JP2017204338A - 非水電解液蓄電素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い重量エネルギー容量を有し、かつ繰り返しサイクル特性に優れる非水電解液蓄電素子の提供。【解決手段】アニオンを挿入乃至脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入乃至脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解されてなる非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子であって、前記非水電解液蓄電素子の初期充電最高電圧が、5.2V以上6.0V未満である非水電解液蓄電素子である。【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解液蓄電素子に関する。
従来より、非水電解液蓄電素子としては、リチウムコバルト複合酸化物等の正極と、炭素の負極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池が多く使用されている。近年、前記非水電解液蓄電素子は、携帯機器から電気自動車まで幅広い用途に使用され、高いエネルギー密度が求められてきている。
このような非水電解液蓄電素子としては、正極に導電性ポリマー、炭素質材料等の材料を用い、非水電解液中のアニオンが正極へ挿入乃至脱離し、非水電解液中のリチウムイオンが炭素質材料からなる負極へ挿入乃至脱離して充放電が行われる非水電解液蓄電素子(以下、このタイプの蓄電素子を「デュアルカーボン蓄電素子」と称することがある)が存在する(例えば、非特許文献1参照)。前記デュアルカーボン蓄電素子の放電容量は、正極のアニオン吸蔵量、正極のアニオン放出可能量、負極のカチオン吸蔵量、負極のカチオン放出可能量、非水電解液中のアニオン量、及びカチオン量で決まる。
そこで、充放電容量を増加させるため、層状構造を有する炭素質材料に非晶質部を形成させ、イオンのインターカレーションサイトを増大させる方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
そこで、充放電容量を増加させるため、層状構造を有する炭素質材料に非晶質部を形成させ、イオンのインターカレーションサイトを増大させる方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
本発明は、高い重量エネルギー容量を有し、かつ繰り返しサイクル特性に優れる非水電解液蓄電素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の非水電解液蓄電素子は、アニオンを挿入乃至脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入乃至脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解されてなる非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子であって、
前記非水電解液蓄電素子の初期充電最高電圧が、5.2V以上6.0V未満である。
前記非水電解液蓄電素子の初期充電最高電圧が、5.2V以上6.0V未満である。
本発明によると、高い重量エネルギー容量を有し、かつ繰り返しサイクル特性に優れる非水電解液蓄電素子を提供することができる。
(非水電解液蓄電素子)
本発明の非水電解液蓄電素子は、アニオンを挿入乃至脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入乃至脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解されてなる非水電解液と、を有し、
前記非水電解液蓄電素子の初期充電最高電圧が、5.2V以上6.0V未満であり、更に必要に応じてその他の部材を有する。
本発明の非水電解液蓄電素子は、アニオンを挿入乃至脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入乃至脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解されてなる非水電解液と、を有し、
前記非水電解液蓄電素子の初期充電最高電圧が、5.2V以上6.0V未満であり、更に必要に応じてその他の部材を有する。
本発明の非水電解液蓄電素子は、従来のデュアルカーボン蓄電素子の放電容量を増やすため、層状構造を有する炭素質材料に非晶質部を形成させることでイオンのインターカレーションサイトを増大させる技術では、事前に別の非水電解液蓄電素子を作製し、別途処理をしなければならないという知見に基づくものである。
したがって、本発明の非水電解液蓄電素子は、初期充電最高電圧を5.2V以上6.0V未満とすることによって、事前に別の非水電解液蓄電素子を作製することなく、炭素質材料に非晶質部を形成することができ、蓄電素子の容量を向上させることが可能となる。前記初期充電最高電圧は、5.4V以上5.8V以下が好ましい。
前記初期充電最高電圧は、「初回処理カットオフ電圧」ともいい、最初の充電で設定したカットオフ電圧まで上げて充電することを意味する。
前記初期充電最高電圧は、5.2V以上6.0V未満であり、かつ段階的に電圧を上げて充電することが、処理後の蓄電素子の容量が大きくなる点から好ましい。
前記段階的に電圧を上げて充電するとは、カットオフ電圧5.2Vで充電し放電した後、カットオフ電圧5.4Vで充電し放電した後、更にカットオフ電圧5.7Vまで充電するように、段階的に電圧を上げて充電することを意味する。
前記初期充電最高電圧は、「初回処理カットオフ電圧」ともいい、最初の充電で設定したカットオフ電圧まで上げて充電することを意味する。
前記初期充電最高電圧は、5.2V以上6.0V未満であり、かつ段階的に電圧を上げて充電することが、処理後の蓄電素子の容量が大きくなる点から好ましい。
前記段階的に電圧を上げて充電するとは、カットオフ電圧5.2Vで充電し放電した後、カットオフ電圧5.4Vで充電し放電した後、更にカットオフ電圧5.7Vまで充電するように、段階的に電圧を上げて充電することを意味する。
以下、本発明の非水電解液蓄電素子の構成部材ごとに詳細に説明する。
<正極>
前記正極は、正極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体上に正極活物質を含有する正極材層を備えた正極などが挙げられる。
前記正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、シート状などが挙げられる。
前記正極は、正極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体上に正極活物質を含有する正極材層を備えた正極などが挙げられる。
前記正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、シート状などが挙げられる。
−正極材層−
前記正極材層としては、正極活物質を含み、更に必要に応じて導電助剤、バインダ、増粘剤などを含んでなる。
前記正極材層としては、正極活物質を含み、更に必要に応じて導電助剤、バインダ、増粘剤などを含んでなる。
−−正極活物質−−
前記正極活物質としては、アニオンを挿入乃至脱離可能な物質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、エネルギー密度が高い点から炭素質材料が特に好ましい。
前記正極活物質としては、アニオンを挿入乃至脱離可能な物質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、エネルギー密度が高い点から炭素質材料が特に好ましい。
前記炭素質材料としては、例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、ソフトカーボン、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などが挙げられる。これらの中も、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボンが特に好ましい。
前記炭素質材料としては、結晶性が高い炭素質材料であることが好ましい。前記結晶性はX線回折、ラマン分析などで評価することができる。例えば、CuKα線を用いた粉末X線回折パターンにおいて、2θ=22.3°における回折ピーク強度I2θ=22.3°と、2θ=26.4°における回折ピーク強度I2θ=26.4°との強度比I2θ=22.3°/I2θ=26.4°が0.4以下であることが好ましい。
前記炭素質材料としては、結晶性が高い炭素質材料であることが好ましい。前記結晶性はX線回折、ラマン分析などで評価することができる。例えば、CuKα線を用いた粉末X線回折パターンにおいて、2θ=22.3°における回折ピーク強度I2θ=22.3°と、2θ=26.4°における回折ピーク強度I2θ=26.4°との強度比I2θ=22.3°/I2θ=26.4°が0.4以下であることが好ましい。
前記炭素質材料の窒素吸着によるBET比表面積は、1m2/g以上100m2/g以下が好ましく、レーザー回折・散乱法により求めた平均粒径(メジアン径)は、0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。
