、水を加えて適切な粘度に調整しスラリーを得た。次いでドクターブレードを用い、スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し乾燥させて電極を作製した後、φ16mmに打ち抜いて正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、9.0mg/cmであった。

<蓄電素子の作製>
上記正極を用い、セパレータとしてガラス濾紙(GA100:ADVANTEC社製)をφ16mmに打ち抜いたものを2枚用い、負極にφ16mmのリチウム金属箔を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するDMC溶液(キシダ化学社製)を用いて蓄電素子を作製した。即ち、正極とセパレータを150℃で4時間真空乾燥した後、乾燥アルゴングローブボックス中で、2032型コインセルを組み立てた。

<蓄電素子の測定>
上記蓄電素子を25℃の恒温槽中に保持し、自動電池評価装置(1024B―7V0.1A−4:エレクトロフィールド社製)を用いて充放電試験を行った。
基準電流値を1.0mAとし、充電はカットオフ電圧5.2Vで定電流、放電はカットオフ電圧3.0Vとし、充電と放電、放電と充電の間に5分間の休止を入れた。
以上の条件の充電、放電を1サイクルとし、10サイクル目まで充放電試験を行った。
(実施例2)
<正極の作製>
正極活物質として炭素B(難黒鉛化性炭素系クノーベル:東洋炭素社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例2の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、9.0mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記実施例2の正極を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製し充放電試験を行った。
(比較例1)
<正極の作製>
正極活物質として三次元網目構造の細孔を有しない難黒鉛化性炭素(ベルファインLN:ATエレクトロード社製)、導電助剤としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)、バインダとしてアクリレート系ラテックス(TRD202A:JSR社製)、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース(ダイセル2200:ダイヤル化学工業社製)を、固形分の重量比で100:7.5:3.0:3.8になるように混合し、水を加えて適切な粘度に調整し、スラリーを得た。次いで、ドクターブレードを用いて、スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し乾燥させて電極を作製した後、φ16mmに打ち抜いて比較例1の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、9.9mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記比較例1の正極を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、基準電流値を0.03mAに変えた点以外は、実施例1と同様にして充放電試験を行った。
(比較例2)
<正極の作製>
正極活物質として活性炭(ベルファインAP:ATエレクトロード社製)を用いた点以外は、比較例1と同様にして比較例2の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、9.9mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記比較例2の正極を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、基準電流値を2.0mAに変えた点以外は、実施例1と同様にして充放電試験を行った。
(比較例3)
<正極の作製>
正極活物質としてメソポーラスカーボン(カーボンメソポーラス:シグマアルドリッチ社製)、導電助剤としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)、バインダとしてアクリレート系ラテックス(TRD202A:JSR社製)、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース(ダイセル2200:ダイヤル化学工業社製)を、固形分の重量比で100:7.5:5.8:17.8になるように混合し、水を加えて適切な粘度に調整しスラリーを得た。次いでドクターブレードを用い、スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し乾燥させて電極を作製した後、φ16mmに打ち抜いて比較例3の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、0.6mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記比較例3の正極を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、基準電流値を0.03mAに変えた点以外は実施例1と同様にして充放電試験を行った。
(比較例4)
<正極の作製>
正極活物質として天然黒鉛(特CP:日本黒鉛社製)を用いた点以外は、比較例1と同様にして比較例4の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、9.9mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記比較例4の正極を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、基準電流値を2.0mAに変えた点以外は、実施例1と同様にして充放電試験を行った。
表1に、実施例1〜2と比較例1〜4の正極活物質の物性値、及び充放電測定結果として、基準電流値における10サイクル目の放電容量を示す。
なお、BET比表面積は、TriStar3020(島津製作所製)による吸着等温線の結果からBET法を用いて算出し、細孔容積はBJH法を用いて算出した。放電容量は正極活物質重量当たりの重量換算値である。
Figure 2016091652
表1から分かるように、正極に三次元網目構造の細孔を有する難黒鉛化性炭素を用いた実施例1、2は、三次元網目構造の細孔がない難黒鉛化性炭素を用いた比較例1よりも、放電容量が大きい。また、実施例1、2の方が、正極に難黒鉛化性炭素以外の炭素種を用いた比較例2〜4よりも放電容量が大きい。
(実施例3)
<正極の作製>
正極活物質として炭素C(難黒鉛化性炭素系クノーベル:東洋炭素社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例3の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、9.0mg/cmであった。

