JP2018041636A - 蓄電素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】入出力密度が大きく、充電量が小さい場合の出力密度を向上させることが可能な蓄電素子を提供する。【解決手段】蓄電素子10は、アニオンを挿入又は脱離することが可能な正極活物質を含む正極11と、カチオンを挿入又は脱離することが可能な負極活物質を含む負極12と、非水溶媒に電解質塩が溶解している非水電解液とを有する。非水溶媒は、鎖状カーボネート及び環状カーボネートを含み、鎖状カーボネートの含有量が67質量%以上99質量%以下であり、環状カーボネートの含有量が1質量%以上33質量%以下である。鎖状カーボネートは、エチルメチルカーボネートを含む。【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電素子に関する。
従来、非水電解液を用いた蓄電素子としては、リチウムコバルト複合酸化物等の正極活物質を含む正極と、炭素等の負極活物質を含む負極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池が多く使用されている。近年、蓄電素子は、携帯機器から電気自動車まで幅広い用途に使用されており、入出力密度が大きい蓄電素子が求められている。
入出力密度が大きい蓄電素子としては、正極活物質及び負極活物質に炭素を用い、非水電解液中のアニオンが正極へ挿入又は脱離し、非水電解液中のリチウムイオンが負極へ挿入又は脱離して充放電が行われるデュアルカーボン電池(Dual Carbon Battery: DCB)が存在する(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
デュアルカーボン電池は、正極活物質及び負極活物質の層間にイオンがインターカレートするため、電池抵抗が非常に小さく、入出力密度が非常に大きい。
しかしながら、デュアルカーボン電池は、充電量(State of charge: SOC)が小さい、すなわち、非水電解液中にイオンが多く存在する場合の出力密度が小さいという問題がある。
本発明は、入出力密度が大きく、充電量が小さい場合の出力密度を向上させることが可能な蓄電素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る蓄電素子は、アニオンを挿入又は脱離することが可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入又は脱離することが可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解している非水電解液とを有し、前記非水溶媒は、鎖状カーボネート及び環状カーボネートを含み、前記鎖状カーボネートの含有量が67質量%以上99質量%以下であり、前記環状カーボネートの含有量が1質量%以上33質量%以下であり、前記鎖状カーボネートは、エチルメチルカーボネートを含む。
本発明によると、入出力密度が大きく、充電量が小さい場合の出力密度を向上させることが可能な蓄電素子を提供することができる。
(蓄電素子)
本実施形態の蓄電素子は、アニオンを挿入又は脱離することが可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入又は脱離することが可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解している非水電解液を有し、必要に応じて、その他の部材を更に有する。
本実施形態の蓄電素子は、アニオンを挿入又は脱離することが可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入又は脱離することが可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解している非水電解液を有し、必要に応じて、その他の部材を更に有する。
本実施形態の蓄電素子は、初期充電最大電圧が、リチウム基準に対して、5.0V以上であることが好ましい。
以下、本実施形態の非水電解液蓄電素子の各構成要素について、詳細に説明する。
<正極>
正極としては、正極活物質を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体上に、正極活物質を含む正極材層を備えた正極などが挙げられる。
正極としては、正極活物質を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体上に、正極活物質を含む正極材層を備えた正極などが挙げられる。
正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、シート状などが挙げられる。
−正極材層−
正極材層としては、正極活物質を含み、必要に応じて、導電剤、バインダ、増粘剤などを更に含む。
正極材層としては、正極活物質を含み、必要に応じて、導電剤、バインダ、増粘剤などを更に含む。
−−正極活物質−−
正極活物質としては、アニオンを挿入又は脱離することが可能な物質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、入出力密度が高い点から、炭素質材料が特に好ましい。
正極活物質としては、アニオンを挿入又は脱離することが可能な物質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、入出力密度が高い点から、炭素質材料が特に好ましい。
炭素質材料としては、例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、ソフトカーボン、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などが挙げられる。これらの中も、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボンが特に好ましい。