前記ソフトカーボンとは、例えば、不活性雰囲気下での熱処理によって炭素原子で構成される六角網面が、規則的な積層構造を形成しやすいカーボンの総称である。本発明においては不活性雰囲気下で熱処理されたときに(002)面の平均間隔d002面は3.50Å以下が好ましく、より好ましくは3.35Å以上3.45Å以下となる結晶構造を形成するカーボンが使用される。
前記ソフトカーボンの原料としては、例えば、石油ピッチ、石炭系ピッチ、コークス、アントラセン等の易黒鉛化コークス類が挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレンなどが挙げられる。
前記ソフトカーボンの原料としては、例えば、石油ピッチ、石炭系ピッチ、コークス、アントラセン等の易黒鉛化コークス類が挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレンなどが挙げられる。
−−バインダ−−
前記バインダとしては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、アクリル系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記バインダとしては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、アクリル系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
−−増粘剤−−
前記増粘剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEO)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記増粘剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEO)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
−−導電剤−−
前記導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記正極材層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上300μm以下が好ましく、40μm以上200μm以下がより好ましい。前記平均厚みが、20μm以上であることにより、十分なエネルギー密度が得られ、300μm以下であることにより、良好な負荷特性が得られる。
−正極集電体−
前記正極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたもので、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、アルミニウムが特に好ましい。
前記正極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたもので、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、アルミニウムが特に好ましい。
前記正極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<正極の作製方法>
前記正極は、前記正極活物質に、必要に応じて前記バインダ、前記増粘剤、前記導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした正極材層組成物を、前記正極集電体上に塗布し、乾燥して正極材層を形成することによって作製することができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系溶媒、有機系溶媒、などが挙げられる。前記水系溶媒としては、例えば、水、アルコールなどが挙げられる。前記有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエンなどが挙げられる。
なお、前記正極活物質をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたりすることもできる。
前記正極は、前記正極活物質に、必要に応じて前記バインダ、前記増粘剤、前記導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした正極材層組成物を、前記正極集電体上に塗布し、乾燥して正極材層を形成することによって作製することができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系溶媒、有機系溶媒、などが挙げられる。前記水系溶媒としては、例えば、水、アルコールなどが挙げられる。前記有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエンなどが挙げられる。
なお、前記正極活物質をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたりすることもできる。
<負極>
前記負極は、負極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極集電体上に負極活物質を含有する負極材層を備えた負極などが挙げられる。
前記負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状などが挙げられる。
前記負極は、負極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極集電体上に負極活物質を含有する負極材層を備えた負極などが挙げられる。
前記負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状などが挙げられる。
−負極材層−
前記負極材層としては、負極活物質を少なくとも含み、更に必要に応じてバインダ、導電剤などを含んでなる。
前記負極材層としては、負極活物質を少なくとも含み、更に必要に応じてバインダ、導電剤などを含んでなる。
−−負極活物質−−
前記負極活物質としては、カチオンを挿入乃至脱離可能な物質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属又はそれを吸蔵、放出可能な金属酸化物;アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属と合金化可能な金属と該金属を含む合金、複合合金化合物;高比表面積の炭素質材料等のイオンの物理吸着による非反応性電極などが挙げられる。これらの中でも、エネルギー密度の点ではリチウム及びリチウムイオンの少なくともいずれかを挿入乃至脱離可能な物質が好ましく、サイクル特性の面では非反応性電極がより好ましい。
前記負極活物質としては、カチオンを挿入乃至脱離可能な物質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属又はそれを吸蔵、放出可能な金属酸化物;アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属と合金化可能な金属と該金属を含む合金、複合合金化合物;高比表面積の炭素質材料等のイオンの物理吸着による非反応性電極などが挙げられる。これらの中でも、エネルギー密度の点ではリチウム及びリチウムイオンの少なくともいずれかを挿入乃至脱離可能な物質が好ましく、サイクル特性の面では非反応性電極がより好ましい。
前記負極活物質としては、具体的には、炭素質材料、酸化アンチモン錫、一酸化珪素等のリチウムを吸蔵、放出可能な金属酸化物、アルミニウム、錫、珪素、亜鉛等のリチウムと合金化可能な金属又は金属合金、リチウムと合金化可能な金属と該金属を含む合金とリチウムとの複合合金化合物、チッ化コバルトリチウム等のチッ化金属リチウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安全性及びコストの点から、炭素質材料が特に好ましい。
前記炭素質材料としては、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などが挙げられる。これらの中でも、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボン又はハードカーボンが特に好ましい。
本発明に好ましいハードカーボンは、例えば、不活性雰囲気下で熱処理された時に(002)面の平均面間隔d002が3.50Åを超える結晶構造を形成するカーボンが使用される。具体的なハードカーボンの原料としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックなどが挙げられる。
本発明に好ましいハードカーボンは、例えば、不活性雰囲気下で熱処理された時に(002)面の平均面間隔d002が3.50Åを超える結晶構造を形成するカーボンが使用される。具体的なハードカーボンの原料としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックなどが挙げられる。
−−バインダ−−