<蓄電素子の作製>
上記実施例3の正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。

<蓄電素子の測定>
上記蓄電素子を25℃の恒温槽中に保持し、実施例1と同じ自動電池評価装置を用い、基準電流値を1.0mAとして、以下の〔1〕〜〔4〕の条件で、100サイクル目まで充放電試験を行った。
〔1〕:基準電流値の1/4の電流値で5.2Vまで充電後、5.2Vを24時間維持
〔2〕:基準電流値で3.0Vまで放電後、5分間休止
〔3〕:基準電流値で5.2Vまで充電後、5分間の休止を入れ、基準電流値で3.0Vまで放電し、5分間の休止を入れる。
〔4〕:〔3〕の条件を98回繰り返す。
(実施例4)
<正極の作製>
正極活物質として炭素D(難黒鉛化性炭素系クノーベル:東洋炭素社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例4の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、9.0mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記実施例4の正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、実施例3と同様にして充放電試験を行った。
(実施例5)
<正極の作製>
正極活物質として炭素E(難黒鉛化性炭素系クノーベル:東洋炭素社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例5の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、9.0mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記実施例5の正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、実施例3と同様にして充放電試験を行った。
(実施例6)
<正極の作製>
正極活物質として炭素F(難黒鉛化性炭素系クノーベル:東洋炭素社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例6の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、4.0mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記実施例6の正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、実施例3と同様にして充放電試験を行った。
(実施例7)
<正極の作製>
正極活物質として炭素G(難黒鉛化性炭素系クノーベル:東洋炭素社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例7の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、4.0mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記実施例7の正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、実施例3と同様にして充放電試験を行った。
(実施例8)
<正極の作製>
正極活物質として炭素H(難黒鉛化性炭素系クノーベル:東洋炭素社製)、導電助剤としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)、バインダとしてアクリレート系ラテックス(TRD202A:JSR社製)、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース(ダイセル2200:ダイヤル化学工業社製)を、固形分の重量比で100:7.5:3.0:11.3になるように混合し、水を加えて適切な粘度に調整しスラリーを得た。次いでドクターブレードを用い、スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し乾燥させて電極を作製した後、φ16mmに打ち抜いて実施例8の正極を得た。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、3.5g/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記実施例8の正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、基準電流値を0.3mAとした点以外は、実施例3と同様にして充放電試験を行った。
(比較例5)
<正極の作製>
正極活物質として三次元網目構造の細孔を有しない難黒鉛化性炭素(ベルファインLN:ATエレクトロード社製)を用いた点以外は、比較例1と同様にして比較例5の正極を得た。乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、9.9mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記比較例5の正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、比較例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、基準電流値を0.03mAとした点以外は、実施例3と同様にして充放電試験を行った。
(比較例6)
<正極の作製>
正極活物質として三次元網目構造の細孔を有する易黒鉛化性炭素(易黒鉛化性炭素系クノーベル:東洋炭素社製)を用いた点以外は、実施例8と同様にして比較例6の正極を得た。乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、3.5mg/cmであった。