炭素質材料は、結晶性が高い炭素質材料であることが好ましい。炭素質材料の結晶性は、X線回折、ラマン分析などで評価することができる。例えば、炭素質材料は、CuKα線を用いた粉末X線回折パターンにおいて、2θ=22.3°における回折ピーク強度I2θ=22.3°と、2θ=26.4°における回折ピーク強度I2θ=26.4°との強度比I2θ=22.3°/I2θ=26.4°が0.4以下であることが好ましい。
炭素質材料は、窒素吸着によるBET比表面積が1m2/g以上100m2/g以下であることが好ましく、レーザー回折・散乱法により求めたメジアン径が0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。
ソフトカーボンとは、例えば、不活性雰囲気下での熱処理によって炭素原子で構成される六角網面が、規則的な積層構造を形成しやすいカーボンの総称である。
本実施形態においては、例えば、不活性雰囲気下で熱処理されたときに、(002)面の平均面間隔d002が3.50Å以下、好ましくは3.35Å以上3.45Å以下となる結晶構造を形成するソフトカーボンが使用される。
ソフトカーボンの原料としては、例えば、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、コークス、アントラセン等の易黒鉛化性炭素が挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレンなどが挙げられる。
−−バインダ−−
バインダとしては、正極を製造する時に使用する溶媒や非水電解液に対して安定な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、アクリル系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
バインダとしては、正極を製造する時に使用する溶媒や非水電解液に対して安定な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、アクリル系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
−−増粘剤−−
増粘剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEO)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化デンプン、リン酸化デンプン、カゼイン、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
増粘剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEO)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化デンプン、リン酸化デンプン、カゼイン、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
−−導電剤−−
導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
正極材層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上300μm以下であることが好ましく、40μm以上200μm以下であることがより好ましい。正極材層の平均厚みが20μm以上であることにより、十分な入出力密度の蓄電素子が得られ、300μm以下であることにより、良好な負荷特性の蓄電素子が得られる。
−正極集電体−
正極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたもので、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、アルミニウムが特に好ましい。
正極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<正極の作製方法>
正極は、正極活物質に、必要に応じて、バインダ、増粘剤、導電剤、溶媒等を加えて、スラリー状とした正極材層用塗布液を、正極集電体上に塗布した後、乾燥させて、正極材層を形成することによって作製することができる。
正極は、正極活物質に、必要に応じて、バインダ、増粘剤、導電剤、溶媒等を加えて、スラリー状とした正極材層用塗布液を、正極集電体上に塗布した後、乾燥させて、正極材層を形成することによって作製することができる。
溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系溶媒、有機系溶媒などが挙げられる。
水系溶媒としては、例えば、水、アルコールなどが挙げられる。
有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエンなどが挙げられる。
なお、正極活物質に、必要に応じて、バインダ、導電剤等を加えた正極材層用組成物を、ロール成形してシート電極としたり、圧縮成形してペレット電極としたりすることもできる。
<負極>
負極としては、負極活物質を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極集電体上に、負極活物質を含む負極材層を備えた負極などが挙げられる。
負極としては、負極活物質を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極集電体上に、負極活物質を含む負極材層を備えた負極などが挙げられる。
負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状などが挙げられる。
−負極材層−
負極材層は、負極活物質を含み、必要に応じて、バインダ、導電剤などを更に含む。
負極材層は、負極活物質を含み、必要に応じて、バインダ、導電剤などを更に含む。
−−負極活物質−−