前記バインダとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEO)などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記バインダとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEO)などが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
−−導電剤−−
前記導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記負極材層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上450μm以下が好ましく、20μm以上200μm以下がより好ましい。前記平均厚みが10μm以上であることにより、サイクル特性が良好なものとなり、450μm以下であることにより、十分なエネルギー密度が得られる。
−負極集電体−
前記負極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅などが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、銅が特に好ましい。
前記負極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅などが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、銅が特に好ましい。
前記負極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<負極の作製方法>
前記負極は、前記負極活物質に、必要に応じて前記バインダ、前記導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした負極材層組成物を、前記負極集電体上に塗布し、乾燥して負極材層を形成することによって作製することができる。前記溶媒としては、前記正極の作製方法と同様の溶媒を用いることができる。
また、前記負極活物質に前記バインダ、前記導電剤等を加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、蒸着、スパッタ、メッキ等の手法で前記負極集電体上に前記負極活物質の薄膜を形成することもできる。
前記負極は、前記負極活物質に、必要に応じて前記バインダ、前記導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした負極材層組成物を、前記負極集電体上に塗布し、乾燥して負極材層を形成することによって作製することができる。前記溶媒としては、前記正極の作製方法と同様の溶媒を用いることができる。
また、前記負極活物質に前記バインダ、前記導電剤等を加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、蒸着、スパッタ、メッキ等の手法で前記負極集電体上に前記負極活物質の薄膜を形成することもできる。
<非水電解液>
前記非水電解液は、非水溶媒、及び電解質塩を含有する電解液である。
前記非水電解液は、非水溶媒、及び電解質塩を含有する電解液である。
−非水溶媒−
前記非水溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好適である。
前記非プロトン性有機溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒が用いられ、電解質を高濃度に溶解するため、少なくとも環状カーボネートを含んでいることが好ましい。
前記非水溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好適である。
前記非プロトン性有機溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒が用いられ、電解質を高濃度に溶解するため、少なくとも環状カーボネートを含んでいることが好ましい。
前記環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などが挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート(EC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)が好ましい。
前記鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、メチルプロピオネート(MP)、などが挙げられる。これらの中でも、ジメチルカーボネート(DMC)が好ましい。
前記鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、メチルプロピオネート(MP)、などが挙げられる。これらの中でも、ジメチルカーボネート(DMC)が好ましい。
前記鎖状カーボネートの含有量は、目的に応じて適宜選択することができるが、前記非水溶媒に対して50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。前記鎖状カーボネートの含有量が、50質量%未満であると、残りの溶媒の誘電率が高い環状物質(環状カーボネートや環状エステル等)である場合には、誘電率が高い環状物質の量が増えるため、粘度が高くなりすぎ、非水電解液の電極へのしみ込みや、イオン拡散の点で不具合を生じることがある。
前記非水溶媒が鎖状カーボネート及び環状カーボネートを含有し、前記鎖状カーボネートの含有量が85.0質量%以上99.9質量%以下であり、前記環状カーボネートの含有量が0.1質量%以上15.0質量%以下であることが、蓄電素子の容量向上、及び電解液の低抵抗化による入出力特性の向上の点から好ましい。
前記鎖状カーボネートがジメチルカーボネート(DMC)を含有し、前記ジメチルカーボネート(DMC)の含有量が、前記鎖状カーボネートの総含有量に対して90質量%以上であることが、蓄電素子の容量向上、及び電解液の低抵抗化による入出力特性の向上の点から好ましい。
なお、前記非水溶媒としては、必要に応じて、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒などを用いることができる。
前記環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(γBL)、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。
前記鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等)、ギ酸アルキルエステル(ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等)などが挙げられる。
前記環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソランなどが挙げられる。
前記鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。
前記鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等)、ギ酸アルキルエステル(ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等)などが挙げられる。
前記環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソランなどが挙げられる。
前記鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。
−電解質塩−
前記電解質塩としては、非水溶媒に溶解し、カチオンは高いイオン伝導度を示すものであれば特に制限はない。下記のカチオンと、下記のアニオンとを組み合わせたものなどが使用可能である。
前記電解質塩としては、非水溶媒に溶解し、カチオンは高いイオン伝導度を示すものであれば特に制限はない。下記のカチオンと、下記のアニオンとを組み合わせたものなどが使用可能である。
前記カチオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、スピロ系4級アンモニウムイオン、などが挙げられる。
前記アニオンとしては、Cl−、Br−、I−、ClO4 −、BF4 −、PF6 −、SbF6 −、AsF6 −、CF3SO3 ―、(CF3SO2)2N−、(C2F5SO2)2N−などが挙げられる。
前記アニオンとしては、Cl−、Br−、I−、ClO4 −、BF4 −、PF6 −、SbF6 −、AsF6 −、CF3SO3 ―、(CF3SO2)2N−、(C2F5SO2)2N−などが挙げられる。
前記ハロゲン原子を含む電解質塩の中でも、蓄電素子の容量を向上させる点から、リチウム塩が特に好ましい。
前記リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、塩化リチウム(LiCl)、ホウ弗化リチウム(LiBF4)、六弗化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(C2F5SO2)2)、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド(LiN(CF2F5SO2)2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素電極中へのアニオンの吸蔵量の大きさの観点から、LiPF6が特に好ましい