<蓄電素子の作製と測定>
上記比較例6の正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、実施例8と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、基準電流値を0.3mAとした点以外は、実施例3と同様にして充放電試験を行った。
表2に、実施例3〜8と比較例5〜6の正極活物質の物性値、及び充放電測定結果として放電容量と容量維持率を示す。
BET比表面積はTriStar3020(島津製作所製)による吸着等温線の結果からBET法を用いて算出し、細孔容積はBJH法を用いて算出した。
放電容量は、正極活物質重量当たりの重量換算値であり、2サイクル目、50サイクル目、100サイクル目の放電容量を、それぞれ<1><2><3>として示した。
容量維持率は、2サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の割合である。
Figure 2016091652
三次元網目構造の細孔を有しない難黒鉛化性炭素を正極に用いた比較例5では、100サイクル目の容量維持率は95%と優れているが、100サイクル目の放電容量が1.9mAh/gと非常に小さい。また、三次元網目構造の細孔を有する易黒鉛化性炭素を正極に用いた比較例6では、初期の放電容量は大きな値を示しているが、100サイクル目の容量維持率が18%と非常に低い。これに対し、実施例3〜8では、100サイクル目の放電容量が比較例5、6よりも大きい値を示している。
また、実施例3〜8の比表面積と細孔容積については、実施例3〜6では、これらの値が小さくなるに従い初期の放電容量の値も小さくなる。特に実施例3では、100サイクル目の放電容量の値が比較例6よりもやや大きい程度で十分満足できるレベルではない。この結果から、比表面積は50m/g以上、細孔容積は0.2mL/g以上とするのが好ましい。
比表面積と細孔容積の値が大きくなるに従い、初期の放電容量の値が増加していくが、実施例7〜8のように、比表面積と細孔容積の値が大きくなりすぎると、初期の放電容量の値が低下し始め、容量維持率も低下する。特に実施例8では、容量維持率が他の実施例よりもかなり低い値を示しており、100サイクル目の放電容量の値は比較例6と同程度の値となっている。この結果から、比表面積は1700m/g以下、細孔容積は2.3mL/g以下とするのが好ましい。
(実施例9)
<蓄電素子の作製と測定>
前記実施例1で作製した正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。
続いて、実施例3と同様にして充放電試験を行った。
(実施例10)
<蓄電素子の作製>
前記実施例1で作製した正極を用い、電解液として2mol/LのLiPF電解質を含有するEC/DMC/FEC(重量比2:96:2)の混合溶液(キシダ化学社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして蓄電素子を作製した。

<蓄電素子の測定>
上記蓄電素子を25℃の恒温槽中に保持し、実施例1と同じ自動電池評価装置を用い、基準電流値を1.5mAとして、以下の〔1〕〜〔4〕の条件で、100サイクル目まで充放電試験を行った。
〔1〕:基準電流値の1/4の電流値で5.2Vまで充電後、5.2Vを24時間維持
〔2〕:基準電流値で2.0Vまで放電後、5分間休止
〔3〕:基準電流値で5.2Vまで充電後、5分間の休止を入れ、基準電流値で2.0Vまで放電し、5分間の休止を入れる。
〔4〕:〔3〕の条件を98回繰り返す。
表3に、実施例9と10の正極活物質の炭素種、及び充放電測定結果として放電容量と容量維持率を示す。放電容量は、正極活物質重量当たりの重量換算値であり、2サイクル目、50サイクル目、100サイクル目の放電容量を、それぞれ<1><2><3>として示した。容量維持率は、2サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の割合である。
また、図2に実施例9と10の充放電の繰返しにおける放電容量の推移を示す。
また、図3に実施例9の、図4に実施例10の、2サイクル目、50サイクル目、100サイクル目の放電曲線を示す。
Figure 2016091652
実施例10の結果から、放電電圧を2.0Vと実施例9よりも低く設定することによって、実施例9よりも大きい放電容量を得られることが分かった。
また、実施例10では100サイクル目でも容量維持率が100%を超えており、容量の低下は観測されず、50サイクル目以降は放電容量85mAh/g付近を維持し続けている。この結果から、充放電測定の際の電圧範囲を広く設定しても、蓄電素子の劣化が促進されず、高容量でかつ優れたサイクル特性を満たすことが分かった。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池外装缶
5 負極引き出し線
6 正極引き出し線
10 非水電解液蓄電素子
特許第4569126号公報 特許第5011606号公報 特許第4392169号公報

Claims (2)

  1. アニオンを挿入及び脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入及び脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水電解液とを有し、前記正極活物質として、三次元網目構造の細孔を有する難黒鉛化性炭素を用いることを特徴とする非水電解液蓄電素子。
  2. 前記難黒鉛化性炭素のBET比表面積が50〜1700m/gで、細孔容積が0.2〜2.3mL/gである請求項1に記載の非水電解液蓄電素子。
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