負極活物質としては、カチオンを挿入又は脱離することが可能な物質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属又はそれを吸蔵又は放出することが可能な金属酸化物;アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属と合金化することが可能な金属と該金属を含む合金、複合合金化合物;比表面積が大きい炭素質材料等のイオンの物理吸着による非反応性電極などが挙げられる。これらの中でも、蓄電素子の入出力密度の点では、リチウム及びリチウムイオンの少なくともいずれかを挿入又は脱離することが可能な物質が好ましく、蓄電素子のサイクル特性の面では、非反応性電極がより好ましい。
負極活物質としては、カチオンを挿入又は脱離することが可能な物質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属又はそれを吸蔵又は放出することが可能な金属酸化物;アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属と合金化することが可能な金属と該金属を含む合金、複合合金化合物;比表面積が大きい炭素質材料等のイオンの物理吸着による非反応性電極などが挙げられる。これらの中でも、蓄電素子の入出力密度の点では、リチウム及びリチウムイオンの少なくともいずれかを挿入又は脱離することが可能な物質が好ましく、蓄電素子のサイクル特性の面では、非反応性電極がより好ましい。
負極活物質としては、具体的には、炭素質材料、酸化アンチモン錫、一酸化珪素等のリチウムを吸蔵又は放出することが可能な金属酸化物、アルミニウム、錫、珪素、亜鉛等のリチウムと合金化することが可能な金属又は金属合金、リチウムと合金化することが可能な金属と該金属を含む合金とリチウムとの複合合金化合物、チッ化コバルトリチウム等のチッ化金属リチウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、蓄電素子の入出力密度が高い点から、チタン酸リチウムが特に好ましい。
炭素質材料としては、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などが挙げられる。これらの中でも、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボン又はハードカーボンが特に好ましい。
本実施形態においては、例えば、不活性雰囲気下で熱処理された時に、(002)面の平均面間隔d002が3.50Åを超える結晶構造を形成するハードカーボンが使用される。
ハードカーボンの原料としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックなどが挙げられる。
−−バインダ−−
バインダとしては、負極を製造する時に使用する溶媒や非水電解液に対して安定な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEO)などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
バインダとしては、負極を製造する時に使用する溶媒や非水電解液に対して安定な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEO)などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
−−導電剤−−
導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
負極材層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上450μm以下であることが好ましく、20μm以上200μm以下であることがより好ましい。負極材層の平均厚みが10μm以上であることにより、サイクル特性が良好な蓄電素子となり、450μm以下であることにより、十分な入出力密度の蓄電素子が得られる。
−負極集電体−
負極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅などが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、銅が特に好ましい。
負極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<負極の作製方法>
負極は、負極活物質に、必要に応じて、バインダ、導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした負極材層用塗布液を、負極集電体上に塗布した後、乾燥させて、負極材層を形成することによって作製することができる。
負極は、負極活物質に、必要に応じて、バインダ、導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした負極材層用塗布液を、負極集電体上に塗布した後、乾燥させて、負極材層を形成することによって作製することができる。
溶媒としては、<正極の作製方法>と同様の溶媒を用いることができる。
また、負極活物質に、必要に応じて、バインダ、導電剤等を加えた負極材層用組成物を、ロール成形してシート電極としたり、圧縮成形してペレット電極としたりすることもできる。また、蒸着、スパッタ、メッキ等の手法で、負極集電体上に負極活物質の薄膜を形成することもできる。
<非水電解液>
非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解している。
非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解している。
−非水溶媒−
非水溶媒は、鎖状カーボネート及び環状カーボネートを含み、鎖状カーボネートは、エチルメチルカーボネート(EMC)を含む。鎖状カーボネートがエチルメチルカーボネート(EMC)を含まない場合は、蓄電素子の充電量が小さい場合の出力密度が低下する。