前記リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、塩化リチウム(LiCl)、ホウ弗化リチウム(LiBF4)、六弗化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(C2F5SO2)2)、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド(LiN(CF2F5SO2)2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素電極中へのアニオンの吸蔵量の大きさの観点から、LiPF6が特に好ましい
前記リチウム塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2mol/L以上が好ましく、2mol/L以上4mol/L以下であることがより好ましい。
前記含有量を2mol/L以上とすると、充放電効率の高い蓄電素子が得られる。また、前記含有量を4mol/L以下とすると、良好な高電流充放電特性が得られる。
前記含有量を2mol/L以上とすると、充放電効率の高い蓄電素子が得られる。また、前記含有量を4mol/L以下とすると、良好な高電流充放電特性が得られる。
<セパレータ>
前記セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために正極と負極の間に設けられる。
前記セパレータの材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータの材質としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトフロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、などが挙げられる。
これらの中でも、非水電解液保持の観点から、気孔率が50%以上のものが好ましい。
前記セパレータの形状としては、微多孔(マイクロポア)を有する薄膜タイプよりも、不織布タイプの方が気孔率の高い点から好ましい。
前記セパレータの平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上100μm以下が好ましい。前記平均厚みが、20μm未満であると、電解液の保持量が少なくなることがあり、100μmを超えると、エネルギー密度が低下することになる。
更に好ましくは、負極側でのアルカリ金属、アルカリ土類金属の析出による正負短絡を防止するため負極側に30μm以下の微多孔膜(マイクロポア膜)を配し、正極側に厚みとしては20μm以上100μm以下の気孔率50%以上の不織布を用いることが好ましい。
前記セパレータの形状としては、例えば、シート状、などが挙げられる。
前記セパレータの大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために正極と負極の間に設けられる。
前記セパレータの材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータの材質としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトフロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、などが挙げられる。
これらの中でも、非水電解液保持の観点から、気孔率が50%以上のものが好ましい。
前記セパレータの形状としては、微多孔(マイクロポア)を有する薄膜タイプよりも、不織布タイプの方が気孔率の高い点から好ましい。
前記セパレータの平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上100μm以下が好ましい。前記平均厚みが、20μm未満であると、電解液の保持量が少なくなることがあり、100μmを超えると、エネルギー密度が低下することになる。
更に好ましくは、負極側でのアルカリ金属、アルカリ土類金属の析出による正負短絡を防止するため負極側に30μm以下の微多孔膜(マイクロポア膜)を配し、正極側に厚みとしては20μm以上100μm以下の気孔率50%以上の不織布を用いることが好ましい。
前記セパレータの形状としては、例えば、シート状、などが挙げられる。
前記セパレータの大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外装缶、電極取り出し線、などが挙げられる。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外装缶、電極取り出し線、などが挙げられる。
<非水電解液蓄電素子の製造方法>
本発明の非水電解液蓄電素子は、前記正極、前記負極、及び前記非水電解液と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装缶等の他の構成部材を用いることも可能である。前記非水電解液蓄電素子を組み立てる方法としては、特に制限はなく、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
本発明の非水電解液蓄電素子は、前記正極、前記負極、及び前記非水電解液と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装缶等の他の構成部材を用いることも可能である。前記非水電解液蓄電素子を組み立てる方法としては、特に制限はなく、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
<形状>
本発明の非水電解液蓄電素子の形状については、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、ラミネートタイプ、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプなどが挙げられる。
本発明の非水電解液蓄電素子の形状については、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、ラミネートタイプ、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプなどが挙げられる。
ここで、前記非水電解液蓄電素子の一例を図1に示す。この図1に示した非水電解液蓄電素子10は、正極1、負極2、及び前記非水電解液を含むセパレータ3を外装缶4内に収容し、これに負極引き出し線5及び正極引き出し線6を設けたものである。
<用途>
本発明の非水電解液蓄電素子の用途としては、特に制限はなく、各種用途に用いることができ、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、電動自転車、電動工具等の電源、バックアップ電源などが挙げられる。
本発明の非水電解液蓄電素子の用途としては、特に制限はなく、各種用途に用いることができ、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、電動自転車、電動工具等の電源、バックアップ電源などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(正極の製造例1)
−正極の作製−
正極活物質として炭素粉末(TIMCAL社製、KS−6)を用いた。この炭素粉末は窒素吸着によるBET比表面積20m2/g、レーザー回折粒度分布計(株式会社島津製作所製、SALD−2200)により測定した平均粒径(メジアン径)は3.4μmであった。
炭素粉末(TIMCAL社製、KS−6)10.0g、及び導電剤(アセチレンブラック)0.75gに水を加えて混錬し、更に増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)2質量%水溶液を19g加えて混練した。続いて、バインダ(JSR株式会社製、TRD−202A)0.75gを加えて混練し、正極材層組成物(スラリー)を作製した。
次に、前記正極材層組成物をアルミニウム箔上に塗工して120℃で5分間真空乾燥させ、正極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極を作製した。このとき、直径16mmのアルミニウム(Al)箔に塗工された正極材層中の炭素粉末(黒鉛)の質量は20mgであった。
−正極の作製−
正極活物質として炭素粉末(TIMCAL社製、KS−6)を用いた。この炭素粉末は窒素吸着によるBET比表面積20m2/g、レーザー回折粒度分布計(株式会社島津製作所製、SALD−2200)により測定した平均粒径(メジアン径)は3.4μmであった。
炭素粉末(TIMCAL社製、KS−6)10.0g、及び導電剤(アセチレンブラック)0.75gに水を加えて混錬し、更に増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)2質量%水溶液を19g加えて混練した。続いて、バインダ(JSR株式会社製、TRD−202A)0.75gを加えて混練し、正極材層組成物(スラリー)を作製した。