非水溶媒は、鎖状カーボネート及び環状カーボネートを含み、鎖状カーボネートは、エチルメチルカーボネート(EMC)を含む。鎖状カーボネートがエチルメチルカーボネート(EMC)を含まない場合は、蓄電素子の充電量が小さい場合の出力密度が低下する。
鎖状カーボネート中のエチルメチルカーボネート(EMC)の含有量は、33質量%以上であることが好ましく、67質量%以上であることがより好ましい。鎖状カーボネート中のエチルメチルカーボネート(EMC)の含有量は、33質量%以上であることにより、蓄電素子の充電量が小さい場合の出力密度をさらに向上させることができる。
エチルメチルカーボネート(EMC)以外の鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピオネート(MP)などが挙げられる。
環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などが挙げられる。これらの中でも、蓄電素子の入出力密度及び初期容量が高い点から、プロピレンカーボネート(PC)が特に好ましい。
非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量は、67質量%以上99質量%以下であり、67質量%以上80質量%以下であることが好ましい。非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量が67質量%未満であると、蓄電素子の入出力密度が低下し、99質量%を超えると、蓄電素子の出力密度が低下する。
非水溶媒中の環状カーボネートの含有量は、1質量%以上33質量%以下であり、20質量%以上33質量%以下であることが好ましい。非水溶媒中の環状カーボネートの含有量が1質量%未満であると、蓄電素子の出力密度が低下し、33質量%を超えると、蓄電素子の入出力密度が低下する。
鎖状カーボネート及び環状カーボネート以外の非水溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好適である。
非プロトン性有機溶媒としては、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒などを用いることができる。
環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(γBL)、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等)、ギ酸アルキルエステル(ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等)などが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソランなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。
−電解質塩−
電解質塩としては、非水溶媒に溶解し、電離したカチオンが高いイオン伝導度を示すものであれば、特に制限はない。
電解質塩としては、非水溶媒に溶解し、電離したカチオンが高いイオン伝導度を示すものであれば、特に制限はない。
電解質塩を構成するカチオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、スピロ系4級アンモニウムイオンなどが挙げられる。
電解質塩を構成するアニオンとしては、Cl−、Br−、I−、ClO4 −、BF4 −、PF6 −、SbF6 −、AsF6 −、CF3SO3 ―、(CF3SO2)2N−、(C2F5SO2)2N−などが挙げられる。
電解質塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。電解質塩の中でも、蓄電素子の初期容量を向上させる点から、リチウム塩が特に好ましい。
リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、塩化リチウム(LiCl)、ホウ弗化リチウム(LiBF4)、六弗化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(C2F5SO2)2)、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド(LiN(CF2F5SO2)2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素質材料中へのアニオンの吸蔵量の大きさの観点から、LiPF6又はLiPF6とLiBF4の併用が特に好ましい。
非水電解液中の電解質塩の濃度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2mol/L以上であることが好ましく、2mol/L以上4mol/L以下であることがより好ましい。非水電解液中の電解質塩の濃度を2mol/L以上とすると、充放電効率の高い蓄電素子が得られ、4mol/L以下とすると、良好な大電流充放電特性の蓄電素子が得られる。
<その他の部材>
その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セパレータ、外装缶、引き出し線などが挙げられる。
その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セパレータ、外装缶、引き出し線などが挙げられる。
<セパレータ>
セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために正極と負極の間に設けられる。
セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために正極と負極の間に設けられる。
セパレータの材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
セパレータの材質としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトフロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布などが挙げられる。
セパレータの形状としては、例えば、シート状などが挙げられる。
セパレータの大きさとしては、蓄電素子に使用することが可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
セパレータは、気孔率が50%以上であることが好ましい。これにより、非水電解液の保持量を向上させることができる。
セパレータは、気孔率が高い点から、微多孔(マイクロポア)を有する薄膜よりも、不織布の方が好ましい。
セパレータの平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上100μm以下であることが好ましい。セパレータの平均厚みが20μm以上であると、非水電解液の保持量を向上させることができ、100μm以下であると、蓄電素子の入出力密度を向上させることができる。
本実施形態においては、気孔径が30μm以下の微多孔(マイクロポア)を有する薄膜を負極側に配置し、平均厚みが20μm以上100μm以下で、気孔率が50%以上の不織布を正極側に配置することが好ましい。これにより、負極側でのアルカリ金属、アルカリ土類金属の析出による正負短絡を防止することができる。
<蓄電素子の製造方法>
本実施形態の蓄電素子は、例えば、正極、負極及び非水電解液と、セパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造することができる。蓄電素子を製造する際に、必要に応じて、外装缶等を更に用いることも可能である。
本実施形態の蓄電素子は、例えば、正極、負極及び非水電解液と、セパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造することができる。蓄電素子を製造する際に、必要に応じて、外装缶等を更に用いることも可能である。
蓄電素子を組み立てる方法としては、特に制限はなく、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
<形状>
本実施形態の蓄電素子の形状としては、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネートタイプ、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプなどが挙げられる。
本実施形態の蓄電素子の形状としては、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネートタイプ、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプなどが挙げられる。
図1に、本実施形態の蓄電素子の一例を示す。
蓄電素子10は、正極11、負極12及びセパレータ13が外装缶14内に収容されており、セパレータ13内に非水電解液が充填されている。また、正極1及び負極2に、それぞれ引き出し線15及び16が設けられている。
<用途>
本実施形態の蓄電素子の用途としては、特に制限はなく、各種用途に用いることができ、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、電動自転車、電動工具等の電源、バックアップ電源などが挙げられる。
本実施形態の蓄電素子の用途としては、特に制限はなく、各種用途に用いることができ、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、電動自転車、電動工具等の電源、バックアップ電源などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<正極Aの作製>
正極活物質としての、黒鉛粉末KS−6(TIMCAL社製)10.0g及び導電剤(アセチレンブラック)0.75gに水を加えて混錬した後、増粘剤としての、カルボキシメチルセルロース(CMC)の2質量%水溶液19gを加えて混練した。続いて、バインダTRD−202A(JSR社製)0.75gを加えて混練し、正極材層用スラリーを作製した。
正極活物質としての、黒鉛粉末KS−6(TIMCAL社製)10.0g及び導電剤(アセチレンブラック)0.75gに水を加えて混錬した後、増粘剤としての、カルボキシメチルセルロース(CMC)の2質量%水溶液19gを加えて混練した。続いて、バインダTRD−202A(JSR社製)0.75gを加えて混練し、正極材層用スラリーを作製した。
ここで、黒鉛粉末KS−6(TIMCAL社製)は、窒素吸着によるBET比表面積が20m2/gであり、レーザー回折粒度分布計SALD−2200(島津製作所社製)により測定したメジアン径が3.4μmであった。
次に、正極集電体としての、アルミニウム箔上に正極材層用スラリーを塗工した後、120℃で5分間真空乾燥させ、正極材層を形成した。正極材層が形成されたアルミニウム箔を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して、正極Aを作製した。このとき、直径が16mmのアルミニウム箔に形成された正極材層中の黒鉛粉末KS−6(TIMCAL社製)の含有量は20mgであった。
<負極Aの作製>
負極活物質としての、チタン酸リチウムLTO(石原産業社製)10g及び導電剤(アセチレンブラック)0.5gに水を加えて混錬した後、増粘剤としての、カルボキシメチルセルロース(CMC)の2質量%水溶液10gを加えて混練した。続いて、バインダEX−1215(電気化学工業社製)の50.2質量%水溶液0.6gを加えて、負極材層用スラリーを作製した。