次に、前記正極材層組成物をアルミニウム箔上に塗工して120℃で5分間真空乾燥させ、正極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極を作製した。このとき、直径16mmのアルミニウム(Al)箔に塗工された正極材層中の炭素粉末(黒鉛)の質量は20mgであった。
(負極の製造例1)
−負極の作製−
負極活物質として炭素粉末(日立化成工業株式会社製、MAGD)を用いた。この炭素粉末は、窒素吸着によるBET比表面積4.5m2/g、レーザー回折粒度分布計(株式会社島津製作所製、SALD−2200)により測定した平均粒径(メジアン径)は20μm、タップ密度630kg/m3であった。
前記炭素粉末(黒鉛)10g、及び導電剤(アセチレンブラック)0.5gに水を加えて混錬し、更に増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)2質量%水溶液を10g加えて混練した。続いて、バインダ(電気化学工業株式会社製、EX−1215)50.2質量%水溶液0.6gを加えて負極材層組成物(スラリー)を作製した。
次に、前記負極材層組成物をCu箔上に塗工して120℃で5分間真空乾燥させ、負極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して負極とした。このとき、直径16mmのCu箔に塗工された負極材層中の炭素粉末(黒鉛)の質量は20mgであった。
−負極の作製−
負極活物質として炭素粉末(日立化成工業株式会社製、MAGD)を用いた。この炭素粉末は、窒素吸着によるBET比表面積4.5m2/g、レーザー回折粒度分布計(株式会社島津製作所製、SALD−2200)により測定した平均粒径(メジアン径)は20μm、タップ密度630kg/m3であった。
前記炭素粉末(黒鉛)10g、及び導電剤(アセチレンブラック)0.5gに水を加えて混錬し、更に増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)2質量%水溶液を10g加えて混練した。続いて、バインダ(電気化学工業株式会社製、EX−1215)50.2質量%水溶液0.6gを加えて負極材層組成物(スラリー)を作製した。
次に、前記負極材層組成物をCu箔上に塗工して120℃で5分間真空乾燥させ、負極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して負極とした。このとき、直径16mmのCu箔に塗工された負極材層中の炭素粉末(黒鉛)の質量は20mgであった。
(非水電解液の製造例1)
−非水電解液1の作製−
ジメチルカーボネート(DMC)に3.0mol/LのLiPF6を溶解させた非水電解液1を20mL調製した。なお、以下ではジメチルカーボネートを「DMC」と略記する。
−非水電解液1の作製−
ジメチルカーボネート(DMC)に3.0mol/LのLiPF6を溶解させた非水電解液1を20mL調製した。なお、以下ではジメチルカーボネートを「DMC」と略記する。
(非水電解液の製造例2)
−非水電解液2の作製−
ジメチルカーボネート(DMC)に2.0mol/LのLiPF6を溶解させた非水電解液2を20mL調製した。
−非水電解液2の作製−
ジメチルカーボネート(DMC)に2.0mol/LのLiPF6を溶解させた非水電解液2を20mL調製した。
(非水電解液の製造例3)
−非水電解液3の作製−
ジメチルカーボネート(DMC)とエチレンカーボネート(EC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)とを質量比(DMC:EC:FEC)が96:2:2となるように混合した溶液に3.0mol/LのLiPF6を溶解させた非水電解液3を20mL調製した。
−非水電解液3の作製−
ジメチルカーボネート(DMC)とエチレンカーボネート(EC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)とを質量比(DMC:EC:FEC)が96:2:2となるように混合した溶液に3.0mol/LのLiPF6を溶解させた非水電解液3を20mL調製した。
(非水電解液の製造例4)
−非水電解液4の作製−
ジメチルカーボネート(DMC)とエチレンカーボネート(EC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)とを質量比(DMC:EC:FEC)が96:2:2となるように混合した溶液に2.0mol/LのLiPF6を溶解させた非水電解液4を20mL調製した。
−非水電解液4の作製−
ジメチルカーボネート(DMC)とエチレンカーボネート(EC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)とを質量比(DMC:EC:FEC)が96:2:2となるように混合した溶液に2.0mol/LのLiPF6を溶解させた非水電解液4を20mL調製した。
次に、表1に非水電解液1〜4の内容をまとめて示した。
−セパレータの作製−
セパレータとしては、ガラス濾紙(GA100、ADVANTEC社製)を直径16mmに打ち抜いたものを2枚用いた。
セパレータとしては、ガラス濾紙(GA100、ADVANTEC社製)を直径16mmに打ち抜いたものを2枚用いた。
<正極の容量確認>
コイン缶中に、前記正極、前記セパレータ、前記非水電解液1、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた蓄電素子に室温(25℃)において1mA/cm2の定電流で充電終止電圧5.2Vまで充電した。1回目の充電の後、1mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子について、1mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、1mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし、この充放電サイクルを2回行い、正極の単位面積当りの容量を測定したところ、0.85mAh/cm2であった。なお、正極の単位面積当りの容量は、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
コイン缶中に、前記正極、前記セパレータ、前記非水電解液1、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた蓄電素子に室温(25℃)において1mA/cm2の定電流で充電終止電圧5.2Vまで充電した。1回目の充電の後、1mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子について、1mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、1mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし、この充放電サイクルを2回行い、正極の単位面積当りの容量を測定したところ、0.85mAh/cm2であった。なお、正極の単位面積当りの容量は、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
<負極の容量確認>
コイン缶中に、前記負極、前記セパレータ、前記非水電解液1、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた蓄電素子に室温(25℃)において2mA/cm2の定電流で充電終止電圧0Vまで充電した。1回目の充電の後、2mA/cm2の定電流で1.5Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子について、1mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、1mA/cm2の定電流で1.5Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし、この充放電サイクルを2回行い。負極の単位面積当りの容量を測定したところ、3.41mAh/cm2であった。なお、負極の単位面積当りの容量は、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
コイン缶中に、前記負極、前記セパレータ、前記非水電解液1、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた蓄電素子に室温(25℃)において2mA/cm2の定電流で充電終止電圧0Vまで充電した。1回目の充電の後、2mA/cm2の定電流で1.5Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子について、1mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、1mA/cm2の定電流で1.5Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし、この充放電サイクルを2回行い。負極の単位面積当りの容量を測定したところ、3.41mAh/cm2であった。なお、負極の単位面積当りの容量は、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
次に、表2に、正極及び負極の構成及び単位面積あたりの容量を示した。
(実施例1−1)
コイン缶中に、前記正極、前記負極、前記セパレータ、及び前記非水電解液1を入れ、実施例1−1の非水電解液蓄電素子を組み立てた。
得られた非水電解液蓄電素子について、室温(25℃)において1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)まで充電した(5.20V、5.40V、5.45V、5.50V、5.55V、5.60V、5.65V、5.70V、5.80V、6.00V)。この時の充電容量を初回充電容量とした。その後1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。この時の放電容量を初回放電容量とした。その後、1.85mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとした。この時の容量を処理後放電容量とした。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表3及び図2に示した。
コイン缶中に、前記正極、前記負極、前記セパレータ、及び前記非水電解液1を入れ、実施例1−1の非水電解液蓄電素子を組み立てた。
得られた非水電解液蓄電素子について、室温(25℃)において1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)まで充電した(5.20V、5.40V、5.45V、5.50V、5.55V、5.60V、5.65V、5.70V、5.80V、6.00V)。この時の充電容量を初回充電容量とした。その後1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。この時の放電容量を初回放電容量とした。その後、1.85mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとした。この時の容量を処理後放電容量とした。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表3及び図2に示した。
表3及び図2の結果から、初期充電最高電圧(カットオフ電圧)が5.4V以上で初回処理をすると、蓄電素子の容量の上昇が見られた。しかし、初期充電最高電圧(カットオフ電圧)が6.0Vになると、蓄電素子の容量の大幅な低下が見られ、電解液の分解が起こっていると考えられる。
(実施例1−2)
実施例1−1において、非水電解液1を非水電解液2に代えた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた非水電解液蓄電素子について、室温(25℃)において、1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)まで充電した(5.0V、5.2V、5.4V、5.7V、6.0V)以外は、実施例1−1と同様にして、充放電試験を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表4に示した。
実施例1−1において、非水電解液1を非水電解液2に代えた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた非水電解液蓄電素子について、室温(25℃)において、1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)まで充電した(5.0V、5.2V、5.4V、5.7V、6.0V)以外は、実施例1−1と同様にして、充放電試験を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表4に示した。
(実施例1−3)
実施例1−1において、非水電解液1を非水電解液3に代えた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−3の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた非水電解液蓄電素子について、室温(25℃)において1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)まで充電した(5.0V、5.2V、5.4V、5.7V、6.0V)以外は、実施例1−1と同様にして、充放電試験を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表5に示した。
実施例1−1において、非水電解液1を非水電解液3に代えた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−3の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた非水電解液蓄電素子について、室温(25℃)において1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)まで充電した(5.0V、5.2V、5.4V、5.7V、6.0V)以外は、実施例1−1と同様にして、充放電試験を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表5に示した。
(実施例1−4)
実施例1−1において、非水電解液1を非水電解液4に代えた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−4の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた非水電解液蓄電素子について、室温(25℃)において1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)まで充電した(5.0V、5.2V、5.4V、5.7V、6.0V)以外は、実施例1−1と同様にして、充放電試験を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表6に示した。
実施例1−1において、非水電解液1を非水電解液4に代えた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−4の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた非水電解液蓄電素子について、室温(25℃)において1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)まで充電した(5.0V、5.2V、5.4V、5.7V、6.0V)以外は、実施例1−1と同様にして、充放電試験を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表6に示した。
(実施例2−1〜2−4)
コイン缶中に、前記正極、前記負極、前記セパレータ、及び前記非水電解液1〜4をそれぞれ入れ、実施例2−1〜2−4の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた各非水電解液蓄電素子に室温(25℃)において、1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)(5.2V、5.7V)まで充電した。その後1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。この時の放電容量を初回放電容量とした。その後、1mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし50サイクル特性試験を実施した。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表7及び図3に示した。なお、図3中、「処理あり」は初期充電最高電圧5.7V、「処理なし」は初期充電最高電圧5.2Vでの結果を示す。
コイン缶中に、前記正極、前記負極、前記セパレータ、及び前記非水電解液1〜4をそれぞれ入れ、実施例2−1〜2−4の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた各非水電解液蓄電素子に室温(25℃)において、1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)(5.2V、5.7V)まで充電した。その後1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。この時の放電容量を初回放電容量とした。その後、1mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし50サイクル特性試験を実施した。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表7及び図3に示した。なお、図3中、「処理あり」は初期充電最高電圧5.7V、「処理なし」は初期充電最高電圧5.2Vでの結果を示す。
表7及び図3の結果から、初期充電最高電圧5.7Vで処理した蓄電素子(処理あり)は、初期充電最高電圧5.2Vで処理した蓄電素子(処理なし)に比べて容量が大きく、またサイクル特性の低下も見られていない。このことから、初期充電最高電圧5.7Vの高電圧処理を行うことによって炭素質材料に非晶質部が形成でき、イオンのインターカレーションサイトを増大され容量が増加したと考えられる。
なお、初期充電最高電圧を5.0Vとした場合には、初回充電容量が94.7mAh/g、初回放電容量が62.1mAh/g、処理後の放電容量が61.8mAh/gとなり、初期充電最高電圧が5.0Vであると、蓄電素子の容量の大幅な低下が生じた。