負極活物質としての、チタン酸リチウムLTO(石原産業社製)10g及び導電剤(アセチレンブラック)0.5gに水を加えて混錬した後、増粘剤としての、カルボキシメチルセルロース(CMC)の2質量%水溶液10gを加えて混練した。続いて、バインダEX−1215(電気化学工業社製)の50.2質量%水溶液0.6gを加えて、負極材層用スラリーを作製した。
次に、負極集電体としての、銅箔上に負極材層用スラリーを塗工した後、120℃で5分間真空乾燥させ、負極材層を形成した。負極材層が形成された銅箔を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して、負極Aを作製した。このとき、直径が16mmの銅箔に形成された負極材層中のチタン酸リチウムLTO(石原産業社製)の含有量は20mgであった。
<電極群の作製>
負極Aと、平均厚みが25μmのセルロースからなるセパレータと、正極Aとを、この順序で繰り返し積層して、電極群を作製した。このとき、3枚の正極、3枚のセパレータ及び4枚の負極を用いて、負極Aが最も外側に位置するようにした。得られた電極群を、厚さが0.1mmのラミネートフィルムからなる外装缶内に収容した。外装缶は、厚さが40μmのアルミニウム箔の両面にポリプロピレン層が形成されている。
負極Aと、平均厚みが25μmのセルロースからなるセパレータと、正極Aとを、この順序で繰り返し積層して、電極群を作製した。このとき、3枚の正極、3枚のセパレータ及び4枚の負極を用いて、負極Aが最も外側に位置するようにした。得られた電極群を、厚さが0.1mmのラミネートフィルムからなる外装缶内に収容した。外装缶は、厚さが40μmのアルミニウム箔の両面にポリプロピレン層が形成されている。
<非水電解液1の調製>
プロピレンカーボネート(PC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比1:2の混合溶媒に、濃度が2.0mol/Lになるように、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を溶解させ、非水電解液1を20mL調製した。
プロピレンカーボネート(PC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比1:2の混合溶媒に、濃度が2.0mol/Lになるように、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を溶解させ、非水電解液1を20mL調製した。
<非水電解液2、3の調製>
プロピレンカーボネート(PC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比を、それぞれ1:3、1:4に変更した以外は、非水電解液1と同様にして、非水電解液2、3を20mL調製した。
プロピレンカーボネート(PC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比を、それぞれ1:3、1:4に変更した以外は、非水電解液1と同様にして、非水電解液2、3を20mL調製した。
<非水電解液4の調製>
エチルメチルカーボネート(EMC)の代わりに、ジメチルカーボネート(DMC)を用いた以外は、非水電解液1と同様にして、非水電解液4を20mL調製した。
エチルメチルカーボネート(EMC)の代わりに、ジメチルカーボネート(DMC)を用いた以外は、非水電解液1と同様にして、非水電解液4を20mL調製した。
<非水電解液5の調製>
プロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比1:1:1の混合溶媒に、濃度が2.0mol/LになるようにLiPF6を溶解させ、非水電解液5を20mL調製した。
プロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比1:1:1の混合溶媒に、濃度が2.0mol/LになるようにLiPF6を溶解させ、非水電解液5を20mL調製した。
<非水電解液6〜9の調製>
プロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比を、それぞれ1:3:2、1:9:5、1:1.5:0.5、1:1.8:0.2に変更した以外は、非水電解液5と同様にして、非水電解液6〜9を20mL調製した。
プロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比を、それぞれ1:3:2、1:9:5、1:1.5:0.5、1:1.8:0.2に変更した以外は、非水電解液5と同様にして、非水電解液6〜9を20mL調製した。
<非水電解液10の調製>
プロピレンカーボネート(PC)の代わりに、エチレンカーボネート(EC)を用いた以外は、非水電解液5と同様にして、非水電解液10を20mL調製した。
プロピレンカーボネート(PC)の代わりに、エチレンカーボネート(EC)を用いた以外は、非水電解液5と同様にして、非水電解液10を20mL調製した。
<非水電解液11の調製>
エチルメチルカーボネート(EMC)に、濃度が2.0mol/LになるようにLiPF6を溶解させ、非水電解液11を20mL調製した。
エチルメチルカーボネート(EMC)に、濃度が2.0mol/LになるようにLiPF6を溶解させ、非水電解液11を20mL調製した。
<非水電解液12の調製>
エチルメチルカーボネート(EMC)の代わりに、ジメチルカーボネート(DMC)を用いた以外は、非水電解液11と同様にして、非水電解液12を20mL調製した。
エチルメチルカーボネート(EMC)の代わりに、ジメチルカーボネート(DMC)を用いた以外は、非水電解液11と同様にして、非水電解液12を20mL調製した。
<非水電解液13の調製>
エチルメチルカーボネート(EMC)の代わりに、プロピレンカーボネート(PC)を用いた以外は、非水電解液11と同様にして、非水電解液13を20mL調製した。
エチルメチルカーボネート(EMC)の代わりに、プロピレンカーボネート(PC)を用いた以外は、非水電解液11と同様にして、非水電解液13を20mL調製した。