なお、初期充電最高電圧を5.0Vとした場合には、初回充電容量が94.7mAh/g、初回放電容量が62.1mAh/g、処理後の放電容量が61.8mAh/gとなり、初期充電最高電圧が5.0Vであると、蓄電素子の容量の大幅な低下が生じた。
(実施例3−1〜3−4)
コイン缶中に、前記正極、前記負極、前記セパレータ、及び前記非水電解液1〜4をそれぞれ入れ、実施例3−1〜3−4の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた各非水電解液蓄電素子に室温(25℃)において、1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)を5.70Vまで充電したもの、5.2Vカットオフで充電し放電した後、5.4Vカットオフで充電し放電した後、5.7Vカットオフで充電する(多段階)の2種類の試験を実施した。その後、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。この時の放電容量を初回放電容量とした。その後、1.85mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を図4及び表8に示した。なお、図4中「丸1」は5.2Vカットオフで充電し放電したもの、「丸2」は5.2Vカットオフで充電し放電した後、5.4Vカットオフで充電し放電したもの、「丸3」は5.2Vカットオフで充電し放電した後、5.4Vカットオフで充電し放電した後、5.7Vカットオフで充電したもの、「実線」は初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)を5.70Vまで充電したものである。
次に、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし、40サイクルまでサイクル特性試験を実施した。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を図5及び表9に示した。
コイン缶中に、前記正極、前記負極、前記セパレータ、及び前記非水電解液1〜4をそれぞれ入れ、実施例3−1〜3−4の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた各非水電解液蓄電素子に室温(25℃)において、1.85mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)を5.70Vまで充電したもの、5.2Vカットオフで充電し放電した後、5.4Vカットオフで充電し放電した後、5.7Vカットオフで充電する(多段階)の2種類の試験を実施した。その後、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。この時の放電容量を初回放電容量とした。その後、1.85mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を図4及び表8に示した。なお、図4中「丸1」は5.2Vカットオフで充電し放電したもの、「丸2」は5.2Vカットオフで充電し放電した後、5.4Vカットオフで充電し放電したもの、「丸3」は5.2Vカットオフで充電し放電した後、5.4Vカットオフで充電し放電した後、5.7Vカットオフで充電したもの、「実線」は初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)を5.70Vまで充電したものである。
次に、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし、40サイクルまでサイクル特性試験を実施した。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を図5及び表9に示した。
図4、図5、表8及び表9の結果から、多段で充電すると処理後の容量が大きくなった。また、充放電を繰り返し行ってもその容量を維持できていることがわかった。
(実施例4−1〜4−4)
コイン缶中に、前記正極、前記負極、前記セパレータ、及び前記非水電解液1〜4をそれぞれ入れ、実施例4−1〜4−4の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた各非水電解液蓄電素子に室温(25℃)において、0.5mA/cm2、1.0mA/cm2、1.85mA/cm2、5.0mA/cm2、7.5mA/cm2、及び10mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)を5.7Vとした。その後、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。この時の放電容量を初回放電容量とした。その後、1.85mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表10及び図6に示した。
次に、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし、100サイクル特性試験を実施した。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表11及び図7に示した。
コイン缶中に、前記正極、前記負極、前記セパレータ、及び前記非水電解液1〜4をそれぞれ入れ、実施例4−1〜4−4の非水電解液蓄電素子を作製した。
得られた各非水電解液蓄電素子に室温(25℃)において、0.5mA/cm2、1.0mA/cm2、1.85mA/cm2、5.0mA/cm2、7.5mA/cm2、及び10mA/cm2の定電流でそれぞれの初期充電最高電圧(初回処理カットオフ電圧)を5.7Vとした。その後、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。この時の放電容量を初回放電容量とした。その後、1.85mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行った。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表10及び図6に示した。
次に、1.85mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし、100サイクル特性試験を実施した。充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。結果を表11及び図7に示した。
図6、図7、表10、及び表11の結果から、初期の容量は充電レートが低いほうが高かったが、繰り返し特性は高レートで充電した蓄電素子のほうが優れていた。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> アニオンを挿入乃至脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入乃至脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解されてなる非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子であって、
前記非水電解液蓄電素子の初期充電最高電圧が、5.2V以上6.0V未満であることを特徴とする非水電解液蓄電素子である。
<2> 前記初期充電最高電圧が5.2V以上6.0V未満であり、かつ段階的に電圧を上げて充電する前記<1>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<3> 前記初期充電最高電圧が、5.4V以上5.8V以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<4> 前記非水溶媒が鎖状カーボネート及び環状カーボネートを含有し、前記鎖状カーボネートの含有量が85.0質量%以上99.9質量%以下であり、前記環状カーボネートの含有量が0.1質量%以上15.0質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<5> 前記鎖状カーボネートがジメチルカーボネート(DMC)を含有し、前記ジメチルカーボネート(DMC)の含有量が、前記鎖状カーボネートの総含有量に対して90質量%以上である前記<4>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<6> 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート(EC)及びフルオロエチレンカーボネート(FEC)の少なくともいずれかである前記<4>から<5>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<7> 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート(EC)を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<8> 前記電解質塩が、リチウム塩である前記<1>から<7>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<9> 前記電解質塩が、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)である前記<1>から<8>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<10> 前記電解質塩の含有量が、非水溶媒に対して2mol/L以上である前記<1>から<9>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<11> 前記正極活物質が、炭素質材料である前記<1>から<10>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<12> 前記炭素質材料が、人造グラファイト、天然グラファイト、及びソフトカーボンのいずれかである前記<11>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<13> 前記負極活物質が、炭素質材料である前記<1>から<12>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<14> 前記炭素質材料が、コークス、人造グラファイト、天然グラファイト、ソフトカーボン及びハードカーボンのいずれかである前記<13>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<15> 前記正極と前記負極との間に、セパレータを有する前記<1>から<14>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<16> 前記セパレータの平均厚みが、20μm以上100μm以下である前記<15>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<1> アニオンを挿入乃至脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入乃至脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解されてなる非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子であって、
前記非水電解液蓄電素子の初期充電最高電圧が、5.2V以上6.0V未満であることを特徴とする非水電解液蓄電素子である。
<2> 前記初期充電最高電圧が5.2V以上6.0V未満であり、かつ段階的に電圧を上げて充電する前記<1>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<3> 前記初期充電最高電圧が、5.4V以上5.8V以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<4> 前記非水溶媒が鎖状カーボネート及び環状カーボネートを含有し、前記鎖状カーボネートの含有量が85.0質量%以上99.9質量%以下であり、前記環状カーボネートの含有量が0.1質量%以上15.0質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<5> 前記鎖状カーボネートがジメチルカーボネート(DMC)を含有し、前記ジメチルカーボネート(DMC)の含有量が、前記鎖状カーボネートの総含有量に対して90質量%以上である前記<4>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<6> 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート(EC)及びフルオロエチレンカーボネート(FEC)の少なくともいずれかである前記<4>から<5>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<7> 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート(EC)を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<8> 前記電解質塩が、リチウム塩である前記<1>から<7>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<9> 前記電解質塩が、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)である前記<1>から<8>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<10> 前記電解質塩の含有量が、非水溶媒に対して2mol/L以上である前記<1>から<9>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<11> 前記正極活物質が、炭素質材料である前記<1>から<10>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<12> 前記炭素質材料が、人造グラファイト、天然グラファイト、及びソフトカーボンのいずれかである前記<11>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<13> 前記負極活物質が、炭素質材料である前記<1>から<12>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<14> 前記炭素質材料が、コークス、人造グラファイト、天然グラファイト、ソフトカーボン及びハードカーボンのいずれかである前記<13>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<15> 前記正極と前記負極との間に、セパレータを有する前記<1>から<14>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<16> 前記セパレータの平均厚みが、20μm以上100μm以下である前記<15>に記載の非水電解液蓄電素子である。
前記<1>から<16>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 外装缶
5 負極引き出し線
6 正極引き出し線
10 非水電解液蓄電素子
2 負極
3 セパレータ
4 外装缶
5 負極引き出し線
6 正極引き出し線
10 非水電解液蓄電素子
Journal of The Electrochemical Society,147(3)899−901(2000)
Claims (11)
- アニオンを挿入乃至脱離可能な正極活物質を含む正極と、カチオンを挿入乃至脱離可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解されてなる非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子であって、
前記非水電解液蓄電素子の初期充電最高電圧が、5.2V以上6.0V未満であることを特徴とする非水電解液蓄電素子。 - 前記初期充電最高電圧が5.2V以上6.0V未満であり、かつ段階的に電圧を上げて充電する請求項1に記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記初期充電最高電圧が、5.4V以上5.8V以下である請求項1から2のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記非水溶媒が鎖状カーボネート及び環状カーボネートを含有し、前記鎖状カーボネートの含有量が85.0質量%以上99.9質量%以下であり、前記環状カーボネートの含有量が0.1質量%以上15.0質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記鎖状カーボネートがジメチルカーボネート(DMC)を含有し、前記ジメチルカーボネート(DMC)の含有量が、前記鎖状カーボネートの総含有量に対して90質量%以上である請求項4に記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート(EC)を含有する請求項4から5のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記電解質塩が、リチウム塩である請求項1から6のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記電解質塩が、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)である請求項1から7のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記電解質塩の含有量が、非水溶媒に対して2mol/L以上である請求項1から8のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記正極活物質が、炭素質材料である請求項1から9のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
- 前記負極活物質が、炭素質材料である請求項1から10のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
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