<非水電解液14の調製>
プロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DMC)の質量比を、それぞれ1:1に変更した以外は、非水電解液4と同様にして、非水電解液14を20mL調製した。
プロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DMC)の質量比を、それぞれ1:1に変更した以外は、非水電解液4と同様にして、非水電解液14を20mL調製した。
<非水電解液15の調製>
プロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比1:1:1の混合溶媒に、濃度がそれぞれ1.8mol/L及び0.2mol/Lになるように、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)及びテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を溶解させ、非水電解液15を20mL調製した。
プロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比1:1:1の混合溶媒に、濃度がそれぞれ1.8mol/L及び0.2mol/Lになるように、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)及びテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を溶解させ、非水電解液15を20mL調製した。
<非水電解液16の調製>
プロピレンカーボネート(PC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比1:3の混合溶媒に、濃度がそれぞれ1.8mol/L及び0.2mol/Lになるように、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)及びテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を溶解させ、非水電解液16を20mL調製した。
プロピレンカーボネート(PC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の質量比1:3の混合溶媒に、濃度がそれぞれ1.8mol/L及び0.2mol/Lになるように、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)及びテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を溶解させ、非水電解液16を20mL調製した。
表1に、非水電解液1〜16の構成を示す。
コイン缶中に、正極A、平均厚みが25μmのセルロースからなるセパレータ、非水電解液1及び対極としての、平均厚みが200μmのリチウム電極(本庄金属社製)を収容し、蓄電素子を作製した。
室温(25℃)において、得られた蓄電素子に1mA/cm2の定電流で充電終止電圧5.2Vまで充電した。1回目の充電後の蓄電素子を1mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子に1mA/cm2の定電流で5.2Vまで充電した後、1mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルを2回行い、この時の正極Aの単位面積当たりの放電容量を測定したところ、0.85mAh/cm2であった。
なお、正極Aの単位面積当たりの容量は、充放電測定装置TOSCAT3001(東洋システム社製)を用いて計測した。
<負極Aの容量>
コイン缶中に、負極A、平均厚みが25μmのセルロースからなるセパレータ、非水電解液1及び対極としての、平均厚みが200μmのリチウム電極(本庄金属社製)を収容し、蓄電素子を作製した。
コイン缶中に、負極A、平均厚みが25μmのセルロースからなるセパレータ、非水電解液1及び対極としての、平均厚みが200μmのリチウム電極(本庄金属社製)を収容し、蓄電素子を作製した。
室温(25℃)において、得られた蓄電素子に2mA/cm2の定電流で充電終止電圧1.7Vまで充電した。1回目の充電後の蓄電素子を2mA/cm2の定電流で3.5Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子に1mA/cm2の定電流で1.7Vまで充電した後、1mA/cm2の定電流で3.5Vまで放電する充放電サイクルを2回行い、この時の負極Aの単位面積当たりの放電容量を測定したところ、0.79mAh/cm2であった。
なお、負極Aの単位面積当たりの容量は、充放電測定装置TOSCAT3001(東洋システム社製)を用いて計測した。
<実施例1>
外装缶内に収容された電極群の各セパレータに非水電解液1を充填し、蓄電素子を作製した。
外装缶内に収容された電極群の各セパレータに非水電解液1を充填し、蓄電素子を作製した。
<実施例2〜10>
非水電解液1の代わりに、それぞれ非水電解液2〜10を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電素子を作製した。
非水電解液1の代わりに、それぞれ非水電解液2〜10を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電素子を作製した。
<比較例1〜4>
非水電解液1の代わりに、それぞれ非水電解液11〜14を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電素子を作製した。
非水電解液1の代わりに、それぞれ非水電解液11〜14を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電素子を作製した。
<実施例11、12>
非水電解液1の代わりに、それぞれ非水電解液15、16を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電素子を作製した。
非水電解液1の代わりに、それぞれ非水電解液15、16を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓄電素子を作製した。
<蓄電素子の初期容量>
室温(25℃)において、蓄電素子に0.79mA/cm2の定電流で3.5V(リチウム基準に対して5.0V)まで充電した。1回目の充電後の蓄電素子を24時間保持した後、0.79mA/cm2の定電流で1.7Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子に0.79mA/cm2の定電流で3.5Vまで充電した後、0.79mA/cm2の定電流で1.7Vまで放電する充放電サイクルを1回行い、この時の放電容量を初期容量とした。
室温(25℃)において、蓄電素子に0.79mA/cm2の定電流で3.5V(リチウム基準に対して5.0V)まで充電した。1回目の充電後の蓄電素子を24時間保持した後、0.79mA/cm2の定電流で1.7Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子に0.79mA/cm2の定電流で3.5Vまで充電した後、0.79mA/cm2の定電流で1.7Vまで放電する充放電サイクルを1回行い、この時の放電容量を初期容量とした。
<蓄電素子の入出力密度>
蓄電素子の充電量(SOC)が30%、50%、80%である場合の入出力密度を評価した。蓄電素子の出力密度は、放電電流パルス(10秒)で下限電圧に到達する最大電流を限界放電出力とし、限界放電出力を蓄電素子の質量で割った値である。また、蓄電素子の入力密度は、充電電流パルス(10秒)で上限電圧に到達する最大電流を限界充電入力とし、限界充電入力を蓄電素子の質量で割った値である。このとき、休止を挟みながら、1C、2C、3C、10Cの順序で蓄電素子に放電及び充電の電流パルスを負荷した。放電及び充電の電流パルスを負荷した時の蓄電素子の電圧の降下及び上昇をプロットし、直線近似で最大電力、最大入力を算出した後、最大電力、最大入力を蓄電素子の電圧で割って、出力密度、入力密度を算出した。
蓄電素子の充電量(SOC)が30%、50%、80%である場合の入出力密度を評価した。蓄電素子の出力密度は、放電電流パルス(10秒)で下限電圧に到達する最大電流を限界放電出力とし、限界放電出力を蓄電素子の質量で割った値である。また、蓄電素子の入力密度は、充電電流パルス(10秒)で上限電圧に到達する最大電流を限界充電入力とし、限界充電入力を蓄電素子の質量で割った値である。このとき、休止を挟みながら、1C、2C、3C、10Cの順序で蓄電素子に放電及び充電の電流パルスを負荷した。放電及び充電の電流パルスを負荷した時の蓄電素子の電圧の降下及び上昇をプロットし、直線近似で最大電力、最大入力を算出した後、最大電力、最大入力を蓄電素子の電圧で割って、出力密度、入力密度を算出した。
表2に、蓄電素子の初期容量、入出力密度の測定結果を示す。
これに対して、比較例1、2の蓄電素子は、非水電解液11、12が環状カーボネートを含まないため、出力密度が小さい。
比較例3の蓄電素子は、非水電解液13が鎖状カーボネートを含まないため、入出力密度が小さい。
比較例4の蓄電素子は、非水電解液14中のプロピレンカーボネート(PC)及びジメチルカーボネート(DMC)の含有量がそれぞれ50質量%であるため、入出力密度が小さい。
10 蓄電素子
11 正極
12 負極
13 セパレータ
14 外装缶
15、16 引き出し線
11 正極
12 負極
13 セパレータ
14 外装缶
15、16 引き出し線
Journal of The Electrochemical Society, 147 (3) 899-901 (2000)
Claims (9)
- アニオンを挿入又は脱離することが可能な正極活物質を含む正極と、
カチオンを挿入又は脱離することが可能な負極活物質を含む負極と、
非水溶媒に電解質塩が溶解している非水電解液とを有し、
前記非水溶媒は、鎖状カーボネート及び環状カーボネートを含み、前記鎖状カーボネートの含有量が67質量%以上99質量%以下であり、前記環状カーボネートの含有量が1質量%以上33質量%以下であり、
前記鎖状カーボネートは、エチルメチルカーボネートを含む蓄電素子。 - 前記負極活物質が、チタン酸リチウムである請求項1に記載の蓄電素子。
- 初期充電最大電圧が、リチウム基準に対して、5.0V以上である請求項1又は2に記載の蓄電素子。
- 前記環状カーボネートが、プロピレンカーボネートを含む請求項1から3のいずれかに記載の蓄電素子。
- 前記電解質塩が、リチウム塩を含む請求項1から4のいずれかに記載の蓄電素子。
- 前記リチウム塩が、ヘキサフルオロリン酸リチウムを含む請求項5に記載の蓄電素子。
- 前記リチウム塩が、テトラフルオロホウ酸リチウムをさらに含む請求項6に記載の蓄電素子。
- 前記非水電解液は、前記電解質塩の濃度が2mol/L以上である請求項1から7のいずれかに記載の蓄電素子。
- 前記正極活物質が、炭素質材料を含む請求項1から8のいずれかに記載の蓄電素子。
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JP2020187825A (ja) * | 2019-05-09 | 2020-11-19 | Tpr株式会社 | デュアルイオン蓄電デバイス |
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-
2016
- 2016-09-08 JP JP2016175314A patent/JP2018041636A/ja active Pending
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